JP2803706B2 - 滑車構造及びケーブル延線装置並びにその垂直延線工法 - Google Patents

滑車構造及びケーブル延線装置並びにその垂直延線工法

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JP2803706B2
JP2803706B2 JP26102893A JP26102893A JP2803706B2 JP 2803706 B2 JP2803706 B2 JP 2803706B2 JP 26102893 A JP26102893 A JP 26102893A JP 26102893 A JP26102893 A JP 26102893A JP 2803706 B2 JP2803706 B2 JP 2803706B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、滑車構造及びケーブル
延線装置並びにその延線工法に係り、特に布設ルートに
沿ってケーブルを延線する際の延線装置に最適な滑車構
造及び、その滑車を使用したケーブル延線装置並びにそ
の垂直延線工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケーブル等を延線する場合、先
ず、延線経路に沿ってケーブルトレーを布設する。ま
た、延線経路を経由するループ状に親ワイヤを張設する
と共に、延線されるケーブルを枝ワイヤを介して親ワイ
ヤに連繋する。そして、ウインチ等で牽引される親ワイ
ヤが前記ループを移動することにより、親ワイヤに引か
れるケーブルはケーブルドラムから巻き戻されて延線経
路に延線される。
【0003】しかし、親ワイヤの捻じれや、ケーブルド
ラムに巻回されていたケーブルの巻きぐせにより、延線
途中で親ワイヤとケーブルとが互いに絡み合うとう問題
が生じる。この為、ケーブルを延線する場合、延線経路
を形成して親ワイヤを案内する役目と、延線中の親ワイ
ヤとケーブルとの絡みを分離する役目を有するケーブル
延線装置を、延線経路の直線路或いは方向転換する曲線
路の曲がり部に配設していた。
【0004】そして、従来のこの種のケーブル延線装置
としては、本願出願人が特公昭63─66128号公報
及び実公昭63─11853号公報に開示したケーブル
延線装置が知られている。特公昭63─66128のケ
ーブル延線装置は、図8に示すように、滑車1を挟むよ
うに一対の湾曲したガイドレール2、3が配設され、こ
の一対のガイドレール2、3は段違いに形成されてい
る。また、親ワイヤ4とケーブル5を連繋する枝ワイヤ
6には球状の分離コマ7が取付けられている。そして、
親ワイヤ4が滑車1に係合しながらケーブル5を引っ張
ると、枝ワイヤ6が滑車1を通過する際、分離コマ7が
一対のガイドレール2、3に慴動して移動する途中で、
分離コマが背の低いガイドレール3側からケーブル受け
ローラ8に落下するので、親ワイヤ4とケーブル5とが
離れる。
【0005】また、実公昭63─11853のケーブル
延線装置は、図9に示すように、装置本体9に一対のV
字状をしたガイドレール10、11が支持され、この一
対のガイドレール10、11の間隔は枝ワイヤ6に取付
けられた球状の分離コマ7の径よりも小さく、且つ先端
部分が漸次小さくなるように形成されている。そして、
親ワイヤ4が一対のガイドレール10、11の間を通っ
てケーブル5を引っ張ると、枝ワイヤ6がガイドレール
10、11の間を通過する際、枝ワイヤ6に取付けられ
た分離コマ7は一対のガイドレール10、11に慴動し
てガイドレール10、11の先端部10A、11A方向
に移動する。そして、分離コマ7が漸次小さくなるよう
に形成されたV字状のガイドレール10、11の先端部
10A、11Aに達した時に、ケーブル受アーム12に
落下するので、親ワイヤ4とケーブル5とが離れる。
【0006】これにより、親ワイヤ4とケーブル5とが
絡み合わないようにケーブル5を延線することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ケーブル延線装置は、延線経路の直線路に配設する場合
には問題ないが、曲線路、特に直角或いは鋭角的に曲が
るような曲線路の曲がり部に配設した場合には、親ワイ
ヤ4がケーブル5を牽引する牽引負荷が極端に増大する
と共に、分離コマ7がガイドレール2、3又は10、1
1に係合する際の衝撃が大きくなるという欠点がある。
この結果、曲線路の多い延線経路の場合には延線距離を
長くとれないという問題が生じる。
【0008】即ち、直角或いは鋭角的に曲がる曲線路の
曲がり部では、ガイドレール2、3又は10、11に係
合した分離コマ7がガイドレール2、3又は10、11
を慴動しながら移動する時に、親ワイヤ4は分離コマ7
の移動方向に対して略直角に移動するので、親ワイヤ4
の牽引力は分離コマ7の移動方向に働く分力よりも分離
コマ7をガイドレール2、3又は10、11に圧接する
分力の方が大きくなる。この為、分離コマ7がガイドレ
ール2、3又は10、11に係合する際の衝撃が大きく
なると共に、分離コマ7がガイドレール2、3又は1
0、11を慴動して移動する際の摩擦抵抗が大きくな
る。従って、親ワイヤ4の牽引負荷が極端に増大するの
で、曲線路が多い搬送経路の場合には牽引負荷がウイン
チ動力を上回り、延線距離を長くとれない。
【0009】ところで、ケーブルの延線経路は一般的に
略水平或いはあまり高低差のない水平延線が多いが、略
垂直にケーブルを延線する場合、従来のケーブル延線装
置及び延線工法では、親ワイヤとケーブルとを絡まずに
垂直延線することは不可能であった。このような背景か
ら、延線経路の曲がり部に配設した場合でも牽引負荷が
増大しないように親ワイヤとケーブルとの絡み合いを防
止できるケーブル延線装置が要望されていた。また、ケ
ーブルを垂直に延線する場合でも親ワイヤとケーブルと
が絡まずに延線できる垂直延線工法が要望されていた。
【0010】本発明は、このうような事情に鑑みてなさ
れたもので、延線経路の曲がり部でも牽引負荷の増大を
小さく抑えることができると共に、親ワイヤとケーブル
との絡み合いを防止できるケーブル延線装置及びその延
線装置に最適な滑車構造並びに垂直延線を可能にしたケ
ーブルの垂直延線工法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、ケーブルを親ワイヤで牽引して延線するため
の滑車であって、前記親ワイヤと前記ケーブルとの間
に、分離コマを備えた枝ワイヤを介在させて使用する滑
車構造において、前記滑車には、前記親ワイヤに係合し
て親ワイヤを案内する係合溝が形成されると共に、該係
合溝の両側壁の一方が、前記親ワイヤに引っ張られて前
記枝ワイヤが前記滑車を通過する際に前記分離コマが滑
車から離脱するように、切除されていることを特徴とす
る。また、本発明は、前記目的を達成する為に、延線経
路に沿って牽引される親ワイヤと、延線されるケーブル
と前記親ワイヤとを連繋する枝ワイヤと、から成るケー
ブル延線装置に於いて、前記延線経路に沿って所定間隔
で配置され、前記親ワイヤに回転自在に係合して親ワイ
ヤを案内すると共に、親ワイヤが係合する係合溝の両側
壁の一方が切除された複数の滑車と、前記枝ワイヤに設
けられ、前記滑車の係合溝の幅よりも大きな径を有する
球状の分離コマと、前記分離コマの前に位置して分離コ
マと折れ曲げ自在に連結されて前記枝ワイヤに設けら
れ、その先端部から後端部にいくに従って径が漸次大き
くなる円錐状の先導コマと、を備えたことを特徴とす
る。
【0012】また、本発明は、前記目的を達成する為
に、延線されるケーブルを枝ワイヤを介して親ワイヤに
連繋し、親ワイヤを上方に牽引することにより、前記ケ
ーブルを略垂直に延線するケーブルの垂直延線工法に於
いて、前記親ワイヤに回転自在に係合して親ワイヤを案
内すると共に、係合溝の両側壁の一方が切除された複数
の滑車を、縦方向に所定間隔をおいて千鳥状に配置し、
前記枝ワイヤに、前記滑車の係合溝の幅よりも大きな径
を有する球状の分離コマ及び前記分離コマの前に位置し
て分離コマと折れ曲げ自在に連結されその先端部から後
端部にいくに従って径が漸次大きくなる円錐状の先導コ
マを取付け、前記親ワイヤを前記滑車に順次係合して親
ワイヤを上方に牽引することにより、親ワイヤに引っ張
られる枝ワイヤが前記滑車を通過する際に、枝ワイヤに
取付けられた前記分離コマが滑車から離脱するようにし
たことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の滑車構造によれば、線条体を案内する
回転自在な滑車であって、線条体に係合する係合溝の両
側壁の一方が切除されている。即ち、前記滑車の両側壁
は背の高い壁(以下、高壁という)と背の低い壁(以
下、低壁という)とにより段差を形成するように構成さ
れている。
【0014】そして、本発明のケーブル延線装置によれ
ば、前記構造を有する滑車を、ケーブルの延線経路に沿
って所定間隔で配置した。また、親ワイヤとケーブルと
を連繋する枝ワイヤに前記滑車の係合溝の幅よりも大き
な径を有する球状の分離コマを設け、更に、前記分離コ
マの前に位置して分離コマと折れ曲げ自在に連結される
と共に、その先端部から後端部にいくに従って径が漸次
大きくなる円錐状の先導コマを枝ワイヤに設け、親ワイ
ヤを回転自在な滑車に係合させながら牽引してケーブル
を延線経路に延線するようにした。
【0015】これにより、親ワイヤに引かれた枝ワイヤ
が滑車を通過する際、先ず、先導コマが滑車の係合溝に
進入すると、円錐状に形成された先導コマは係合溝の高
壁側に主に接触するので、先導コマの後端部が低壁側に
片寄せされる。続いて、分離コマが滑車に係合すると、
滑車の係合溝の幅よりも大きな径を有する球状の分離コ
マは、係合溝の両側壁に乗り上げて背の低い低壁側に重
心が傾くので、分離コマは自重により滑車から離脱して
親ワイヤとケーブルとを引き離す。従って、延線経路に
配置された滑車を、先導コマと分離コマが通過する毎
に、上記した分離メカニズムにより親ワイヤとケーブル
とが引き離されるので、ケーブルを延線する際に親ワイ
ヤとケーブルとの絡み合いを防止できる。
【0016】また、本発明のケーブル延線装置は、回転
自在な滑車の係合溝の両側壁に段差を形成し、この段差
を利用して滑車に係合した分離コマを滑車から離脱させ
るようにしたので、直角或いは鋭角的に曲がる曲線路の
曲がり部に本発明の滑車を配設した場合にも、牽引負荷
を増大を小さく抑えると共に、親ワイヤとケーブルとの
絡み合いを防止できる。即ち、曲がり部では分離コマが
滑車に係合した時に、親ワイヤは分離コマの移動方向に
対して略直角に移動するので、親ワイヤの牽引力は分離
コマの移動方向に働く分力よりも分離コマを滑車に圧接
する分力の方が大きくなる。この為、分離コマと滑車と
の摩擦抵抗が大きくなって瞬間的には牽引負荷が増大す
るが、同時に滑車は親ワイヤ及び分離コマとの係合によ
り回転するので、分離コマは滑車の回転に伴われて親ワ
イヤの移動方向にスムーズに方向転換しながら、上記分
離メカニズムにより滑車の係合溝の低壁側から離脱す
る。従って、延線経路に曲線路があっても牽引負荷の大
幅な増大を防止できる。
【0017】また、本発明のケーブルの垂直延線工法に
よれば、本発明の滑車を、縦方向に所定間隔をおいて千
鳥状に配置した。また、前記枝ワイヤに、前記分離コマ
及び先導コマを取付け、前記親ワイヤを前記滑車に順次
係合して親ワイヤを上方に牽引するようにし、親ワイヤ
に引っ張られる枝ワイヤが前記滑車を通過する際に、枝
ワイヤに取付けられた前記分離コマが上記分離メカニズ
ムにより滑車から離脱するようにした。即ち、親ワイヤ
は縦方向に所定間隔をおいて千鳥状に配置された滑車に
順次係合するので、親ワイヤは滑車を支点としたジグザ
グ状に上方に牽引される。これにより、親ワイヤの牽引
力は垂直分力と滑車から離れようとする水平分力とに分
解され、前記分離メカニズムで滑車から離脱した分離コ
マは、前記水平分力により滑車から離される。従って、
滑車からの離脱に分離コマの自重を利用できない垂直延
線の場合でも、親ワイヤは斜方向に、ケーブルは略垂直
方向になり、両者が平行しなくなるので、親ワイヤとケ
ーブルとが絡み合わないように延線することができる。
【0018】
【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る滑車構造
及びケーブル延線装置並びにその垂直延線工法の好まし
い実施例について詳説する。図1は、本発明のケーブル
延線装置を適用したケーブル延線の一実施例を示す全体
概略図である。同図に示すように、空中を延線されるケ
ーブル20の延線経路に沿ってケーブル20を載置する
ケーブルトレー22が布設され、ケーブルトレー22の
一方端下方には、ケーブル20が巻回されたケーブルド
ラム24が配置されると共に、他方端下方には親ワイヤ
26の張力を調整する張力調整装置28及び親ワイヤ2
6を牽引する無段変速装置付駆動ウインチ30が配置さ
れている。また、ケーブルトレー22の上方に、ケーブ
ルトレー22に沿って後述する本発明の滑車32が所定
間隔で複数配設されると共に、ケーブルトレー22外
に、複数の案内シーブ34が配設される。そして、無段
変速装置付駆動ウインチ30から延びた親ワイヤ26は
各案内シーブ34及び各滑車32に係合してから張力調
整装置28を介して無段変速装置付駆動ウインチ30に
戻るループ状の移動経路を形成する。また、図2に示す
ように、親ワイヤ26の途中には、接続具36によって
枝ワイヤ38が接続され、更に枝ワイヤ38にはワイヤ
ネット40を介してケーブル20が接続されている。ま
た、枝ワイヤ38の途中には、分離コマ42が取付けら
れ、更に、分離コマ42の前に位置して分離コマ42と
折れ曲げ自在に連結された先導コマ44が取付けられて
いる。これにより、無段変速装置付駆動ウインチ30を
駆動すると、親ワイヤ26はケーブル20を引っ張りな
がらループ状の移動系路を移動し、ケーブルドラム24
に巻回されたケーブル20を巻き戻してケーブルトレー
22上方に延線すると共に、延線途中において枝ワイヤ
38に取付けられた先導コマ44及び分離コマ42が各
滑車32に係合する。尚、図2の46は親ワイヤ26の
捻じれを戻す捻じれ戻し具である。
【0019】次に、図3(a)及び図3(b)に従っ
て、本発明の滑車構造及びこの滑車32を使用した本発
明のケーブル延線装置について説明する。同図に示すよ
うに、本発明の滑車構造は、回転軸31に回転自在に支
持された滑車32であって、その係合溝32Aの両側壁
32B、32Cの一方が切除されている。即ち、前記両
側壁32B、32Cは背の高い壁(以下、高壁32Bと
いう)と背の低い壁(以下、低壁32Cという)とによ
り段差を形成するように構成されている。
【0020】また、本発明のケーブル延線装置は、主と
して前記滑車32と、枝ワイヤ38に取付けられた先導
コマ44及び分離コマ42とで構成されている。先導コ
マ44はその先端部から後端部にいくに従って径が漸次
大きくなる円錐状に形成され、その中心を枝ワイヤ38
が貫通している。また、分離コマ42は前記滑車32の
係合溝32Aの幅よりも大きな径を有し(好ましくは分
離コマ42の半径が係合溝32Aの幅よりも大きな球状
に形成される)、その中心を枝ワイヤ38が貫通してい
る。更に、先導コマ44は枝ワイヤ38を介して分離コ
マ42と折れ曲げ自在に連結されている。
【0021】そして、延線経路の直線路に滑車32を配
置する場合には、滑車32を縦向きに使用し、方向転換
する曲線路に滑車32を配置する場合には、滑車32を
横向きにすると共に低壁32C側が下にくるようにして
使用する。次に、上記の如く構成された本発明のケーブ
ル延線装置による親ワイヤ26とケーブル20との分離
メカニズムを図3乃至図5に従って説明する。
【0022】尚、分離メカニズムは延線経路の直線路に
滑車32を配置した場合の例で説明する。図3(a)、
図4(a)及び図5(a)は滑車32を上方から見た上
面図であり、図3(b)、図4(b)及び図5(b)は
滑車32を側面から見た側面図である。また、滑車32
の回転軸31は図示しない取付治具に支持され、取付治
具でケーブルトレー22等に固定されている。
【0023】図3に示すように、親ワイヤ26に引かれ
た枝ワイヤ38が滑車32を通過する際、図4に示すよ
うに、先ず、先導コマ44が滑車32の係合溝32Aに
進入する。この時、先導コマ44は先端部から後端部に
いくに従って径が漸次大きくなる円錐状に形成されてい
るので、先導コマ44は係合溝32Aにスムーズに進入
する。そして、進入した先導コマ44は係合溝32Aの
高壁32B側に主に接触して先導コマ44の後端部が低
壁32C側に片寄せされる。この片寄せにより、図3
(a)及び図4(a)の比較から分かるように、親ワイ
ヤ26の進路と、枝ワイヤ38の進路とにズレが生じる
ので、分離コマ42が滑車32に係合する際に、親ワイ
ヤ26と滑車32とに挟まれないようにすることができ
る。もし、分離コマ42が親ワイヤ26と滑車32とに
挟まれると、親ワイヤ26が分離コマ42に乗り上げる
状態となり、係合溝32Aから浮き上がって滑車32か
ら離脱するという問題が生じる。
【0024】続いて、図5に示すように、分離コマ42
が滑車32に係合する。この時、係合溝32Aの幅より
も大きな径を有する球状の分離コマ42は、係合溝32
Aの両側壁32B、32C乗り上げて背の低い低壁32
C側に重心が傾くので、分離コマ42は自重により滑車
32から落下する。これにより、分離コマ42は滑車3
2から離脱されるので、親ワイヤ26とケーブル20と
を引き離すことができる。従って、先導コマ44と分離
コマ42が、延線経路に所定間隔で配置された滑車32
を通過する毎に親ワイヤ26とケーブル20とが引き離
されるので、親ワイヤ26とケーブル20とが絡み合わ
ないようにケーブル20を延線することができる。
【0025】そして、本発明のケーブル延線装置は、直
角或いは鋭角的に曲がる曲線路の曲がり部に本発明の滑
車32を配設した場合にも、牽引負荷の増大を小さく抑
えることができると共に、親ワイヤ26とケーブル20
との絡み合いを防止できる。即ち、分離コマ42が滑車
32に係合した時に、親ワイヤ26は分離コマ42の移
動方向に対して略直角に移動するので、親ワイヤ26の
牽引力は分離コマ42の移動方向に働く移動推進分力よ
りも分離コマ42を滑車32に圧接させる圧接分力の方
が大きくなる。この為、分離コマ42と滑車32との摩
擦抵抗が大きくなって瞬間的には牽引負荷が増大する。
しかし、本発明のケーブル延線装置に使用した滑車構造
は、滑車32が回転軸31に回転自在に支持されると共
に、係合溝32Aの両側壁32B、32Cに段差を形成
し、この段差を利用して滑車32に係合した分離コマ4
2を滑車32から離脱させるように構成されている。こ
れにより、分離コマ42が滑車32に係合する際に、滑
車32は親ワイヤ26及び分離コマ42との係合により
回転するので、親ワイヤ26が分離コマ42の移動方向
に対して略直角に移動する場合でも、分離コマ42は滑
車32の回転に伴われて親ワイヤ26の移動方向にスム
ーズに方向転換しながら、上記分離メカニズムにより滑
車32の係合溝32Aの低壁32C側から離脱する。
【0026】従って、本発明のケーブル延線装置は、圧
接分力の影響をほとんど受けないので、延線経路に曲線
路が多くあっても牽引負荷を増大させることなく、親ワ
イヤ26とケーブル20とを分離できる。ちなみに、従
来のケーブル延線装置の場合は、図8及び図9に示した
ように、固定されたガイドレールを分離コマが移動する
ので、分離コマの移動方向に対して親ワイヤが略直角に
移動すると、圧接分力の影響が本発明の滑車構造に比べ
格段に大きくなり、牽引負荷が増大する。
【0027】尚、本発明のケーブル延線装置に使用した
滑車32は、その構造の特徴を明確にするために付属器
具については述べなかったが、分離コマ42が滑車32
から離脱して落下した際に、ケーブル20が空中に垂れ
下がらないようにする為には、図6に示すように滑車3
2を支持する回転軸31に、滑車32と並列にケーブル
受ローラ50を設けるとよい。これにより、滑車32か
ら離脱した分離コマ42はケーブル受ローラ50に落下
する。従って、枝ワイヤ38に接続されたケーブル20
はケーブル受ローラ50に係合しながら親ワイヤ26に
引っ張られるので、空中に垂れ下がることがない。更に
は、複数の小ローラ52が嵌装された湾曲状のアーム部
材54を、ケーブル受ローラ50の上方を囲むように取
付ければ、曲線路に滑車32を配置する場合に、前記ア
ーム部材54にケーブル20を受けることができる。
【0028】次に、図7に従って、本発明のケーブル延
線装置を使用してケーブル20を垂直延線する本発明の
垂直延線工法について説明する。この垂直延線工法は、
例えば電線路56の垂直部にケーブル20を延線する工
法であり、図7に示すように、本発明の滑車32が電線
路56の両側縦方向に、所定間隔をおいて千鳥状に配置
される。そして、電線路56の下部に取付けられたガイ
ドローラ58に案内された親ワイヤ26は各滑車32に
係合しながら、図示しないウインチにより滑車32を支
点としたジグザグ状に上方に牽引される。
【0029】また、前記枝ワイヤ38には、延線方向か
ら順に前記先導コマ44及び前記分離コマ42を取付け
られている。そして、親ワイヤ26に引っ張られる枝ワ
イヤ38が滑車32を通過する際に、枝ワイヤ38に取
付けられた分離コマ42が上記分離メカニズムにより滑
車32から離脱するようにした。次に、垂直延線の場合
の分離メカニズムを力学的に説明すると、前述したよう
に、親ワイヤ26は滑車32を支点としてジグザグ状に
上方に牽引されるので、図7に示すように、親ワイヤ2
6の牽引力Fは親ワイヤ26を上方に移動させる垂直分
力F1 と、滑車32から離れようとする水平分力F2
に分解される。そして、前記分離メカニズムで滑車32
から離脱した分離コマ42は、前記水平分力F2 により
滑車32から引き離される。従って、滑車32からの離
脱した分離コマ42の自重を利用できない垂直延線の場
合でも、親ワイヤ26とケーブル20とが絡み合わない
ように延線することができる。
【0030】また、垂直延線工法に本発明の滑車32を
使用することにより、牽引負荷を小さくできるので、ウ
インチの動力が小さくても距離の長い垂直延線を行うこ
とができる。尚、本発明のケーブルの垂直延線工法は、
下から上に延線することで説明したが、逆に上から下に
延線する場合にも適用できる。また、分離コマは球形に
限定するものではなく、卵形乃至は多角形状でもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の滑車構造
は、線条体を案内する回転自在な滑車であって、線条体
に係合する係合溝の両側壁の一方が切除されている。こ
れにより、本発明の滑車を、ケーブルの延線径路を形成
して親ワイヤを案内する役目と、親ワイヤとケーブルと
を分離する役目を有するケーブル延線装置の最適な滑車
として利用することができる。
【0032】また、本発明のケーブル延線装置は、本発
明の滑車と、親ワイヤとケーブルとを連繋する枝ワイヤ
に設けられ、前記滑車の係合溝の幅よりも大きな径を有
する球状の分離コマと、前記分離コマの前に位置して分
離コマと折れ曲げ自在に連結されると共に、その先端部
から後端部にいくに従って径が漸次大きくなる円錐状の
先導コマとで構成されている。これにより、本発明のケ
ーブル延線装置は、簡単な構造で親ワイヤとケーブルと
を確実に分離しながら延線できる。
【0033】また、分離コマの前に円錐状の先導コマを
設けたので、分離コマが滑車に係合する際の衝撃を小さ
くすることができると共に、親ワイヤが滑車から離脱す
るのを防止できる。また、本発明のケーブル延線装置
は、延線経路の曲がり部に配設した場合にも、親ワイヤ
の牽引負荷の増大を小さく抑えながら親ワイヤとケーブ
ルとを分離できる。従って、曲線路の多い延線経路の場
合、親ワイヤを牽引するウインチ等の動力が小さくても
延線距離を長くとることができる。
【0034】また、本発明のケーブル延線装置を用い
て、本発明に係るケーブルの垂直延線工法を行えば、親
ワイヤとケーブルとが絡み合うことなくケーブルを垂直
延線することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るケーブル延線装置を適用した延線
の一実施例を示す全体概略図
【図2】本発明に係るケーブル延線装置の要部を示した
斜視図
【図3】図3は本発明のケーブル延線装置の各部材の構
造及び作用を説明する斜視図であり、図3(a)はその
上面図で、図3(b)はその側面図
【図4】図4は本発明のケーブル延線装置の滑車と先導
コマの作用を説明する斜視図であり、図4(a)はその
上面図で、図4(b)はその側面図
【図5】図5は本発明のケーブル延線装置の滑車と分離
コマの作用を説明する斜視図であり、図5(a)はその
上面図で、図5(b)はその側面図
【図6】本発明に係る滑車の別実施例を示した側面図
【図7】本発明に係るケーブルの垂直延線工法を説明す
る概略図
【図8】従来のケーブル延線装置を説明する斜視図
【図9】従来の別のケーブル延線装置をを説明する斜視
【符号の説明】
20…ケーブル 22…ケーブルトレー 24…ケーブルドラム 26…親ワイヤ 30…親ワイヤを牽引するウインチ 32…滑車 32A…滑車の係合溝 32B…滑車の係合溝の高壁 32C…滑車の係合溝の低壁 38…枝ワイヤ 42…分離コマ 44…先導コマ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーブルを親ワイヤで牽引して延線するた
    めの滑車であって、前記親ワイヤと前記ケーブルとの間
    に、分離コマを備えた枝ワイヤを介在させて使用する滑
    車構造において、 前記滑車には、前記親ワイヤに係合して親ワイヤを案内
    する係合溝が形成されると共に、該係合溝の両側壁の一
    方が、前記親ワイヤに引っ張られて前記枝ワイヤが前記
    滑車を通過する際に前記分離コマが滑車から離脱するよ
    うに、切除されている ことを特徴とする滑車構造。
  2. 【請求項2】延線経路に沿って牽引される親ワイヤと、
    延線されるケーブルと前記親ワイヤとを連繋する枝ワイ
    ヤと、から成るケーブル延線装置に於いて、 前記延線経路に沿って所定間隔で配置され、前記親ワイ
    ヤに回転自在に係合して親ワイヤを案内すると共に、親
    ワイヤが係合する係合溝の両側壁の一方が切除された複
    数の滑車と、 前記枝ワイヤに設けられ、前記滑車の係合溝の幅よりも
    大きな径を有する球状の分離コマと、 前記分離コマの前に位置して分離コマと折れ曲げ自在に
    連結されて前記枝ワイヤに設けられ、その先端部から後
    端部にいくに従って径が漸次大きくなる円錐状の先導コ
    マと、 備えたことを特徴とするケーブル延線装置。
  3. 【請求項3】前記分離コマは半径が前記滑車の係合溝の
    幅よりも大きいことを特徴とする請求項2のケーブル延
    線装置。
  4. 【請求項4】延線されるケーブルを枝ワイヤを介して親
    ワイヤに連繋し、親ワイヤを上方に牽引することによ
    り、前記ケーブルを略垂直に延線するケーブルの垂直延
    線工法に於いて、 前記親ワイヤに回転自在に係合して親ワイヤを案内する
    と共に、係合溝の両側壁の一方が切除された複数の滑車
    を、縦方向に所定間隔をおいて千鳥状に配置し、 前記枝ワイヤに、前記滑車の係合溝の幅よりも大きな径
    を有する球状の分離コマ及び前記分離コマの前に位置し
    て分離コマと折れ曲げ自在に連結されその先端部から後
    端部にいくに従って径が漸次大きくなる円錐状の先導コ
    マを取付け、 前記親ワイヤを前記滑車に順次係合して親ワイヤを上方
    に牽引することにより、親ワイヤに引っ張られる枝ワイ
    ヤが前記滑車を通過する際に、枝ワイヤに取付けられた
    前記分離コマが滑車から離脱するようにしたことを特徴
    とするケーブルの垂直延線工法。
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