JP2806597B2 - 光ピックアップの傾斜角度調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この発明は光ピックアップの傾斜角度調整装置に関
し、さらに詳しくは、ディスクプレーヤにおける光ピッ
クアップの傾斜角度を回動メカニズム方式で調整する光
ピックアップの傾斜角度調整装置に関する。

（ロ）従来の技術 従来技術を第３図および第４図に基づいて説明する。

第４図はディスク再生状態を示している。すなわちタ
ーンテーブル13上にディスク７を載置し、図示しないデ
ィスク押え機構によりディスク７をターンテーブル13の
上面に保持する。この状態でディスク７の反りに対応し
てチルトシャーシ14が回動することにより、光ピックア
ップ15の光軸とディスク７の記録面との直交関係を保つ
わけである。

第３図はディスク停止状態を示している。ディスク再
生状態（第４図）からディスク停止の操作あるいは信号
のエンド検出により、メカシャーシ11が支軸11aを回動
軸として、図示しない駆動機構により矢印Ｅ方向へ回動
して第３図の状態となる。

この状態では、ターンテーブル13とディスク７との間
および光ピックアップ15とディスク７との間には、矢印
CD方向にそれぞれ所定の隙間が確保されている。このた
めトレイ６が矢印Ａ方向へ移動し、ディスク７の載脱が
可能となる。チルトシャーシ14はディスク７が反りのな
いときの状態にある。したがって、メカシャーシ11とほ
ぼ平行に保持されている光ピックアップ15は、ディスク
７の外周縁近辺で停止している。

（ハ）発明が解決しようとする課題 ディスク７を再生すると、ディスク７の外周縁で信号
のエンドによりディスク７は停止状態となる。この場
合、回動式のため光ピックアップ15とディスク７との間
に所定の隙間を保つようにすると、ターンテーブル13の
所では光ピックアップ15とディスク７との間より大きな
隙間が生じてしまう。

このため、ディスクプレーヤの厚さが大となり、した
がってディスクプレーヤが大きくかつ重くなるばかり
か、材料費などのコスト高を招いていた。

（ニ）課題を解決するための手段およびその作用 この発明は、ディスクの記録面から記録信号を読み取
る光ピックアップの傾斜角度をターンテーブル上のディ
スクの反りに対応させて調整するチルト機構を備えた光
ピックアップの傾斜角度調整装置において、チルト機構
が、光ピックアップを直線摺動可能に支持するチルトシ
ャーシと、このチルトシャーシを回動可能に保持すると
ともにターンテーブルを有し、ディスクを再生状態と停
止状態とに切り換え保持する回動可能なメカシャーシと
を備えており、メカシャーシをディスク停止状態の位置
におくときに、チルトシャーシをメカシャーシとは反対
方向へ回動させるものであり、ディスク停止の操作をお
こなったとき、またはディスクからの入力信号がなくな
ったときに、ターンテーブル上で下反り状態となったデ
ィスクの記録面に対して光ピックアップの光軸が直交す
る方向へチルト機構を作動させることを特徴とする光ピ
ックアップの傾斜角度調整装置である。

すなわち、この光ピックアップの傾斜角度調整装置
は、光ピックアップの傾斜角度をターンテーブル上のデ
ィスクの反りに対応させて調整するチルト機構を備え、
ディスク停止の操作をおこなったとき、またはディスク
からの入力信号がなくなったときに、ターンテーブルに
載置され自重などによりその外周縁が下がって下反り状
態となったディスクの記録面と、光ピックアップの光軸
とが直交する方向へチルト機構を作動させるように構成
されていることを特徴とする。

ここでチルト機構としては、次のようなものが用いら
れる。すなわち、光ピックアップを直線摺動可能に支持
するチルトシャーシと、このチルトシャーシを回動可能
に保持するとともにターンテーブルを有し、ディスクを
再生状態と停止状態とに切り換え保持する回動可能なメ
カシャーシとを備えており、メカシャーシをディスク停
止状態の位置におくときに、チルトシャーシをメカシャ
ーシとは反対方向へ回動させるものが用いられる。

かくして、この発明の光ピックアップの傾斜角度調整
装置にあっては、ディスクプレーヤ本体内に配されたメ
カシャーシの回動量が従来の場合のそれよりも小さくな
る。したがって、ディスクプレーヤの厚さを従来よりも
薄くすることが可能になる。

（ホ）実施例 以下、この発明の１実施例を第１図および第２図に基
づいて説明する。なお、この発明はこれによって限定さ
れるものではない。

第２図において１はメカシャーシであり、プレーヤ本
体（図示せず）に取り付けられている。そして、支軸1a
を回動軸として矢印EF方向へ回動する。軸穴1bは後述の
チルトシャーシ４の回動中心である。当接部1cはチルト
シャーシ４の回動によってその当部4bが当る箇所であ
る。

スピンモータ２はメカシャーシ１の前端に取り付けら
れている。スピンモータ２のモーターシャフト2aにはタ
ーンテーブル３のボス部3cが圧入固着されている。そし
て、スピンモータ２の回転をターンテーブル３に伝える
ようになっている。また、センター部3aはディスク７の
チャッキング穴7aに挿入されるようになっている。この
センター部3aは、センター出し（中心位置決め）の役割
をもっている。ディスク受部3bにはディスク７が載置さ
れるようになっている。

チルトシャーシ４の支軸4aはメカシャーシ１の軸穴1b
に挿入されている。そして、支軸4aを回動軸としてチル
トシャーシ４が矢印ＥまたはＦ方向へ回動するようにな
っている。当部4bはチルトシャーシ４が矢印Ｆ方向へ所
定角度を越えて回動するのを規制するために設けてあ
る。光ピックアップ５はチルトシャーシ４上を矢印AB方
向へスライドするように取り付けられている。

光ピックアップ５は、図示しない駆動装置によりディ
スク７の内周縁から外周縁までディスク７の下で直線移
動し、ディスク７の記録信号を読み取るように構成され
ている。またチルトシャーシ４は、チルト機構によりデ
ィスク７の反りに応じて支軸4aを回動中心として回動す
る。これにより、光ピックアップ５とディスク７との直
交関係を保つことができる。

トレイ６は、矢印Ａ方向のディスク載置位置と第２図
に示すディスク再生位置との間を矢印AB方向へスライド
するように取り付けられている。またトレイ６には、デ
ィスク７の位置規制をする円形溝6aが設けられている。
載置面部6bはディスク７の受面である。穴6cはターンテ
ーブル３および光ピックアップ５のための逃げ穴であ
り、平面長方形状に設けられている。

第２図のディスク再生状態から第１図のディスク停止
状態へ移行するとき、チルトシャーシ４は支軸4aを回動
軸としてメカシャーシ１の回動方向とは逆方向である矢
印Ｆ方向へ回動する。そして、当部4bとメカシャーシ１
の当接部1cとが当接した時点で回動は停止し、第１図の
状態となる。

この状態では、ターンテーブル３とディスク７との間
に、第３図に示す光ピックアップ５とディスク７との隙
間と同じ量だけの隙間が取られている。このため、ディ
スク７と光ピックアップ５との間は隙間が最も大きくな
っている。

ディスク７停止の操作またはディスク７の信号エンド
によって、ディスク７の下反り方向へチルト機構を動作
させるのと同じ動作をディスク停止状態への移行に適用
する。具体的には、光ピックアップ５を案内するチルト
シャーシ４をメカシャーシ１の回動方向（Ｅ方向）とは
逆方向（Ｆ方向）へ回動させる。

これにより、メカシャーシ１の回動量は従来のそれに
比べて小さくなる。したがって、この光ピックアップの
傾斜角度調整装置によれば、ディスクプレーヤの厚さを
従来よりも薄くすることが可能になる。そして、薄型に
なる分、ディスクプレーヤが軽くなり、また材料費など
のコストを低減させることができる。さらに、コンパク
トなディスクプレーヤを提供できる。

（ヘ）発明の効果 この発明によれば、ディスクプレーヤの厚さを従来よ
りも薄くすることが可能になる。そして、薄型になる
分、ディスクプレーヤが軽くなり、また材料費などのコ
ストを低減させることができる。さらに、コンパクトな
ディスクプレーヤを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の１実施例を示し、第１図
はディスク停止状態の構成説明図、第２図はディスク再
生状態の構成説明図である。 第３図および第４図は従来例を示し、第３図はディスク
停止状態の構成説明図、第４図はディスク再生状態の構
成説明図である。 １……メカシャーシ、 1a……支軸、 1b……軸穴、 1c……当接部、 ２……スピンモータ、 2a……モータシャフト、 ３……ターンテーブル、 3a……センター部、 3b……ディスク受部、 3c……ボス部、 ４……チルトシャーシ、 4a……支軸、 4b……当部、 ５……光ピックアップ、 ６……トレイ、 6a……溝、 6b……載置面部、 6c……穴、 ７……ディスク、 7a……チャッキング穴。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクの記録面から記録信号を読み取る
   光ピックアップの傾斜角度をターンテーブル上のディス
   クの反りに対応させて調整するチルト機構を備えた光ピ
   ックアップの傾斜角度調整装置において、 チルト機構が、光ピックアップを直線摺動可能に支持す
   るチルトシャーシと、このチルトシャーシを回動可能に
   保持するとともにターンテーブルを有し、ディスクを再
   生状態と停止状態とに切り換え保持する回動可能なメカ
   シャーシとを備えており、メカシャーシをディスク停止
   状態の位置におくときに、チルトシャーシをメカシャー
   シとは反対方向へ回動させるものであり、 ディスク停止の操作をおこなったとき、またはディスク
   からの入力信号がなくなったときに、ターンテーブル上
   で下反り状態となったディスクの記録面に対して光ピッ
   クアップの光軸が直交する方向へチルト機構を作動させ
   ることを特徴とする光ピックアップの傾斜角度調整装
   置。