JP2793049B2 - ウエブ支持ローラの回転不良検出方法 - Google Patents

ウエブ支持ローラの回転不良検出方法

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JP2793049B2 JP3935391A JP3935391A JP2793049B2 JP 2793049 B2 JP2793049 B2 JP 2793049B2 JP 3935391 A JP3935391 A JP 3935391A JP 3935391 A JP3935391 A JP 3935391A JP 2793049 B2 JP2793049 B2 JP 2793049B2
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繁治 畑山
美生 古川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多数の可回転ローラによ
り支持しつつウエブを搬送する装置において、ローラの
回転不良を発見する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料は感光性乳剤等を印画紙又
はフィルム等に塗布し、更に所定条件下で乾燥後に巻取
られるが、ウエブの巻出しから巻取りまでのウエブ搬送
装置では約1000本のウエブ支持ローラによって搬送
される。これらのローラは電動機等により駆動されてい
るものや、ウエブの支持のためのフリーローラなどで構
成されている。これらのローラは精巧なベアリングを使
用して、極力回転抵抗を減少させているが、ベアリング
オイルの劣化や摩耗、その他の諸原因によりローラの回
転速度が低下する。
【0003】ローラの回転速度の低下は、ウエブの乳剤
面や裏面に連続的又は周期的にスリ傷を発生させるが、
スリ傷の生じた製品は製品としての価値が無くなる。ス
リ傷が発見されるとその原因は、ウエブ搬送装置のロー
ラの回転不良である場合が多いため搬送装置を止めて全
てのローラのベアリンングを検査するが、このような検
査方法によるとスリ傷が発見されるまでに多量の製品を
廃棄することになる。また多数の人手を要し、更に長時
間に及ぶ場合が多い。又その結果、生産計画や稼動率の
低下に大きな影響を与えている。
【0004】これらを緩和する手段として一般的な方法
としては、各ローラに周知の回転検出器を用いて警報を
発することで可能である。前記方法では全てのローラに
回転検出器を設置する場合は、膨大な費用が必要となる
ことと、更に塗布する感材の品種によって異なる速度で
搬送する場合、その都度全ての回転検出器の速度設定値
の変更を行なう必要があるが、検出器の数が多いため設
定値の変更作業に長時間を費やすなどの問題点がある。
【0005】このような問題点を解決する手段として、
特公昭61−32227の「ウエブ搬送装置におけるウ
エブ支持ローラの回転故障発見装置」としてエアールー
プ内のいずれかのウエブ支持ローラの回転故障によりリ
バーサ部でのウエブ垂下量を検出する装置が安価で効果
のある装置として発明されているが、フィルムベースの
搬送ではウエブの張力やローラの抱き角、ウエブとロー
ラの接触圧など種々の条件で異なるが、ベアリングの初
期劣化段階でローラの回転数が10〜30%低下すると
スリ傷の発生が認められるが、このようなベアリングの
初期劣化段階では検出可能な垂下量まで得られない欠点
がある。
【0006】また前記の故障発見装置はエアーループ域
に限ってローラの回転不良の発見が可能であるが、ウエ
ブ搬送装置はエアーループ以外にも巻出し機から巻取機
までにはウエブが多数の各種支持ローラによって搬送さ
れており、ウエブのスリ傷発見にはこれらの支持ローラ
の回転不良の検出が不可欠である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は写真感
光材料の搬送において、ローラのわずかな回転不良にお
いてもウエブにスリ傷等の損傷を与えるのを最小限にと
どめるために、ウエブに接触するローラの回転不良を検
出し、回転不良が発生したときに個別に識別して回転不
良の表示や警報を行なう、ウエブ支持ローラの回転不良
検出の方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】ウエブに接触するローラ
に、該ローラの回転に比例したパルス信号を出力する検
出器を備え、一定速度でウエブを搬送するときに、速度
の基準となる基準ローラの回転によって得られるパルス
の周期をtm、被検査ローラの回転によって得られるパ
ルスの周期をtrとしたとき、基準ローラと被検査ロー
ラが同一周速度で回転している場合にPm・tm=Pr
・trとなるような、基準ローラの回転によって得られ
るパルス数をPm、被検査ローラの回転によって得られ
るパルス数をPrとすると、基準ローラのパルス数Pm
及び被検査ローラのパルス数Prを整数倍したk・P
m、k・Pr(kは1以上の整数)のパルス数を計数し
たときの所要時間k・Pm・tmとk・Pr・trを比
べ、k・Pr・trがk・Pm・tmに対して所定時間
以上の差があるときに、被検査ローラを回転不良と判定
することを特徴とするウェブ支持ローラの回転不良検出
方法である。
【0009】
【作用】本発明によるローラ回転不良の検出は、定常状
態でウエブが搬送されているときに、ウエブに接するロ
ーラの回転状況をつかむためローラの側面等にローラの
回転によってパルスを得るための検出器を個々に備えつ
ける。また個々の検出器の出力パルスを計数し、その他
必要な演算処理を実行するためにプログラマブルコント
ローラ(以下PCと称す)を用いる。ローラは直径の大
小に応じて、1回転に1もしくはn個のパルスを出力す
るようにマーク等の処置を施しておく。
【0010】ウエブが一定速度で搬送されているとき
に、基準ローラ及び被検査ローラの回転によるパルスに
て、Pm・tm=Pr・trの条件を満すパルス数P
m、Prをカウントした最小一致ローラ回転検査時間で
は、PC自体の演算処理時間(以下スキャンタイムと称
す)の関係による計時誤差のため、ロール回転不良の判
別に必要とする精度が得られない。このため各ローラの
パルスカウント数Pm、Prをそれぞれk倍したk・P
m、k・Pr個のローラ回転検査パルス数をカウントし
たローラ回転検査時間k・Pm・tm、k・Pr・tr
でもって比較し、ローラの回転不良を判別する。
【0011】しかしながら品種が異なることによってウ
エブの搬送速度が異なる場合、前記ローラ回転検査パル
ス数k・Pm、k・Prを固定にしておくと、ウエブの
搬送速度が遅いときは回転不良の判定に時間がかかり、
速い場合は計時誤差の影響を受ける。そこでウエブの搬
送速度に比例するkの値を整数値で算出することにより
k・Pm、k・Prを速度に関係なく、ほぼ一定となる
ローラ回転検査時間としてPCのスキャンタイムによる
計時誤差を排除する。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。図
1はウエブ支持ローラの回転不良検出装置として、ウエ
ブ搬送装置の一部分とローラ回転検出器6及び検出器の
パルス信号を処理するPC9の一部分を記載している。
【0013】図1においてウエブ1は基準ローラ2の周
速が一定になるように駆動系制御装置(図示せず)によ
って駆動ローラ5を回転制御している。ローラの回転検
出器6は各ローラ側面に備えつけており、それらの信号
線は近くのPC、7a、7b・・・に接続している。図
1において基準ローラの直径は250mm、被検査ローラ
3、4はそれぞれ125mm、100mmである。
【0014】図2は各ローラ回転検出器のパルス信号波
形で、基準ローラ2のパルス波形はP1、被検査ローラ
3、4のパルス波形をそれぞれP2、P3とする。いま
ウエブ1が一定速度で搬送されているとすると、ウエブ
の搬送速度は基準ローラ2のパルスを一定数カウントし
てそのカウント所要時間との演算により求めることがで
きる。図2においてP1、P2、P3の各パルス数が
2、4、5のときパルスカウント時間が最小で一致する
が、この最小一致時間で被検査ローラ3、4の回転不良
の判定を行なうと、PCのスキャンタイムによる計時誤
差が大きく実用にならない。
【0015】実施例ではウエブ搬送速度70m/min にお
いて、各パルスに比率kを25として50、100、1
25パルス毎のパルスカウント一致時間すなわちローラ
回転検査時間を決定した。この場合ローラ回転検査時間
は約31.6秒となり、PCのスキャンタイムによる計
時誤差は0.2%程度になり、回転不良の判定に問題の
ない精度で可能となる。
【0016】次にウエブ搬送速度が100m/min の例で
は比率kを速度に比例した値として、k=25×(10
0÷75)=33(余り切り捨て)となり、各パルスを
それぞれ66、132、165パルスをカウントする。
この場合ローラ回転検出時間は約29.5秒である。
【0017】このようにウエブ搬送速度が変わっても計
時誤差がほぼ一定となり、また回転不良の判定に要する
時間も、搬送速度に影響されず同様に一定である。そし
ていずれかの被検査ローラの回転不良が発生すると基準
ローラ2のローラ回転検出時間に比べて所定時間以上の
差が生じたとき、警報表示器9へ出力するようにしてい
る。尚、PC7a、7bでは所定パルスをカウントし
て、回転不良の判定処理後直ちにカウント値をリセット
し引続き入力されるパルスをカウント開始し、以降同様
の処理を繰返し実行してローラの回転不良の監視を継続
する。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば製品にスリ傷が発生する
以前のベアリング初期劣化段階の僅かにローラの回転速
度が低下した時点で警報を出すことが可能となった。こ
のため従来のように製品のスリ傷を発見してから、故障
ロールの発見し修理を行なうことに比べ、多くの労力と
時間のロスを防止し、装置の稼動率の向上等の利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したウエブ搬送装置の一部を示し
た説明図。
【図2】ローラ回転検出器のパルス出力波形で○内の数
を示す。
【符号の説明】
1 ウエブ 2 基準ローラ(径250mm) 3 被検査ローラ(径125mm) 4 〃 (径100mm) 5 駆動ローラ 6 回転検出器 7a PC(プログラマブルコントローラ) 7b 〃 8 通信ケーブル 9 故障表示器 P1 基準ローラ(径100mm)回転検出パルス波形 P2 被検査ローラ(径125mm) 〃 P3 〃 (径100mm) 〃

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエブに接触するローラに、該ローラの
    回転に比例したパルス信号を出力する検出器を備え、一
    定速度でウエブを搬送するときに、速度の基準となる基
    準ローラの回転によって得られるパルスの周期をtm、
    被検査ローラの回転によって得られるパルスの周期をt
    rとしたとき、基準ローラと被検査ローラが同一周速度
    で回転している場合にPm・tm=Pr・trとなるよ
    うな、基準ローラの回転によって得られるパルス数をP
    m、被検査ローラの回転によって得られるパルス数をP
    rとすると、基準ローラのパルス数Pm及び被検査ロー
    ラのパルス数Prを整数倍したk・Pm、k・Pr(k
    は1以上の整数)のパルス数を計数したときの所要時間
    k・Pm・tmとk・Pr・trを比べ、k・Pr・t
    rがk・Pm・tmに対して所定時間以上の差があると
    きに、被検査ローラを回転不良と判定することを特徴と
    するウエブ支持ローラの回転不良検出方法。
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