JP2808501B2 - 放電加工変質層の除去方法 - Google Patents
放電加工変質層の除去方法Info
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- JP2808501B2 JP2808501B2 JP21999791A JP21999791A JP2808501B2 JP 2808501 B2 JP2808501 B2 JP 2808501B2 JP 21999791 A JP21999791 A JP 21999791A JP 21999791 A JP21999791 A JP 21999791A JP 2808501 B2 JP2808501 B2 JP 2808501B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン部品やタービ
ンブレード等の放電加工後に適用される放電加工変質層
の除去方法に関する。
ンブレード等の放電加工後に適用される放電加工変質層
の除去方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の放電加工に使用する装置は、図３
に示すように内部にワーク３０が配設され加工液３２が
満された容器４０、上記ワーク３０の放電加工面３９に
対向し電源３１が接続された電極３３、放電加工制御装
置３４と油圧タンク３５と油圧ポンプ３６が接続された
バルブ３７、および同バルブ３７が接続され上記電極３
３が接合された放電加工機本体３８を備えていた。
に示すように内部にワーク３０が配設され加工液３２が
満された容器４０、上記ワーク３０の放電加工面３９に
対向し電源３１が接続された電極３３、放電加工制御装
置３４と油圧タンク３５と油圧ポンプ３６が接続された
バルブ３７、および同バルブ３７が接続され上記電極３
３が接合された放電加工機本体３８を備えていた。
【０００３】上記において、放電加工は、電極３３とワ
ーク３０の放電加工面３９との間に電源３１より電圧を
印加して通電を行い、それと同時に放電加工機本体３８
により電極３３をＸ，Ｙ，Ｚの３軸方向に移動させなが
ら加工するもので、複雑曲面形状の加工が可能であっ
た。
ーク３０の放電加工面３９との間に電源３１より電圧を
印加して通電を行い、それと同時に放電加工機本体３８
により電極３３をＸ，Ｙ，Ｚの３軸方向に移動させなが
ら加工するもので、複雑曲面形状の加工が可能であっ
た。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電加工におい
ては、脆性材料、特に放電加工による熱応力で亀裂が進
展しやすい材料の場合、それぞれ荒加工と仕上げ加工の
場合を図示した図４（ａ），（ｂ）に示すように加工液
（通常はパラフィン系の油）３２中の炭素が放電アーク
４２により再溶融したワーク３０の放電加工面３９の部
分に入り込んだ後急冷凝固し、硬くて脆い脆化層（変質
層）４３を数μｍから数１０μｍの厚さで形成し、それ
と同時に、亀甲状の微細亀裂４１を生じ、時には、母材
まで達する亀裂を生ずることがあった。加えて、使用条
件が疲労発停を伴うような場合、この傾向は更に顕著で
あり使用耐久性の点から改善すべき課題となっていた。
ては、脆性材料、特に放電加工による熱応力で亀裂が進
展しやすい材料の場合、それぞれ荒加工と仕上げ加工の
場合を図示した図４（ａ），（ｂ）に示すように加工液
（通常はパラフィン系の油）３２中の炭素が放電アーク
４２により再溶融したワーク３０の放電加工面３９の部
分に入り込んだ後急冷凝固し、硬くて脆い脆化層（変質
層）４３を数μｍから数１０μｍの厚さで形成し、それ
と同時に、亀甲状の微細亀裂４１を生じ、時には、母材
まで達する亀裂を生ずることがあった。加えて、使用条
件が疲労発停を伴うような場合、この傾向は更に顕著で
あり使用耐久性の点から改善すべき課題となっていた。
【０００５】そのため、この放電加工変質層４３を除去
することが必要であるが、放電加工変質層４３は数μｍ
と薄い上に硬くて脆いため、これを機械的に除去しよう
とすると長時間かかり、加えて複雑かつ狭隘な部分につ
いての除去作業は難しく、従来は効果的な変質層４３の
除去方法がなかった。
することが必要であるが、放電加工変質層４３は数μｍ
と薄い上に硬くて脆いため、これを機械的に除去しよう
とすると長時間かかり、加えて複雑かつ狭隘な部分につ
いての除去作業は難しく、従来は効果的な変質層４３の
除去方法がなかった。
【０００６】本発明は上記の課題を解決しようとするも
のである。
のである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の放電加工変質層
の除去方法は、ワークの表面形状に合わせた加工ノズル
を製作し、そのノズルに複数個の吹き出し穴を設け、そ
の吹き出し穴から圧縮空気で加速した砥粒をふき付けて
研磨するとともに、加工ノズル若しくはワークを超音波
振動させながら液体ホーニング加工することを特徴とし
ている。
の除去方法は、ワークの表面形状に合わせた加工ノズル
を製作し、そのノズルに複数個の吹き出し穴を設け、そ
の吹き出し穴から圧縮空気で加速した砥粒をふき付けて
研磨するとともに、加工ノズル若しくはワークを超音波
振動させながら液体ホーニング加工することを特徴とし
ている。
【０００８】
【作用】上記において、ワークの表面形状に合わせて製
作され、複数個の吹き出し穴を有する加工ノズルをワー
クの加工表面に対向させて配設し、上下あるいは回転運
動をさせながら上記吹き出し穴より砥粒を含んだ圧縮空
気をワークの加工表面に吹き付け、放電加工で発生した
ワークの加工表面の変質層に当て徐々に除去する。
作され、複数個の吹き出し穴を有する加工ノズルをワー
クの加工表面に対向させて配設し、上下あるいは回転運
動をさせながら上記吹き出し穴より砥粒を含んだ圧縮空
気をワークの加工表面に吹き付け、放電加工で発生した
ワークの加工表面の変質層に当て徐々に除去する。
【０００９】上記変質層の除去の際には、加工ノズル若
しくはワークを超音波振動させており、これにより砥粒
はワークの加工表面に均一に当たるため、変質層は短時
間の間に均一に除去される。
しくはワークを超音波振動させており、これにより砥粒
はワークの加工表面に均一に当たるため、変質層は短時
間の間に均一に除去される。
【００１０】上記により、放電加工時にワークの加工表
面に発生した変質層を短時間の間に均一に、また完全に
除去することが可能となる。
面に発生した変質層を短時間の間に均一に、また完全に
除去することが可能となる。
【００１１】
【実施例】本発明の一実施例を図１及び図２により説明
する。図１は、ディーゼルエンジン用シリンダーヘッド
の放電加工変質層の除去方法の例を示し、図２は超音波
加振した液体ホーニングによる研磨のメカニズムを示し
ている。
する。図１は、ディーゼルエンジン用シリンダーヘッド
の放電加工変質層の除去方法の例を示し、図２は超音波
加振した液体ホーニングによる研磨のメカニズムを示し
ている。
【００１２】図１及び図２に示す本実施例は、ワークで
あるシリンダーヘッド１０の加工表面形状に合わせた加
工ノズル１１を製作し、同ノズル１１に複数個の吹き出
し穴４を設け、同穴４より圧縮空気で加速した砥粒９を
シリンダーヘッド１０の加工表面に吹き付けるとともに
加工ノズル１１もしくはシリンダーヘッド１０を超音波
加振し液体ホーニング加工をする。
あるシリンダーヘッド１０の加工表面形状に合わせた加
工ノズル１１を製作し、同ノズル１１に複数個の吹き出
し穴４を設け、同穴４より圧縮空気で加速した砥粒９を
シリンダーヘッド１０の加工表面に吹き付けるとともに
加工ノズル１１もしくはシリンダーヘッド１０を超音波
加振し液体ホーニング加工をする。
【００１３】上記において、放電加工後、液体ホーニン
グ加工されるシリンダーヘッド１０は、加工液５が満た
された専用の加工用ドラム１２中に入れられる。
グ加工されるシリンダーヘッド１０は、加工液５が満た
された専用の加工用ドラム１２中に入れられる。
【００１４】上記シリンダーヘッド１０の液体ホーニン
グ加工を行う加工ノズル１１は、ホーニング加工装置本
体に結合され、上下あるいは回転運動ができる加工ヘッ
ド２の先端に交換可能に取付けられており、研磨用砥粒
９を含む圧縮空気１が加工ヘッド２内を通って加工ノズ
ル１１の吹き出し穴４より吹き出し、砥粒９をシリンダ
ーヘッド１０の加工表面に吹き付ける。
グ加工を行う加工ノズル１１は、ホーニング加工装置本
体に結合され、上下あるいは回転運動ができる加工ヘッ
ド２の先端に交換可能に取付けられており、研磨用砥粒
９を含む圧縮空気１が加工ヘッド２内を通って加工ノズ
ル１１の吹き出し穴４より吹き出し、砥粒９をシリンダ
ーヘッド１０の加工表面に吹き付ける。
【００１５】また、上記加工用ドラム１２の底部には超
音波加振器６が取付けられており、この加振器６により
加工液５を介してシリンダーヘッド１０を高周波振動さ
せる。上記シリンダーヘッド１０の加工表面に吹き付け
られた砥粒９は、図２に示すように高速で変質層７に当
たり変質層７を徐々に除去していく。
音波加振器６が取付けられており、この加振器６により
加工液５を介してシリンダーヘッド１０を高周波振動さ
せる。上記シリンダーヘッド１０の加工表面に吹き付け
られた砥粒９は、図２に示すように高速で変質層７に当
たり変質層７を徐々に除去していく。
【００１６】また、上記シリンダーヘッド１０は超音波
加振されているため、砥粒９が均一に当たり研磨され、
短時間に均一に変質層７を除去することができ、予め、
ホーニング加工時間と圧縮空気１の圧力、及び砥粒９の
サイズと混入量を調整しておくことにより完全に変質層
を除去することが可能である。
加振されているため、砥粒９が均一に当たり研磨され、
短時間に均一に変質層７を除去することができ、予め、
ホーニング加工時間と圧縮空気１の圧力、及び砥粒９の
サイズと混入量を調整しておくことにより完全に変質層
を除去することが可能である。
【００１７】なお、くだけた研磨砥粒やよごれ、除去さ
れた変質層成分は、排出弁３を介して外部へ排出される
ため、ホーニング加工速度の均一化が可能で品質も良好
である。
れた変質層成分は、排出弁３を介して外部へ排出される
ため、ホーニング加工速度の均一化が可能で品質も良好
である。
【００１８】上記により、放電加工時にシリンダーヘッ
ドの加工表面に発生する変質層を短時間に完全に除去す
ることが可能となった。
ドの加工表面に発生する変質層を短時間に完全に除去す
ることが可能となった。
【００１９】なお、本実施例においては、ワークである
シリンダーヘッドを超音波加振しているが、加工ノズル
を加振することによっても同様の効果が得られる。
シリンダーヘッドを超音波加振しているが、加工ノズル
を加振することによっても同様の効果が得られる。
【００２０】
【発明の効果】本発明の放電加工変質層の除去方法は、
ワークの表面形状に合わせて製作され複数個の吹き出し
穴を有する加工ノズルをワークの加工表面に対向させ、
上記吹き出し穴より砥粒を含んだ圧縮空気を吹き出し、
ワークの加工表面に砥粒を当て、また、加工ノズル若し
くはワークを超音波振動させることによって、放電加工
時にワークの加工表面に発生した変質層を短時間の間に
均一に、また完全に除去することを可能とする。
ワークの表面形状に合わせて製作され複数個の吹き出し
穴を有する加工ノズルをワークの加工表面に対向させ、
上記吹き出し穴より砥粒を含んだ圧縮空気を吹き出し、
ワークの加工表面に砥粒を当て、また、加工ノズル若し
くはワークを超音波振動させることによって、放電加工
時にワークの加工表面に発生した変質層を短時間の間に
均一に、また完全に除去することを可能とする。
【図１】本発明の一実施例に係る放電加工変質層の除去
方法の説明図である。
方法の説明図である。
【図２】上記一実施例に係る変質層除去のメカニズムの
説明図である。
説明図である。
【図３】従来の放電加工の説明図である。
【図４】従来の放電加工における変質層と亀裂の発生の
説明図で、（ａ）荒加工の場合、（ｂ）仕上げ加工の場
合である。
説明図で、（ａ）荒加工の場合、（ｂ）仕上げ加工の場
合である。
１ 圧縮空気 ２ 加工ヘッド ３ 排気弁 ４ 吹き出し穴 ５ 加工液 ６ 超音波加振器 ７ 変質層 ９ 砥粒 １０ シリンダーヘッド １１ 加工ノズル １２ 加工用ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 正朝 長崎市飽の浦町１番１号 三菱重工業株 式会社長崎研究所内 (72)発明者 笹田 顕郎 長崎県長崎市飽の浦町５番７号 長菱エ ンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平１−183368（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−207563（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−75425（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−62327（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−28993（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B24C 1/00 B24C 3/00 B24C 5/02 B23H 1/00
Claims (1)
- 【請求項１】 ワークの表面形状に合わせた加工ノズル
を製作し、そのノズルに複数個の吹き出し穴を設け、そ
の吹き出し穴から圧縮空気で加速した砥粒を吹き付けて
研磨するとともに、加工ノズル若しくはワークを超音波
振動させながら液体ホーニング加工することを特徴とす
る放電加工変質層の除去方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21999791A JP2808501B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 放電加工変質層の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21999791A JP2808501B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 放電加工変質層の除去方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0557615A JPH0557615A (ja) | 1993-03-09 |
| JP2808501B2 true JP2808501B2 (ja) | 1998-10-08 |
Family
ID=16744316
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21999791A Expired - Fee Related JP2808501B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 放電加工変質層の除去方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2808501B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109227230A (zh) * | 2017-01-17 | 2019-01-18 | 嘉兴学院 | 气流辅助驱动超声研磨微细孔装置 |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004520946A (ja) * | 2000-12-21 | 2004-07-15 | キューイーディー テクノロジーズ インコーポレーテッド | ジェットによる基板表面の仕上げ |
| KR100812537B1 (ko) * | 2007-02-12 | 2008-03-17 | (주)하이탑 | 해머용 비트 볼 용융 방전기 |
| US9527116B2 (en) * | 2013-09-28 | 2016-12-27 | General Electric Company | System and method for conformal cleaning |
| CN104786157B (zh) * | 2015-02-03 | 2018-08-14 | 浙江工业大学 | 一种利用气液固三相磨粒流的超声波抛光加工装置 |
| CN110116245B (zh) * | 2019-05-10 | 2024-04-02 | 南方科技大学 | 一种氢脆化辅助超声加工设备及方法 |
| CN111438641B (zh) * | 2020-05-28 | 2021-12-07 | 湖南大学 | 一种异形喷嘴微结构射流抛光方法及装置 |
| CN115815715A (zh) * | 2022-08-27 | 2023-03-21 | 北京石油化工学院 | 一种航空叶片气膜孔电火花超声复合无变质层加工工艺方法 |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP21999791A patent/JP2808501B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109227230A (zh) * | 2017-01-17 | 2019-01-18 | 嘉兴学院 | 气流辅助驱动超声研磨微细孔装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0557615A (ja) | 1993-03-09 |
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