JP2800632B2 - 車両用自動変速機装置 - Google Patents

車両用自動変速機装置

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JP2800632B2
JP2800632B2 JP12609093A JP12609093A JP2800632B2 JP 2800632 B2 JP2800632 B2 JP 2800632B2 JP 12609093 A JP12609093 A JP 12609093A JP 12609093 A JP12609093 A JP 12609093A JP 2800632 B2 JP2800632 B2 JP 2800632B2
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oil pressure
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裕三 矢野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に乗り心地や騒音・
振動の低減を重視した自動車に用いて好適の、車両用自
動変速機装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車では自動変速機によりギア
シフトが行なわれるような車両、所謂オートマチックト
ランスミッション車(以下、A/T車という)が広く普
及している。このようなA/T車では、通常、スロット
ルポジションセンサ(以下、TPSという)から得られ
るスロットル開度と車速センサから得られる車速とに応
じてトランスミッションの変速段が所定の変速段にギア
シフトされる。
【0003】TPSは、可変抵抗器を用いてスロットル
の開度を検知するものであり、例えばスロットルが全閉
状態の時は、TPSから出力される電圧(TPS電圧)
が最小となり、スロットルが全開状態の時この電圧が最
大となるように構成されている。また、このような自動
変速機は、通常、油圧式多板クラッチや油圧式ブレーキ
等を多数そなえて構成され、これらのクラッチやブレー
キのうち、所定のクラッチやブレーキをECU(電子制
御ユニット)により制御することで、自動変速機のシフ
トチェンジが実施される。
【0004】例えば、自動変速機を4速から3速にダウ
ンシフトさせる場合、ECUでは、所定のプログラムに
したがって、以下のようにして変速操作が行なわれる。
つまり、自動変速機内では、4速を確立させるクラッチ
の係合を解除するとともに、3速を確立させるクラッチ
を係合させる。これにより、エンジントルクの伝達経路
が解放側クラッチから結合側クラッチに切り替えられ、
自動変速機が4速から3速にダウンシフトされるのであ
る。
【0005】ところで、4速で走行中に車両を停止させ
る場合は、通常、ドライバはアクセルを戻して軽くブレ
ーキを踏むなどして減速していく。そして、TPSから
得られるスロットル開度情報や車速情報等により、車両
の運転状態が3速での走行条件に適合していれば、EC
Uでは、4速から3速へのギアシフト指令を自動変速機
に指令する。
【0006】そして、このような停止前のダウンシフト
では、3速を確立させるための係合クラッチの係合時の
回転同期タイミングと、この係合クラッチをクラッチ板
に圧着させるための油圧ピストンのピストンストローク
の完了タイミングとが一致するように設定されている。
例えば図3(a)の実線dで示すように、4速から3速
へのシフト指令があると、所定時間T1 後に初期係合デ
ューティ率D0 に制御される。なお、この係合デューテ
ィ率(%)は、その値が大きいほど作動油圧は低く、そ
の値が小さいほど作動油圧は高くなるものである。
【0007】そして、図3(b)に示すように、時間T
2 でクラッチの入力側と係合される側との回転が同期す
る回転同期ポイントになると、ECUでは、係合デュー
ティ率をステップ状に急激に減少させ、さらにこの回転
同期ポイントから短時間(例えば150msec程度)
内で係合デューティ率を0%(つまり、最大油圧)に設
定している。
【0008】したがって、クラッチの回転同期タイミン
グとピストンストロークの完了タイミングとが一致し
て、円滑なダウンシフトが実行されるのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような4速から3速への変速操作時に、自動変速機の油
圧特性やクラッチクリアランス等のばらつきによりシフ
トショックが発生する場合がある。このようなシフトシ
ョックには、クラッチの回転が同期する以前にクラッチ
のピストンストロークが完了してしまうタイアップの場
合に起きるタイアップショックと、クラッチの回転が同
期した後にクラッチのピストンストロークが完了してし
まうランナップの場合に起きるランナップショックとの
2通りの場合が考えられる。
【0010】特にランナップが大きい場合には、所定時
間内に係合クラッチのピストンのストロークが完了せず
に、作動油圧(又は、ライン圧という)が上昇した後に
クラッチが係合する場合があり、比較的大きなシフトシ
ョックが発生することがあるという課題がある。また、
このようなシフトショックは、乗り心地や騒音・振動の
低減を特に重視した自動車においては、非常に好ましく
ない。
【0011】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、自動変速機をそなえた車両において、停止前
のダウンシフトの際に伴うシフトショックを極力低減で
きるようにした、車両用自動変速機装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の車両用自動変速機装置は、車両にそなえられ
て、所要の変速段状態を実現する変速ギア機構と、該変
速ギア機構を噛合させる係合クラッチと、該係合クラッ
チに係合油圧を供給する油圧供給系とを有する車両用自
動変速機と、該車両の車速を検出する車速検出手段と、
スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出
手段と、該車速検出手段と該スロットル開度検出手段と
からの情報に基づいて、該自動変速機における該係合ク
ラッチの係合状態を制御することで該変速段状態の切換
制御を行なう制御手段とをそなえるとともに、該係合ク
ラッチの回転同期を検出する回転同期検出手段をそな
え、該制御手段に、該車速が小さく且つ該スロットルバ
ルブの開度の小さい停止前状態で該自動変速機をダウン
シフト制御する際に、該回転同期検出手段からの検出情
報に基づいて該係合クラッチの係合油圧を制御する係合
油圧制御手段が設けられ、該係合油圧制御手段が、該係
合油圧を、所要の初期係合油圧から漸増させた後に、所
定の時点で完全係合圧までステップ状に増加させるよう
に設定され、該初期係合油圧が、該スロットル開度検出
手段からのスロットルバルブの開度情報に基づいたスロ
ットル対応初期係合油圧を低圧側へ補正することで設定
され、該所定の時点が、該係合クラッチの回転同期の検
出時から所定時間だけ経過した時点に設定されているこ
とを特徴としている。
【0013】また、請求項2記載の本発明の車両用自動
変速機装置は、上記請求項1記載の構成に加えて、該係
合油圧制御手段が、該係合油圧を、所要の初期係合油圧
から一定の増加率で漸増させた後に、所定の時点で完全
係合圧までステップ状に増加させるように設定されてい
ることを特徴としている。また、請求項3記載の本発明
の車両用自動変速機装置は、上記請求項1又は2記載の
構成に加えて、該スロットル開度検出手段とは独立して
該スロットルバルブの開度がアイドル状態であるかどう
かを検出するアイドル状態検出手段をそなえ、該係合油
圧制御手段が、該ダウンシフト制御開始時の該スロット
ル開度検出手段からのスロットルバルブの開度情報と該
アイドル状態検出手段からのアイドル状態情報とに基づ
いて、該スロットル対応初期係合油圧を設定するように
構成され、該スロットル開度検出手段からのスロットル
バルブの開度情報に基づいて、該スロットルバルブの開
度が閾値以下のときには該スロットル初期係合油圧が所
定の低圧値とされ、該スロットルバルブの開度が該閾値
よりも大きいときには該スロットル初期係合油圧が該開
度に応じて該低圧値以上の油圧値に設定されるように構
成されていることを特徴としている。
【0014】また、請求項4記載の本発明の車両用自動
変速機装置は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構
成に加えて、該スロットルバルブの開度が電圧値に変換
されて、該係合油圧制御手段が、該電圧値に基づいて制
御を行なうように構成されていることを特徴としてい
る。また、請求項5記載の本発明の車両用自動変速機装
置は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え
て、該アイドル状態検出手段が、車両のスロットルボデ
ィに設けられたアイドルスイッチにより構成されている
ことを特徴としている。
【0015】また、請求項6記載の本発明の車両用自動
変速機装置は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構
成に加えて、該アイドル状態検出手段が、アクセルペダ
ルが踏み込まれたかを検出するアクセルスイッチにより
構成されていることを特徴としている。
【0016】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の車両用自動変速
機装置では、車速検出手段とスロットルバルブの開度を
検出するスロットル開度検出手段とからの情報に基づい
て、自動変速機の変速段状態の切換制御が行なわれる。
この時、制御手段により、自動変速機内に設けられ変速
ギア機構を噛合させる係合クラッチの係合状態が制御さ
れることにより、変速段が切り換えられる。
【0017】また、車速が小さく且つスロットルバルブ
の開度の小さい停止前状態で自動変速機がダウンシフト
制御される場合、係合クラッチの係合油圧は、回転同期
検出手段からの検出情報に基づいて係合油圧制御手段に
より制御される。なお、回転同期検出手段では、係合ク
ラッチの回転同期を検出している。そして、係合油圧制
御手段では、係合油圧を所要の初期係合油圧から漸増さ
せた後に、係合クラッチの回転同期の検出時から所定時
間だけ経過した、所定の時点で完全係合圧までステップ
状に増加させる。
【0018】また、上述の初期係合油圧は、スロットル
開度検出手段から得られるスロットルバルブの開度情報
に基づいて設定されたスロットル対応初期係合油圧を低
圧側へ補正することで設定される。また、上述の請求項
2記載の本発明の車両用自動変速機装置では、係合油圧
制御手段により、上記の係合油圧が所要の初期係合油圧
から一定の増加率で漸増した後に、所定の時点で完全係
合圧までステップ状に増加するような制御が行なわれ
る。
【0019】また、上述の請求項3記載の本発明の車両
用自動変速機装置では、スロットルバルブの開度がアイ
ドル状態であるかどうかが、スロットル開度検出手段と
は独立してそなえられたアイドル状態検出手段により検
出される。そして、上述のスロットル対応初期係合油圧
が、ダウンシフト制御開始時のスロットル開度検出手段
からのスロットルバルブの開度情報とアイドル状態検出
手段からのアイドル状態情報とに基づいて上述の係合油
圧制御手段により設定される。
【0020】また、スロットル開度検出手段からのスロ
ットルバルブの開度情報に基づいて、スロットルバルブ
の開度が閾値以下のときにはスロットル初期係合油圧が
所定の低圧値とされ、スロットルバルブの開度が閾値よ
りも大きいときにはスロットル初期係合油圧が開度に応
じて低圧値以上の油圧値に設定される。また、上述の請
求項4記載の本発明の車両用自動変速機装置では、スロ
ットルバルブの開度は、この開度に応じた電圧値に変換
され、係合油圧制御手段では、この電圧値に基づいて制
御が行なわれる。
【0021】また、上述の請求項5記載の本発明の車両
用自動変速機装置では、アイドル状態検出手段として車
両のスロットルボディにアイドルスイッチが設けられ、
このアイドルスイッチによりスロットルバルブの開度が
アイドル状態であるかアイドル状態ではないのかが検出
される。さらに、上述の請求項6記載の本発明の車両用
自動変速機装置では、このアクセルスイッチによりスロ
ットルバルブの開度がアイドル状態であるかアイドル状
態ではないのかが検出される。
【0022】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の車両用自動変速機装置について説明すると、図1はそ
の全体構成を示す模式的なブロック図、図2はそのスロ
ットル対応初期係合油圧の特性を示すマップ、図3はそ
の作動油圧の特性を示すマップであって(a)は時間と
係合デューティ率との関係を示すマップ(b)は時間と
クラッチにより同期される2種の回転系の回転数との関
係を示すマップ、図4はその作動油圧の特性を示すマッ
プ、図5はその作用を説明するためのフローチャート、
図6はそのTPSの学習機能を説明するためのグラフ、
図7はその作動油圧の特性の変形例を示すマップであ
る。
【0023】図1に示す車両1は、自動変速機(オート
マチックトランスミッション)2をそなえた自動車であ
り、この自動変速機2では、車両1の走行状態に応じて
所定の変速段にシフトチェンジを行なうようになってい
る。また、この車両1には、いずれも後で詳述するスロ
ットル開度検出手段としてのスロットルポジションセン
サ(以下、TPSという)3と車速検出手段としての車
速センサ4と、係合クラッチ9の入力側の回転数NT
出力側の回転数NOとの回転同期を検出する回転同期検
出手段5と、制御手段としてのECU(電子制御ユニッ
ト)7とがそなえられており、このECU7では、各セ
ンサ3〜6からの情報に基づいて、自動変速機2の変速
段の切換制御を行なうようになっている。
【0024】なお、回転同期検出手段5は、係合クラッ
チ9における入力側の回転数NT を検出する回転数セン
サと、これと係合される出力側の回転数NO を検出する
回転数センサと、これらのセンサの情報から回転数差を
算出して回転同期を判断するECU7内の手段とから構
成されている。なお、入力軸側の回転数センサは、例え
ばインプットシャフトにそなえられ、係合される側の回
転数センサは、例えばトランスファドライブギアにそな
えられている。
【0025】この変速段の切換制御について説明する
と、自動変速機2は、複数の変速ギアを組み合わせて所
要の変速段状態を実現する変速ギア機構8と、この変速
ギア機構8を噛合させる係合手段としての係合クラッチ
9及び油圧式ブレーキ(図示省略)と、この係合手段を
係合させるための係合油圧を供給する油圧供給系10と
により構成されている(図1参照)。なお、係合クラッ
チ9は、作動油の油圧により作動する油圧式多板クラッ
チである。
【0026】変速ギア機構8は、例えばプラネタリギア
機構や係合クラッチ9及び油圧式ブレーキと一体的に構
成されており、これらのクラッチ9やブレーキの作動を
切り替えてプラネタリギア機構の動きを制御することに
より変速段が切り換えられるようになっている。また、
上述の係合クラッチ9は、変速ギア機構8内に複数設け
られているものであるが、ここでは、係合クラッチ9
は、3速と4速とを切り替えるための3−4速切り換え
クラッチ機構を指している。そして、自動変速機2の変
速段を3速に設定する時は、このクラッチ9に所定の油
圧の作動油を供給してクラッチ9を係合させるようにな
っており、また変速段を4速に設定する時は、作動油の
供給油圧を低くしてクラッチ9を切るようになってい
る。
【0027】この作動油圧は、上述のECU7内に設け
られた係合油圧制御手段11により所定の油圧に設定さ
れるようになっている。そして、設定された油圧が得ら
れるように油圧供給系10からの作動油が図示しない油
圧経路を通じて、作動させるべき油圧ブレーキや油圧式
多板クラッチ(クラッチ9に限らず)に供給されるよう
になっているのである。
【0028】なお、この作動油圧は、係合油圧制御手段
11に設定された係合デューティ率(%)にしたがって
制御されている。この係合デューティ率は、その値が大
きいほど作動油圧は低く、その値が小さいほど作動油圧
は高くなるものである。なお、TPS3はスロットルの
開度を検知するものであり、スロットルの開度に応じた
電圧を出力するようになっている。つまり、スロットル
が全開状態になると最大電圧を出力し、スロットルが全
閉状態になると最小電圧を出力するものである。したが
って、TPS3からはアクセルペダルの踏込み量が検出
されるようになっているのである。
【0029】そして、通常はECU7の係合油圧制御手
段11では、TPS3と車速センサ4とからの情報等に
基づいて、このECU7に設定されたシフト制御マップ
により、自動変速機2の変速段が選択されるようになっ
ている。また、例えばスロットル開度を小さくして車両
1を減速させていくと、この車速にしたがってダウンシ
フトが行なわれて、最終的には車両1が停止したり、あ
るいは自動変速機2のクリープ現象による走行状態とな
る。
【0030】そして、このような車両1の停止する前の
変速操作のうち4速から3速へのダウンシフトでは、3
−4速切り換えクラッチ機構としての係合クラッチ9の
初期作動油圧は、TPS3からの情報に加えてアイドル
スイッチ6からのON−OFF情報を加味して設定され
るようになっている。これは、TPS3からの電圧にば
らつき(公差)があるため、このTPS電圧からの情報
だけでは、実際にはアクセルを踏んでいなくてもアクセ
ルONと判断されるような電圧が出力されたり、またこ
れとは逆に、アクセルを踏んでいてもアクセルOFFと
判断されるような電圧が出力されたりすることが考えら
れるためである。
【0031】ところで、この実施例では、TPS3に学
習機能が設けられており、通常は上述のようなTPS電
圧のばらつきは、車両停止状態からの発進毎(アイドル
スイッチ6のON−OFF毎)に学習されて、何回か
(例えば5回程度)の発進でばらつきが補正されるよう
になっている。ところが、車両1がまだ新しく、TPS
3の学習が十分でない場合は、このような実際のアクセ
ル操作とTPS3からの情報との間にミスマッチが生じ
てしまうので、このようなミスマッチをアイドルスイッ
チ6からのON−OFF信号を係合油圧制御手段11に
入力して補正するようになっているのである。
【0032】アイドルスイッチ6は、例えば車両1のス
ロットルボディ(図示省略)にそなえられたON−OF
Fスイッチであり、ドライバがアクセルペダルを踏んで
いればこのアイドルスイッチ6から出力される信号がO
FFになり、アクセルペダルを踏んでいないときはこの
信号がONになるようになっている。また、このアイド
ルスイッチ6は、TPS3とは独立して設けられてお
り、TPS3の検出信号とは無関係にスロットルバルブ
の開度がアイドル状態であるかどうかを検出するように
なっている。
【0033】そして、上述したような車両停止前の4速
から3速へのダウンシフト時における係合クラッチ9の
スロットル対応初期係合油圧は、図2に示すマップにし
たがって設定されるようになっている。なお、このマッ
プにおける横軸はTPS電圧(V),縦軸は係合デュー
ティ率(%)である。また、アイドルスイッチ6から係
合油圧制御手段11に入力される信号がOFFの時は、
図中実線で示す線aにより係合クラッチ9のスロットル
対応初期係合油圧が設定され、この信号がONの時は、
図中破線で示す線bによりスロットル対応初期係合油圧
が設定されるようになっている。
【0034】つまり、アイドルスイッチ6がOFFの場
合は、4速から3速へのダウンシフト制御開始時のTP
S電圧が第1の閾値V1 (この実施例では0.68V)
以下であると所定の低油圧(例えば係合デューティ率7
2%)が設定され、TPS電圧が第1の閾値V1 以上に
なると、この電圧の値に比例して作動油圧が高くなるよ
うに、つまり電圧に対して直線的な関係で作動油圧が増
加するように設定されるようになっている。
【0035】また、アイドルスイッチ6がONの場合、
TPS電圧が第2の閾値V2 (ここでは0.9V)以下
であると、スロットル対応初期係合油圧は上述のOFF
の場合における所定の低油圧と同じ値の低油圧が設定さ
れる。そして、このTPS電圧が第2の閾値V2 以上に
なると作動油圧は、OFFの場合と全く同じ値が設定さ
れるようになっているのである。
【0036】なお、TPS電圧が1.25V以上になる
と、ECU7では車両停止前のスロットル対応初期係合
油圧の制御とは別に作動油圧が設定されるようになって
いる。そして、スロットル対応初期係合油圧(係合デュ
ーティ率:DO )が設定されると、図3(a)に示すよ
うに、ECU7ではさらにこのスロットル対応初期係合
油圧を低圧側に補正して初期係合油圧(係合デューティ
率:DN )が設定されるようになっている。
【0037】そして、この後図3(a)の破線cで示す
ように、除々に作動油の油圧が高められていくようにな
っている。ところで、図3(b)のグラフは、クラッチ
の入力軸側シャフトの回転数NTと、係合される側のト
ランスファドライブギアの回転数NO とを示している。
このグラフに示すように、シフト指令の後クラッチ9の
初期係合デューティ率DNが与えられると、時間が経過
するにしたがって入力軸側の回転数NT と係合される側
の回転数NO との回転数差が小さくなっていく。
【0038】やがて、回転数差がなくなると(回転同期
ポイント)、従来では実線dで示すように急激に油圧を
上昇させてクラッチ9を係合させていたが、本実施例で
は、初期係合デューティ率DN が設定されると一定の増
加率で油圧を除々に増加させていき、双方の回転が同期
しても、所定時間t3 内は上述のように油圧は除々に増
加していくようになっているのである。
【0039】そして、この所定時間t3 内では、シフト
指令から時間T4 経過後に係合クラッチ9のピストンス
トロークが完了して、シフト指令から時間T5 経過後に
クラッチ9の係合が完全に終了するようになっているの
である。さらに、回転同期ポイントから所定時間t3
過するとクラッチ9の係合が全て完了しているものとし
て、作動油圧はステップ状に急激に上昇するようになっ
ているのである〔図3(a),(b)参照〕。
【0040】なお、上述のように初期係合油圧を低圧側
に補正しているのは、回転が同期する以前に係合クラッ
チ9のピストンストロークが終了(タイアップ)するの
を防止して、これにより発生するタイアップショックを
防止するためである。ところで、図4に示すように、こ
の係合クラッチ9の回転が同期した時点T2から所定時
間t3 内にドライバが再び加速しようとしてアクセルペ
ダルを踏み込むと、クラッチ9の係合油圧は、初期係合
デューティ率DN の設定時点T1 から回転同期時点T2
までの間の油圧増加率(又は、油圧傾斜率)にしたがっ
た油圧値以上の油圧値になるようになっている。
【0041】つまり、図4において破線は所定時間t3
内にアクセルが踏み込まれない場合の係合デューティ率
の特性を示す線であるが、この所定時間t3 内にアクセ
ルが踏み込まれると、この破線よりも低い値に係合デュ
ーティ率が設定されるようになっているのである。ま
た、本装置にはスロットルオン状態検出手段12が備え
られており、このスロットルオン状態検出手段12によ
り、ドライバがアクセルを踏み込んで車両1を加速させ
ようとしているかどうかが検出されるようになってい
る。
【0042】なお、スロットルオン状態検出手段12
は、アイドルスイッチ6とTPS3とからの検出情報に
基づいてアクセルを踏み込んでいるかを検出するように
なっている。そして、この場合アイドルスイッチ6から
OFF信号が出力され、且つTPS3からの出力電圧が
1.25V以上となった場合に、アクセルONとして検
出されるようになっている。
【0043】これにより、本実施例では、所定時間t3
内にアクセルが踏み込まれると、例えば図4の実線に示
すような特性で作動油の油圧が高まるようになってい
る。つまり、ECU7によりアクセルONが検出される
と、係合油圧制御手段11により油圧供給系10に制御
信号が出力されて、図4に示すように、係合クラッチ9
の作動油圧がステップ状に増加するようになっており、
さらにこの後アクセルONが検出されるまでの油圧増加
率(破線)よりも大きな増加率で油圧が高められるよう
になっているのである。
【0044】本発明の一実施例としての車両用自動変速
機装置は、上述のように構成されているので、自動変速
機2を搭載した車両1が減速して停止しようとする時
に、4速から3速へ切り換えを行なう係合クラッチ9の
スロットル対応初期係合油圧は、アイドルスイッチ6と
TPS3とからの情報とに基づいて、例えば図5のフロ
ーチャートに示すようにして設定される。
【0045】まず、車両1の停止前のダウンシフトにお
いて、4速から3速へのダウンシフトの指令が出力され
る(ステップS1)と、ステップS2においてアイドル
スイッチ6がONかOFFかが判断される。そして、ア
イドルスイッチ6がOFFの時は、ステップS4に進ん
でTPS電圧が第1の閾値V1 (例えば0.68V)以
上かどうかが判断される。この時TPS電圧が第1の閾
値V1 以上であればステップS6に進み、スロットル開
度に対応した係合デューティ率が設定される。
【0046】また、TPS電圧が第1の閾値V1 未満の
場合はステップS5に進んで、スロットル対応初期係合
油圧(係合デューティ率)として一定の低油圧(ここで
は72%)が設定される。また、アイドルスイッチ6が
ONの時は、ステップS3においてTPS電圧が第2の
閾値V2 (例えば0.9V)以上かどうかが判断され
る。この時TPS電圧が第2の閾値V2 以上であればス
テップS6に進み、第2の閾値V2 未満の時はステップ
S5に進む。
【0047】そして、上述と同様に、ステップS5又は
ステップS6においてスロットル初期係合油圧DO が設
定されるのである。そして、ステップS5又はステップ
S6によりスロットル初期係合油圧DO が設定される
と、次にステップS7においてスロットル初期係合油圧
O を低圧側に補正することにより初期係合油圧DN
設定される。これにより、車両停止前の4速から3速へ
のダウンシフト制御時における係合クラッチ9の初期係
合油圧が設定されるのである。
【0048】この後、ステップS8に進んで、油圧傾斜
率(すなわち図3(a)のグラフの傾き)が設定され、
係合油圧が一定の増加率で出力される。次に、ステップ
S9において、回転数センサ5の情報に基づいて係合ク
ラッチ9の回転が同期したかどうかが判断される。そし
て、この回転同期が検出されなければ、ステップS8に
戻って、この回転同期が検出されるまでの間は、ステッ
プS8とステップS9との間のルーチンを繰り返す。
【0049】また、ステップS9で回転同期が検出され
ると、ステップS10において所定時間t3 だけカウン
トするタイマ(図示省略)をスタートさせる。次に、ス
テップS11で回転同期後の油圧傾斜率が設定された
後、ステップS12でスロットルがONかOFFかが判
断される。そして、スロットルがONと判断されると、
ステップS13において現在の係合デューティ率に対し
て、ステップ状にデューティ率を低下させる。なお、こ
のデューティ率の低下率は例えば20%程度である。
【0050】次に、ステップS14に進んで、油圧傾斜
率が現在の値よりも大きく設定され(例えば−30%/
sec程度)、ステップS15に進む。また、ステップ
S12でスロットルがOFFと判断された場合には、次
にステップS15に進む。そして、ステップS15で
は、ステップS10でスタートしたタイマが所定時間t
3 (例えば720msec程度)を経過したかどうかが
判断される。
【0051】そして、この所定時間t3 が経過していな
ければ、ステップS11に戻り、所定時間t3 が経過す
るまで、ステップS11からステップS15の間のルー
チンを繰り返す。次に、ステップS15でタイマでカウ
ントされた時間が所定時間t3 に達すると、ステップS
16において係合デューティ率0%が出力され、作動油
圧がステップ状に高まる。
【0052】これにより4速から3速へのダウンシフト
が完了するのである。上述のスロットル対応初期係合油
圧の設定について詳述すると、この油圧値は、TPS3
の学習補正が完了するまでは、係合油圧制御手段11内
において、図2に示すような制御マップにしたがって設
定される。このマップに示すように、係合クラッチ9の
スロットル対応初期係合油圧は、アイドルスイッチ6が
ONの場合とOFFの場合とでは異なる特性で油圧値が
設定される。
【0053】まず、アイドルスイッチ6から入力される
信号がOFFの時は、マップの線aにしたがって作動油
圧が設定され、作動油圧はTPS電圧の第1の閾値V1
(0.68V)を境にして低油圧と高油圧とに切り換え
られる。つまり、アイドルスイッチ6がOFFの時はア
クセルが踏まれている場合であり、この時TPS電圧が
第1の閾値V1 以下であると、マップの線aにしたがっ
て、一定の低油圧(係合デューティ率72%)に設定さ
れる。
【0054】このTPS電圧が第1の閾値V1 以下でア
クセルが踏まれているというのは、アクセルを僅かにし
か踏んでいない微小な領域であるため、スロットル対応
初期係合油圧を低く設定するのである。また、TPS電
圧が、第1の閾値V1 以上になると、このTPS電圧の
増加に応じて作動油圧が直線的に高まる。これにより、
第1の閾値V1 (ここでは0.68V)以上では、アク
セルの踏込み量に応じた作動油圧が設定されるのであ
る。
【0055】次に、アイドルスイッチ6から入力される
信号がONの時(すなわち、アクセルが踏まれていない
時)は、スロットル対応初期係合油圧はマップの線bに
したがって設定される。この場合は、TPS電圧が第2
の閾値V2 (0.9V)以下では、アイドルスイッチ6
がOFFでTPS電圧が0.68V以下の場合と同じ値
の一定の低油圧(係合デューティ率72%)が設定され
る。
【0056】つまり、アイドルスイッチ6によりアクセ
ルが踏まれていないと判断される場合は、TPS電圧が
第2の閾値V2 になるまでは、TPS3の出力値よりも
アイドルスイッチ6からの情報を重視して低油圧を設定
するものであり、TPS電圧が第2の閾値V2 以上にな
ると、アイドルスイッチ6からの情報よりもTPS3か
らの情報を重視して、TPS3の出力値に応じて油圧を
設定するのである。
【0057】そして、TPS電圧が第2の閾値V2 以上
の場合は、アイドルスイッチ6がOFFの場合と同様の
油圧が設定されるのである。このように、例えばアイド
ルスイッチ6がONであれば、TPS電圧が多少高くて
もアクセルを踏んでいないと判断してスロットル対応初
期係合油圧が低めに設定される。
【0058】また、係合油圧制御手段11にTPS3と
独立して検出を行なうアイドルスイッチ6からの情報を
入力することにより、TPS3の出力電圧に誤差が生じ
ても、スロットル対応初期係合油圧を過大にならない油
圧に設定することができ、自動変速機2のシフトチェン
ジ初期のシフトショックを低減することができるのであ
る。
【0059】そして、図3(a)に示すように、スロッ
トル対応初期係合油圧(係合デューティ率:DO )が設
定されると、ECU7では、さらにこのスロットル対応
初期係合油圧を低圧側に補正した初期係合油圧(係合デ
ューティ率:DN )が設定される。このように、初期係
合油圧(係合デューティ率:DN )をより低圧側に設定
することにより、クラッチピストンのストローク完了時
間を遅らせることができ、回転が同期した後に係合クラ
ッチ9のピストンストロークが終了することになりタイ
アップを抑制することができる。
【0060】そして、4速から3速へのダウンシフト指
令後は、図3(b)のグラフに示すように、クラッチの
入力軸側シャフトの回転数NT と係合される側のトラン
スファドライブギアの回転数NO との回転数差が除々に
小さくなるとともに、図3(a)の破線cで示すよう
に、作動油の油圧は所定の増加率で除々に高くなる。つ
まり、回転同期ポイント(時間T2 )を過ぎても、急激
に油圧を増加させずそれまでの増加率を保持するのであ
る。
【0061】この後、時間T4 で係合クラッチ9のクラ
ッチ板を圧着させるためのピストンストロークが終了す
るので、NT とNO との回転数差は除々になくなってい
く。そして、時間T5 でクラッチ9の係合が完全に終了
するのである。そして、時間T5 を経過すると、作動油
の油圧はステップ状に急激に大きくなり、係合デューテ
ィ率が0%になる。
【0062】このように、従来のように急激に油圧を高
めることなく、所定時間t3 (例えば720msec程
度)内は作動油の油圧を一定の増加率で高めてクラッチ
9の係合を行なっているので、クラッチピストンのスト
ローク完了時にランナップショックを低減することがで
きる。また、図4に示すように、クラッチ9の回転同期
後、所定時間t3 内にドライバが車両1を加速させよう
としてアクセルを踏み込むと、スロットルオン状態検出
手段12により、アクセルONの情報がECU7に入力
される。
【0063】そして、ECU7内の係合油圧制御手段1
1では、このスロットルオン状態検出手段12の検出情
報に基づいて、係合クラッチ9の係合デューティ率特性
を変更するような制御信号を油圧供給系10に出力する
のである。これにより、例えば図4の実線で示す特性に
より作動油圧が上昇する。この場合は、例えば所定時間
3 内にアクセルONが検出されると、係合油圧をステ
ップ状に所要量(ここでは20%程度)上昇させて、そ
の後の油圧傾斜率(グラフの傾き)を、例えばアクセル
ONが検出されるまでの油圧傾斜率よりも大きくするの
である。
【0064】なお、この実施例の場合は、油圧傾斜率を
−10%から−30%に変更している。また、スロット
ルオン状態検出手段12からアクセルONが検出されな
い時は、油圧傾斜率は変更せずに通常の傾斜率(例えば
−10%)が維持される。これにより、例えば時間t3
内にドライバがアクセルを踏み込んでも、クラッチ9の
回転同期が大きく遅れることがなく、ランナップショッ
クを防止することができるのである。
【0065】なお、このようなアクセルONの時の係合
油圧をステップ状に上昇させずに、油圧傾斜率のみを大
きくするように設定してもよい。また、このようなアク
セルONの時の係合油圧の上昇率(上記の場合は20
%)や油圧傾斜率(同じく−30%)の数値を、スロッ
トルオン状態検出手段からのスロットル開度の関数して
設定してもよい。このようにスロットル開度に応じて係
合デューティ率の上昇率や油圧傾斜率を設定することに
より、ランナップショックやタイアップショックを防止
することができ、4速から3速へのダウンシフトを滑ら
かに行なうことができるのである。
【0066】ところで、本実施例では、図2に示すよう
に、TPS電圧が実際のスロットル開度よりも大きい側
にずれている場合を想定して、初期係合圧が過大になら
ないようにアイドルスイッチ6からの情報を加味した
が、これにTPS電圧が小さい側にずれている場合を考
慮して、以下のように初期係合油圧を設定することも考
えられる。
【0067】つまり、図7に示すように、第1の閾値V
1 ′を設計基準値(この例では0.7V程度)よりも所
定量(例えば0.2V程度)小さな値に設定して、アイ
ドルスイッチ6がオフの時にTPS電圧が第1の閾値V
1 ′以上になると、図7の線a′にしたがって係合油圧
を設定する。なお、この時、図2の線aと同じ増加率で
TPS電圧に応じて係合油圧を増大させる。また、第2
の閾値V2 ′は実施例のものと同様に設定して、アイド
ルスイッチ6がオンの時には破線bのように係合油圧を
設定する。
【0068】これにより、TPS電圧が第1の閾値
1 ′以上の時は、スロットル対応初期係合油圧が、図
2の特性の場合と比較して多少小さく設定されるので、
TPS3自体の公差により出力電圧が小さめにばらつい
ている場合であっても、スロットル対応初期係合油圧
(係合デューティ率DO )が過少にならないように設定
することができるのである。
【0069】さらに、本実施例では、スロットル対応初
期係合油圧(係合デューティ率:D O )が設定される
と、図3(a)により、このスロットル対応初期係合油
圧を低圧側に補正して初期係合油圧(係合デューティ
率:DN )が設定されるようになっているが、マップの
変更により、初期係合油圧は、スロットル対応初期係合
油圧を補正することなくスロットル対応初期係合油圧を
そのまま設定こともできる。
【0070】つまり、図2のスロットル対応初期係合油
圧を設定するマップにおいて特性線a,bを低圧側(デ
ューティ率の大きい側)である図中上方に補正相当量だ
け移動したものにすれば、スロットル対応初期係合油圧
の補正を省略することができる。ところで、TPS3の
ばらつきは、学習により補正されるので、上述のような
アイドルスイッチ6からのON−OFF信号によりスロ
ットル対応初期作動油圧の設定を変えるのは、TPS3
の学習が完了するまでの期間内だけである。
【0071】ここで、TPS3の学習について詳述する
と、TPS3の学習は、次の3つの条件をすべて満足し
た場合に行なわれる。 車速が0であること。 エンジン回転数が所定範囲内(例えば750±150
rpm)であること。 アイドルスイッチ6がONからOFFになる直前のT
PS出力値(Ea)とOFFからONになる直前のTP
S出力値(Eb)との差(Eb−Ea)が所定値以下
(例えば0.06V)であること。
【0072】そして、これらの条件をすべて満足してい
る場合は、補正量(学習値)Xを以下のようにして算出
する。まず、アイドルスイッチ6がONからOFFにな
った直後のTPS出力値E1(V)を読み取る。次に、
TPS出力値E1 の目標基準値Es(例えば0.7V)
からのずれΔEを次式にて算出する。 ΔE=E1 −Es そして、補正量(学習値)Xを次式にて算出する。 X=X0 +ΔX なお、X0 は前回の学習時の補正量であり、ΔXは図6
のグラフから得られるずれΔEに対応した補正量であ
る。このように、補正量Xを微小量ΔXづつ補正するこ
とで制御の安定性をはかっているのである。
【0073】また、誤学習を防止するため補正量Xの絶
対値の上限を0.5Vとし、第1回目の学習時における
補正量X(ROM記憶値)は0とする。なお、アイドル
スイッチ6の代わりに、アクセルペダルの踏み込みのO
N−OFFを検出できるアクセルスイッチを用いてもよ
い。また、図2にしたがって説明したTPS電圧の値や
係合デューティ率の値はこれに限られるものではなく、
車両1や自動変速機2の特性に応じて他の値に設定して
も良いのは言うまでもない。
【0074】さらに、図3(a),(b)や図4におけ
る作動油圧の特性を示す具体的な数値も上述と同様に、
当然、車両1や自動変速機2の特性に応じて他の値に設
定されるべきものである。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の車両用自動変速機装置によれば、車両にそなえら
れて、所要の変速段状態を実現する変速ギア機構と、該
変速ギア機構を噛合させる係合クラッチと、該係合クラ
ッチに係合油圧を供給する油圧供給系とを有する車両用
自動変速機と、該車両の車速を検出する車速検出手段
と、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度
検出手段と、該車速検出手段と該スロットル開度検出手
段とからの情報に基づいて、該自動変速機における該係
合クラッチの係合状態を制御することで該変速段状態の
切換制御を行なう制御手段とをそなえるとともに、該係
合クラッチの回転同期を検出する回転同期検出手段をそ
なえ、該制御手段に、該車速が小さく且つ該スロットル
バルブの開度の小さい停止前状態で該自動変速機をダウ
ンシフト制御する際に、該回転同期検出手段からの検出
情報に基づいて該係合クラッチの係合油圧を制御する係
合油圧制御手段が設けられ、該係合油圧制御手段が、該
係合油圧を、所要の初期係合油圧から漸増させた後に、
所定の時点で完全係合圧までステップ状に増加させるよ
うに設定され、該初期係合油圧が、該スロットル開度検
出手段からのスロットルバルブの開度情報に基づいたス
ロットル対応初期係合油圧を低圧側へ補正することで設
定され、該所定の時点が、該係合クラッチの回転同期の
検出時から所定時間だけ経過した時点に設定されるとい
う構造により、車両の停止前のダウンシフトによるシフ
トショックを低減することができる。
【0076】また、請求項2記載の本発明の車両用自動
変速機装置によれば、該係合油圧制御手段が、該係合油
圧を、所要の初期係合油圧から一定の増加率で漸増させ
た後に、所定の時点で完全係合圧までステップ状に増加
させるように設定されるという構造により、ランナップ
ショックを低減することができる。また、請求項3記載
の本発明の車両用自動変速機装置によれば、該スロット
ル開度検出手段とは独立して該スロットルバルブの開度
がアイドル状態であるかどうかを検出するアイドル状態
検出手段をそなえ、該係合油圧制御手段が、該ダウンシ
フト制御開始時の該スロットル開度検出手段からのスロ
ットルバルブの開度情報と該アイドル状態検出手段から
のアイドル状態情報とに基づいて、該スロットル対応初
期係合油圧を設定するように構成され、該スロットル開
度検出手段からのスロットルバルブの開度情報に基づい
て、該スロットルバルブの開度が閾値以下のときには該
スロットル初期係合油圧が所定の低圧値とされ、該スロ
ットルバルブの開度が該閾値よりも大きいときには該ス
ロットル初期係合油圧が該開度に応じて該低圧値以上の
油圧値に設定されるように構成されるという構造によ
り、ダウンシフト制御開始時の係合クラッチの初期係合
油圧を的確に設定することができ、車両の変速時のシフ
トショックを低減することができる。
【0077】また、請求項4記載の本発明の車両用自動
変速機装置によれば、該スロットルバルブの開度が電圧
値に変換されて、該係合油圧制御手段が、該電圧値に基
づいて制御を行なうように構成されるという構造によ
り、係合油圧制御を簡単に行なうことができる。また、
請求項5記載の本発明の車両用自動変速機装置によれ
ば、該アイドル状態検出手段が、車両のスロットルボデ
ィに設けられたアイドルスイッチにより構成されるとい
う構造により、簡単且つ低コストで車両のアイドル状態
を検出することができる。
【0078】また、請求項6記載の本発明の車両用自動
変速機装置によれば、該アイドル状態検出手段が、アク
セルペダルが踏み込まれたかを検出するアクセルスイッ
チにより構成されるという構造により、アイドルスイッ
チが設けられていない車両であっても、アクセルスイッ
チを用いることにより車両のアイドル状態を検出でき、
低コストでアイドル状態を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車両用自動変速機装
置における全体構成を示す模式的なブロック図である。
【図2】本発明の一実施例としての車両用自動変速機装
置におけるスロットル対応初期係合油圧の特性を示すマ
ップである。
【図3】本発明の一実施例としての車両用自動変速機装
置における作動油圧の特性を示すマップであって(a)
は時間と係合デューティ率との関係を示すマップ(b)
は時間とクラッチにより同期される2種の回転系の回転
数との関係を示すマップである。
【図4】本発明の一実施例としての車両用自動変速機装
置の作動油圧の特性を示すマップである。
【図5】本発明の一実施例としての車両用自動変速機装
置における作用を説明するためのフローチャートであ
る。
【図6】本発明の一実施例としての車両用自動変速機装
置におけるTPSの学習機能を説明するためのグラフで
ある。
【図7】本発明の一実施例としての車両用自動変速機装
置における作動油圧の特性を示す変形例である。
【符号の説明】
1 車両 2 自動変速機 3 スロットル開度検出手段としてのスロットルポジシ
ョンセンサ(TPS) 4 車速検出手段としての車速センサ 5 回転同期検出手段 6 アイドル状態検手段としてのアイドルスイッチ 7 制御手段としてのECU 8 変速ギア機構 9 係合クラッチ 10 油圧供給系 11 係合油圧制御手段 12 スロットルオン状態検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永吉 由昌 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両にそなえられて、所要の変速段状態
    を実現する変速ギア機構と、該変速ギア機構を噛合させ
    る係合クラッチと、該係合クラッチに係合油圧を供給す
    る油圧供給系とを有する車両用自動変速機と、 該車両の車速を検出する車速検出手段と、 スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出
    手段と、 該車速検出手段と該スロットル開度検出手段とからの情
    報に基づいて、該自動変速機における該係合クラッチの
    係合状態を制御することで該変速段状態の切換制御を行
    なう制御手段とをそなえるとともに、 該係合クラッチの回転同期を検出する回転同期検出手段
    をそなえ、 該制御手段に、該車速が小さく且つ該スロットルバルブ
    の開度の小さい停止前状態で該自動変速機をダウンシフ
    ト制御する際に、該回転同期検出手段からの検出情報に
    基づいて該係合クラッチの係合油圧を制御する係合油圧
    制御手段が設けられ、 該係合油圧制御手段が、該係合油圧を、所要の初期係合
    油圧から漸増させた後に、所定の時点で完全係合圧まで
    ステップ状に増加させるように設定され、 該初期係合油圧が、該スロットル開度検出手段からのス
    ロットルバルブの開度情報に基づいたスロットル対応初
    期係合油圧を低圧側へ補正することで設定され、 該所定の時点が、該係合クラッチの回転同期の検出時か
    ら所定時間だけ経過した時点に設定されていることを特
    徴とする、車両用自動変速機装置。
  2. 【請求項2】 該係合油圧制御手段が、該係合油圧を、
    所要の初期係合油圧から一定の増加率で漸増させた後
    に、所定の時点で完全係合圧までステップ状に増加させ
    るように設定されていることを特徴とする、請求項1記
    載の車両用自動変速機装置。
  3. 【請求項3】 該スロットル開度検出手段とは独立して
    該スロットルバルブの開度がアイドル状態であるかどう
    かを検出するアイドル状態検出手段をそなえ、 該係合油圧制御手段が、該ダウンシフト制御開始時の該
    スロットル開度検出手段からのスロットルバルブの開度
    情報と該アイドル状態検出手段からのアイドル状態情報
    とに基づいて、該スロットル対応初期係合油圧を設定す
    るように構成され、 該スロットル開度検出手段からのスロットルバルブの開
    度情報に基づいて、該スロットルバルブの開度が閾値以
    下のときには該スロットル初期係合油圧が所定の低圧値
    とされ、該スロットルバルブの開度が該閾値よりも大き
    いときには該スロットル初期係合油圧が該開度に応じて
    該低圧値以上の油圧値に設定されるように構成されてい
    ることを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用自動
    変速機装置。
  4. 【請求項4】 該スロットルバルブの開度が電圧値に変
    換されて、該係合油圧制御手段が、該電圧値に基づいて
    制御を行なうように構成されていることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用自動変速機
    装置。
  5. 【請求項5】 該アイドル状態検出手段が、車両のスロ
    ットルボディに設けられたアイドルスイッチにより構成
    されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の車両用自動変速機装置。
  6. 【請求項6】 該アイドル状態検出手段が、アクセルペ
    ダルが踏み込まれたかを検出するアクセルスイッチによ
    り構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の車両用自動変速機装置
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