JP2805953B2 - ポリアセチレン薄膜の製造方法 - Google Patents
ポリアセチレン薄膜の製造方法Info
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Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔概要〕 ポリアセチレン薄膜の製造方法に関し、 緻密で且つ再現性の高い膜形成を行うことを目的と
し、 アセチレンガス雰囲気中で高速に回転している円板の
中心にチーグラー・ナッタ触媒を滴下せしめ、該触媒を
前記円板の中心より放射状に飛散させる動作を続けるこ
とにより、前記円板上に放射状に成長した重合膜を得る
ことを特徴としてポリアセチレン薄膜の製造方法を構成
する。
し、 アセチレンガス雰囲気中で高速に回転している円板の
中心にチーグラー・ナッタ触媒を滴下せしめ、該触媒を
前記円板の中心より放射状に飛散させる動作を続けるこ
とにより、前記円板上に放射状に成長した重合膜を得る
ことを特徴としてポリアセチレン薄膜の製造方法を構成
する。
本発明は緻密で且つ再現性の高いポリアセチレン薄膜
の製造方法に関する。
の製造方法に関する。
半導体には単体半導体と化合物半導体とがあり、これ
を基板として各種のデバイスが実用化されている。
を基板として各種のデバイスが実用化されている。
こゝで、シリコン(Si)は単体半導体の代表であり、
LSIやVLSIなどの集積回路が実用化されているが、薄膜
化も可能である。
LSIやVLSIなどの集積回路が実用化されているが、薄膜
化も可能である。
そこで、これを利用して太陽電池や薄膜トランジスタ
(略称TFT)からなるトランジスタ・アレイを作り、こ
れを使用して液晶表示パネルやイメージセンサなどの駆
動回路のスイッチング素子として使用されている。
(略称TFT)からなるトランジスタ・アレイを作り、こ
れを使用して液晶表示パネルやイメージセンサなどの駆
動回路のスイッチング素子として使用されている。
一方、ポリアセチレンは炭素(C)元素が一次元的に
配列した構造をもち、Siに近似した禁止帯幅をもつ絶縁
物であり、ドーパントの導入により半導体化すると云う
特性をもっている。
配列した構造をもち、Siに近似した禁止帯幅をもつ絶縁
物であり、ドーパントの導入により半導体化すると云う
特性をもっている。
そのため、このポリアセチレンの軽量,フレキシブル
且つ大面積化が可能な特徴を活かし、軽量な太陽電池,
大容量の液晶表示パネルやイメージセンサなどへの応用
が期待されている。
且つ大面積化が可能な特徴を活かし、軽量な太陽電池,
大容量の液晶表示パネルやイメージセンサなどへの応用
が期待されている。
ポリアセチレンには下式に示すようにシス型とトラン
ス型がある。
ス型がある。
そして、アセチレンを−78℃で重合するとシス型がで
きるが180℃の加熱でトランス型に変わり、また150℃で
重合すると初めからトランス型ができることが判ってい
る。
きるが180℃の加熱でトランス型に変わり、また150℃で
重合すると初めからトランス型ができることが判ってい
る。
さて、ポリアセチレン薄膜の製造方法としてはチタニ
ウムテトラブトキシドとトリエチルアルミニウムよりな
り、(3)の構造式で表されるチーグラー・ナッタ(Zi
egler−Natta)触媒を使用し、 この触媒をフラスコに入れ、温度−78℃,圧力150tor
rのアセチレン雰囲気中に曝すことにより、フラスコの
ガラス壁にポリアセチレン膜が成長したことが報告され
ている。
ウムテトラブトキシドとトリエチルアルミニウムよりな
り、(3)の構造式で表されるチーグラー・ナッタ(Zi
egler−Natta)触媒を使用し、 この触媒をフラスコに入れ、温度−78℃,圧力150tor
rのアセチレン雰囲気中に曝すことにより、フラスコの
ガラス壁にポリアセチレン膜が成長したことが報告され
ている。
〔雀部博之編:導電性高分子材料,CMC出版,1984、或い
はI,Ito他,J.Polym.Sci.Polym.Ed.13,1984(1975)〕然
し、このようにして作られたポリアセチレン膜を走査顕
微鏡(SEM)を用いて観察すると、フィブリル(Fibri
l)と言われるポリアセチレンの連鎖の束が三次元的に
絡まった構造をしており空隙が非常に多く含まれてい
る。
はI,Ito他,J.Polym.Sci.Polym.Ed.13,1984(1975)〕然
し、このようにして作られたポリアセチレン膜を走査顕
微鏡(SEM)を用いて観察すると、フィブリル(Fibri
l)と言われるポリアセチレンの連鎖の束が三次元的に
絡まった構造をしており空隙が非常に多く含まれてい
る。
そのために、このようにして形成したポリアセチレン
膜にイオン注入などを行って半導体化した場合でも特性
にバラツキが大きく、電気的性質の再現性が乏しいこと
が問題であった。
膜にイオン注入などを行って半導体化した場合でも特性
にバラツキが大きく、電気的性質の再現性が乏しいこと
が問題であった。
アセチレンを重合して作られるポリアセチレン膜はド
ーパントの導入により半導体化することができ、薄膜半
導体として期待されているが、従来の製法によるものは
フィブリル構造をしており、そのために特性の再現性に
乏しい。
ーパントの導入により半導体化することができ、薄膜半
導体として期待されているが、従来の製法によるものは
フィブリル構造をしており、そのために特性の再現性に
乏しい。
そこで、再現性に富む製造方法を実用化することが課
題である。
題である。
上記の課題はアセチレンガス雰囲気中で高速に回転し
ている円板の中心にチーグラー・ナッタ触媒を滴下せし
め、この触媒を円板の中心より放射状に飛散させる動作
を続けることにより、この円板上に放射状に成長した重
合膜を得ることを特徴としてポリアセチレン薄膜の製造
方法を構成することにより解決することができる。
ている円板の中心にチーグラー・ナッタ触媒を滴下せし
め、この触媒を円板の中心より放射状に飛散させる動作
を続けることにより、この円板上に放射状に成長した重
合膜を得ることを特徴としてポリアセチレン薄膜の製造
方法を構成することにより解決することができる。
発明者はポリアセチレン膜の電気的特性の再現性に乏
しい理由はフィブリル構造にあると思考した。
しい理由はフィブリル構造にあると思考した。
すなわち、ポリアセチレンは(1)および(2)の構
造式に示すように一次元方向に伸びた繊維状をしてお
り、SEM観察からすると複数のポリアセチレンが集まっ
て紐状になっている。
造式に示すように一次元方向に伸びた繊維状をしてお
り、SEM観察からすると複数のポリアセチレンが集まっ
て紐状になっている。
そして、この紐状の集合体が単位となって三次元的に
複雑に絡み合って薄膜を形成している。
複雑に絡み合って薄膜を形成している。
そこで、ポリアセチレンを一定の方向に密に配列する
ことが特性の再現性を向上する方法であると考えた。
ことが特性の再現性を向上する方法であると考えた。
そのためにはチーグラー・ナッタ触媒の流れ方向を決
める必要がある。
める必要がある。
本発明はアセチレン雰囲気中で高速で回転する円板の
中心に粘度調節したチーグラー・ナッタ触媒を滴下する
ことによって、回転中心から円板の周辺に向かう放射状
の触媒の流れを作りだすものである。
中心に粘度調節したチーグラー・ナッタ触媒を滴下する
ことによって、回転中心から円板の周辺に向かう放射状
の触媒の流れを作りだすものである。
このようにすると、アセチレン分子は触媒の働きによ
り一次元方向に結合して連鎖を作るが、この連鎖は、触
媒自体の流れと、連鎖に働く遠心力とによって放射状に
配列する結果、特性の再現性の良い薄膜を得ることがで
きる。
り一次元方向に結合して連鎖を作るが、この連鎖は、触
媒自体の流れと、連鎖に働く遠心力とによって放射状に
配列する結果、特性の再現性の良い薄膜を得ることがで
きる。
ガス圧が760torrで温度が−76℃のアセチレンガス雰
囲気中で、厚さが10mm,直径が50mmのアルミニウム(A
l)製の円板を5000rpmの回転速度で回転させた状態で上
より回転中心へ、トルエンを用いて粘度調節したチーグ
ラー・ナッタ触媒を滴下した。
囲気中で、厚さが10mm,直径が50mmのアルミニウム(A
l)製の円板を5000rpmの回転速度で回転させた状態で上
より回転中心へ、トルエンを用いて粘度調節したチーグ
ラー・ナッタ触媒を滴下した。
そして、この滴下を20分に亙って続けることにより、
円板上に膜厚が約4μmのポリアセチレンが放射状に成
長した。
円板上に膜厚が約4μmのポリアセチレンが放射状に成
長した。
これを放射線に沿って矩形に切り出すことにより、平
行に連鎖が並んだポリアセチレン膜を得ることができ
た。
行に連鎖が並んだポリアセチレン膜を得ることができ
た。
次に、このポリアセチレン膜をイオン注入装置にセッ
トし、弗化砒素(AsF5)をドーパントとしてモル比で10
%ドープした結果、連鎖方向の電導度として5×103Ω
-1cm-1の値を得ることができ、この値は再現性が良く、
また、従来のフィブリル構造の膜よりも約1桁良い値で
あった。
トし、弗化砒素(AsF5)をドーパントとしてモル比で10
%ドープした結果、連鎖方向の電導度として5×103Ω
-1cm-1の値を得ることができ、この値は再現性が良く、
また、従来のフィブリル構造の膜よりも約1桁良い値で
あった。
本発明の実施により、回転する円板の表面に、回転中
心から周辺に向かって放射状に連鎖の揃ったポリアセチ
レン膜を得ることができ、この膜はフィブリル状のポリ
アセチレン膜に較べて空隙が少なく、緻密で再現性の良
い膜を得ることができる。
心から周辺に向かって放射状に連鎖の揃ったポリアセチ
レン膜を得ることができ、この膜はフィブリル状のポリ
アセチレン膜に較べて空隙が少なく、緻密で再現性の良
い膜を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】アセチレンガス雰囲気中で高速に回転して
いる円板の中心にチーグラー・ナッタ触媒を滴下せし
め、該触媒を前記円板の中心より放射状に飛散させる動
作を続けることにより、前記円板上に放射状に成長した
重合膜を得ることを特徴とするポリアセチレン薄膜の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2031805A JP2805953B2 (ja) | 1990-02-13 | 1990-02-13 | ポリアセチレン薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2031805A JP2805953B2 (ja) | 1990-02-13 | 1990-02-13 | ポリアセチレン薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03234715A JPH03234715A (ja) | 1991-10-18 |
JP2805953B2 true JP2805953B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=12341308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2031805A Expired - Lifetime JP2805953B2 (ja) | 1990-02-13 | 1990-02-13 | ポリアセチレン薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2805953B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60221406A (ja) * | 1984-04-18 | 1985-11-06 | Hoxan Corp | ポリアセチレン厚膜の製造方法 |
-
1990
- 1990-02-13 JP JP2031805A patent/JP2805953B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03234715A (ja) | 1991-10-18 |
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