JP2797550B2 - ジアルキルペルオキシドを有効成分とする光分解型ラジカル発生剤 - Google Patents

ジアルキルペルオキシドを有効成分とする光分解型ラジカル発生剤

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JP2797550B2 JP29381189A JP29381189A JP2797550B2 JP 2797550 B2 JP2797550 B2 JP 2797550B2 JP 29381189 A JP29381189 A JP 29381189A JP 29381189 A JP29381189 A JP 29381189A JP 2797550 B2 JP2797550 B2 JP 2797550B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はジアルペルオキシドを有効成分とする光分解
型ラジカル発生剤に関する。
(従来の技術) 光重合(光硬化)性モノマー、光重合(光硬化)性樹
脂組成物を光重合、光硬化させる重合、硬化法は、熱重
合、熱硬化法及び酸化硬化法に比べて、低温、迅速に重
合、硬化でき、生産性向上、省エネルギー、無公害など
の多くの長所があり、また、選択的硬化も可能であるた
め、印刷インキ、塗料、接着剤、樹脂凸版、プリント配
線基盤の加工、などに広く使われている。
光重合、光硬化方法においては、各種の開始剤が開発
されてきた。例えば、ベンゾイン、ベンゾインエーテル
類、ベンジル、アリールジアゾニウム塩、ベンゾフェノ
ン誘導体、アセトフェノン誘導体、キサンテート類、チ
オキサントン類、ハロゲン化炭化水素類などの紫外線の
作用下でラジカルを発生する光重合開始剤が知られてい
る〔ジャーナル・オブ・オイル・アンド・カラー・ケミ
スツ・アソシエーション(J.Oil.Col.Assoc.),59巻、1
66〜171頁(1976年)〕。
また、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシ
ドなどの有機過酸化物が光重合開始剤として使用できる
ことが知られている。しかし、これらの有機過酸化物
は、一般に320nm以下の光しか吸収しない〔ケミカル・
レビュー(Chem.Rev.),68巻、125〜151頁(1965
年)〕。増感剤を併用することが試みられたが、増感剤
から有機過酸化物への分子間での光エネルギーの伝達効
率が低く、有機過酸化物の光分解効率が低くなってしま
い、特に、ジアルキル型有機過酸化物であるジ−t−ブ
チルペルオキシドは、分子間では光増感分解しないと報
告されている〔ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.),87巻、3413
〜3417頁(1965年)〕。
この問題を解決するために、分子内に光吸収基として
ベンゾフェノン基を含有するエステル型有機過酸化物が
開発されている〔米国特許第4416826号〕〔特開昭59−1
97401〕。しかし、これらの化合物は、暗所保存安定性
が悪い、硬化した樹脂が黄変するなどの欠点があった。
(発明が解決しようとする課題) 前記従来の光重合開始剤は、それぞれ有用であるが、
なお改良すべきいくつかの欠点を持っている。例えば、 (1) ベンゾイン、ベンゾインエーテル類は、暗所保
存安定性が悪い。
(2) ベンゾフェノン誘導体はアミン等と併用する
が、重合物、硬化物が黄変する。
(3) チオキサントン類は、モノマー及び樹脂への溶
解度が低い。
(4) 光吸収基含有エステル型過酸化物は、熱安定性
が悪く、硬化した樹脂も黄変する。
本発明の目的は、従来の光重合開始剤の欠点を改良し
た、熱安定性が良く、重合物や硬化物の黄変が少なく、
しかも光重合、光硬化の効率のよい、工業的価値の高い
ジアルキルペルオキシドを有効成分とする光分解型ラジ
カル発生剤を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の目的は、光吸収基含有ジアルキルペルオキシ
ドを有効成分とする光分解型ラジカル発生剤によって達
成された。
すなわち、本発明は、一般式 (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
−クミル基、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4
炭素数1〜20のアルキル基、R5は炭素数1〜3のアルキ
ル基、水素原子の中から選ばれ、nは1または2を表
す。また、R1OOC(R2)(R3)基はメタまたはパラ位で
ある。) で示されるアルキルフェノン基含有ジアルキルペルオキ
シドを有効成分とする光分解型ラジカル発生剤である。
上記一般式(I)で表わされるアルキルフェノン基含
有ジアルキルペルオキシドを以下に例示する。
(1)1−{4−(1−t−アミルペルオキシ−1−メ
チルエチル)フェニル}エタノン (2)1−{4−(1−t−ヘキシルペルオキシ−1−
メチルエチル)フェニル}エタノン (3)1−{4−(1−t−オクチルペルオキシ−1−
メチルエチル)フェニル}エタノン (4)1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−2−メチルフェニル}エタノン (5)1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−2,6−ジメチルフェニル}エタノン (6)1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−2,6−ジイソプロピルフェニル}エタノ
ン (7)1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)フェニル}プロパン−1−オン (8)1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)フェニル}−2,2−ジメチルプロパン−1
−オン (9)1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)フェニル}ドデカン−1−オン (10)1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)フェニル}エイコサン−1−オン (11)1−{4−(1−t−オクチルペルオキシ−1−
エチルプロピル)−2,6−ジイソプロピルフェニル}ヘ
ンエイコサン−1−オン (12)1−{3−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)フェニル}エタノン (13)1−{3−(1−t−アミルペルオキシ−1−メ
チルエチル)フェニル}エタノン (14)1−{3−(1−t−ヘキシルペルオキシ−1−
メチルエチル)フェニル}エタノン (15)1−{3−(1−t−オクチルペルオキシ−1−
メチルエチル)フェニル}エタノン (16)1−{3−(1−クミルペルオキシ−1−メチル
エチル)フェニル}エタノン (17)1−{3−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−6−メチルフェニル}エタノン (18)1−{3−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−6−イソプロピルフェニル}エタノン (19)1−{3−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−6−メチルフェニル}ブタン−1−オン (20)1−{3−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−6−メチルフェニル}−2,2−ジメチル
プロパン−1−オン (21)1−{3−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−6−メチルフェニル}ヘキサン−1−オ
ン (22)1−{3−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−6−メチルフェニル}デカン−1−オン (23)1−{3−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)−6−メチルフェニル}ヘンエイコサン−
1−オン (24)1−{3−(1−t−オクチルペルオキシ−1−
エチルプロピル)−6−イソプロピルフェニル}ヘンエ
イコサン−1−オン ここで、光分解型ラジカル発生剤とは、光重合開始
剤、光硬化剤、光架橋剤等である。
本発明の一般式(I)で示される化合物は、次の4通
りの方法で製造することができる。
第1の製造法は、以下の通りである。すなわち、一般
(式中、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4は炭素
数1〜20のアルキル基、R5は炭素数1〜3のアルキル
基、水素原子の中から選ばれ、nは1または2を表す。
また、CH(R2)(R3)基はメタまたはパラ位である。) で示されるイトアルキル基置換アルキルフェノンと、 一般式 R1OOH (II) (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
−クミル基を表す。) で示されるヒドロペルオキシドを、第4および第5周期
の遷移元素の中から選ばれる金属の金属塩の存在下で反
応させることにより、一般式(I)で示される化合物が
得られる。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,nおよびR1OOC(R2)(R4)基
の位置は前記の通りである。) 最初の化合物(III)は、置換ベンゼンと酸クロリド
のフリーデル・クラフツ反応などにより、容易に得られ
る。
本発明の製造法の化合物(III)とヒドロペルオキシ
ド(II)との反応では、触媒として第4および第5周期
の遷移元素の中から選ばれる金属の金属塩を用いること
ができる。金属塩の金属を具体的に示すと、銅、コバル
ト、マンガン、鉄、クロム、亜鉛などであり、配位子を
具体的に示すと、よう素、臭素、塩素のハロゲン、硫
酸、リン酸、硝酸、炭酸などの鉱酸、ギ酸、酢酸、ナフ
テン酸、オクテン酸、グルコン酸、などの有機酸、シア
ン、アセチルアセトナートなどである。金属塩の使用量
はヒドロペルオキシド1モルに対して0.0001〜0.1モル
である。反応条件は用いる金属塩によって異なるが、反
応温度は通常30〜100℃、反応時間は1〜50時間が好ま
しい。また、溶媒としてベンゼン、トルエンなどを用い
ることができる。また、反応系内には酸素が存在しない
方が好ましく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下
で反応を行うのが好ましい。
第2の製造法は、以下の通りである。すなわち、 一般式 (式中、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4は炭素
数1〜20のアルキル基、R5は炭素数1〜3のアルキル
基、水素原子の中から選ばれ、nは1または2を表す。
また、COH(R2)(R3)基はメタまたはパラ位であ
る。) で示されるα−ヒドロキシイソアルキル基置換アルキル
フェノンと、一般式(II)で示されるヒドロペルオキシ
ドを、酸触媒の存在下で反応させることにより、一般式
(I)で示される化合物が得られる。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,nおよびR1OOC(R2)(R3)基
の位置は前記の通りである。) 最初の化合物(IV)は、化合物(III)を空気酸化し
て生成するヒドロペルオキシドを還元することにより容
易に得られる。
本発明の製造法の化合物(IV)とヒドロペルオキシド
(II)との反応では、酸触媒として過塩素酸、塩酸、硫
酸、リン酸などの鉱酸を用いることができる。酸触媒の
使用量は、化合物(IV)1モルに対して0.001〜1モル
である。溶媒として酢酸などを用いることができる。ま
た、反応系中に硫酸マグネシウムなどの脱水剤を存在さ
せると、収率を向上させることができる。反応条件は、
反応温度は通常0〜70℃、反応時間は1〜10時間が好ま
しい。
第3の製造法は以下の通りである。すなわち、 一般式 (式中、R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4は炭素数1
〜20のアルキル基、R5は炭素数1〜3のアルキル基、水
素原子の中から選ばれ、R6はメチル基または水素原子、
nは1または2を表す。また、R6HC=C(R3)基はメタ
またはパラ位である。) で示されるイソアルケニル基置換アルキルフェノンと、
一般式(II)で示されるヒドロペルオキシドを、酸触媒
の存在下で反応させることにより、一般式で示される化
合物が得られる。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,nおよびR1OOC(R2)(R3
基の位置は前記の通りである。) 最初の化合物(V)は、化合物(IV)を脱水すること
により容易に得られる。
本発明の製造法の化合物(V)とヒドロペルオキシド
(II)との反応では、酸触媒として塩酸、硫酸、過塩素
酸などの鉱酸、および/または、塩化亜鉛、塩化アルミ
ニウムなどのルイス酸などが使用される。酸触媒の使用
量は、化合物(V)1モルに対して0.001〜1モルであ
る。反応条件は、反応温度は通常0〜70℃、反応時間は
1〜10時間が好ましい。また、イソプロピルアルコール
などの溶媒を用いることができる。
第4の製造法は以下の通りである。すなわち、 (式中、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4は炭素
数1〜20のアルキル基、R5は炭素数1〜3のアルキル
基、水素原子の中から選ばれ、Xは塩素原子または臭素
原子、nは1または2を表す。またCX(R2)(R3)基は
メタまたはパラ位である。) で示されるα−ハロゲン化イソアルキル基置換アルキル
フェノンと、 一般式 R1OOH (II) (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
−クミル基を表す。) で示されるヒドロペルオキシドを、アルカリの存在下で
反応させることにより、一般式(I)で示される化合物
が得られる。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,x,nおよびR1OOC(R2)(R3
基の位置は前記の通りである。) 最初の化合物(VI)は、化合物(III)を塩素ガス、
N−ブロモこはく酸イミドなどでハロゲン化することに
より容易に得られる。
本発明の製造法の化合物(IV)とヒドロペルオキシド
(II)との反応では、アルカリとして、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ピリジンなどを用いることができ
る。アルカリの使用量は、化合物(VI)1モルに対して
0.8〜3.0モルが好ましい。反応条件は、反応温度は通常
0〜70℃、反応時間は1〜10時間が好ましい。また、溶
媒としてヘキサン、ベンゼン、トルエン、エーテルなど
を用いることができる。
以上のようにして製造されるジアルキルペルオキシド
は、常温で白色の固体または透明な粘性液体として得ら
れる。得られたそれぞれの化合物は赤外線吸収スペクト
ル、核磁気共鳴スペクトル、紫外線吸収スペクトル、マ
ススペクトルおよび元素分析により、その構造を同定す
ることができる。
本発明にかかるジアルキルペルオキシドは単独で、ま
たは他の成分と混合し、光重合開始剤としてラジカル重
合性不飽和化合物の光重合または光硬化に使用する。こ
の際、1種または2種以上のラジカル重合性不飽和化合
物と、本発明の光重合開始剤との混合中に、通常用いら
れている顔料、フィラー、色素、熱重合禁止剤、可塑
剤、溶媒、増感剤、また、他の既知の光重合開始剤など
の添加剤を適宜配合することもでき、このような感光性
組成物が塗料、接着剤、印刷インキ、印刷凸版、プリン
ト配線基盤、フォトレジストなどに使用される。
本発明の光重合開始剤、光硬化剤を配合して光重合、
光硬化させうるラジカル性不飽和化合物としては、重合
性単量体、重合性オリゴマー、および重合性不飽和重合
体があげられる。重合性単量体は、一つ以上の重合性二
重結合を持つ化合物であって、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イ
タコン酸などの不飽和カルボン酸、および、これらの不
飽和カルボン酸の誘導体、例えば、メチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、などのモノエ
ステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど
のヒドロキシエテスル類、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ートなどの多価エステル類、(メタ)アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリルアミド、および、N−置換(メ
タ)アクリクアミド等、ビニルアセテート、ビニルプロ
ピオネート、ビニルアセテート、および、ビニルスクシ
ネート等のビニルエステル類、ビニルエーテル類、スチ
レン、アルキルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニ
ルベンゼン、ビニルナフタレン、N−ビニルピロピリド
ン、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、トリアリ
ルイソシアネート、および、トリアリルホスフェートな
どのビニル化合物などがあげられる。重合性オリゴマ
ー、重合性不飽和重合体としては、例えば、マレート
基、フマレート基、アリル基、(メタ)アクリルート基
を持つ硬化性樹脂、不飽和ポリエステル、不飽和アクリ
ル樹脂、および、イソシアネート改質アクリルオリゴマ
ー、ポリエステルアクリルオリゴマー、および、ポリエ
ーテルアクリルオリゴマー等があげられる。
また、本発明の光架橋剤に使用される、架橋されるポ
リマーとしては、例えばポリエチレン、エチレンポリプ
ロピレンコポリマー(EPM)、エチレンプロピレンジエ
ンコポリマー(EPDM)、エチレン酢酸ビニルコポリマー
(EVA)、テトラフルオロエチレンビニリデンフルオラ
イドヘキサフルオロプロピレン三元コポリマー、クロル
スルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリブ
テン−1、ポリイソブテン、エチレンビニルアセテート
ポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロ
ロプレン、フタジエンスチレンコポリマー、天然ゴム、
ポリアクリレートゴム、ブタジエンアクリロニトリルコ
ポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン三元コ
ポリマー、シリコーンゴム、ポリウレタンなどがあげら
れる。
本発明の光重合開始剤、光硬化剤、光架橋剤の使用量
は、基本的にはラジカル重合性不飽和化合物および架橋
されるポリマーに対して0.01〜10重量%、好ましくは、
0.1〜4重量%であるが、添加剤の種類の影響を受け
る。例えば、光透過性の悪い顔料を混合する場合は、増
量することが必要なこともある。しかし、量が多すぎる
と、重合体の中に未反応の光重合開始剤が残存し、重合
物の物性を低下するおそれがある。また、少なすぎると
重合が完結せず、未反応の不飽和化合物が残存する。
本発明の光重合開始剤、光硬化剤、光架橋剤を配合し
たラジカル重合性不飽和化合物の光重合、光硬化および
光架橋は、既知の方法により250〜500nm、好ましくは、
300〜400nmの波長範囲の光の照射により行う。使用でき
る光源は、日光、水銀ランプ、水銀放電管、キセノンア
ークランプ、閃光放電管、タングステンランプ、ハロゲ
ンランプ、色素レーザー、エキシマレーザー等があげら
れる。
(発明の効果) 本発明の光分解型ラジカル発生剤は、従来の光重合体
開始剤に比べて次の特徴を持っている。
(1)本発明にかかるアルキルフェノン基含有ジアルキ
ルペルオキシドは、同一分子内に光吸収基とラジカル発
生源を持つため、光の照射により、効率よくラジカルを
発生させることができる。従って、光重合、光硬化速度
が速い。
(2)本発明にかかるアルキルフェノン基含有ジアルキ
ルペルオキシドは、ジアルキル型の過酸化物であるの
で、熱安定性が良く、従って、これを含む光重合組成物
は、重合およびゲル化することなく長期間保存できる。
(3)本発明のラジカル発生剤を光重合開始剤、光硬化
剤、光架橋剤として用いて得られた重合体は黄変しな
い。
(4)本発明にかかるアルキルフェノン基含有ジアルキ
ルペルオキシドは、有機過酸化物であるため、光硬化に
よる硬化が不十分な場合、熱硬化によるアフターキュア
が可能である。
以上のように、本発明の光分解型ラジカル発生剤は光
重合、硬化、架橋剤として優れた特徴を有し、工業的価
値は極めて高い。
(実施例) 次に、実施例により、本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1 撹拌装置および温度計を備えた200mlの四つ口フラス
コにp−イソプロピルアセトフェノン〔これは、クメン
とアセチルクロリドから得られる〕8.1g(0.05モル)、
t−ブチルヒドロペルオキシド13.5g(0.15モル)、塩
化第一銅0.05gおよびベンゼン50gの懸濁液を、窒素雰囲
気下、70℃で25時間撹拌を続け、次いで10%塩酸、10%
水酸化ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥、溶媒留去後、メタノール中結晶化、およ
びカラムクロマトグラフィーにより白色固体7.5gを得
た。この化合物について、赤外線吸収スペクトル、核磁
気共鳴スペクトル、紫外線吸収スペクトル、マススペク
トル、元素分析、および、融点の測定を行った結果、下
記のとおりであり、この化合物1−{4−(1−t−ブ
チルペルオキシ−1−メチルエチル)フェニル}エタノ
ンであることを確認した。
赤外線吸収スペクトル 870cm-1(0−0結合) 1690cm-1(C=0結合) 核磁気共鳴スペクトル(δ) 1.23ppm(9H) 1.57ppm(6H) 2.59ppm(3H) 7.5〜8.0ppm(4H) 紫外線吸収スペクトル(ジオキサン中) 252nm(ε15800) 320nm(ε70) マススペクトル 250m/e(分子イオンピーク) 元素分析 C:71.95%(計算値71.97%) H:8.86%(計算値8.86%) 融点 27〜28℃ 実施例2〜5 t−ブチルヒドロペルオキシドの代わりに、それぞれ
t−アミルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペ
ルオキシド、t−オクチルヒドロペルオキシド、クメン
ヒドロペルオキシドを用いて実施例1に述べた製造方法
に準じた方法で操作して得た化合物についてそれぞれ実
施例1と同様に各分析を行った結果、これらの化合物が
目的のペルオキシドであることを確認した。得られた化
合物および各分析の結果を第1表にまとめて示す。
実施例6〜11 p−イソプロピルアセトヘェノンの代わりに、種々の
置換基を持つp−イソプロピルアルキルフェノンを用い
る以外は、実施例1に述べた製造方法に準じた方法で操
作して、得られた化合物についてそれぞれ実施例1と同
様に各分析を行った結果、これらの化合物が目的のペル
オキシドであることを確認した。得られた化合物および
各分析の結果を第2表にまとめて示す。
実施例12〜16 p−イソプロピルアセトフェノンの代わりに種々の置
換基を持つm−プロピルアルキルフェノンを用いる以外
は、実施例1に述べた製造方法に準じた方法で操作し
て、得られた化合物についてそれぞれ実施例1と同様に
各分析を行った結果、これらの化合物が目的のペルオキ
シドであることを確認した。得られた化合物および各分
析の結果を第3表にまとめて示す。
実施例17 撹拌装置および温度計を備えた100mlの4つ口フラス
コにp−(α−ヒドロキシイソプロピル)アセトフェノ
ン8.9g(0.05モル)、t−ブチルヒドロペルオキシド5.
0g(0.055モル)、硫酸マグネシウム0.2gの懸濁液中に
1%過塩素酸の酢酸溶液5.0g(0.0005モル)を、25℃以
下に保ちながら滴下し、40℃に昇温後2時間撹拌を続け
た。冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液、次いで水で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去後、メ
タノール中結晶化、およびカラムクロマトグラフィーに
より白色固体10.0gを得た。この化合物について、実施
例1と同様に各分析を行った結果、この化合物が1−
{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエチ
ル)フェニル}エタノンであることを確認した。
実施例18 撹拌装置および温度計を備えた100mlの4つ口フラス
コにp−イソプロペニルアセトフェノン8.0g(0.05モ
ル)のイソプロピルアルコール溶液中に、濃塩酸1.0g
(0.01モル)、次いでt−ブチルヒドロペルオキシ5.0g
(0.055モル)を、25℃以下に保ちながら滴下し、40℃
に昇温後2時間撹拌を続けた。冷却後、5%水酸化ナト
リウム水溶液、次いで水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥、溶媒留去後、メタノール中結晶化、およびカラム
クロマトグラフィーにより白色固体9.5gを得た。この化
合物について、実施例1と同様に各分析を行った結果、
この化合物が1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−
1−メチルエチル)フェニル}エタノンであることを確
認した。
実施例19 撹拌装置および温度計を備えた200mlの4つ口プラス
コに40%水酸化ナトリウム水溶液12.5g(0.125モル)と
ベンゼン25g、ジオキサン75gをいれて撹拌し、氷冷して
3〜6℃に保ちながら、t−ブチルヒドロペルオキシ1
1.3g(0.125モル)およびp−(α−クロロイソプロピ
ル)アセトフェノン9.8g(0.10モル)を加えた。その後
5℃で4〜5時間反応を継続した。この反応混合物から
有機層を取り出し、10%水酸化ナトリウムで2回、次い
で飽和食塩水で2から3回洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥、溶媒留去後、メタノール中結晶化、およ
びカラムクロマトグラフィーにより白色固体8.9gを得
た。この化合物について実施例1と同様に各分析を行っ
た結果、この化合物が1−{4−(1−t−ブチルペル
オキシ−1−メチルエチル)フェニル}エタノンである
ことを確認した。
実施例20 p−(α−ヒドロキシイソプロピル)アセトフェノン
およびt−ブチルヒドロペルオキシドの代わりに、t−
ブチルアルコールおよびp−(α−ヒドロキシペルオキ
シイソプロピル)アセトフェノンを用いる以外は、実施
例17に述べた製造方法に準じた方法で操作して、得られ
た化合物について実施例1と同様に各分析を行った結
果、これらの化合物が1−{4−(1−t−ブチルペル
オキシ−1−メモリエチル)フェニル}エタノンである
ことを確認した。
実施例21 p−イソプロペニルアセトフェノンおよびt−ブチル
ヒドロペルオキシドの代わりに、2−メチル−1−ペン
テンおよびp−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)
アセトフェノンを用いる以外は、実施例18に述べた製造
方法に準じた方法で操作して、得られた化合物について
実施例1と同様に各分析を行った結果、これらの化合物
が1−{4−(1−t−ヘキシルペルオキシ−1−メチ
ルエチル)フェニル}エタノンであることを確認した。
実施例22 p−(α−クロロイソプロピル)アセトフェノンおよ
びt−ブチルヒドロペルオキシドの代わりに、塩化t−
ブチルおよびp−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)アセトフェノンを用いる以外は、実施例19に述べた
製造方法に準じた方法で操作して、得られた化合物につ
いて実施例1と同様に各分析を行った結果、これらの化
合物が1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)フェニル}エタノンであることを確認し
た。
実施例23〜28 石英製光重合管に、重合禁止剤を含まないメタクリル
酸メチルに本発明の光重合開始剤をそれぞれ0.01mol/
添加し、凍結融解法で窒素置換した後、20℃の恒温槽で
メリーゴーランド型光照射装置(大科工業社製4、商品
名MGR−P型)を用い、400W高圧水銀灯(UVT36Aフィル
ター使用)で、365nmの紫外線を8cmの距離から30分照射
した後、メタノール沈降法による重量法で重合転化率お
よび重合速度(Rp)を測定した。得られた結果を第4表
に示す。
比較例1 本発明の光重合開始剤に代え、第4表に示される従来
の光重合開始剤0.01mol/を用いた以外は、実施例23に
準じてメタクリル酸メチルを重合し、重合転化率、およ
び重合速度を測定した。その結果を第4表に示す。
第4表の結果は、本発明の化合物が光重合性能を持っ
ていることを示している。
実施例29 ガラスプレート上に、本発明の1−{4−(1−t−
ブチルペルオキシ−1−メチルエチル)フェニル}エタ
ノンを2重量部添加したエステルアクリレート樹脂〔組
成は、「アロニックスM−8060」(東亜合成社製品名)
/[アロニックスM−5700」(東亜合成社製品名)=4/
6〕を100μmの膜厚に塗布し、コンベア式紫外線硬化装
置(集光型)を用いて樹脂を硬化させた。この樹脂の、
目視での黄変はなかった。
比較例2 1−{4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチル
エチル)フェニル}エタノンの代わりに、1,2−ジフェ
ニル−2,2−ジメトキシエタン−1−オンを2重量部用
いる以外は実施例29に準じてエステルアクリレート樹脂
を硬化させた。この樹脂は、黄変していた。
実施例30〜35 ガラスびん中に、本発明の光重合開始剤をそれぞれ2
重量部添加したエステルアクリレート樹脂〔組成は、実
施例29で用いた樹脂と同じ〕を入れ、インキュベーター
内、60℃で暗所保存安定性を調べた。結果は、目視でゲ
ル化の生じた日数で表した。得られた暗所保存安定性を
第5表に示す。
比較例3〜5 本発明の光重合開始剤に代えて、第5表に示される従
来の光重合開始剤を2重量部用いる以外は、実施例30に
準じて暗所保存安定性を測定した。得られた結果を第5
表に示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
    −クミル基、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4
    炭素数1〜20のアルキル基、R5は炭素数1〜3のアルキ
    ル基、水素原子の中から選ばれ、nは1または2を表
    す。また、R1OOC(R2)(R3)基はメタまたはパラ位で
    ある。) で示されるアルキルフェノン基含有ジアルキルペルオキ
    シドを有効成分とする光分解型ラジカル発生剤。
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