JP2799732B2 - 車椅子 - Google Patents

車椅子

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JP2799732B2
JP2799732B2 JP1149256A JP14925689A JP2799732B2 JP 2799732 B2 JP2799732 B2 JP 2799732B2 JP 1149256 A JP1149256 A JP 1149256A JP 14925689 A JP14925689 A JP 14925689A JP 2799732 B2 JP2799732 B2 JP 2799732B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車椅子に係り、特に、操作輪を介して入力
される操作トルクをトルク検出手段により検出し、それ
によって、駆動輪を駆動する駆動モータを制御するよう
にしたものに関する。
(従来の技術) 第12図及び第13図を参照して従来例を説明する。第12
図は車椅子の平面図であり、第13図は側面図である。
車椅子本体101には、着座部103、肘掛け部104、104、
背もたれ部106が設けられている。
又、車椅子本体101の後部には、一対の駆動輪105、10
5が取付けられているとともに、前部には従動輪107、10
7が取付けられている。
上記駆動輪105、105と駆動モータ109、109とは、減速
機111、111を介して連結されており、それぞれの駆動輪
105、105が独立して駆動されるようになっている。
車椅子本体101の一方の肘掛け部104には、制御棒115
が取付けられている。この制御棒115を前後・左右に倒
すことにより、コントローラ(第13図に示す)117を介
して一対の駆動モータ109、109を制御し、それによっ
て、所望の方向に所望の速度で走行する。
すなわち、制御棒115を前方に倒すことにより前方に
走行し、その際、倒す量によって走行速度を調整する。
後方に走行する場合も同様である。
又、曲がる場合には、制御棒115を前または後ろに倒
すとともに、左右の所定量倒し、左右に設けられた駆動
輪105、105の回転量に差を設ける。これによって、当該
車椅子は所望の方向に曲がる。
尚、第13図中符号119はバッテリーである。
(本発明が解決しようとする課題) 上記従来の構成によるとつぎのような問題があった。
まず、所望の走行を実現するための制御棒115の操作
は決して簡単なものではなく、その制御棒115の操作を
習得するのに、長時間を要してしまうという問題があっ
た。
又、制御棒115を操作するにあたって、路面の状況が
一切考慮されず、路面の状況に無関係に走行する構成で
あるので、段差の大きな路面を走行するときなど、路面
の状況によって危険な場合があった。
さらに、万一、制御棒115が倒れたままの状態で放置
された場合には、車椅子が不用意に暴走してしまうとい
う問題もあった。
本発明の目的は、操作が簡単で、路面の状況を関知す
ることができ、暴走等の事故を起こさない車椅子を提供
することである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するべく本願発明による車椅子は、車
椅子と、車椅子本体の左右に取付けられた一対の駆動輪
と、車椅子に取付けられた上記一対の駆動輪をそれぞれ
別個に駆動する一対の駆動モータとを備えてなる車椅子
において、上記一対の駆動輪にトルク検出手段を介して
一対の操作輪を連結し、操作輪を介して入力される操作
トルクをトルク検出手段によって検出し、その検出値に
基づいて駆動モータを制御するコントローラを設けたこ
とを特徴とするものである。
(本発明の作用) 操作輪を操作すると、そのときの操作トルクがトルク
検出手段によって検出される。この検出された操作トル
クに基づいて、駆動モータが制御され、所望のアシスト
力が駆動輪に付与される。
例えば、検出トルクが大きい場合には、大きなモータ
電流が流れ、逆に、検出トルクが小さい場合には、小さ
なモータ電流が流れる。
操作輪に対する操作力をなくせば、操作トルクは0と
なり、よって駆動モータは停止して、駆動輪も停止す
る。
左右の操作輪に対する操作トルクを加減することによ
り、所望の方向に曲がる。
駆動輪に加わる路面抵抗等については、操作輪にも作
用するので、路面状況等を関知することができる。
操作輪に対して、不用意な力が作用しても、それによ
って発生した操作トルクにみあった分だけしか、駆動輪
は回転しないので、それ以上の不用意な走行は防止され
る。
(本発明の実施例) 以下、第1図ないし第9図を参照して本発明の第1実
施例を説明する。
車椅子本体1には、着座部3が設けられており、又、
肘掛け部5、5、背もたれ部7が設けられている。
車椅子本体1の後部であってその左右には、駆動輪
9、9がそれぞれ取付けられており、これら駆動輪9、
9には、減速機11、11を介して、駆動モータ13、13が連
結されている。
車椅子本体1の前部であって左右には、従動輪14、14
がそれぞれ取付けられている。
駆動輪9、9の外側には、操作輪15、15が、トルク検
出手段16、16を介して連結されている。その構成を第3
図ないし第7図を参照して説明する。
まず、操作輪15、15には、インプットシャフト17が形
成されており、このインプットシャフト17は中空状をな
していて、トーションバー19の一端が挿入されている。
このトーションバー19は、第4図に示すように、トーシ
ョンバー19の一端に形成されたピン孔21と、インプット
シャフト17に形成されたピン孔23に、図示しないピンを
圧入することにより、インプットシャフト17に連結され
ている。
一方、駆動輪9側には、アウトプットシャフト25が形
成されており、このアウトプットシャフト25も中空状を
なしていて、上記トーションバー19の他端が挿入されて
いる。そして、トーションバー19は、第4図に示すよう
に、トーションバー19の他端に形成されたピン孔27と、
アウトプットシャフト25のピン孔29内に、図示しないピ
ンを圧入することにより、アウトプットシャフト25に連
結されている。
又、インプットシャフト17の端部には、第4図ないし
第6図に示すように、180゜の位置に突起31、31が形成
されており、一方、アウトプットシャフト25側には、第
4図及び第5図に示すように、180゜の位置に、切欠き
部33、33が形成されている。そして、第5図に示すよう
に、上記突起31、31は、切欠き部33、33内に隙間を存し
て嵌合している。
上記隙間の範囲内で、インプットシャフト17とアウト
プットシャフト25の相対回転が許容される。又、それ以
上の相対回転は、突起31と切欠き部33との係合により規
制され、それによって、トーションバー19の過剰な捩じ
れを防止する。
トーションバー19の他端は、180゜の位置にて切除さ
れていて、第7図にも示すように、そこに歪みゲージ取
付け面35、35が取付けられており、そこに歪みゲージ3
6、36が取付けられている。又、その近傍には、第3図
に示すように、トルクセンサ37が配置されていて、歪み
ゲージ36とケーブル38を介して連結されている。上記ト
ルクセンサ37とは別に設けられたコントローラ39ともケ
ーブル41を介して連結されている。
上記コントローラ39には、バッテリー43が連結されて
おり、又、既に述べた駆動モータ13は、ケーブル45を介
して、コントローラ39に連結されている。
又、第8図に示すように、スイッチ42が設けられてい
て、手動操作によってコントローラ39にオフ信号を出力
できるようにしている。
次に、減速機11であるが、これは、第3図に示すよう
に、駆動モータ13の回転軸44に固着されたギヤ46と、こ
のギヤ46に噛合するギヤ47と、このギヤ47に噛合すると
ともに上記アウトプットシャフト25に同軸に固着された
ギヤ49とから構成されている。
尚、上述した構成は、図示しない反対側についても同
様である。
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、操作輪15を操作する。これによって、インプッ
トシャフト17が同方向に回転する。一方、駆動輪9は回
転しないので、アウトプットシャフト25は回転せず、し
たがって、トーションバー19が捩じれて、インプットシ
ャフト17とアウトプットシャフト25との間に相対回転角
が発生する。
上記トーションバー19の捩じれは、歪みゲージ36によ
って検出され、トルクセンサ37を介して操作トルクとし
て検出される。
トルクセンサ37からの検出信号は、コントローラ39に
出力され、コントローラ39はその信号に基づいて、駆動
モータ13のモータ電流を制御する。
すなわち、第9図に示すように、操作トルクが大きく
なるにしたがって、モータ電流が大きくなるように設定
されている。尚、モータ電流は、必ずしも曲線状に増加
させる必要はなく、直線状に増加させてもよい。
モータ電流を制御された駆動モータ13の回転は、減速
機11を介して、アウトプットシャフト25に伝達され、そ
れによて、駆動輪9が回転するとともに、その回転は操
作輪15にも伝達される。
つまり、操作輪15を介して操作トルクを付与すれば、
後は、操作トルクの大きさに対応したモータ電流に制御
された駆動モータ13によって自動的に駆動輪9が回転す
る。
そして、操作トルクがなくなり、トーションバー19の
捩じれが解消されれば、駆動モータ13は停止する。そし
て、連続的に走行したい場合には、操作輪15に対する操
作トルクの付与を継続すればよいし、逆に停止させたい
場合には、操作輪15に対する操作トルクの付与を停止す
ればよい。
又、曲がりたい場合には、左右に設けられた操作輪1
5、15に対する操作トルクの付与を加減すればよく、そ
れによって、左右の駆動モータ13、13のモータ電流に差
ができるので、所望の方向に曲がることができる。
その際、駆動輪9に加わる路面抵抗等も、操作輪15に
作用し、例えば、路面抵抗が大きくなれば、それだけ操
作トルクも大きくなり、逆に路面抵抗が小さくなれば、
操作トルクも小さなものとなる。
次に、スイッチ42によりオフとした場合であるが、こ
の場合には、操作輪15、15を介して手動操作することに
より、駆動輪9、9を回転させて、走行することができ
る。
以上本実施例によると以下のような効果を奏すること
ができる。
まず、操作が容易となり、従来の制御棒の操作のよう
に、習得に長時間を要するといったことはない。これ
は、一対の操作輪15、15を、手動の車椅子と同様の間隔
で操作すればよいからであり、それによって、所望の走
行にみあった操作トルクが付与されるからである。
又、その際の操作力は、手動の車椅子の場合に比べ
て、大幅に軽減される。これは、駆動モータ13によって
所望のアシスト力が自動的に付与されるからである。
又、路面の状況等も考慮される。つまり、路面の状況
に応じて、操作輪15に対する操作トルクが自然に変化す
るので、路面の状況を関知することができる。
さらに、不用意な暴走をなくすことができる。例え
ば、操作輪15に異常な力が作用した場合には、それによ
って発生したトーションバー19の捩じれ分だけは駆動輪
9が回転するが、捩じれが解消されれば、それ以上回転
することはなく、よって、暴走を防止することができ
る。
左右一対の駆動輪9、9に対して、同様の構成を独立
して設けているので、左右の操作輪15、15に対する操作
トルクを変えることにより、自由に曲がることができ
る。
次に、第10図及び第11図を参照して、第2実施例を説
明する。
第1実施例の場合には、駆動輪9に対して、操作輪15
を同軸に取付けたが、この実施例ではこれを別軸とした
ものである。
すなわち、操作輪51、51には、トルク検出手段53、53
を介して、チェーン駆動輪55、55が連結されている。上
記チェーン駆動輪55、55と、駆動輪9、9に同軸に固着
されたスプロケット57、57との間には、チェーン59、59
が巻回されている。
上記操作輪51とチェーン駆動輪55との関係は、前記第
1実施例における操作輪15と駆動輪9との関係と同じで
ある。
この場合にも前記第1実施例の場合と同様の効果を奏
することができる。
尚、操作輪を駆動輪に対して、別軸に配置する場合に
おいて、プーリとベルトを使用する構成、複数のギヤ群
を使用する構成でも、同様の効果を奏することができ
る。
又、トルク検出手段の構成については、種々のものが
考えられる。
(本発明の効果) 以上詳述したように本発明による車椅子によると、操
作を容易にすることができ、又、路面の状況に応じた走
行を可能とし、かつ、暴走を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第9図は本発明の第1実施例を示す図で、
第1図は車椅子の平面図、第2図は車椅子の側面図、第
3図は操作輪と駆動輪との関係を示す断面図、第4図は
インプットシャフト、トーションバー、アウトプットシ
ャフトの分解斜視図、第5図は第3図のV−V断面図、
第6図は第3図のVI−VI断面図、第7図は第3図のVII
−VII断面図、第8図は制御系の構成図、第9図はモー
タ電流と操作トルクの関係を示す特性図、第10図及び第
11図は第2実施例を示す図で、第10図は車椅子の平面
図、第11図は車椅子の側面図、第12図及び第13図は従来
例を示す図で、第12図は車椅子の平面図、第13図は車椅
子の側面図である。 1……車椅子本体、9……駆動輪、13……駆動モータ、
15……操作輪、16……トルク検出手段、36……歪みゲー
ジ、37……トルクセンサ、39……コントローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61G 5/00 - 5/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車椅子本体と、この車椅子本体の左右に取
    付けられた一対の駆動輪と、車椅子本体に取付けられた
    上記一対の駆動輪をそれぞれ別個に駆動する一対の駆動
    モータとを備えてなる車椅子において、上記一対の駆動
    輪にトルク検出手段を介して一対の操作輪を連結し、操
    作輪を介して入力される操作トルクをトルク検出手段に
    よって検出し、その検出値に基づいて駆動モータを制御
    するコントローラを設けたことを特徴とする車椅子。
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