JP2804024B2 - マイクロ波イオン源 - Google Patents
マイクロ波イオン源Info
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- JP2804024B2 JP2804024B2 JP61258206A JP25820686A JP2804024B2 JP 2804024 B2 JP2804024 B2 JP 2804024B2 JP 61258206 A JP61258206 A JP 61258206A JP 25820686 A JP25820686 A JP 25820686A JP 2804024 B2 JP2804024 B2 JP 2804024B2
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- Japan
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- plasma
- plasma chamber
- ion source
- microwave
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は大電流イオンビームが容易に取得できるマイ
クロ波イオン源に係り、特に多価に電離したイオンビー
ムを効率良く取得するに好適なマイクロ波イオン源に関
する。 〔従来の技術〕 磁場中のマイクロ波放電で高温,高密度のプラズマを
生成し、これからイオンビームを引出すマイクロ波イオ
ン源は、大電流ビームを長時間安定に取得できるイオン
源として、半導体用イオン打込み装置を初めとする広範
な産業分野で利用されている。そのプラズマ室構造とし
ては、特公昭57−11094号公報、特公昭57−11093号公
報、特公昭59−8959号公報、特公昭57−4056号公報など
に見られるように同軸構造、リッジ構造などがあり、ま
た、特公昭53−34461号公報のように円筒構造もある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術ではマイクロ波放電プラズマを構成する
イオンの殆どが1価に電離したイオンで、1価の大電流
ビーム取得が主として重要となる利用分野(例えばイオ
ン打込み装置)に応用されていた。言いかえれば、イオ
ンビームによる物質輸送の特性を活用する分野である。
このためマイクロ波イオン源の改良に関する考案は、1
価イオンの生成効率を維持し大電流化を図るものが多
い。 近年、半導体イオン打込みのプロセス技術分野では打
込みエネルギーが高エネルギー化する方向にある。従来
の打込み装置を用いて高エネルギー化を行うには、電離
したイオンの価数を上れば良い。即ち、2価イオンを使
えば1価イオンを2倍のエネルギーが得られる。イオン
ビームの持つ物質輸送の特性を保持し且つ上記高エネル
ギー化を図るには、イオン源プラズマの多価イオン生成
効率を上げる必要がある。ところが、マイクロ波イオン
源の多価イオン生成効率は他の従来イオン源に比べ一般
に高いものの、例えば2価イオン生成量は1価イオンの
高々10%程度である。3価,4価と価数が増えるに伴い、
その生成率は減少する。 本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的と
するところは、多価(2〜4価)イオン生成効率を上げ
ることは勿論、大電流の多価イオンビームを効率良く取
得できるマイクロ波イオン源を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 プラズマ中の多価イオン生成効率を上げるには以下の
方法がある。 (1) プラズマ中の電子温度を多価イオン生成に必要
な電離電圧(数10〜数100eV)以上に高める。 (2) プラズマ内でのイオンとしての滞在時間(ある
いは寿命)を伸ばし、イオンが電子と衝突して多価イオ
ンになる頻度を高める。 (1)の電子温度を高めるには、入射マイクロ波の電
力を上げ電子に働く加速電界を上げたり、ガス圧を下げ
て電子が充分加速されるまではイオンやガス中性分子と
衝突しないようにする。また、イオンの滞在時間は中性
分子との衝突ひん度、壁への拡散による粒子損失などに
強く依存するため、(2)の方法としては放電体積を大
きくして壁への損失を平均的に減らす方法や、放電ガス
圧を低くしたりする工夫がなされる。本発明は、壁への
衝突による損失を減らして、実効的に多価イオン生成効
率の増加を図るものである。 プラズマ粒子の磁場を横切る拡散係数D⊥は一般に磁
束密度Bの自乗に逆比例する、即ち次式が成立つ。 従つて磁束密度を上げればD⊥が減少し、壁への拡散
が減つてプラズマ内でのイオンの平均的滞在時間が改善
されることになる。 第2図は従来のマイクロ波イオン源の構造とその磁場
分布を示したものである。同図(A)は構造図、(B)
は軸方向の磁場分布図、(C)は半径方向の磁場分布図
である。図に示されるように、軸方向磁場分布はソレノ
イドコイル1の中心部で高い値を示しており、いわゆる
ミラー磁場分布と言われるもので、プラズマの閉じ込め
効果は高いことが知られている。プラズマが壁と接触す
る絶縁物4と引出し電極系5で磁束密度Bの値が最も大
きいため、これらの部分への拡散係数は小さく、従つて
粒子の軸方向の拡散損失も小さい。一方、(C)図の半
径方向磁場分布からは、壁に向かうに伴い磁束密度Bが
減少するから、外周壁近傍での拡散係数はかなり大きい
と言える。プラズマに接する外周壁面積も広いことか
ら、半径方向の拡散を抑えることが、プラズマの閉じ込
め効果を上げ、結果として多価イオン生成効率改善に大
きく寄与することになる。半径方向の拡散を減らすに
は、外周壁で磁束密度が高くなるようにすれば良い。 そのために本発明では、プラズマ室の端部に配置され
た絶縁物とプラズマ室からイオンビームを引出す引出し
電極系の間であって、かつ、ソレノイドコイルの内径よ
り中心側に位置すると共に、前記プラズマ室の外壁に接
して、極性が全て同極となるように永久磁石を軸方向に
一列に並べて設け、この軸方向に一列に並べて設けられ
た永久磁石を円周方向に複数個配置すると共に、該永久
磁石の円周方向に隣り合う列の極性を交互に変えてこれ
ら相互間で磁場を形成することを特徴とする。 〔作用〕 本発明ではプラズマ室の外壁に接して永久磁石の列が
配置されており、これが作る磁場は第1図(B)に示し
たように円周方向磁場である。その磁場強度はプラズマ
室中心部分で最も弱く、管壁に近づくにつれて大きくな
る。従つて、壁へのプラズマ粒子損失が抑えられ、プラ
ズマ内での多価イオン生成効率が上昇する。 ソレノイドコイルと永久磁石の列で作られる合成磁場
形状をプラズマ側から見ると、軸方向及び半径方向共に
プラズマ中心部分で磁場強度が平均的に極小となり、プ
ラズマ 閉じ込めの点からも安定性にすぐれていることが知られ
ている。この為、安定なビーム引出しの効果も付加され
る。 〔実施例〕 以下、本発明のマイクロ波イオン源の一実施例を第1
図を用いて説明する。該図に示す如く、本実施例のマイ
クロ波イオン源は、マイクロ波が端部に配置された絶縁
物4を介して供給され、試料ガスのプラズマを生成する
プラズマ室3と、このプラズマ室3からイオンビーム2
を引出すための引出し電極系5と、絶縁物4の周囲と引
出し電極系5の周囲にそれぞれ配置されたソレノイドコ
イル1とで概略構成され、そのソレノイドコイル1が作
る軸方向磁場強度分布が、プラズマ室3の軸方向中央部
分で弱く、軸方向両端で強くなるミラー磁場分布となっ
ている。 そして、本実施例では絶縁物4と引出し電極系5の間
であって、かつ、ソレノイドコイル1の内径より中心側
に位置すると共に、プラズマ室3の外壁に接して、極性
が全て同極となるように永久磁石6を軸方向に一列に並
べて設け、この軸方向に一列に並べて設けられた永久磁
石6を円周方向に複数個配置すると共に、この永久磁石
6の円周方向に隣り合う列の極性を交互に変えてこれら
相互間で磁場を形成するように構成している。第1図で
マイクロ波として2.45GHzの周波数のものを使い、同軸
構造プラズマ室の寸法としては、直径30mm以上の大きい
ものを使つた。プラズマ室体積が大きい程、多価イオン
生成効率が上ることが実験的に確かめられた。第1図で
は、永久磁石6の列を円周方向に4列に並べ、いわゆる
四重極磁場とした。磁石としては、サマリウム・コバル
ト製の小形磁石を使つた。ガス圧力で10-1〜10-3Paのア
ルゴンガスをプラズマ室に流し、数100W〜数kWのマイク
ロ波を投入し、引出したビームを質量分離器に入れてイ
オン種成分を調べた。磁石列6の設置により、従来Ar++
とAr+イオン量の比I(Ar++)/I(Ar+)で約0.1であつ
たものが0.2以上に改善され、3価,4価イオンについて
もイオン量に著しい増加が見られた。 このような本実施例によれば、マイクロ波イオン源の
プラズマ室の外壁に接して磁石列を配列することでプラ
ズマ室内壁への粒子の拡散損失を抑えることができるの
で、マイクロ波イオン源の多価(2〜4価)イオン生成
効率の改善に著しい効果が有り、このマイクロ波イオン
源をイオン打ち込み装置用のイオン源として用いると、
高エネルギー、大電流のイオンビームが容易に得られ、
高エネルギー打ち込みの実用化に対し、その効果は著し
く大である。 本実施例では同軸構造のプラズマ室についての例を述
べた。プラズマ室として円筒構造でも本発明の効果が得
られることは明らかである。 〔発明の効果〕 以上説明した本発明のマイクロ波イオン源によれば、
プラズマ室の端部に配置された絶縁物とプラズマ室から
イオンビームを引出す引出し電極系の間であって、か
つ、ソレノイドコイルの内径より中心側に位置すると共
に、前記プラズマ室の外壁に接して、極性が全て同極と
なるように永久磁石を軸方向に一列に並べて設け、この
軸方向に一列に並べて設けられた永久磁石を円周方向に
複数個配置すると共に、該永久磁石の円周方向に隣り合
う列の極性を交互に変えてこれら相互間で磁場を形成す
るものであるから、プラズマ室内壁への粒子の拡散損失
を抑えることができるので、多価(2〜4価)イオン生
成効率を上げることが可能となり、しかも、これをイオ
ン打ち込み装置用のイオン源として用いることにより、
大電流の多価イオンビームを効率良く取得できる効果が
ある。
クロ波イオン源に係り、特に多価に電離したイオンビー
ムを効率良く取得するに好適なマイクロ波イオン源に関
する。 〔従来の技術〕 磁場中のマイクロ波放電で高温,高密度のプラズマを
生成し、これからイオンビームを引出すマイクロ波イオ
ン源は、大電流ビームを長時間安定に取得できるイオン
源として、半導体用イオン打込み装置を初めとする広範
な産業分野で利用されている。そのプラズマ室構造とし
ては、特公昭57−11094号公報、特公昭57−11093号公
報、特公昭59−8959号公報、特公昭57−4056号公報など
に見られるように同軸構造、リッジ構造などがあり、ま
た、特公昭53−34461号公報のように円筒構造もある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術ではマイクロ波放電プラズマを構成する
イオンの殆どが1価に電離したイオンで、1価の大電流
ビーム取得が主として重要となる利用分野(例えばイオ
ン打込み装置)に応用されていた。言いかえれば、イオ
ンビームによる物質輸送の特性を活用する分野である。
このためマイクロ波イオン源の改良に関する考案は、1
価イオンの生成効率を維持し大電流化を図るものが多
い。 近年、半導体イオン打込みのプロセス技術分野では打
込みエネルギーが高エネルギー化する方向にある。従来
の打込み装置を用いて高エネルギー化を行うには、電離
したイオンの価数を上れば良い。即ち、2価イオンを使
えば1価イオンを2倍のエネルギーが得られる。イオン
ビームの持つ物質輸送の特性を保持し且つ上記高エネル
ギー化を図るには、イオン源プラズマの多価イオン生成
効率を上げる必要がある。ところが、マイクロ波イオン
源の多価イオン生成効率は他の従来イオン源に比べ一般
に高いものの、例えば2価イオン生成量は1価イオンの
高々10%程度である。3価,4価と価数が増えるに伴い、
その生成率は減少する。 本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的と
するところは、多価(2〜4価)イオン生成効率を上げ
ることは勿論、大電流の多価イオンビームを効率良く取
得できるマイクロ波イオン源を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 プラズマ中の多価イオン生成効率を上げるには以下の
方法がある。 (1) プラズマ中の電子温度を多価イオン生成に必要
な電離電圧(数10〜数100eV)以上に高める。 (2) プラズマ内でのイオンとしての滞在時間(ある
いは寿命)を伸ばし、イオンが電子と衝突して多価イオ
ンになる頻度を高める。 (1)の電子温度を高めるには、入射マイクロ波の電
力を上げ電子に働く加速電界を上げたり、ガス圧を下げ
て電子が充分加速されるまではイオンやガス中性分子と
衝突しないようにする。また、イオンの滞在時間は中性
分子との衝突ひん度、壁への拡散による粒子損失などに
強く依存するため、(2)の方法としては放電体積を大
きくして壁への損失を平均的に減らす方法や、放電ガス
圧を低くしたりする工夫がなされる。本発明は、壁への
衝突による損失を減らして、実効的に多価イオン生成効
率の増加を図るものである。 プラズマ粒子の磁場を横切る拡散係数D⊥は一般に磁
束密度Bの自乗に逆比例する、即ち次式が成立つ。 従つて磁束密度を上げればD⊥が減少し、壁への拡散
が減つてプラズマ内でのイオンの平均的滞在時間が改善
されることになる。 第2図は従来のマイクロ波イオン源の構造とその磁場
分布を示したものである。同図(A)は構造図、(B)
は軸方向の磁場分布図、(C)は半径方向の磁場分布図
である。図に示されるように、軸方向磁場分布はソレノ
イドコイル1の中心部で高い値を示しており、いわゆる
ミラー磁場分布と言われるもので、プラズマの閉じ込め
効果は高いことが知られている。プラズマが壁と接触す
る絶縁物4と引出し電極系5で磁束密度Bの値が最も大
きいため、これらの部分への拡散係数は小さく、従つて
粒子の軸方向の拡散損失も小さい。一方、(C)図の半
径方向磁場分布からは、壁に向かうに伴い磁束密度Bが
減少するから、外周壁近傍での拡散係数はかなり大きい
と言える。プラズマに接する外周壁面積も広いことか
ら、半径方向の拡散を抑えることが、プラズマの閉じ込
め効果を上げ、結果として多価イオン生成効率改善に大
きく寄与することになる。半径方向の拡散を減らすに
は、外周壁で磁束密度が高くなるようにすれば良い。 そのために本発明では、プラズマ室の端部に配置され
た絶縁物とプラズマ室からイオンビームを引出す引出し
電極系の間であって、かつ、ソレノイドコイルの内径よ
り中心側に位置すると共に、前記プラズマ室の外壁に接
して、極性が全て同極となるように永久磁石を軸方向に
一列に並べて設け、この軸方向に一列に並べて設けられ
た永久磁石を円周方向に複数個配置すると共に、該永久
磁石の円周方向に隣り合う列の極性を交互に変えてこれ
ら相互間で磁場を形成することを特徴とする。 〔作用〕 本発明ではプラズマ室の外壁に接して永久磁石の列が
配置されており、これが作る磁場は第1図(B)に示し
たように円周方向磁場である。その磁場強度はプラズマ
室中心部分で最も弱く、管壁に近づくにつれて大きくな
る。従つて、壁へのプラズマ粒子損失が抑えられ、プラ
ズマ内での多価イオン生成効率が上昇する。 ソレノイドコイルと永久磁石の列で作られる合成磁場
形状をプラズマ側から見ると、軸方向及び半径方向共に
プラズマ中心部分で磁場強度が平均的に極小となり、プ
ラズマ 閉じ込めの点からも安定性にすぐれていることが知られ
ている。この為、安定なビーム引出しの効果も付加され
る。 〔実施例〕 以下、本発明のマイクロ波イオン源の一実施例を第1
図を用いて説明する。該図に示す如く、本実施例のマイ
クロ波イオン源は、マイクロ波が端部に配置された絶縁
物4を介して供給され、試料ガスのプラズマを生成する
プラズマ室3と、このプラズマ室3からイオンビーム2
を引出すための引出し電極系5と、絶縁物4の周囲と引
出し電極系5の周囲にそれぞれ配置されたソレノイドコ
イル1とで概略構成され、そのソレノイドコイル1が作
る軸方向磁場強度分布が、プラズマ室3の軸方向中央部
分で弱く、軸方向両端で強くなるミラー磁場分布となっ
ている。 そして、本実施例では絶縁物4と引出し電極系5の間
であって、かつ、ソレノイドコイル1の内径より中心側
に位置すると共に、プラズマ室3の外壁に接して、極性
が全て同極となるように永久磁石6を軸方向に一列に並
べて設け、この軸方向に一列に並べて設けられた永久磁
石6を円周方向に複数個配置すると共に、この永久磁石
6の円周方向に隣り合う列の極性を交互に変えてこれら
相互間で磁場を形成するように構成している。第1図で
マイクロ波として2.45GHzの周波数のものを使い、同軸
構造プラズマ室の寸法としては、直径30mm以上の大きい
ものを使つた。プラズマ室体積が大きい程、多価イオン
生成効率が上ることが実験的に確かめられた。第1図で
は、永久磁石6の列を円周方向に4列に並べ、いわゆる
四重極磁場とした。磁石としては、サマリウム・コバル
ト製の小形磁石を使つた。ガス圧力で10-1〜10-3Paのア
ルゴンガスをプラズマ室に流し、数100W〜数kWのマイク
ロ波を投入し、引出したビームを質量分離器に入れてイ
オン種成分を調べた。磁石列6の設置により、従来Ar++
とAr+イオン量の比I(Ar++)/I(Ar+)で約0.1であつ
たものが0.2以上に改善され、3価,4価イオンについて
もイオン量に著しい増加が見られた。 このような本実施例によれば、マイクロ波イオン源の
プラズマ室の外壁に接して磁石列を配列することでプラ
ズマ室内壁への粒子の拡散損失を抑えることができるの
で、マイクロ波イオン源の多価(2〜4価)イオン生成
効率の改善に著しい効果が有り、このマイクロ波イオン
源をイオン打ち込み装置用のイオン源として用いると、
高エネルギー、大電流のイオンビームが容易に得られ、
高エネルギー打ち込みの実用化に対し、その効果は著し
く大である。 本実施例では同軸構造のプラズマ室についての例を述
べた。プラズマ室として円筒構造でも本発明の効果が得
られることは明らかである。 〔発明の効果〕 以上説明した本発明のマイクロ波イオン源によれば、
プラズマ室の端部に配置された絶縁物とプラズマ室から
イオンビームを引出す引出し電極系の間であって、か
つ、ソレノイドコイルの内径より中心側に位置すると共
に、前記プラズマ室の外壁に接して、極性が全て同極と
なるように永久磁石を軸方向に一列に並べて設け、この
軸方向に一列に並べて設けられた永久磁石を円周方向に
複数個配置すると共に、該永久磁石の円周方向に隣り合
う列の極性を交互に変えてこれら相互間で磁場を形成す
るものであるから、プラズマ室内壁への粒子の拡散損失
を抑えることができるので、多価(2〜4価)イオン生
成効率を上げることが可能となり、しかも、これをイオ
ン打ち込み装置用のイオン源として用いることにより、
大電流の多価イオンビームを効率良く取得できる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)はマイクロ波イオン源の一実施例を一部破
断して示す斜視図、第1図(B)は第1図(A)におけ
る磁石列によって作られる磁場形状を示す断面図、第2
図(A)は従来のマイクロ波イオン源を示す断面図、第
2図(B)は第2図(A)におけるソレノイドコイルの
軸方向の磁場分布図、第2図(C)は半径方向の磁場分
布図である。 1……ソレノイドコイル、2……イオンビーム、3……
プラズマ室、4……絶縁板、5……引出し電極系、6…
…永久磁石。
断して示す斜視図、第1図(B)は第1図(A)におけ
る磁石列によって作られる磁場形状を示す断面図、第2
図(A)は従来のマイクロ波イオン源を示す断面図、第
2図(B)は第2図(A)におけるソレノイドコイルの
軸方向の磁場分布図、第2図(C)は半径方向の磁場分
布図である。 1……ソレノイドコイル、2……イオンビーム、3……
プラズマ室、4……絶縁板、5……引出し電極系、6…
…永久磁石。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 小池 英巳
国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式
会社日立製作所中央研究所内
(72)発明者 関 孝義
国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式
会社日立製作所中央研究所内
(72)発明者 岡田 修身
国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式
会社日立製作所中央研究所内
(56)参考文献 特開 昭60−91600(JP,A)
特開 昭56−128600(JP,A)
特開 昭60−140635(JP,A)
特開 昭60−94725(JP,A)
日本学術振興会第132 委員会編「電
子・イオンハンドブック(第2版)」
(昭61.9.25)日刊工業新聞社P198
〜199
山中千代衛、横山昌弘著「工業電子装
置シリーズ17 プラズマとその応用装
置」(昭41)日刊工業新聞社P111〜112
「IONICS(アイオニクス)−イ
オンの科学と技術−」8月号(昭52.
8.25)アイオニクス株式会社 P16〜
18
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.周波数が2.45GHzのマイクロ波が端部に配置された
絶縁物を介して供給され、試料ガスのプラズマを生成す
る円筒状のプラズマ室と、このプラズマ室内に磁場を発
生させるソレノイドコイルと、前記プラズマ室からイオ
ンビームを引出すための引出し電極系とを備え、前記ソ
レノイドコイルが前記絶縁物の周囲と引出し電極系の周
囲にそれぞれ配置され、このソレノイドコイルが作る軸
方向磁場強度分布が、前記プラズマ室の軸方向中央部分
で弱く、軸方向両端で強くなるミラー磁場分布であるマ
イクロ波イオン源において、 前記絶縁物と引出し電極系の間であって、かつ、前記ソ
レノイドコイルの内径より中心側に位置すると共に、前
記プラズマ室外壁に接して、極性が全て同極となるよう
に永久磁石を軸方向に一列に並べて設け、この軸方向に
一列に並べて設けられた永久磁石を円周方向に複数個配
置すると共に、該永久磁石の円周方向に隣り合う列の極
性を交互に変えてこれら相互間で磁場を形成することを
特徴とするマイクロ波イオン源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61258206A JP2804024B2 (ja) | 1986-10-31 | 1986-10-31 | マイクロ波イオン源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61258206A JP2804024B2 (ja) | 1986-10-31 | 1986-10-31 | マイクロ波イオン源 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63114032A JPS63114032A (ja) | 1988-05-18 |
JP2804024B2 true JP2804024B2 (ja) | 1998-09-24 |
Family
ID=17316985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61258206A Expired - Lifetime JP2804024B2 (ja) | 1986-10-31 | 1986-10-31 | マイクロ波イオン源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2804024B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4667553B2 (ja) * | 1999-12-01 | 2011-04-13 | 株式会社Sen | イオン源 |
JP5677081B2 (ja) | 2010-12-28 | 2015-02-25 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 荷電粒子線装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2551302B1 (fr) * | 1983-08-30 | 1986-03-14 | Commissariat Energie Atomique | Structure ferromagnetique d'une source d'ions creee par des aimants permanents et des solenoides |
-
1986
- 1986-10-31 JP JP61258206A patent/JP2804024B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
「IONICS(アイオニクス)−イオンの科学と技術−」8月号(昭52.8.25)アイオニクス株式会社 P16〜18 |
山中千代衛、横山昌弘著「工業電子装置シリーズ17 プラズマとその応用装置」(昭41)日刊工業新聞社P111〜112 |
日本学術振興会第132 委員会編「電子・イオンハンドブック(第2版)」(昭61.9.25)日刊工業新聞社P198〜199 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63114032A (ja) | 1988-05-18 |
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