JP2792465B2 - 糸巻ゴルフボールの糸巻方法及び糸巻装置 - Google Patents

糸巻ゴルフボールの糸巻方法及び糸巻装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芯球に糸ゴムを巻回し
た糸巻コアにカバーを被覆した糸巻ゴルフボールを製造
する際に、上記芯球に糸ゴムを巻回して上記糸巻コアを
得るための糸巻方法及び糸巻装置に関し、更に詳述する
と、巻回中の糸ゴムのテンションを管理して、糸ゴム層
の硬度のバラツキ、巻回中の糸切れ、糸巻姿等を改善
し、高品質の糸巻コアを確実に得ることができると共
に、巻回中に糸ゴムのテンションを連続的又は段階的に
変化させて糸ゴム層の硬度が厚さ方向に沿って連続的又
は段階的に変化した糸巻コアを得る場合にも好適に対応
し得る糸巻ゴルフボールの糸巻方法及び糸巻装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、糸巻ゴルフボールは、液状又はペースト状のリキッ
ド材をゴム製のバッグ(センターバッグ)内に充填した
芯球(リキッドセンター)や固形ゴムからなる芯球(ソ
リッドセンター)の周囲に糸ゴムを巻き付けて糸巻コア
を得、この糸巻コアをカバーで被覆することにより製造
されている。この場合、上記糸巻コアは、上記芯球を3
本の巻取りローラ間に保持し、これら巻取りローラで該
芯球を回転させると共に、この回転する芯球表面に伸張
状態の糸ゴムを供給して芯球に糸ゴムを巻回することに
より製造されている。
【0003】即ち、図7に示したように、3本の巻取り
ローラa,a,a’間に芯球bを配置し、一の巻取りロ
ーラa’で芯球bを押さえつけることにより該芯球bを
巻取りローラa,a,a’間に保持すると共に、他の巻
取りローラa,aを駆動回転させて芯球bを高速で回転
させ、この回転する芯球bに第1及び第2ブレーキロー
ラc,dを介して糸ゴムeを連続的に供給して芯球bに
糸ゴムeを巻回し、糸巻コアを得ることが行われてい
る。この場合、上記第1及び第2ブレーキローラc,d
は自ら回転するものではなく、それぞれ所定の回転トル
クを与えることにより回転し得るようになっており、芯
球bが回転して糸ゴムeを巻取ることによりこれら第1
及び第2ブレーキローラc,dが回転するが、このとき
第1ブレーキローラcの回転トルクと第2ブレーキロー
ラdの回転トルクとを任意に設定し、これにより第1ブ
レーキローラcと第2ブレーキローラdとの間で糸ゴム
eに所定のテンションを与えて糸ゴムeを伸張させ、更
に第1ブレーキローラcのブレーキ力(回転抵抗)によ
り該第1ブレーキローラcと芯球bとの間で糸ゴムeに
所定のテンションを加えて所望の伸張率まで糸ゴムeを
伸張させ、この伸張状態で糸ゴムeを芯球bに巻き付け
るものである。なお、図7中、fは糸ゴムeを第1,第
2ブレーキローラc,dに押しつけて該糸ゴムeの滑り
を防止するための押えローラ、gは糸ゴムeをガイドす
る糸ゴムガイド、hは巻取りローラa’を芯球bに押し
つけるボール押え、iは巻回終了時を検出する最終外径
測定器、jは巻取りローラa,aの回転数設定部、kは
ボール押えhによる圧力の調節ダイヤル、m及びnはそ
れぞれ第1,第2ブレーキローラc,dの回転抵抗を調
節するダイヤル、oは主電源、pは糸巻き開始スイッチ
である。
【0004】しかしながら、この図7に示した糸巻方法
及び装置には、得られる糸巻コアの硬度を目標値に調
整することが難しい、不意な糸切れ、巻き姿の劣化、
硬度のバラツキ等が生じ易い、巻き付け速度が制限さ
れ製造効率に劣る、糸ゴム巻回中に巻き付けテンショ
ンを変更することができない、等の問題点がある。
【0005】即ち、糸巻コアの硬度は、主に芯球に巻き
付けられた糸ゴムのテンションにより決定されるが、上
記図7に示した従来の糸巻方法及び装置を用いて糸巻コ
アを製造する場合、上記第1,第2ブレーキローラc,
dの回転必要トルク(ブレーキ力)を調節,設定するこ
とにより、糸ゴムeの芯球bへの巻き付けテンションを
設定し、これにより所望の硬度を有する糸巻コアを製造
しており、この場合上記巻き付けテンションの設定は、
作業員が自らの経験による勘によって第1,第2ブレー
キローラc,dのブレーキ力を巻き付け開始前に予め設
定しておくことにより行われ、巻回終了後に得られた糸
巻コアの硬度を測定してその測定値に応じて適宜上記第
1,第2ブレーキローラc,dの微調整を行うことによ
り、狙った硬度を得るようにしている。
【0006】このため、 狙った硬度の糸巻コアを得るために多くの時間を必要
とし、また通常は多数の糸巻装置を複数の作業員が管理
しながら同一規格の糸巻コアを同時に多数得ることが行
われるので、作業員や糸巻装置によって得られる糸巻コ
ア間に硬度差が生じ易く、得られる糸巻コアの硬度を目
標値に調整することが難しい。 上記第1,第2ブレーキローラc,dの調整,設定
は、巻回前に予め行い巻回中はその調整を行わないの
で、種々の要因によって巻回中に糸ゴムeのテンション
が不安定になり易く、不意な糸切れ、巻き姿の劣化、硬
度のバラツキ等が生じ易い。 糸ゴムeのテンションが不安定なため巻き始めにおい
て糸切れが生じ易く、巻き取りローラa,a,a’の回
転をゆっくり立ち上げなければならず、効率が悪い。ま
た、上記第1,第2ブレーキローラの調整による巻き付
けテンションの設定を作業員の勘により行っているた
め、非常に高速で巻回を行うとこの巻き付けテンション
の調節が極めて困難になる上、巻回中の巻き付けテンシ
ョンも非常に不安定なものとなり、これらの理由から巻
回中における巻き取りローラa,a,a’の回転速度も
制限され、高速で効率よく巻き上げることができない。 上記第1,第2ブレーキローラc,dの調整,設定を
巻回前に予め行い、巻き終わりまで同一条件で糸ゴムe
の巻回を行うようになっているので、糸ゴム層の厚さ方
向に沿って連続的又は段階的に糸ゴムeの巻き付けテン
ションを変化させて、糸ゴム層の内層と外層とで硬度を
変化させた糸巻コアを得ることが不可能である。 等の欠点を有している。
【0007】この場合、上記の欠点については、従来
特公平5−45270号公報に糸ゴムの巻回途中に巻き
付けテンションを変化させる糸巻方法として図8に示し
た方法が提案されている。即ち、図8に示されているよ
うに、糸ゴムeを低テンションホイールr、高テンショ
ンホイールsを順次経由させて回転する芯球bに供給
し、糸巻コアを得る場合にタイマーtにより管理される
所定時間及び糸巻コアの径を検出する表示器uにより管
理される糸ゴム層の所定厚さまでは上記高テンションホ
イールsを作動させずに上記低テンションホイールrの
みによる比較的低いテンションで糸ゴムeの巻付けを行
い、糸ゴム層が所定厚さに達した時点でこれを上記タイ
マーt及び表示器uにより検知し、この時点から上記高
テンションホイールsを作動させて比較的高いテンショ
ンで糸ゴムeを巻き付ける糸巻方法が提案されており、
この方法によれば糸ゴム層の厚さ方向に沿って二段階に
糸ゴムeの巻き付けテンションを変化させて、糸ゴム層
の内層と外層とで硬度を変化させた糸巻コアを得ること
ができる。なお、図8中wは芯球bを回転させるための
ゴムベルト、xはこのゴムベルトwを駆動するモータで
ある。
【0008】しかしながら、この糸巻方法は、低テンシ
ョンホイールr及び高テンションホイールsによる巻き
付けテンションの設定を予め行っておくものであり、単
に巻回途中で高テンションホイールsを作動させて段階
的に巻き付けテンションを変更するだけである。このた
め一段目及び二段目のそれぞれの巻回中に巻き付けテン
ションの調節は一切行われず、このため上記〜と同
様の問題を生じることとなる。また、この糸巻方法で
は、単に第二のテンションホイール(低テンションホイ
ール)rを巻回途中で作動させることにより、巻き付け
テンションを変更するように構成されているので、糸ゴ
ム巻回中に巻き付けテンションを漸次高く又は低くして
いくことにより、糸ゴム層の内側から外側へと連続的に
糸ゴムの巻き付けテンションを変化させることは不可能
である。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、巻回中の糸ゴムのテンションを管理して、糸ゴム層
の硬度のバラツキ、巻回中の糸切れ、糸巻姿等を改善
し、高品質の糸巻コアを効率よく確実に得ることができ
ると共に、巻回中に糸ゴムのテンションを連続的又は段
階的に変化させて糸ゴム層の硬度が厚さ方向に沿って連
続的又は段階的に変化した糸巻コアを得る場合にも好適
に対応し得る糸巻ゴルフボールの糸巻方法及び糸巻装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、芯球に糸ゴムを巻回した糸巻コアにカバー
を被覆した糸巻ゴルフボールを製造する際、芯球に糸ゴ
ムを巻回して上記糸巻コアを得るための糸巻方法であ
り、上記芯球を少なくとも3本の巻取りローラ間に保持
し、これら巻取りローラの少なくとも1本を駆動回転さ
せて上記芯球を回転させると共に、この回転する芯球表
面に、ブレーキローラと送り出しローラとを経由させた
糸ゴムを供給して、該糸ゴムを伸張状態で上記芯球に巻
回する糸巻方法において、上記芯球の手前位置で糸ゴム
のテンションを連続的に測定すると共に、その測定値に
応じて上記巻取りローラ、ブレーキローラ、送り出しロ
ーラの少なくとも1つの回転条件を調節することによ
り、巻き付けテンションを調節しながら糸ゴムを芯球に
巻回することを特徴とする糸巻ゴルフボールの糸巻方法
を提供する。
【0011】この場合、芯球に糸ゴムを巻回しながらそ
の外径を連続的に測定し、その測定値の変化に応じ、予
め設定したテンションプログラムに従って糸ゴムの巻き
付けテンションを連続的又は段階的に調節しながら巻回
を行うことにより、糸ゴム層の硬度が厚さ方向に沿って
連続的又は段階的に変化した糸巻コアを得るようにする
ことができる。
【0012】また、本発明は、上記糸巻方法により芯球
に糸ゴムを巻回して糸巻ゴルフボールの糸巻コアを得る
ための糸巻装置として、芯球に糸ゴムを巻回した糸巻コ
アにカバーを被覆した糸巻ゴルフボールを製造する際、
芯球に糸ゴムを巻回して上記糸巻コアを得るための糸巻
装置であって、回転可能に支持された少なくとも3本の
巻取りローラを有し、これら巻取りローラ間に芯球を保
持し、少なくとも1つの巻取りローラを駆動回転させて
上記芯球を回転させることにより、芯球に供給された糸
ゴムを該芯球に巻回する巻回手段と、回転可能なブレー
キローラと送り出しローラとを有し、該ブレーキローラ
と送り出しローラとを順次介して上記巻取りローラ間に
保持された芯球に糸ゴムを供給すると共に、該ブレーキ
ローラと送り出しローラとの間の回転条件により糸ゴム
を伸張させる糸ゴム供給手段と、上記送り出しローラと
上記巻取りローラ間に保持された芯球との間に配設さ
れ、該芯球の手前位置において糸ゴムのテンションを測
定するテンション測定手段と、上記巻取りローラ、ブレ
ーキローラ及び送り出しローラの少なくとも1つの回転
条件を調節して上記糸ゴムの上記芯球への巻き付けテン
ションを調節するテンション調節手段とを具備してな
り、上記巻回手段により芯球を高速で回転させ、この回
転する芯球に上記糸ゴム供給手段により伸張状態の糸ゴ
ムを供給して上記芯球に糸ゴムを巻回すると共に、上記
テンション測定手段により糸ゴムの巻き付けテンション
を連続的に測定し、その測定値に応じて上記テンション
調節手段により巻き付けテンションを調節しながら芯球
に糸ゴムを巻回するように構成したことを特徴とする糸
巻ゴルフボールの糸巻装置を提供する。
【0013】この場合、上記巻取りローラ間に保持され
た糸ゴム巻回中の糸巻コアの外径を連続的に測定する外
径測定手段を具備させ、該外径測定手段により測定した
測定値の変化に応じ、予め設定されたテンションプログ
ラムに従って糸ゴムの巻き付けテンションを連続的又は
段階的に変化させるように構成することにより、糸ゴム
層の硬度が厚さ方向に沿って連続的又は段階的に変化し
た糸巻コアを得るようにすることができる。
【0014】
【作用】上記本発明の糸巻方法は、芯球を少なくとも3
本の巻取りローラ間に保持し、これら巻取りローラの少
なくとも1本を駆動回転させて上記芯球を回転させると
共に、この回転する芯球表面に、ブレーキローラと送り
出しローラとを経由させて伸張状態とした糸ゴムを供給
し、上記芯球に糸ゴムを伸張状態に巻回するものであ
り、この場合本発明においては、上記芯球の手前位置で
芯球に巻回される糸ゴムのテンションを連続的に測定
し、該測定値に応じて上記巻取りローラ、ブレーキロー
ラ及び送り出しローラの少なくとも1つの回転条件を調
節しながら糸ゴムの巻回を行うことにより、巻回中の糸
ゴムの巻き付けテンションを安定させ、糸ゴム層の硬度
のバラツキ、巻回中の糸切れ、糸巻姿等を改善し、高品
質の糸巻コアが効率よく得られるようにしたものであ
る。
【0015】即ち、本発明の糸巻方法は、ブレーキロー
ラと送り出しローラとの回転条件の差により糸ゴムを所
定テンションに伸張し、この糸ゴムを送り出しローラか
ら回転する芯球に供給すると共に、必要に応じて送り出
しローラと巻取りローラとの回転条件の差により送り出
しローラと芯球との間で更に糸ゴムにテンションを与
え、芯球に伸張状態の糸ゴムを巻回する場合に、この芯
球の手前位置で糸ゴムのテンションを連続的に測定する
ことにより、芯球に巻回される糸ゴムの巻き付けテンシ
ョンを常にモニターし、この巻き付けテンションが所望
のテンションに保持されるように、上記ブレーキロー
ラ、送り出しローラ及び巻取りローラの少なくとも1つ
の回転条件を調節しながら巻回を行うものである。これ
により、糸ゴムが常に安定した巻き付けテンションで芯
球に巻回され、糸ゴム層の硬度のバラツキ、巻回中の糸
切れ、糸巻姿の劣化等を生じることなく、高品質な糸巻
コアを確実に得ることができる。また、このように実際
に芯球に巻回される糸ゴムのテンションを芯球の手前に
おいて測定しながら巻き付けテンションの調節を行うよ
うになっているので、芯球への巻き付け速度を非常に高
速に設定しても確実に巻き付けテンションを安定化させ
ることができ、非常に効率よく糸巻きを行うことができ
るものである。
【0016】より具体的に説明すると、例えばブレーキ
ローラとして自らは回転することなく所定の回転トルク
により回転するローラを用い、このブレーキローラから
回転数の調節が可能な送り出しローラで糸ゴムを繰り出
すことにより、糸ゴムに所定のテンションを与え、巻取
りローラによって高速で回転している芯球にこの糸ゴム
を供給すると共に、該糸ゴムに更にテンションを加えな
がら芯球に該糸ゴムを巻回し、このとき送り出しローラ
と芯球との間で糸ゴムのテンションを連続的に測定して
その測定されたテンションが所望のテンションより高い
場合には即座に上記送り出しローラの回転数を上げて糸
ゴムのテンションを下げ、所望のテンションよりも低い
場合には即座に上記送り出しローラの回転数を下げて糸
ゴムのテンションを上げることにより、実際に巻回され
ている糸ゴムのテンションを測定しながらその測定結果
に基づいて連続的に巻き付けテンションを調節しながら
糸ゴムの巻回を行うものである。従って、たとえ芯球を
非常に高速に回転させて糸巻を行っても、常に糸ゴムの
巻き付けテンションを所望のテンションに安定させるこ
とができ、糸ゴム層の硬度のバラツキ、巻回中の糸切
れ、糸巻姿の劣化等を生じることなく、高品質な糸巻コ
アを効率よく確実に得ることができるものである。な
お、巻き付けテンションを調節する手段は、送り出しロ
ーラの回転数を調節する手段に限定されず、勿論ブレー
キローラや巻取りローラの回転条件を変更することによ
り行うこともでき、更にブレーキローラ、送り出しロー
ラ、巻取りローラのうち2以上の回転条件を変更して調
節するようにすることも可能である。
【0017】更に、本発明の糸巻方法によれば、上述の
ように糸ゴムの巻き付けテンションを測定すると共に、
芯球に糸ゴムを巻回して得られる糸巻コアの外径を糸ゴ
ムの巻回中連続して測定し、その測定値の変化に応じて
予め設定したテンションプログラムに基づいて糸ゴムの
巻き付けテンションを調節するようにすることができ、
これにより、糸ゴム層の硬度が厚さ方向に沿って連続的
又は段階的に変化した糸巻コアを得ることができる。
【0018】即ち、上述した送り出しローラの回転数を
調節する場合を例にして説明すると、本発明の糸巻方法
に従って上述のように糸ゴムの巻回を行うと共に、この
とき芯球に糸ゴムが巻回された糸巻コアの外径を連続的
に測定し、測定された外径値における予め設定しておい
たテンションプログラムのテンションと実際に測定され
た糸ゴムの巻き付けテンションとを比較し、両者が同一
となるように送り出しローラの回転数を調節しながら糸
ゴムの巻回を行うものであり、従ってテンションプログ
ラムを段階的又は連続的にテンションが高くなるよう
に、或いは段階的又は連続的にテンションが低くなるよ
うに設定しておくことにより、糸ゴム層の硬度が厚さ方
向に沿って連続的又は段階的に変化した糸巻コアを得る
ことができるものである。なお、この場合にも設定され
たテンションプログラムに従った安定な巻き付けテンシ
ョンにより糸ゴムの巻回を行うことができ、糸ゴム層の
硬度のバラツキ(硬度変化のバラツキ)、巻回中の糸切
れ、糸巻姿の劣化等を生じることなく、高品質な糸巻コ
アを効率よく確実に得ることができるものである。
【0019】このように、本発明の糸巻方法によれば、
巻回中の糸ゴムのテンションを確実に管理して、糸ゴム
層の硬度のバラツキ、巻回中の糸切れ、糸巻姿等を改善
し、高品質の糸巻コアを効率よく得ることができると共
に、巻回中に糸ゴムのテンションを連続的又は段階的に
変化させて糸ゴム層の硬度が厚さ方向に沿って連続的又
は段階的に変化した糸巻コアを得ることもできる。
【0020】また、上記本発明の糸巻装置は、上記本発
明の糸巻方法に従って、芯球に糸ゴムを巻回して糸巻き
コアを得るためのもので、芯球を支持して回転させる少
なくとも3本の巻取りローラからなる巻回手段と、回転
可能なブレーキローラと送り出しローラとを有する糸ゴ
ム供給手段と、芯球の手前位置において糸ゴムのテンシ
ョンを測定するテンション測定手段と、上記巻き取りロ
ーラ、ブレーキローラ及び送り出しローラの少なくとも
1つの回転条件を調節するテンション調節手段とを具備
するものである。
【0021】即ち、上記巻回手段の3本の巻取りローラ
間に芯球を保持して少なくとも1つの巻取りローラを駆
動回転させることにより芯球を高速で回転させ、この回
転する芯球に上記糸ゴム供給手段によりブレーキローラ
及び送り出しローラを順次経由させて糸ゴムを供給する
と共に、このとき上記送り出しローラとブレーキローラ
との回転条件の違いによって糸ゴムにテンションを与え
ることにより該糸ゴムを伸張させ、このように糸ゴムを
伸張状態で芯球に巻回しながら、上記テンション測定手
段により芯球の手前位置において糸ゴムのテンションを
連続的に測定し、その測定値に応じて上記テンション調
節手段により上記巻き取りローラ、ブレーキローラ及び
送り出しローラの少なくとも1つの回転条件を調節する
ことにより、糸ゴムの巻き付けテンションを調節しなが
ら芯球に糸ゴムを巻回するものである。従って、この糸
巻装置によれば、上記本発明の糸巻方法に従って安定し
た巻き付けテンションで糸ゴムを芯球に巻回することが
でき、糸ゴム層の硬度のバラツキ、巻回中の糸切れ、糸
巻姿の劣化等を生じることなく、高品質な糸巻コアを確
実に得ることができる。
【0022】この場合、本発明の糸巻装置には、上記テ
ンション調節手段として、上記テンション測定手段によ
り測定した測定値に応じて上記巻取りローラ、ブレーキ
ローラ、送り出しローラの少なくとも1つの回転条件を
自動的に調節するテンションコントロール装置を用いる
ことができ、該テンションコントロール装置により巻き
付けテンションを自動的に調節しながら糸ゴムを芯球に
巻回するように構成することもできる。
【0023】また、本発明の糸巻装置は、上記巻取りロ
ーラ間に保持された芯球に糸ゴムが巻回されている糸巻
コアの外径を連続的に測定する外径測定手段を具備させ
ることにより、糸ゴムの巻き付けテンションを連続的又
は段階的に変化させ、糸ゴム層の硬度が厚さ方向に沿っ
て連続的又は段階的に変化した糸巻コアを得るようにす
ることもできる。
【0024】即ち、上記外径測定手段により糸ゴム巻回
中の糸巻コアの外径を連続的に測定し、測定された外径
値における予め設定しておいたテンションプログラムの
テンションと上記テンション測定手段により実際に測定
された糸ゴムの巻き付けテンションとを比較し、両者が
同一となるようにテンション調節手段により巻取りロー
ラ、ブレーキローラ及び送り出しローラの少なくとも1
つの回転条件を調節しながら糸ゴムの巻回を行うように
構成することにより、上記テンションプログラムに従っ
て糸ゴムの巻き付けテンションを連続的又は段階的に変
化させて糸ゴム層の硬度が厚さ方向に沿って連続的又は
段階的に変化した糸巻コアを得ることができる。
【0025】この場合、上記外径測定手段により測定し
た測定値から糸巻コアの外径が予め設定された外径値に
達したことを検出し、予め設定されたテンションプログ
ラムに従って、巻取りローラ、ブレーキローラ、送り出
しローラの少なくとも1つの回転状態を自動的に調節す
るテンション変更コントロール装置を具備させ、該テン
ション変更コントロール装置により巻き付けテンション
を連続的又は段階的に自動変化させることにより、自動
的に糸ゴムの巻き付けテンションを変化させて糸ゴム層
の硬度が厚さ方向に沿って連続的又は段階的に変化した
糸巻コアを得るようにすることもできる。
【0026】
【実施例】
[第1実施例]以下、本発明の実施例につき図面を参照
して説明する。図1は、本発明の一実施例にかかる糸巻
装置を示すものである。この糸巻装置は、本発明の糸巻
方法に従って芯球bに糸ゴムeを巻回して糸巻ゴルフボ
ールの糸巻コアを製造するものであり、3本の巻取りロ
ーラa,a,a’を有する糸ゴム巻回部(巻回手段)1
と、ブレーキローラdと送り出しローラ2とを有する糸
ゴム供給部(糸ゴム供給手段)3とを具備している。
【0027】上記糸ゴム巻回部1の3つの巻取りローラ
a,a,a’は三角形に配置され、2つの巻取りローラ
a,aは駆動源に接続されて駆動回転するようになって
いると共に、もう1つの巻取りローラa’は他の巻取り
ローラa,aに接近及び離間する方向に移動可能でかつ
回転可能に支持されている。これら巻取りローラa,
a,a’のうち一の巻取りローラa’は軸方向中央部が
小径で両端部が大径の略鼓状に形成されていると共に、
ボール押えhにより他の巻取りローラa,aに接近する
方向へと付勢されており、この巻取りローラa’で芯球
bを他の巻取りローラa,aへと押し付けることによ
り、芯球bを3本の巻取りローラa,a,a’の間に保
持し、この状態で巻取りローラa,aを駆動回転するこ
とにより芯球bを回転させるようになっている。なお、
駆動回転させる上記巻取りローラa,aの回転数は回転
数設定部jにより調節することができると共に、上記ボ
ール押えhによる圧力は調節ダイヤルkにより調節する
ことができるようになっている。
【0028】また、上記糸ゴム供給部3のブレーキロー
ラdは回転可能に支持されているが、自らは回転するこ
となく、回転するのに所定の回転トルクを要するように
なっており、その回転トルク(回転抵抗)を調節ダイヤ
ルnにより調節することができるようになっている。一
方、この糸ゴム供給部3の上記送り出しローラ2は、サ
ーボモータ(図示せず)により回転するようになってい
ると共に、このサーボモータが後述するテンションコン
トロール装置5により制御されて送り出しローラ2の回
転数が調節されるようになっている。なお、本実施例に
おいて上記ブレーキローラdは、電圧の印加により負荷
を与えるパウダーブレーキと呼ばれる負荷機構により回
転抵抗を与えるようになっている。
【0029】この糸ゴム供給部3の上記ブレーキローラ
d及び送り出しローラ2を順次経由して糸ゴムeが上記
巻取りローラa,a,a’間に保持されて回転する芯球
bに供給されるようになっており、この場合送り出しロ
ーラ2によりブレーキローラdを介して糸ゴムeが繰り
出され、この際にブレーキローラdの回転抵抗によりこ
のブレーキローラdと送り出しローラ2との間で糸ゴム
eが伸張し、該糸ゴムeに所定のテンションが与えられ
ると共に、送り出しローラ2と芯球bとの回転数の差か
らこの送り出しローラ2と芯球bとの間で更に糸ゴムe
が伸張し、該糸ゴムeに更にテンションが加えられて所
望の巻き付けテンションに調節された糸ゴムeが芯球b
に供給されるようになっている。
【0030】本実施例の糸巻装置では、上記送り出しロ
ーラ2と巻取りローラa,a,a’間に保持された芯球
bとの間に、芯球bの手前位置で糸ゴムeのテンション
を測定するテンション測定器(テンション測定手段)4
が配設されており、このテンション測定器4により糸ゴ
ムeの芯球bへの巻き付けテンションを連続的に測定し
てその測定結果をテンションコントロール装置(テンシ
ョン調節手段)5に連続的に自動入力するようになって
いる。
【0031】上記テンションコントロール装置5は上記
テンション測定器4によって測定された糸ゴムの巻き付
けテンションに応じて上記送り出しローラ2を駆動して
いるサーボモータを制御し、該送り出しローラ2を適正
な回転速度に連続的に調節するもので、所望の巻き付け
テンション値をこのテンションコントロール装置5に設
定しておくことにより、上記テンション測定器4により
測定した糸ゴムeの巻き付けテンションと設定された所
望の巻き付けテンションとを比較し、その結果に応じて
上記送り出しローラ2の回転速度を自動的に加速又は減
速させて糸ゴムeの巻き付けテンションを設定された所
望のテンションに安定させることができるようになって
いる。
【0032】なお、その他の構成については、図7に示
した上記従来の糸巻装置と同様であるので、同一の構成
部分に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0033】この糸巻装置を用いて、芯球bに糸ゴムe
を巻回し糸巻ゴルフボールの糸巻コアを製造する場合、
上記糸ゴム巻回部(巻回手段)1の巻取りローラa,
a,a’間に芯球bをセットして保持すると共に、テン
ションコントロール装置5に所望の巻き付けテンション
を設定する。そして、回転数設定部j、調節ダイヤル
k,nをそれぞれ調節して、巻取りローラa,aの回転
数、ボール押えhによる圧力及びブレーキローラdの回
転抵抗を適宜設定した後、装置を作動させ、巻取りロー
ラa,aを駆動回転させて芯球bを回転させると共に送
り出しローラ2を回転させて該芯球bに伸張状態の糸ゴ
ムeを供給する。
【0034】これにより、上記送り出しローラ2により
ブレーキローラdを経由した糸ゴムeが繰り出されて回
転する芯球bに供給され、該芯球bの表面に巻回され
る。この場合、送り出しローラ2によりブレーキローラ
dから繰り出された糸ゴムeは、該ブレーキローラdの
回転抵抗により伸張されてこのブレーキローラdと送り
出しローラ2との間において所定の初期テンションが与
えられ、更に上記送り出しローラ2から芯球bに巻回さ
れる間に該送り出しローラ2と芯球bとの回転速度の差
により更に糸ゴムeが伸張されてこの送り出しローラ2
と芯球bとの間で更に二次テンションが付加され、糸ゴ
ムeが最終的な巻き付けテンションに調節されて芯球b
に巻回される。
【0035】このとき、本実施例の糸巻装置では、巻回
開始から巻回終了まで上記テンション測定器4により、
芯球bの手前位置において糸ゴムeのテンションを常に
測定し、その測定値を上記テンションコントロール装置
5に連続的に入力する。そして、このテンションコント
ロール装置5において予め設定された巻き付けテンショ
ンと上記テンション測定器4により実際に測定された巻
き付けテンションとを比較し、測定テンションが設定テ
ンションよりも高い場合には自動的にサーボモータ(図
示せず)を制御して送り出しローラ2の回転速度を加速
し、該送り出しローラ2の回転数と芯球bの回転数との
差を縮めて巻き付けテンションを自動的に下げ、測定テ
ンションが設定テンションよりも低い場合には同様にし
て送り出しローラ2の回転速度を減速し、該送り出しロ
ーラ2の回転数と芯球bの回転数との差を広げて巻き付
けテンションを自動的に上げ、この操作が巻回開始から
巻回終了まで連続して行われ、糸ゴムeの巻き付けテン
ションを設定された所望のテンションに安定させながら
巻回作業が行われる。そして、芯球bに糸ゴムeが巻回
されて行き、糸巻コアの径が大きくなるのに従って巻取
りローラa’が上方へと押し上げられて行き、糸巻コア
が所定の径に達した時に最終外径測定器iがこれを検知
して自動的に巻回作業が停止する。
【0036】ここで、上記ブレーキローラdと送り出し
ローラ2との間で糸ゴムeに与えられる初期テンション
は、上述したようにブレーキローラdの回転抵抗により
生じるものであるから、テンションコントロール装置5
の制御により上記送り出しローラ2の回転速度が変化し
ても糸ゴムeの繰り出し速度が変化するだけでこの初期
テンションはほとんど変化せず、従って上記送り出しロ
ーラ2の回転速度の変化により該送り出しローラ2と芯
球bとの間で糸ゴムeに付加される二次テンションが調
節され、これにより糸ゴムeの芯球bへの巻き付けテン
ションが調節されるものである。
【0037】なお、上記ブレーキローラdと送り出しロ
ーラ2との間で与えられる初期テンションは、最終巻き
付けテンションの10〜150%程度、特に80〜12
0%程度とすることが好ましい。また、上記巻取りロー
ラa,aによる芯球bの回転数は、巻回効率上できるだ
け高回転とすることが好ましく、具体的には500〜2
500rpm、特に1400〜1800rpmとするこ
とが好ましく、この芯球bの回転数に応じて上記送り出
しローラ2の基本回転数を所定の最終巻き付けテンショ
ンが得られるように調整すると共に、上記テンションコ
ントロール装置5の制御によりこの基本回転数の約±0
〜30%の範囲で送り出しローラ2の回転速度を調節す
るようにすることが好ましい。
【0038】このように、本実施例の糸巻装置を用いた
糸巻方法では、上記テンション測定装置4により芯球b
に実際に巻回されている糸ゴムeの巻き付けテンション
を測定しながらその測定結果に基づいてテンションコン
トロール装置5が送り出しローラ2の回転速度を調節し
て連続的に巻き付けテンションを調節しながら糸ゴムe
の巻回を行うようになっているので、常に糸ゴムeの巻
き付けテンションを予めテンションコントロール装置5
に設定した所望のテンションに安定させることができ、
糸ゴム層の硬度のバラツキ、巻回中の糸切れ、糸巻姿の
劣化等を生じることなく、高品質な糸巻コアを確実に得
ることができるものである。
【0039】また、このように実際の巻き付けテンショ
ンに基づいて巻回開始時点から巻回終了まで常にテンシ
ョンを調節しながら巻回を行うので、巻回速度を非常に
高速に設定しても糸ゴムのテンションを安定させること
ができ、更に巻き付け速度の立ち上げを非常に短時間に
設定しても直ちに糸ゴムeの巻き付けテンションを所望
のテンションに安定させることができ、例えば立ち上げ
時間を0msecとしても糸切れ等の不都合を生じるこ
となく良好に糸ゴムの巻回を行うことができるものであ
る。従って、極めて効率よく高品質の糸巻コアを得るこ
とができるものである。
【0040】更に、上記のように、設定された巻き付け
テンションで安定的に糸ゴムeを巻回することができる
ので、設定した巻き付けテンションと得られる糸巻コア
の硬度との間に安定的な相関関係を得ることができ、巻
き付けテンションの設定により得られる糸巻コアの硬度
を確実に調節することができるものである。
【0041】[第2実施例]図2は、本発明の他の実施
例にかかる糸巻装置を示すもので、本発明の糸巻方法に
従って芯球bに糸ゴムeを巻き付けテンションを変化さ
せながら巻回して糸ゴム層の硬度を厚さ方向に沿って変
化させた糸巻コアを製造するものである。この糸巻装置
は、上記第1実施例の糸巻装置に用いた最終外径測定器
iに代えて常時糸巻コアの外径を連続して測定する非接
触式の外径測定センサ(外径測定手段)6を用い、この
外径測定センサ6により測定した測定値が予め設定され
た外径値に達した時にテンションコントロール装置5に
信号を出力して該テンションコントロール装置5による
巻き付けテンションの制御基準値を変更する外径測定コ
ントロール装置7を設けたものであり、この外径測定コ
ントロール装置7と上記テンションコントロール装置5
とでテンション変更コントロール装置8が構成されてい
る。なお、その他の構成については上記第1実施例の糸
巻装置と同一である。
【0042】この糸巻装置を用いて、芯球に糸ゴムを巻
回すると共に、巻回中に糸ゴムの巻き付けテンションを
変化させて糸ゴム層の硬度が厚さ方向に沿って変化した
糸巻コアを得る場合は、糸ゴム巻回部(巻回手段)1の
巻取りローラa,a,a’間に芯球bをセットして保持
し、テンションコントロール装置5に糸ゴム層の内側か
ら外側へと順次変化する糸ゴムeの巻き付けテンション
を設定すると共に、上記外径測定コントロール装置7に
巻き付けテンションを変更させる外径を入力する。そし
て、回転数設定部j、調節ダイヤルk,nをそれぞれ調
節して、巻取りローラa,aの回転数、ボール押えhに
よる圧力及びブレーキローラdの回転抵抗を適宜設定し
た後、装置を作動させ、巻取りローラa,aを駆動回転
させて芯球bを回転させると共に送り出しローラ2を回
転させて該芯球bに伸張状態の糸ゴムeを供給する。
【0043】これにより、上記第1実施例の糸巻装置と
同様に上記テンション測定器4により測定した測定値に
応じてテンションコントロール装置5に設定された巻き
付けテンションに基づいて送り出しローラ2の回転数を
調整し、安定した巻き付けテンションで糸ゴムeをコア
bに巻回する。
【0044】この場合、この弟2実施例の糸巻装置にあ
っては、外径測定センサ(外径測定手段)6により常に
芯球bに糸ゴムeが巻回された糸巻コアの外径を測定
し、その測定結果を連続的に外径測定コントロール装置
7に入力し、この外径測定コントロール装置7に予め設
定された巻き付けテンションの変更点に上記糸巻コアの
外径が達した時に外径測定コントロール装置7が巻き付
けテンションの変更を指令する信号をテンションコント
ロール装置5に発信し、テンションコントロール装置5
がこの信号によりテンションコントロールの基準となる
基準巻き付けテンションを予め設定された第2段階の巻
き付けテンションに変更し、この第2段階の巻き付けテ
ンションに基づいて送り出しローラ2の回転数を調節す
る。これにより、糸巻コアの外径が所定の値に達した時
点で自動的に糸ゴムeの巻き付けテンションが変更され
ると共に、変更された第2の巻き付けテンションで安定
的に糸ゴムeの巻回が行われ、以降同様にして糸巻コア
が予め設定された外径に達するたびに自動的に巻き付け
テンションが予め設定されたテンションに変更されると
共に、その変更された巻き付けテンションに基づいてテ
ンションコンロールを行いながら安定的なテンションで
糸ゴムeの巻回が行われる。そして、糸巻コアの外径が
巻終わり径に達した時点でこれを外径測定センサ6で検
知し、自動的に装置を停止させる。なお、巻き付けテン
ションの変更を行うとき以外のテンションコントロール
動作、即ち糸ゴムeの巻き付けテンションを所定のテン
ションに安定させながら巻回を行うテンションコントロ
ールの動作は上記第1実施例の場合と同様である。
【0045】このように、この第2実施例の糸巻装置
は、テンションコントロール装置5に糸ゴム層の内側か
ら外側へと順次変化する糸ゴムeの巻き付けテンション
を設定すると共に、上記外径測定コントロール装置7に
巻き付けテンションを変更させる外径を設定しておくこ
とにより、糸ゴムeの巻回を行いながら芯球bに糸ゴム
eが巻回された糸巻コアの外径を外径測定センサ4で連
続的に測定し、上記テンションコントロール装置5及び
外径測定コントロール装置7に予め設定されたテンショ
ンプログラムに従って測定された外径値における設定テ
ンションと実際にテンション測定器4で測定した糸ゴム
eの巻き付けテンションとを比較し、両者が同一となる
ように送り出しローラ2の回転数を調節しながら糸ゴム
eの巻回を行うものであり、上記テンションプログラム
に従って糸ゴムeの巻き付けテンションを計画的に変化
させることができ、これにより糸ゴム層の硬度が厚さ方
向に沿って変化した糸巻コアを得ることができるもので
ある。
【0046】この場合、上記テンションプログラムを所
定の間隔(所定の外径値)をおいて段階的に巻き付けテ
ンションを変更するように設定することにより、段階的
に巻き付けテンションを変化させることができ、また非
常に細かくテンション変更外径値を設定すると共に、漸
次テンションが大きく又は小さくなるように非常に細か
く巻き付けテンションを設定したテンションプログラム
とすることにより、連続的に巻き付けテンションを変化
させることもできる。更に設定テンションに至るまでの
応答速度を変化させることにより、放物線状に巻き付け
テンションを変化させることも可能である。更にまた、
このように巻き付けテンションを段階的又は連続的に変
化させながら糸ゴムeの巻回を行う場合にも、設定され
たテンションプログラムに従った安定な巻き付けテンシ
ョンにより糸ゴムeの巻回を行うことができ、糸ゴム層
の硬度に設計値以外のバラツキ(硬度変化のバラツキ)
が生じることがなく、また巻回中の糸切れ、糸巻姿の劣
化等を生じることなく、高品質な糸巻コアを効率よく確
実に得ることができる。
【0047】なお、その他の作用効果は、上記第1実施
例の糸巻装置及び糸巻方法と同様であり、この第2実施
例の糸巻装置は、巻き付けテンションが巻初めから巻終
わりまで一定のテンションになるようにテンションプロ
グラムを設定し、上記外径測定センサ6を上記第1実施
例における最終外径測定器iと同様に単に糸ゴムeの巻
き終わり点を検知する装置として用いることにより、上
記第1実施例の糸巻装置と全く同一の動作により糸巻作
業を行うことができるものである。
【0048】次に、実験例を示し本発明の効果をより具
体的に示す。 [実験例1]上記第2実施例の糸巻装置を用い、巻き付
けテンションが巻初めから巻終わりまで一定のテンショ
ンになるようにテンションプログラムを設定して糸ゴム
を芯球に巻回し、硬度が2.0(コアに10kgfの初
期加重を加えた状態を0とし、この状態から130kg
fの計測加重を加えた時のコアのたわみ量(mm)、以
下同じ)となる糸巻コアを得、この時の巻初めから巻終
わりまでの巻き付けテンションの変化をグラフとして記
録した。得られたグラフを図3の(A)に示す。また、
図7に示した従来の糸巻装置を用い、作業員が勘により
設定した巻回条件で糸ゴムの巻回を行い、硬度2.0の
糸巻コアを得た。この場合、この糸巻装置に第2実施例
の糸巻装置に用いたテンション測定器4と同様のテンシ
ョン測定器を第1ブレーキローラcと巻き取りローラ
a,a,a’との間に設置して、芯球bの手前位置にお
いて糸ゴムeの巻き付けテンションを巻初めから巻終わ
りまで測定し、巻き付けテンションの変化をグラフとし
て記録した。得られたグラフを図3の(B)に示す。
【0049】図3に示されているように、本発明の糸巻
装置により本発明の糸巻方法に従って糸ゴムの巻回を行
った場合((A)図)、テンションの振れ幅は20g程
度(リップル率:3%程度)であり、極めて安定した巻
き付けテンションで糸ゴムの巻回を行うことができるの
に対して、従来の糸巻装置により従来法によって糸ゴム
の巻回を行った場合((B)図)は、テンションの振れ
幅が200〜400g(リップル率:67%程度)もあ
り、巻き付けテンションが非常に不安定であることが分
かる。これにより、本発明の糸巻方法及び糸巻装置によ
れば、糸ゴム層の硬度のバラツキ、糸巻姿の劣化等を生
じることがなく、またテンションのピークによる不意な
糸切れを生じることなく、高品質な糸巻コアを効率よく
確実に製造し得ることが確認された。なお、上記リップ
ル率とは、次式で計算されるものである。
【0050】
【数1】
【0051】[実験例2]上記第2実施例の糸巻装置を
用い、巻き付けテンションを300gに設定して糸ゴム
の巻回を行った。この際、糸巻き開始時の加速時間(立
ち上げ時間)を0msecとし、その巻き始め時のテン
ション変化をグラフに記録した。そのグラフを図4に示
す。
【0052】図4に示されているように、本発明の糸巻
方法及び糸巻装置によれば、巻き付け速度の立ち上げ時
間を0msecにしても、巻き始め時にテンションのピ
ークが発生することなく、直ちに糸ゴムの巻き付けテン
ションを所望のテンションに安定させることができ、糸
切れ等の不都合を生じることなく極めて効率よく糸ゴム
の巻回を行うことができることが確認された。
【0053】[実験例3]上記第2実施例の糸巻装置を
用い、巻き付けテンションが巻初めから巻終わりまで一
定のテンションになるようにテンションプログラムを設
定し、巻き付けテンション400g,500g,600
g,700g,800g,900g及び1000gの7
種類のテンションで糸ゴムを芯球(凍結状態のリキッド
センター)に巻回して7種類の糸巻コアを得た。得られ
た各糸巻コアの硬度を測定し、巻き付けテンションと得
られた糸巻コアの硬度との関係をグラフにした。このグ
ラフを図5に示す。
【0054】図5のグラフから明らかなように、本発明
の糸巻方法及び糸巻装置によれば、設定した巻き付けテ
ンションと得られる糸巻コアの硬度との間に安定的な相
関関係を得ることができ、巻き付けテンションにより得
られる糸巻コアの硬度を確実に調節し得ることが確認さ
れた。なお、図5の結果から、ここで用いた糸ゴム及び
芯球においては、巻き付けテンションと糸巻コアの硬度
との関係は次の式で表されるものであった。従って、こ
の式に基づいて巻き付けテンションの設定を行うことに
より、所望の硬度を有する糸巻コアを確実に得ることが
できる。
【0055】 糸巻き直後:硬度=30.99×テンション-0.4097 解凍後 :硬度=767×テンション-0.8549 (上記式のテンションに対する硬度の誤差範囲は0.2
である。)
【0056】[実験例4]上記第2実施例の糸巻装置を
用い、巻き付けテンションが500g,350g,20
0gと3段階に低くなって行くようにテンションプログ
ラムを設定して糸ゴムを芯球に巻回し、糸巻コアを得
た。この時の巻初めから巻終わりまでの巻き付けテンシ
ョンの変化をグラフとして記録した。得られたグラフを
図6の(A)に示す。また、同様に上記第2実施例の糸
巻装置を用い、巻き付けテンションが550g〜250
gへと漸次低くなって行くようにテンションプログラム
を設定して糸ゴムを芯球に巻回し、糸巻コアを得た。こ
の時の巻初めから巻終わりまでの巻き付けテンションの
変化をグラフとして記録した。得られたグラフを図6の
(B)に示す。
【0057】図6(A),(B)から明らかなように、
本発明の糸巻方法及び糸巻装置によれば、設定したテン
ションプログラムに従って糸ゴムの巻き付けテンション
を段階的((A)図)又は連続的((B)図)に変化さ
せることができ、これにより糸ゴム層の硬度が厚さ方向
に沿って段階的又は連続的に変化した糸巻コアを得るこ
とができる。また、このように巻き付けテンションを段
階的又は連続的に変化させながら糸ゴムeの巻回を行う
場合にも、テンションの振れ幅は非常に小さく、設定さ
れたテンションプログラムに従った安定な巻き付けテン
ションにより糸ゴムeの巻回を行うことができ、糸ゴム
層の硬度に設計値以外のバラツキ(硬度変化のバラツ
キ)が生じることがなく、また巻回中の糸切れ、糸巻姿
の劣化等を生じることなく、高品質な糸巻コアが効率よ
く確実に得られることが確認された。
【0058】なお、本発明の糸巻方法及び糸巻装置は、
上記実施例に限定されるものではなく、種々変更するこ
とができる。例えば、上記第1及び第2実施例では、テ
ンションコントロール装置5及びテンションコントロー
ル装置5と外径測定コントロール装置7とからなるテン
ション変更コントロール装置8を用いて自動的に送り出
しローラ2の回転条件(回転数)を調節するように構成
したが、必ずしもこれらコントロール装置5,7,8を
用いる必要はなく、テンション測定器4により常に糸ゴ
ムeの巻き付けテンションをモニターし、これに基づい
て作業員が手動によって送り出しローラ2の回転条件
(回転数)を随時調節するようにしてもよい。また、巻
き付けテンションを調節する手段は、上記送り出しロー
ラ2の回転数を調節する手段に限定されるものではな
く、ブレーキローラdや巻取りローラa,aの回転条件
を適宜変更して調節するようにしてもよく、更にはこれ
ら送り出しローラ2、ブレーキローラd及び巻取りロー
ラa,aの2以上のローラの回転条件を変更して調節す
るようにすることもできる。更に、上記第1及び第2実
施例では、送り出しローラ2をサーボモータ(図示せ
ず)で変速可能に回転させるように構成したが、この送
り出しローラ2としてブレーキローラdと同様に自らは
回転することなく、回転させるのに所定のトルクを要す
る第二のブレーキローラを用い、その回転させるのに要
するトルク(ブレーキ力)を調節し得るようにしてもよ
く、また上記両実施例では送り出しローラ2とブレーキ
ローラdの2つのローラで糸ゴム供給手段を構成した
が、これに他のブレーキローラ等を加えて3つ以上のロ
ーラで糸ゴム供給手段を構成してもよい。更にまた、巻
回手段1を構成する巻取りローラa,a’の数や駆動方
式など、その他の構成についても本発明の要旨を逸脱し
ない限り、適宜変更して差し支えない。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の糸巻方法
及び糸巻装置によれば、巻回中の糸ゴムのテンションを
確実に管理して、糸ゴム層の硬度のバラツキ、巻回中の
糸切れ、糸巻姿の劣化等の不都合を生じることなく高品
質の糸巻コアを確実に得ることができると共に、巻回中
に糸ゴムのテンションを連続的又は段階的に変化させて
糸ゴム層の硬度が厚さ方向に沿って連続的又は段階的に
変化した糸巻コアを得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる糸巻装置を示す概
略図である。
【図2】本発明の第2実施例にかかる糸巻装置を示す概
略図である。
【図3】巻き始めから巻き終わりまでの糸ゴムの巻き付
けテンション変化を示すグラフであり、(A)は本発明
の糸巻方法、(B)は従来の糸巻方法である。
【図4】本発明の糸巻方法により糸ゴムの巻回を行う場
合に、巻き付け速度の立ち上げ時間を0msecとした
時の巻き始め時のテンション変化を示グラフである。
【図5】本発明の糸巻方法により糸ゴムの巻回を行った
場合の設定した巻き付けテンションと得られる糸巻コア
の硬度との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の糸巻方法により糸ゴムの巻き付けテン
ションを変化させながら巻回を行ったときの、巻き始め
から巻き終わりまでの糸ゴムの巻き付けテンション変化
を示すグラフであり、(A)は巻き付けテンションを段
階的に変化させた場合、(B)は巻き付けテンションを
連続的に変化させた場合である。
【図7】従来の糸巻装置を示す概略図である。
【図8】従来の他の糸巻装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 巻回手段 2 送り出しローラ 3 糸ゴム供給手段 4 テンション測定器(テンション測定手段) 5 テンションコントロール装置(テンション調節手
段) 6 外径測定センサ(外径測定手段) 7 外径測定コントロール装置 8 テンション変更コントロール装置 a,a’ 巻取りローラ b 芯球 d ブレーキローラ e 糸ゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−240888(JP,A) 特開 昭60−15363(JP,A) 特開 昭60−31770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A63B 45/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯球に糸ゴムを巻回した糸巻コアにカバ
    ーを被覆した糸巻ゴルフボールを製造する際、芯球に糸
    ゴムを巻回して上記糸巻コアを得るための糸巻方法であ
    り、上記芯球を少なくとも3本の巻取りローラ間に保持
    し、これら巻取りローラの少なくとも1本を駆動回転さ
    せて上記芯球を回転させると共に、この回転する芯球表
    面に、ブレーキローラと送り出しローラとを経由させた
    糸ゴムを供給して、該糸ゴムを伸張状態で上記芯球に巻
    回する糸巻方法において、上記芯球の手前位置で糸ゴム
    のテンションを連続的に測定すると共に、その測定値に
    応じて上記巻取りローラ、ブレーキローラ、送り出しロ
    ーラの少なくとも1つの回転条件を調節することによ
    り、巻き付けテンションを調節しながら糸ゴムを芯球に
    巻回することを特徴とする糸巻ゴルフボールの糸巻方
    法。
  2. 【請求項2】 測定された糸ゴムのテンションに応じて
    上記送り出しローラの回転数を調節することにより、巻
    き付けテンションの調節を行う請求項1記載の糸巻方
    法。
  3. 【請求項3】 芯球に糸ゴムを巻回しながらその外径を
    連続的に測定し、その測定値の変化に応じ、予め設定し
    たテンションプログラムに従って糸ゴムの巻き付けテン
    ションを連続的又は段階的に調節する請求項1又は2記
    載の糸巻方法。
  4. 【請求項4】 芯球に糸ゴムを巻回した糸巻コアにカバ
    ーを被覆した糸巻ゴルフボールを製造する際、芯球に糸
    ゴムを巻回して上記糸巻コアを得るための糸巻装置であ
    って、回転可能に支持された少なくとも3本の巻取りロ
    ーラを有し、これら巻取りローラ間に芯球を保持し、少
    なくとも1つの巻取りローラを駆動回転させて上記芯球
    を回転させることにより、芯球に供給された糸ゴムを該
    芯球に巻回する巻回手段と、回転可能なブレーキローラ
    と送り出しローラとを有し、該ブレーキローラと送り出
    しローラとを順次介して上記巻取りローラ間に保持され
    た芯球に糸ゴムを供給すると共に、該ブレーキローラと
    送り出しローラとの間の回転条件により糸ゴムを伸張さ
    せる糸ゴム供給手段と、上記送り出しローラと上記巻取
    りローラ間に保持された芯球との間に配設され、該芯球
    の手前位置において糸ゴムのテンションを測定するテン
    ション測定手段と、上記巻取りローラ、ブレーキローラ
    及び送り出しローラの少なくとも1つの回転条件を調節
    して上記糸ゴムの上記芯球への巻き付けテンションを調
    節するテンション調節手段とを具備してなり、上記巻回
    手段により芯球を高速で回転させ、この回転する芯球に
    上記糸ゴム供給手段により伸張状態の糸ゴムを供給して
    上記芯球に糸ゴムを巻回すると共に、上記テンション測
    定手段により糸ゴムの巻き付けテンションを連続的に測
    定し、その測定値に応じて上記テンション調節手段によ
    り巻き付けテンションを調節しながら芯球に糸ゴムを巻
    回するように構成したことを特徴とする糸巻ゴルフボー
    ルの糸巻装置。
  5. 【請求項5】 糸ゴム供給手段が、回転させるのに所定
    の回転トルクを要するブレーキローラと、変速可能に回
    転する送り出しローラとを具備すると共に、テンション
    調節手段として上記送り出しローラの回転数を調節する
    手段を具備し、上記送り出しローラにより上記ブレーキ
    ローラを経由した糸ゴムを糸ゴムを巻取りローラ間に保
    持された芯球に供給することにより、上記ブレーキロー
    ラの回転抵抗によって該ブレーキローラと上記送り出し
    ローラとの間で糸ゴムを所定の伸張率に伸張させると共
    に、上記送り出しローラの回転数を上記テンション調節
    手段で調節することにより、糸ゴムの芯球への巻き付け
    テンションを調節するように構成した請求項4記載の糸
    巻装置。
  6. 【請求項6】 テンション調節手段として、テンション
    測定手段により測定した測定値に応じて巻取りローラ、
    ブレーキローラ、送り出しローラの少なくとも1つの回
    転条件を自動的に調節するテンションコントロール装置
    を具備し、該テンションコントロール装置により巻き付
    けテンションを自動的に調節しながら糸ゴムを芯球に巻
    回するように構成した請求項4又は5に記載の糸巻装
    置。
  7. 【請求項7】 巻取りローラ間に保持された糸ゴム巻回
    中の糸巻コアの外径を連続的に測定する外径測定手段を
    具備し、該外径測定手段により測定した測定値の変化に
    応じ、予め設定されたテンションプログラムに従って糸
    ゴムの巻き付けテンションを連続的又は段階的に変化さ
    せるように構成した請求項4乃至6のいずれか1項に記
    載の糸巻装置。
  8. 【請求項8】 外径測定手段により測定した測定値から
    糸巻コアの外径が予め設定された外径値に達したことを
    検出し、予め設定されたテンションプログラムに従っ
    て、巻取りローラ、ブレーキローラ、送り出しローラの
    少なくとも1つの回転条件を自動的に調節するテンショ
    ン変更コントロール装置を具備し、該テンション変更コ
    ントロール装置により巻き付けテンションを連続的又は
    段階的に自動変化させるように構成した請求項7記載の
    糸巻装置。
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