JP3284655B2 - 工具用高硬度焼結体 - Google Patents
工具用高硬度焼結体Info
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- JP3284655B2 JP3284655B2 JP07178993A JP7178993A JP3284655B2 JP 3284655 B2 JP3284655 B2 JP 3284655B2 JP 07178993 A JP07178993 A JP 07178993A JP 7178993 A JP7178993 A JP 7178993A JP 3284655 B2 JP3284655 B2 JP 3284655B2
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- Japan
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- sintered body
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- hardness sintered
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、立方晶窒化硼素（以
下、ｃＢＮと称す）を用いた工具用高硬度焼結体に関す
る。
下、ｃＢＮと称す）を用いた工具用高硬度焼結体に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】ｃＢＮと、周期律表IVａ、Ｖａ、VIａ族
の遷移金属の窒化物、炭化物、炭窒化物あるいはこれら
の混合物に、ＡｌやＳｉを添加した焼結体は、特開昭５
３─７７８１１号公報に記載されており、焼入鋼、鋳
鉄、耐熱合金等の難削材の加工に幅広く使用されてい
る。
の遷移金属の窒化物、炭化物、炭窒化物あるいはこれら
の混合物に、ＡｌやＳｉを添加した焼結体は、特開昭５
３─７７８１１号公報に記載されており、焼入鋼、鋳
鉄、耐熱合金等の難削材の加工に幅広く使用されてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
焼結体においても、例えば、焼入鋼の高速切削を行う
と、短時間で刃先に摩耗が生ずるため、高速切削での耐
摩耗性の向上が強く望まれている。この摩耗は、工具逃
げ面に生ずる逃げ面摩耗と、すくい面に生ずるクレータ
ー摩耗のことを指すが、この摩耗が生ずる原因として
は、ｃＢＮ焼結体中の結合材の耐熱性が不足したり、ｃ
ＢＮ粒子の脱落が生じたりするためであると推測され
る。
焼結体においても、例えば、焼入鋼の高速切削を行う
と、短時間で刃先に摩耗が生ずるため、高速切削での耐
摩耗性の向上が強く望まれている。この摩耗は、工具逃
げ面に生ずる逃げ面摩耗と、すくい面に生ずるクレータ
ー摩耗のことを指すが、この摩耗が生ずる原因として
は、ｃＢＮ焼結体中の結合材の耐熱性が不足したり、ｃ
ＢＮ粒子の脱落が生じたりするためであると推測され
る。
【０００４】そこで、本発明では、上記の欠点を解消
し、従来のｃＢＮ焼結体よりも耐摩耗性を大幅に向上さ
せた工具用高硬度焼結体を提供しようとするものであ
る。
し、従来のｃＢＮ焼結体よりも耐摩耗性を大幅に向上さ
せた工具用高硬度焼結体を提供しようとするものであ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、立方晶窒化硼
素３０〜５５体積％と残部結合材を混合し、超高圧焼結
して得られた工具用高硬度焼結体であって、前記結合材
が、２〜１０重量％のＡｌ、好ましくはＡｌ化合物の状
態で含み、ＴｉＣx 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｃx からなる化合物
を第１群、ＴｉＮy 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｎy からなる化合物
（但し、ＭはＴｉを除く周期律表IVａ、Ｖａ、VIａ族の
遷移金属であり、０．６≦ｘ≦０．９５、０．４５≦ｙ
≦０．９５）を第２群としたとき、第１群と第２群の合
計が９０〜９８重量％であり、第１群と第２群の比率が
容積比で９８：２〜７５：２５であり、立方晶窒化硼素
の平均粒子径が１〜４μｍで、第１群の結合材平均粒子
径が１〜３μｍで、立方晶窒化硼素粒子を結合相を介し
て相互に接合されている工具用高硬度焼結体である。上
記のＡｌ化合物は、例えば硼化アルミ、窒化アルミ等の
状態で存在し、焼結体中では、上記結合材とｃＢＮ粉末
が焼結中に反応して硼化チタンを生成する。
素３０〜５５体積％と残部結合材を混合し、超高圧焼結
して得られた工具用高硬度焼結体であって、前記結合材
が、２〜１０重量％のＡｌ、好ましくはＡｌ化合物の状
態で含み、ＴｉＣx 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｃx からなる化合物
を第１群、ＴｉＮy 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｎy からなる化合物
（但し、ＭはＴｉを除く周期律表IVａ、Ｖａ、VIａ族の
遷移金属であり、０．６≦ｘ≦０．９５、０．４５≦ｙ
≦０．９５）を第２群としたとき、第１群と第２群の合
計が９０〜９８重量％であり、第１群と第２群の比率が
容積比で９８：２〜７５：２５であり、立方晶窒化硼素
の平均粒子径が１〜４μｍで、第１群の結合材平均粒子
径が１〜３μｍで、立方晶窒化硼素粒子を結合相を介し
て相互に接合されている工具用高硬度焼結体である。上
記のＡｌ化合物は、例えば硼化アルミ、窒化アルミ等の
状態で存在し、焼結体中では、上記結合材とｃＢＮ粉末
が焼結中に反応して硼化チタンを生成する。
【０００６】
【作用】立方晶窒化硼素焼結体の耐摩耗性は、その焼結
体中のｃＢＮの含有量、粒度と結合材の組成などが大き
く影響する。本発明は、上記の最適な組み合わせを見い
だし、かつ、結合材とｃＢＮの粒度の組み合わせによ
り、耐摩耗性を改善することが可能となった。
体中のｃＢＮの含有量、粒度と結合材の組成などが大き
く影響する。本発明は、上記の最適な組み合わせを見い
だし、かつ、結合材とｃＢＮの粒度の組み合わせによ
り、耐摩耗性を改善することが可能となった。
【０００７】本発明の焼結体において、ｃＢＮ含有率は
３０〜５５体積％であり、この範囲を下回ると、相対的
に結合材の含有率が多くなり、焼結体の強度及び硬度が
低下し、機械的摩耗の進展が早くなったり、刃先に欠損
を生じたりする。ｃＢＮ含有率が上記の範囲を上回る
と、耐摩耗性を向上させる結合材の量が減少し、耐摩耗
性が低下する。
３０〜５５体積％であり、この範囲を下回ると、相対的
に結合材の含有率が多くなり、焼結体の強度及び硬度が
低下し、機械的摩耗の進展が早くなったり、刃先に欠損
を生じたりする。ｃＢＮ含有率が上記の範囲を上回る
と、耐摩耗性を向上させる結合材の量が減少し、耐摩耗
性が低下する。
【０００８】本発明の焼結体は、結合材として２〜１０
重量％のＡｌを含み、この範囲を下回ると、結合材とｃ
ＢＮの反応が不十分となり、結合材によるｃＢＮの保持
力が弱くなって欠損を生ずる。また、この範囲を上回る
と、焼結後に生ずる生成物ＡｌＢ2 などが多くなり、耐
摩耗性に優れたＴｉＣx 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｃx 、Ｔｉ
Ｎy 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｎy などの化合物の量が相対的に減
少するので、十分な耐摩耗性が得られない。
重量％のＡｌを含み、この範囲を下回ると、結合材とｃ
ＢＮの反応が不十分となり、結合材によるｃＢＮの保持
力が弱くなって欠損を生ずる。また、この範囲を上回る
と、焼結後に生ずる生成物ＡｌＢ2 などが多くなり、耐
摩耗性に優れたＴｉＣx 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｃx 、Ｔｉ
Ｎy 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｎy などの化合物の量が相対的に減
少するので、十分な耐摩耗性が得られない。
【０００９】さらに、ＴｉＣx 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｃx から
なる化合物を第１群、ＴｉＮy 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｎy から
なる化合物（但し、ＭはＴｉを除く周期律表IVａ、Ｖ
ａ、VIａ族の遷移金属であり、０．６≦ｘ≦０．９５、
０．４５≦ｙ≦０．９５）を第２群としたとき、第１群
と第２群の比率が容積比で９８：２〜７５：２５であ
る。この範囲を上回ると、耐熱性、耐摩耗性に優れたチ
タン炭化物が増加するが、相対的にｃＢＮと強固に結合
する窒化チタンの量が減少するので、靱性が低下する。
また、この範囲を下回ると、例えば耐熱性が要求される
高速切削等に用いるときに、耐熱性に劣る窒化チタンの
量が増加し、耐摩耗性が低下する。ｘ，ｙ値は、０．６
≦ｘ≦０．９５、０．４５≦ｙ≦０．９５であり、ｘが
０．６未満、ｙが０．４５未満では、遊離Ｔｉの量が増
加し、これが焼結後に硼化チタン等の量が増加し、耐摩
耗性が不足する。ｘとｙが０．９５を上回ると、結合材
とｃＢＮの結合強度が低下して欠損を生ずる。なお、上
記焼結体中には、Ａｌ2 Ｏ3 や不可避的不純物として鉄
族金属を含んでいてもよい。
なる化合物を第１群、ＴｉＮy 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｎy から
なる化合物（但し、ＭはＴｉを除く周期律表IVａ、Ｖ
ａ、VIａ族の遷移金属であり、０．６≦ｘ≦０．９５、
０．４５≦ｙ≦０．９５）を第２群としたとき、第１群
と第２群の比率が容積比で９８：２〜７５：２５であ
る。この範囲を上回ると、耐熱性、耐摩耗性に優れたチ
タン炭化物が増加するが、相対的にｃＢＮと強固に結合
する窒化チタンの量が減少するので、靱性が低下する。
また、この範囲を下回ると、例えば耐熱性が要求される
高速切削等に用いるときに、耐熱性に劣る窒化チタンの
量が増加し、耐摩耗性が低下する。ｘ，ｙ値は、０．６
≦ｘ≦０．９５、０．４５≦ｙ≦０．９５であり、ｘが
０．６未満、ｙが０．４５未満では、遊離Ｔｉの量が増
加し、これが焼結後に硼化チタン等の量が増加し、耐摩
耗性が不足する。ｘとｙが０．９５を上回ると、結合材
とｃＢＮの結合強度が低下して欠損を生ずる。なお、上
記焼結体中には、Ａｌ2 Ｏ3 や不可避的不純物として鉄
族金属を含んでいてもよい。
【００１０】上記のｃＢＮの平均粒子径は１〜４μｍで
あり、１μｍ未満では耐摩耗性が低下し、４μｍを超え
るとｃＢＮ粒子が破砕され、耐欠損性が低下する。ま
た、上記の第１群の結合材の平均粒子径は１〜３μｍで
あり、１μｍ未満では耐熱性が低下し、３μｍを超える
とｃＢＮ粒子が破砕され、耐欠損性が低下する。
あり、１μｍ未満では耐摩耗性が低下し、４μｍを超え
るとｃＢＮ粒子が破砕され、耐欠損性が低下する。ま
た、上記の第１群の結合材の平均粒子径は１〜３μｍで
あり、１μｍ未満では耐熱性が低下し、３μｍを超える
とｃＢＮ粒子が破砕され、耐欠損性が低下する。
【００１１】
（実施例１）表１に示す組成及び平均粒子径を有する結
合材と、平均粒子径２．５μｍのｃＢＮ粉末を、体積比
で５０：５０になるように配合し、超硬合金ポットとボ
ールを用いて均一混合して原料粉末を得た。次に、Ｍｏ
製容器に超硬合金の円板を入れた後、上記原料粉末を充
填し、この容器を超高圧、高温装置に入れて圧力４５ｋ
ｂ、温度１４００℃で２０分間焼結した。
合材と、平均粒子径２．５μｍのｃＢＮ粉末を、体積比
で５０：５０になるように配合し、超硬合金ポットとボ
ールを用いて均一混合して原料粉末を得た。次に、Ｍｏ
製容器に超硬合金の円板を入れた後、上記原料粉末を充
填し、この容器を超高圧、高温装置に入れて圧力４５ｋ
ｂ、温度１４００℃で２０分間焼結した。
【００１２】得られた焼結体をＸ線で調査したところ、
ｃＢＮや結合材の他に窒化アルミ、硼化チタン、硼化ア
ルミと思われるピークが観察された。次に、この焼結体
を用いて切削工具用チップを作製した。そして、このチ
ップを用いて、浸炭焼き入れしたクロムモリブデン鋼を
切削した。切削条件は切削速度が２００ｍ／ｍｉｎで、
送りが０．１ｍｍ／ｒｅｖ．で、切込みが０．２ｍｍと
し、湿式で行った。切削は３０分間行い、表１に示す刃
先の摩耗が得られた。
ｃＢＮや結合材の他に窒化アルミ、硼化チタン、硼化ア
ルミと思われるピークが観察された。次に、この焼結体
を用いて切削工具用チップを作製した。そして、このチ
ップを用いて、浸炭焼き入れしたクロムモリブデン鋼を
切削した。切削条件は切削速度が２００ｍ／ｍｉｎで、
送りが０．１ｍｍ／ｒｅｖ．で、切込みが０．２ｍｍと
し、湿式で行った。切削は３０分間行い、表１に示す刃
先の摩耗が得られた。
【００１３】
【表１】
【００１４】（実施例２）表２に示す平均粒子径を有す
るｃＢＮ粉末と、平均粒子径１．５μｍで５重量％のＡ
ｌを含み、ＴｉＣ0.7 粉末とＴｉＮ0.8 が容積比で８
０：２０になるように配合した結合材粉末を準備した。
表２に示すｃＢＮ含有率となるように、ｃＢＮと上記結
合材粉末を配合し、超硬合金ポットとボールを用いて均
一混合して原料粉末を得た。次に、Ｍｏ製容器に超硬合
金の円板を入れた後、上記原料粉末を充填し、この容器
を超高圧、高温装置に入れて圧力４５ｋｂ、温度１４０
０℃で２５分間焼結した。
るｃＢＮ粉末と、平均粒子径１．５μｍで５重量％のＡ
ｌを含み、ＴｉＣ0.7 粉末とＴｉＮ0.8 が容積比で８
０：２０になるように配合した結合材粉末を準備した。
表２に示すｃＢＮ含有率となるように、ｃＢＮと上記結
合材粉末を配合し、超硬合金ポットとボールを用いて均
一混合して原料粉末を得た。次に、Ｍｏ製容器に超硬合
金の円板を入れた後、上記原料粉末を充填し、この容器
を超高圧、高温装置に入れて圧力４５ｋｂ、温度１４０
０℃で２５分間焼結した。
【００１５】得られた焼結体をＸ線で調査したところ、
ｃＢＮや結合材の他に窒化アルミ、硼化チタン、硼化ア
ルミと思われるピークが観察された。次に、この焼結体
を用いて切削工具用チップを作製した。このチップを用
いて、熱処理された軸受け鋼を切削した。この軸受け鋼
の硬度はＨＲＣで６２であった。切削条件は切削速度が
１８０ｍ／ｍｉｎで、送りが０．１ｍｍ／ｒｅｖ．で、
切込みが０．１５ｍｍとし、乾式で行った。切削は２５
分間行い、表２に示す刃先の摩耗が得られた。
ｃＢＮや結合材の他に窒化アルミ、硼化チタン、硼化ア
ルミと思われるピークが観察された。次に、この焼結体
を用いて切削工具用チップを作製した。このチップを用
いて、熱処理された軸受け鋼を切削した。この軸受け鋼
の硬度はＨＲＣで６２であった。切削条件は切削速度が
１８０ｍ／ｍｉｎで、送りが０．１ｍｍ／ｒｅｖ．で、
切込みが０．１５ｍｍとし、乾式で行った。切削は２５
分間行い、表２に示す刃先の摩耗が得られた。
【００１６】
【表２】
【００１７】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、耐摩耗性に優れた工具用高硬度焼結体の提供を可
能にした。
より、耐摩耗性に優れた工具用高硬度焼結体の提供を可
能にした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C22C 29/00 - 29/18
Claims (2)
- 【請求項１】 立方晶窒化硼素３０〜５５体積％と残部
結合材を混合し、超高圧焼結して得られた工具用高硬度
焼結体であって、前記結合材が、２〜１０重量％のＡｌ
を含み、ＴｉＣx 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｃx からなる化合物を
第１群、ＴｉＮy 、（Ｔｉ、Ｍ）Ｎy からなる化合物
（但し、ＭはＴｉを除く周期律表IVａ、Ｖａ、VIａ族の
遷移金属であり、０．６≦ｘ≦０．９５、０．４５≦ｙ
≦０．９５）を第２群としたとき、第１群と第２群の合
計が９０〜９８重量％であり、第１群と第２群の比率が
容積比で９８：２〜７５：２５であり、立方晶窒化硼素
の平均粒子径が１〜４μｍで、第１群の結合材平均粒子
径が１〜３μｍで、立方晶窒化硼素粒子を結合相を介し
て相互に接合されている工具用高硬度焼結体。 - 【請求項２】 前記ＡｌはＡｌ化合物の状態で結合材中
に含まれている請求項１記載の工具用高硬度焼結体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07178993A JP3284655B2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 工具用高硬度焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07178993A JP3284655B2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 工具用高硬度焼結体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06279912A JPH06279912A (ja) | 1994-10-04 |
| JP3284655B2 true JP3284655B2 (ja) | 2002-05-20 |
Family
ID=13470699
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07178993A Expired - Lifetime JP3284655B2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 工具用高硬度焼結体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3284655B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10114575A (ja) * | 1996-10-04 | 1998-05-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 工具用高硬度焼結体 |
-
1993
- 1993-03-30 JP JP07178993A patent/JP3284655B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06279912A (ja) | 1994-10-04 |
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Legal Events
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