JP2803336B2 - 植物の組織培養方法 - Google Patents

植物の組織培養方法

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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、オートクレーブを用いず培地を作成し、ク
リーンベンチを用いなくとも無菌操作と同様の効果が得
られる植物の組織培養方法に関するものである。
従来の技術 一般に植物の組織培養を行う場合は、植物の生育に必
要な栄養分を入れた培地を用い、植物組織を無菌状態に
育てている。この理由は培養容器内が菌で汚染される
と、植物の成長よりも菌の繁殖が速いので植物は育たな
いからである。従って従来は、オートクレーブを用いて
滅菌した培地を用い、クリーンベンチを作動させた無菌
下で操作を行うのが植物組織培養方法の主流であった。
オートクレーブは、圧力鍋の原理と同様であり耐圧容
器内に設置した培地を高温、高圧で処理し培地内の微生
物を死滅させる装置であり、クリーンベンチは、フィル
ターろ過された無菌の空気を供給する装置である。
発明が解決しようとする課題 オートクレーブ、クリーンベンチは共に大型の高価な
装置である。オートクレーブは内部を高温、高圧にする
ため滅菌処理には時間を要し、また危険も伴う。クリー
ンベンチは、操作環境を無菌状態にするのに時間を要
し、また無菌状態になった後も、雑菌に汚染されぬよう
細心の注意をして作業しなければならない。
本発明は上記課題を解決するもので、オートクレーブ
及びクリーンベンチを用いなくとも、菌類に汚染されな
い培養方法を供給することを目的としている。
課題を解決するための手段 本発明は、上記目的を達成するために、ワサビの辛味
成分であり、抗菌力のあるイソチオシアン酸アリルを、
培養容器内にるて組織培養することを特徴とするもので
ある。これを、実施する具体的な方法には、下記の3通
りある。
培地作成時に、イソチオシアン酸アリルを培地中に添
加する方法。
培養時に、イソチオシアン酸アリル内の培地表面に散
布する方法。
培養時に、イソチオシアン酸アリルを培養容器壁に塗
布する方法。
作用 前述のような方法を用いると、無菌操作を必要としな
いため、簡易かつ低コストで植物の組織培養が可能とな
る。
イソチオシアン酸アリルは、ワサビの主要な辛味成分
である。この物質には抗菌作用があることが、すでに知
られていたが、植物の組織培養を目的とした利用方法
は、今日まで報告されたことがない。本願発明者は植物
の組織培養を行う際、操作の簡略化と低コスト化を目的
として、イソチオシアン酸アリルの利用を試み、この薬
品の添加により、従来のような無菌操作を行わなくとも
同様の効果が得られることを、はじめてみいだした。
実施例 以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。
実施例1 培地作成の場合、第1図を用いて説明する。あらかじ
め基本操作として、培地を常法に従って調整しておく。
その後、約100度に加熱しゲル化剤が溶解した時点で、
エタノールで100倍に希釈したイソチオシアン酸アリル
を添加し、培地を作成する。添加容量は、培地30mlに対
し、0.1ml〜1.0mlである。次に培養容器に分注し、アル
ミニウム箔で蓋をしておくことにより、揮発したイソチ
オシアン酸アリルが、容器内に充満された。その後その
まま、1ヶ月間、、25度のインキュベーター中に放置し
たが、無菌のコロニー発生は見られなかったので、オー
トクレーブを用いなくとも、内部の菌が死滅したことが
確認できた。
その後さらに、従来の組織培養方法で継代培養してい
たカーネーションの植物体を、ここで作成した培地にク
リーンベンチ下で移植したところ、1ヶ月経過したが、
培地に菌の汚染は見られなかった。また植物体に異常も
見られなかった。
実施例2 無菌播種の場合、第2図を用いて説明する。まず、ス
イトピーの種子をあらかじめ70%エタノールで5分、5
%次亜塩素酸ナトリウムで20分、順次殺菌する。次に播
種する時、実施例1で作成した培地を用い、さらに培地
表面にエタノールで100倍に希釈し、イソチオシアン酸
アリルを散布する。このとき散布容量は、フラスコ100m
lに対し、0.1ml〜1.0mlである。その後、クリーンベン
チを用いず播種を行い、0.02μのフィルター付きアルミ
ニウム箔で蓋をした。その後3ヶ月培養を行ったが本
来、もっとも汚染されやすい培地表面においても、無菌
のコロニー発生は、見られなかった。また、気化したイ
ソチオシアン酸アリルは、フィルターを通して容器外に
拡散されるものと考えられ、発芽後の植物に異常は見ら
れなかった。
実施例3 継代培養の場合、第3図を用いて説明する。実施例1
で作成した培地を用い、まずエタノールで100倍に希釈
したイソチオシアン酸アリルを、培養容器の内側に培地
に触れることなく塗布した。塗布量は、フラスコ100ml
に対し0.1ml〜0.5mlである。次にイチゴの植物体を移植
し、0.02μのフィルター付きアルミニウム箔で蓋をし
た。
その後、1ケ月間培養したが、無菌のコロニー発生は
見られなかった。この実験では、追加塗布したイソチオ
シアン酸アリルが、培地に混入されないため、培地中の
イソチオシアン酸アリルの濃度が濃くなることもなく植
物に対する害はさらに少ないと考えられ、実際移植後の
植物に異常は見られなかった。この場合も、実施例2と
同様に気化したイソチオシアン酸アリルは、フィルター
を通して容器外に拡散されると考えられる。
なお、異常の実施例2、3では、全て培地にイソチオ
シアン酸アリルを添加したものを用いたが、その代わり
に培地の殺菌処理のみ、オートクレーブを用いてもよ
い。この場合には、オートクレーブ処理を必要とする
が、植物に対する害は、さらに少なくなるとなるであろ
う。
実施例4 液体培養の場合、第4図を用いて説明する。あらかじ
め基本操作として、液体培地を常法に従って調整し、エ
タノールで100倍に希釈したイソチオシアン酸アリルを
添加し培地を作成する。添加容量は、培地30mlに対し、
0.1ml〜1.0mlである。次に分注後、アルミニウム箔で蓋
をした。室温で、そのまま1ケ月間、25度のインキュベ
ーターに放置したが、培養液に濁りは見られなかった。
従って容器内に、イソチオシアン酸アリルが充満するこ
とにより、オートクレーブを用いなくとも内部の菌を死
滅させ得と考えられる。その後、さらにこの培地に実施
例3と同様の方法でシンビジュームのプロトコーム様体
を移植したところ、3ケ月後でも順調に増殖し、培養液
の濁りは見られなかった。
なお、上記全ての実施例において、作業に用いる器具
の滅菌は行わなかった。
また上記実施例以外にも、ラン科、キク科、サクラソ
ウ科、ユリ科、バラ科、イネ科、ナス科、セリ科、マメ
科、アブラナ科、ウリ科、ミカン科、ムラサキ科、サト
イモ科、ヒガンバナ科、アヤメ科、ナデシコ科、サボテ
ン科、ヤナギ科、ブナ科、ツバキ科、アオイ科、ケシ
科、アカネ科、タデ科、ヤシ科、トウダイグサ科の植物
において同様の実験を行ったが、同様の効果を確認でき
た。
発明の効果 本発明の方法によれば、通常の無菌操作を行うことな
く、イソチオシアン酸アリルの抗菌力を有効に利用し、
簡易な方法で、かつ、低コストで植物の組織培養を行う
ことができ、産業上の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、イソチオシアン酸アリルを添加した固形培地
を入れた状態を表わす培養容器の概念図、第2図は、培
地表面にイソチオシアン酸アリルを散布した状態を表わ
す培養容器の概念図、第3図は、容器の壁に培地に触れ
ることなく、イソチオソアン酸アリルを塗布した状態を
表わす培養容器の概念図、第4図は、イソチオシアン酸
アリルを添加した液体培地を入れた状態を表わす培養容
器の概念図である。 1……イソチオシアン酸アリルを含む固形培地、2……
培養容器、3……アルミニウム箔、4……スイトピーの
種子、5……100倍に希釈したイソチオシアン酸アリ
ル、6……0.02μのフィルター付きアルミニウム箔、7
……イチゴの植物体、8……イソチオシアン酸アリルを
含む液体培地。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソチオシアン酸アリル CH2=CHCH2H=C=Sを培養容器内に入れて培養するこ
    とを特徴とする植物の組織培養方法。
  2. 【請求項2】培地作成時に、イソチオシアン酸アリルを
    培地中に添加しておくことを特徴とする請求項(1)記
    載の植物の組織培養方法。
  3. 【請求項3】培養時に、イソチオシアン酸アリルを容器
    内の培地表面に散布しておくことを特徴とする請求項
    (1)記載の植物の組織培養方法。
  4. 【請求項4】培養時に、イソチオシアン酸アリルを培養
    容器内壁に塗布しておくことを特徴とする請求項(1)
    記載の植物の組織培養方法。
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