JP2797022B2 - トルク測定装置 - Google Patents

トルク測定装置

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JP2797022B2
JP2797022B2 JP20800790A JP20800790A JP2797022B2 JP 2797022 B2 JP2797022 B2 JP 2797022B2 JP 20800790 A JP20800790 A JP 20800790A JP 20800790 A JP20800790 A JP 20800790A JP 2797022 B2 JP2797022 B2 JP 2797022B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電気的なトルク測定装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の技術による電気的なトルク測定装置には、例え
ば実公昭54−32547号公報に示されているようなものが
ある。
それは、被測定軸上に間隔をおいて固定した二つの歯
車状内円環の外周面に対向して内周面が歯車状の外環体
が外筒の内壁に固定されており、内円環の両外側により
被測定軸にベアリングを介して環状ヨーク体が支承さ
れ、環状ヨーク体には内円環側に突出させてコイルが固
定され、ヨーク体上にベアリングを介して前記外筒が支
承され、外環体の両外側に位置して筒状永久磁石が固定
されている。コイルは、内円筒又は外円筒のいずれが回
転しても静止状態にある。
そして、被測定軸、即ち内円環を静止状態にして、外
筒、即ち外円環を回転し、その結果左円環と右の円環対
との間に位相差がある限り、両コイルに誘起される交流
電圧には位相差が生じる。
被測定軸に既知の負荷回転を加えた場合にも、未知の
負荷回転を加えた場合にも両コイルに誘起される交流電
圧にはそれにに応じた位相差が生じる。それらの負荷時
の夫々の位相差と被測定軸静止状態での位相差との各差
から既知のトルクを基準として未知のトルクを算出する
のである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の従来の技術によるトルク測定装置は、次のよう
な欠点がある。
(1)外環体を機械的に回転駆動させるために、装置自
体の構造が大形化する。
(2)外環体を機械的に回転駆動させるために、外環体
を高速回転することが困難であり、その結果、被測定軸
の回転も高速にすることができず、高速回転範囲のトル
クを測定することができない。
(3)外環体と内環体との相対回転における磁束の変化
の位相差により被測定軸の捩じれを検出するのである
が、内環体が外環体と反対方向に回転するときは磁束の
変化の検出周波数が高くなり測定が可能であるが、同方
向に回転するときは検出周波数が減少し、特に相対速度
が低いと益々減少して、トルクを測定することができな
い。
(4)内環体が外環体と反対方向に回転するときは磁束
の変化の検出周波数が高くはなるが、その変化率が大き
くなり、位相差を検出する処理系回路の特性上の狂いが
生じ、広範囲に変化する回転数のトルクの正確な測定が
不可能である。
(5)外環体が機械的に常時回転するので、その伝動機
構や軸受等の機械系の寿命が摩損により限定される。
(6)磁束の変化を検出するべく永久磁石を磁気回路に
組込んで発電させる自己発電型においてエネルギを取出
すので、ブレーキ効果が生じる。
それは、高感度のトルク測定装置においては誤差とな
ってしまう。
この発明は、上記の従来の技術のトルク測定装置の欠
点を除去したトルク測定装置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明によるトルク測定装置は、回転自在に支承さ
れた所定の回転数で回転駆動されるトーションバーと、
トーションバーの駆動側の端部に設けられ、回転方向に
所定ピッチで磁性体が非磁性体に対し形成された第1交
番磁性体部と、トーションバーの負荷側の端部に設けら
れた第1交番磁性体部と同様の第2交番磁性体部と、夫
々が第1交番磁性体部に対向して設けられ、トーション
バーの回転方向に所定ピッチで磁性体が非磁性体に対し
形成された固定側交番磁性体部を備え、対となった第1
ヨーク及び第2のヨークと、夫々が第2交番磁性体部に
対向して設けられ、トーションバーの回転方向に所定ピ
ッチで磁性体が非磁性体に対し形成された固定側交番磁
性体部を備え、対となった第3ヨーク及び第4ヨーク
と、各ヨークの夫々に密結合されて巻回された第1コイ
ル及び第2コイルとから構成され、対となった第1ヨー
クの固定側交番磁性体部と第2ヨークの固定側交番磁性
体とは1/4ピッチずれ、同様に第3ヨークの固定側交番
磁性体部と第4ヨークの固定側交番磁性体部も1/4ピッ
チずれており、第1ヨークの第1コイルと第3ヨークの
第1コイルとが並列的に第1正弦波電圧電源に接続さ
れ、第2ヨークの第1コイルと第4ヨークの第1コイル
とが並列的に第1正弦波電圧電源とは90度位相がずれた
第2正弦波電圧電源に接続され、第1ヨーク及び第2ヨ
ークの第2コイル同士並びに第3ヨーク及び第4ヨーク
の第2コイル同士は夫々直列的に処理回路に接続され、
位相差信号を出力するようになっている。
〔作用〕
トーションバーの一端に回転動力源を結合し、他端に
負荷を結合して、トーションバーを所望の計測回転速度
で回転駆動する。
そして第1ヨークと第3ヨークの第1コイルに第1正
弦波電圧電源からEa=Esinωtの励磁電流を、第2ヨー
クと第4ヨークの第1コイルに第2正弦波電圧電源から
90度位相がずれたEb=Ecosωtの励磁電流を夫々供給す
る。
すると、第1ヨークの第2コイルには正弦波電圧E
(sinωt×sinNθ)が誘起され、第2ヨークの第2
コイルには正弦波電圧E(cosωt×cosNθ)が誘起
され、両者に誘起された正弦波電圧が加算されて、E1=
Ecos(ωt+Nθ)の正弦波電圧信号が得られる。
同様に、第3ヨークの第2コイルには正弦波電圧E
(sinωt×sinNθ)が誘起され、第4ヨークの第2
コイルには正弦波電圧E(cosωt×cosNθ)が誘起
され、両者に誘起された正弦波電圧が加算されて、E2=
Ecos(ωt+Nθ)の正弦波電圧信号が得られる。
従って、位相差正弦波電圧信号E1,E2から信号が処理
回路に入力され、トーションバーの捩じれ角φは、φ=
N(θ+θ)として算出され、更に捩じれ角φに基
づいてトルクTが算出されるのである。
そこで、トーションバーの他端に既知数の負荷を結合
して捩じれ角φを算出し、次に未知の負荷を結合して
同一回転速度のもとで同じく捩じれ角φを算出し、既知
数の負荷及び捩じれ角φを基準にして捩じれ角φから
被測定トルク量を算出する。
〔実 施 例〕
この発明の実施例を図面に従って説明する。
トルク測定装置において、トーションバーとして、適
宜回転自在に支承された回転軸1(例えばばね性の良好
さから銅合金の丸棒が好ましい)の両端部には、同歯数
Nの磁気的外歯歯車2,3が嵌合固着乃至一体成形されて
おり、回転軸1の中間部は、縮径されて捩じり部4を形
成している。
磁気的外歯歯車2,3は、磁性体から成る通常の歯車状
のものでもよいが、次のようにして構成されたものが一
層好ましい。
回転軸1、又は歯車基体が非磁性体の場合、回転軸1
の両端部の外周面に軸線方向の所定ピッチの溝を列設し
てから、その両端部外周面にメッキ、又は溶射等により
磁性体の厚い被覆層を形成し、それから、両端部外周面
の山部が現われるまで被覆層を研削して除去しすること
により、溝にのみ磁性体が充填されたものが得られる。
又、回転軸1、又は歯車基体が磁性体の場合、上記の
ものとは磁性体・非磁性体の関係を逆にしただけで同様
なものを得ることができる。
このようにして作製された磁気的歯車は、通常の歯車
状体より細ピッチが容易となり、しかも凹凸がないの
で、高速回転においても空気抵抗が低く適切である。
磁気的外歯歯車2の外周を囲繞するように環状の第1
ステータ5が設けられ、磁気的外歯歯車3の外周にも同
様に同一構造の第2ステータ6が設けられている。
トーションバーとしての回転軸1、特に捩じり部4
は、寸法及び物理的諸元が適宜定められて作製されてあ
る。
第1ステータ5(第2ステータ6)について述べる
と、第1ステータ5(第2ステータ6)は、隣接した一
対のヨーク7a,7b(ヨーク8a,8b)にコイルが図示され後
に述べるように巻かれて構成されており、ヨーク7a,7b
(ヨーク8a,8b)の内周面には、歯数Nの磁気的内歯歯
車9a,9b(磁気的内歯歯車10a,10b)が形成されている。
そして、磁気的内歯歯車9a,9bの歯先円と磁気的外歯歯
車2の歯先円(磁気的内歯歯車10a,10bの歯先円と磁気
的外歯歯車3の歯先円)との間には微小間隔が維持され
ている。磁気的内歯歯車9aと磁気的内歯歯車9bとは、
(磁気的内歯歯車10aと磁気的内歯歯車10bとは、)1/4
ピッチだけ位相がずらされている。
各ヨーク7a,7b;8a,8bには、外周側コイルと内周側コ
イルとが密接して巻回されている。ヨーク7aの外周側コ
イル11aとヨーク8aの外周側コイル12aとは並列的に同一
の交流電源13に接続され、ヨーク7bの外周側コイル11b
とヨーク8bの外周側コイル12bとは並列的に交流電源13
とは位相が90度ずれた同一交流電源14に接続されてい
る。
なお、上記の歯車上の1/4ピッチのずれは、電気的に
は90度の位相のずれに相当する。
ヨーク7aの内周側コイル15aとヨーク7bの内周側コイ
ル15bとは直列的に処理回路に接続され、ヨーク8aの内
周側コイル16aとヨーク8bの内周側コイル16bとは直列的
に処理回路に接続されている。
上記の実施例の磁気的歯車は、回転軸1の外周面に関
連しているが、例えば回転軸1の端面側における交番磁
性体とそれに対向するヨークでもよい。
上記のトルク測定装置の操作・作用について説明す
る。
回転軸1の一端に回転動力源を結合し、他端に負荷を
結合して、回転軸1を所望の計測回転速度で回転駆動す
る。
そして外周側コイル11a,12aに交流電源15aから正弦波
電圧(Ea=Esinωt)の励磁電流を、外周側コイル11b,
12bに交流電源15bから90度位相がずれた正弦波電圧(Eb
=Ecosωt)の励磁電流を夫々供給する。
すると、内周側コイル15aには正弦波電圧E(sinωt
×sinNθ)が誘起され、内周側コイル15bには正弦波
電圧E(cosωt×cosNθ)が誘起され、両者に誘起
された正弦波電圧が加算されて、E1=Ecos(ωt+Nθ
)の正弦波電圧信号が得られる。
同様に、内周側コイル16aには正弦波電圧E(sinωt
×sinNθ)が誘起され、内周側コイル16bには正弦波
電圧E(cosωt×cosNθ)が誘起され、両者に誘起
された正弦波電圧が加算されて、E2=Ecos(ωt+Nθ
)の正弦波電圧信号が得られる。
従って、位相差正弦波電圧信号E1,E2から信号が処理
回路に入力され、捩じり部4の捩じれ角φは、φ=N
(θ+θ)として算出され、更に捩じれ角φに基づ
いてトルクTが算出されるのである。
そこで、回転軸1の他端に既知数の負荷を結合して捩
じれ角φを算出し、次に未知の負荷を結合して同一回
転速度のもとで同じく捩じれ角φを算出し、既知数の負
荷及び捩じれ角φを基準にして捩じれ角φから被測定
トルク量が算出される。
〔発明の効果〕
この発明によるトルク測定装置においては、機械的可
動部分が少ないので、装置の耐用期間が長い。
ステータが固定であるから機械構造を高精度にするこ
とができるので、内磁気的外歯歯車状体の歯先間隔を狭
くすることが可能であることから、延いては、歯のピッ
チが細かくてもよいことになる。従って、捩じれに関す
る電気的出力信号が大きくなるので測定装置が高感度に
なると共に、小径の軸でも歯数を多数設けることが可能
となるので軸の慣性の低減を図れ、装置の測定精度が高
い。
又、水晶発振器等による電気的なリファレンス周波数
を用いることができるので、機械的な回転によるリファ
レンス周波数の場合より遥かに測定精度が高い。更に電
気的に回転磁界を構成し、高周波数で信号を扱うのでト
ーションバーの高速回転の場合や正逆回転の場合のトル
ク測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の実施例におけるトルク測定装置の構
成図である。 1:回転軸、2,3:磁気的外歯歯車、4:捩じり部 5:第1ステータ、6:第2ステータ 7a,7b;8a,8b:ヨーク 9a,9b;10a,10b:磁気的内歯歯車 11a,11b,12a,12b:外周側コイル、13,14:交流電源 15a,15b;16a,16b:内周側コイル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転自在に支承された所定の回転数で回転
    駆動されるトーションバーと、トーションバーの駆動側
    の端部に設けられ、回転方向に所定ピッチで磁性体が非
    磁性体に対し形成された第1交番磁性体部と、トーショ
    ンバーの負荷側の端部に設けられた第1交番磁性体部と
    同様の第2交番磁性体部と、夫々が第1交番磁性体部に
    対向して設けられ、トーションバーの回転方向に所定ピ
    ッチで磁性体が非磁性体に対し形成された固定側交番磁
    性体部を備え、対となった第1ヨーク及び第2のヨーク
    と、夫々が第2交番磁性体部に対向して設けられ、トー
    ションバーの回転方向に所定ピッチで磁性体が非磁性体
    に対し形成された固定側交番磁性体部を備え、対となっ
    た第3ヨーク及び第4ヨークと、各ヨークの夫々に密結
    合されて巻回された第1コイル及び第2コイルとから構
    成され、対となった第1ヨークの固定側交番磁性体部と
    第2ヨークの固定側交番磁性体とは1/4ピッチずれ、同
    様に第3ヨークの固定側交番磁性体部と第4ヨークの固
    定側交番磁性体部も1/4ピッチずれており、第1ヨーク
    の第1コイルと第3ヨークの第1コイルとが並列的に第
    1正弦波電圧電源に接続され、第2ヨークの第1コイル
    と第4ヨークの第1コイルとが並列的に第1正弦波電圧
    電源とは90度位相がずれた第2正弦波電圧電源に接続さ
    れ、第1ヨーク及び第2ヨークの第2コイル同士並びに
    第3ヨーク及び第4ヨークの第2コイル同士は夫々直列
    的に処理回路に接続され、位相差信号を出力するように
    なっているトルク測定装置
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