JP2805197B2 - 海底中継伝送路の給電切替方式 - Google Patents

海底中継伝送路の給電切替方式

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JP2805197B2 JP63120041A JP12004188A JP2805197B2 JP 2805197 B2 JP2805197 B2 JP 2805197B2 JP 63120041 A JP63120041 A JP 63120041A JP 12004188 A JP12004188 A JP 12004188A JP 2805197 B2 JP2805197 B2 JP 2805197B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は海底ケーブルを用いた海底中継伝送路に中継
器を動作させる電力を供給する方式に関する。特に、海
底に伝送路の分岐装置を施設し、この分岐装置でケーブ
ルを分岐接続する方式に用いられる給電分岐装置に関す
るものである。
本願発明は同一出願人に係る先願発明(特願昭62−13
0367号、昭和62年5月27日出願、本願出願時において未
公開、以下単に「先願発明」という)の改良である。
〔従来の技術〕
海底ケーブル方式では、深海に施設したケーブル部分
にはほとんど障害が発生しないが、陸揚げ点近傍の浅海
域で多くの障害が発生することが知られている。これ
は、浅海域で漁業が行われるため人為的な障害が発生し
易いこと、また浅海域には生物が多く反応が活発である
ことなどが原因である。このため、深海部分を1本のケ
ーブルとし、浅海域ではケーブルを分岐して陸揚げする
方法が考えられた。すなわち浅海域ではケーブルを複数
冗長に配置しておいて、一つのケーブルにかりに障害が
発生しても、他のケーブルに切替えることによりシステ
ム全体として障害にならないようにするものである。
このためには海底に施設したケーブルの分岐装置の中
で、伝送信号(光信号または電気信号)および給電電流
の双方について、切替または分岐接続を行う装置が必要
がある。
本発明はこのうち給電電流についての切替に係るもの
で、伝送信号についての切替または分岐に直接に係るも
のではない。
上記先願発明は本願添付図面第3図に示す構成のもの
である。すなわちこの回路は、第一の給電路1を第二の
給電路2または第三の給電路3のいずれかに接続するス
イッチ回路であって、はね力によって第3図に図示する
状態に自動的に復帰する二つの接点4および5と、この
接点4を駆動する駆動コイル6と、この接点5を駆動す
る駆動コイル7とを備えている。さらに第一の給電路1
の給電電流が消滅した状態でこの第一の給電路1を自動
的に接地する開閉スイッチ8を備えている。
この先願発明の回路は第3図の状態で給電路1と給電
路2との間に給電を開始すると、駆動コイル6に電流が
流れて接点4が接地側に切替わり、給電路3については
接地を帰路として独立に給電を行うことができる。すな
わち第2図(a)に示すような接続とすることができ
る。第2図でE1〜E3はそれぞれ海岸局に設けた中継器に
給電を行うための電源装置であり、各電線の●は中継器
の電源回路を示し、破線で囲むVがこの切替装置を示
す。
第3図に状態から給電路1と給電路3との間に給電を
開始すると、駆動コイル7に電流が流れて接点5が切替
わり、第2図(b)のような接続の給電を行うことがで
きる。
この先願発明の回路は、給電を開始するときに第3図
の状態から第2図(a)の状態または第2図(b)の状
態になるが、この状態まで開閉スイッチ8は第一の給電
路1を接地に接続しているから、独立に給電される側の
給電路が接点4または5により接地に切替わっても、そ
の切替に伴う電位差はなく、サージまたは反射電圧の発
生のない優れた回路である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが上記先願発明の回路では微小電圧電流法によ
る障害位置測定に不都合があることがわかった。すなわ
ち海底ケーブル方式では、障害が発生したときにその位
置を陸上から標定して、ケーブルの修理船を適切に誘導
することはきわめて重要である。その標定の方法として
多くの方法が知られているが、その方法のうち比較的に
簡便であり、電力の供給が不能になった場合でも有効な
方法が微小電圧電流法である。
微小電圧電流法は、ケーブルが切断されてその切断部
分が海水に浸された状態になったときに行う方法であっ
て、陸上から海底ケーブルの電力供給線に微小な電圧を
印加し、その切断部分で接地状態になっている位置まで
の電力供給線の抵抗値を測定してその切断部分までの距
離を推定する方法である。この方法を上記先願発明の回
路に適応しようとすると、給電路2または3で切断障害
が発生したときにこれを近端の陸上側から測定すること
は可能であるが、給電路1で切断障害が発生すると、こ
れを近端の陸上側から測定することは不可能である。す
なわち、電力供給のない状態では開閉スイッチ8は閉じ
ているので、給電分岐装置で給電路1が接地された状態
であり、この給電路1の給電分岐装置から比較的に近い
位置で切断障害が発生した場合には、これを給電路2ま
たは3を介して、微小電圧電流測定法により標定しよう
としても、この開閉スイッチ8により接地に電流が流れ
て標定はできない。
本発明はこれを解決するもので、開閉スイッチ8を設
ける場合にも、微小電圧電流測定法による障害位置の標
定が可能な方式を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、給電分岐装置に、第一の給電路の給電電流
が消滅した状態でこの第一の給電路を自動的に接地する
開閉スイッチを備え、この開閉スイッチと直列にダイオ
ードを接続したことを特徴とする。このダイオードの向
きは、この給電分岐装置から近い陸上の給電装置の給電
電流の方向に対して順方向とすることが適当である。ケ
ーブルに挿入された中継器が給電電流の双方向について
給電可能な構成とする場合には、上記向きとは逆の向き
であっても有効である。
〔作用〕
給電をしてない状態では、開閉スイッチは閉じた状態
である。給電を開始するときには、このダイオードが順
方向となるように給電を行い、このダイオードを導通状
態にしてから開閉スイッチが開くようにすると、この開
閉スイッチを挿入した利点は何ら損なわれることはな
い。
微小電圧電流測定法による測定を行う場合には、その
電圧の極性を上記ダイオードが逆方向になって非導通状
態となるように設定すると、開閉スイッチが挿入されて
いることは何ら影響がなく、従来どおりに微小電圧電流
測定法によいる障害位置の標定が可能である。
〔実施例〕
第1図は本発明実施例装置の構成図である。
この装置は海底に施設されたケーブルの分岐装置のう
ち給電路の分岐に係わる回路を示すもので、伝送信号に
ついては図示してない。すなわち伝送信号については、
それが光信号であるときには一つのケーブル内に各給電
路と並行に光ファイバが実装されている。伝送信号が電
気信号であるときにはひとつの電線に高周波数の伝送信
号と給電用の直流電流とが重畳されるが、各中継器ごと
にフィルタにより伝送信号と給電路とは分離される。
第1図に示す本発明実施例装置は、第一の給電路1、
第二の給電路2および第三の給電路3が海底に施設され
た給電分岐装置で接続され、この給電分岐装置には、第
一の給電路1および第二の給電路2を接続し第三の給電
路3を接地する第一の状態(第2図(a)の状態)と、
第一の給電路1および第三の給電路3を接続し第二の給
電路2を接地する第二の状態(第2図(b)の状態)と
を切替えるスイッチ手段を備える。前記第一の給電路1
の給電電流が消滅した状態でこの第一の給電路1を自動
的に接地する切替接点4を備え、この切替接点4に直列
にダイオード10が接続されたことを特徴とする。
すなわちこの装置は、第一の給電路1を第二の給電路
2または第三の給電路3のいずれかに接続するスイッチ
回路であって、ばね力によって第1図に図示する状態に
自動的に復帰する二つの接点4および5と、この接点4
を駆動する駆動コイル6と、この接点5を駆動する駆動
コイル7とを備えている。
ここで本発明実施例装置の特徴とすることろは、給電
路1に接続さればね力により給電路1を接地に接続する
開閉スイッチ8と、この開閉スイッチ8を駆動して開放
状態にし、給電路1に直列に接続された駆動コイル9と
を備え、さらにこの開閉スイッチ8と直列にダイオード
10を備えたところにある。
海底中継伝送路の電力給電方式としては、陸上に設置
した海岸局からケーブル内の給電路に直流定電流を供給
し、ケーブルの中間に配置された複数の中継器の各電源
回路がこの給電路に直列に接続される。伝送信号として
光信号を利用するものでは、伝送信号を伝搬する光ファ
イバの他に、同一ケーブルの中に給電路として電線が実
装されていてこの電線に直流定電流が送電される。各中
継器ではこの電線に直列にその中継器の電源回路を接続
する。また伝送信号として電気信号を利用するもので
は、高周波伝送信号が伝送される電線を給電路として併
用し、この電線に直流定電流を重畳して伝送する。各中
継器ではこの電線から直流を分離するフィルタを用い
て、その中継器の電源回路がこの直流定電流に対して直
列に接続されるように構成される。
ケーブルの両端の海岸局では、上記給電路に直流の定
電流電源装置を接続する。一般に一方にの海岸局では正
極の定電流電源装置を接続し、他方の海岸局では負極の
定電流電源装置を接続し、その帰路は接地である。もし
両端の海岸局の一方の局の電源装置に障害が発生して
も、ケーブルの給電路の一端を接地すれば、他の一方の
局の電源装置のみでもこの給電路に直流定電流を送電で
きる。かりに海底でのこの給電路が海水に接して接地さ
れることがあると、この海水接地を帰路として定電流電
源装置は直流定電流を送電しつづけることができる。
この回路は第1図に示す状態が給電を行っていない状
態であり、各接点はばね力により復旧され第1図に示す
状態にある。この状態から給電路Iと給電路2との間に
給電を開始すると、駆動コイル6に電流が流れて接点4
が接地側に切替わり、給電路3については接地を帰路と
して独立に給電を行うことができる。すなわち第2図
(a)に示すような接続とすることができる。第2図で
E1〜E3はそれぞれ海岸局の電源装置であり、各電線の●
は中継器の電源回路を示し、破線で囲むVが本発明の切
替装置を示す。
ここで、本発明の回路は開閉スイッチ8および駆動コ
イル9を備えるので、給電開始の状態では給電路1、2
および3は接地電位である。給電を開始すると駆動コイ
ル9が電流を検出し動作して開閉スイッチ8を開放す
る。したがってこれと同時に接点4が接地側に切替わっ
ても、その時点で給電路3は接地電位から接地電位に切
替わるのであるからサージ電圧は発生しない。また給電
路3への電荷の流れ込みもない。
第1図に示す給電前の状態から給電路1と給電路3と
の間に給電を開始すると、駆動コイル7に電流が流れて
接点5が切替わり、第2図(b)のような接続の給電を
行うことができる。このときにも、給電を開始するまで
は各給電路1、2および3は接地電位であるから、接点
5が切替わってもその時点での電位の変更はないのでサ
ージ電圧の発生はない。また給電路1への電荷の流れ込
みもない。
さらに、従来は不可能であったが、給電路1が障害に
なっても給電路2および給電路3をそれぞれ独立に接地
帰路として給電することが可能である。例えば第4図
(a)のように電源装置E2から流れた電流は給電路2、
接点5、駆動コイル6、電流方向制限回路10、開閉スイ
ッチ8および接地を通り、大地を帰路とする給電経路を
流れる。また第4図(b)のように電源装置E3から流れ
た電流は給電路3、接点4、駆動コイル7、ダイオード
10、開閉スイッチ8および接地を通り、大地を帰路とす
る給電経路を流れる。
ここで、ダイオード10は微小電圧電流測定法による障
害標定を確実に実行できるようにするためのものであ
る。
第6図は微小電流測定法の説明図である。これはケー
ブルの途中で切断が発生し、接地障害となった場合の障
害位置を探索する方法である。障害点を含む給電路の両
端から微小な電流を流して抵抗を測定することにより、
障害部分の接地抵抗Reと端局から障害位置までのケーブ
ル長に相当する抵抗Riを求める。ただし、この給電路が
障害点以外で接地していないことが前提条件である。こ
こでRcは両端局間の全長に相当するケーブルの抵抗であ
る。
前述のように給電路の途中で接地されている場合は、
一般に微小電圧電流測定法は適用できない。この問題を
解決するため障害標定を行うには通常の給電と逆極性の
微小電流を流す。一例として、第5図(a)に示すよう
に、給電路1に障害があり、端局Iと端局IIとの間で微
小電圧電流法によりその位置を標定する場合は、電源E2
の極性を逆にして微小電流を流す。このようにすると、
通常の給電時と結線点11の電位が反対になるため、ダイ
オード10が作用して結線点11から接地に電流が流れなく
なる。従って、微小電圧電流測定法の前提条件である給
電路が障害点以外で接地しないという条件を満たして、
第6図にし示した測定が可能となる。
同様に給電路1に障害があり、端局Iと端局IIIとの
間で微小電圧電流法により標定する場合の例を第5図
(b)に示す。
一方、給電路2あるいは給電路3が障害になった場合
には、通常の給電と同じ手順で微小電流を流すことによ
り、駆動コイル9の作用で開閉スイッチ8を接地から切
離すことができ同様に第6図に示した測定が可能とな
る。
微小電圧電流測定法については例えば志村静一著「海
底同軸ケーブル通信方式」電子通信学会発行、昭和54年
3月.189頁に記載がある。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、給電を開始す
る前には、切替回路の位置で各給電路は接地電位になっ
ているから、切替接点が接地に切替えられても、サージ
の発生あるいは給電路内へ電荷の流入はなく、中継器の
回路に悪影響を与えることはない。また、これに伴って
接点がチャタリングするなどの不都合はなくなる。本発
明を実施することにより追加されるハードウエアはわず
かである。
さらに、ダイオードを設けたので微小電流測定法によ
る障害位置測定が可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例給電切替回路の構成図。 第2図は給電系統の説明図。 第3図は従来の給電切替回路の構成図。 第4図は給電系統の説明図。 第5図は給電路1が障害になったときの微小電圧電流測
定法による障害標定の説明図。 第6図は微小電圧電流測定による障害標定の説明図。 1、2、3……給電路、4、5……切替接点、6、7、
9……駆動コイル、8……開閉スイッチ、10……ダイオ
ード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 3/00 - 3/02 H04B 3/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の給電路、第二の給電路および第三の
    給電路が海底に施設された給電分岐装置で接続され、こ
    の給電分岐装置には、第一の給電路および第二の給電路
    を接続し第三の給電路を接地する第一の状態と、第一の
    給電路および第三の給電路を接続し第二の給電路を接地
    する第二の状態とを切替えるスイッチ手段と、前記第一
    の給電路の給電電流が消滅した状態でこの第一の給電路
    を自動的に接地する開閉スイッチとを備えた海底中継伝
    送路の給電切替方式において、 前記開閉スイッチと直列にダイオードが挿入されたこと
    を特徴とする海底中継伝送路の給電切替方式。
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