JP2807825B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP2807825B2
JP2807825B2 JP1142845A JP14284589A JP2807825B2 JP 2807825 B2 JP2807825 B2 JP 2807825B2 JP 1142845 A JP1142845 A JP 1142845A JP 14284589 A JP14284589 A JP 14284589A JP 2807825 B2 JP2807825 B2 JP 2807825B2
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貢 藤岡
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子写真や静電記録等における電気的潜像
を現像するための高解像度トナーと「クロマリン(デユ
ポン社商標)・カラー・デイスプレイ・システム」に用
いるための高解像度トナーの製造方法、及びかかるトナ
ーによるクロマリン・カラー・デイスプレイ・システム
への適用に関する。
従来の技術 例えば、普通紙を記録紙として用いる静電式電子写真
複写機によれば、感光体の表面に帯電を行ない、露光、
現像、転写、分離及び定着の工程を経て、画像を普通紙
上に複写している。かかる電子写真複写機における現像
法としては、従来、キヤリヤ粒子及びトナー粒子を用い
る2成分系の方法と、キヤリヤ粒子を用いずにトナー粒
子のみを用いる1成分系の方法とが知られている。
この2成分系の現像法においては、主として、磁気ブ
ラシ現像法が採用されており、トナーとしては、従来、
熱可塑性樹脂にカーボンブラツクのような顔料、荷電制
御剤及びその他の添加剤をボールミル、ロールミル等を
用いて混練分散させ、ハンマーミル、振動ミル等にて破
砕し、球状化や表面抵抗、ブロツキング等を減少させる
ための表面処理を施し、或いは添加剤を添加した後、幅
広い粒径分布を有するトナー粒子を分級して、通常、粒
径5〜20μmの範囲のトナー粒子が製品として供されて
いる。
従つて、かかる従来の方法によれば、製造工程が極め
て多いうえに、例えば、分級工程において、相当量の中
間製品が失われて、歩留りが悪く、製品価格が高いもの
とならざるを得ない。
そのために、最近、重合性単量体の懸濁重合時にカー
ボンブラツクを存在させ、直ちに着色された重合体粒子
を得る方法が提案されている。例えば、特開昭56−1547
38号公報には、スチレン、n−ブチルアクリレート及び
ジエチルアミノエチルメタクリレートのような混合物か
らなる重合性単量体とカーボンブラツクと重合開始剤と
コロイダルシリカを水に分散させ、撹拌下に加温し、懸
濁重合させて、カーボンブラツクを含む着色核体粒子の
水分散液を調製する方法が記載されている。この方法に
よれば、重合性単量体を重合させると同時に、得られる
核体粒子を着色することができるが、カーボンブラツク
は上記懸濁重合において重合禁止剤としても作用すると
共に、非常に嵩高いために、カーボンブラツクを含む系
の懸濁重合は容易ではなく、また、その後処理も煩雑で
ある。更に、均一な粒度分布を有する核体粒子を得るこ
とが困難である。
しかも、このようにして得られる核体粒子はそのまま
ではトナーとしては用いることができず、引き続いて、
上記分散液を加温し、水溶性染料にて上記着色核体粒子
を染色して、核体粒子の黒色度を高めた後、更に、トナ
ーとしての所要の表面物性を与えるために、核体粒子の
表面上に樹脂を被覆することが必要である。従つて、か
かる方法も、多数の工程を必要とする。
そこで、特開昭63−106667号公報には、予め所定の粒
子径を有せしめた樹脂粒子を直接、染料にて染色して、
トナーを製造する方法が開示されている。しかし、この
方法によれば、特に、濃色のトナーを得ることは、必ず
しも容易ではない。
他方、既に、クロマリン(デユポン社商標)・カラー
・デイスプレイ・システム」なる名称の一種の画像複写
方法が知られており、商業的に確立されている。この方
法は、紙、樹脂シート、金属板等、適宜の基材シート上
に光硬化性樹脂フイルムを貼着し、ポジフイルムを重ね
て、光硬化性樹脂フイルムを露光させた後、未露光部の
樹脂の粘着性を利用して、そこに顔料にて着色したトナ
ーを塗布、付着させ、このような工程を色数だけ繰り返
して、多色の複写画像を得る方法をいう。
従来、この方法においては、解像力にすぐれる画像を
得るためには、破砕した樹脂粒子からなる0.2〜0.5μm
程度の極めて微小なトナーが用いられている。しかし、
このように、微小なトナーを樹脂の破砕にて製造するこ
とは容易ではなく、更に、トナーが極めて微小であるた
めに、トナーを光硬化性樹脂フイルムに付着させる際の
圧力の僅かな変化によつて、色むらが生じ、美麗な画像
を得るためには、熟練した作業が必要とされている。し
かも、顔料による着色トナーであるために、複写画像の
透明性に難があり、例えば、オーバー・ヘツド・プロジ
エクター用の画像に用いることができない。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、上記したような従来のトナーの製造におけ
る問題を解決するためになされたものであつて、合成樹
脂粒子に直接にカーボンブラツクを付着固定させて、簡
単にして、且つ、歩留りが極めて高く、従つて、低廉に
高品質のトナーを製造することができる方法を提供する
ことを目的とする。
更に、本発明は、電子写真や静電記録等における電気
的潜像を現像するための高解像度トナーのみならず、上
記した「クロマリン(デユポン社商標)・カラー・デイ
スプレイ・システム」に好適に用いることができる高解
像度トナーの製造方法、及びかかる方法によつて製造さ
れたトナーを用いるクロマリン(デユポン社商標)・カ
ラー・デイスプレイ・システム」を提供することを目的
とする。
問題点を解決するための手段 本発明によるトナーの製造方法は、予め所定の平均粒
子径を有せしめた合成樹脂粒子を、この樹脂粒子に対す
る重量比にて5以上であつて、且つ、上記樹脂粒子のガ
ラス転移点以上の温度に加温した酸性の水性媒体中に
て、界面活性剤の存在下に酸性のpHを有するカーボンブ
ラツクとシリカ微粉末とを混合し、これらを上記樹脂粒
子に付着させた後、脱水し、乾燥することを特徴とす
る。
本発明の方法において用いる合成樹脂粒子は、用いる
水性媒体に対して疎水性である樹脂からなる粒子であ
り、本発明の方法によれば、かかる樹脂粒子をその樹脂
のガラス転移点以上の温度に保持されている水性媒体中
にて激しい撹拌下にカーボンブラツクとシリカ微粉末を
付着固定させることによつて、樹脂粒子の相互の融着を
防止し、粒子状の形態を保持させることができる。
本発明の方法においては、上記水性媒体としては、少
量の有機溶剤を含有していてもよい水が用いられる。従
つて、本発明においては、合成樹脂粒子としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンとアクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のアクリル系単量体の1又は
2以上との共重合体、上記したアクリル系単量体の単独
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、
ポリエステル、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、
フエノール樹脂や、これらの混合物のような樹脂からな
る粒子が好ましく用いられるが、これら例示に限定され
るものではない。また、本発明においては、部分架橋さ
れた合成樹脂粒子も用いることができる。
本発明において用いるこれら合成樹脂粒子は、ガラス
転移点が60〜120℃の範囲にあるのが好ましい。
本発明において、かかる樹脂粒子は予め20μm以下、
好ましくは15μm以下、特に、好ましくは1〜10μmの
平均粒子径を有する。樹脂粒子の平均粒子径が余りに大
きいときは、複写画像の解像力に劣り、他方、余りに小
さいときは、複写画像にかぶりを生じる等、複写品質に
劣ることとなる。上記のように、所定の平均粒子径を有
する樹脂粒子は、例えば、破砕され、分級されたもので
もよいが、好ましくは、懸濁重合のように、重合自体に
よつて当初から上記の平均粒子径を有するように製造さ
れたものであるのが好ましい。
本発明の方法は、かかる樹脂粒子を所定温度に加温し
た酸性の水性媒体中にて、撹拌下に、好ましくは「ホモ
ミキサー」のような市販されている高速撹拌機を用いる
激しい撹拌下に、界面活性剤の存在下に、酸性のpHを有
するカーボンブラツクとシリカ微粉末と共に混合撹拌し
て、これらを樹脂粒子に付着固定せしめて、トナーを得
る。
上記水性媒体としては、前述したように、通常、水が
好ましい。しかし、水性媒体が合成樹脂粒子に対する疎
水性を保持する限りは、必要に応じて、後述するような
有機溶剤を少量含有していてもよい。
本発明の方法において用いるカーボンブラツクは、酸
性のpHを有することが必要である。通常、pH6以下、好
ましくは4以下のpHを有するカーボンブラツクが用いら
れる。塩基性のpHを有するカーボンブラツクを用いた場
合は、その理由は必ずしも明らかではないが、加温した
水性媒体中にて樹脂粒子と酸性のカーボンブラツクとシ
リカ微粉末とを混合撹拌するときに、樹脂粒子が相互に
付着凝集し、所要の粒子径を有するトナーを得ることが
できない。
また、カーボンブラツクの使用量は、樹脂粒子の1〜
3重量%の範囲が好適である。カーボンブラツクを過多
に用いるときは、得られるトナーの定着性が劣化する。
従来より知られているトナーの製造方法によれば、シ
リカ微粉末は、主として流動化剤としてトナーに配合さ
れているが、その配合量が1%を越えるときは、得られ
るトナーの荷電量が高くなりすぎるために、通常、1%
以下に抑えられており、その結果、流動化効果が十分で
はない。他方、一般に、絶縁性樹脂粒子は、粒径が小さ
いほど、正又は負のいずれかの帯電量が過大となるの
で、特に、粒径の小さい樹脂粒子を用いる場合は、荷電
制御剤の併用が必要とされる。
本発明の方法によれば、シリカ微粉末を樹脂粒子重量
に対して10%程度までを配合することによつて、トナー
が鉄粉と混合されて、その間に摩擦を生じて生成される
トナーの荷電量を所謂ブロー・オフ型の静電量測定器
(東芝ケミカル(株)製)による測定値にて、−10μC/
mg乃至−100μC/mgの任意の範囲に調整することができ
る。更に、シリカ微粉末を例えば3%程度配合すること
によつて、流動性も一層高められる。更に、シリカ微粉
末は、加温した水性媒体中での樹脂粒子のカーボンブラ
ツクによる着色において、樹脂粒子の相互の融着をも有
効に防止することができる。
更に、本発明においては、水性媒体もまた、酸性であ
ることが必要である。通常、用いるカーボンブラツクと
のpHとほぼ同じか、又はそれよりも小さい領域のpHを有
することが好ましい。このように、水性媒体を酸性とす
るには、通常、有機酸又は無機酸が水性媒体に溶解せし
められる。
更に、本発明の方法においては、加温した酸性水性媒
体中にて合成樹脂粒子にカーボンブラツクとシリカ微粉
末とを付着固定させるに際して、樹脂粒子と水性媒体と
の重量比も重要であつて、水性媒体は、合成樹脂粒子に
対する重量比にて5以上用いることが必要である。上記
水性媒体量の合成樹脂粒子に対する重量比が5よりも小
さいときは、樹脂粒子が相互に融着し、塊状物を形成す
るおそれがある。特に好ましくは、上記重量比の範囲は
8〜40である。水性媒体量の上限は特に限定されるもの
ではないが、作業の容易性やプロセスの経済性から、通
常、上記重量比にて100までである。
本発明においては、水性媒体の温度は、用いる合成樹
脂粒子のガラス転移点以上であり、特に、ガラス転移点
以上であつて、且つ、ガラス転移点よりも40℃高い温度
以下であることが好ましい。この媒体温度が用いる合成
樹脂粒子のガラス転移点よりも低いときは、樹脂粒子が
所要の色濃度を有するように、カーボンブラツクを樹脂
粒子に付着固定させることが困難であるか、又は可能で
あるとしても、著しく長時間を必要とするので、実用的
でない。他方、媒体温度が用いる合成樹脂粒子のガラス
転移点よりも40℃高い温度よりも更に高いときは、激し
い撹拌下における処理によつても、樹脂粒子が相互に融
着して、塊状物を形成するおそれがある。
本発明においては、酸性の水性媒体中にて樹脂粒子に
カーボンブラツクとシリカ微粉末を付着固定させるに際
して、界面活性剤を用いることが必要である。界面活性
剤としてはアニオン系又は非イオン系が樹脂粒子の0.2
〜10重量%の範囲で好ましく用いられる。
更に、本発明の方法においては、樹脂粒子にカーボン
ブラツクとシリカ微粉末とを付着固定させると共に、樹
脂粒子を染料にて着色することによつて、一層、得られ
るトナーの着色度を向上させ、或いは得られるトナーの
被覆力を高める効果を有する。
かかる染料としては、一般に、水不溶性染料が用いら
れる。水不溶性染料としては、例えば、分散染料、水不
溶性含金染料、バツト染料、油溶性染料等を挙げること
ができる。酸性染料、カチオン染料若しくは塩基性染
料、水溶性含金染料、反応性染料等の水溶性染料は、限
られた樹脂粒子にのみ適用することができる。しかし、
水不溶性染料を用いる場合であつても、本発明において
は、染料は、用いる樹脂にできるだけ高い親和性を有
し、染色性のよい染料を選択して、樹脂粒子を堅牢に染
色することが好ましく、通常、染料は、樹脂の化学組成
に応じて、最適に選択される。尚、用いる染料によつて
は、染色において、必要に応じて、助剤を用いてもよ
い。
例えば、ポリスチレンには分散染料が、スチレン−ア
クリル酸エステル共重合体、スチンレン−アクリロニト
リル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステルには分散染料、酸性染料、カチオン染料
が、ポリアミドには酸性染料、含金属染料、カチオン染
料、反応性染料、バツト染料が、ポリエステルには分散
染料、バツト染料が、ポリビニルブチラールやエポキシ
樹脂には分散染料が、それぞれ好ましく用いられる。し
かし、染料としては、特に、水不溶性の分散染料及び油
溶性染料が最も好ましく用いられる。
染料は、得られるトナーが実用的に十分な色濃度を有
するように、樹脂粒子に対して1重量%以上用いること
が好ましく、特に、2重量%以上用いることが好まし
い。
本発明においては、粒子径が5μm以下、特に2μm
以下である微細な染料粉末、特に、水不溶性の染料粉末
を用いることは、樹脂粒子を特に容易に且つ濃色に染色
するために好ましい。かかる微細な染料粒子は、何ら限
定されるものではないが、例えば、ボールミルやサンド
ミルを用いることによつて得ることができる。
また、本発明の方法においては、適宜の添加剤、例え
ば、荷電制御剤、流動化剤、四三酸化鉄粉末、充填剤等
の存在下に樹脂粒子を染色してもよい。かかる添加剤と
しては、従来より知られているものを任意に用いること
ができ、例えば、クレー、タルク、炭酸カルシウムや、
ニグロシンのような含金属錯体のような荷電制御剤、金
属石ケン等の流動化剤等を挙げることができる。
尚、上記添加剤は、樹脂粒子を後述するように染色
し、洗浄、脱水、乾燥した後に、樹脂粒子に所定量配合
してもよい。
特に、本発明においては、樹脂粒子とカーボンブラツ
クとシリカ微粉末とを少量の有機溶剤と共に混合し、こ
れらの緊密で且つ湿潤した混合物とし、これを水性媒体
に加え、加熱下及び激しい撹拌下に樹脂粒子を着色する
ことが好ましい。かかる湿潤化は、例えば、樹脂粒子と
カーボンブラツクとシリカ微粉末とに少量の有機溶剤を
混合し、これをロール・ペイント・シエーカー、混練機
等によつて緊密に且つ一様な組成を有するようにシエー
クし、或いは混練することによつて得ることができる。
但し、湿潤化のための手段は何ら限定されるものではな
い。
上記湿潤化に用いる有機溶剤、即ち、湿潤化溶剤とし
ては種々のものを用いることができる。例えば、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等の低級脂肪族ア
ルコール、酢酸、プロピオン酸等の低級脂肪族カルボン
酸、酢酸メチル、酢酸エチル等の低級脂肪族カルボン酸
の低級アルキルエステル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジイソプロピルエーテル等の脂肪族又は脂環式エ
ーテル、アセトン、メチルエチルケトン等のジアルキル
ケトン等を挙げることができる。かかる湿潤化溶剤は、
好ましくは、水溶性であつて、用いる樹脂粒子に対して
親和性を有すると共に、比較的低温において揮発性を有
することが好ましく、従つて、上記したなかでは、特
に、メタノールが好ましく用いられる。本発明において
は、湿潤化溶剤は、前述したように、樹脂粒子と無水シ
リカ粉末との緊密で一様な混合物をつくり得るように用
いることが必要であり、従つて、その量は、通常、樹脂
粒脂100重量部に対して100〜400mlの範囲である。
樹脂粒子、カーボンブラツク及びシリカ微粉末と共に
染料粉末を上記のように少量の湿潤化溶剤を用いて、湿
潤化し、これを水性媒体に加えて、加熱下に樹脂粒子を
着色することも好ましい。
更に、上記のようにして、カーボンブラツク、シリカ
微粉末及び染料を含む湿潤化混合物を予め調製し、これ
に樹脂粒子を加えて、再び、湿潤化混合物を調製しても
よい。
以上のようにして、樹脂粒子にカーボンブラツクとシ
リカ微粉末とを付着固定させ、好ましくは、染料にて同
時に染色した後、樹脂粒子を水性媒体より分離し、洗浄
し、乾燥し、必要に応じて、粉砕して、分級すれば、本
発明によるトナーを得ることができる。尚、上記分離、
乾燥及び粉砕の方法は、特に限定されるものではなく、
例えば、樹脂粒子を濾別し、常温常圧又は加熱減圧下に
適宜に乾燥すればよい。
しかし、本発明の方法によれば、通常、樹脂粒子の着
色の段階で樹脂粒子の融着が殆ど起こらないために、得
られるトナーに当初に合成樹脂粒子が有する粒子径をそ
のまま有せしめることができ、従つて、着色後の樹脂粒
子の粉砕や分級を必要とせず、かくして、高い歩留りに
てトナーを得ることができるのみならず、特に、懸濁重
合によつて調製されたほぼ真球状の重合体樹脂粒子を用
いるときは、そのまま、ほぼ真球状のトナーを得ること
ができる。
このように、ほぼ真球状のトナーは、前述したクロマ
リン・カラー・デイスプレイ・システムによる複写画像
を得るのに、好適に用いることができる。
即ち、本発明によれば、基材シート上に光硬化性樹脂
フイルムを貼着し、ポジフイルムを重ねて、光硬化性樹
脂フイルムを露光させ、未露光部にトナーを塗布、付着
させる工程を含む複写画像を得る方法において、予め10
μm以下の平均粒子径を有せしめた合成樹脂粒子を、こ
の樹脂粒子に対する重量比にて5以上であつて、且つ、
上記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加温した酸性
の水性媒体中にて、界面活性剤の存在下に酸性のpHを有
するカーボンブラツクとシリカ微粉末とを混合し、これ
らを上記樹脂粒子に付着固定させた後、脱水し、乾燥し
てなるトナーを用いることを特徴とする複写画像を得る
方法が提供される。
この場合において、樹脂粒子にカーボンブラツクとシ
リカ微粉末を付着固定させると共に、染料にて染色して
得たトナーも好適に用いることができることはいうまで
もない。
このようにして複写画像を得る方法においては、用い
るほぼ真球状のトナーは、10μm以下の平均粒子径を有
すれば、十分に高解像度の画像を得ることができるが、
特に、1〜5μmの平均粒子径を有するトナーを用いる
ことが好ましい。従来の破砕法によるトナーであれば、
高解像度の画像を得ようとすれば、前述したように、0.
2〜0.5μm程度の極めて微小なものを用いる必要がある
が、本発明によれば、トナーがほぼ真球状であるため
に、10μm以下の平均粒子径を有すれば、十分に高解像
度の画像を得ることができる。
しかも、本発明による黒色トナーを染料にて染色した
トナーと共に用いて、クロマリン・カラー・デイスプレ
イ・システムに適用すれば、得られる画像は透明性にす
ぐれ、従つて、例えば、オーバーヘツド・プロジエクタ
ーにも好適に用いることができる。
発明の効果 以上のように、本発明の方法によれば、予め所定の平
均粒子径を有せしめた樹脂粒子をそのガラス転移点以上
の温度に加温した酸性の水性媒体中にて激しい撹拌下
に、カーボンブラツク及びシリカ微粉末と共に混合撹拌
して、これらを上樹脂粒子に付着固定させて、トナーを
製造するので、従来の方法におけるように、多くの工程
を必要とせずしてトナーを製造することができる。
特に、本発明の方法によれば、得られるトナーが当初
に合成樹脂粒子が有する粒子径をそのまま有し、着色後
の樹脂粒子の粉砕や分級を必要としないので、トナーを
高い歩留りにて得ることができる。
更に、本発明の方法に従つて、ほぼ真球状の樹脂粒子
を用いて得られるトナーは、その平均粒子径が10μm以
下であるとき、クロマリン・カラー・デイスプレイに適
用すれば、高解像度の画像を与えることができる。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明によるトナーの製造方法
を説明する。
実施例1 懸濁重合によつて予め造粒された平均粒子径10μmの
樹脂粒子(ガラス転移点61℃)100重量部とカーボンブ
ラツク(三菱化成工業(株)製MA100R、pH3.0)3重量
部、シリカ微粉末(日本アエロジル(株)製R974)2重
量部及び非イオン系活面活性剤2重量部を水/メタノー
ル(容量比50/50)混合溶剤200mlに加え、超音波分散さ
せた後、ペイントシエーカーにて30分間振盪した。
次いで、この分散液に水を加えて、総量1000mlとし、
更に、ギ酸2mlを加えて、浴のpHを2.5とし、85℃で1時
間、激しく撹拌した後、冷却し、樹脂粒子を濾過、水洗
し、乾燥し、破砕して、トナーを得た。このトナーの濃
度は1.2、帯電量は−30μC/gであつた。
このトナーをキヤリヤ粒子と共に現像剤として用い
て、市販の電子写真複写機にて普通紙上に複写を行なつ
たところ、画像における黒色濃度は1.6であつた。
同様にして、カーボンブラツクの使用量を1.5重量
部、2.0重量部及び2.5重量部とした以外は、同様にし
て、トナーを得た。トナー濃度は、それぞれ0.8、0.9及
び1.0であり、複写画像の黒色濃度は、それぞれ1.1、1.
2及び1.5であつた。
比較例1 実施例1と同カーボンブラツク5重量部と非イオン系
界面活性剤0.5重量部を水/メタノール(容量比50/50)
混合溶剤200mlに加え、超音波分散させた。
得られた分散液に実施例1と同じ樹脂粒子100重量部
を加え、ペイントシエーカーにて30分間振盪した後、樹
脂粒子を濾過、水洗し、乾燥し、破砕した。
上記樹脂粒子を濾過して得られた濾液中には遊離のカ
ーボンブラツクは認められないので、カーボンブラツク
は樹脂粒子に付着しているが、しかし、このようにして
得られた樹脂粒子は、殆ど帯電性をもたなかつた。
比較例2 比較例1において、ペイントシエーカーによる振盪の
後、これに水400mlを加え、80℃で20分間、激しく撹拌
した後、冷却し、実施例1と同じ樹脂粒子を濾過、水洗
し、乾燥し、粉砕して、トナーを得た。このトナーの帯
電量は−5.9μC/gであつた。
このトナーをキヤリヤ粒子と共に現像剤として用い
て、市販の電子写真複写機にて普通紙上に複写を行なつ
たところ、画像品質が悪く、白場汚染の著しいものであ
つた。
実施例2 実施例1において、カーボンブラツクとして、MA100R
に代えて、MA−7(pH3.0)、#2350(pH2.0)及び#10
00(pH3.0)(いずれも三菱化成工業(株)製)を用い
てトナーを調製したところ、いずれも、実施例1と同じ
く、複写品質にすぐれるものであつた。
しかし、カーボンブラツクとして、MA−600(pH7.
5)、#900(pH8.0)、#3950(pH7.0)及び#980(pH
8.0)(いずれも三菱化成工業(株)製)を用いたとこ
ろ、いずれも、加熱撹拌時に樹脂粒子が付着し、トナー
を得ることができなかつた。
実施例3 実施例1にて得た樹脂粒子分散液に水を加えて、総量
1000mlとし、これに黒色分散染料「カヤロン・ポリエス
テル・ブラツクFMSF」(日本火薬(株)製)5重量部と
ギ酸2mlを加えて、浴のpHを2.5とし、85℃で1時間、激
しく撹拌した後、冷却し、樹脂粒子を濾過、水洗し、乾
燥し、破砕して、トナーを得た。このトナーは漆黒であ
つた。
このトナーをキヤリヤ粒子と共に現像剤として用い
て、市販の電子写真複写機にて普通紙上に複写を行なつ
たところ、複写画像は白場汚染がなく、鮮明であつて、
色濃度は1.8〜2.0、諧調表現は、14段階を達成した。即
ち、このトナーは、175線/インチ以上の解像度を有す
る。
そこで、このトナーを用いて、クロマリン・カラー・
デイスプレイ・システムに適用したところ、20本/mmの
解像度にて画像を得ることができた。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め所定の平均粒子径を有せしめた合成樹
    脂粒子を、この樹脂粒子に対する重量比にて5以上であ
    つて、且つ、上記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に
    加温した酸性の水性媒体中にて、界面活性剤の存在下に
    酸性のpHを有するカーボンブラツクとシリカ微粉末とを
    混合し、これらを上記樹脂粒子に付着固定させた後、脱
    水し、乾燥することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】予め所定の平均粒子径を有せしめた合成樹
    脂粒子を、この樹脂粒子に対する重量比にて5以上であ
    つて、且つ、上記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に
    加温した酸性の水性媒体中にて、界面活性剤の存在下に
    酸性のpHを有するカーボンブラツクとシリカ微粉末と染
    料とを混合し、樹脂粒子を染色すると共に、カーボンブ
    ラツク及びシリカ微粉末を樹脂粒子に付着固定させた
    後、脱水し、乾燥することを特徴とするトナーの製造方
    法。
  3. 【請求項3】基材シート上に光硬化性樹脂フイルムを貼
    着し、ポジフイルムを重ねて、光硬化性樹脂フイルムを
    露光させ、未露光部にトナーを塗布、付着させる工程を
    含む複写画像を得る方法において、予め所定の平均粒子
    径を有せしめた合成樹脂粒子を、この樹脂粒子に対する
    重量比にて5以上であつて、且つ、上記樹脂粒子のガラ
    ス転移点以上の温度に加温した酸性の水性媒体中にて、
    界面活性剤の存在下に酸性のpHを有するカーボンブラツ
    クとシリカ微粉末とを混合し、これらを上記樹脂粒子に
    付着固定させた後、脱水し、乾燥してなるトナーを用い
    ることを特徴とする複写画像を得る方法。
  4. 【請求項4】基材シート上に光硬化性樹脂フイルムを貼
    着し、ポジフイルムを重ねて、光硬化性樹脂フイルムを
    露光させ、未露光部にトナーを塗布、付着させる工程を
    含む複写画像を得る方法において、予め所定の平均粒子
    径を有せしめた合成樹脂粒子を、この樹脂粒子に対する
    重量比にて5以上であつて、且つ、上記樹脂粒子のガラ
    ス転移点以上の温度に加温した酸性の水性媒体中にて、
    界面活性剤の存在下に酸性のpHを有するカーボンブラツ
    クとシリカ微粉末と染料とを混合し、樹脂粒子を染色す
    ると共に、カーボンブラツク及びシリカ微粉末を樹脂粒
    子に付着固定させた後、脱水し、乾燥してなるトナーを
    用いることを特徴とする複写画像を得る方法。
  5. 【請求項5】トナーが10μm以下の平均粒子径を有する
    ことを特徴とする請求項第3項又は第4項記載の複写画
    像を得る方法。
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