JP2797511B2 - 圧縮機の吐出弁機構 - Google Patents

圧縮機の吐出弁機構

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JP2797511B2
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勇人 池田
聡 梅村
正和 大林
川村  尚登
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株式会社豊田自動織機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は斜板式圧縮機等ピストンの往復動により圧縮
を行う圧縮機の吐出弁機構に関するものである。
[従来の技術] ピストンの往復動により圧縮を行う圧縮機の一種であ
る斜板式圧縮機は第9図に示すように、相互に接合され
たシリンダブロック1,2の両端部がバルブプレート3,4を
介してフロントハウジング5及びリヤハウジング6によ
り閉塞され、適数本のボルト(図示せず)により結合固
定されている。シリンダブロック1,2の接合部分には斜
板室7が形成され、斜板室7には両シリンダブロック1,
2の中心に貫設された軸孔1a,2aを貫通する駆動軸8に固
着された状態で斜板9が収容されている。シリンダブロ
ック1,2には駆動軸8と平行にかつ駆動軸8から等距離
の位置に複数対(一対のみ図示)のシリンダボア10が形
成され、各シリンダボア10内には両頭のピストン11が嵌
挿されている。各ピストン11はほぼ半球状のシュー12を
介して斜板9に係留されており、斜板9の回転によりピ
ストン11がシリンダボア10内を往復動される。
前記両ハウジング5,6には外周側に吸入室13,14が形成
され、中心側に吐出室15,16が形成されている。前記斜
板室7は図示しない吸入通路により吸入室13,14に連通
されており、斜板室7及び吐出室15,16は図示しない冷
房回路に接続されている。バルブプレート3,4には吸入
室13,14とシリンダボア10とを連通させる吸入孔17,18
と、吐出室15,16とシリンダボア10とを連通させる吐出
孔19,20とがそれぞれ形成されている。バルブプレート
3,4のシリンダボア10側には吸入孔17,18を開閉する吸入
弁21,22が、吐出室15,16側には吐出孔19,20を開閉する
吐出弁23,24がそれぞれ設けられ、吐出弁23,24の背面に
はリテーナ25,26が配設されている。
吐出弁24は第10図に示すように、バルブプレート4に
形成された吐出孔20の周囲に密着状態で面接触して吐出
孔20を閉塞するようになっている。(フロント側の吐出
弁23においても同様)そして、ピストン11の移動に伴い
シリンダボア10内の冷媒ガスの圧力が一定値以上になる
と吐出弁24が開放方向に湾曲して、シリンダボア10内の
冷媒ガスが吐出室16へ吐出されるようになっている。
[発明が解決しようとする課題] 圧縮機内には潤滑油がミスト状で存在し、バルブプレ
ート3,4及び吐出弁23,24の表面は潤滑油が付着した状態
にある。そして、従来の圧縮機ではバルブプレート3,4
はシール洩れを防止し、高い体積効率が得られるようそ
の表面が滑らかに(面粗度6〜7Rz)形成されているた
め、吐出弁23,24が閉じた状態で吐出弁23,24とバルブプ
レート3,4との間に存在する潤滑油の表面張力の作用に
より、吐出弁23,24がバルブプレート3,4に密着した状態
となる。そのため、シリンダボア10内の圧力が潤滑油の
表面張力及び粘着力に打ち勝つまでは吐出弁23,24がバ
ルブプレート3,4から離間されず、オーバーコンプレッ
ションが大きくなる。そして、大きなオーバーコンプレ
ッション状態で吐出弁23,24が急に開放されるため、吐
出弁23,24の先端側がリテーナ25,26に衝突するととも
に、冷媒ガスが勢いよく吐出されて圧縮機とその周辺機
構に衝撃に近い振動や騒音が発生し、それが連続して不
快な脈動が生じるという問題があった。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は吐出弁開放時の遅れによる吐出圧力の脈
動を低減し、圧縮機の騒音を低減することができる圧縮
機の吐出弁機構を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため本発明においては、ピスト
ンの往復動により圧縮を行う圧縮機において、シリンダ
ブロックとハウジング間に介在するバルブプレートに形
成された吐出孔の吐出側周囲の吐出弁と対応する部分の
面積のほぼ1/2の範囲の面粗度を14Rz以上とした。
[作用] 従って、本発明の圧縮機では吐出弁の閉成状態でピス
トンの作動によりシリンダボア内の圧力が高まると、圧
力の高まった冷媒ガスがバルブプレートの吐出孔の周囲
の面粗度の大きな部分に侵入する。これにより吐出弁と
バルブプレートとの間に存在する潤滑油が押しのけられ
てバルブプレートに対する吐出弁の密着力が弱まるとと
もに、吐出弁に対して吐出室側から加わる押圧力が吐出
弁とバルブプレートの間に侵入した冷媒ガスの圧力によ
り弱められて吐出弁が開き易くなる。そして、シリンダ
ボア内の圧力が所定の圧力に高まった時に吐出弁が容易
に開放され、オーバーコンプレッションが小さくなって
騒音が低減するとともに吐出圧力の脈動も低減される。
又、吐出弁の外周部分と対応する箇所は面粗度が小さい
ため、吐出時以外に吐出弁が必要とするシール性は確保
される。なお、バルブプレートの吐出孔の吐出側周囲以
外の表面は滑らかなため他の箇所における漏れが発生す
る虞はない。
[実施例] 以下、本発明を具体化した一実施例を第1〜6図に従
って説明する。この実施例の装置ではバルブプレートの
構造が従来の装置と異なっているだけで、他の部分の構
成は同一であり、同一部分は同一符号を付して説明を省
略する。又、フロント側やリヤ側とは同様な作用効果で
あるため、リヤ側を例にして説明する。
鉄製のバルブプレート4には第3図に示すように複数
個(この実施例では5個)の吐出孔20が形成されてい
る。又、第1〜3図に示すようにバルブプレート4は吐
出孔20の吐出側周囲の部分Aが、吐出弁24の先端シール
部24aと対応する部分の面積のほぼ1/2の範囲においてそ
の面粗度が14Rz以上となるように加工され、その他の部
分は従来のものと同様に面粗度6〜7Rzに加工されてい
る。なお、各吸入孔18間にはボルト挿通孔27が形成され
ている。
さて、第2図に示すように吐出弁24がバルブプレート
4の吐出孔20を覆う状態でバルブプレート4に当接した
閉成状態において、ピストン11の作動によりシリンダボ
ア10内の圧力が吐出弁24の所定の開放圧力近くまで高ま
ると、高圧となった冷媒ガスが吐出弁24とバルブプレー
ト4との間に両者の間に存在する潤滑油を押しのけなが
ら侵入する。これによりバルブプレート4に対する吐出
弁24の密着力が弱くなるとともに、吐出孔20の周囲にお
ける吐出弁24に対して吐出室16側とバルブプレート4側
とに作用する力の差が小さくなり吐出弁が開き易い状態
となる。そして、シリンダボア10内の圧力が所定の圧力
に高まった時点で吐出弁24がバルブプレート4の吐出孔
20から離間されて吐出孔20が開放される。すなわち、吐
出弁24は所定の圧力のもとで所定のタイミングで開放さ
れるので、吐出弁24の先端がリテーナ26に激しく衝突す
ることによる騒音の発生や、冷媒ガスが勢いよく吐出さ
れることによる振動や騒音の発生がなくなり、吐出圧力
の脈動が低減される。従来装置とこの実施例の装置につ
いて、シリンダボア10内の圧力変化を次の運転条件で測
定した結果を第4図(a),(b)に示す。(圧縮機回
転数…1000rpm、吸入圧力…2kg/cm2、吐出圧力…15kg/c
m2)その結果従来装置と異なり、オーバーコンプレッシ
ョン部分の高いピークが無くなり前記のことが確認され
た。
吐出孔20の周囲の面粗度の粗い部分Aは、吐出弁24と
対応する部分全部ではなく、吐出弁24の外周寄りと対応
する部分は面粗度6〜7に加工されているため、必要な
シール性が確保され閉成状態において漏れが生じること
はない。
吐出孔19,20の周囲の部分Aの面粗度を種々変更した
場合について、次の運転条件で騒音レベルの測定を行っ
た結果を第5図に示す。
圧縮機回転数……1000rpm 吸入圧力 ……2kg/cm2 吐出圧力 ……15kg/cm2 面粗度が10Rzより大きくなると騒音レベルが8デシベ
ル(dB)程度低減し、面粗度を20Rz、30Rzと変化させて
も騒音レベルは同じであった。
圧縮機の運転中に吐出弁24(一般にばね鋼製)がバル
ブプレート4に対して衝撃的に押しつけられるため、バ
ルブプレート4の吐出孔20の周囲の面粗度を粗くしてお
いても圧縮機の運転中における吐出弁24との衝突により
吐出弁24と対応する面が滑らかとなり前記の効果が継続
されないことが考えられる。そこで部分Aの面粗度を変
化させた場合について、次の運転条件で圧縮機を長時間
運転するとともにその前後において騒音レベルの測定を
行った。
圧縮機回転数……1000rpm 吸入圧力 ……2kg/cm2 吐出圧力 ……15kg/cm2 運転時間 ……1000時間 結果を第6図に示す。なお、縦軸の騒音劣化巾とは長
時間運転の前後において測定した騒音レベルの測定値の
差を表している。第6図から明らかなように、面粗度の
値が12Rz付近までは騒音劣化巾がほぼ7dBと大きく、長
時間運転により吐出孔20周囲を粗した効果がほとんどな
くなつている。そして、面粗度の値が12Rz付近から20Rz
付近にかけて騒音劣化巾が面粗度の値の増加にともなっ
て減少し、面粗度の値が20Rzを越える付近から騒音劣化
巾はほぼ2dBで一定となる。前記の結果から面粗度の値
の好ましい範囲は14R以上となる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、バルブプレート3,4としてその表面が従来
のものより滑らかなもの(面粗度2〜3Rz)を使用する
場合には、第7図に示すように吐出孔19,20の周囲の面
粗度14Rz以上に形成された部分Aの外側に面粗度5〜10
Rzの部分Bを形成してもよい。又、吐出孔19,20の周囲
の部分Aの形状は均一な幅の円環状に限らず、第8図に
示すように先端部に対応する部分を幅広に形成してもよ
い。又、ハウジング5,6の中心側に吸入室13,14を、外周
側に吐出室15,16をそれぞれ設けたり、バルブプレート
として1枚の板で形成されたものに代えて本願出願人が
先に提案したバルブプレートの吐出室側に薄い鉄製の基
板の片面にゴムなどの樹脂層を固着したアンダプレート
を樹脂層側がバルブプレートと対向する状態に取着した
構成のものを採用してもよい。さらには、ピストンの往
復動により圧縮を行う圧縮機であればワッブル型圧縮機
等他の圧縮機に適用してもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によればバルブプレート
の吐出孔周囲の吐出弁と対応する部分の面積のほぼ1/2
の範囲の面粗度を14Rz以上としたことにより、シリンダ
ボア内の圧力が吐出弁開放時の所定圧力に達する少し前
に高圧となった冷媒ガスがバルブプレートと吐出弁との
間に侵入して両者の間に存在する潤滑油が押しのけら
れ、バルブプレートに対する吐出弁の密着力が弱まるの
で吐出弁が所定の圧力で開放され、オーバーコンプレッ
ションが小さくなって騒音が低減するとともに吐出圧力
の脈動も低減され、しかも、長時間運転後も騒音の低減
効果が保たれる。又、吐出弁の外周部分と対応する箇所
は面粗度が小さいため、吐出弁が必要とするシール性は
確保される。
【図面の簡単な説明】
第1〜6図は本発明を具体化した一実施例を示すもので
あって、第1図は要部拡大正面図、第2図は要部拡大断
面図、第3図はバルブプレートの全体図、第4図(a)
は従来のバルブプレートを使用した場合の斜板回転角度
とシリンダボア内圧力との関係を示す線図、第4図
(b)はこの実施例のバルブプレートを使用した場合の
斜板回転角度とシリンダボア内圧力との関係を示す線
図、第5図は面粗度と騒音レベルの関係を示す線図、第
6図は面粗度と騒音低下保持の割合との関係を示す線
図、第7,8図は変更例の要部拡大正面図、第9図は圧縮
機の断面図、第10図は従来装置の要部断面図である。 シリンダブロック……1,2、バルブプレート……3,4、ハ
ウジング……5,6、シリンダボア……10、ピストン……1
1、吐出孔……19,20、吐出弁……23,24、部分……A,B。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 尚登 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 特開 平2−130279(JP,A) 特開 平2−218875(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04B 39/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンの往復動により圧縮を行う圧縮機
    において、シリンダブロックとハウジング間に介在する
    バルブプレートに形成された吐出孔の吐出側周囲の吐出
    弁と対応する部分の面積のほぼ1/2の範囲の面粗度を14R
    z以上とした圧縮機の吐出弁機構。
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CN112128080A (zh) * 2020-10-09 2020-12-25 合肥易斯特汽车配件有限公司 一种具有降噪功能的阀板及其加工方法

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