JP2802040B2 - セキュリティ装置 - Google Patents

セキュリティ装置

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JP2802040B2
JP2802040B2 JP31861894A JP31861894A JP2802040B2 JP 2802040 B2 JP2802040 B2 JP 2802040B2 JP 31861894 A JP31861894 A JP 31861894A JP 31861894 A JP31861894 A JP 31861894A JP 2802040 B2 JP2802040 B2 JP 2802040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器の盗難を防止
するセキュリティ装置に関し、セキュリティ装置の異常
により盗難でないのに該電子機器が使用不能になること
を防止するセキュリティ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器、特に輸出向けの車載用オーデ
ィオ機器は、盗難の被害を受けやすいため、機器の盗難
防止対策として識別データであるIDコード(Identifi
cationCode)を用いた盗難防止方法がよく採用されてい
る。この盗難防止方法は、オーディオ機器のユーザが任
意のIDコードを手操作により機器の数字キー等から入
力し、機器側はこのIDコードをEEPROM(Electr
ically Erasable Programmble Read Oniy Memory) 等の
メモリに記憶する。そして、機器の電源が一度切断され
た場合、電源再投入時に入力されたIDコードがメモリ
に記憶されているIDコードと合致しない限り機器が起
動し使用できないようになっている。
【0003】即ち、自動車よりオーディオ機器が盗難さ
れる場合、先ず機器が自動車より外され、そして、再び
他の自動車に取り付けられる。これは、機器がバッテリ
より一度外され、そして再びバッテリに接続されること
である。このバッテリの接続状態、即ちこのバッテリの
接続状態の変化を電源の変動により検出し、この状態が
検出された時に上述の盗難防止方法を実行し、正しいI
Dコードが入力されない限り機器が起動しないように
(機器をデッドロック状態に)している。従って、機器
を自動車から持ち去っても、正しいIDコードを知って
いる機器のユーザでなければ機器を起動することができ
ない。そして、このような機能を持っている機器である
ことを自動車や機器に表示する、つまり「セキュリティ
機能あり、持ち去っても無駄」等の表示を自動車や機器
に行うことにより、盗難を行おうとする者の盗難意欲を
衰退させ、盗難防止を図るものである。
【0004】なお、ユーザが機器をバッテリより取外
し、再度取り付けて機器がデッドロック状態になったと
き、ユーザが正しいIDコードを忘れると、自動車メー
カあるいは販売店で特殊なマスターコードを入力しない
と、機器を起動させることができないようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
セキュリティ装置では、ノイズや故障等によりEEPR
OMに記憶させたIDコード等に障害が発生すると、正
しいIDコードを入力してもデッドロック状態が解除で
きなくなり、メーカや販売店に自動車を持込む必要が生
じ、正規の所有者であるにもかかわらず非常な面倒なこ
ととなる。
【0006】本発明は、盗難以外の上述のような障害等
で電子機器が使用できなくなることを防止したセキュリ
ティ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するもので、電子機器の盗難を防止するセキュリ
ティ装置であって、所定の方法で入力されたデータが前
記電子機器の記憶手段に記憶された識別データと所定の
関係にある時に、使用不能状態にある前記電子機器を使
用可能とするセキュリティ装置において、前記記憶手段
の異常を検出する異常検出手段と、前記記憶手段の異常
が検出された時に、前記電子機器を使用可能とする補償
手段とを有することを特徴とする。
【0008】また、前記記憶手段は、1個のプログラマ
ブルロムにより構成され、前記識別データは、該プログ
ラマブルロムの異なったアドレスに複数記憶され、前記
異常検出手段は、該異なったアドレスに記憶された前記
識別データを比較することにより前記記憶手段の異常を
検出することを特徴とする。また、前記記憶手段は、2
個の異なったプログラマブルロムにより構成され、前記
識別データは、該異なったプログラマブルロムの各々に
記憶され、前記異常検出手段は、該異なったプログラマ
ブルロムに記憶された前記識別データを比較することに
より前記記憶手段の異常を検出することを特徴とする。
【0009】また、前記記憶手段には、所定の確認デー
タが記憶され、前記異常検出手段は、該確認データの変
化を検出することにより、前記記憶手段の異常を検出す
ることを特徴とする。また、電子機器の盗難を防止する
セキュリティ装置であって、所定の方法で入力されたデ
ータが前記電子機器の前記記憶手段に記憶された前記識
別データと所定の関係にある時に、使用不能状態にある
前記電子機器を使用可能とするセキュリティ装置におい
て、前記記憶手段に前記識別データを書き込む書込手段
と、前記記憶手段に前記識別データが書き込まれていな
い時には前記電子機器を使用可能とするセキュリティ非
動作手段と、前記記憶手段の異常を検出する前記異常検
出手段と、前記記憶手段の異常が検出時に前記記憶手段
に記憶された前記識別データを消去する消去手段とを有
することを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、識別データが記憶された記憶
手段の異常が異常検出手段により検出された場合は、補
償手段により該電子機器を使用可能とするので、記憶手
段の異常による正規使用者が電子機器を使用できなくな
る事態を回避できる。また、1個のプログラマブルロム
の異なった複数のアドレスに識別データを記憶している
ので、異常検出手段は各識別データを比較することによ
り記憶手段の異常を検出することができる。
【0011】また、2個の異なったプログラマブルロム
の各々に識別データを記憶しているので、異常検出手段
は2個のプログラマブルロムの各々の識別データを比較
することにより記憶手段の異常を検出することができ
る。また、記憶手段には識別データと同時に確認データ
が記憶されているので、異常検出手段は確認データの変
化により記憶手段の異常を検出することができる。
【0012】また、識別データが記憶手段に書き込まれ
ていない時には、セキュリティ非動作手段により電子機
器を使用可能とすることができ、また異常検出手段によ
って記憶手段の異常が検出されたときは、記憶手段に記
憶された識別データが消去手段により消去されるので、
電子機器が使用可能状態となり、記憶手段の異常による
正規使用者が電子機器を使用できなくなる事態を回避で
きる。
【0013】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の一実施例を説明
する。なお、本実施例では自動車用ラジオ受信機を例に
挙げて説明するが、他の電子機器でも適用でき、特に、
マイクロプロセッサ(マイコン)を備えた電子機器で
は、あまりハード構成を追加することなく簡単に適用で
きる。
【0014】図1は、本発明の一実施例を示すラジオ受
信機のブロック図である。アンテナ(ANT)1は放送
波を受信し、高周波増幅回路(RF)2は放送波を選択
し増幅する。混合回路(MIX)3は、局部発振回路
(LO)4からの信号と高周波増幅回路2からの高周波
信号を混合し、放送波を中間周波数に周波数変換する。
中間周波増幅回路(IF)5は、混合回路3からの中間
周波信号を増幅する。検波回路(DET)6は、中間周
波増幅回路5からの中間周波信号を音声信号に変換す
る。低周波増幅回路(AMP)7は、検波器回路6から
の音声信号を増幅し、スピーカ(SP)8からこの音声
信号が出力される。
【0015】マイクロプロセッサ9は、受信周波数の制
御等の受信機の各種制御およびセキュリティ関連動作の
制御を行う。そして、マイクロプロセッサ9はイグニッ
ションスイッチIGSWを介して、また直接にバッテリ
Bに接続されており、バッテリBとの接続状態を監視し
ている。また、マイクロプロセッサ9には、プログラム
やプログラムの実行に必要な各種初期値あるいはセキュ
リティにおけるマスターコードや確認用コード等が記憶
されたROM(Read Oniy Memory) 10が内蔵されてい
る。また、電気的に消去可能な書き込み可能のROMで
あるEEPROM11には、ユーザが指定したプリセッ
ト周波数あるいはセキュリティ動作を行うための識別デ
ータ等が記憶されている。
【0016】スイッチ群12は、シークアップスイッチ
13、シークダウンスイッチ14、プリセットスイッチ
15等からなるラジオ受信機を操作するための入力手段
で、このスイッチ群12により受信周波数の選択、プリ
セット受信の操作、そしてセキュリティ動作のための入
力操作を行う。そして、シークアップスイッチ13の操
作により受信周波数が増加され、シークダウンスイッチ
14の操作により受信周波数が減少される。また、プリ
セットスイッチ15は、プリセット選局用に用いられ、
例えば2番のプリセットスイッチ15を短時間(例えば
2秒以内)操作すれば、2番のプリセットスイッチ15
に対応したEEPROM11に記憶された受信周波数が
そのEEPROM11から読み出され、受信周波数がそ
の読みだした受信周波数に変更され、また2番のプリセ
ットスイッチ15を長時間(例えば2秒以上)操作すれ
ば、2番のプリセットスイッチ15に対応したEEPR
OM11に受信中の受信周波数が書き込まれる。
【0017】また、表示部16には、ラジオ受信機の動
作状態に従った表示が行われ、例えば受信周波数、音量
等を表示し、あるいはセキュリティ機能における各種状
態表示「SEC」「INPUT」等の表示が行われる。
次に、本発明の一実施例のラジオ受信機における、セキ
ュリティ関係の動作について説明する。ラジオ受信機が
セキュリティモードの状態で自動車より外され、そし
て、再び他の自動車に取り付けられた時セキュリティ動
作が働く。即ち、ラジオ受信機がセキュリティモードに
設定されており、ラジオ受信機がバッテリBより一度外
され再びバッテリBに接続された場合に、セキュリティ
動作が働く。具体的には、マイクロプロセッサ9がバッ
テリBの接続状態、即ちこのバッテリBの接続状態の変
化を電源の変動により検出し、この状態が検出された時
にセキュリティ動作を実行する。このセキュリティ動作
が実行されるとラジオ受信機が動作不能となる。つま
り、マイクロプロセッサ9は、予め設定された特殊な操
作を除き各種スイッチ操作等を受け付けなくなる。
【0018】そして、この動作不能状態を解除するに
は、ユーザーが設定した所定のIDコードを入力する
か、あるいはメーカや販売店等にラジオ受信機を持ち込
み、メーカや販売店のみが知らされている特殊なマスタ
ーコードを入力することにより、動作不能状態が解除さ
れラジオ受信機の操作が可能となる。具体的には、ラジ
オ受信機がバッテリBより一度外されており、且つセキ
ュリティモードが設定されている(ラジオ受信機のEE
PROM11にID(識別)コードを記憶されている)
場合、電源を投入するとラジオ受信機は操作不能であ
り、表示部16にセキュリティ機能動作により操作不能
である旨の表示(「SEC」2秒点灯)が行われる。そ
して、IDコードの入力を促す表示(「INPUT」I
Dコードを入力するまで点灯)が行われ、IDコードが
入力されるとセキュリティ機能の解除、つまり、ラジオ
受信機の操作可能状態である旨の表示(「OK」2秒点
灯)が行われた後、通常動作(ラジオ受信機の動作)と
なる。
【0019】なお、間違ったIDコードが入力された場
合は、表示部16にIDコードが異なっている旨とその
回数の表示(「ERR n」2秒点灯)が表示された
後、再度IDコードの入力を促す表示(「INPUT」
IDコードを入力するまで点灯)が行われる。そして、
間違ったIDコードが10回連続して入力された場合
は、異常として販売店に持って行くべき旨の表示(「H
ELP」電源断まで点灯)が行われ、IDコードキャン
セルモードが終了される。
【0020】また、異常として販売店に持って行くべき
旨の表示がなされた場合は、一旦電源を切断してもラジ
オ受信機は動作不能状態となり、販売店でのマスターコ
ードによる解除動作を行わない限り動作不能状態は解除
されない。つまり、IDコード以外のコードの入力は、
9回目まではユーザーの単なるミスとして処理し、10
回目(連続)は盗難者による操作として処理することに
より、盗難防止能力を向上させている。
【0021】また、正しいIDコードが入力された場合
でも、ノイズや機器の故障等によりEEPROM11に
記憶されているIDコードが破壊されることがあり、間
違ったIDコードが入力された場合と同様な判断がなさ
れる。本実施例では、このような場合に対応するため、
複数箇(本実施例では2箇)のIDコードをEEPRO
M11に記憶させ、この2箇のIDコードを比較して相
違するときはEEPROM11等の異常として、これら
のIDコードを消去し、セキュリティ機能を解除して通
常動作(ラジオ受信機の動作)となるように設定されて
いる。
【0022】また、2箇のIDコードの記憶に替えて、
消去不能にROM10に記憶されている確認コードを、
IDコードをEEPROM11に記憶させるときに同時
に記憶させておき、ROM10に記憶されている確認コ
ードとEEPROM11に記憶されている確認コードを
比較してEEPROM11等が異常かどうかを判断する
こともできる。なお、確認コードは、識別コードと異な
り入力する必要がないので、異常を検出し易いように比
較的長く、また異常が検出され易いようなデータ形状の
データ(例えば“010101・・・”等)を用いるこ
とができる。
【0023】次に、本発明のセキュリティモードの設定
およびIDコードの設定方法について説明する。セキュ
リティモードは、ユーザーがID(識別)コードをラジ
オ受信機のEEPROM11に記憶させること(IDコ
ード設定操作)により設定される。つまり、マイクロプ
ロセッサ9は、EEPROM11にデータが記憶されて
いるかどうか(初期状態(通常は0が記憶されている)
かどうか)で、セキュリティモードか否かを判断する。
IDコード設定操作は、ラジオ受信機の電源投入時に、
特殊な操作を行ってIDコード設定モードとし、ラジオ
受信機の表示部16の表示に従い、IDコードとしたい
コードを入力することにより行う。
【0024】具体的には、電源投入時に最初にシークア
ップスイッチ13と1番のプリセットスイッチ15を同
時に操作することによりセキュリティ設定モードに入
り、表示部16にセキュリティ設定モードに入った旨の
表示(「SEC」2秒点灯)が行われる。そしてIDコ
ードの入力を促す表示(「INPUT」IDコードを入
力するまで点灯)が行われ、IDコードとしたいコード
(本実施例では3桁の数字)を入力する(プリセットス
イッチ15の1番(最初の桁)・2番(2桁目)・3番
(最後の桁)を各々1回押す毎に対応する桁の数字が順
に増え、その後シークアップスイッチ13を操作するこ
とによりこの数字が入力される。例えば、プリセットス
イッチ15の1番を3回、2番を2回、3番を7回押す
と「327」が入力される)と、そのコードが識別デー
タとしてEEPROM11に書き込まれる。そして、I
Dコードの設定が終わった旨の表示(「SEC」2秒点
灯)が行われた後、IDコード設定モードが終了され、
通常動作(ラジオ受信機の動作)となる。
【0025】次に、本発明のセキュリティモードの解除
について説明する。セキュリティモードは、EEPRO
M11に記憶されている識別データを消去する(初期状
態とする)ことにより解除される。つまり、マイクロプ
ロセッサ9は、特定の操作が行われれば、EEPROM
11に記憶された識別データの消去を行う。その特定の
操作は、ラジオ受信機の電源投入時に特殊な操作を行っ
てIDコードキャンセルモードとし、ラジオ受信機の表
示部16の表示に従い、前回設定したIDコードあるい
はメーカや販売店のみが知らされている特殊なマスター
コードを入力することにより行う。
【0026】具体的には、電源投入時に最初にシークア
ップスイッチ13と2番のプリセットスイッチ15を同
時に操作することによりセキュリティキャンセルモード
に入り、表示部16にセキュリティキャンセルモードに
入った旨の表示(「SEC」2秒点灯)が行わる。そし
てコードの入力を促す表示(「INPUT」コードを入
力するまで点灯)が行われ、IDコード(またはマスタ
ーコード)を入力する(IDコード(3桁)の入力は、
プリセットスイッチ15の1番(最初の桁)・2番(2
桁目)・3番(最後の桁)を各々1回押す毎に対応する
桁の数字が順に増え、その後シークアップスイッチ13
を操作することによりこの数字が入力される)と、EE
PROM11に書き込まれたIDコードが消去される。
そして、IDコードのキャンセルが終わった旨の表示
(「CANCEL」2秒点灯)が行われた後、IDコー
ドキャンセルモードが終了され、通常動作(ラジオ受信
機の動作)となる。
【0027】なお、間違ったIDコードが入力された場
合は、表示部16にIDコードが異なっている旨とその
回数の表示(「ERR n」2秒点灯)が表示された
後、再度IDコードの入力を促す表示(「INPUT」
IDコードを入力するまで点灯)が行われる。また、間
違ったIDコードが10回連続して入力された場合は、
異常として販売店に持っていく行くべき旨の表示(「H
ELP」電源断まで点灯)が行われ、IDコードキャン
セルモードが終了される。なお、この場合は一旦電源を
切断してもラジオ受信機は動作不能状態となり、販売店
でのマスターコードによる解除動作を行わない限り動作
不能状態は解除されない。つまり、IDコード以外のコ
ードの入力は、9回目まではユーザーの単なるミスとし
て処理し、10回目(連続)は盗難者による操作として
処理することにより、盗難防止能力を向上させている。
【0028】次に、本発明のマスター入力モード(販売
店等による操作不能状態の解除)について説明する。セ
キュリティモード解除の失敗あるいは操作不能状態の解
除の失敗で、表示部16に異常として販売店に持って行
くべき旨の表示(「HELP」電源断まで点灯)が行わ
れた場合は、販売店等が保有するマスターコードを入力
することによって、操作不能状態を解除することができ
る。なお、この場合にはセキュリティモードは解除され
る。つまり、EEPROM11に記憶されているデータ
は消去される。
【0029】具体的には、電源投入時に、表示部16に
マスター入力モードに入った旨の表示(「HELP」点
灯)が行われる。そして、特定操作(シークアップスイ
ッチ13と3番のプリセットスイッチ15の同時に操
作)を行うことにより、マスターコードによる操作不能
解除操作が行えるようになり、マスターコードの入力を
促す表示(「INPUT」マスターコードを入力するま
で点灯)が行われ、マスターコードが入力されるとラジ
オ受信機の操作不能状態が解除され、またEEPROM
11に書き込まれたIDコードが消去される。そして、
操作不能状態の解除が終わった旨の表示(「OK」2秒
点灯)が行われた後、マスターコード入力モードが終了
され、通常動作(ラジオ受信機の動作)となる。
【0030】なお、間違ったマスターコードが入力され
た場合は、表示部16にマスターコードが異なっている
旨とその回数の表示(「ERR n」2秒点灯)が表示
された後、再度マスターコードの入力を促す表示(「I
NPUT」マスターコードを入力するまで点灯)が行わ
れる。次にこれらの動作を実現するために、マイクロプ
ロセッサ9が行う処理について説明する。図2は、マイ
クロプロセッサ5が行う処理のメインルーチンを示すフ
ローチャートである。
【0031】自動車のアクセサリースイッチがオン(イ
グニッションスイッチIGSWの操作により)、あるい
はラジオ受信機の電源スイッチがオン操作されて、ラジ
オ受信機が動作状態となった時にこの処理が開始され、
ステップM1に移る。ステップM1では、IDコードが
設定されているかを判断し、IDコードが設定されてい
なければIDコード設定モード処理に移り、IDコード
が設定されていればステップM2に移る。この判断はE
EPROM11にIDコードが記憶されているかどうか
で行う。
【0032】ステップM2では、ラジオ受信機とバッテ
リBの接続が一旦外されたかどうかを判断し、バッテリ
Bが外されていなければIDコードキャンセルモード処
理に移り、バッテリBが外されていればステップM3に
移る。この判断はマイクロプロセッサ9がバッテリBと
の接続端子(直結側)電圧を監視し、その電圧低下が検
出されたときにそれを記憶しておくことにより行う。
【0033】ステップM3では、マスター持込モードか
どうかを判断し、マスター持込モードでなければ、動作
不能解除モード処理に移り、マスター持込モードであれ
ばマスター入力モード処理に移る。この判断はマイクロ
プロセッサ9が、動作不能解除操作の失敗、IDコード
キャンセル操作の失敗等を記憶しておくことにより行
う。
【0034】以上のような処理により、ラジオ受信機が
動作状態となった時に、(a)IDコードが設定されて
いなければIDコード設定モード処理に移行し、(b)
IDコードが設定されている状態で、ラジオ受信機のバ
ッテリBからの取り外しが検出されていない状態ではI
Dコードキャンセルモード処理に移行し、(c)IDコ
ードが設定されている状態で、ラジオ受信機のバッテリ
Bからの取り外しが検出されており、且つマスター持込
モードでない場合は、動作不能解除モード処理に移行
し、(d)マスター持込モードになっている時は、マス
ター入力モード処理へ移行する。
【0035】次に、IDコード設定モード処理(セキュ
リティモードの設定処理)について説明する。図3は、
マイクロプロセッサ9が行うIDコード設定モード処理
を示すフローチャートである。前述のメインルーチンか
らIDコード設定モード処理に移行すると処理が開始さ
れステップS1に移る。ステップS1では、モードオフ
操作がなされたかどうかを判断し、モードオフ操作がな
されたら、IDコードの設定(EEPROM11へのデ
ータの書込み)は行わず、ラジオ受信機の動作制御を行
う通常動作処理に移行する。そして、モードオフ操作が
なされていなければ、ステップS2に移る。なお、モー
ドオフ操作とは設定開始操作以外の操作で、受信周波数
の選択、プリセット、音量・音質の制御等の、ラジオ受
信機における通常の操作を意味する。
【0036】ステップS2では、IDコード設定開始操
作が行われたかどうかを判断し、行われていればステッ
プS3に移り、行われていなければ通常動作処理に移行
する。なお、IDコード設定開始操作は、予め定めた特
定の操作で、本実施例では前述の如く、シークアップス
イッチ13と1番のプリセットスイッチ15の同時操作
がIDディスク設定開始操作となっている。そして、ス
テップS1、ステップS2の判断は、各スイッチ操作や
IDコードの入力操作検出の割り込み処理により行わ
れ、これらの割り込みにより次の処理へ移行する。
【0037】ステップS3では、IDコード設定モード
に入ったことを示す表示(「SEC」2秒点灯)を行
い、ステップS4に移る。ステップS4では、IDコー
ドの入力指示表示(「INPUT」)を行い、ステップ
S5のIDコード(3桁)が入力される(1番から3番
のプリセットスイッチ15で行う)まで、ステップS
4、ステップS5の処理を繰り返す。そして、IDコー
ドが入力されるとステップS6に移り、IDコードを識
別データとしてEEPROM11の所定の2箇所のアド
レスに書き込み、ステップS7に移る。ステップS7で
は、IDコードの設定が終わった旨の表示(「SEC」
2秒点灯)を行い、通常動作処理に移行する。
【0038】次に、IDコードキャンセルモード処理
(セキュリティモードの解除を兼ねる)について説明す
る。図4は、マイクロプロセッサ9が行うIDコードキ
ャンセルモード処理を示すフローチャートである。前述
のメインルーチンからIDコードキャンセルモード処理
に移行すると処理が開始されステップP1に移る。ステ
ップP1では、モードオフ操作がなされたかどうかを判
断し、モードオフ操作がなされたら、IDコードのキャ
ンセル(EEPROM11のデータの消去)は行わず、
ラジオ受信機の動作制御を行う通常動作処理に移行す
る。そして、モードオフ操作がなされていなければ、ス
テップP2に移る。なお、モードオフ操作とは、前述の
IDコード設定モード処理と同様、設定開始操作以外の
操作で、受信周波数の選択、プリセット、音量・音質の
制御等の、ラジオ受信機における通常の操作を意味す
る。
【0039】ステップP2では、IDコードキャンセル
開始操作が行われたかどうかを判断し、行われていれば
ステップP3に移り、行われていなければ通常動作処理
に移行する。なお、IDコードキャンセル開始操作は、
予め定めた特定の操作で、本実施例では前述の如く、シ
ークアップスイッチ13と2番のプリセットスイッチ1
5の同時操作がIDディスクキャンセル開始操作となっ
ている。そして、ステップP1、ステップP2の判断
は、各スイッチ操作やIDコードの入力操作検出の割り
込み処理により行われ、これらの割り込みにより次の処
理へ移行する。
【0040】ステップP3では、EEPROM11の所
定の2個のアドレスに記憶している2個のIDコードを
比較する。ステップP4では、ステップP3で行った2
個のIDコードの一致・不一致によりEEPROM11
に異常が検出されたかどうかを判断する(不一致なる異
常)。そして、異常が検出されるとステップP5に移
り、異常が検出されなければステップS7に移る。即
ち、EEPROM11の異なる2箇所に記憶している2
個のIDコードを比較して相違する場合は、ノイズや故
障等によりEEPROM11等に異常が発生したものと
判断する。
【0041】ステップP5では、EEPROM11に記
憶しているIDコードを消去し、ステップP6に移り、
EEPROM11の異常によりIDコードを消去した旨
の表示(「CANCEL」2秒点灯)を行い、通常動作
処理に移行する。ステップP7では、IDコードキャン
セルモード処理に入ったことを示す表示(「SEC」2
秒点灯)を行い、ステップP8に移る。ステップP8で
は、IDコードの入力指示表示(「INPUT」)を行
い、ステップP9でIDコード(3桁)が入力されたと
判断されるまで、ステップP8、ステップP9の処理を
繰り返す。そして、IDコードが入力されるとステップ
P10に移り、入力されたIDコードがEEPROM1
1に記憶されているIDコードと一致するかを判断す
る。そしてIDコードが一致すれば、ステップP11に
移りEEPROM11に記憶されたIDコードを消去す
る。そして、ステップP12でIDコードのキャンセル
が終わった旨の表示(「CANCEL」2秒点灯)を行
った後、通常動作処理に移行する。
【0042】ステップP10で、入力されたIDコード
がEEPROM11に記憶されているIDコードと一致
しないと判断されると、ステップP13に移り、IDコ
ードの不一致が10回連続したかを判断する。そして、
IDコードの不一致が10回連続すれば、ステップP1
4に移り、異常として販売店等に持っていく旨の表示
(「HELP」電源断まで点灯)を行い、マスター入力
モード処理に移行する。また、ステップP13で、ID
コードの不一致が10回連続以外の場合は、ステップP
15に移り、IDコードが異なっている旨とその回数の
表示(「ERRn」2秒点灯)を行い、ステップP8に
戻り処理を継続する。
【0043】次に、動作不能解除モード処理について説
明する。図5は、マイクロプロセッサ9が行う動作不能
解除モード処理を示すフローチャートである。前述のメ
インルーチンから動作不能解除モード処理に移行すると
処理が開始されステップQ1に移る。ステップQ1では
EEPROM11の所定の2箇所に記憶している2個の
IDコードを比較する。ステップQ2では、ステップQ
1で行った2個のIDコードの一致・不一致によりEE
PROM11に異常が検出されたかどうかを判断する
(不一致なら異常)。そして、異常が検出されるとステ
ップQ3に移り、異常が検出されなければステップQ5
に移る。即ち、EEPROM11の異なる2箇所に記憶
している2個のIDコード、あるいは異なる2個のEE
PROM11の各々に記憶している2個のIDコードを
比較して相違する場合は、ノイズや故障等によりEEP
ROM11等に異常が発生したものと判断する。ステッ
プQ3では、EEPROM11に記憶しているIDコー
ドを消去し、ステップQ4に移り、EEPROM11の
異常によりIDコードを消去した旨の表示(「CANC
EL」2秒点灯)を行い、IDコード設定モード処理に
移行する。
【0044】ステップQ5では、IDコードの入力指示
表示(「INPUT」)を行い、ステップQ6でIDコ
ードが入力されたと判断されるまで、ステップQ5、ス
テップQ6の処理を繰り返す。そして、IDコードが入
力されるとステップQ7に移り、入力されたIDコード
がEEPROM11に記憶されているIDコードと一致
するかを判断する。そしてIDコードが一致するすれ
ば、ステップQ8に移り動作不能状態を解除して(バッ
テリBから外された記憶を消去する)、動作不能解除処
理が終わった旨の表示(「OK」2秒点灯)を行なった
後、通常動作処理に移行する。
【0045】ステップQ7で、入力されたIDコードが
EEPROM11に記憶されているIDコードと一致し
ないと判断されると、ステップQ9に移り、IDコード
の不一致が10回連続したかを判断する。そして、ID
コードの不一致が10回連続すれば、ステップQ10に
移り、異常として販売店等に持っていく旨の表示(「H
ELP」電源断まで点灯)を行い、マスター入力モード
処理に移行する。また、ステップQ9で、IDコードの
不一致が10回連続以外の場合は、ステップQ11に移
り、IDコードが異なっている旨とその回数の表示
(「ERR n」2秒点灯)を行い、ステップQ5に戻
り処理を継続する。
【0046】次に、マスター入力モード処理について説
明する。図6は、マイクロプロセッサ9が行うマスター
入力モード処理を示すフローチャートである。前述のメ
インルーチンからマスター入力モード処理に移行すると
処理が開始されステップR1に移る。ステップR1で
は、マスター入力モードに入ったことを示す表示(「H
ELP」2秒点灯)を行い、ステップR2に移る。ステ
ップR2では、マスター入力開始操作が行われたかどう
かを判断し、行われればステップR3に移り、行われな
ければ行われるまでステップR1、ステップR2の処理
を繰り返す。なお、マスター入力開始操作は、予め定め
た特定の操作で、本実施例では前述の如く、シークアッ
プスイッチ13と3番のプリセットスイッチ15の同時
操作がマスター入力開始操作となっている。
【0047】ステップR3では、マスターコードの入力
指示表示(「INPUT」)を行い、ステップR4でマ
スターコードが入力されたと判断されるまで、ステップ
R3、ステップR4の処理を繰り返す。そして、マスタ
ーコードが入力されるとステップR5に移る。ステップ
R5では、入力されたマスターコードがマイクロプロセ
ッサ9内のROMに記憶された消去不能のマスターコー
ドと一致するか判断する。そして、マスターコードが一
致すれば、ステップR6に移りEEPROM11のID
コードを消去する。そしてステップR7でマスター入力
処理が終わった旨の表示(「OK」2秒点灯)を行なっ
た後、通常動作処理に移行する。また、ステップR5で
マスターコードが一致しなければ、ステップR3に戻り
処理を継続する。
【0048】以上のような処理により、前述のセキュリ
ティ動作、セキュリティモードの設定(IDコードの設
定)、セキュリティモードの解除(IDコードのキャン
セル)等が実現できる。以上詳細に説明したように本実
施例においては、EEPROM11の異なるアドレスに
IDコードを記憶させ、これらのIDコードを比較して
相違する場合は、EEPROM11等の異常と判断し、
EEPROM11に記憶されているIDコードを消去す
ることによりセキュリティ動作を解除し、通常の動作状
態としているので、正規使用者であるにも係わらずラジ
オ受信機が操作不能となる事態を回避できる。
【0049】また、本実施例では、同じEEPROM1
1の異なったアドレスに同じIDコードを記憶させ比較
することによりEEPROM11等の異常を検出した
が、異なる複数のEEPROMの各々にIDコードを記
憶させ、これらのIDコードを比較してEEPROM等
が異常かどうかを判断することも可能である。なお、こ
の構成の場合、EEPROM自体の異常により、例え
ば、データライン上の異常により異なったアドレスに対
しても同様にデータが変化するような異常に対しても、
異なったEEPROMを使用しているためEEPROM
等の異常を検出できる。
【0050】また、上記実施例ではEEPROM11の
異なるアドレスや、異なるEEPROM11に各々ID
コードを記憶させているが、消去不能にROM10に記
憶させている確認コードを、IDコードの入力と同時に
EEPROM11に記憶させ、ROM10の確認コード
とEEPROM11の確認コードを比較してEEPRO
M11等が異常かどうかを判断することも可能である。
つまり確認コードが相違する場合は、EEPROM11
等の異常と判断し、EEPROM11のアドレスに記憶
されているIDコードを消去することによりセキュリテ
ィ動作を解除し、通常の動作状態とする。そして、この
場合には確認コードを異常が検出し易いようなコード体
系、例えば、2進コードで「1010・・・」のような
1と0が交互となるコードで、また比較的長いコードと
することにより、EEPROM等の異常検出能力が向上
する。
【0051】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、セキュリティ装置において、ノイズや機器の故障等
により識別データが破壊され、正規使用者であるにも係
わらず電子機器が使用不可能となるといった事態が回避
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すラジオ受信機のブロッ
ク図である。
【図2】メインルーチンを示すフローチャートである。
【図3】IDコード設定モード処理を示すフローチャー
トである。
【図4】IDコードキャンセルモード処理を示すフロー
チャートである。
【図5】動作不能解除モード処理を示すフローチャート
である。
【図6】マスター入力モード処理を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1・・・・アンテナ(ANT) 2・・・・高周波増幅回路(RF) 3・・・・混合回路(MIX) 4・・・・局部発振回路(LO) 5・・・・中間周波増幅回路(IF) 6・・・・検波器回路(DET) 7・・・・低周波増幅回路(AMP) 8・・・・スピーカ(SP) 9・・・・マイクロプロセッサ 10・・・ROM 11・・・EEPROM 12・・・スイッチ群 13・・・シークアップスイッチ 14・・・シークダウンスイッチ 15・・・プリセットスイッチ 16・・・表示部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−46329(JP,A) 特開 平1−182141(JP,A) 特開 平3−186445(JP,A) 特開 平5−155293(JP,A) 特開 平2−88857(JP,A) 特開 平2−42825(JP,A) 特開 平5−324940(JP,A) 特開 平5−47198(JP,A) 特開 平5−35892(JP,A) 特開 平4−89779(JP,A) 特開 平2−214953(JP,A) 特開 平2−181847(JP,A) 特開 平2−156390(JP,A) 特開 平4−276849(JP,A) 特開 平2−306839(JP,A) 特開 平4−283137(JP,A) 特開 平6−321018(JP,A) 特開 平6−227365(JP,A) 特開 平6−162357(JP,A) 実開 昭62−175391(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 11/02 G08B 15/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子機器の盗難を防止するセキュリティ
    装置であって、所定の方法で入力されたデータが前記電
    子機器の記憶手段に記憶された識別データと所定の関係
    にある時に、使用不能状態にある前記電子機器を使用可
    能とするセキュリティ装置において、 前記記憶手段の異常を検出する異常検出手段と、 前記記憶手段の異常が検出された時に、前記電子機器を
    使用可能とする補償手段とを有することを特徴とするセ
    キュリティ装置。
  2. 【請求項2】 前記記憶手段は、1個のプログラマブル
    ロムにより構成され、 前記識別データは、該プログラマブルロムの異なったア
    ドレスに複数記憶され、 前記異常検出手段は、該異なったアドレスに記憶された
    前記識別データを比較することにより前記記憶手段の異
    常を検出することを特徴とする請求項1記載のセキュリ
    ティ装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段は、2個の異なったプログ
    ラマブルロムにより構成され、 前記識別データは、該異なったプログラマブルロムの各
    々に記憶され、 前記異常検出手段は、該異なったプログラマブルロムに
    記憶された前記識別データを比較することにより前記記
    憶手段の異常を検出することを特徴とする請求項1記載
    のセキュリティ装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段には、所定の確認データが
    記憶され、 前記異常検出手段は、該確認データの変化を検出するこ
    とにより、前記記憶手段の異常を検出することを特徴と
    する請求項1記載のセキュリティ装置。
  5. 【請求項5】 電子機器の盗難を防止するセキュリティ
    装置であって、所定の方法で入力されたデータが前記電
    子機器の前記記憶手段に記憶された前記識別データと所
    定の関係にある時に、使用不能状態にある前記電子機器
    を使用可能とするセキュリティ装置において、 前記記憶手段に前記識別データを書き込む書込手段と、 前記記憶手段に前記識別データが書き込まれていない時
    には前記電子機器を使用可能とするセキュリティ非動作
    手段と、 前記記憶手段の異常を検出する前記異常検出手段と、 前記記憶手段の異常が検出時に前記記憶手段に記憶され
    た前記識別データを消去する消去手段とを有することを
    特徴とするセキュリティ装置。
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