JP2796346B2 - レーザ加工機用ギャップ検出器の補正方法 - Google Patents

レーザ加工機用ギャップ検出器の補正方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はノズルに設けられたギャップ検出器の検出信
号を補正するレーザ加工機用ギャップ検出器の補正方法
に関し、特にワークの材質や表面状態の相違、及び検出
器の経年変化、ドリフト等に起因する検出信号のレベル
変化を自動的に補正可能なレーザ加工機用ギャップ検出
器の補正方法に関する。
〔従来の技術〕
レーザ加工機はレーザ光を集光レンズ等によって集光
してワークの一点に照射し、照射した部分を加熱して加
工を行う。非常に小さいスポットに絞って照射した部分
を蒸発させることによってピアシングや切断加工を行
い、また焦点を僅かにずらしてスポット径を広げ、ワー
クを溶融状態にして溶接を行う。したがって、実際の加
工ではワークの反り等によってワーク上のスポット径が
変化しないようにすることが必要であり、加工プログラ
ムを実行しながら、同時にノズルとワークと距離を一定
に保つギャップ制御を行っている。通常、ギャップ制御
ではノズルにギャップ検出器を設けており、ギャップ検
出器としては、検出信号の絶対量の変化によって距離を
測定する反射光量式や渦電流式の非接触型距離検出器が
多く使用される。
一方、この種の距離検出器は測定対象物の材質や表面
状態の違いによって検出信号のレベルが変化してしまう
ため、例えば予めいくつかの補正値を設けておき、加工
時にオペレータが適当な補正値を選択している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、ワークの材質を換える毎に補正値を切り換え
なければならない。また、距離検出器の経年変化やドリ
フトによっても検出信号のレベルが変化してしまうの
で、正確な検出をすることが困難である。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
ワークの材質や表面状態の相違、及び検出器の経年変化
やドリフト等に起因するギャップ検出器の検出信号のレ
ベル変化を自動的に補正可能なレーザ加工機用ギャップ
検出器の補正方式を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明では上記課題を解決するために、 ノズルとワークとのギャップ量を一定に保つギャップ
制御を行うために、前記ノズルに設けられたギャップ検
出器の検出信号を補正するレーザ加工機用ギャップ検出
器の補正方法において、前記ノズルを第1の位置で停止
し、ギャップ制御を中断し、前記第1の位置で前記ギャ
ップ検出器から第1の検出信号を読み取り、前記ノズル
の位置制御手段に所定の移動距離の移動指令をして、前
記ノズルを前記第1の位置からギャップ方向に所定の移
動距離だけ移動した第2の位置に位置決めし、前記第2
の位置で前記ギャップ検出器から第2の検出信号を読み
取り、前記所定の移動距離を、前記第1の検出信号から
求めた第1のギャップ量と前記第2の検出信号から求め
た第2のギャップ量との差分で除して補正係数を求め、
ギャップ制御時は、前記ギャップ検出器からの検出信号
を前記補正係数によって補正してギャップを求めること
を特徴とするレーザ加工機用ギャップ検出器の補正方法
が、提供される。
〔作用〕
一旦ギャップ制御を中断し、位置制御手段によりノズ
ルをギャップ方向に一定距離移動すると共に、移動前及
び移動後の位置でそれぞれギャップ検出器から検出信号
を読み取る。位置制御手段ではフィードバック制御によ
り一定距離の位置決めが正確に行われるので、この値を
基準にして検出信号の変化量と比較し、補正係数を求
め、以降はこの補正係数で検出信号を補正してギャップ
制御を行う。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第2図は本発明を実施するためのレーザ加工機のハー
ドウェアの概略構成図である。図において、プロセッサ
11はバス10を介してROM12aに格納されているシステムプ
ログラムを読みだし、これに従って制御装置1の全体の
動作を制御する。RAM12bはDRAMであり、一時的な計算デ
ータを格納する。不揮発性メモリ12cは図示されないバ
ッテリでバックアップされており、加工プログラムや各
種のパラメータを格納する。
プロセッサ11はレーザ出力指令をインターフェース13
を介してレーザ発振器2に指令し、これに基づいてレー
ザ発振器2がレーザ光3を出力する。レーザ光3は集光
レンズ4で集光されてノズル5からテーブル6に固定さ
れたワーク7に照射される。
ギャップ検出器8は反射光量式の距離検出器であり、
発光ダイオードあるいは半導体レーザによって光8aをワ
ーク7の表面に投射し、反射光8bをフォトダイオード等
の光電変換素子で受光してギャップ量に応じてレベルの
変化する検出信号を出力する。
検出信号はA/D変換器14によってディジタルな値に変
換される。プロセッサ11はこれをバス10を介して読み込
み、まず、後述する補正方式によってワーク7の材質や
表面状態の相違、及びギャップ検出器8の経年変化やド
リフト等に起因するレベル変化分を補正する補正係数を
求める。補正係数を求めた後は、ギャップ検出器8から
の検出信号をこの補正係数で補正してノズル5とワーク
7とのギャップ量を求め、さらにこのギャップ量を基準
値と比較して偏差量を求め、偏差量に比例した速度指令
をサーボアンプ15に指令する。
サーボアンプ15は内部にD/A変換器を内蔵しており、
速度指令をアナログ値に変換した後、増幅してサーボモ
ータ9を駆動する。サーボモータ9が駆動されることに
より、ノズル5がZ軸方向に移動する。なお、この他に
テーブル6をX軸方向、及び紙面に垂直なY軸方向に制
御するサーボ系があり、これらは加工プログラムの軸移
動指令に従って制御されるが、本図ではこれらを省略し
てある。
サーボモータ9にはパルスコーダ91が取りつけられて
おり、サーボモータ9が所定角度回転する毎にパルス信
号を発生する。このパルス信号はサーボアンプ15にフィ
ードバック信号として入力される。
この結果、ノズル5は基本的には加工プログラムに従
った移動を行いながら、ギャップ制御によりワーク7と
のギャップ量が一定に保たれる。
第1図(a)、(b)は上記のプロセッサ11が検出器
8からの検出信号を補正する際の処理のフローチャート
である。図においてSに続く数値はステップ番号を示
す。
〔S1〕所定位置よりノズル5をワーク7に接近させる。
〔S2〕ギャップ量がギャップ検出器8の検出可能範囲に
入り、ギャップ制御が安定した時点でノズル5を停止す
る。
〔S3〕サーボアンプ15への速度指令を停止して、ギャッ
プ制御を中断する。
〔S4〕検出器8から検出信号A0を読み取る。
〔S5〕検出信号A0に予め設定されている定数Kを乗じて
ギャップ量E0を求める。
〔S6〕サーボアンプ15に対して、ノズル5を検出器8の
検出可能範囲内でZ軸方向に一定の移動距離Lだけ移動
させる移動を指令して、位置決めする。
〔S7〕移動後の位置で検出器8から検出信号A1を読み取
る。
〔S8〕検出信号A1に予め設定されている定数Kを乗じて
ギャップ量E1を求める。
〔S9〕移動距離Lをギャップ量E1とギャップ量E0との差
で除して補正係数Kaを求める。
〔S10〕以後は、検出器8からの検出信号に補正係数Ka
を乗じて補正し、さらに定数Kを乗じてギャップ量とす
る。
〔S11〕補正して求めたギャップ量を用いてギャップ制
御を開始する。
なお、上記ではギャップ検出器として反射光量式の距
離検出器を使用したが、これ以外に渦電流式距離検出
器、静電容量式距離検出器、磁気式距離検出器等が使用
できる。
また、補正係数を求める際に移動距離と検出信号の変
化量との比を演算する補正式を用いたが、ギャップ検出
器の特性に応じて別の補正式を用いても良い。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明では、一旦ギャップ制御を
中断し、位置制御手段によりノズルをギャップ方向に一
定の移動距離だけ移動させると共に、移動前及び移動後
の位置でそれぞれギャップ検出器から検出信号を読み取
り、これらの検出信号と移動距離とに基づいて補正係数
を求め、以降はこの補正係数で検出信号を補正してギャ
ップ制御を実行するようにしたので、従来オペレータが
行っていた補正値の選択操作が不要で、特別の記憶メモ
リを使用することなく、短時間に補正係数を求めること
ができ、ギャップ検出器の経年変化やドリフト等に対し
ても、自動的に最適な補正係数を求めて検出信号を補正
するので正確なギャップ制御が行え、加工精度が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)は本発明の一実施例のレーザ加工
機用ギャップ検出器の補正方式のフローチャート、 第2図は本発明を実施するためのハードウェアの概略構
成図である。 1……制御装置 2……レーザ発振器 3……レーザ光 5……ノズル 7……ワーク 8……ギャップ検出器 9……サーボモータ 11……プロセッサ A0、A1……補正時の検出信号 L……移動距離 Ka……補正係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 一弘 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580 番地 ファナック株式会社商品開発研究 所内 (56)参考文献 特開 昭64−78691(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 26/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズルとワークとのギャップ量を一定に保
    つギャップ制御を行うために、前記ノズルに設けられた
    ギャップ検出器の検出信号を補正するレーザ加工機用ギ
    ャップ検出器の補正方法において、 前記ノズルを第1の位置で停止し、 ギャップ制御を中断し、 前記第1の位置で前記ギャップ検出器から第1の検出信
    号を読み取り、 前記ノズルの位置制御手段に所定の移動距離の移動指令
    をして、前記ノズルを前記第1の位置からギャップ方向
    に所定の移動距離だけ移動した第2の位置に位置決め
    し、 前記第2の位置で前記ギャップ検出器から第2の検出信
    号を読み取り、 前記所定の移動距離を、前記第1の検出信号から求めた
    第1のギャップ量と前記第2の検出信号から求めた第2
    のギャップ量との差分で除して補正係数を求め、ギャッ
    プ制御時は、前記ギャップ検出器からの検出信号を前記
    補正係数によって補正してギャップを求めることを特徴
    とするレーザ加工機用ギャップ検出器の補正方法。
  2. 【請求項2】前記の補正係数を求める一連の動作はサブ
    プログラム化し、加工プログラム中でこのサブプログラ
    ムを指定するようにしたことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のレーザ加工機用ギャップ検出器の補正方
    法。
  3. 【請求項3】前記ギャップ検出器は測定距離に応じて検
    出信号の絶対量を変化して出力することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のレーザ加工機のギャップ制御
    方法。
  4. 【請求項4】前記ギャップ検出器は非接触型距離検出器
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のレ
    ーザ加工機のギャップ制御方法。
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