JP2803150B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置

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JP2803150B2 JP10938589A JP10938589A JP2803150B2 JP 2803150 B2 JP2803150 B2 JP 2803150B2 JP 10938589 A JP10938589 A JP 10938589A JP 10938589 A JP10938589 A JP 10938589A JP 2803150 B2 JP2803150 B2 JP 2803150B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は産業用や民生用の電子機器に直流安定化電圧
を供給するスイッチング電源装置に関するものである。
従来の技術 近年、スイッチング電源装置は電子機器の低価格化・
小形化・高性能化・省エネルギー化に伴ない、より小形
で出力の安定性が高く高効率なものが強く求められてい
る。以下に従来のスイッチング電源装置について説明す
る。
従来、この種のスイッチング電源装置として、自励フ
ライバック型スイッチング電源装置が構成部品も少なく
安価に作ることが可能なため、一般的に広く用いられて
いる。しかし、出力電圧を精度良く安定化させるために
は、出力電圧を直接検出して入力側にあるスイッチング
素子のオン期間を制御する必要があり、入力側と出力側
にまたがる電気的に絶縁されたフィードバック回路が必
要で出力電圧の過渡応答も悪化し、さらにスイッチング
周波数が出力電流により大きく変化した電子機器に対す
る干渉や整流平滑回路が大型化するなどの課題があるこ
とが知られている。
このような従来の課題を解決する方法として、本発明
者はすでに第5図に示すような構成の回生制御型スイッ
チング電源装置を発明している。第5図において、1は
直流電源で交流電圧を整流平滑することで、もしくは電
池などで構成されるものであり、入力端子2−2′に入
力電圧を供給し正電圧を入力端子2に接続し、負電圧を
入力端子2′に接続している。3はトランスであり、1
次巻線3aの一端を入力端子2に接続し他端をスイッチン
グ素子4を介して入力端子2′に接続し、2次巻線3cの
一端を出力端子11′に接続し他端をダイオード7を介し
て出力端子11に接続し、バイアス巻線3bの一端を入力端
子2′に接続し他端を同期発振回路13に接続している。
4はスイッチング素子であり、制御端子に印加される同
期発振回路13のオン・オフ信号によりオン・オフして入
力電圧を前記1次巻線3aに印加したり遮断したりする。
13は同期発振回路であり、スイッチング素子4を決めら
れたオン期間でオン動作させ、スイッチング素子4のオ
フ期間を前記バイアス巻線3bの誘起電圧の極性が反転す
るまで持続するようにオフ動作させ、このオン・オフの
繰返しにより発振を続けるものである。8は2次スイッ
チング素子であり、スイッチング素子4のオン期間に貯
えられたトランス3のエネルギーが、スイッチング素子
4のオフ期間に前記2次巻線3cを介して整流ダイオード
7又は前記2次スイッチング素子8から平滑コンデンサ
9に放出された後、今度は逆に平滑コンデンサ9から前
記2次スイッチング素子8を介して前記2次巻線3cに2
次電流を流す逆流期間を、制御回路10より制御される。
7は整流ダイオードであり、アノード側を前記2次巻線
3cの一端に接続しカソード側を出力端子11に接続する。
9は平滑コンデンサであり、出力端子11−11′間に接続
された前記2次巻線3cの誘起電圧を整流ダイオード7を
介して整流し、平滑コンデンサ9により平滑して出力電
圧とする。10は制御回路であり、出力端子11−11′間の
出力電圧を検出し内部基準電圧と比較して、2次スイッ
チング素子8の前記2次電流を流す逆流期間を変化させ
る。
次に第6図も参照して詳しく動作説明を行う。第6図
において(a)はスイッチング素子4の両端電圧波形V
DSを示しており、(b)は前記1次巻線3aに流れる1次
電流IDを示しており、(c)は同期発振回路6の駆動パ
ルス波形VG1を示しており、(d)は前記2次巻線3cに
流れる2次電流波形I0を示しており、(e)は2次スイ
ッチング素子8の駆動パルス波形VG2を示しており、オ
フ期間中で斜線で示した期間が前記2次巻線3cに2次電
流を流す逆流期間を示している。同期発振回路13により
決められたオン期間で動作するスイッチング素子4のオ
ン期間に前記1次巻線3aを介して流れる1次電流により
トランス3に磁束が発生しエネルギーが蓄積される。こ
の時トランス3の2次巻線3cに誘起電圧が発生するが、
整流ダイオード7を逆バイアスする方向に電圧が印加さ
れるように構成されるとともに、2次スイッチング素子
8はオフしているように構成されている。同期発振回路
13のオフ信号でスイッチング素子4がオフすると前記1
次巻線3aにフライバック電圧が発生すると同時に、前記
2次巻線3cにもフライバック電圧が発生し、整流ダイオ
ード7を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、
トランス3に蓄積されたエネルギーが前記2次巻線3cを
介して2次電流として放出され、平滑コンデンサ9によ
り平滑されて出力電圧として出力端子11−11′に供給さ
れる。この時2次スイッチング素子8も制御回路10によ
りオンされるがどちらを2次電流が流れても特に動作上
変化は生じない。トランス3に蓄積されたエネルギーが
すべて放出され2次電流がゼロになると、すでにオンし
ている2次スイッチング素子8を介して平滑コンデンサ
9の両端電圧すなわち出力電圧は前記2次巻線3cに印加
されるため、平滑コンデンサ9より逆方向に2次電流が
流れ、トランス3に前記とは逆方向の磁束が発生しエネ
ルギーが蓄積される。この状態ではトランス3の各巻線
に発生する誘起電圧の極性は変化しないため、前記バイ
アス巻線3bのフライバック電圧も変化しないため同期発
振回路13はスイッチング素子4のオフ期間を持続させ
る。制御回路10により2次スイッチング素子8のオン期
間は制御されており、2次スイッチング素子8がオフす
るとトランス3の各巻線に発生する誘起電圧は極性が反
転するため、前記2次巻線3cに発生する誘起電圧は整流
ダイオード7を逆バイアスし、2次スイッチング素子8
もオフしているため2次巻線電流は流れなくなり、前記
1次巻線3aに発生する誘起電圧はスイッチング素子4の
接続端を負電圧に、入力端子1の接続端を正電圧にする
方向に発生するため、ダイオード5を介して直流電源1
を充電する方向に1次電流が流れ、オフ期間中に蓄積さ
れたトランス3のエネルギーを直流電源1に電力回生を
行う。この時に前記バイアス巻線3bに発生する誘起電圧
の極性も反転するため、同期発振回路13はスイッチング
素子4をオンさせるが、1次電流がどちらを流れても特
に動作上変化は生じない。オフ期間にトランス3に蓄積
されたエネルギーがすべて放出され1次電流がゼロにな
ると、すでにオンしているスイッチング素子4を介して
直流電源1より前記とは逆方向に放電するように1次電
流が流れてトランス3に磁束が発生しエネルギーが蓄積
される。この状態ではトランス3の各巻線に発生する誘
起電圧の極性は変化せず、同期発振回路13によりスイッ
チング素子4はオンを持続する。同期発振回路13により
決められたオン期間で動作するスイッチング素子4がオ
フすると、トランス3に蓄積されたエネルギーは前記2
次巻線3cを介して2次電流として放出される。これらの
動作を繰返すことで、出力電圧は連続的に出力端子11−
11′より供給される。
さらに出力電圧が安定に制御される動作について詳し
く説明する。第6図に各動作波形を示しているが、同期
発振回路13の駆動パルス波形VG1のオフ期間(t1〜t3
をTOFFとし、そのうち2次電流I0の逆流期間(t2〜t3
を▲T OFF▼とし、一方オン期間(t3〜t5)をTON
し、そのうち1次電流IDの回生期間(t3〜t4)を▲T
ON▼とする。この時の出力端子11−11′より出力電流I
OUTは、 で表わされ、出力電圧VOUTで表わされ、発振周波数fは で表わされる。
ここで、NSは前記2次巻線3cの巻線数であり、NPは前
記1次巻線3aの巻線数であり、LSは前記2次巻線3cのイ
ンダクタンス値であり、VINは直流電源1より供給され
る入力電圧であり、TONはスイッチング素子4のオン期
間であり、TOFFはスイッチング素子4のオフ期間であ
り、Tは発振周期である。
前記オン期間TONは、同期発振回路13により決められ
た一定値に保たれているため、出力電圧VOUTが一定であ
れば前記オフ期間TOFFも一定で発振周波数fも一定とな
る。しかし前記逆流期間▲T OFF▼は、制御回路10に
より制御される2次スイッチング素子8で変化でき。出
力電流IOUTが変化すると前記関係式よりIOUT=K×(T
OFF−2▲T OFF▼)( で出力電圧VOUTが一定であれば一定となる。)で表わさ
れるように、前記逆流期間▲T OFF▼を変化すること
で制御可能となる。さらに前記入力電圧VINの変化に対
しても、前記関係式 より前記逆流期間▲T OFF▼を変化させることで制御
可能となる。以上のことより、出力電圧VOUTは、制御回
路10により制御される2次スイッチング素子8のオン期
間を制御することで逆流期間▲T OFF▼を変化させ、
絶えず一定となるように制御される。
第7図,第8図は、出力電流IOUTが変化した時の各動
作波形とその時のトランス3の磁束変化を示しているB
−H曲線で、第7図において第6図と同じものは同一の
符号を記し説明は省略する。第7図で実線は出力端子11
−11′より出力電流IOUTが最大に流れている時でいわゆ
る最大負荷時を示し、点線は出力電流IOUTがゼロの時で
いわゆる無負荷時を示している。第8図で実線は前記最
大負荷時の磁束変化で点線は前記無負荷時の磁束変化を
示しており、入力電圧が一定であればTON期間が一定で
あることから磁束変化幅△Bは絶えず一定となる。
発明が解決しようとする課題 このような本発明者がすでに発明した回生制御型スイ
ッチング電源装置では、出力電流が少ない軽負荷時ある
いは無負荷時でも第7図に示すようにスイッチング素子
4,ダイオード5および2次スイッチング素子8,ダイオー
ド7およびトランス3の1次巻線3a,2次巻線3cにはそれ
ぞれ最大負荷時の電流とほぼ同一の電流が流れており、
前記各素子の動作損失は最大負荷時に近い損失を発生す
る。さらに、トランス3に発生する磁束変化幅も第8図
に示すように最大負荷時と同一であり、トランス3の磁
芯に発生する鉄損も最大負荷時の損失を発生する。この
ような損失によりスイッチング電源装置の電源効率η
は、第9図に示すように従来の電源に比較して出力電流
IOUTが小さくなる軽負荷ほど効率の低下が大きくなって
しまう。
また、トランス3の2次巻線3cに流れる電流が軽負荷
時でも最大負荷時と同一であることより、平滑コンデン
サ9に流れるリップル電流も絶えず最大電流が流れるこ
とになるため、平滑コンデンサ9の動作寿命に大きく影
響する。
以上述べた特性は、出力電流が比較的重負荷で安定し
ている電子機器に使用される場合に問題とならないが、
出力電流が大きく変化し平均出力電流が最大出力電流に
比較して十分小さな電子機器、すなわちサーマルヘッド
やモータ等の短時間のパルス電流を必要とする電子機
器、および長時間軽負荷状態が連続する電子機器、すな
わちファクシミリや複写機等の軽負荷状態での待期間時
が長い電子機器に使用する場合に、軽負荷時の電源効率
が低下するため軽負荷状態での消費電力の増加や放熱器
等を大きくする必要があり形状が大型化し、さらに平滑
コンデンサ9のリップル電流の影響で平滑コンデンサ9
に電解コンデンサを使用している場合、動作寿命が短く
なり信頼性が低下するなどの問題点を有していた。
本発明は上記の問題点を解決するもので、軽負荷時の
効率低下を防止し小形で高信頼のスイッチング電源装置
を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 この目的を達成するために本発明のスイッチング電源
装置は、オン・オフをくり返す第1のスイッチ手段と、
少なくとも1次巻線と1つ以上の2次巻線を有するトラ
ンスと、前記第1のスイッチ手段がオンのとき入力電圧
を前記トランスの1次巻線に印加して前記トランスにエ
ネルギーを貯え、前記第1のスイッチ手段がオフのとき
前記トランスに貯えられたエネルギーを前記トランスの
2次巻線より放出し、前記トランスの2次巻線に接続さ
れた整流平滑手段により出力を得て、前記トランスに貯
えられたエネルギーを前記トランスの2次巻線より放出
した後に前記第1のスイッチ手段と交互にオン・オフす
る第2のスイッチ手段を介して前記出力の電圧が前記ト
ランスの2次巻線に印加され前記トランスにエネルギー
を貯え、前記第2のスイッチ手段がオフのとき前記トラ
ンスに貯えられたエネルギーを前記トランスの1次巻線
より前記入力電圧に回生し、前記出力の電圧制御を前記
第2のスイッチ手段のオン期間を変化させることで行
い、さらに前記第1のスイッチ手段のオン期間を外部信
号により又は前記出力の電流に応じて変化させるような
構成を有している。
作 用 この構成によって、出力が重負荷になると第1のスイ
ッチング手段のオン期間を増し、トランスの1次巻線に
供給されるエネルギー量を増加し、出力が軽負荷になる
とスイッチング手段のオン期間を減し、トランスの1次
巻線に供給されるエネルギー量を減少させることで、出
力を安定化するため出力よりトランスを介して入力に回
生される不要なエネルギー量を減少させスイッチング損
失やトランスの損失を減少し、軽負荷時の効率低下を防
止することができる。
実施例 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら
説明する。
第1図は本発明の第1の実施例におけるスイッチング
電源装置の構成を示すものである。第1図において、第
5図と同じものは同一の符号を記し説明を省略する。1
は直流電源であり、2−2′は入力端子であり、3はト
ランスで1次巻線3a,2次巻線3c,バイアス巻線3bを有し
ており、4は第1のスイッチ手段としてのスイッチング
素子であり、5はダイオードであり、7は整流ダイオー
ドであり、8は第2スイッチ手段としての2次スイッチ
ング素子であり、9は平滑コンデンサであり、10は制御
回路であり、11−11′は出力端子である。
6は同期発振回路であり、スイッチング素子4を決め
られたオン期間でオン動作させ、スイッチング素子4の
オフ期間を前記バイアス巻線3bの誘起電圧の極性が反転
するまで持続するようにオフ動作させ、このオン・オフ
の繰返しにより発振を続けるもので、前記決められたオ
ン期間は絶縁伝達手段14の信号により変化される。12は
切替え端子であり、外部より負荷に必要な電流に応じて
信号が印加され、絶縁伝達手段14に信号を伝達する。14
は絶縁伝達手段であり、1次巻線側と2次巻線側を絶縁
しながら信号を伝達する。以上のように構成されたスイ
ッチング電源装置について、以下その動作を説明する。
まず第2図を参照して切替え端子12に信号が印加され
た時の動作説明を行う。なお、出力電圧が安定に制御さ
れる動作については、第5図と同じため省略する。第2
図において、(a)はスイッチング素子4の両端電圧波
形VDSを示しており、(b)はスイッチング素子4とダ
イオード5に流れる電流波形IDSを示しており、(c)
は同期発振回路6の駆動パルス波形VG1を示しており、
(d)は前記2次巻線3cに流れる2次電流波形I0を示し
ており、(e)は制御回路10の駆動パルス波形VG2を示
しており、(f)は切替え端子12に外部より印加される
信号波形VCKを示している。さらに第2図において、実
線は出力端子11−11′より出力電流IOUTが大きく流れて
いる場合のいわゆる重負荷時を示し、点線は出力電流I
OUTが少なく流れている場合のいわゆる軽負荷時を示
し、切替え端子12はこの実施例の場合、出力端子11−1
1′に接続され負荷となる電子機器の使用電流が減少
し、一定値以下になると電子機器より切替え端子12に信
号が印加され、同期発振回路6のオン期間幅が狭くなる
ように構成している。
このような動作により軽負荷時に同期発振回路6のオ
ン期間幅を狭くすることで、スイッチング素子4のオン
期間幅を狭くし、前記1次巻線3aに印加されトランス3
を介して出力側に供給するエネルギーを減少させること
で、出力電圧を安定に制御するために2次スイッチング
素子8のオン期間幅も狭くなり前記2次巻線3cに印加さ
れトランス3を介して入力側に回生されるエネルギーも
少なくなるため、トランス3の1次巻線3a,2次巻線3cに
流れる電流は減少する。また、第3図のB−H曲線に示
すトランス3の磁束変化幅△Bも軽負荷時に同期発振回
路6のオン期間を狭くすることにより点線で示すように
小さくなる。
ただし、軽負荷時に変化可能な同期発振回路6のオン
期間幅▲T ON▼は、 で表わされる。
ここで、POUTは出力端子11−11′より電子機器に供給
される出力電力であり、LPは前記1次巻線インダクタン
スであり、VINは入力端子であり、Tは発振周期であ
る。このように出力電力、すなわち出力電流の状態に応
じて同期発振回路6のオン期間幅を切替え端子12の信号
により複数のオン期間幅に切替えてもよいことは容易に
わかる。
以上のように本実施例によれば、出力端子11−11′に
接続され負荷となる電子機器の使用電流が少なくなる
と、電子機器より信号をもらい同期発振回路6のオン期
間幅を狭めることにより、トランス3の巻線電流を減少
させ銅損を減少し、さらに磁束変化幅△Bも小さくなる
ため鉄損も減少し、さらにスイッチング素子4,ダイオー
ド5および2次スイッチング素子8,ダイオード7に流れ
る電流も減少し損失が低減され、さらに平滑コンデンサ
9に流れるリップル電流も減少する。
以下、本発明の第2の実施例について図面を参照しな
がら説明する。
第4図は本発明の第2の実施例を示すスイッチング電
源装置の構成図である。同図において第1図と同じもの
は同一の符号を記し説明は省略する。1は直流電源であ
り、2−2′は入力端子であり、3はトランスであり、
4は第1のスイッチ手段としてのスイッチング素子であ
り、5はダイオードであり、6は同期発振回路であり、
7は整流ダイオードであり、8は第2のスイッチ手段と
しての2次スイッチング素子であり、9は平滑コンデン
サであり、10は制御回路であり、11−11′は出力端子で
あり、14は絶縁伝達手段である。15は抵抗であり、出力
端子11−11′から負荷に供給される電流を検出し、ヒス
テリシスコンパレータ16の入力端子に電圧として印加す
る。16はヒステリシスコンパレータであり、入力端子の
一端には抵抗15の検出電圧が印加され、他の入力端子に
は基準電圧源17により基準電圧が印加されており、抵抗
15の検出電圧が基準電圧より高いか低いかを検出して出
力端子11−11′に信号を出力し、絶縁伝達手段14を介し
て同期発振回路14のオン期間幅を変化させる。第1図の
構成と異なるのは内部で軽負荷時を出力電流により検出
し、ヒステリシスコンパレータ16を動作させ、同期発振
回路6のオン期間幅を狭めるように構成した点である。
上記のように構成されたスイッチング電源装置につい
て、以下その動作を説明する。出力電流が減少すると抵
抗15に発生する電圧が減少して行き、あらかじめ設定さ
れた基準電圧源17の基準電圧以下になるとヒステリシス
コンパレータ16の出力は反転し、絶縁伝達手段14を介し
て信号が同期発振回路6に伝達されオン期間幅をあらか
じめ設定された値に狭める。逆に出力電流が軽負荷から
重負荷に増加する場合は、抵抗15に発生する電圧値が基
準電圧17以上になるとヒステリシスコンパレータ16の出
力は反転し同期発振回路6のオン期間幅はあらかじめ設
定された値に広がる。このように出力電流による同期発
振回路6のオン期間幅の切替えポイントは基準電圧源17
の基準電圧および抵抗15により任意に設定可能であり、
切替えポイントはヒステリシスコンパレータ16によりヒ
ステリシスを持っており、安定に切替え可能である。
以上のように、出力電流の値により同期発振回路6の
オン期間幅を変化させることにより、外部より切替え信
号をもらわなくても自動的に変化でき、軽負荷時にもト
ランス3,スイッチング素子4,2次スイッチング素子8の
損失は低減され、平滑コンデンサ9のリップル電流も減
少する。
なお、同期発振回路6のオン期間幅が変化する時に出
力電圧が過渡的に多少変動するが、制御回路10の応答を
早くするか、同期発振回路6のオン期間幅の変化速度を
遅くすることで無視できる値にすることが可能であり、
さらにそれに伴なう発振周波数の変化も、あらかじめ変
化するオン期間幅を設定できるため使用上問題のない値
に設定することで影響を防止することが可能である。ま
た、第2の実施例では出力電流に応じた同期発振回路6
のオン期間幅の切替えを1ポイントのみにしたが、複数
のヒステリシスコンパレータおよび基準電圧源により複
数のオン期間幅の切替えを行ってもよい。
また、第2の実施例では、出力電流を直接検出して軽
負荷状態を検出したが、トランス3の1次巻線3aの電流
も出力電流に比例して変化することから、前記1次巻線
3aに流れる電流を検出して同期発振回路6のオン期間幅
を変化させてもよいことは言うまでもない。この場合、
絶縁伝達手段14は省略できる。
発明の効果 以上のように本発明は、外部の制御信号または内部に
設けた出力電流検出回路により出力電流に応じた同期発
振回路のオン期間を変化させ、スイッチング素子のオン
期間を変化させることにより、軽負荷時のトランスの1
次巻線,2次巻線に流れる電流を低減し、さらに磁芯に発
生する磁束変化幅すなわち磁束密度も小さくなり、トラ
ンスに発生する銅損や鉄損などの損失を大幅に減少でき
トランスの損失が減少する。さらに1次巻線に接続され
るスイッチング素子、ダイオードおよび2次巻線に接続
される2次スイッチング素子、ダイオードに流れる電流
も減少し損失が低減できると同時に平滑コンデンサに流
れるリップル電流も低減され、平滑コンデンサの寿命も
大幅に改善し長寿命化が達成でき、その結果軽負荷での
効率が大幅に改善されるとともに長寿命化が図れる信頼
性が大幅に向上するなどの優れたスイッチング電源装置
を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の第1の実施例におけるスイッチング電
源装置を示す回路構成図、第2図〜第3図は本発明の第
1図の回路構成図の動作波形を示す説明図、第4図は本
発明の第2の実施例におけるスイッチング電源装置を示
す回路構成図、第5図は従来のスイッチング電源装置の
回路構成図、第6図〜第8図は従来の第5図の回路構成
図の動作波形を示す説明図、第9図は従来の回路構成図
の特性を示す説明図である。 1……直流電源、2−2′……入力端子、3……トラン
ス、4……スイッチング素子、5……ダイオード、6…
…同期発振回路、7……整流ダイオード、8……2次ス
イッチング素子、9……平滑コンデンサ、10……制御回
路、11−11′……出力端子、12……切替え端子、14……
絶縁伝達手段、15……抵抗、16……ヒステリシスコンパ
レータ、17……基準電圧源。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オン・オフをくり返す第1のスイッチ手段
    と、少なくとも1次巻線と1つ以上の2次巻線を有する
    トランスと、前記第1のスイッチ手段がオンのとき入力
    電圧を前記トランスの1次巻線に印加して前記トランス
    にエネルギーを貯え、前記第1のスイッチ手段がオフの
    とき前記トランスに貯えられたエネルギーを前記トラン
    スの2次巻線より放出し、前記トランスの2次巻線に接
    続された整流平滑手段により出力を得て、前記トランス
    に貯えられたエネルギーを前記トランスの2次巻線より
    放出した後に前記第1のスイッチ手段と交互にオン・オ
    フする第2のスイッチ手段を介して前記出力の電圧が前
    記トランスの2次巻線に印加され前記トランスにエネル
    ギーを貯え、前記第2のスイッチ手段がオフのとき前記
    トランスに貯えられたエネルギーを前記トランスの1次
    巻線より前記入力電圧に回生し、前記出力の電圧制御を
    前記第2のスイッチ手段のオン期間を変化させることで
    行い、さらに前記第1のスイッチ手段のオン期間を外部
    信号により変化させるように構成したスイッチング電源
    装置。
  2. 【請求項2】前記第1のスイッチ手段のオン期間を前記
    出力の電流に応じて変化させるようにした請求項1記載
    のスイッチング電源装置。
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