JP2792240B2 - ホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラムの製造方法

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田口  正広
育康 加藤
淳 橋川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホログラムの製造方法に
関し、さらに詳しく述べると、特に重クロム酸ゼラチン
を感光剤として含有するホログラフィ用記録材料を用い
て露光、現像及び乾燥等の一連の工程を経てホログラム
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、ホログラムを用いた光学機器が増
加の傾向にあり、また、この傾向につれて、ホログラム
に高い回折効率が要求されつつある。この高回折効率の
要求を満たす感光剤の1つとして重クロム酸ゼラチン
(DCG)があり、また、このDCGを感光剤に用いたホロ
グラフィ用記録材料はいわゆるDCG乾板として公知で
ある。しかし、このDCG乾板は、得られる回折効率に
バラツキが顕著であり、高回折効率のホログラムを安定
して得ることができないという問題をかかえている。本
発明者らは、このDCG乾板における回折効率のバラツ
キ等について検討の結果、その原因の大部分は、露光前
又は現像前のゼラチンフィルムの硬化状態に関係してい
るという知見を得た。従って、ゼラチン膜の硬膜工程
は、高い回折効率を得る重要なポイントとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】重クロム酸ゼラチンを
用いたホログラムは、いわゆる体積型のホログラムであ
り、ゼラチン膜の厚さは一般に約1〜数十ミクロンであ
る。このため、均一な膜厚を得るのが非常に困難であ
り、加えて、その塗布方法や基板の形状等によって膜厚
の不均一が発生しやすい。例えば、スピンコーティング
方法では、中央部が薄く外周部が厚くなる傾向がある。
ゼラチン膜の膜厚にムラがあると、光硬膜を行なった
際、各部分の硬膜強度が異なりリゼラチンの変形に差が
生じ、各部分の回折効率が不均一となる。
【0004】本発明の目的は、したがって、ホログラフ
ィ用記録材料のゼラチン膜において塗布方法、基板の形
状等に原因して膜厚の不均一が発生していようとも膜の
各部分の硬膜強度を均一にし、高くて均一な回折効率を
安定して保証し得るようなホログラムの製造方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、本発明
によれば、重クロム酸ゼラチンを感光剤として含有する
ホログラフィ用記録材料を用いて露光、現像及び乾燥等
の一連の工程を経てホログラムを製造するに当って、基
板へ塗布後のホログラフィ用記録材料に露光を施す前か
もしくは露光を施した後に前記記録材料に所定レベルの
光エネルギを照射して該記録材料を光硬膜せしめ、その
際、前記照射光エネルギのレベルを、前記記録材料の膜
厚分布に対応した光硬膜量を与えるように調整すること
を特徴とするホログラムの製造方法によって達成するこ
とができる。
【0006】本発明の実施において、照射光エネルギの
レベルの調整のため、いろいろな手段を用いることがで
きる。好ましくは、以下に図面を参照して説明するよう
に膜厚分布に比例する光硬膜エネルギを与えるマスクを
光源とゼラチン面の間に介在させることができ、さもな
ければ、上記のようにゼラチン面の一部を覆う形状のマ
スクに代えて全面を覆うマスクとしかつ該マスクに所定
パターンの開口部を設けてもよく、あるいはゼチラン面
の全面を覆い膜厚に反比例して光を通す光学特性を具え
た光学フィルタを用いてもよい。
【0007】
【作用】本発明は、塗布方法、基板の形状等によって得
られた不均一なゼラチン膜に対し、その膜厚分布に対応
した最適な光硬膜エネルギを与えることによって、膜厚
の異なる各部分の硬膜強度を均一にし、高効率かつ均一
なホログラムを提供するものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明をその好ましい一実施例につい
て説明する。図1に、光硬膜工程を包含する本発明のホ
ログラム製造方法の一例を示す。光透過性のガラス基板
(光透過性のプラスチック基板等でもよい)上に重クロ
ム酸ゼラチン水溶液(通常、ゼラチン濃度2〜25%、重
クロム酸濃度5〜25%)を、スピンコーティング、バー
コーティング、ディップコーティング、ホイラーコーテ
ィング等の方法により、乾燥後の膜厚が1〜25μm程度
となるように塗布し、引き続いて、乾燥することにより
重クロム酸ゼラチン乾板(DCG乾板)を得る。重クロム酸
ゼラチン乾板の感度はスペクトルの紫外域で高いため、
紫外域の波長を含む例えば、水銀ランプ、紫外線ランプ
等の光源を用いて乾板のゼチラン面に光を照射し適度な
光硬膜を行なう。このようにして硬化型重クロム酸ゼラ
チン乾板を得る。
【0009】引き続いて乾板の露光を行う。この露光の
一例として、透過型ホログラムの露光を図2に示す。ガ
ラス基板101 と該基板上に塗布された重クロム酸ゼラチ
ン膜102 より成る重クロム酸ゼラチン乾板1の片面に、
単一のコヒーレント光源から分離された参照光2と、点
1 より発散する物体光3とをある角度で入射させて、
重クロム酸ゼラチン膜102 に干渉縞を記録する。なお、
上記のように露光前に行なった光硬膜工程は、必要に応
じて乾板の露光後に行なってもよい。
【0010】次いで、露光後の重クロム酸ゼラチン乾板
を常法に従って現像及び乾燥する。現像は、例えば20℃
で3分間程度の攪拌下水洗処理により未反応のクロムを
ゼラチン膜から除去すると同時にゼラチン膜自体を膨潤
させた後、同じ乾板を20℃で70%のイソプロピルアルコ
ール水溶液中に3分間程度攪拌下に浸漬することによっ
て行う。次いで、乾板を20℃, 100%のイソプロピルア
ルコール液中に3分間程度攪拌下に浸漬した後、80〜12
0 ℃の高温温風にて急速乾燥を行う。このような一連の
工程を経てホログラムが得られる。このホログラム形成
のメカニズムは、上記の如き急速脱水に伴うゼラチン内
の張力により未露光部にひび割れを起こし、空気とゼラ
チンの屈折率の差によって位相ホログラムが形成される
ことにあると考えられている。
【0011】上記のようにして得られたホログラムは、
図3に示すようにして再生することができる。露光した
重クロム酸ゼラチン乾板1(図2)を現像、乾燥するこ
とにより得られたホログラム乾板11に、参照光2と逆方
向より同一の光12を入射すると、この入射した光12がホ
ログラム乾板11で回折及び収束されて光13となり、記録
時の発散点P1(図2)と同一の点(ここでは点P2)へと
収束される。そして、この時の、入射光パワーに対する
回折光パワーの比を回折効率という。本発明のように重
クロム酸ゼラチンを感光剤に用いたホログラムでは、80
%前後の高い回折効率を安定して得ることが出来る。
【0012】本発明者らの知見によると、ある膜厚に対
して最大回折効率を得るためには、所定の光硬膜量が存
在しており、不均一な膜厚に対して一定の光硬膜量を与
えることは、不均一な回折効率しか得られない。図4
に、回折効率80%前後を得るためのゼラチン膜の膜厚と
光硬膜量の関係を示す。透過型ホログラムにおいて回折
効率η=80%前後を得るためにはT0 以上の膜厚が必要
であり、また、回折効率を得るための最適光硬膜エネル
ギKは、膜厚T0 〜T1 の間においては、ほぼ直線的に
変化することが判った。
【0013】ところで、前にも述べたように重クロム酸
ゼラチン乾板の膜厚は1〜25μmであるため、塗布方
法、基板の形状等によっては不均一な膜厚分布を生ずる
ことが多い。一方、本発明を用いたホログラムの製造方
法は、図1に示したフローチャートと何ら変わるもので
はない。但し、基板及び塗布方法により発生する固有の
膜厚分布を詳細に測定し、各部の膜厚に対応した最適な
光硬膜エネルギを与えるマスクを用いて光硬膜を行なう
ところに最大の特徴がある。
【0014】本発明を用いた光硬膜工程の実際を図5及
び図6において説明する。中心部にモータ固定用の円形
の穴103 を持つ円板形ガラス基板101 にスピンコートさ
れた重クロム酸ゼラチン膜102 の膜厚分布は、中心部a
の部分では薄く、外周部bの部分では厚くなる。このた
め、例えば平均膜厚より求めた光硬膜エネルギで光硬膜
を行なうと、ゼラチン膜102 の中心部aは膜厚が薄いた
めにゼラチンの硬化が進みすぎ、また、外周部bではゼ
ラチン膜の膜厚が厚いためにゼラチン硬化が不足する。
このため、ゼラチン膜の中心部a及び外周部bでは最大
回折効率が得られず、ホログラム1全体としてみると不
均一な効率分布となる。そこで、光硬膜を行なう時に図
中矢印で示される光の照射方向とゼラチン膜102 の間
に、マスク4を設置し、重クロム酸ゼラチン乾板1を回
転させながら一定時間にわたって光を照射した時に、膜
厚の異なるゼラチン膜102 の各部の硬膜強度が一定とな
るように光硬膜が行なわれる。マスク4の形状は、基本
的には、ゼラチン膜の膜厚の薄い部分aへの露光時間は
短かく、膜厚の厚い部分bへの露光時間が長くなるよう
になっており、より詳細には、膜厚計測より得られた膜
厚分布と、図4より得られる膜厚に対する最適光硬膜エ
ネルギの関係より計算することにより求めることができ
る。本実施例では乾板1を回転させて光を照射したが、
乾板1を固定しておいてマスク4を回転させてもよい。
また、光硬膜用の光のパワー分布は一定として説明した
が、光のパワー分布が一定でない時には、マスク4の形
状に光のパワー分布の補正を入れて計算することも十分
可能であり、本発明の効果を何ら損うものではない。
【0015】さらにまた、本実施例に用いたマスク4
は、ゼラチン面の一部を覆う形状であったが、前記した
ように、ゼラチン面の全面を覆い、膜厚に反比例して光
を通す光学特性を持った光学フィルタを代りに用いても
よい。なお、上記実施例は、いわゆる透過型ホログラム
の例を示したが、反射型ホログラムでもよい。この場
合、基板としては光透過性でなくてもよい。
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によるホ
ログラムの製造方法を用いると、塗布方法、基板の形状
等によって得られる不均一なゼラチン膜に対し、その膜
厚分布に対応した最適な光硬膜エネルギを与えることに
よって、膜厚の異なる各部分の硬膜強度を均一にし、高
効率かつ均一なホログラムを製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラムの製造方法を順を追って示
したフローチャートである。
【図2】本発明によるホログラムの露光を示した略示図
である。
【図3】本発明によるホログラムの再生を示した略示図
である。
【図4】ゼラチン膜の膜厚と光硬膜エネルギ及び回折効
率の関係を示したグラフである。
【図5】乾板と光硬膜用マスクの位置関係を示した平面
図である。
【図6】本発明による光硬膜工程の実際を示した断面図
である。
【符号の説明】
1…DCG乾板 2…参照光 3…物体光 4…光硬膜用マスク 101 …ガラス基板 102 …DCG膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−187981(JP,A) 特開 昭57−169782(JP,A) 特開 昭55−146455(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03H 1/02 G03H 1/04 G03H 1/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重クロム酸ゼラチンを感光剤として含有
    するホログラフィ用記録材料を用いて露光、現像及び乾
    燥等の一連の工程を経てホログラムを製造するに当っ
    て、基板へ塗布後のホログラフィ用記録材料に露光を施
    す前かもしくは露光を施した後に前記記録材料に所定レ
    ベルの光エネルギを照射して該記録材料を光硬膜せし
    め、その際、前記照射光エネルギのレベルを、前記記録
    材料の膜厚分布に対応した光硬膜量を与えるように調整
    することを特徴とするホログラムの製造方法。
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