JP2802113B2 - 耐力壁構造 - Google Patents
耐力壁構造Info
- Publication number
- JP2802113B2 JP2802113B2 JP23315289A JP23315289A JP2802113B2 JP 2802113 B2 JP2802113 B2 JP 2802113B2 JP 23315289 A JP23315289 A JP 23315289A JP 23315289 A JP23315289 A JP 23315289A JP 2802113 B2 JP2802113 B2 JP 2802113B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- angle
- panel
- load
- anchor
- bearing wall
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は長手方向に空洞部を形成した穴あきコンクリ
ートパネル(以下、単にパネルまたは穴あきパネルとい
う)により構成される耐力壁構造に関するもので、主と
して中低層建築物の壁として利用される。
ートパネル(以下、単にパネルまたは穴あきパネルとい
う)により構成される耐力壁構造に関するもので、主と
して中低層建築物の壁として利用される。
住宅、その他中低層建築物用の耐力壁構造として、出
願人は特開昭63−206538号公報において、鉛直に立てた
パネルを複数枚並べ、該パネルの表面に渡した形鋼をボ
ルトによりパネルに固着して壁を構成したものを開示し
ている。
願人は特開昭63−206538号公報において、鉛直に立てた
パネルを複数枚並べ、該パネルの表面に渡した形鋼をボ
ルトによりパネルに固着して壁を構成したものを開示し
ている。
また、コンクリートパネルとしては軽量化などの観点
から長手方向に空洞部を形成した穴あきパネルが使用さ
れることが多く、パネル下端の定着をアンカー筋を利用
して行う場合、該アンカー筋がパネルの空洞部に入り込
むようにしてパネルの建て込みを行い、間隙にはモルタ
ルなどのグラウト材を充填するといった方法を用いるこ
とが多い(特開平1−71926号公報第4図〜第6図参
照)。
から長手方向に空洞部を形成した穴あきパネルが使用さ
れることが多く、パネル下端の定着をアンカー筋を利用
して行う場合、該アンカー筋がパネルの空洞部に入り込
むようにしてパネルの建て込みを行い、間隙にはモルタ
ルなどのグラウト材を充填するといった方法を用いるこ
とが多い(特開平1−71926号公報第4図〜第6図参
照)。
しかし、上述のような穴あきパネルを使用した耐力壁
構造において、パネル下端に配置できるアンカー筋の数
量に上限があるため、アンカー筋のみで壁の水平耐力を
持たせるのには限界がある。
構造において、パネル下端に配置できるアンカー筋の数
量に上限があるため、アンカー筋のみで壁の水平耐力を
持たせるのには限界がある。
また、パネルを結合するために横方向に渡した形鋼は
剛性が大きすぎると、コストの問題の他、固着用のボル
トの破断が先行し、壁に損傷を起こす可能性がある。
剛性が大きすぎると、コストの問題の他、固着用のボル
トの破断が先行し、壁に損傷を起こす可能性がある。
本発明は従来の耐力壁構造における上述のような問題
点を解決することを目的とし、穴あきコンクリートパネ
ルを利用した壁構造の構造要素を鋼に依存させることに
より、構造物全体として靭性型の挙動を示し、経済的で
かつ安全性の高い耐力壁構造を提供するものである。
点を解決することを目的とし、穴あきコンクリートパネ
ルを利用した壁構造の構造要素を鋼に依存させることに
より、構造物全体として靭性型の挙動を示し、経済的で
かつ安全性の高い耐力壁構造を提供するものである。
本発明の耐力壁構造は、長手方向に空洞部を形成した
所定幅の穴あきパネルを鉛直方向に立て、横方向に複数
枚並べて構成される耐力壁において、前記各穴あきパネ
ルの空洞部に基礎から立上るアンカー筋を挿入し、グラ
ウト材を充填することにより定着するとともに、横方向
に並べた前記パネルの表面にアングルを渡し、各パネル
の幅方向両端部近傍をボルトで固定することにより前記
各パネルを結合して構成してなり、前記アンカー筋の定
着長は前記グラウト材とアンカー筋の付着力が該アンカ
ー筋の引張強度以上となる長さであり、前記アングル
は、前記アンカー筋が降伏する値以上で、前記ボルトが
破断する値以下の水平力が、前記穴あきパネルに加わっ
たときに変形するような剛性を有することを特徴とする
ものである。
所定幅の穴あきパネルを鉛直方向に立て、横方向に複数
枚並べて構成される耐力壁において、前記各穴あきパネ
ルの空洞部に基礎から立上るアンカー筋を挿入し、グラ
ウト材を充填することにより定着するとともに、横方向
に並べた前記パネルの表面にアングルを渡し、各パネル
の幅方向両端部近傍をボルトで固定することにより前記
各パネルを結合して構成してなり、前記アンカー筋の定
着長は前記グラウト材とアンカー筋の付着力が該アンカ
ー筋の引張強度以上となる長さであり、前記アングル
は、前記アンカー筋が降伏する値以上で、前記ボルトが
破断する値以下の水平力が、前記穴あきパネルに加わっ
たときに変形するような剛性を有することを特徴とする
ものである。
以下、その概要を実施例に対応する図面の符号を用い
て説明する。
て説明する。
本発明の耐力壁は長手方向に空洞部2を形成した所定
幅、複数枚の穴あきコンクリートパネル1から構成され
るもので、パネル1を鉛直方向に立て、下端を基礎10よ
り立上るアンカー筋3で定着するとともに、パネル1の
表面横方向に渡したアングル4をボルト5でパネル1に
固定することにより、いかだ状に結合したものである。
幅、複数枚の穴あきコンクリートパネル1から構成され
るもので、パネル1を鉛直方向に立て、下端を基礎10よ
り立上るアンカー筋3で定着するとともに、パネル1の
表面横方向に渡したアングル4をボルト5でパネル1に
固定することにより、いかだ状に結合したものである。
このように構成することにより、地震などの水平力に
対して初期はアンカー筋3で抵抗し、アンカー筋3が降
伏し、変形が進んだ後はアングル4も抵抗する靭性型の
抵抗機構となっている。
対して初期はアンカー筋3で抵抗し、アンカー筋3が降
伏し、変形が進んだ後はアングル4も抵抗する靭性型の
抵抗機構となっている。
アンカー筋3の定着長はグラウト材6とアンカー筋3
の付着力が該アンカー筋3の引張強度以上となる長さと
する。すなわち、アンカー筋3がその強度内で抜け出さ
ない長さとする。
の付着力が該アンカー筋3の引張強度以上となる長さと
する。すなわち、アンカー筋3がその強度内で抜け出さ
ない長さとする。
アンカー筋3としては施工性、付着性能、曲げ性能な
どからD10〜D19の寸法の異形棒鋼が好ましく、その場合
パネル1の下端におけるグラウト材による定着長lは異
形棒鋼の鉄筋径dに対し、 18d≦l≦50d ……(1) となるようにする。
どからD10〜D19の寸法の異形棒鋼が好ましく、その場合
パネル1の下端におけるグラウト材による定着長lは異
形棒鋼の鉄筋径dに対し、 18d≦l≦50d ……(1) となるようにする。
また、パネル1を横方向に連結するアングル4の寸法
については、以下の条件のもとに設計を行う。
については、以下の条件のもとに設計を行う。
すなわち、アングル4には、アンカー筋3が降伏する
値以上で、かつボルト5が破断する値以下の水平力が、
穴あきパネル1に加わったときに変形するような剛性を
有するものを用いるものとする。
値以上で、かつボルト5が破断する値以下の水平力が、
穴あきパネル1に加わったときに変形するような剛性を
有するものを用いるものとする。
この条件はボルト5の破断がアングル4の降伏に先行
しないようにすることを意味する。
しないようにすることを意味する。
第1図〜第3図は本発明の耐力壁の機能を示したもの
であり、本発明の耐力壁に対して水平力が作用した場
合、アンカー筋3の弾性範囲内では、水平力Pと水平変
位δの関係は第3図の直線立ち上がり部分で示される。
であり、本発明の耐力壁に対して水平力が作用した場
合、アンカー筋3の弾性範囲内では、水平力Pと水平変
位δの関係は第3図の直線立ち上がり部分で示される。
さらに大きな水平力が作用し、アンカー筋3が降伏す
ると、耐力壁は第1図に示すように変形し、アングル4
の曲げ剛性により抵抗する。このとき、各パネル1はア
ンカー筋3およびアングル4の剛性に比べて十分大きい
剛性を有するため、剛体回転に近い動きをする。
ると、耐力壁は第1図に示すように変形し、アングル4
の曲げ剛性により抵抗する。このとき、各パネル1はア
ンカー筋3およびアングル4の剛性に比べて十分大きい
剛性を有するため、剛体回転に近い動きをする。
このときの水平力Pと水平変位δの関係は第3図のよ
うになり、アンカー筋3による水平耐力が一次設計とし
て与えられ、耐力壁全体として必要な水平耐力はアンカ
ー筋3の降伏後、アングル4の剛性によって与えられ
る。第2図(a),(b)はアンカー筋3とアングル4
に分け、それぞれについての水平力Pと水平変位δとの
関係を示したものである。
うになり、アンカー筋3による水平耐力が一次設計とし
て与えられ、耐力壁全体として必要な水平耐力はアンカ
ー筋3の降伏後、アングル4の剛性によって与えられ
る。第2図(a),(b)はアンカー筋3とアングル4
に分け、それぞれについての水平力Pと水平変位δとの
関係を示したものである。
以下、図示した実施例について説明する。
第7図〜第9図は本発明の実施例における耐力壁と基
礎との関係を示したもので、基礎10上に複数枚のパネル
1を並べ耐力壁を構成している。パネル1は第8図およ
び第9図に示すように空洞部2を有する穴あきコンクリ
ートパネルであり、基礎10から立上るアンカー筋3がそ
の空洞部2に入り込み、グラウト材6としてのモルタル
により、その定着が図られている。図中、7は目地モル
タル、8は敷モルタルである。
礎との関係を示したもので、基礎10上に複数枚のパネル
1を並べ耐力壁を構成している。パネル1は第8図およ
び第9図に示すように空洞部2を有する穴あきコンクリ
ートパネルであり、基礎10から立上るアンカー筋3がそ
の空洞部2に入り込み、グラウト材6としてのモルタル
により、その定着が図られている。図中、7は目地モル
タル、8は敷モルタルである。
第10図〜第12図は耐力壁と床板13との関係を示したも
ので、パネル1の表面にアングル4を渡し、ボルト5で
アングル4をパネル1表面に固定することにより、複数
枚のパネル1をいかだ状に連結している。アングル4は
床板13の支持も兼ねており、水平に渡したコンクリート
パネル14の端部を支持している。図中、15はシヤーコネ
クターであり、パネル14上には鉄筋メッシュ16を配置
し、現場打ちのコンクリート17が打設される。
ので、パネル1の表面にアングル4を渡し、ボルト5で
アングル4をパネル1表面に固定することにより、複数
枚のパネル1をいかだ状に連結している。アングル4は
床板13の支持も兼ねており、水平に渡したコンクリート
パネル14の端部を支持している。図中、15はシヤーコネ
クターであり、パネル14上には鉄筋メッシュ16を配置
し、現場打ちのコンクリート17が打設される。
本実施例において、パネル1の厚さは120mmであり、
アンカー筋3としてはD16を用い、定着長は640mm(≒40
d)としている。なお、図示していないが、アンカー筋
3の下端は90゜に折り曲げ引き抜きに抵抗させている。
アンカー筋3としてはD16を用い、定着長は640mm(≒40
d)としている。なお、図示していないが、アンカー筋
3の下端は90゜に折り曲げ引き抜きに抵抗させている。
アングル4としては100mm×100mm×10mmのサイズのア
ングルを用い、ボルト5としてはM16の高張力ボルトを
用いている。隣り合うパネル1のボルト間の間隔は262m
mである。
ングルを用い、ボルト5としてはM16の高張力ボルトを
用いている。隣り合うパネル1のボルト間の間隔は262m
mである。
次に、具体的な数値を挙げて説明する。
アンカー筋3としてD10〜D19の寸法の異形棒鋼につい
て必要な定着長lを与える(1)式の条件は次のように
して与えられる。
て必要な定着長lを与える(1)式の条件は次のように
して与えられる。
アンカー筋回りのグラウト材の付着応力度は、 として求められ、これにグラウト材としてのモルタルの
圧縮強度を500kg/cm2以上と考え、FC=500を代入する
と、かっこ内の左辺について(500/10)×1.5=75(kg/
cm2)、右辺について(13.5+500/25)×1.5=50.25(k
g/cm2)となり、安全側をとり付着応力度を50kg/cm2と
する。
圧縮強度を500kg/cm2以上と考え、FC=500を代入する
と、かっこ内の左辺について(500/10)×1.5=75(kg/
cm2)、右辺について(13.5+500/25)×1.5=50.25(k
g/cm2)となり、安全側をとり付着応力度を50kg/cm2と
する。
材質SD35の異形棒鋼について、グラウト材とアンカー
筋の付着力と、その引張強度(この値はアンカー筋が降
伏する荷重)を等しく〔(周長×定着長l×50=断面積
×ft)〕おくと、鉄筋の短期引張応力度ftは3500kg/cm2
なので、径の小さい側のD10(鉄筋径1cm)について、 3.0(cm)×l×50(kg/cm2)=0.71(cm2)×3500(kg/cm2)=2485(kg) ∴ l=16.56(cm)≒17d(dは鉄筋径) 径の大きい側のD19について、 6.0(cm)×l×50(kg/cm2)=2.87(cm2)×3500(kg/cm2) ∴ l=33.48(cm)≒18d となる。
筋の付着力と、その引張強度(この値はアンカー筋が降
伏する荷重)を等しく〔(周長×定着長l×50=断面積
×ft)〕おくと、鉄筋の短期引張応力度ftは3500kg/cm2
なので、径の小さい側のD10(鉄筋径1cm)について、 3.0(cm)×l×50(kg/cm2)=0.71(cm2)×3500(kg/cm2)=2485(kg) ∴ l=16.56(cm)≒17d(dは鉄筋径) 径の大きい側のD19について、 6.0(cm)×l×50(kg/cm2)=2.87(cm2)×3500(kg/cm2) ∴ l=33.48(cm)≒18d となる。
以上よりアンカー筋3の定着長lは18d以上とすれば
よいことが分かる。すなわち、アンカー筋を降伏させる
ためには定着長はアンカー筋の引張強度に相当する付着
力を与える長さがあれば、抜け出しのおそれがない。上
限としては50d程度あれば十分で、それ以上あっても経
済的に無駄となる。
よいことが分かる。すなわち、アンカー筋を降伏させる
ためには定着長はアンカー筋の引張強度に相当する付着
力を与える長さがあれば、抜け出しのおそれがない。上
限としては50d程度あれば十分で、それ以上あっても経
済的に無駄となる。
従って、18d≦l≦50dとなる。
また、パネル1を横方向に連結するアングル4の寸法
については、前述のように長期荷重に対処でき、すなわ
ち床荷重を受け持つのに十分な大きさを有するととも
に、短期荷重に対しては壁(パネル)に損傷を起こさな
い(ボルトの破断が先行しない)だけの大きさとすると
いう考えに基づいている。
については、前述のように長期荷重に対処でき、すなわ
ち床荷重を受け持つのに十分な大きさを有するととも
に、短期荷重に対しては壁(パネル)に損傷を起こさな
い(ボルトの破断が先行しない)だけの大きさとすると
いう考えに基づいている。
長期荷重については、床の単位荷重を0.545t/m2〜0.5
80t/m2、スパンを4.5m〜6.2mと考えると、第4図に示す
ように、単位m当たり、アングルの受ける床荷重は、ス
パンの半分の荷重がかかるので、 0.545(t/m2)×4.5(m)/2=1.226(t/m) 〜0.580(t/m2)×6.2(m)/2=1.798(t/m) となる。
80t/m2、スパンを4.5m〜6.2mと考えると、第4図に示す
ように、単位m当たり、アングルの受ける床荷重は、ス
パンの半分の荷重がかかるので、 0.545(t/m2)×4.5(m)/2=1.226(t/m) 〜0.580(t/m2)×6.2(m)/2=1.798(t/m) となる。
大きい方の1.798t/mを用いて計算すると(かっこ内は
1.226t/mを用いて計算した値)、アングルの出をL(c
m)として、単位m(100cm)あたり、アングルを構成す
る部材に生ずる最大の曲げモーメントは、 M=1.798(t/m)×1(m)×L(cm)=1.798×L(t・cm) (1.226×L) であり、材質SS41のアングルの場合、曲げ応力度σbと
断面係数Zの関係から、σbは1.6t/cm2なので、 この式から、 Z=1.124L(cm3) (0.767L) アングルの鋼材の必要厚さをxとすると、 Z=100(cm)×x2/6 ∴x=0.26L1/2(cm) (0.215L1/2) ……
(2) アングルのxとLは、式(2)を満足するような組合
せのものであればよい。
1.226t/mを用いて計算した値)、アングルの出をL(c
m)として、単位m(100cm)あたり、アングルを構成す
る部材に生ずる最大の曲げモーメントは、 M=1.798(t/m)×1(m)×L(cm)=1.798×L(t・cm) (1.226×L) であり、材質SS41のアングルの場合、曲げ応力度σbと
断面係数Zの関係から、σbは1.6t/cm2なので、 この式から、 Z=1.124L(cm3) (0.767L) アングルの鋼材の必要厚さをxとすると、 Z=100(cm)×x2/6 ∴x=0.26L1/2(cm) (0.215L1/2) ……
(2) アングルのxとLは、式(2)を満足するような組合
せのものであればよい。
使用ボルトをM16とした場合、第5図に示すようにボ
ルト5の出aが25mm以上、床のかかりbが40mm以上必要
なので、アングル4のサイズとしては、規格品の75mm×
75mm×9mm以上が必要となる。なお、上式でL=7.5cmと
おくと、1.798t/mの場合は0.71cm(=7.1mm)、1.226t/
mの場合は0.59cm(=5.9mm)となり、上記アングルのサ
イズ(厚さ9mm)でよいことになる。
ルト5の出aが25mm以上、床のかかりbが40mm以上必要
なので、アングル4のサイズとしては、規格品の75mm×
75mm×9mm以上が必要となる。なお、上式でL=7.5cmと
おくと、1.798t/mの場合は0.71cm(=7.1mm)、1.226t/
mの場合は0.59cm(=5.9mm)となり、上記アングルのサ
イズ(厚さ9mm)でよいことになる。
短期荷重については、高張力ボルトM16の破断強度が1
5.07tであり、隣り合うパネル1のボルト支点間距離c
が262mm(第6図参照)の場合、ボルトが破断する荷重
が加わったときのボルト支点における曲げモーメント
は、 M=15.07(t)×0.262(cm)=3.94(t・cm) 材質SS41のアングルの場合、鋼材の短期引張応力度σt
と、ボルトが破断する荷重に対応する断面係数Zの関係
から、σtは2.4t/cm2なので、 ∴ Z=164(cm3) すなわち、ボルトが破断する荷重に対応する断面係数は
164cm3となり、アングルの断面係数をこの数値以下とす
ることにより、アングルが先に降伏し、ボルトの破断が
先行しないようにすることができる。
5.07tであり、隣り合うパネル1のボルト支点間距離c
が262mm(第6図参照)の場合、ボルトが破断する荷重
が加わったときのボルト支点における曲げモーメント
は、 M=15.07(t)×0.262(cm)=3.94(t・cm) 材質SS41のアングルの場合、鋼材の短期引張応力度σt
と、ボルトが破断する荷重に対応する断面係数Zの関係
から、σtは2.4t/cm2なので、 ∴ Z=164(cm3) すなわち、ボルトが破断する荷重に対応する断面係数は
164cm3となり、アングルの断面係数をこの数値以下とす
ることにより、アングルが先に降伏し、ボルトの破断が
先行しないようにすることができる。
したがって、上述の長期、短期の荷重条件を満たすも
のとして、例えば前記の75mm×75mm×9mmのサイズのア
ングル(Z=12.1cm3)や、100mm×100mm×10mmのサイ
ズのアングル(Z=24.4cm3)を選択することができ
る。
のとして、例えば前記の75mm×75mm×9mmのサイズのア
ングル(Z=12.1cm3)や、100mm×100mm×10mmのサイ
ズのアングル(Z=24.4cm3)を選択することができ
る。
〔発明の効果〕 アンカー筋による水平抵抗力の不足分を、アンカー筋
の降伏後、パネルをいかだ状に連結するアングルの剛性
で補う構造となっており、穴あきパネルを使用した耐力
壁構造の構造要素を鋼に依存させることにより、構造物
全体の挙動が靭性型となり、経済的な設計が可能とな
る。
の降伏後、パネルをいかだ状に連結するアングルの剛性
で補う構造となっており、穴あきパネルを使用した耐力
壁構造の構造要素を鋼に依存させることにより、構造物
全体の挙動が靭性型となり、経済的な設計が可能とな
る。
また、大きな変形能力が得られることから、その地震
エネルギー吸収能力に応じて、地震力を低減することが
できる。
エネルギー吸収能力に応じて、地震力を低減することが
できる。
さらに、地震などの水平力、すなわち短期荷重に対し
て、アングルの強度に対しボルトの破断が先行しない構
造であるため、急激な変形が生じず、壁に損傷を起こす
おそれが少ない。
て、アングルの強度に対しボルトの破断が先行しない構
造であるため、急激な変形が生じず、壁に損傷を起こす
おそれが少ない。
第1図は本発明の耐力壁におけるアンカー筋降伏後の変
形機構を示す正面図、第2図(a),(b)は水平力と
水平変位との関係をそれぞれアンカー筋とアングルにつ
いて個々に示したグラフ、第3図は第1図の変形機構に
おける水平力と水平変位との関係を従来型の構造と比較
して示したグラフ、第4図および第5図は床荷重とアン
グルの寸法との関係を説明するための鉛直断面図、第6
図はボルト破断強度とアングルの寸法との関係を説明す
るための正面図、第7図は本発明の耐力壁と基礎との関
係を示す正面図、第8図は第7図のA部の詳細を示す鉛
直断面図、第9図は同部の水平断面図、第10図は本発明
の耐力壁と床板との関係を示す鉛直断面図、第11図は第
10図のB部の詳細を示す鉛直断面図、第12図は同部の水
平断面図である。 1……コンクリートパネル、2……空洞部、3……アン
カー筋、4……アングル、5……ボルト、6……グラウ
ト材、7……目地モルタル、8……敷モルタル、 10……基礎、13……床板、14……コンクリートパネル、
15……シヤーコネクター、16……鉄筋メッシュ、17……
現場打ちコンクリート
形機構を示す正面図、第2図(a),(b)は水平力と
水平変位との関係をそれぞれアンカー筋とアングルにつ
いて個々に示したグラフ、第3図は第1図の変形機構に
おける水平力と水平変位との関係を従来型の構造と比較
して示したグラフ、第4図および第5図は床荷重とアン
グルの寸法との関係を説明するための鉛直断面図、第6
図はボルト破断強度とアングルの寸法との関係を説明す
るための正面図、第7図は本発明の耐力壁と基礎との関
係を示す正面図、第8図は第7図のA部の詳細を示す鉛
直断面図、第9図は同部の水平断面図、第10図は本発明
の耐力壁と床板との関係を示す鉛直断面図、第11図は第
10図のB部の詳細を示す鉛直断面図、第12図は同部の水
平断面図である。 1……コンクリートパネル、2……空洞部、3……アン
カー筋、4……アングル、5……ボルト、6……グラウ
ト材、7……目地モルタル、8……敷モルタル、 10……基礎、13……床板、14……コンクリートパネル、
15……シヤーコネクター、16……鉄筋メッシュ、17……
現場打ちコンクリート
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/04 E04B 2/56
Claims (1)
- 【請求項1】長手方向に空洞部を形成した所定幅の穴あ
きパネルを鉛直方向に立て、横方向に複数枚並べて構成
される耐力壁において、 前記各穴あきパネルの空洞部に基礎から立上るアンカー
筋を挿入し、グラウト材を充填することにより定着する
とともに、横方向に並べた前記パネルの表面にアングル
を渡し、各パネルの幅方向両端部近傍をボルトで固定す
ることにより前記各パネルを結合して構成してなり、 前記アンカー筋の定着長は前記グラウト材とアンカー筋
の付着力が該アンカー筋の引張強度以上となる長さであ
り、 前記アングルは、前記アンカー筋が降伏する値以上で、
前記ボルトが破断する値以下の水平力が、前記穴あきパ
ネルに加わったときに変形するような剛性を有すること
を特徴とする耐力壁構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23315289A JP2802113B2 (ja) | 1989-09-08 | 1989-09-08 | 耐力壁構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23315289A JP2802113B2 (ja) | 1989-09-08 | 1989-09-08 | 耐力壁構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0396541A JPH0396541A (ja) | 1991-04-22 |
JP2802113B2 true JP2802113B2 (ja) | 1998-09-24 |
Family
ID=16950534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23315289A Expired - Fee Related JP2802113B2 (ja) | 1989-09-08 | 1989-09-08 | 耐力壁構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2802113B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107143124B (zh) * | 2017-07-12 | 2024-02-06 | 上海欧本钢结构有限公司 | 一种超压脚手架钢管 |
-
1989
- 1989-09-08 JP JP23315289A patent/JP2802113B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0396541A (ja) | 1991-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5271197A (en) | Earthquake resistant multi-story building | |
JP4587386B2 (ja) | 既設建物の耐震補強構造 | |
KR102640461B1 (ko) | Pc 조 3 축 압축 기둥 보 접합부의 프리스트레스 도입법 | |
JP2002061282A (ja) | 柱状鉄筋コンクリート構造部材 | |
JP4038472B2 (ja) | 既存建物用制震補強架構及びそれを用いた制震構造物 | |
JP4873981B2 (ja) | 既存建物の耐震補強構造 | |
JP2802113B2 (ja) | 耐力壁構造 | |
Crisafulli et al. | Capacity design of infilled frame structures | |
JP3741975B2 (ja) | 支持杭とフーチングとの接合構造 | |
JP3909432B2 (ja) | Rc系梁ダンパー | |
JP5411375B1 (ja) | 制震柱状体を用いた建物 | |
JP3306226B2 (ja) | 連層耐震壁の付帯柱脚部構造 | |
CN111705954B (zh) | 一种高强度地下剪力墙及其施工方法 | |
CN217841018U (zh) | 剪力墙后开洞加固结构 | |
JP2009155868A (ja) | 建築構造物 | |
JP3909488B2 (ja) | 既存建物の耐震補強構造及びその施工方法 | |
CN217998375U (zh) | 一种用于减小偏心梁柱节点受力的补强构造 | |
TWI798086B (zh) | 消能裝置及抗震結構宅 | |
JP7386367B1 (ja) | 構造物のシステム | |
JP2006022572A (ja) | 既存建物の外フレーム式の耐震補強構造 | |
JPH093917A (ja) | 鋼製橋脚とフーチングとの結合部 | |
KR101319473B1 (ko) | 지압응력과 부모멘트를 저항할 수 있는 지압판 | |
JP2922218B2 (ja) | 耐力壁 | |
KR20090098126A (ko) | 강도 보강용 합성 구조체 | |
JPH02128035A (ja) | Rc造躯体開口部の耐震補強方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090710 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |