JP2794826B2 - 移動体通信システムの優先移動局回線割当て方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は移動体通信システムに関し、特に優先移動局
への音声回線の割当て方法および装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の優先移動局回線割当て方法は、優先移
動局専用の音声回線を、各々の無線基地局に一般移動局
用の音声回線と分離する回線分離方式となっていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述した従来の優先移動局回線割当て方法は、各々の
無線基地局に一般移動局専用の音声回線と優先移動局専
用の音声回線とを分離して設備し、一般移動局および優
先移動局がそれぞれ使用する方式となっているので、各
々の無線基地局で一般移動局または優先移動局のいずれ
か一方に通話トラヒックが集中すると、呼損率を維持す
るため音声回線のハードウェアが追加となるという欠点
がある。

本発明の目的は、このような欠点を除去した、移動体
通信システムの優先移動局回線割当て方法および装置を
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の方法は、複数の移動局と、複数の無線基地局
と、一つの交換局とで構成され、移動局の優先度を前記
交換局の加入者データベースに蓄積制御する移動体通信
システムにおいて、 空通話回線がない輻輳無線基地局で通話中の一般移動
局を近隣無線基地局へ強制的にハンドオフして、前記輻
輳無線基地局に空通話回線を設け、設けられた前記空通
話回線に優先移動局の通話を割当てることを特徴とす
る。

本発明の方法においては、前記交換局は、通話中の一
般無線基地局および他の無線基地局からの電界強度デー
タを分析して、ハンドオフ先の近隣無線基地局を決定し
ている。

また本発明は、複数の移動局と、複数の無線基地局
と、一つの交換局とで構成され、移動局のハンドオフ処
理を実行し、移動局の優先度を前記交換局の加入者デー
タベースに蓄積制御する移動体通信システムの優先移動
局回線割当て装置であって、 空通話回線がない輻輳無線基地局で通話中の一般移動
局を近隣無線基地局へ強制的にハンドオフして前記輻輳
無線基地局に空通話回線を設ける手段と、 設けられた前記空通話回線に優先移動局の通話を割当
てる手段とを有することを特徴とする。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は、本発明の優先移動局回線割当て方法を実施
する移動体通信システムを示す図である。１は交換局、
２〜４は無線セル、５〜７は無線基地局、８〜10は音声
回線リピータ、11は一般移動局、12は優先移動局を示し
ている。

交換局１の加入者データベースには、予め移動局の優
先度が蓄積されている。

今、一般移動局11が無線基地局７の音声回線リピータ
10を使用して無線セル４で通話しており、音声回線リピ
ータ10は輻輳状態であり空音声回線が一つもないとし、
一方、無線基地局６の音声回線リピータ９は空音声回線
を持っているものとする。

このとき優先加入者12が、無線セル４で発呼すると、
交換局１は輻輳無線基地局７を経由して無線セル４で通
話中の一般移動局11を、無線セル４に近隣する無線セル
３へ強制的にハンドオフさせ、輻輳無線基地局７の音声
回線リピータ10に空音声回線を発生させる。この空音声
回線を、発呼中の優先加入者12に割当てて、交換局１は
優先移動局12を無線セル４で通話できるように接続す
る。ハンドオフされた一般移動局11は、音声回線リピー
タ９を使用する近隣無線基地局６で通話可能となる。

以上の優先移動局回線割当て方法を、第２図の接続シ
ーケンス図を参照しながら、さらに詳細に説明する。

優先移動局12は、発呼信号20を無線基地局７へ送信す
る。

無線基地局７は、発呼信号20を受信すると、発呼オー
ダ21を交換局１へ送出する。

交換局１は、発呼オーダを受信すると、一般移動局12
の近隣無線セルからの電界強度を測定するために、電界
強度測定指示オーダ22を無線基地局５へ、電界強度測定
指示オーダ23を無線基地局５を含む他の無線基地局へ送
出する。

無線基地局６と他の無線基地局は、電界強度測定指示
オーダ22および23に基づいて、一般移動局11の電界強度
データ24および25をそれぞれ交換局１へ送出する。

交換局１は、電界強度データ24および25を分析の上、
一般移動局11のハンドオフ先無線基地局を無線基地局６
と決定し、無線基地局７へハンドオフ・オーダ26を送出
する。

無線基地局７はハンドオフ・オーダ26を受信すると、
ハンドオフ・メッセージ27を一般移動局11へ送信する。

さらに交換局１は、ハンドオフ先の無線基地局６にキ
ャリア送信オーダ28を送出する。

一般移動局11は、ハンドオフ・メッセージ27を受信す
ると、通話中の音声回線キャリアの停止をキャリア送出
停止29として無線基地局７へ知らせる。そして直ちに、
一般移動局11は、無線基地局６の音声回線に対応してキ
ャリアをキャリア送出開始30として無線基地局６へ送信
する。

無線基地局６は、キャリア送出開始30を受信すると、
ハンドオフ・キャリア受信信号31を交換局１へ送出す
る。

交換局１は、ハンドオフ・キャリア受信信号を受信す
ると、無線基地局７に対して一般移動局11が使用してい
た音声回線のキャリアを停止するようにキャリア送出停
止信号32を送出する。

続いて優先移動局12を接続させるために、交換局１は
無線基地局７に優先移動局12用の音声回線割当てオーダ
33を送出する。

無線基地局７は、音声回線割当てオーダ33を受信する
と、音声回線の割当てメッセージ34を優先移動局12へ送
出する。

優先移動局12は、割当てメッセージを受信すると、音
声回線キャリア送出開始35を無線基地局７へ送信する。

無線基地局７は、音声回線キャリア送出開始35を受信
すると、音声回線キャリア受信信号36を交換局１へ送出
する。

交換局１は、音声回線キャリア受信信号36を受信する
と、着信交換局より送出される呼出音37を優先移動局12
へ中継し、着信交換局より中継される被呼加入者の応答
を応答信号38として優先移動局12へ送出し、優先移動局
12は通話可能となる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、空通話回線がない輻輳
無線基地局で通話中の一般移動局を近隣無線基地局へ強
制的にハンドオフして、輻輳無線基地局に空通話回線を
設け、設けられた空通話回線に優先移動局の通話を割当
てるので、 （イ）音声回線のハードウェアの追加なしに、優先移動
局の接続を呼損率を維持しながら行える、 （ロ）一般移動局と優先移動局で、それぞれへのトラヒ
ック集中に対して十分な呼損率を維持できる、 （ハ）無線基地局が輻輳していても優先移動局を十分に
接続できる、 という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施する移動体通信システムのブロッ
ク図、 第２図は第１図における一般移動局と優先移動局の接続
シーケンス図である。 １……交換局 2,3,4……無線セル 5,6,7……無線基地局 8,9,10……音声回線リピータ 11……一般移動局 12……優先移動局

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の移動局と、複数の無線基地局と、一
   つの交換局とで構成され、移動局の優先度を前記交換局
   の加入者データベースに蓄積制御する移動体通信システ
   ムにおいて、 空通話回線がない輻輳無線基地局で通話中の一般移動局
   を近隣無線基地局へ強制的にハンドオフして、前記輻輳
   無線基地局に空通話回線を設け、設けられた前記空通話
   回線に優先移動局の通話を割当てることを特徴とする移
   動体通信システムの優先移動局回線割当て方法。
2. 【請求項２】請求項１記載の移動体通信システムの優先
   移動局回線割当て方法において、 前記交換局は、通話中の一般無線基地局および他の無線
   基地局からの電界強度データを分析して、ハンドオフ先
   の近隣無線基地局を決定することを特徴とする移動体通
   信スシテムの優先移動局回線割当て方法。
3. 【請求項３】複数の移動局と、複数の無線基地局と、一
   つの交換局とで構成され、移動局のハンドオフ処理を実
   行し、移動局の優先度を前記交換局の加入者データベー
   スに蓄積制御する移動体通信システムの優先移動局回線
   割当て装置であって、 空通話回線がない輻輳無線基地局で通話中の一般移動局
   を近隣無線基地局へ強制的にハンドオフして前記輻輳無
   線基地局に空通話回線を設ける手段と、 設けられた前記空通話回線に優先移動局の通話を割当て
   る手段とを有することを特徴とする移動体通信システム
   の優先移動局回線割当て装置。