JP2800012B2 - Al−Si合金の製造方法 - Google Patents
Al−Si合金の製造方法Info
- Publication number
- JP2800012B2 JP2800012B2 JP63296954A JP29695488A JP2800012B2 JP 2800012 B2 JP2800012 B2 JP 2800012B2 JP 63296954 A JP63296954 A JP 63296954A JP 29695488 A JP29695488 A JP 29695488A JP 2800012 B2 JP2800012 B2 JP 2800012B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy
- primary
- hypereutectic
- crystal
- semi
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は過共晶のAl−Si合金の製造方法に係り、とり
わけ初晶Si結晶を球状化することができるAl−Si合金の
製造方法に関する。
わけ初晶Si結晶を球状化することができるAl−Si合金の
製造方法に関する。
(従来の技術) 過共晶のAl−Si合金(Siがwt%で12%以上のもの)
は、初晶のSi結晶とAl−Siの共晶を有する組織を呈して
いる。この過共晶のAl−Si合金を溶融状態または半溶融
状態から冷却凝固させると、初晶Si結晶は角張った結晶
となる。
は、初晶のSi結晶とAl−Siの共晶を有する組織を呈して
いる。この過共晶のAl−Si合金を溶融状態または半溶融
状態から冷却凝固させると、初晶Si結晶は角張った結晶
となる。
一般に、角張っている初晶Si結晶より球状化している
初晶Si結晶を有するAl−Si合金の方が機械的強度は向上
する。
初晶Si結晶を有するAl−Si合金の方が機械的強度は向上
する。
(発明が解決しようとする課題) 従来、過共晶のAl−Si合金において、初晶Si結晶を球
状化する技術は、まだ確立されていない。
状化する技術は、まだ確立されていない。
一方、黒鉛鋳鉄では、溶湯中にMgやCaを添加したり、
気化吹込み等を行なって溶湯中に気泡を生成し初晶黒鉛
結晶を球状化する方法が知られている。
気化吹込み等を行なって溶湯中に気泡を生成し初晶黒鉛
結晶を球状化する方法が知られている。
しかしながら、過共晶のAl−Si合金は低融点を有する
ものであるから、溶湯中にMgやCaを添加しても気泡は生
成されず、初晶Si結晶を球状化することはできない。ま
た、Al−Si合金の溶湯中に気体吹込みを行なうことによ
り初晶Siを球状化する技術も未確立である。
ものであるから、溶湯中にMgやCaを添加しても気泡は生
成されず、初晶Si結晶を球状化することはできない。ま
た、Al−Si合金の溶湯中に気体吹込みを行なうことによ
り初晶Siを球状化する技術も未確立である。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであ
り、容易かつ確実に初晶Si結晶を球状化することができ
るAl−Si合金の製造方法を提供することを目的とする。
り、容易かつ確実に初晶Si結晶を球状化することができ
るAl−Si合金の製造方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、過共晶のAl−Si合金を半溶融状態まで加熱
し、その後2000kgf/cm2の圧力で加圧成形加工を施しな
がら冷却凝固することにより、初晶Si結晶を球状化する
ことを特徴とするAl−Si合金の製造方法である。
し、その後2000kgf/cm2の圧力で加圧成形加工を施しな
がら冷却凝固することにより、初晶Si結晶を球状化する
ことを特徴とするAl−Si合金の製造方法である。
(作 用) 本発明によれば、半溶融状態で既に晶出している初晶
Siに対して冷却凝固過程で2000kgf/cm2の高圧を与える
ことができ、このため初晶Siを冷却凝固過程で球状化さ
せることができる。
Siに対して冷却凝固過程で2000kgf/cm2の高圧を与える
ことができ、このため初晶Siを冷却凝固過程で球状化さ
せることができる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の実施例について説明す
る。
る。
第1a図および第1b図は、Al−Si合金の金属組織を示す
写真であり、第2図はAl−Si合金を溶融状態にするため
の電気炉を示す側断面図であり、第3図は加圧成形金型
を示す斜視図であり、第4a図および第4b図はプレス機を
示す図である。
写真であり、第2図はAl−Si合金を溶融状態にするため
の電気炉を示す側断面図であり、第3図は加圧成形金型
を示す斜視図であり、第4a図および第4b図はプレス機を
示す図である。
第2図において電気炉11は、その内面にヒータ12を取
付けて構成されており、電気炉11内部にはAl−Si合金の
素材14を収容したルツボ13が配設されている。
付けて構成されており、電気炉11内部にはAl−Si合金の
素材14を収容したルツボ13が配設されている。
また、第3図において加圧成形金型15は2つ割型とな
っており、この加圧金型15の開口部15aにはパンチ18が
装着されるようになっている。また加圧成形金型15に
は、温調機17により制御される棒状ヒータ16が設けられ
ている。
っており、この加圧金型15の開口部15aにはパンチ18が
装着されるようになっている。また加圧成形金型15に
は、温調機17により制御される棒状ヒータ16が設けられ
ている。
なお、第3図に示す加圧成形金型15における加圧作業
は、第4a図および第4b図に示すプレス機によって行なわ
れる。第4a図および第4b数において、プレス機20は、上
部に固定板22を有するベース21と、ベース21に垂設され
たガイド21によって上下方向に可動する可動部23とを備
えている。また可動部23の下端には、ベース21の固定板
22と協動して加圧作業を行なう加圧板24が設けられてい
る。
は、第4a図および第4b図に示すプレス機によって行なわ
れる。第4a図および第4b数において、プレス機20は、上
部に固定板22を有するベース21と、ベース21に垂設され
たガイド21によって上下方向に可動する可動部23とを備
えている。また可動部23の下端には、ベース21の固定板
22と協動して加圧作業を行なう加圧板24が設けられてい
る。
次に本発明によるAl−Si合金の製造方法について詳述
する。
する。
まず、第2図に示す電気炉11のルツボ13内に過共晶の
Al−Si合金(AC9A)素材14を収容し、電気炉11のヒータ
12でルツボ13内のAl−Si合金を半溶融状態(550℃〜650
℃)まで加熱し保持する。
Al−Si合金(AC9A)素材14を収容し、電気炉11のヒータ
12でルツボ13内のAl−Si合金を半溶融状態(550℃〜650
℃)まで加熱し保持する。
続いて、ルツボ13内で半溶融状態となったAl−Si合金
を、260℃±40℃に加熱した加圧成形金型15の開口15a内
に収容し、更に開口15a内にパンチ18を装着する。続い
て、この加圧成形金型15をプレス機20の固定板22上に載
置する。その後、加圧成形金型15を冷却しながら、プレ
ス機20の可動部23を下降させ、可動部23の加圧板24によ
ってパンチ18を下方へ押圧する。このように、半溶融状
態のAl−Si合金を冷却凝固させるとともに、加圧成形金
型15の開口15a内で加圧成形加工する。
を、260℃±40℃に加熱した加圧成形金型15の開口15a内
に収容し、更に開口15a内にパンチ18を装着する。続い
て、この加圧成形金型15をプレス機20の固定板22上に載
置する。その後、加圧成形金型15を冷却しながら、プレ
ス機20の可動部23を下降させ、可動部23の加圧板24によ
ってパンチ18を下方へ押圧する。このように、半溶融状
態のAl−Si合金を冷却凝固させるとともに、加圧成形金
型15の開口15a内で加圧成形加工する。
この加圧成形加工は、約2,000kgf/cm2で行なう。
このようにして、第1b図に示すように角が取れ、丸味
を持った(球状化した)初晶Si結晶を有する過共晶のAl
−Si合金を得ることができる。
を持った(球状化した)初晶Si結晶を有する過共晶のAl
−Si合金を得ることができる。
比較のために、第1a図に通常の製造方法で得られた過
共晶のAl−Si合金を示す。すなわち、第1a図は溶融状態
または半溶融状態のAl−Si合金を砂型によって凝固方法
で製造したものであり、初晶のSi結晶は角張った結晶と
なっている。
共晶のAl−Si合金を示す。すなわち、第1a図は溶融状態
または半溶融状態のAl−Si合金を砂型によって凝固方法
で製造したものであり、初晶のSi結晶は角張った結晶と
なっている。
以上説明したように、本実施例によれば球状化した初
晶Si結晶を有する過共晶のAl−Si合金を得ることができ
るので、引張り強さ、疲労強さ、耐衝撃性、および伸び
に対して優れた過共晶のAl−Si合金を得ることができ
る。
晶Si結晶を有する過共晶のAl−Si合金を得ることができ
るので、引張り強さ、疲労強さ、耐衝撃性、および伸び
に対して優れた過共晶のAl−Si合金を得ることができ
る。
以上説明したように、本発明によれば半溶融状態で既
に晶出している初晶Siに対して冷却凝固過程で2000kgf/
cm2の高圧を与えることができ、このため初晶Siを冷却
凝固過程で球状化させることができる。従って容易かつ
簡単に機械的強度の高いAl−Si合金を得ることができ
る。
に晶出している初晶Siに対して冷却凝固過程で2000kgf/
cm2の高圧を与えることができ、このため初晶Siを冷却
凝固過程で球状化させることができる。従って容易かつ
簡単に機械的強度の高いAl−Si合金を得ることができ
る。
第1a図は通常の製造方法によって得られたAl−Si合金の
金属組織写真を示す図、第1b図は本発明の製造方法によ
って得られたAl−Si合金の金属組織写真を示す図、第2
図は電気炉を示す側断面図、第3図は加圧成形金型を示
す斜視図、第4a図はプレス機を示す側断面図、第4b図は
第4a図IV線矢視図である。 11……電気炉、12……ヒータ、13……ルツボ、14……素
材、15……加圧成形金型、15a……開口、16……棒状ヒ
ータ、18……パンチ、20……プレス機。
金属組織写真を示す図、第1b図は本発明の製造方法によ
って得られたAl−Si合金の金属組織写真を示す図、第2
図は電気炉を示す側断面図、第3図は加圧成形金型を示
す斜視図、第4a図はプレス機を示す側断面図、第4b図は
第4a図IV線矢視図である。 11……電気炉、12……ヒータ、13……ルツボ、14……素
材、15……加圧成形金型、15a……開口、16……棒状ヒ
ータ、18……パンチ、20……プレス機。
Claims (1)
- 【請求項1】過共晶のAl−Si合金を半溶融状態まで加熱
し、その後2000kgf/cm2の圧力で加圧成形加工を施しな
がら冷却凝固することにより、初晶Si結晶を球状化する
ことを特徴とするAl−Si合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63296954A JP2800012B2 (ja) | 1988-11-24 | 1988-11-24 | Al−Si合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63296954A JP2800012B2 (ja) | 1988-11-24 | 1988-11-24 | Al−Si合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02141543A JPH02141543A (ja) | 1990-05-30 |
JP2800012B2 true JP2800012B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=17840334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63296954A Expired - Lifetime JP2800012B2 (ja) | 1988-11-24 | 1988-11-24 | Al−Si合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2800012B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102423798B (zh) * | 2011-11-25 | 2016-01-27 | 沈阳工业大学 | 一种过共晶Al-Si合金挤压铸造成型方法及其模具 |
CN106521376B (zh) * | 2016-10-17 | 2018-06-08 | 常州大学 | 一种过共晶铝硅合金中共晶硅快速球化退火方法 |
CN107201488A (zh) * | 2017-05-02 | 2017-09-26 | 常州大学 | 一种共晶铝硅合金中共晶硅快速球化处理方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58136733A (ja) * | 1982-02-10 | 1983-08-13 | Hitachi Ltd | 過共晶Al−Si合金の初晶Si微細化方法 |
-
1988
- 1988-11-24 JP JP63296954A patent/JP2800012B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02141543A (ja) | 1990-05-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0733421B1 (en) | Die casting method | |
JPH0251703B2 (ja) | ||
JPH08187547A (ja) | 鋳造用金属スラリーの製造方法 | |
JP2001347356A (ja) | 引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い銅または銅合金インゴットの製造方法および装置 | |
US3754592A (en) | Method for producing directionally solidified cast alloy articles | |
JP2800012B2 (ja) | Al−Si合金の製造方法 | |
JP3246296B2 (ja) | 半溶融金属の成形方法 | |
JPH07278692A (ja) | 高強度を有する高Si含有Al合金金型鋳造部材の製造法 | |
JP3487315B2 (ja) | ダイカスト鋳造方法 | |
JPH08318349A (ja) | 鋳造用金属ビレットの製造方法及びその製造装置 | |
JP3783275B2 (ja) | 半溶融金属の成形方法 | |
JPS58125328A (ja) | 鍛造品の製造方法 | |
JP2003126950A (ja) | 半溶融金属の成形方法 | |
JP3313220B2 (ja) | 鋳造用金属スラリーの製造方法及び製造装置 | |
JPH10195586A (ja) | Fe−C−Si系合金鋳物およびその鋳造方法 | |
JP3473214B2 (ja) | 半溶融金属の成形方法 | |
JPH11333034A (ja) | ゴルフクラブヘッド用アモルファス合金板の製造方法 | |
JP3339333B2 (ja) | 溶融金属の成形方法 | |
JPH10152731A (ja) | 半溶融金属の成形方法 | |
JP2002018557A (ja) | 薄肉金属製品の製造方法および製造装置 | |
JPH02141544A (ja) | Al−Si合金の製造方法 | |
JPH0873955A (ja) | 異合金混在スクラップの分離方法 | |
JP2005040813A (ja) | 加圧成形用金型とその金型を用いた半凝固金属の成形方法 | |
JP2002273561A (ja) | 一方向凝固組織を有する鋳造体の製造方法および装置 | |
JPH067890A (ja) | 連続鋳造方法および鋳型 |