JP2808076B2 - 茶葉摘採機における収容袋けん引方法 - Google Patents

茶葉摘採機における収容袋けん引方法

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JP2808076B2
JP2808076B2 JP5353668A JP35366893A JP2808076B2 JP 2808076 B2 JP2808076 B2 JP 2808076B2 JP 5353668 A JP5353668 A JP 5353668A JP 35366893 A JP35366893 A JP 35366893A JP 2808076 B2 JP2808076 B2 JP 2808076B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は茶葉摘採機に関するもの
であって、特に摘採のために茶畝に沿って移動するにあ
たり、茶葉摘採機の直進性を保つことができるようにし
た新規な茶葉摘採機における収容袋けん引方法に係るも
のである。
【0002】
【発明の背景】茶葉の摘採作業の省力化は、大規模茶園
や好条件の茶園ではなされているものの、小規模茶園に
おいては必ずしも充分ではない。しかしながら、近時茶
農家の就業者の高齢化、人手不足等によりこのような小
規模茶園においても省力化が望まれている。このような
要望から本出願人は、例えば従来二人の作業者が摘採機
を手に持って作業をする二人用の可搬式摘採機に代わ
り、内燃機関あるいは電動モータ等の原動機で駆動され
る走行輪を具えた自走式の装置を提案している(特願平
4−148422号「茶園管理台車」)。しかしながら
このような装置によって茶葉の摘採を行う場合、労力が
軽減されたとはいえ、現実には二人作業を余儀なくさ
れ、一人作業を可能にするには至らなかった。すなわち
この場合は、摘採を行う摘採機ユニットの後方に収容袋
をつけ、その中に摘み取った茶葉を収容して、摘採機と
共に収容袋が茶畝上をずれるように移動しながら作業が
行われるが、この際生ずる収容袋と茶畝との間における
摺動抵抗によって、図13に示すように、摘採機フレー
ム40に対して畝間6方向に張力がかかり、台車ユニッ
ト2には重心Gを中心としたモーメントが働く。このよ
うな状態においては摘採機フレーム40にかかる台車ユ
ニット2に近い部分のモーメントは、走行駆動輪20と
地面との摩擦等により吸収されてしまうが、台車ユニッ
ト2から遠い部分のモーメントは著しく作用し、結果的
に装置全体を茶畝5側に偏寄させる傾向を与える。この
ため走行駆動輪20側の作業者一人ではこれが修正でき
ず、摘採機フレーム40に対し更に仮想線で示す補助ハ
ンドルHを取り付け、走行駆動輪20と反対側にも作業
者を位置して茶葉摘採機の直進性を保つように修正操作
していた。このようなことから補助作業の省力化を実現
し、最終的には一人での操作を可能にする方法の開発が
課題として残っていた。
【0003】
【分割出願を試みた技術的事項】このような背景を考慮
して、本出願人は原出願(特願平5−235350号
「茶葉摘採機における収容袋けん引構造」)において、
茶葉の摘採作業において、茶葉を収容した収容袋によっ
て茶葉摘採機にかかる負荷を走行駆動体の進行軸後
集中して導き、その走行を直進性の高いものとし、特に
自走式摘採機においては一人での操作が可能となるよう
な茶葉摘採機における収容袋けん引構造を提案し、また
原出願において茶葉摘採機における収容袋けん引方法に
ついても開示しており、方法自体が極めて有効であるた
め、この「茶葉摘採機における収容袋けん引方法」に関
し、原出願を分割出願に及び、別途権利取得を試みるも
のである。
【0004】
【発明の構成】
【目的達成の手段】すなわち本出願の茶葉摘採機におけ
る収容袋けん引方法の第一の発明は、単軌条を走行する
走行体を具えた台車ユニットに搭載された摘採機ユニッ
を茶畝上面に臨ませ、その刈刃によって茶葉を刈り取
り、この茶葉を空気流によって移送し、後方の茶葉の収
容袋に収容する方法において、前記摘採機ユニットの後
方に、摘採した茶葉の収容袋を取り付けるにあたり、
容袋のけん引抵抗が台車ユニットにおける走行体の進行
軸上後方に集中的にかかるようにしたことを特徴として
成るものである。
【0005】また本出願の茶葉摘採機における収容袋け
ん引方法の第二の発明は、前記要件に加え、前記茶葉の
収容袋は中継サブフレーム後方に取り付けられるもので
あり、この中継サブフレームは枠面をほぼ鉛直配置とす
ると共に、平面視で走行体側において摘採機ユニットに
近接し、他端側において摘採機ユニットより後方に離れ
るように配置することにより、枠面を走行体寄りに偏向
するように設定し、前記摘採機ユニットにおける排出口
と、前記中継サブフレームの枠面との間を経て、茶葉を
収容袋に導くことを特徴として成るものである。
【0006】更にまた本出願の茶葉摘採機における収容
袋けん引方法の第三の発明は、前記請求項2記載の要件
に加え、前記走行体寄りに偏向するように設定する中継
サブフレーム、走行体寄りに位置するピンを支点とし
て回動させ、この支点よりも幾分か畝間寄りに具えるけ
ん引フックに対して茶葉の収容袋の負荷が集中すること
によって、中継移送袋にたるみを生じさせることを特徴
として成るものである。これら発明により前記目的を達
成しようとするものである。
【0007】
【発明の作用】本発明にあっては、茶葉の摘採作業にお
いて、茶葉を収容した収容袋によって茶葉摘採機にかか
る負荷を走行駆動体の走行軸上後方に集中し、台車ユニ
ットには茶畝方向へのモーメントが働かないため結果的
に装置全体の直進性を保つ。
【0008】
【実施例】以下本発明が実施される茶葉摘採機について
図示の実施例に基づいて具体的に説明する。符号1は本
発明が実施される茶葉摘採装置であって、このものは一
例として台車ユニット2に対し実質的に摘採作業を行う
摘採機ユニット3が組み合わされて成る。
【0009】まず台車ユニット2について説明する。図
示の実施例において、符号10は台車ユニット2のフレ
ームであって、一例として鋼製あるいは軽合金製等の角
パイプ等を組み合わせて構成する。この実施例における
フレーム10は、ほぼ垂直に設けられるメインポスト1
1に対しその下端に水平方向に延びる走行体支持アーム
12を設け、前記メインポスト11の途中にはその中間
付近にハンドルブラケット13を設ける。更にこのメイ
ンポスト11に対しては摘採機支持ブラケット14をそ
の下方近くに設けるものであって、メインポスト11に
外嵌めされるような形態で上下方向にその取付位置を調
節自在とした状態に取り付けられる。
【0010】具体的には摘採機支持ブラケット14は前
記ハンドルブラケット13と反対方向に延びるようにほ
ぼ水平に支持ステー14aを具えるとともに、上方に前
記メインポスト11にほぼ沿って立ち上がり、上部にお
いて水平に張り出したほぼL字形をした吊持ステー14
bとを具え、更にクランプボルト14cを設け、このク
ランプボルト14cの作用端を張り出すことによって、
前記メインポスト11との固定状態を維持できるように
して成る。
【0011】一方、前記メインポスト11に対してその
内部に摺動自在に挿入される状態に発電機支持ブラケッ
ト15を設ける。このものはメインポスト11内に嵌ま
り込む角パイプ状のスライド部15aに対しその上端か
ら水平に張り出すようにマウント部15bを設けて成る
ものであり、この発電機支持ブラケット15はメインポ
スト11に対して取り付けられたクランプボルト15c
がねじ込まれることによりメインポスト11との固定状
態が維持される。
【0012】そしてこれら摘採機支持ブラケット14と
発電機支持ブラケット15との間には一例としてモータ
シリンダを適用した昇降シフトシリンダCを介在させ
る。すなわち昇降シフトシリンダCの本体側を発電機
支持ブラケット15のマウント部15bの下面に接続す
るとともに、昇降シフトシリンダCの摺動子側端部を
前記摘採機支持ブラケット14に接続して成る。このよ
うにすることによって例えば摘採機支持ブラケット14
または発電機支持ブラケット15のいずれか一方をそれ
らのクランプボルト14c、15cを締め込むことによ
ってメインポスト11に固定した際に昇降シフトシリン
ダCを収縮させることにより他の固定されていない側
の部材の昇降を図るようにする。この昇降操作によって
実質的には摘採機ユニット3の設定高さの調節が行われ
る。
【0013】このような各種のブラケット等を含んで成
るフレーム10に対して更に次のような部材が組み付け
られる。まず符号20は走行駆動輪であって、一例とし
て空気タイヤを用いた車輪を前記フレーム下方の走行体
支持アーム12の先端部に設ける。この走行駆動輪20
の近くには図6に示すように駆動モータMを搭載し、そ
の出力スプロケットSと前記走行駆動輪20の従動ス
プロケットSとの間にチェーン21を懸張させてその
回転を伝達する。そしてこの駆動モータMと走行駆動輪
20との間にはその接続を断接するためのクラッチ機構
22を具える。このものは走行駆動輪20の車軸に対し
て前記従動スプロケットSが常時自由回転し得る状態
となっており、一方、走行駆動輪20の車軸と共に回転
するクラッチディスク22aをその軸に対し軸方向に摺
動自在に構成しておくとともに、クラッチディスク22
aと前記従動スプロケットSとの間に係合構造を具え
ておき、クラッチディスク22aをクラッチスプリング
22bに抗して従動スプロケットSから切り離したと
きにクラッチが切れた状態とする。
【0014】その作動はクラッチシフタ23によって行
われるものであって、クラッチシフタ23におけるシフ
トフォーク23aが前記クラッチディスク22aのシフ
ト動作を行うとともに、クラッチシフタ23の他端には
レリーズレバー23bが設けられ、このものが例えばハ
ンドルに設けられたレバー操作等を受けて移動させられ
るクラッチワイヤ23cによって引かれることによって
前記クラッチディスク22aを従動スプロケットS
ら切り離すようにする。
【0015】なお前述した走行駆動輪20は走行体の一
例であり、走行体としてはこのようなタイヤ形式のもの
に限らず、例えばクローラタイプのもの等適宜のものが
適用できる。また本明細書において走行体(駆動される
もの、駆動されないものいずれも含む)が単軌条に設け
られている旨記載するのは、実質的に一本の畝間を走行
するような走行体が設けられている意味であって、走行
駆動輪20が例えばダブルタイヤ状に接した状態、ある
いはある程度の幅をもった状態に設定されていたとして
も単軌条として設けられていることに変わりはない。ま
た後述するように当然ながら茶園における管理作業を行
うにあたり機体の左右バランスがとれている方が操作面
で行いやすいことはいうまでもなく、この実施例では図
2に示すように後述する補助輪25に対し走行駆動輪2
0は幾分か作業を行う茶畝5側に偏在したような状態と
なっている。いわば車輪のトレッド位置がずれた状態に
設定されているのである。もちろんこのトレッド位置は
合致させた状態であっても差し支えない。
【0016】一方、走行駆動輪20に対して対向する走
行体支持アーム12の端部には補助輪25が設けられ
る。このものはフレーム10に対し上下方向並びに走行
方向に一定範囲可動状態に取り付けられて成るものであ
って、具体的には一例としてベルクランク状のリンクブ
ラケット26が走行体支持アーム12に対しそ一端部側
のピボット軸27において回動自在に取り付けられ、そ
のリンクブラケット26の下端が引き寄せられ状態に懸
架スプリング28によって走行駆動輪20側に引かれて
おり、これによってリンクブラケット上端を支点とした
フォーク29に支持された車輪が上下方向に移動し得る
ように構成されている。またこの補助輪25について
は、フォーク29のキャスタ軸29Aが幾分か回動し得
る範囲に設定されており、これによって自然な直進走行
が可能となる。
【0017】更に前記メインポスト11の中間付近に設
けられたハンドルブラケット13からは一例として二股
状のハンドル30がその取付角度をセレーション31に
よって調節自在に取り付けられている。なおこのハンド
ル30の取付位置そのものはハンドルブラケット13全
体がメインポスト11に沿って上下に移動し得るように
構成することによって適宜の固定位置に設定し得るよう
にしてもよい。
【0018】次に前記発電機支持ブラケット15には前
記走行駆動輪20の駆動モータMに給電する発電機33
を搭載する。そしてこの発電機支持ブラケット15につ
いてもすでに述べているとおり、昇降シフトシリンダC
を作動させることによってその設定位置を調節し得
る。すなわち発電機33の搭載位置(高さ)を調節する
には摘採機支持ブラケット14をクランプボルト14c
を締め込むことによって固定状態とした後、昇降シフト
シリンダCを収縮させるのである。このようにすると
きには昇降シフトシリンダCの収縮に応じて前記発電
機支持ブラケット15が昇降し、適宜の位置に設定され
る。なお発電機33を含め台車ユニット2に搭載される
摘採機ユニット3と茶葉摘採装置1を構成する部材
については走行駆動輪20のトレッド方向をほぼ重心
を中心位置として概ねバランスがとれているようなレイ
アウトをとることが好ましい。また走行時の安定性を考
慮すると、前記発電機33はこのような高い位置に設け
るほか、例えば走行駆動輪20のカバー24を利用して
その上方に取り付けるなど搭載位置を低く設定すること
も好ましい。
【0019】次に摘採機ユニット3の取付構造と併せ、
摘採機ユニット3の設定位置調整機構50について説明
する。まず摘採機ユニット3は支持ステー14aによっ
て摘採機フレーム40のエンジン側端部付近が回動自在
に支持される。そして摘採機フレーム40の上部中央付
近には接続ブラケット51が設けられ、この接続ブラケ
ット51を含んで、接続ブラケット51とメインポスト
11の側部上方より張り出す吊持ステー14bとの間に
設定位置調整機構50が設けられる。
【0020】設定位置調整機構50は、摘採機ユニット
3の回動駆動源であるシフタ52と、このシフタ52の
摺動子53の作用長を拡大する伸長拡大部54と、前記
摘採機フレーム40に設けられる接続ブラケット51と
を具えて成っており、このうちシフタ52としては、一
例としてモータシリンダから成る傾斜シフトシリンダC
が適用される。また伸長拡大部54は前記支持ステー
14a、吊持ステー14b、シフタ52及び摘採機フレ
ーム40との間で一種のスライダ揺動クランク機構を形
成するもので、吊持ステー14bに一端を回動自在に支
承させて成る拡張アーム54aと、この拡張アーム54
aの自由端側及び前記接続ブラケット51間をつなぐ連
結杆55とを具えて成っている。
【0021】拡張アーム54aは一例として平面円弧状
の二枚の金属製平板を並設して成るものであり、このう
ち一方は更に直線状に延長形成されている。なお拡張ア
ーム54aのこのような円弧状部分の内側に形成される
空間を逃げ部56と定義するものであり、この逃げ部5
6を設けることで吊持ステー14bと拡張アーム54a
との干渉を避け、拡張アーム54aの回動範囲を増大さ
せているのである。
【0022】一方、連結杆55は、傾斜シフトシリンダ
の摺動子53の動きを前記拡張アーム54aに伝え
る働きをするものであり、その一端は傾斜シフトシリン
ダCの摺動子53と共に接続ブラケット51における
所定の接続位置に回動自在に支承され、他端は拡張アー
ム54aにおいて直線状に延長形成された部位の先端付
近に同じく回動自在に支承されている。
【0023】そして拡張アーム54aに対しては更に傾
斜シフトシリンダCの基端部が回動軸57によって回
動自在に支持されるものであって、これにより傾斜シフ
トシリンダCは拡張アーム54aの回動に伴って揺動
しながら往復運動する構成となっている。
【0024】そしてこのような傾斜シフトシリンダC
の摺動子53及び連結杆55が接続される接続ブラケッ
ト51は摘採機フレーム40への取付部である平板状部
分と、この取付部の上面中央より上方に立ち上がる前記
摺動子53及び連結杆55との接続部とから成ってい
て、このうち接続部には接続位置調整機構58が設けら
れる。なお図8に示す本実施例においては、摺動子53
及び連結杆55を回動自在に軸支する部分を複数個所設
け、摺動子53及び連結杆55を取り付ける際にこれら
を選択することで摘採機ユニット3の傾斜角の調整範囲
の更なる拡大を行っている。
【0025】そしてここに適用される摘採機ユニット3
は適宜可搬式のものと基本構成を同じくするものであ
り、二人用可搬式摘採機の操作ハンドルを取り外したよ
うな形態をとる。このことから、その基本構成は、常法
に従い刈刃42を畝幅方向に設け、これを内燃機関ある
いは電動モータを適用した前記原動機41によって駆動
する。そして刈刃42の周辺には本装置の特徴的構成で
ある中継移送袋48と、中継サブフレーム47と、収容
袋43と、摘採した茶葉Aを中継移送袋48を介して収
容袋43に送るための送風装置44とを設け、更に刈刃
42の後方にはガイド板42A、スライド板42Bを設
ける。
【0026】まず送風装置44について更に詳しく述べ
ると、図10に示すように符号44Aは前記原動機41
の出力軸側に組み込まれた送風機ユニットであって、こ
の送風機ユニット44Aからそのケーシングの一部を含
む送風ダクト44Bが刈刃の一例としてほぼ前方斜め上
方において刈刃42に沿うように延長形成される。そし
てその下方に複数の吹出管44Eを分岐させ、その先端
を吹出孔44Fとする。具体的には送風機ユニット44
Aのケーシングの一部から空気流Fを導き出すようにし
たものであり、吹出孔44Fの作用方向は刈刃42によ
り刈り取った茶葉Aを後方に具える中間移送袋48の方
向に案内するような吹出方向に設定されている。
【0027】次にまたこのような送風装置44の後方に
は摘採した茶葉Aを収穫する諸装置が設けられている。
具体的には本発明の特徴的構成である前述の中継サブフ
レーム47と、中継移送袋48と、収容袋43とを設け
るものであって、以下このものについて説明する。
【0028】中継サブフレーム47は図3、4に示すよ
うに、枠面をほぼ鉛直配置とすると共に、平面視で走行
体(走行駆動輪20)側において摘採機ユニット3に近
接し、他端側において摘採機ユニット3より後方に離れ
るように配置して成る。そしてこの中継サブフレーム4
7の走行体(走行駆動輪20)側を、軸受ブラケット4
6を用いて摘採機フレーム40に接続し、ここを支点と
して水平方向に回動するように構成する。この中継サブ
フレームの摘採機フレーム40に対する取付構造は、軸
受ブラケット46と、ピン47aと、軸嵌部47bとを
主要部材として成る。軸受ブラケット46は、軸保持部
46aと、取付部46bとから成り、取付部46bには
ボルト孔46cを具える。軸嵌部47bは、ピン47a
を係止する軸受部を軸受ブラケット46の軸保持部46
aの上部並びに下部に臨ませるように具えたコの字形の
部材である。軸受ブラケット46は、ボルト孔46cに
ボルトを締め込むことで摘採機フレーム40に固定され
る。一方、軸嵌部47bは中継サブフレーム47に固定
される。そして軸嵌部47bと軸保持部46aとをピン
47bで係止することで、中継サブフレーム47は摘採
機フレーム40に接続され、ここを支点として水平方向
に回動自在になる。更に中継サブフレーム47には、中
継移送袋48並びに収容袋43を装着するために前記係
止フック40Aを中継サブフレーム47の上下及び幅方
向に数カ所具える。ここで中継サブフレーム47の特徴
的構成は、ピン47aよりも畝間6側に、力点となるけ
ん引フック40Bが設けられ、ここに収容袋43の大部
分の荷重がかかる。
【0029】中継移送袋48はその刈り取られた茶葉A
の通過入口48Aを刈刃42のほぼ全幅にわたるように
大きく開口させるものであって、これを装着するために
前記中継移送袋48の係止フック40Aを摘採機フレー
ム40の上下及び幅方向に数カ所設ける。そして中継移
送袋48における通過入口48A並びに通過出口48B
は、当該フックに係止できるようにゴムバンド43C等
を通して構成しておく。更に中継移送袋48の特徴的構
成は図3に示すように、中継サブフレーム47のピン4
7a側を、中継サブフレーム47の自由端側に比べて短
いような形態とする。
【0030】収納袋43はその刈り取られた茶葉Aの受
取側開口43Aを中継サブフレーム47のほぼ全幅にわ
たるように大きく開口させるものであって、これを前記
中継サブフレーム47の係止フック40A並びにけん引
フック40Bに装着する。そして収容袋43における受
取側開口43Aは当該フックに係止できるようにゴムバ
ンド43C等を通して構成しておく。
【0031】本発明たる茶葉摘採機における収容袋けん
引方法が実施される茶葉摘採装置は以上述べたような具
体的な構造を有するものであり、以下被刈取体である茶
葉Aの処理態様を中心にその作動態様を述べ、実質的に
本発明の方法について説明する。この作業にあたっては
常法に従い摘採機ユニット3を茶畝5に対して所定の位
置に高さ、角度等を調整し、原動機41を駆動しながら
台車ユニット2を畝間6に走行させ、摘採機ユニット3
の刈刃42を駆動して茶葉Aの刈り取りを行う。このと
き原動機41によって駆動される送風機ユニット44A
は空気流Fを送風ダクト44Bに供給し、これらは吹出
孔44Fからガイド板42Aの後方に吹き出される。茶
葉Aは空気流Fによりガイド板42Aの後方に位置する
中継移送袋48に吹き飛ばされ、この中継移送袋48を
経て、最終的に収容袋43に収容される。
【0032】また更にこの刈り取った茶葉Aの処理を確
実にするため、中継移送袋48並びに収容袋43を次の
ように利用する。すなわち中継移送袋48の通過入口4
8Aを、その上端側は摘採機フレーム40やスライド板
42Bにおける係止フック40Aに引っかけるととも
に、下方は前記ガイド板42Aの下方に差し込まれるよ
うに(すなわちガイド板42Aとスライド板42Bとの
間に割り込むように)取り付ける。また収容袋43の受
取開口43Aを、中継サブフレーム47における係止フ
ック40A、けん引フック40Bに引っかけて取り付け
るのである。このようにするときにはガイド板42Aか
ら吹き飛ばされてくる茶葉Aは中継移送袋48を通過し
て収容袋43に入り、更にその終端43Bは畝間6側に
偏向して設けられていることから、畝間6側に案内され
てゆく。
【0033】前記茶葉摘採装置1は、刈刃42により茶
葉Aを刈り取り、収容袋43に収容しながら畝間6を進
行するので、茶葉Aの収容量の増加に伴いそのけん引抵
抗が増大してゆく。そして図13に示すように、摘採機
フレーム40に対して畝間6方向に張力がかかり、台車
ユニット2には重心Gを中心としたモーメントが働く。
摘採機フレーム40にかかる台車ユニット2に近い部分
のモーメントは、走行駆動輪20と地面との摩擦等によ
り吸収されてしまうが、台車ユニット2から遠い部分の
モーメントは著しく作用し、結果的に装置全体を茶畝5
側に偏寄させる傾向となり、正規の軌道である直進が保
たれず茶畝5に進入しようとする。因みに従来は摘採機
フレーム40に対し更に仮想線で示す補助ハンドルHを
取り付け、茶畝5の他方の側の畝間6にも作業者を配置
していわば二人作業とし、補助作業者が軌道修正をする
ような作業態様が採られていた。この補助作業者はま
た、重量のある茶葉Aを収容した状態の収容袋43が茶
樹上を不規則にずれてゆくことに起因する、摘採機ユニ
ット3の揺れ(特に上下方向)を抑える役目も担ってい
た。
【0034】しかし本発明においては、中継サブフレー
ム47の枠面は走行駆動輪20寄りに偏向するように設
定されているため、中継サブフレーム47は、このもの
取り付けられる収容袋43の畝間6側が強く引張ら
れ、収容袋43の茶畝5側には強い張力はかからない。
更に本発明では、中継サブフレーム47の支点となるピ
ン47aは走行駆動輪20の進行軸の上方にあり、支点
となるピン47aより幾分か畝間6寄りに具えたけん引
フック40Bに対して茶葉Aの収容袋43のけん引抵抗
が集中することによって、中継サブフレーム47は摘採
機ユニット3側に回動し、中継移送袋48にたるみを生
じさせる。このため摘採機ユニット3に対するモーメン
トを生ずることなく、茶葉摘採装置1は茶畝5に対して
正規の直進軌道を維持する。また、収容袋43に収容さ
れる茶葉Aが畝間6寄りに集中するので、従来重量のあ
る茶葉Aを収容した状態の収容袋43が茶樹上を不規則
にずれてゆくことに起因する、摘採機ユニット3の揺れ
(特に上下方向)が解消でき、安定した摘採をすること
ができる。更に、けん引抵抗が走行駆動車輪20の進行
軸上のみに集中し台車ユニット2を地面に押さえ付ける
力が増すので、走行駆動車輪20による駆動力が増し、
走行の安定性が高まる。
【0035】
【他の実施例】本発明は以上述べた実施例に示す方法を
代表的な実施例とするものであるが、更に以下に示すよ
うな実施例も採り得る。まず請求項1に記載したよう
に、収容袋3のけん引抵抗が台車ユニット2における
行体(走行駆動輪20)の進行軸上後方に集中的にかか
るように構成されてさえいれば、摘採機フレーム40に
対し生ずるモーメントを軽減できるので、特に中継サ
ブフレーム47を設けないタイプの茶葉摘採装置1を使
用して、収納袋43を図12(a)に示すように、その
終端43Bを刈り取った茶葉A等の受取側開口43Aに
比べて充分に小さく、且つ受取側開口43Aの中心より
一方の側にずれたような形態とすることも有効であり、
また図12(b)に示すように、受取側開口43A側を
斜めに適宜の角度を持たせるような形態とすることも有
効である。更に、請求項2に記載したように、中継サブ
フレーム47の枠面を本機の排出口に対し走行体寄りに
偏向するようにして固定した形態を採っても摘採機フレ
ーム40に対し生ずるモーメントを軽減できる。すなわ
ち中継サブフレーム47を枠面をほぼ鉛直配置とすると
共に、平面視で走行体(走行駆動輪20)側において摘
採機ユニット3に近接し、他端側において摘採機ユニッ
ト3より後方に離れるように配置した状態で固定するこ
とにより、枠面を走行体(走行駆動輪20)寄りに偏向
するように設定するのであり、この摘採機ユニット3か
ら中継サブフレーム47までの部分を一体部材で構成す
ることも可能である。また図1に示すように、前記収容
袋43にけん引用のワイヤ45を取り付け、このものを
例えば走行駆動輪20のカバー24等に接続させ、収容
袋43が摘採機に対してたるんだ状態に保持されるよう
にしても摘採機フレーム40に対し生ずるモーメントを
軽減できる。
【0036】また先に述べた実施例は本発明を片面刈り
タイプの自走式の茶葉摘採装置1に適用したものである
が、収容袋43を載置する機構を具えず茶樹上あるいは
畝間6を引きずるタイプのものであれば、両面刈り、あ
るいはレール走行式タイプの摘採機に適用しても、同様
の効果を得ることができる。例えば適用対象機種として
レール走行式の摘採装置を採用するときには、前例と同
様に直進性が安定するため、脱線を防止するような効果
を得ることができ、特にレール上を走行する台車を手押
しするタイプのものでは扱いが容易になる。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上述べたような構成を有する
から、以下のような効果が得られる。まず、茶葉Aの摘
採作業において、茶葉Aを収容した収容袋43によって
茶葉摘採装置1にかかる負荷を一定位置に集中して導
き、その走行を直進性の高いものとし、一人での操作が
可能となる。また、収容袋43に収容される茶葉Aが畝
間6寄りに集中するので、従来重量のある茶葉Aを収容
した状態の収容袋43が茶樹上を不規則にずれてゆくこ
とに起因する、摘採機ユニット3の揺れ(特に上下方
向)が解消でき、安定した摘採をすることができる。更
に、けん引抵抗が走行駆動車輪20の進行軸上のみに集
中し台車ユニット2を地面に押さえ付ける力が増すの
で、走行駆動車輪20による駆動力が増し、走行の安定
性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施される茶葉摘採装置の使用状態を
示す透視斜視図である。
【図2】同上側面図である。
【図3】同上平面図である。
【図4】中継サブフレーム及び軸受ブラケットの構造を
示す斜視図である。
【図5】本発明が実施される茶葉摘採装置を示す正面図
である。
【図6】台車ユニット下部の走行体の駆動機構を透視し
て示す斜視図である。
【図7】同上各部の動きを示す斜め後方からの斜視図で
ある。
【図8】摘採機ユニットの設定位置調整機構の作動状態
を示す説明図である。
【図9】摘採機ユニットを拡大して示す正面図である。
【図10】同上摘採機ユニットに中継移送袋を装着した
状態を示す斜視図である。
【図11】収容袋を示す斜視図である。
【図12】収容袋の形状を異ならせた他の二種の実施例
を示す平面図である。
【図13】摘採作業中のけん引抵抗が摘採機フレームの
どの位置に作用するかによって相違する茶葉摘採装置の
直進性を妨げる力の成分の大小を示す説明図である。
【符号の説明】
1 茶葉摘採装置 2 台車ユニット 3 摘採機ユニット 5 茶畝 6 畝間 7 枕地 10 フレーム 11 メインポスト 12 走行体支持アーム 13 ハンドルブラケット 14 摘採機支持ブラケット 14a 支持ステー 14b 吊持ステー 14c クランプボルト 15 発電機支持ブラケット 15a スライド部 15b マウント部 15c クランプボルト 20 走行駆動輪(走行体) 21 チェーン 22 クラッチ機構 22a クラッチディスク 22b クラッチスプリング 23 クラッチシフタ 23a シフトフォーク 23b レリーズレバー 23c クラッチワイヤ 24 カバー 25 補助輪 26 リンクブラケット 27 ピボット軸 28 懸架スプリング 29 フォーク 29A キャスタ軸 30 ハンドル 31 セレーション 33 発電機(カウンタバランサ) 40 摘採機フレーム 40A 係止フック 40B けん引フック 41 原動機 42 刈刃 42A ガイド板 42B スライド板 43 収容袋 43A 受取側開口 43B 終端 43C ゴムバンド 43D スキッドプレート 43E 支持架台 44 送風装置 44A 送風機ユニット 44B 送風ダクト 44E 吹出管 44F 吹出孔 45 ワイヤ 46 軸受ブラケット 46a 軸保持部 46b 取付部 46c ボルト孔 47 中継サブフレーム 47a ピン 47b 軸嵌部 48 中継移送袋 48A 通過入口 48B 通過出口 50 設定位置調整機構 51 接続ブラケット 52 シフタ 53 摺動子 54 伸長拡大部 54a 拡張アーム 55 連結杆 56 逃げ部 57 回動軸 58 接続位置調整機構 59 係合溝 A 茶葉 C 昇降シフトシリンダ C 傾斜シフトシリンダ F 空気流 G 重心 H 補助ハンドル M 駆動モータ S 出力スプロケット S 従動スプロケット

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単軌条を走行する走行体を具えた台車ユ
    ニットに搭載された摘採機ユニットを茶畝上面に臨ま
    せ、その刈刃によって茶葉を刈り取り、この茶葉を空気
    流によって移送し、後方の茶葉の収容袋に収容する方法
    において、前記摘採機ユニットの後方に、摘採した茶葉
    の収容袋を取り付けるにあたり、収容袋のけん引抵抗が
    台車ユニットにおける走行体の進行軸上後方に集中的に
    かかるようにしたことを特徴とする茶葉摘採機における
    収容袋けん引方法。
  2. 【請求項2】 前記茶葉の収容袋は中継サブフレーム後
    方に取り付けられるものであり、この中継サブフレーム
    は枠面をほぼ鉛直配置とすると共に、平面視で走行体側
    において摘採機ユニットに近接し、他端側において摘採
    機ユニットより後方に離れるように配置することによ
    り、枠面を走行体寄りに偏向するように設定し、前記摘
    採機ユニットにおける排出口と、前記中継サブフレーム
    の枠面との間を経て、茶葉を収容袋に導くことを特徴と
    する請求項1記載の茶葉摘採機における収容袋けん引方
    法。
  3. 【請求項3】 前記走行体寄りに偏向するように設定す
    る中継サブフレーム、走行体寄りに位置するピンを支
    点として回動させ、この支点よりも幾分か畝間寄りに具
    えるけん引フックに対して茶葉の収容袋の負荷が集中す
    ることによって、中継移送袋にたるみを生じさせること
    を特徴とする請求項2記載の茶葉摘採機における収容袋
    けん引方法。
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