JP2802166B2 - 建設機械の油圧駆動装置 - Google Patents

建設機械の油圧駆動装置

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JP2802166B2
JP2802166B2 JP50500991A JP50500991A JP2802166B2 JP 2802166 B2 JP2802166 B2 JP 2802166B2 JP 50500991 A JP50500991 A JP 50500991A JP 50500991 A JP50500991 A JP 50500991A JP 2802166 B2 JP2802166 B2 JP 2802166B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は油圧ショベル等の建設機械の油圧駆動装置に
係り、特に、アクチュエータの負荷が増大するとポンプ
吐出流量が減少し、負荷が減少するとポンプ吐出流量が
増大するようポンプ吐出流量を制御するポンプ制御手段
を備えた油圧駆動装置に関する。
背景技術 従来の建設機械の油圧駆動装置は、例えば米国特許第
4,967,557号に記載のように、可変容量型の油圧ポンプ
と、この油圧ポンプから供給される圧油によって駆動す
る複数の油圧アクチュエータと、これら油圧アクチュエ
ータに供給される圧油の流れを制御する複数の流量制御
弁と、これら流量制御弁の前後差圧を制御する複数の圧
力補償弁と、油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制
御装置とを備え、ポンプ制御装置には、ポンプ吐出圧力
が増大すると吐出流量を減少し、ポンプ吐出圧力が減少
すると吐出流量を増加するように油圧ポンプの吐出流量
を制御する入力トルク制限制御を行う機能が付与されて
いる。建設機械が油圧ショベルの場合、上記複数のアク
チュエータにはブームシリンダ、アームシリンダ、バケ
ットシリンダ、旋回モータ等のアクチュエータが含ま
れ、これらはそれぞれブーム、アーム、バケット、旋回
体等のワークを駆動する。
操作レバーによって流量制御弁が切換えられると、流
量制御弁によって制御された流量がブームシリンダ、ア
ームシリンダ、バケットシリンダ等の対応するアクチュ
エータに供給され、土砂の掘削等の作業が行われる。こ
のような作業において、アクチュエータに加わる負荷が
大きく、ポンプ吐出圧力が所定圧力を越えると、ポンプ
制御装置の入力トルク制限制御によりポンプ吐出流量は
減少し、エンジンストールを防止する。
ところで、上述した油圧ショベルで掘削作業が行われ
るに際し、その作業が岩石の掘削作業である場合、バケ
ットの爪先が岩石に引掛り、掘削抵抗が大きくなって負
荷圧力が高くなった状態からバケットの爪先が滑って急
に無負荷になることがしばしばある。このように急に無
負荷になる状態が生じたとき、ポンプ制御装置は上記の
ように入力トルク制限制御を行っているので、バケット
シリンダ、アームシリンダ等のアクチュエータに供給さ
れる流量が急激に増加する。このため、アクチュエータ
の速度が不必要に速くなり、バケットが加速されて次の
掘削予定の岩石に衝突する等の事態を招き易い。このよ
うな衝突を生じると、油圧ショベル本体および油圧系統
等に激しい衝撃負荷がかかり、構造物である油圧ショベ
ルの寿命が著しく短くなる。また本体に設置される運転
室にも激しい衝撃が伝えられることから、運転室内のオ
ペレータの疲労を増すことになる。
本発明は、上記した従来技術における実情に鑑みてな
されたもので、その目的は、通常作業では生じない急激
な負荷の低下に伴う油圧アクチュエータ速度の急激な増
加を防止することができる建設機械の油圧駆動装置を提
供することにある。
発明の開示 上記目的を達成するために、本発明によれば、可変容
量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧
油により駆動される油圧アクチュエータと、このアクチ
ュエータに供給される圧油の流量を制御する流量制御手
段と、前記アクチュエータの負荷が増大するとポンプ吐
出流量が減少し、負荷が減少するとポンプ吐出流量が増
大するよう前記油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ
制御手段とを備える建設機械の油圧駆動装置において、
前記アクチュエータに加わる負荷の大きさを検出する第
1の検出手段と、前記第1の検出手段からの信号に基づ
きアクチュエータの負荷の急減を監視し、アクチュエー
タが負荷の急減に係わる所定の状態に達したと判断され
たときに、前記アクチュエータに供給される圧油の流量
の増加速度を制限するよう前記流量制御手段を制御する
流量制御手段とを備えることを特徴とする建設機械の油
圧駆動装置が提供される。
以上のように構成した本発明においては、第1の検出
手段からの信号に基づきアクチュエータが負荷の急減に
係わる所定の状態に達したと判断されたときには、アク
チュエータに供給される圧油の流量の増加速度が制限さ
れることから、通常作業時に比べて油圧アクチュエータ
の加速度が抑制され、アクチュエータ速度の増加が小さ
くなる。したがって、通常作業では生じない急激な負荷
の低下に伴う油圧アクチュエータ速度の急激な増加が防
止される。
本発明の油圧駆動装置において、好ましくは、前記流
量制限手段は、前記アクチュエータが負荷の急減に係わ
る所定の状態に達したと判断されたときに前記ポンプ流
量制御手段により制御される前記油圧ポンプの吐出流量
の増加速度を制限するポンプ流量制限手段である。この
場合、前記ポンプ流量制御手段が前記油圧ポンプの入力
トルク制限制御のための第1の押しのけ容積目標値を演
算する手段を含む油圧駆動装置においては、好ましく
は、前記ポンプ流量制限手段は、前記ポンプ吐出量の増
加速度を制限するための第2の押しのけ容積目標値を演
算する手段と、前記第1の押しのけ容積目標値と第2の
押しのけ容積目標値の小さい方の値を選択し、これを押
しのけ容積指令値として出力する手段とを含む。
前記流量制御手段が前記油圧ポンプからアクチュエー
タに供給される圧油の流量を制御する流量制御弁と、前
記流量制御弁の前後差圧を制御する圧力補償弁とを含む
油圧駆動装置においては、前記流量制限手段は、前記ア
クチュエータが負荷の急減に係わる所定の状態に達した
と判断されたときに前記圧力補償弁の開弁方向の駆動速
度を制御し、前記流量制御弁の通過流量の増加速度を制
限する弁制御手段であってもよい。この場合、前記油圧
ポンプの吐出圧力と前記アクチュエータの負荷圧力との
差圧を検出する第2の検出手段と、前記差圧が減少する
と前記圧力補償弁の補償差圧目標値が小さくなり、差圧
が増加すると該補償差圧目標値が大きくなる第1の制御
力目標値を演算する手段とをさらに備えた油圧駆動装置
においては、好ましくは、前記弁制限手段は、前記流量
制御弁の通過流量の増加速度を制限するための第2の制
御力目標値を演算する手段と、前記第1の制御力目標値
と第2の制御力目標値の小さい方の値を選択し、これを
指令値として出力する手段とを含む。
また、本発明の油圧駆動装置においては、好ましく
は、前記流量制限手段は、通常作業のための流量増加速
度を与える第1の流量の増分およびこの第1の流量の増
分より小さい第2の流量の増分を設定する設定手段と、
前記アクチュエータが負荷の急減に係わる所定の状態に
達したと判断されないときには前記第1の流量の増分を
選択し、所定の状態に達したと判断されたときに前記第
2の流量の増分を選択する選択手段と、前記選択された
流量の増分に基づいて前記アクチュエータに供給される
流量の制御目標値を演算する演算手段とを含む。この場
合、前記設定手段は、複数の異なる流量の増分を記憶す
る手段と、外部から操作可能であり、その操作により前
記複数の増分の1つを前記第2の流量の増分として選択
する手段とを含む構成であっても良い。また、前記第2
の流量の増分は0であってもよいし、時間的な可変値で
あってもよい。
さらに、本発明の油圧駆動装置において、好ましく
は、前記流量制限手段は、前記第1の検出手段からの信
号に基づき前記アクチュエータの負荷の大きさの減少速
度を演算する手段と、前記減少速度が所定値より大きく
かつアクチュエータの負荷が所定値より大きいときに前
記アクチュエータが負荷の急減に係わる所定の状態に達
したと判断する手段とを含む。前記流量制限手段は、前
記第1の検出手段により検出されたアクチュエータの負
荷が所定値より大きいときに前記アクチュエータが負荷
の急減に係わる所定の状態に達したと判断する手段を含
む構成であってもよい。
また、本発明の油圧駆動装置において、好ましくは、
前記第1の検出手段は前記油圧ポンプの吐出圧力を検出
する手段である。
図面の簡単な説明 第1図は本発明の第1の実施例による建設機械の油圧
駆動装置の概略図である。
第2図は第1図に示す制御ユニットのハード構成を示
す図である。
第3図は第1図に示す制御ユニットにおける油圧ポン
プの押しのけ容積目標値の演算処理内容を示す機能ブロ
ック図である。
第4図は入力トルク制限制御のための押しのけ容積目
標値を演算する際に用いるポンプ吐出圧力と当該目標値
との関数関係を示す図である。
第5図は第1図に示す制御ユニットにおける分流補償
弁の制御力目標値の演算処理内容を示す機能ブロック図
である。
第6図は第3図に示す機能ブロックのうち、流量増加
速度の制限制御のための押しのけ容積目標値を演算する
ブロックの処理内容を示すフローチャートである。
第7図(a)および第7図(b)は、それぞれ、本実
施例の流量増加速度の制限制御を行わない場合と行う場
合の特性を示す図である。
第8図は本発明の第2の実施例に係わる分流補償弁の
制御力目標値の演算処理内容を示す機能ブロック図であ
る。
第9図は第8図に示す機能ブロックのうち、流量増加
速度の制限制御のための制御力目標値を演算するブロッ
クの処理内容を示すフローチャートである。
第10図(a)および第10図(b)は、それぞれ、本実
施例の流量増加速度の制限制御を行わない場合と行う場
合の特性を示す図である。
第11図は本発明の第3の実施例に係わる流量増加速度
の制限制御のための押しのけ容積目標値を演算する処理
内容を示すフローチャートである。
第12図は、第11図に示す第3の実施例と同様な考えで
流量増加速度の制限制御のための制御力目標値を演算す
る場合の処理内容を示すフローチャートである。
第13図および第14図は、それぞれ、流量増加速度の制
限制御における流量の増分を0および時間的可変値にし
た場合の特性を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の建設機械の油圧駆動装置の好適実施例
を図面に基づいて説明する。
第1の実施例 まず、本発明の第1の実施例を第1図〜第7図により
説明する。
第1図において、本実施例の油圧駆動装置は、可変容
量型の油圧ポンプ1と、この油圧ポンプ1の押しのけ容
積、すなわち、斜板傾転角を制御するポンプ容量操作装
置2とを備えている。ポンプ容量操作装置2は、油圧ポ
ンプ1の斜板を駆動する制御用アクチュエータ2aと、こ
の制御用アクチュエータ2aの駆動を制御する流量調整弁
2bとから成っている。油圧ポンプ1から吐出される圧油
は油圧アクチュエータ、例えば油圧モータ5および油圧
シリンダ6に供給され、これら油圧モータ5および油圧
シリンダ6に供給される圧油の流れは流量制御弁7,8の
によってそれぞれ制御される。流量制御弁7,8の上流側
には圧力補償弁9,10がそれぞれ配置され、流量制御弁7,
8の前後差圧を制御する。油圧モータ5のと油圧シリン
ダ6の高圧側の負荷圧力、すなわち、最大負荷圧力はシ
ャトル弁11により検出される。
油圧ポンプ1の最大吐出圧力はリリーフ弁12により制
限され、ポンプ吐出圧力と上記最大負荷圧力との最大差
圧はアンロード弁13によって制限される。アンロード弁
13にはポンプ吐出圧力とシャトル弁11によって検出され
た最大負荷圧力が導かれる。
流量制御弁7,8は例えばパイロット油圧駆動式になっ
ており、パイロットポンプ4に連絡された操作装置14,1
5の操作量に応じて発生するパイロット圧で駆動する。
油圧モータ5の最大負荷圧力はリリーフ弁16によって制
限される。また、圧力補償弁9,10は閉弁方向作動の駆動
部9a,9bと補償差圧基本値を設定するばね9b,10bとを有
し、駆動部9a,10aはパイロットポンプ4に連絡された電
磁比例減圧弁21,22から出力されるパイロット圧が負荷
されることにより、ばねに抗して制御力を付与し、補償
差圧目標値を変更可能となっている。
油圧ポンプ1の押しのけ容積は斜板傾転量を検出する
変位検出器23によって検出され、油圧ポンプ1の吐出圧
力は圧力検出器24によって検出され、ポンプ吐出圧力と
最大負荷圧力との差圧は差圧検出器25によって検出され
る。差圧検出器25にはポンプ吐出圧力とシャトル弁11に
よって検出された最大負荷圧力が導かれる。
また、本実施例の油圧駆動装置は、本発明の流量増加
速度の制限制御を行うための複数の異なる流量の増分の
1つを選択するよう外部から指令するオペレータにより
操作可能な選択指令器28と、上述した変位検出器23、圧
力検出器24、差圧検出器25、および選択指令器28からの
信号を入力し、流量調整弁2bおよび電磁比例減圧弁21,2
2に駆動信号を出力する制御ユニット40とを備えてい
る。
制御ユニット40はマイクロコンピュータで構成され、
第2図に示すように、変位検出器23、圧力検出器24、差
圧検出器25および選択指令器28からの信号を入力し、こ
れをデジタル信号に変換するA/Dコンバータ40aと、中央
演算装置(CPU)40bと、制御プログラムを格納するリー
ドオンリーメモリ(ROM)40cと、演算途中の数値を一時
的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)40dと、流
量調整弁2bおよび電磁比例減圧弁21,22に接続される出
力用の増幅器(AMP)40f,40g,40hとを備えている。
CPU40bは、変位検出器23、圧力検出器24、差圧検出器
25および選択指令器28からの信号と、ROM40cに格納した
制御プログラムに基づいて油圧ポンプ1の押しのけ容積
目標値および圧力補償弁9,10の制御力目標値を演算し、
対応する駆動信号をAMP40f〜40hを介して流量調整弁2b
および電磁比例減圧弁21,22に出力する。
CPU40bにおけるポンプ押しのけ容積目標値の演算処理
の内容を第3図に機能ブロック図で示す。第3図におい
て、ブロック41では差圧検出器25により検出された差圧
ΔPLSからロードセンシング制御のための押しのけ容積
目標値θLSを求め、ブロック42では圧力検出器24により
検出されたポンプ吐出圧力Pから入力トルク制限制御の
ための押しのけ容積目標値θTを求め、ブロック43では
ポンプ吐出圧力Pと選択指令器28からの指令信号Sに基
づき流量増加速度の制限制御のための押しのけ容積目標
値θcを演算する。
ここで、ブロック41が係わるロードセンシング制御と
は、油圧ポンプ1の吐出圧力とシャトル弁11で検出され
る最大負荷圧力との差圧(ロードセンシング差圧)ΔP
LSが目標差圧ΔPLSOに保持されるようにポンプ吐出流
量を制御することであり、このようにポンプ吐出流量を
制御するための目標値θLSの演算には例えば米国特許第
4,967,557号に記載の方法が用いられる。
また、ブロック42が係わる入力トルク制限制御とはポ
ンプ吐出圧力が増大するポンプ吐出流量が減少し、ポン
プ吐出圧力が減少するとポンプ吐出流量が増大するよう
斜板傾転量、すなわち、ポンプ押しのけ容積を制御する
ことである。具体的には、第4図に示すようなポンプ吐
出圧力Pと入力トクル制限制御のための押しのけ容積目
標値θTの関数関係をROM40cに予め記憶しておき、この
関数関係からポンプ吐出圧力Pに対応する目標値θTを
演算により求める。これにより第4図の曲線44の部分で
油圧ポンプ1の吐出流量の最大値を制限して入力トルク
を制限し、油圧ポンプ1を駆動するエンジンのストール
を防止する。なお、このことも上記米国特許第4,967,55
7号に記載されている。
流量増加速度の制限制御のための押しのけ容積目標値
θcを演算するブロック43の機能については後述する。
ブロック41〜43で求められた押しのけ容積目標値θL
S,θT,θcはブロック46でそれらの最小値が選択され、
これが最終的な押しのけ容積目標値、すなわち、押しの
け容積指令値θrとなる。この押しのけ容積指令値θr
は変位検出器23により検出された油圧ポンプ1の斜板傾
転量、すなわち、実際の押しのけ容積θとブロック46で
比較され、両者の偏差を0に近付けるようサーボ制御の
ための指令値θsが求められる。この指令値θsは前述
したようにAMP40fを介して駆動信号として流量調整弁2b
に出力される。
一方、CPU40bにおける圧力補償弁9,10の制御力目標値
の演算は第5図に示すように行われる。すなわち、POM4
0cにはブロック51に示すような、差圧ΔPLSが小さくな
ると制御力目標値iLSが大きくなり、差圧ΔPLSが大き
くなると制御力目標値iLSが小さくなる差圧ΔPLSと制
御力目標値iLSとの関数関係が記憶されており、差圧検
出器25により検出された差圧ΔPLSからこの関数関係に
基づき制御力目標値iLSを演算する。なお、ブロック51
において、ΔPLSOは前述したロードセンシング制御の
ための目標差圧である。そして、ブロック51で求められ
た目標値iLSはAMP40g,40hを介して駆動信号として電磁
比例減圧弁21,22に出力され、電磁比例減圧弁21,22は制
御力目標値iLSに応じた制御圧力を圧力補償弁9,10の駆
動部9a,10aに出力する。
ここで、圧力補償弁9,10の駆動部9a,10aは、前述した
ように、ばね9b,10bばねに抗して制御力を付与する閉方
向作動の駆動部であり、第5図に示す制御力目標値iLS
が大きくなると圧力補償弁9,10の補償差圧目標値が小さ
くなり、制御力目標値iLSが小さくなると補償差圧目標
値が大きくなる関係にある。したがって、第5図に示す
関数関係は、結果として、差圧ΔPLSが小さくなると圧
力補償弁9,10の補償差圧目標値を小さくし、差圧ΔPLS
が大きくなると補償差圧目標値を大きくする制御力目標
値iLSを演算するものである。
そして、以上のように圧力補償弁を制御することによ
り、第3図に示すブロック45において入力トルク制限制
御のための押しのけ容積目標値θTが指令値θrとして
選択され、流量制御弁7,8の要求流量に対して油圧ポン
プ1の吐出流量が不足する状態、すなわち油圧ポンプ1
がサチュレーション状態になると、圧力補償弁9,10の開
度が絞り方向に制御され、複数のアクチュエータ5,6へ
流れる圧油の流量を補償する分流補償制御が行われる。
また、この状態では油圧モータ5かつ/または油圧シリ
ンダ6に供給される圧油の流量は油圧ポンプの吐出流量
によって決まる。したがって、ポンプ容積操作装置2が
油圧シリンダ6に供給される圧油の流量を制御する流量
制御手段としての機能を果たす。なお、圧力補償弁9,10
の制御目標値の演算は上記に引用した米国特許第4,967,
557号に記載の方法によってもよい。
次に、第3図に示すブロック43の機能を第6図に示す
フローチャートにより説明する。ブロック43は、油圧モ
ータ5かつ/または油圧シリンダ6に加わる負荷が急減
したときに、油圧モータ5かつ/または油圧シリンダ6
に供給される圧油の流量の増加を制限するよう、流量制
御手段として機能するポンプ容積操作装置2を制御する
流量制限手段を提供するものである。
はじめに、手順S1に示すように、圧力検出器24によっ
て検出された油圧ポンプ1の吐出圧力Pと、選択指令器
28による指令値Sが制御ユニット40の入力部であるA/D
コンバータ40aを介してCPU40bに読み込まれる。次いで
手順S2に移り、CPU40bにおいて今回検出された圧力P
と、前回検出された圧力Pとから圧力降下速度(規定時
間間隔における圧力降下値)Pvが演算され、かつ今回検
出された圧力Pを含めてそれまでの圧力の最大値Pmaxが
演算され、その値がRAM40dに記憶される。次いで手順S3
に移る。この手順3では、ROM40cに記憶された所定速度
PvthがCPU40bに読出され、手順S2で求めた圧力降下速度
Pvが所定速度Pvthより大きいかどうか判別が行われる。
所定速度Pvthとしては通常作業時に生じる圧力の降下速
度を設定する。したがってこの判別が満足されたとき
は、例えば岩石等の掘削作業中にバケットの爪先が岩石
上を滑ったような事態を生じた可能性があり、手順S4に
移る。
手順S4では、ROM40cに記憶された所定圧力PthがCPU40
bに読出され、手順S2で記憶された圧力の最大値Pmaxが
所定圧力Pthより大きいかどうか判別が行われる。ここ
で、所定圧力Pthには例えば第4図に示すように、リリ
ーフ弁12の設定圧力Preに近い、通常作業時に生じるポ
ンプ吐出圧力が設定される。したがって、手順S4の判別
が満足されるときは、例えば岩石等の掘削作業に際して
バケットの爪先が岩石に引掛かって高負荷になっている
状態から上述のようにその引掛かりが外れて急激に無負
荷になるような場合であり、本実施例の流量増加速度の
制限制御を開始するため、手順S20に移る。
なお、手順S4の判別が満足されるような運転状態で
は、第3図のブロック45で入力トルク制限制御のための
押しのけ容積目標値θTが指令値θrとして選択されて
おり、ポンプ吐出流量は大きく制限されている。また、
この状態では前述したように、ポンプ容量操作装置2が
油圧シリンダ6に供給される圧油の流量を制御する流量
制御手段として機能している。
次に、手順S20ではタイマをリスタートして流量増加
速度の制限制御の開始後、所定時間が経過したかどうか
を判別するための計数を開始し、かつ当該制限制御の実
施状況を示すステータスを“実行中”にして手順S5に移
る。
手順S5では、ROM40cに記憶した複数の異なる流量の増
分のうち選択指令器28の指令値Sに応じた増分が演算部
に読出され、吐出流量の増分Δθとして設定される。RO
M40cに記憶される流量の増分は、通常作業のための流量
増加速度を与える油圧ポンプ1の吐出流量の増分(後述
する手順S8における流量の増分の最大値Δmax)以下の
値となっている。なお、吐出流量の増分Δθとして最大
値Δθmaxを設定した場合は流量増加速度の制限制御を
しないことと等価である。次いで手順S10に移る。この
手順S10では、手順S5で設定された吐出流量の増分Δθ
と前回の押しのけ容積指令値θr(第3図参照)とに基
づき押しのけ容積目標値θcを演算する。具体的には、
θc=θ8+Δθの演算を行う。
以上のように押しのけ容積目標値θcが演算される
と、上記のように増分Δθが通常作業のための増分Δθ
maxより小さいことから、第3図に示す最小値選択ブロ
ック45では今まで前述したように押しのけ容積目標値θ
Tが指令値θrとして選択されていたものが、押しのけ
容積目標値θcが指令値θrとして選択されるようにな
り、これに対応する駆動信号がAMP40fから第1図に示す
ポンプ容量操作装置2の流量調整弁2bに出力される。こ
れにより、流量調整弁2bが駆動し、これに伴って制御用
アクチュエータ2aが駆動し、油圧ポンプ1の押しのけ容
積の増加速度、すなわち、斜板の傾転速度が増分Δθに
一致するよう制御される。その結果、当該油圧ポンプ1
から吐出される圧油の流量は押しのけ容積目標値θTが
指令値θrとして選択され続けた場合に比べて比較的ゆ
るやかに増加するように制御され、当該流量が圧力補償
弁9かつ/または10、流量制御弁7かつ/または8を介
して油圧モータ5かつ/または油圧シリンダ6に供給さ
れ、これらのアクチュエータ速度は比較的小さな加速度
で増加する。
また、上述した第6図に示すフローチャートの手順S3
の判別または手順S4の判別が満足されないときは、流量
増加速度の制限制御を要しない場合、あるいは当該制御
が実行されている最中のいずれかであり、手順S6に移
る。この手順S6では、流量増加速度の制限制御の実施状
況を示すステータスが“実行中”かどうかか判別され
る。この判別が満足されるときは手順S7に移り、手順S2
0でリスタートしたタイマの計数がROM40cに記憶された
所定値以内かどうか、すなわち、流量増加速度の制限制
御開始後、未だ所定時間、例えば1秒が経過していない
かどうか判別される。この手順S7の判別が満足されれば
手順S5に移り、更に手順S10に移って、上述した流量増
加速度の制限動作が行なわれる。
また、上述した手順S6の判別が満足されない通常作業
中の場合、あるいはタイマの計数開始後、所定時間が経
過して手順S7の判別が満足されない場合は手順S8に移
り、通常作業のための流量増加速度を与える油圧ポンプ
1の吐出流量の増分としてROM40cに記憶された流量の増
分の最大値ΔθmaxがCPU40bに読出され、この最大値Δ
θmaxが流量の増分として設定される。次いで手順S9に
移り、RAM40dに記憶された圧力の最大値Pmax、手順S20
で“実行中”としたステータスおよびリスタートしたタ
イマをクリアする処理が行われ、手順S10に移る。手順S
10では、手順S8で設定した流量の増分の最大値θmaxと
前回の押しのけ容積指令値θr(第3図参照)とに基づ
き、θc=θr+Δθmaxの演算を行って押しのけ容積
目標値θcを求める。
手順S10で上記のように押しのけ容積目標値θcが演
算されると、第3図に示す最小値選択ブロック45では押
しのけ容積目標値θLS,θT,θcの最小値が指令値θr
として選択され、これに対応する駆動信号がAMP40fから
第1図に示すポンプ容量操作装置2の流量調整弁2bに出
力される。これにより、最大増加速度の流量が油圧モー
タ5かつ/または油圧シリンダ6に供給され、これらの
油圧アクチュエータ速度は通常作業に必要とされる比較
的大きな加速度で増加する。
第7図に、岩石等の掘削作業に際してバケットの爪先
が岩石に引掛かって高負荷になっている状態からその引
掛かりが外れて急激に無負荷になるような場合における
ポンプ吐出圧力の変化とポンプ吐出流量およびアクチュ
エータ流量の変化の特性を示す。第7図(a)は流量増
加速度の制限制御を実施しない場合であり、第7図
(b)は流量増加速度の制限制御を実施した場合であ
る。これらの図中、時間t1は岩石等の掘削作業に際して
バケットの爪先が岩石に引掛かって高負荷になっている
状態からその引掛かりが外れて急激に無負荷になった時
点を示し、時間t2は当該引掛かりが外れて急激に無負荷
になった後、次に掘削が予定される岩石にバケットの爪
先が衝突した時点を示す。
第7図(a)に示す本実施例の制御を行わない場合
は、圧力の急激な低下に伴って入力トルク制限制御が解
除され、ポンプ吐出流量が急激に大きくなり、これに対
応して油圧モータ5かつ/または油圧シリンダ6に供給
される流量も同様に急激に増加する。したがって、時点
t2ではアクチュエータ速度が不必要に大きくなってお
り、バケットはこの大きな速度で次の掘削予定の岩石に
衝突する。このような衝突を生じると、油圧ショベル本
体および油圧系統等に激しい衝撃負荷がかかり、構造物
である油圧ショベルの寿命が著しく短くなる。また本体
に設置される運転室にも激しい衝撃が伝えられることか
ら、運転室内のオペレータの疲労を増すことになる。
これに対し、第7図(b)に示す本実施例の制御を行
う場合は、圧力が急激に低下すると前述したように押し
のけ容積目標値θcが指令値θrとして選択されること
から、油圧ポンプ1の吐出流量は比較的ゆるやかに増加
するように制御され、油圧モータ5かつ/または油圧シ
リンダ6に供給される流量も同様に緩やかに増加する。
したがって、時点t2におけるアクチュエータ速度の不必
要な増加が抑制される。
したがって、本実施例によれば、バケットの爪先の岩
石などへの衝突を緩和させることができ、この駆動装置
が備える建設機械の本体や油圧系統に与える衝撃を小さ
くすることができ、この衝撃による当該建設機械の寿命
の低下や本体に設けられる運転室内のオペレータの疲労
を防ぐことができる。
第2の実施例 本発明の第2の実施例を第8図〜第10図により説明す
る。本実施例は、流量増加速度の制限制御を行う流量制
御手段として圧力補償弁9,10を採用し、圧力補償弁9,10
の駆動速度を制御することによりアクチュエータ7また
は8に供給される圧油の流量の増加速度を制限するもの
である。なお、本実施例のハード構成は第1図および第
2図に示す第1の実施例のものと実質的に同じであり、
本実施例の説明でもこれら図面を参照する。
本実施例において、制御ユニット40のCPU40bにおける
圧力補償弁9,10の制御力目標値の演算は第8図に示すよ
うに行われる。すなわち、ブロック51で第5図に示す第
1の実施例の場合と同様に分流補償制御のための制御力
目標値iLSが演算され、ブロック52ではポンプ吐出圧力
Pと選択指令器28からの指令信号Sに基づき流量増加速
度の制限制御のための制御力目標値icが演算され、ブ
ロック53でそのうちの大きい方の値が指令値irとして
選択される。そして、この指令値irはAMP40g,40hを介
して駆動信号として電磁比例減圧弁21,22に出力され、
電磁比例減圧弁21,22は指令値irに応じた制御圧力を圧
力補償弁9,10の駆動部9a,10aに出力する。
制御ユニット40のROM40cにおけるポンプ押しのけ容積
目標値の演算機能は、第3図に示す構成でブロック43の
機能を除いたのと同じであり、ロードセンシング制御の
ための押しのけ容積目標値θLSと入力トルク制限制御の
ための押しのけ容積目標値θTのうちの小さい方の値が
指令値θrとして選択され、ポンプ容量操作装置2が制
御される。
第8図に示すブロック52の機能を第9図に示すフロー
チャートにより説明する。
手順S1〜S4、手順S6およびS7、手順S9および手順S20
は第6図に示す第1の実施例のものと同じである。な
お、手順S4の判断が肯定されるような運転状態では、前
述したように第3図のブロック45で入力トルク制限制御
のための押しのけ容積目標値θTが指令値θrとして選
択され、ポンプ吐出流量は大きく制限されているいる。
したがって、ロードセンシング差圧ΔPLSは目標差圧Δ
PLSOより小さくなっており、第8図のブロック51では
通常よりも大きな制御力目標値iLSが演算されるので、
圧力補償弁9,10はそれに対応する絞り状態にある。
手順S5Aでは、ROM40cに記憶した複数の異なる流量の
増分のうち選択指令器28の指令値Sに応じた増分が演算
部に読出され、流量制御弁7,8の通過流量の増分Δqと
して設定される。ROM40cに記憶される流量の増分は、通
常作業のための流量増加速度を与える流量制御弁7,8の
通過流量の増分、すなわち流量の増分の最大値Δqmax
以下の値となっている。
次いで手順S10Aに移る。この手順S10Aでは、手順S5A
で設定された流量の増分Δqと前回の指令値ir(第8
図参照)とに基づき圧力補償弁9,10の制御力目標値ic
を演算する。この演算は、流量制御弁7,8の通過流量と
圧力補償弁9,10に付与される制御力とは増減が逆方向と
なることから、例えば、通過流量の増分Δqから制御力
目標値の増分ΔiをΔi=−Δq×k(kは係数)の演
算で求め、ic=ir+Δiの演算でicを求めることに
より行う。
手順S10にて制御力目標値icが求められると、増分Δ
qが通常作業のための増分Δqmaxより小さいことか
ら、第8図に示す最大値選択ブロック53では今まで制御
力目標値iLSがが指令値irとして選択されていたもの
が、制御力目標値icが指令値irとして選択されるよう
になり、これに対応する駆動信号がAMP40g,40hから第1
図に示す電磁比例減圧弁21,22に出力される。これによ
り、圧力補償弁9,10の駆動部9a,10aには対応する制御圧
力が負荷され、圧力補償弁9,10の開弁方向の駆動速度が
制御される。すなわち、制御力指令値iLSが指令値irと
して選択され続ける場合は、ポンプ吐出流量の増加によ
りロードセンシング差圧ΔPLSが増加して制御力指令値
iLSが小さくなり、絞り状態にある圧力補償弁9,10が最
大速度で全開するが、本実施例では圧力補償弁9,10の駆
動速度が徐々に増加するように制御される。その結果、
流量制御弁7,8の通過流量は比較的ゆるやかに増加する
ように制御され、当該流量が油圧モータ5かつ/または
油圧シリンダ6に供給され、これらのアクチュエータ速
度は比較的小さな加速度で増加する。
手順S8Aでは、通常作業のための流量増加速度を与え
る流量制御弁7,8の通過流量の増分としてROM40cに記憶
された流量の増分の最大値ΔqmaxがCPU40bに読出さ
れ、この最大値Δqmaxが流量の増分として設定され
る。次いで手順S9に移り、RAM40dに記憶された圧力の最
大値Pmax、ステータスおよびタイマをクリアする処理を
行った後、手順S10Aに移り、前述したのと同様の容量で
制御力目標値icを演算する。
手順S10Aで上記のように制御力目標値icが演算され
ると、第8図に示す最大値選択ブロック53で分流補償制
御要の制御力目標値iLSが指令値irとして選択されるよ
うになり、圧力補償弁9,10は通常の制御状態となる。
第10図に、岩石等の掘削作業に際してバケットの爪先
が岩石に引掛かって高負荷になっている状態からその引
掛かりが外れて急激に無負荷になるような場合における
ポンプ吐出圧力の変化と圧力補償弁の制御力およびアク
チュエータ流量の変化の特性を示す。第10図(a)は流
量増加速度の制限制御を実施しない場合であり、第10図
(b)は流量増加速度の制限制御を実施した場合であ
る。これらの図中、時間t1は岩石等の掘削作業に際して
バケットの爪先が岩石に引掛かって高負荷になっている
状態からその引掛かりが外れて急激に無負荷になって時
点を示し、時間t2は当該引掛かりが外れて急激に無負荷
になった後、次に掘削が予定される岩石にバケットの爪
先が衝突した時点を示す。
第10図(a)に示す本実施例の制御を行わない場合
は、圧力の急激な低下に伴って入力トルク制限制御が解
除され、ポンプ吐出流量が急激に大きくなり、これに対
応して絞り状態にあった圧力補償弁9,10の制御力が急激
に小さくなり、圧力補償弁が前回状態になることから油
圧モータ5かつ/または油圧シリンダ6に供給される流
量も同様に急激に増加する。したがって、時点t2ではア
クチュエータ速度が不必要に大きくなっており、バケッ
トはこの大きな速度で次の掘削予定の岩石に衝突する。
これに対し、第10図(b)に示す本実施例の制御を行
う場合は、ポンプ吐出圧力が急激に低下すると前述した
ように制御力目標値icが指令値irとして選択されるこ
とから、圧力補償弁9,10の制御力が徐々に小さくなり、
圧力補償弁9,10の駆動速度が徐々に大きくなる。すなわ
ち、圧力補償弁9,10の開度が徐々に大きくなる。したが
って、流量制御弁7,8の通過流量は比較的ゆるやかに増
加するように制御され、油圧モータ5かつ/または油圧
シリンダ6に供給される流量も同様に緩やかに増加す
る。その結果、時点t2におけるアクチュエータ速度の不
必要な増加が抑制される。
したがって、本実施例によっても、第1の実施例と同
様の効果を得ることができる。
第3の実施例 本発明の第3の実施例を第11図により説明する。本実
施例は、流量増加速度の制限制御を開始するか否かの判
断をポンプ吐出圧力の値のみで行い、ポンプ吐出圧力の
急減による不都合を事前に防止するものである。すなわ
ち、本実施例は、第3図に示す機能のうちブロック43の
機能が以下の点で第1の実施例とは異なる。
第11図は、本実施例によるブロック43の機能をフロー
チャートで示すものであり、第1の実施例に係わる第6
図のフローチャートと同じ手順には同じ符号を付してい
る。その符号から分かるように、本実施例では手順S2B
にてポンプ吐出圧力Pの最大値Pmaxのみを求めて記憶す
る点と、第1の実施例にあった手順S3が省略されている
点が第1の実施例とは異なる。
すなわち、第11図において、手順S1にて圧力検出器24
によって検出された油圧ポンプ1の吐出圧力Pと、選択
指令器28による指令値Sを制御ユニット40のCPU40bに読
み込んだ後、手順S2Bにて、今回検出された圧力Pを含
めてそれまでの圧力の最大値Pmaxが演算され、その値が
RAM40dに記憶される。次いで手順S4に移り、ROM40cに記
憶された所定圧力PthがCPU40bに読出され、手順S2Bで記
憶された圧力の最大値Pmaxが所定圧力Pthより大きいか
どうか判別が行われる。そして、手順S4の判別が満足さ
れるときはアクチュエータに高負荷が加わっている場合
であり、その場合としては、例えば岩石等の掘削作業に
際してバケットの爪先が岩石に引掛かって高負荷になっ
ている場合が含まれる。したがって、もしバケットの爪
先が岩石が引掛かって高負荷になっている場合には、そ
の引掛かりが外れると急激に無負荷になるので、その可
能性に備えて、本実施例の流量増加速度の制限制御を開
始するため、手順S20に移る。
手順S20および手順5以下の処理は第1の実施例と同
じであり、手順S20でタイマがリスタートした後、所定
時間経過するまでは手順S5で設定された増分Δθから演
算された押しのけ容積目標値θcが第3図の最小値選択
ブロック45で指令値θrとして選択され、流量増加速度
の制限制御が実施される。
本実施例によれば、岩石等の掘削作業に際してバケッ
トの爪先が岩石に引掛かって高負荷になっている状態か
らその引掛かりが外れて急激に無負荷になったときに
は、上記のように既に流量増加速度の制限制御に移行し
ているため、応答性の良いアクチュエータの加速度制御
が可能であり、したがって、第1の実施例の効果をより
確実なものとすることができる。
なお、本実施例は第1の実施例を一部変更したもので
あるが、第12図に示すように、流量増加速度の制限制御
を行う流量制御手段としてポンプ容量操作装置の代わり
に圧力補償弁9,10を採用した第2の実施例に対して同様
の変更を行っても良く、この場合も上記実施例と同様の
効果を得ることができる。
その他の実施例 なお、以上の実施例では、例えば第9図に示すフロー
チャートの手順S5Aにおいて、選択指令器28からの指令
信号によって読み出され、設定される流量の増分は0以
外の値を考えたが、この増分を0に設定してもよい。こ
の場合、第13図に示すように、タイマにより設定される
所定時間の間、圧力補償弁はポンプ吐出圧力が急激する
直前の状態に保持される。すなわち、圧力補償弁の制御
に際してその所定時間が遅延時間として機能する。した
がって、その遅延時間経過中に、次に掘削が予定される
岩石にバケットの爪先が衝突したとしても、アクチュエ
ータ速度は大きくならず、衝突時の衝撃を緩和すること
ができる。
また、以上の実施例では、同様に例えば第9図に示す
フローチャートの手順S5Aにおいて、選択指令器28から
の指令信号によって読み出され、設定される流量の増分
は固定値を考えたが、この増分を時間の経過と共に所定
のパターンで増加する可変値としても良い。この場合に
は、圧力補償弁の制御力およびアクチュエータ流量は第
14図に示すように変化し、同様の効果を得ることができ
る。
また、上記実施例において、制御ユニット40のROM40c
に記憶される所定速度Pvthは必ずしも一義的なものでな
く、作業の種類に応じて異なった速度を取り得るもので
あり、また必要に応じて所定の速度範囲として予め記憶
させるか、あるいはオペレータにより設定変更できるよ
うにしてもよい。
同様に制御ユニット40のROM40cに記載される所定圧力
Pthもかならずしも一義的なものでなく、いわゆる重掘
削作業、軽掘削作業などに応じて異なった圧力を取り得
るものであり、また必要に応じて所定の圧力範囲として
予め記憶されるか、あるいはオペレータにより設定変更
できるようにしてもよい。
さらに、通常作業時の流量増加速度に対応する増分の
最大値ΔθmaxまたはΔqmaxは、これも一義的なもので
なく、重掘削作業、軽掘削作業など作業の種類を考慮し
た値、または最大流量増加速度に対応する増分に設定し
得るものであり、またオペレータが設定変更できるよう
にしてもよい。
また、上記実施例では、油圧ポンプの吐出圧力を検出
して負荷の急減を検出する構成にしてあるが、これに限
らず、アクチュエータの負荷圧力を直接検出するか、あ
るいはバケット等の作業部材表面の応力変化を検出する
構成にしてもよい。
また、上記実施例では、制御ユニット40のROM40cに流
量増加速度の制限制御を行うための複数の異なる増分を
記憶し、選択指令器28の指令でその1つを選択するよう
に構成しているが、ROM40cには通常作業の最大速度に対
応する増分の最大値とそれより小さい1つの増分を記憶
し、これらを選択指令器28の操作で通常操作モードと流
量増加速度の制限制御モードの一方を選択することによ
り使い分ける構成としてもよい。すなわち、通常操作モ
ードが選択されたときには増分の最大値が設定され、流
量増加速度の制限制御モードが選択されたときにはその
最大値より小さい増分が設定される。
さらにまた、圧力補償弁の駆動部は閉弁方向作動では
なく開弁方向作動であってもよく、この場合は、制御力
が大きくなると補償差圧目標値が大きくなることから、
これに対応して特性の方向を逆にする修正を行えばよ
い。
産業上の利用可能性 本発明の建設機械の油圧駆動装置は、以上のように構
成してあることから、通常作業では生じない急激な負荷
の低下に伴う油圧アクチュエータ速度の急激な増加を防
止することができ、これにより通常作業中に通常作業と
は異なる不測の事態を生じて負荷が急激に低下した場合
でも油圧アクチュエータの速度が不必要に早くなること
がなく、この油圧アクチュエータによって駆動される作
動体の上述の負荷低下による衝突を緩和させることがで
き、したがって当該油圧駆動装置が備えられる建設機械
の本体および油圧系統に対する衝撃負荷を小さくするこ
とができ、それ故従来に比べて当該建設機械の寿命を長
く保つことができるとともに、本体に設けられる運転室
内のオペレータの疲労を軽減させることができる。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変容量型の油圧ポンプ(1)と、この油
    圧ポンプから吐出される圧油により駆動される油圧アク
    チュエータ(6)と、このアクチュエータに供給される
    圧油の流量を制御する流量制御手段(2;8,10)と、前記
    アクチュエータの負荷が増大するとポンプ吐出流量が減
    少し、負荷が減少するとポンプ吐出流量が増大するよう
    前記油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御手段
    (2,40,42)とを備える建設機械の油圧駆動装置におい
    て、 前記アクチュエータ(6)に加わる負荷の大きさを検出
    する第1の検出手段(24)と、 前記第1の検出手段からの信号に基づきアクチュエータ
    の負荷の急減を監視し、アクチュエータが負荷の急減に
    係わる所定の状態に達したと判断されたときに、前記ア
    クチュエータに供給される圧油の流量の増加速度を制限
    するよう前記流量制御手段(2;8,10)を制御する流量制
    御手段(43)とを備えることを特徴とする建設機械の油
    圧駆動装置。
  2. 【請求項2】前記流量制御手段が前記ポンプ流量制御手
    段(2)を含む請求の範囲第1項記載の建設機械の油圧
    駆動装置において、前記流量制限手段は、前記アクチュ
    エータ(6)が負荷の急減に係わる所定の状態に達した
    と判断されたときに前記ポンプ流量制御手段(2)によ
    り制御される前記油圧ポンプ(1)の吐出流量の増加速
    度を制限するポンプ流量制限手段(43)であることを特
    徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  3. 【請求項3】前記ポンプ流量制御手段が前記油圧ポンプ
    (1)の入力トルク制限制御のための第1の押しのけ容
    積目標値(θT)を演算する手段(42)を含む請求の範
    囲第2項記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記
    ポンプ流量制限手段は、前記ポンプ吐出量の増加速度を
    制限するための第2の押しのけ容積目標値(θc)を演
    算する手段(43)と、前記第1の押しのけ容積目標値と
    第2の押しのけ容積目標値の小さい方の値を選択し、こ
    れを押しのけ容積指令値(θr)として出力する手段
    (45)とを含むことを特徴とする建設機械の油圧駆動装
    置。
  4. 【請求項4】前記流量制御手段が前記油圧ポンプ(1)
    からアクチュエータ(6)に供給される圧油の流量を制
    御する流量制御弁(8)と、前記流量制御弁の前後差圧
    を制御する圧力補償弁(10)とを含む請求の範囲第1項
    記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記流量制限
    手段は、前記アクチュエータ(6)が負荷の急減に係わ
    る所定の状態に達したと判断されたときに前記圧力補償
    弁(10)の開弁方向の駆動速度を制御し、前記流量制御
    弁(8)の通過流量の増加速度を制限する弁制御手段
    (52)であることを特徴とする建設機械の油圧駆動装
    置。
  5. 【請求項5】前記油圧ポンプ(1)の吐出圧力と前記ア
    クチュエータ(6)の負荷圧力との差圧を検出する第2
    の検出手段(25)と、前記差圧が減少すると前記圧力補
    償弁(10)の補償差圧目標値が小さくなり、差圧が増加
    すると該補償差圧目標値が大きくなる第1の制御力目標
    値(iLS)を演算する手段(51)とをさらに備えた請求
    の範囲第4項記載の建設機械の油圧駆動装置において、
    前記弁制限手段は、前記流量制御弁(8)の通過流量の
    増加速度を制限するための第2の制御力目標値(ic)
    を演算する手段(52)と、前記第1の制御力目標値(iL
    S)と第2の制御力目標値(ic)の小さい方の値を選択
    し、これを指令値(ir)として出力する手段(53)と
    を含むことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  6. 【請求項6】請求の範囲第1項記載の建設機械の油圧駆
    動装置において、前記流量制限手段は、通常作業のため
    の流量増加速度を与える第1の流量の増分(Δθmax)
    およびこの第1の流量の増分より小さい第2の流量の増
    分(Δθ)を設定する設定手段(S5,S8)と、前記アク
    チュエータ(6)が負荷の急減に係わる所定の状態に達
    したと判断されないときには前記第1の流量の増分を選
    択し、所定の状態に達したと判断されたときに前記第2
    の流量の増分を選択する選択手段(S3,S4)と、前記選
    択された流量の増分に基づいて前記アクチュエータに供
    給される流量の制御目標値を演算する演算手段(S10)
    とを含むことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  7. 【請求項7】請求の範囲第6項記載の建設機械の油圧駆
    動装置において、前記設定手段は、複数の異なる流量の
    増分を記憶する手段(40c)と、外部から操作可能であ
    り、その操作により前記複数の増分の1つを前記第2の
    流量の増分(Δθ)として選択する手段(28)とを含む
    ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  8. 【請求項8】請求の範囲第6項記載の建設機械の油圧駆
    動装置において、前記第2の流量の増分(Δθ)は0で
    あることを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  9. 【請求項9】請求の範囲第6項記載の建設機械の油圧駆
    動装置において、前記第2の流量の増分(Δθ)は時間
    的な可変値であることを特徴とする建設機械の油圧駆動
    装置。
  10. 【請求項10】請求の範囲第1項記載の建設機械の油圧
    駆動装置において、前記流量制限手段(43)は、前記第
    1の検出手段(24)からの信号に基づき前記アクチュエ
    ータ(6)の負荷の大きさの減少速度(Pv)を演算する
    手段(S2)と、前記減少速度が所定値(Pvth)より大き
    くかつアクチュエータの負荷(Pmax)が所定値(Pth)
    より大きいときに前記アクチュエータが負荷の急減に係
    わる所定の状態に達したと判断する手段(S3,S4)とを
    含むことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  11. 【請求項11】請求の範囲第1項記載の建設機械の油圧
    駆動装置において、前記流量制限手段(43)は、前記第
    1の検出手段(24)により検出されたアクチュエータ
    (6)の負荷(Pmax)が所定値(Pth)より大きいとき
    に前記アクチュエータが負荷の急減に係わる所定の状態
    に達したと判断する手段(S4)を含むことを特徴とする
    建設機械の油圧駆動装置。
  12. 【請求項12】請求の範囲第1項記載の建設機械の油圧
    駆動装置において、前記第1の検出手段は前記油圧ポン
    プ(1)の吐出圧力(P)を検出する手段(24)である
    ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
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