JP2796616B2 - 化合物の分離法 - Google Patents

化合物の分離法

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    • Y02P20/54Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は物質の分離方法に関する。特に物質中に含ま
れる溶媒などの有機化合物の工業的な分離精製方法とし
て有用である。
(従来技術及び発明が解決しようとする問題点) 物質とりわけ有機化合物、例えば医薬品に含まれる不
純物質、例えばアセトン,アセトニトリル,テトラヒド
ロフラン等の溶媒は医薬品の特性上製品から完全に分
離,除去しなければならない。また食品や一般の化学品
もその用途によって製品中の不純物質、例えば残存する
溶媒が厳しく規制される。これらの不純物質の分離法と
してはこれまで加熱乾燥法,真空乾燥法,乾燥気体によ
る気流乾燥法等が知られている。しかしながら、このよ
うな方法は不純物質と強い親和性があり、しかも熱に不
安定な物質に対しては分離が不十分であったり、物質が
分解するなどの欠点を有している。又減圧下に水蒸気流
と接触させる方法(特開昭55−102585)により残存する
溶媒を水と置換して溶媒を分離する方法、即ち加湿脱溶
媒法が知られている。しかしこの方法は加湿すると飴状
化したり、湿潤状態で不安定な物質に対しては適用が困
難である。
超臨界二酸化炭素を用いて残存する溶媒を分離する方
法(特開昭63−45284)は溶媒含有状態で不安定な物質
については二酸化炭素の臨界温度(31.1℃)以上で飴状
化したり、分解を生じ製品の品質の低下を招くため満足
すべき結果が得られない。
そこで本発明者らは溶媒含有量の高い不安定状態にお
いては出来るだけ低温の液体二酸化炭素で抽出し、次に
溶媒含有量が低くなってから抽出効率のよい超臨界二酸
化炭素で残存する低濃度の溶媒を完全に抽出する事によ
り、製品品質の確保と残存溶媒の除去の二つの目的を満
足する事ができるという予想外の新知見を得た。
(問題点を解決するための手段) 本発明は液体二酸化炭素に溶解する物質A(以下単に
物質Aと略称する)を液体二酸化炭素に不溶ないし難溶
の固体物質B(以下単に固体物質Bと略称する)から分
離するに際し、混在する物質Aの少なくとも50%以上を
液体二酸化炭素で抽出し、ついで残余を超臨界二酸化炭
素で抽出することを特徴とする物質A及び固体物質Bの
分離法に関する。
本発明の方法は物質A及び固体物質Bの混合物を抽出
器に充填し、先ず液体二酸化炭素で物質Aを少なくとも
50%w/w以上抽出し、ついで超臨界二酸化炭素を連続的
にまたは断続的に通過させ、固体物質Bに含まれる物質
Aをさらに抽出することにより行われる。本発明に用い
られる抽出器は充填する原料物質(即ち物質Aを含有す
る固体物質B)の特性、物質Aの含有量などにより混合
機構を有する又は有しない抽出器が適宜使用される。撹
拌機を取付けて抽出効率を上げ、液体二酸化炭素及び超
臨界二酸化炭素の使用量を減じかつ短時間に抽出を完了
するのが工業的にきわめて有利である。撹拌機は竪型で
翼は固液の混合に適した型式のものであれば良いが例え
ば各種のパドル型,アンカー型などを用いることができ
る。本発明に用いられる抽出器は耐圧容器であり、通常
温度調節機構を有する。耐圧性能としては二酸化炭素の
臨界圧力75.3kg/cm2(絶対圧力)以上の圧力に耐えるこ
とが必要であるが、通常約80から500kg/cm2の耐圧能力
のものが使用される。抽出器の形状は特に限定されない
が、二酸化炭素の出入口ノズル,原料物質を充填または
取り出しのためのノズルまたは蓋を有する竪型円筒槽が
好ましい。また抽出器内には原料物質を保持する機構が
必要であるが、原料物質の粒度,腐食性,仕込み,取出
しの操作性,設備の経済性の観点から種々の型式のもの
を選定し得る。例えば槽底部に目皿を設け、ろ布や金属
網(例、ステンレス製)を張って保持する型式、多孔性
焼結金属(例、ステンレス製)やセラミック製フィルタ
ーを設置する型式、底部に金属網やろ布を張った円筒容
器に固状の化合物を充填し、これを抽出器内に装着する
型式などから目的に応じて最適な型式を選定し得る。
本発明の方法で用いられる装置の代表例を第1図およ
び第2図に示す。第1図は撹拌機を有しない抽出器を使
用する例である。第2図は撹拌機を有する抽出器を使用
する例である。
第1図,第2図は共に液体二酸化炭素及び超臨界二酸
化炭素を上方から下方へ流しているが、この逆でも差し
つかえない。原料物質が流出しないよう流速を抑え、さ
らに流出する微粒子状の原料物質を捕捉するために容器
内上部または容器出口真近にフィルターを設置するのが
好ましい。
第2図のように撹拌機を有する装置の場合は、原料物
質の溶媒中での晶出,結晶ろ過,溶媒による結晶の洗
浄,通気による粗乾燥そして液体二酸化炭素及び超臨界
二酸化炭素による脱溶媒などの一連の操作を同一機器内
で実施でき、工業的装置として極めて有用である。
本発明で用いられる液体二酸化炭素は、通常液体二酸
化炭素貯槽に低温で貯蔵される。これを高圧ポンプによ
り抽出器へ送液し途中熱交換器により最適な温度まで昇
音して使用する。
液体二酸化炭素による抽出 原料物質(物質Aを含む固体物質B)は好ましくは、
粉末状または結晶状のものが用いられる。原料物質の粒
子径が大きい場合は、適宜細かく粉砕した後用いてもよ
い。抽出温度は臨界温度31.1℃より低ければ良いが通常
−10〜25℃が適当である。圧力は液体二酸化炭素の使用
温度における蒸気圧プラス10〜100kg/cm2程度である。
流量は原料の量,物質Aと固体物質Bとの含量比,性質
にもよるが、通常約原料物質1kg当り0.5〜50kg/時間で
十分である。所要時間は約1ないし20時間である。
抽出を効果的に行うために通常の撹拌手段により原料
物質を撹拌混合してもよい。撹拌速度については液体二
酸化炭素中に原料物質が実質的に均一になる程度に撹拌
するのが適当である。本工程で物質Aの50%w/w以上を
抽出し、ついで、次の工程で残存する物質Aをさらに抽
出する。
超臨界二酸化炭素による抽出 超臨界二酸化炭素は二酸化炭素の臨界温度31.1℃以上
であれば良いが、温度の制御性,物質Aおよび固体物質
Bの熱安定性などの点から35から50℃程度が好ましい。
また圧力は二酸化炭素の臨界圧力75.3kg/cm2(絶対圧
力)以上であればよいが、圧力の制御性,経済性などの
観点から80から300kg/cm2(絶対圧力)程度が好まし
い。所要時間は約1ないし20時間である。
抽出を効果的に行うために通常の手段により撹拌混合
してもよい。
撹拌は超臨界二酸化炭素中に原料物質が実質的に均一
になる程度に撹拌するのがよい。また超臨界二酸化炭素
の流量は、特に制限はないが、通常原料物質1kg当り0.5
から50kg/時間程度が適当である。
また超臨界二酸化炭素にメタノール,エタノール等の
低分子溶媒を少量(通常20%以下)加えて使用してもよ
い。
本発明方法で用いられる液体二酸化炭素に溶解する物
質Aとは、液体二酸化炭素に溶解する無機,有機化合物
のいずれでもよいが、好ましくは有機化合物である。液
体二酸化炭素への溶解度は好ましくは100mg以上/100gを
有するものが用いられる。
液体二酸化炭素に溶解する有機化合物の例として、有
機化合物の製造に一般に用いられる有機溶媒、食品香味
料、香粧品香料、生薬の有効成分などが挙げられる。か
かる有機溶媒としては、例えばメチルアルコール,エチ
ルアルコール,n−プロピルアルコール,イソプロピルア
ルコールなどの低級アルコール類,ジエチルエーテル,
イソプロピルエーテル,ジオキサン,テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類,酢酸メチル,酢酸エチルなどの炭
素数1から3の脂肪酸エステル類,アセトン,メチルエ
チルケトン,メチルイソブチルケトンなどのケトン類,
ジクロルメタン,ジクロルエタン,クロロホルム,四塩
化炭素などのハロゲン化炭化水素類、石油ベンジン,石
油エーテル,n−ヘキサン,シクロヘキサンなどの脂肪族
炭化水素類、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香
族炭化水素類、アセトニトリル,プロピオニトリルなど
のニトリル類があげられる。食品香味料としてはコーヒ
豆,茶葉,ゆずなどの香気成分があげられる。
本発明方法によれば、固体物質Bから上記の物質A
(例えば溶媒)を容易にかつ効率良く分離することがで
き、又固体物質Bが複数の物質A(例、溶媒)を含有す
る場合、これらの物質Aは同時に分離することができ
る。
本発明方法で用いられる液体二酸化炭素に不溶または
難溶の固体物質Bは、好ましくは通常液体二酸化炭素に
対する溶解度が約10mg以下/100g、かつ約35から40℃で
固体状態の有機化合物を意味する。この温度で固体の有
機化合物としては、特に好ましくは医薬品、例えばアゼ
チジノン系化合物,セフェム系化合物(オキサセフェム
系化合物を含む),ペニシリン系化合物,ポリペプチド
系化合物,マクロライド系化合物などの抗生物質、ベン
ゾジアゼピン化合物などの催眠,鎮静剤、フェニル酢酸
系化合物などの解熱鎮痛消炎剤、ベンゾジアゼピン系化
合物などの精神神経用剤、循環器改善剤、代謝改善剤な
どが用いられる。
このような化合物のうち好ましくはセファロスポリン
化合物である。セファロスポリン化合物は第1世代〜第
4世代のセファロスポリン化合物のいずれであってもよ
い。好ましいセファロスポリン化合物を具体的に示せ
ば、例えば一般式 [式中、R1はアシル基、R2は水素原子,アルコキシメチ
ル基,アルキルチオメチル基,アシルオキシメチル基,
カルバモイルオキシメチル基,アルケニル基,複素環カ
チオンメチル基,複素環メチル基または複素環チオメチ
ル基、R3は水素原子,エステル残基またはアニオン、R4
は水素原子またはメチル基、Zは酸素原子または硫黄原
子を示す。但しR3がアニオンの場合、R2は複素環カチオ
ンメチル基を示す。]で表わされる化合物またはその塩
である。
上記においてR1で示されるアシル基としては、有機カ
ルボン酸から誘導されるアシル基で、例えば一般にペニ
シリン誘導体の6位及びセファロスポリン誘導体の7位
に置換されているアシルアミノ基を構成するアシル基が
用いられる。
さらに上記のR1で示されるアシル基としては、ペプチ
ド化学で使用される脱離容易なアミノ基の保護基、例え
ばtert−ブトキシカルボニル,iso−ボルニルオキシカル
ボニル等のアルコキシカルボニル基、例えばベンジルオ
キシカルボニル,p−ニトロベンジルオキシカルボニル,p
−メトキシベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオ
キシカルボニル基等が用いられる。
上記アシル基のうち好ましくは、R1が式 R5−R6−CO−[式中、R5は置換基を有していてもよい複
素環基、R6はアルキレン基または式 (式中、R6′は水素原子,置換基を有していてもよいア
ルキル基を示す)で表わされる基を示す]で表わされる
基である。
R5で示される置換基を有していてもよい複素環基にお
ける複素環基としては1個の窒素原子,硫黄原子または
(及び)酸素原子を含む5員複素環基であってさらに1
個の窒素原子を含みあるいは含まないものが用いられ
る。この複素環基の具体例としては、例えば、2−チア
ゾリル,4−チアゾリル,5−チアゾリル,2−チエニル,3−
チエニル,2−フリル,3−フリル,1,2,4−チアジアゾール
−3−イル,1,2,3−チアジアゾール−4−イルなどが用
いられる。この複素環基における置換基としては、アミ
ノ基が特に好ましい。
R6で示されるアルキレン基としては、たとえばメチレ
ン,ジメチルメチレン,エチルメチレン,エチレン,メ
チルエチレンなどの炭素数1から3のアルキレン基が用
いられる。
R6′で示される置換基を有していてもよいアルキル基
におけるアルキル基としては、例えばメチル,エチル,n
−プロピル,n−ブチル,イソブチル,t−ブチルなどの炭
素数1から6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基が用い
られ、これらは例えばカルボキシ,メトキシカルボニ
ル,エトキシカルボニル,iso−プロポキシカルボニル,t
−ブトキシカルボニル等の炭素数1から6のアルコキシ
カルボニル基で1ないし2個置換されていてもよい。
で表わされる基はシン−又はアンチ−配置のいずれの立
体配置もとることができるが、特にシン−配置が好まし
い。
R1は特に好ましくは式 [式中、X1:CHまたはN、Q1はアルキル基,式−CH2COOQ
2で表わされる基または式 で表わされる基(式中−COOQ2はエステル化されていて
もよいカルボキシル基を示す)を示す]で表わされる基
である。
Q1で示されるアルキル基は、例えばメチル,エチル,n
−プロピル,n−ブチル等の直鎖もしくは分枝状の炭素数
1から4のアルキル基が用いられる。
式−COOQ2で表わされる基、又は式 で表わされる基における−COOQ2はエステル化されてい
てもよいカルボキシル基を示し、Q2で示されるエステル
残基としては、例えばメチル,エチル,n−プロピル,n−
ブチル等の直鎖又は分枝状の炭素数1から4のアルキル
基、ベンジル,フェネチル,トリチル等の炭素数7から
19のアラルキル基が用いられる。
R2で示されるアシルオキシメチル基のアシル基はアセ
チル,プロピオニルなどの炭素数1から6のアルカノイ
ル基が用いられる。
R2で示される複素環メチル基,複素環チオメチル基に
おける複素環基としては、好ましくは1個の硫黄原子,
窒素原子または(及び)酸素原子を含む5ないし6員複
素環基,2から4個の窒素原子を含む5ないし6員複素環
基,1ないし2個の窒素原子および1個の硫黄原子または
酸素原子を含む5ないし6員複素環基等が用いられる。
該複素環基をさらに具体的に示せば、たとえば1,3,4
−チアジアゾリル,1,2,4−チアジアゾリル等のチアジア
ゾリル、1H−テトラゾール−5−イル,2H−テトラゾー
ル−5−イル等のテトラゾリル等である。
R2で示される複素環カチオンメチル基の複素環カチオ
ンとしては窒素原子2個以上含有する飽和または不飽和
の、単環または多環の複素環カチオン基が挙げられる。
窒素原子2個以上含有複素環カチオン基として好まし
いのは、窒素原子を2個以上含有する不飽和5〜6員複
素単環カチオン基、たとえばイミダゾリオ、ピラゾリ
オ、トリアゾリオ、テトラゾリオ、ピリダジニオ、ピリ
ミジニオ、ピラジニオ、トリアジニオ、テトラジニオな
ど、窒素原子を2個以上含有する不飽和縮合複素環カチ
オン基、たとえばイミダゾ[1,2−a]ピリジニウム−
1−イル,イミダゾ[1,2−b]ピリダジニウム−1−
イル等である。
これらの複素環カチオン及び複素環基は任意の置換基
で1〜3個置換されていてもよい。置換基としては好ま
しくは、(1)例えばメチル,エチル,n−プロピルなど
の炭素数1から6のアルキル基、(2)例えばメトキシ
カルボニル,エトキシカルボニル等のエステル化された
カルボキシ基、(3)ヒドロキシ,カルボキシ,例えば
ジメチルアミノ等の炭素数1から6のアルキルアミノ
基,例えばピバロイルオキシメトキシカルボニル等の炭
素数2から7のアルカノイルオキシ置換炭素数1から6
のアルコキシカルボニル,スルホ等で置換された炭素数
1から6のアルキル基、(4)例えば塩素,臭素等のハ
ロゲン、(5)メルカプト基、(6)ヒドロキシ基、
(7)アミノ基、(8)例えばメチルチオ,エチルチオ
などの炭素数1から6のアルキルチオ基、(9)例えば
メトキシ,エトキシなどの炭素数1から6のアルコキシ
基等が用いられる。また複素環カチオン及び複素環中の
窒素原子はオキシド化されていてもよい。R2で示される
アルコキシメチル基としては、例えばメトキシメチル,
エトキシメチル,プロポキシメチルなどの炭素数1から
6のアルコキシメチル基が用いられ、アルキルチオメチ
ル基としては、例えばメチルチオメチル,エチルチオメ
チル,プロピルチオメチルなどの炭素数1から6のアル
キルチオメチル基が用いられ、アルケニル基としては、
ビニル,アリル,1−ブテニル等の炭素数2から4のアル
ケニル基が用いられる。R3で示されるエステル残基とし
ては、例えば一般式 [式中、X2は水素原子またはアルキル基、Yは水素原
子、アルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を示
す]で表わされる基、さらに例えばメトキシメチル,エ
トキシメチル,イソプロポキシメチル等のアルコキシメ
チル基、例えば1−メトキシエチル,1−エトキシエチル
等の1−アルコキシエチル基、例えばメチルチオメチ
ル,エチルチオメチル,iso−プロピルチオメチル等のア
ルキルチオメチル基、tert−ブチル,2,2,2−トリクロロ
エチル,ベンジル,p−メトキシベンジル,p−ニトロベン
ジル,トリチル,ベンズヒドリル,ビス(p−メトキシ
フェニル)メチル,フェナシル,2−メチルチオエチル,
トリメチルシリル,ジメチルシリル,フタリジル,(2
−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソレン−4−イ
ル)メチル等が用いられる。
上記以外の公知の脱離容易なカルボキシル基の保護基
もエステル残基として使用し得る。X2で示されるアルキ
ル基としては、例えばメチル,エチル,n−プロピル,n−
ブチルなどの炭素数1から6の直鎖もしくは分枝状のア
ルキル基、シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘ
プチルなどの炭素数5から7のシクロアルキル基が用い
られる。
Yにより示されるアルキル基としては、例えばメチ
ル,エチル,n−プロピル,n−ブチル,t−ブチル,デシ
ル,1−ヘキシルヘプチル等の炭素数1から13の直鎖もし
くは分枝状のアルキル基、例えばシクロプロピル,シク
ロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロデ
シル,シクロウンデシル,シクロドデシル等の炭素数3
から12の飽和単環状脂環式アルキル基、例えば、ビシク
ロ[2.2.1]ヘプチル,ビシクロ[3.2.1]オクチル,ビ
シクロ[3.3.1]ノニル,アダマンチル等の炭素数4か
ら12の架橋構造を有する脂環式アルキル基が用いられ
る。
さらにYで示される炭素数1から13の直鎖もしくは分
枝状のアルキル基は上記したシクロアルキル基、アルコ
キシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル,エトキ
シカルボニル,n−プロポキシカルボニル,イソプロポキ
シカルボニル等の炭素数1から3の直鎖もしくは分枝状
アルコキシカルボニル基)またはフェニル基等で1ない
し3個置換されていてもよい。
Yで示されるアルコキシ基としては、例えばメトキ
シ,エトキシ,n−プロポキシ,n−ブトキシ,t−ブトキ
シ,n−ペンチルオキシ等の炭素数1から7の直鎖もしく
は分枝状のアルコキシ基、例えばシクロプロポキシ,シ
クロブトキシ,シクロペンチルオキシ,シクロヘキシル
オキシ,シクロヘプチルオキシ,シクロオクチルオキ
シ,シクロノニルオキシ,シクロデシルオキシ,シクロ
ウンデシルオキシ,シクロドデシルオキシ等の炭素数3
から12の飽和単環状脂環式アルコキシ基、例えばビシク
ロ[2,2,1]ヘプチルオキシ,ビシクロ[3,2,1]オクチ
ルオキシ,ビシクロ[3,3,1]ノニルオキシ,アダマン
チルオキシ等の炭素数4から12の架橋構造を有する脂環
式アルコキシ基が用いられる。
Yで示される環状(シクロ)アルコキシ基は上記した
直鎖もしくは分枝状アルキル基で置換されていてもよ
く、又Yで示される直鎖もしくは分枝状アルコキシ基は
上記した脂環式アルキル基で置換されていてもよい。
上記一般式[I]のうち、最も好ましくは、R1が2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)アセチル、R2が1
−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−テトラゾール−
5−イルチオメチル基、R3が式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる基、
R4が水素原子、Zが硫黄原子である。特に式 で示される基のうちX2がメチル基,Yがシクロヘキシルオ
キシ基が好ましい。
セファロスポリン化合物の分子中にスルホ基,カルボ
キシル基等の酸性基が含まれている場合、自体公知の方
法により医薬上許容される塩の形にして用いられてもよ
く、たとえばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属、
例えばマグネシウム,カルシウム等のアルカリ土類金属
等の無毒性カチオン,たとえばアルギニン,オルニチ
ン,リジン,ヒスチジン等の塩基性アミノ酸、たとえば
N−メチルグルカミン,ジエタノールアミン,トリエタ
ノールアミン,トリスヒドロキシメチルアミノメタンな
どのポリヒドロキシアルキルアミン等との塩基塩を形成
させて用いてもよい。又セファロスポリン化合物の分子
中のアミノ基が含まれている場合には、例えば塩酸,硫
酸,リン酸などの無機酸、例えばマレイン酸,酢酸,ク
エン酸,コハク酸,酒石酸,リンゴ酸,マロン酸,フマ
ル酸,安息香酸,マンデル酸,アスコルビン酸,メタン
スルホン酸等の有機酸等ペニシリンあるいはセファロス
ポリンの分野で医薬的に許容しうる塩を形成する酸とし
て知られている酸との酸付加塩として用いても良い。
抽出後物質Aを含有した液体二酸化炭素及び超臨界二
酸化炭素は、例えば自体公知の方法、例えば活性炭など
の吸着剤で物質Aを吸着分離する方法等により液体また
は超臨界二酸化炭素から物質Aを分離したのち、再び本
発明方法の原料用二酸化炭素として用いることもでき
る。
本発明方法により分離された固体物質B、例えばセフ
ァロスポリン化合物は抗菌剤として自体公知の方法によ
り人または哺乳動物の感染症の治療及び予防のために用
いられる。
原料物質は自体公知の方法で製造される。例えば特開
昭55−79393,特開昭59−225191,特開昭59−225192,特開
昭59−225193,特開昭62−149682等に記載の方法により
セファロスポリン化合物を得たのち、有機溶媒のガスを
含有する不活性ガス(例、空気,窒素)を通ずるか、有
機溶媒から結晶化または再結晶、有機溶媒で洗浄等する
ことにより製造される。
(発明の効果) 本発明方法は物質Aおよび固体物質Bを分解や重合さ
せることなく安定に効率よく、分離することができる。
物質A,Bの分離度はきわめて高く、例えば固体物質Bの
物質Aの含有率は通常0.005%w/wにすることができる。
本方法で得られる固体物質Bは純度も高く、高品質で
あり、工業用分離方法としてきわめて有用である。又、
分離される物質Aも用途に従って有用に使用される。
以下に参考例,実施例及び比較例をあげて本発明方法
を詳述する。なお参考例,実施例,比較例で用いられる
%は特記のない限り重量%を示す。
参考例1 1−エチル−2−[N−アセチル−N−(3−オクタデ
シルカルバモイルオキシ−2−メトキシプロピルオキ
シ)カルボニル]アミノメチルピリジニウム クロライ
ド 3−[N−アセチル−N−(2−ピリジル)メチル]
カルバモイル−2−メチル−1−オクタデシルカルバモ
イルグリセリン140mgにヨードエタン3mlを加え、窒素気
流中3日間還流した。冷却後、反応液を濃縮乾固し、残
渣はIRA−410[Cl-型](15ml;溶出液:70%(v/v)メタ
ノール/水)にて処理すると粗クロライド体192mgが得
られた。この粗クロライド体をアセトンに溶解した後氷
冷し、析出した沈澱をろ取すると標記化合物120mgが得
られた。アセトン含量8.7%(ガスクロマトグラフィー
により測定) NMR(CDCl3)δ:0.88(3H,t),1.25(32H,s),1.71
(3H,t),2.65(3H,s),3.12(2H,q),3.38(3H,s),3.
66(1H,quint),4.02(2H,br.d),4.37(2H,m),5.20
(2H,q),5.31(1H,br.),5.48(2H,br.s),7.75(1H,b
r.d),8.06(1H,br.t),8.47(1H,br.t),10.00(1H,b
r.d) 参考例2 (a) 1−クロロエチル シクロヘキシルカーボネー
トの製造 シクロヘキサノール18.3g,ピリジン14.5gの塩化メチ
レン300ml溶液を、−78℃に冷却し、撹拌下、これに1
−クロロエチルクロロホーメート20mlを10分で滴下し
た。滴下後冷浴を外し、室温で16時間撹拌した後、飽和
食塩水300mlで3回洗浄した。ついで無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、溶媒を減圧留去すると、無色油状物とし
て標記化合物33.1gが得られた。
bp100〜113℃/5〜6mmHg (b) 1−ヨードエチル シクロヘキシルカーボネー
トの製造 上記(a)で得られた1−クロロエチル シクロヘキ
シルカーボネート16.5g,ヨウ化ナトリウム50gのアセト
ニトリル500ml溶液を70℃で45分間かきまぜた後、減圧
濃縮し、得られた残渣をエーテルで抽出した。抽出液を
合わせ溶媒を減圧留去すると標記化合物が淡黄色油状物
として得られた。
NMR(CD3CN,TMS(外部標準))δ:0.7〜2.3(10H,
m),2.18(3H,d,J=6Hz),4.1〜4.9(1H,m),6.67(1H,
q,J=6Hz) (c) 1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキ
シ)エチル 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)アセトアミド]−3−[[[1−(2−ジメチ
ルアミノエチル)−1H−テトラゾール−5−イル]チ
オ]メチル]セフ−3−エム−4−カルボキシレート・
2塩酸塩の製造 7β−[2(2−アミノチアゾール−4−イル)アセ
トアミド]−3−[[[1−(2−ジメチルアミノエチ
ル)−1H−テトラゾール−5−イル]チオ]メチル]セ
フ−3−エム−4−カルボン酸カリウム36gをジメチル
ホルムアミド300mlに溶解し、氷冷撹拌下、この溶液に
上記(b)で得られた1−ヨードエチル シクロヘキシ
ルカーボネートのジメチルホルムアミド溶液50mlを一気
に加え、5分間撹拌した。反応液を氷で冷却した20%食
塩水1.5と酢酸エチル1.5の混液中に注いだ。有機層
を分取し、飽和食塩水1.5で2回洗浄後、1N塩酸400ml
で抽出した。この抽出液をダイヤイオンMCI ゲルCHP20
P(75〜150μ,三菱化成工業製)を用いるカラムクロマ
トグラフィーに付し、0.01N塩酸、ついで20%(v/v)ア
セトニトリル/0.01N塩酸で溶出した。目的化合物を含む
溶出画分を集め、減圧濃縮後、凍結乾燥すると無色粉末
として1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)
エチル 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)アセトアミド]−3−[[[1−(2−ジメチルア
ミノエチル)−1H−テトラゾール−5−イル]チオ]メ
チル]セフ−3−エム−4−カルボキシレート・2塩酸
塩9.6gが得られた。
上記方法を繰り返し行い、本化合物約300gを得た。こ
れを下部にろ過板を有するガラス容器に入れ、アセトン
2.4を加えて撹拌により十分懸濁させた後真空ろ過を
行なって1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキ
シ)エチル 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)アセトアミド]−3−[[[1−(2−ジメチ
ルアミノエチル)−1H−テトラゾール−5−イル]チ
オ]メチル]セフ−3−エム−4−カルボキシレート・
2塩酸塩を分離した。引き続き乾燥空気(温度25℃,相
対湿度5.1%)を30分毎に撹拌を行ないながら3時間通
気し(空気流量3/分)脱溶媒を行なった。アセトン
含量:10.2%(ガスクロマトグラフィーにより測定),1
−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセ
トアミド]−3−[[[1−(2−ジメチルアミノエチ
ル)−1H−テトラゾール−5−イル]チオ]メチル]セ
フ−3−エム−4−カルボキシレート・2塩酸塩の含量
99.3%(高速流体クロマトグラフィーにより測定),1−
(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 7
β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセト
アミド]−3−[[[1−(2−ジメチルアミノエチ
ル)−1H−テトラゾール−5−イル]チオ]メチル]セ
フ−3−エム−4−カルボキシレート・2塩酸塩の加水
分解体 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)アセトアミド]−3−[[[1−(2−ジメチルア
ミノエチル)−1H−テトラゾール−5−イル]チオ]メ
チル]セフ−3−エム−4−カルボン酸・2塩酸塩(以
下加水分解生成体と称することもある)の含量:0.2%
(脱水,脱溶媒物換算,高速液体クロマトグラフィーに
より測定)であった。
(実施例) 実施例1 参考例1で得られたアセトン8.7%を含有する粉末状
の2−[N−アセチル−N−(2−メトキシ−3−オク
タデシルカルバモイルオキシプロピルオキシカルボニ
ル)アミノメチル]−1−エチルピリジニウム クロラ
イド(以下化合物−1と略称する)10gを直径25mm,高さ
50mm,下部にろ過板を有する竪型円筒容器に充填した。
容器外温と流体入口温度を15℃に、容器内圧力を100kg/
cm2に調節しながら1.5時間液体二酸化炭素を容器上部か
ら下方へ粉体層を通して流した(流量:1.5/分,標準
状態換算)。引続き容器外温,流体入口温度を35℃に変
え容器内圧力を100kg/cm2に調節しながら超臨界二酸化
炭素を2.5時間流し(流量:1.5/分,標準状態換算)
アセトンの抽出除去を行った。抽出操作終了後装置の圧
力を常圧に戻して内容物を取出し定量分析したところ残
存アセトンは0.005%以下(ガスクロマトグラフィーに
より測定,以下の実施例,比較例においても同じ)に減
少していた。化合物−1の含量は97.5%(乾燥物基準)
であり分解は認められなかった(高速液体クロマトグラ
フィーにより測定)。また飴状溶融体の生成も認められ
なかった(目視観察)。
実施例2 参考例2(c)で得られたアセトン10.2%を含有する
1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)ア
セトアミド]−3−[[[1−(2−ジメチルアミノエ
チル)−1H−テトラゾール−5−イル]チオ]メチル]
セフ−3−エム−4−カルボキシレート・2塩酸塩(以
下化合物−2と略称する)130gを撹拌機付(翼型式:ア
ンカー型,翼径:50mm)で、低部にろ過板を有する直径6
0mm,高さ150mmの竪型円筒容器に充填した。温度15℃の
液体二酸化炭素を容器内圧力が100kg/cm2になるまで高
圧ポンプで注入した。圧力が100kg/cm2に達したとき液
体二酸化炭素の注入を止め、撹拌機を起動し回転数380
回/分で1時間撹拌した。次に撹拌機を停止し15分間静
置した後、容器外温と流体入口温度を15℃に、容器内圧
力を100kg/cm2に調節しながら流量6/分(標準状態
換算)で液体二酸化炭素を容器上部から下方へ粉体層に
2.5時間通した。
次に容器外温と流体入口温度を40℃に変え、容器内圧
力と流体流量は100kg/cm2,6/分を維持しながら超臨
界二酸化炭素による抽出を2.5時間行った。抽出操作終
了後装置の圧力を常圧に戻して内容物を取出し定量分析
とたところアセトン含量は0.005%以下に減少してい
た。また化合物−2の含量は99.2%(乾燥物基準)であ
り加水分解生成物の増加は見られなかった。
実施例3 参考例2(c)で得られたアセトン10.2%を含有する
粉末状の化合物−2 250kgを撹拌機付(翼型式:アン
カー型,翼径:950mm)で、低部にろ過板を有する直径10
50mm,高さ1300mmの竪型円筒容器に充填した。温度15℃
の液体二酸化炭素を容器内圧力が100kg/cm2になるまで
高圧ポンプで注入した。圧力が100kg/cm2に達したとき
液体二酸化炭素の注入を止め、撹拌機を起動し回転数60
回/分で1時間撹拌した。次に撹拌機を停止した後、容
器外温と流体入口温度を15℃に、容器内圧力を100kg/m2
に調節しながら流量600kg/hrで液体二酸化炭素による抽
出を流量積算値2500kgまで行った。
次に容器外温と流体入口温度を40℃に変え、容器内圧
力と流体流量は100kg/cm2,600kg/hrを維持しながら超臨
界二酸化炭素による抽出を流量積算値2100kgになるまで
行った。液体と超臨界二酸化炭素の合計使用量は4600kg
である。抽出操作終了後装置の圧力を常圧に戻して内容
物を取出し定量分析とたところアセトン含量は0.01%
(w/w)以下に減少していた。また化合物−2の含量は9
9.6%(乾燥物基準)であり加水分解生成体の増加は見
られなかった。
アセトン8.7%を含有する粉末状の化合物−1につい
て従来法による脱溶媒を行ない、以下の結果を得た(比
較例1〜3)。
比較例1 真空脱溶媒法 参考例1で得られた化合物を厚さ約5mmになるように
シャーレに入れ、これを実験用加熱真空乾燥器に収め40
℃/5Torrの条件下で真空脱溶媒を行った結果、4時間経
過後アセトン含量は1.8%に低下したがその後は脱溶媒
は進行せず6時間経過後も1.8%のままであった。
比較例2 加湿脱溶媒法 参考例1で得られた化合物約10gを直径20mmの下部ろ
過板付容器に入れ、下部ろ過板を通して粉体層に温度25
℃,相対湿度30%の加湿空気を0.5/分の流量で粉体
層を30分毎にかきまぜながら流し加湿脱溶媒を行った。
6時間経過後、アセトン含量は0.08%に低下していた
が、化合物−1の含量は94.3%(乾燥物基準)に低下し
ており3.3%の分解が認められた。
比較例3 超臨界流体抽出法 参考例1で得られた化合物10gを実施例1の抽出器に
充填し容器外温度と流体入口温度を35℃に、容器内圧力
を100kg/cm2に調節しながら超臨界二酸化炭素を流量:1.
5/分(標準状態換算)で4時間流しアセトンの抽出
除去を行った。抽出操作終了後装置の圧力を常圧に戻し
内容物を観察したところ溶融,固化した塊が見られた。
固化した塊(全体の約30%)を除き、粉末状部分のアセ
トン含量を測定したところ0.18%であった。
アセトン10.2%を含有する粉末状の化合物−2につい
て従来法による脱溶媒を行い、以下の結果を得た(比較
例4,5)。
比較例4 参考例2(c)で得られたアセトン10.2%を含有する
化合物−2 130gを実施例1の容器に充填し容器外温,
流体入口温度を40℃に設定した。容器内圧力を100kg/cm
2に調節しながら流量6/分(標準状態換算)で超臨
界二酸化炭素を5時間流し、アセトンの抽出を行った。
抽出操作終了後、装置圧力を常圧に戻し内容物を取出し
た。5個のサンプルを採ってガスクロマトグラフィーに
より定量分析した結果、残存アセトン量は最低で0.22
%、最大1.3%であり大きなばらつきを示した。
取り出した内容物の全量を混合し再び同じ容器に充填
し、上記と同一の条件で超臨界二酸化炭素によるアセト
ンの抽出を5時間行った。抽出操作終了後、装置圧力を
常圧に戻し内容物を取出し5個のサンプルを採って分析
した結果、残存アセトン量は最低で0.012%、最大0.044
%であった。さらに内容物の全量を十分によく混合した
のち、アセトン含量を測定した結果0.027%であった。
この結果は実施例2の結果(0.005%)には及ばなか
った。また化合物−2の含量は98.5%に低下し、加水分
解生成体が0.8%に増加していた。
比較例5 液体二酸化炭素抽出法 参考例2(c)で得られたアセトン10.2%を含有する
粉末状の化合物−2 250kgを実施例3で使用した容器
に充填した。
温度15℃の液体二酸化炭素を容器内圧力が100kg/cm2
になるまで高圧ポンプで注入した。圧力が100kg/cm2
達したとき液体二酸化炭素の注入を止め、撹拌機を起動
し回転数60回/分で1時間撹拌した。
次に撹拌機を停止した後容器外温と流体入口温度を15
℃に、容器内圧力を100/cm2に調節しながら流量600kg/h
rで液体二酸化炭素による抽出を流量積算値4600kgまで
行った。
抽出操作終了後装置の圧力を常圧に戻して内容物を取
出し定量分析したところアセトン含量は0.23%(w/w)
であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の物質Aと固体物質Bの分離を行う最も
簡単な装置を示す。 1……抽出器、4……加熱器 2……液体二酸化炭素貯槽、5……圧力調節弁 3……高圧定量ポンプ 第2図は抽出器が撹拌装置を有する点でのみ第1図と異
なる。 1……抽出器、4……高圧定量ポンプ 2……撹拌装置、5……加熱器 3……液体二酸化炭素貯槽、6……圧力調節弁 M……モーター 第1図 液体二酸化炭素貯槽2から供給される液体二酸化炭素は
高圧定量ポンプ3で加圧液送される。次に加熱器4で所
定の温度(通常−10〜25℃)まで加熱され、または加熱
されずに物質Aを含む固体物質Bがあらかじめ充填され
ている抽出器1に入る。所定の圧力になるまで(固体物
質を十分浸すまで)液体二酸化炭素の供給を続ける。そ
の後所定の温度,圧力,流量の条件下で物質Aを抽出し
た後圧力調節弁5を通して廃棄される。 液体二酸化炭素による抽出を所定時間行なったのち、加
熱器4により二酸化炭素の臨界温度以上に加熱される。
所定の圧力(二酸化炭素の臨界圧力75.3kg/cm2以上)流
量の条件下液体二酸化炭素による抽出と同じ流路で超臨
界二酸化炭素による抽出を行う。 第2図 液体二酸化炭素貯槽3から供給される液体二酸化炭素は
高圧定量ポンプ4で加圧液送される。次に加熱器5で所
定の温度(通常−10〜25℃)まで加熱され、または加熱
されずに固体物質があらかじめ充填されている抽出器1
に入る。所定の圧力になるまで(固体物質を十分浸すま
で)液体二酸化炭素の供給が続けられる。所定の圧力に
達したのち(固体物質が液体二酸化炭素に十分浸された
ら)撹拌装置を起動し、所定の時間、所定の回転数で固
液の撹拌混合を行う。所定の時間後撹拌機を停止し、一
定時間静置後第1図の場合と同様に液体二酸化炭素によ
る抽出を行う。 必要により途中で液体二酸化炭素の供給を止め撹拌,混
合を行う。液体二酸化炭素による抽出を所定時間行なっ
たのち、加熱器5により二酸化炭素を臨界温度以上加熱
される。所定の圧力(二酸化炭素の臨界圧力以上)、所
定流量の条件下液体二酸化炭素による抽出と同じ流路で
超臨界二酸化炭素による抽出を行う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 11/00 C07B 63/00 C07D 501/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体二酸化炭素に溶解する物質Aを液体二
    酸化炭素に不溶ないし難溶の固体物質Bから分離するに
    際し、混在する物質Aの少なくとも50%以上を液体二酸
    化炭素で抽出し、ついで残余を超臨界二酸化炭素で抽出
    することを特徴とする物質A及び物質Bの分離法。
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