JP2792151B2 - 加硫ゴム製自動車部品 - Google Patents

加硫ゴム製自動車部品

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JP2792151B2 JP1275274A JP27527489A JP2792151B2 JP 2792151 B2 JP2792151 B2 JP 2792151B2 JP 1275274 A JP1275274 A JP 1275274A JP 27527489 A JP27527489 A JP 27527489A JP 2792151 B2 JP2792151 B2 JP 2792151B2
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正雄 国実
秀樹 山口
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Kasei Kogyo Co Ltd
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Mitsui Chemicals Inc
Kasei Kogyo Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共
重合ゴム組成物を押出成形して得られる加硫ゴム製自動
車部品、特に耐熱性、耐候性、耐寒性および耐屈曲性に
優れた高光沢の加硫ゴム製自動車部品に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
最近の自動車の技術動向は、空気抵抗の低減、居住空
間内の静粛性向上などのため、ボディー外観の面一化が
進行している。この面一化を達成するために、特にドア
ー部、ガラスシール部等の構造変化が顕著であり、それ
らの部分に使用されるゴム部分の外観が従来にも増して
重要視されるようになっている。
一方、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合
ゴムは、性能、品質、耐久性等に優れているため、各種
の押出成形による製品に使用されている。しかし押出成
形されたゴム部品の光沢がモールド成形されるゴム部品
に比べて劣るため、意匠性および仕上がり外観品質が低
下するという問題点がある そこでこれを解決する方法として、押出成形されたゴ
ム部品の表面に、シリコーン系、ウレタン系等の塗料を
塗布する方法がある。しかしこの方法は付帯設備を必要
とし、かつ生産性も低下するため製品コストが上昇する
などの問題点がある。
他方柔軟性と高光沢を同時に必要とする場合には、耐
熱性、耐寒性に劣る軟質ポリ塩化ビニール、エチレン・
酢酸ビニール共重合体などの軟質の熱可塑性樹脂が押出
成形製品として一部使用されている。しかしこれらの軟
質熱可塑性樹脂では、昨今の自動車部品の高品質化、長
寿命化等の要求を満足できないという問題点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記の問題点を解決するため、従来
のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合ゴムの
特性を維持しつつ、光沢度30以上の押出成形品を得るこ
とが可能な加硫ゴム製自動車部品を提案することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、(A)ムーニー粘度(ML1+4、100℃)3〜
20、エチレン/プロピレン(モル比)55/45〜85/15、ヨ
ウ素価3〜50の低粘度エチレン・プロピレン・非共役ポ
リエン共重合ゴム、および (B)ムーニー粘度(ML1+4、100℃)30以上、エチレ
ン/プロピレン(モル比)55/45〜85/15、ヨウ素価3〜
50の高粘度エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重
合ゴムを混練し、 (B)成分/(A)成分(重量比)が90/10〜0/100で
あるエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合ゴム
組成物を押出成形して加硫した光沢度30以上の加硫ゴム
製自動車部品である。
本発明の自動車部品のゴム成分を構成する(A)成分
のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体は、
自動車部品に通常使用されるものより低分子量のもので
あり、JIS K6300に記載の方法で測定したムーニー粘度
(ML1+4、100℃)が3〜20、好ましくは5〜15のもので
ある。
ここで上記ムーニー粘度が3より小さいと引張強度の
低下が大きく、20より大きいと光沢性の改善効果が小さ
くなるため好ましくない。(A)成分のエチレン/プロ
ピレン(モル比)は55/45〜85/15、好ましくは60/40〜8
3/17であり、55/45より小さいと引張強度が不足し、85/
15より大きいと樹脂的な成形品となり、硬くて加工性が
悪くなるため好ましくない。
非共役ポリエンとしては、例えば5−エチリデン−2
−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ジシ
クロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどがあげら
れ、これらは1種単独、または加工性改良などを目的と
して2種以上が含まれていてもよい。(A)成分中のこ
れらの非共役ポリエンの量は、空気中での連続加硫を想
定した場合、ヨウ素価で3〜50、好ましくは5〜45とさ
れる。ここでヨウ素価が3より小さいと加硫した製品の
表面が酸化されて、ベタツキを生じる場合があるため好
ましくなく、50より大きいと品質的に特に問題はない
が、高価格となり経済性の問題が生じてくる。
(B)成分のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン
共重合ゴムは、自動車部品に通常使用されているもので
あり、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が30以上、好まし
くは35〜300であり、エチレン/プロピレン(モル比)
が55/45〜85/15、好ましくは60/40〜81/19、ヨウ素価が
3〜50、好ましくは5〜45である。非共役ポリエンとし
ては(A)成分と同様のものが使用される。
本発明の加硫ゴム製自動車部品を構成するゴム成分
は、(B)成分/(A)成分(重量比)が90/10〜0/10
0、好ましくは85/15〜0/100で使用することができる。
このとき、(B)成分/(A)成分の重量比が90/10よ
り大きいと光沢度30以上が得られず好ましくない。
本発明の加硫ゴム製自動車部品の加硫剤としては、硫
黄、トリアジンチオール類、有機過酸化物類等の一般に
使用されているものが利用でき、特に制限はない。ま
た、同時に必要に応じて加硫促進剤等の加硫調整剤を使
用することもでき、これらは製造される部品に応じて適
当量を配合することができる。
さらに本発明の加硫ゴム製自動車部品には、流動性を
高めるために低密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を配
合してもよく、その場合、加工性、物性等を考慮してゴ
ム成分100重量部に対して50重量部以下にするのが好ま
しい。またこれら以外の成分としてタルク、炭酸カルシ
ウム等の充填剤、カーボンブラック、酸化チタン等の顔
料、安定剤、可塑剤、軟化剤、その他の自動車部品を成
形する際に必要な任意の添加剤を配合することができ
る。
本発明の加硫ゴム製自動車部品は、上記各成分を混練
して得られるゴム組成物を押出成形した後、加硫するこ
とにより製造される。混練はバンバリミキサ、加圧ニー
ダ、押出機、オープンロール等の任意の混練機により混
練することができる。こうして得られる混練ゴム組成物
を押出成形するには、押出機等により必要とする製品の
形状に押出すことができる。
加硫方法としては、熱空気槽(HAV)、熱流動床(HFB
またはPCM)、マイクロ波誘電加熱槽、赤外線加熱槽な
どの加硫装置において、押出成形物を連続的に加熱して
加硫することができる。この場合、押出成形した組成物
を連続的に加硫装置に導き、加硫装置内を搬送しながら
連続的に加硫する方法が光沢性、生産性等の面から好ま
しいが、設備の都合上、必ずしも連続である必要はな
い。
このようにして得られる本発明の加硫ゴム製自動車部
品は、従来のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共
重合ゴムの特性を維持したまま、光沢度30以上の押出成
形による製品となり、外観が重要視され、かつ高品質の
要求されている自動車用ウインド・シールド・ガスケッ
ト・ドアー・オープニング・トリム、ドアー・グラスラ
ン・チャンネル、各種モール等の部品として使用するこ
とができる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の加硫ゴム製自動車部品は、低
分子量および高分子量のエチレン・プロピレン・非共役
ポリエン共重合ゴムのゴム組成物を押出成形して加硫す
るようにしたので、従来のエチレン・プロピレン・非共
役ポリエン共重合ゴムの特性を維持しつつ、光沢度30以
上の高光沢度の押出成形部品を得ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。各例中、部
は重量部である。
本実施例の光沢度(グロス)は次の方法により測定し
た。
変角光沢計(日本電色(株)製、VG−1D型)にて、標
準C光源を用い、入射角度60度で試料面に平行光線を当
て、その正反射光線の光量を測定し、鏡面光沢度(屈折
率1.567のガラス表面からの鏡面反射光束)を100とした
ときの百分率で表わした。
実施例1 表1に示すムーニー粘度(ML1+4、100℃)15、エチレ
ン/プロピレンのモル比82/18、ヨウ素価10のエチレン
・プロピレン・非共役ポリエン共重合ゴム(EPDM1)100
部、三号亜鉛華5部、ステアリン酸1部、ポリエチレン
グリコール#4000 1部、吸湿剤(ベスタ#23、井上石灰
(株)製、商標)8部、FEFカーボンブラック(旭#6
0、旭カーボン(株)製、商標)140部、パラフィン系オ
イル(ダイアナプロセスオイルPW90、出光興産(株)
製、商標)75部、低密度ポリエチレン(ミラソン68、三
井デュポンケミカル(株)製、商標)15部をバンバリミ
キサ(神戸製鋼所(株)製OOC型)を用いて混練した。
得られた混練物を冷却し、オープンロールで硫黄1部、
加硫促進剤CZ1.0部、同TT0.5部、同TRA0.5部、同TTTE0.
5部(大内新興化学(株)製、商標、ノクセラー)を混
練した後リボン状に分出した。
得られたリボン状ゴム組成物を押出機(押出口径50
φ、L/D=16、ベント式、(株)三葉製作所製)により
押出ゴム温度80℃、幅50mm、厚さ2.5mmのテープ状に押
出し、温度250℃の熱空気式加硫槽内を5分間で搬送さ
せて連続的に加硫することにより加硫ゴム試料を得た。
得られた加硫ゴム試料を25℃の温室に一晩放置した
後、光沢度およびJIS K6301に準じて加硫ゴム試料の常
態物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例2〜5、比較例1〜3 エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合ゴム
(EPDM1〜5)を表2(詳細は表1に示す)のように代
えた以外は実施例1と同様に操作して試料を得、測定を
行った。結果を表2に示す。
フロントページの続き (72)発明者 山口 秀樹 愛知県大府市横根町坊主山1番地64 化 成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−50252(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 47/00 - 47/96 B29D 1/00 - 31/02 C08L C08K

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ムーニー粘度(ML1+4、100℃)3〜
    20、エチレン/プロピレン(モル比)55/45〜85/15、ヨ
    ウ素価3〜50の低粘度エチレン・プロピレン・非共役ポ
    リエン共重合ゴム、および (B)ムーニー粘度(ML1+4、100℃)30以上、エチレン
    /プロピレン(モル比)55/45〜85/15、ヨウ素価3〜50
    の高粘度エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合
    ゴムを混練し、 (B)成分/(A)成分(重量比)が90/10〜0/100であ
    るエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合ゴム組
    成物を押出成形して加硫した光沢度30以上の加硫ゴム製
    自動車部品。
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