JP2791821B2 - 改善されたピアノ打弦ハンマー及びその製造方法 - Google Patents

改善されたピアノ打弦ハンマー及びその製造方法

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JP2791821B2 JP2124330A JP12433090A JP2791821B2 JP 2791821 B2 JP2791821 B2 JP 2791821B2 JP 2124330 A JP2124330 A JP 2124330A JP 12433090 A JP12433090 A JP 12433090A JP 2791821 B2 JP2791821 B2 JP 2791821B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、改善されたピアノ打弦ハンマー及びその製
法に関する。
〔従来技術の説明〕
ピアノ打弦ハンマーは、代表的には、ピアノ打弦ハン
マー用の木製ヘッドと、該ヘッドのノーズ部(nose por
tion)の周りに圧接したフエルト体とからなり、該フエ
ルト体は、前記はヘッドに接触した二つの両端部(tail
regions)有する。該フエルト体は、繰返し使用におい
て側面に拡張する傾向を減らして前記ハンマーの耐久性
を増大させるため、その両端部を比較的堅くし、曲がら
ないように局所的に処理されている。また、前記処理の
際、例えば動物性の接着剤などの接着剤を使用する場
合、前記フエルトの局所処理は接着剤界面への水分の毛
管作用を防止するように働く。また、前記局所的処理
は、前記フエルト体の表面を強固にし、木製ヘッドとの
接触のための良好な表面をもたらす。そして、拡張しな
いように剛化された前記フエルト体のテイル域は、該フ
エルト体を前記木製ヘッドの側表面に沿って曲げて該面
に接触させる場合、適度に引張し得る中央外部域を該フ
エルト体にもたらすようにする。スタインウエイ(Stei
nway)の米国特許第231,630号(1880年)明細書は、液
状の重クロム酸カリウム(毒性があり、腐食性で高価な
薬品)とゼラチンとからなる液体をブラシを用いてフエ
ルト体の端部域又はテイル域に塗布して上述した効果を
得ることを提案している。
この提案によれば、ピアノ打弦ハンマーの構成部材の
フエルト体についてその端部又はテイル域を剛化でき、
それによりピアノ打弦ハンマーのフエルト体が該ハンマ
ーの長期繰返し使用において拡張することを防止するこ
とができるが、該提案においては該フエルト体の端部又
はテイル域の剛化は重クロム酸カリウムとゼラチンとか
らなる前記液体をブラシを用いて塗布することにより行
われるため、得られるピアノ打弦ハンマーのそれぞれに
ついて要求される質及び動作特性を定常的に確保するこ
とが難しいという問題点がある。また該提案において
は、重クロム酸カリウムを使用するところ、該化合物は
有害物質であり、公害発生の問題を不可避的に伴うこと
から該化合物の使用が困難であるという問題がある。前
記提案の他に、1960年に、剛化剤にアルコールを加えて
得られる溶液を使用し、これにピアノ打弦ハンマー用の
フエルト体を漬けて該溶液の該フエルト体への浸透度合
いをフエルト体の表面状態から目視的に判断し、該フエ
ルト体の端部又はフエルト域を剛化することが提案され
ている。しかしこの提案によっても得られるピアノ打弦
ハンマーのそれぞれについて要求される質及び動作特性
を定常的に確保することが難しいという問題点があるこ
との他、長期使用にあってピアノ打弦ハンマーのフエル
ト体が拡張してしまって所定の動作特性が発揮されなく
なる場合があるという問題がある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上述した従来のピアノ打弦ハンマー
についての問題点を排除し、最低音から最高音に亘って
の全てのピアノ打弦ハンマーのそれぞれが、個々に要求
される質と動作特性が確保された良質のピアノ打弦ハン
マーを提供することにある。
本発明の他の目的は、最低音から最高音に亘っての全
てのピアノ打弦ハンマーのそれぞれが、個々に要求され
る質と動作特性を設計どおりに確保され、長期使用にあ
っても一定の形態を維持して所定の動作特性を安定して
発揮する良質のピアノ打弦ハンマーを提供することにあ
る。
本発明の更なる目的は、従来技術におけるような有害
の物質を使用することなくして無害なアクリル共重合体
を使用し、これをピアノ打弦用のフエルト部材の端部の
所定の領域(即ち、テイル域)のみに導入し、ピアノの
打弦に寄与する該フエルト部材の中央部(即ち、ノーズ
域)には該アクリル共重合体が導入されないように該フ
エルト部材を処理して該フエルト部材のテイル域を剛化
し、該フエルト部材をその剛化されたテイル域を介して
ピアノ打弦ハンマー用の木製ヘッドに装着して、長期使
用にあっても一定の形態を維持して個々に要求される動
作特性を所望通りに安定して発揮する最低音から最高音
に亘って良質のピアノ打弦ハンマーの製造方法を提供す
ることにある。
〔発明の構成及び効果〕
本発明は、上記目的を達成するものであって、改善さ
れたピアノ打法ハンマーとその製造方法を提供する。
本発明により提供される改善されたピアノ打弦ハンマ
ーは、側表面の輪郭を備えたノーズ部(nose portion)
を有する木製の伸長ヘッド(elongated head)と該ノー
ズ部の周りを覆って設けられたフエルト体とからなる。
前記フエルト体は、ピアノ弦の打弦に寄与するノーズ域
(nose region)と第1と第2のテイル域(tail regio
n)とを有し、該第1と第2のテイル域はそれぞれ前記
伸長ヘッドの前記側表面に面接して装着されている。ま
た、前記フエルト体は、その上述した第1と第2のテイ
ル域のみに、所定量のアクリル共重合体を含有し、その
上述したノーズ域には前記アクリル共重合体を本質的に
含有しない。
以上のように構成された本発明のピアノ打弦ハンマー
は、最低音から最高音に亘っての個々のピアノ打弦ハン
マーに要求される形態を設計どおりに有し、長期使用に
あってもその形態が安定して維持されて個々に要求され
るピアノ打弦について要求される所定の動作特性を発揮
し、所望の音を与えるものである。また、本発明のピア
ノ打弦ハンマーは、公害問題の全くないアクリル共重合
体を使用して該ハンマーのフエルト体のテイル域を剛化
していることから、取り扱い時又使用時に公害問題の生
ずることは全くない。
本発明の上述した構成のピアノ打弦ハンマーの製造方
法は下述する内容のものである。
即ち、側表面を備えたノーズ部を有するピアノ打弦ハ
ンマー用の木製の伸長ヘッドを用意し、ピアノ弦への接
触に寄与するノーズ域と第1と第2のテイル域とを有す
るフエルト体を用意し;スロット中に所定量のアクリル
共重合体を含有する水溶液の所定量を用意し;前記フエ
ルト体の第1のテイル域を前記スロット中の前記水溶液
を中に置き;前記フエルト体が自然の吸上使用により前
記スロット中の前記水溶液の全量を吸引して該水溶液が
前記第1のテイル域中のみに導入されるようにし;つい
で、スロット中に所定量のアクリル共重合体を含有する
水溶液の所定量を用意し;前記フエルト体の第2のテイ
ル域を前記スロット中の前記水溶液中に置き;前記フエ
ルト体が自然の吸引作用により前記スロット中の前記水
溶液の全量を吸引して該水溶液が前記第2のテイル域の
みに導入されるようにし、前記フエルト体の前記ノーズ
域が前記アクリル共重合体を本質的に含有しないように
する。
そして本発明の方法は、前記フエルト体を前記伸長ヘ
ッドの前記ノーズ部の周りに圧力下で配置し、前記第1
と第2のテイル域のそれぞれを前記伸長ヘッドの対応す
る側面に面接して装着せしめる工程を包含する。
本発明の好ましい態様においては、下述する構成の1
つまたはそれ以上を包含することができる。
即ち、使用するアクリル共重合体の所定量を含有する
水溶液はアクリル共重合体のみを含有する水溶液であっ
てもよい。該アクリル共重合体としては公知のものが使
用できる。該水溶液は、公知の界面活性剤及び/又は顔
料を含有することができる。この場合、上述の第1及び
第2のテイル域は、得られるピアノ打弦ハンマーを、更
に良質のものにする。
又、上述の伸長ヘッドをヘッドストリップの分割部品
(セグメント)とし、スロット中の水溶液中に置く上述
のフエルト体をフエルトストリップの分割部品(セグメ
ント)とし、該フエルトストリプのセグメントを前記ヘ
ッドストリップのセグメントに上述したようにして装着
し、複数のピアノ打弦ハンマーを同時に得るようにする
ことができる。
以上述べたように、本発明は、新規な無公害の処理液
を使用し、フエルト体の予め選択した区域のみに所定量
の該溶液の導入がなされるように、該フエルト体を前記
処理液で処理し、要求される動作特性を安定して発揮す
る最低音から最高音に亘っての高品質のピアノ打弦ハン
マーを定常的に得ることを可能にする方法を提供する。
本発明の特徴及び効果を下述する好ましい態様により
更に詳しく説明する。
第1図は、本発明のピアノ打弦ハンマーの透視略図で
ある。第2図は、第1図に示したピアノ打弦ハンマーの
分解略図である。第3A図は、本発明の方法による外フエ
ルトストリップの処理用トラフ(trough)の端部の略断
面図である。第3B図は、第3A図に示したトラフの略横断
面図である。第4A図乃至第4D図は本発明のピアノ打弦ハ
ンマーの外フエルトストリップの処理工程説明図であ
る。第5図は、第3A図に示したトラフで本発明の方法に
より処理した後の外フエルトストリップの透視略図であ
る。第6図は、本発明のピアノ打弦ハンマーを形成する
ための型の説明図である。
第1図及び第2図に示した本発明のピアノ打弦ハンマ
ーについて説明する。第1図において、10は該ピアノ打
弦ハンマー全体を示す。ピアノ打弦ハンマー10は、木製
の伸長ヘッド12、内側フエルト体16及び外側フエルト体
14で構成されている。伸長ヘッド12は、先端部がテーパ
ー化されて形成されたノーズ部24を有する。内側フエル
ト体16は、第2図に示す台形状のフエルト部材16を伸長
ヘッド12のノーズ部24の先端を中心にして両側に折り曲
げて前記ノーズ部24の両側面に面接させて装着したもの
で構成されている。外側フエルト体14は、第2図に14で
示す台形状のフエルト部材であって、両側に所定量のア
クリル共重合体を含有する領域、即ち、第1テイル域20
と第2テイル域22を有するフエルト部材14を、上記内側
フエルト体16の先端を中心に両側に折り曲げて該内側フ
エルト体16の外側面に面接させながら前記伸長ヘッド12
のノーズ部24の上部の両側面(第2図に示す、26,26)
に前記第1テイル域20の内側面と前記第2テイル域22の
内側面を面接させて装着したもので構成されている。望
ましい態様においては、前記第1テイル域20と前記第2
テイル域22は、それぞれ対応する内側フエルト体16の先
端と連接するように伸長ヘッド12の対応する側面に装着
される。符号15は、外側フエルト体14のピアノ弦に接触
するノーズ域を示す。符号18は、外側フエルト体14の両
側に設けられたワイヤーステイプルを示す。該ステイプ
ルのそれぞれは、第2図に示す形状のワイヤーステプル
18(これについては、例えば、米国特許第231,629号明
細書に記載されている。)が上記ノーズ部24の上部の位
置で、外側フエルト体14の第1テイル域20又は第2テイ
ル域22を貫通して伸長木製ヘッド12に固定されている。
内側フエルト体16及び外側フエルト体14用のフエルト部
材としては、例えば、アメリカンフエルト社(American
Felt Co.,Neuburgh,New York)により提供されるもの
が使用できる。該フエルト部材は、100%毛質のフエル
ト部材(即ち、ハンマーフエルト)である。
上記内側フエルト体16及び外側フエルト体14について
は、それらを伸長木製ヘッド12に装着させるに先立っ
て、それぞれ第2図に示したように所定のサイズの台形
状のものに形状化される。即ち、内側フエルト体16につ
いては、所定の底幅Wuと所定の高さHuを有するサイズの
台形状のものにされる。同様に外側フエルト体14につい
ては、所定の底幅Woと所定の高さHoを有するサイズの台
形状のものにされる。
本発明のピアノ打弦ハンマーの製造においては、例え
ば、シート状のハンマーフエルトを用意し、裁断して所
定のサイズの台形ストリップを作成する。該台形ストリ
ップは、シングルピアノ用の88のハンマーのすべてを形
成するに十分な長さ、即ち、例えば約44インチ(112c
m)のものにする。該ストリップは、最低音ピアノ打弦
ハンマーを形成する一端から最高音ピアノ打弦ハンマー
を形成する他端に向けて所定の底幅と高さでデーパーし
たものにする。具体的には、例えば、外側フエルト体14
用の代表的ストリップについては、幅Woは、約4.5イン
チ(11.4cm)から約3.5インチ(8.9cm)に減少するよう
にし、高さHoは、1インチ(2.5cm)から約1/8インチ
(0.3cm)に減少するようにする。同様に内側フエルト
体16用の代表的ストリップについては、幅Wuは、約1.5
インチ(3.8cm)から1インチ(2.5cm)に減少するよう
にし、高さHuは、約0.25インチ(0.6cm)から約3/32イ
ンチ(0.2cm)に減少するようにする。
本発明においては、外側フエルト体14用の台形フエル
ト部材について、その両端部の第1図におけるテイル域
20及びテイル域22になる部分についてのみ、アクリル共
重合体を含有する水溶液、好ましくはアクリル共重合体
と、少なくとも界面活性剤又は顔料を含有する水溶液を
用いて処理する。
使用する前記水溶液の好ましいものとして下述する組
成の水溶液を例示できる。
ロープレックス E−32(RHOPLEX−E32)(反応性ア
クリル共重合体エマルジョン:ロームアンドハース社
製) …5.91重量部 トライトン X−114(TRITON X−114)(オクチルフ
ェノキシポリエトキシエタノールからなる界面活性剤:
ロームアンドハース社製) …0.01重量部 テイント−エイワイディダブリュディ2432(TINT−AY
D WD2432)(ライト レモン イエロー オキサイ ド
(60.0重量%)、界面活性剤(7.0重量%)、プロピレ
ンクライコール(24.0重量%)、及び水(9.0重量%)
とからなる顔料:ダニエル アンド プロダクツ社製) …4.41重量部 テイント−エイワイディダブリュディ2345(TINT−AY
D WD2345)(カーボンブラック(32.0重量%)界面活性
剤(2.0重量%)、プロピレンクライコール(40.5重量
%)、及び水(25.5重量%)とからなる顔料:ダニエル
アンド プロダクツ社製) …0.09重量部 テイント−エイワイディ2630(TINT−AYD2630)(レ
ッド オキサイド メジウム(60.0重量%)界面活性剤
(6.0重量%)、プロピレンクライコール(25.0重量
%)、及び水(9.0重量%)とからなる顔料:ダニエル
アンド プロダクツ社製) …0.05重量% 水 … 89.53重量部 全量 100.0重量部 顔料を、使用する上述の水溶液に含有せしめる場合、
該顔料としては先に述べた公知のピアノ打弦ハンマーに
使用する重クロム酸カリウムの性状と同等の性状のもの
を選択して使用するのが望ましい。
以下に、本発明のピアノ打弦ハンマーの製造方法を第
3図乃至第6図を用いて説明する。
第3A図及び第3B図には、トラフ64に設けられたスロッ
ト62が示されている。該スロット62は、第4図に示した
ストリップ114の一端部、即ち一方のテイル域を処理す
る溶液の所定量を保持する容積の第3A図に示すような逆
三角形断面の三角柱性状の空間を有している。具体的に
は、該スロット62は、例えば、逆三角形断面の頂辺幅Ws
が約2インチ(5.1cm)で、その2辺、即ち両側壁が所
定の角度As、例えば、約90を成して交叉し、該逆三角形
の頂点即ち、スロット62の底65)から頂辺に延ばした垂
線と前記頂辺との交点との間の距離Ds(即ち、スロット
62の縦幅)は約1インチ(2.5cm)とされる。又、スロ
ット62の長さLs(即ち、前記三角柱状空間の長さ)は、
約45インチ(114.3cm)にされる。
以上説明したスロットを使用して、第1図に示すピア
ノ打弦ハンマーの外側フエルト体14用の上述したフエル
トストリップを上述した溶液で処理するに当たっては、
トラフ64を、第3A図に示すように、スロット62の底65
が、該スロットの一端、即ち、最高音打弦ハンマー用の
フエルトストリップ処理域端を固定し、該スロットの他
の他端、即ち、最低音打弦ハンマー用のフエルトストリ
ップ処理域端を、底65と水平面とが一定の角度ATと成す
ような高さHのレベルに底上げし、スロット62中の処理
溶液60の深さdsが前記最高音打弦ハンマー用のフエルト
ストリップ処理域端で最大で、前記最低音打弦ハンマー
用のフエルトストリップ処理域端で最小となるように傾
けて設置する。このところ、具体的には、例えば、前記
Hを約3/4インチ(1.9cm)とし、前記最低音打弦ハンマ
ー用フエルトストリップ処理域端での処理溶液の深さds
を約5/8乃至3/4インチ(1.6乃至1.9cm)にする。
スロット62には、所定量の上述したアクリル共重合体
含有溶液を入れて前述したような状態、即ち第3B図に符
号60で示されるような状態にする。スロット62にこのよ
うに充填する前記溶液の量はフエルトストリップの種
類、サイズ等により異なるが、例えば100mlにされる。
以上のように準備したスロット64中でのピアノ打弦ハ
ンマー用フエルトストリップ114の溶液処理は、第4A図
乃至第4D図に示すようにして行われる。即ち、まず、フ
エルトストリップ114を第4A図に示すようにスロット62
の上部の所定位置に移動し、ついで第4B図に示すように
該フエルトストリップの一方のテイル域をスロット62の
処理溶液60中に該テイル域の先端115をスロット底に垂
直に接触させて漬ける。処理溶液60は第4C図に示すよう
に、自然の吸引作用でフエルトストリップ114に吸引さ
れる。そのまま放置することにより、第4D図に示すよう
に処理溶液60は全てフエルトストリップ114に吸引され
て該ストリップの一方のテイル域に導入される。この
後、フエルトストリップ114を引き上げ、該スロット62
に新たに処理溶液を上述の場合と同様にして充填する。
ついで、前記フエルトストリップ114の他端117、即ちそ
の未処理テイル端を上述の場合と同様にして処理溶液に
漬けて該溶液を他方のテイル域に導入する。
このように第3A図及び第3B図に示したスロットを介し
て行われるフエルトストリップの溶液処理により、フエ
ルトストリップの両側のテイル域のみに上述したアクリ
ル共重合体を含有する水溶液が導入される。以上のよう
にして行われる溶液処理では、フエルトストリップの長
辺(即ち、台形の底辺)について、最低音打弦ハンマー
用のフエルトストリップの処理部分の未処理部分に対す
る割合は、最高音打弦ハンマー用フエルトストリップの
処理部分の未処理部分に対する割合と等しいものにされ
る。これにより、溶液処理されたフエルトストリップは
それぞれ他の溶液処理されたフエルトストリップとは処
理溶液の導入量の異るものとなる。これにより得られた
ピアノ打弦ハンマーをそれぞれ低音から高音に亘って所
望の動作特性を発揮するものにする。
以上の溶液処理により得られるフエルトストリップ
は、第5図に示す状態の両側にアクリル共重合体を含有
するテイル域20及び22を有するものとなり、該フエルト
ストリップは65℃に保持されたオーブンに入れて一昼夜
乾燥して剛化させ最終的に仕上げられる。なお、繰返し
述べる必要はないが、該フエルトストリップは、第1図
に示す外側フエルト体14のノーズ域に相当する部分には
アクリル共重合体は全く含有されないことは云うまでも
ない。
かくして得られたフエルトストリップ、即ち、第1図
の外側フエルト体になるピアノ打弦ハンマー用の構成部
材は、第2図に示すように他の構成部材と公知の成型手
段を介して第6図に示すようにしてピアノ打弦用ハンマ
ーに組立てられる。即ち、例えば、ユリアホルムアルデ
ヒド樹脂系接着剤等の接着剤を第2図に示す外側フエル
ト体用部材14(即ち、上述したようにして得られたフエ
ルトストリップ)の表面70及び内側フエルト体用部材16
の表面72のそれぞれに塗布する。ついで、第6図に示す
型74のキャビテ73の上部で、第2図に示すように、下側
に接着剤を塗布した外側フエルト体用部材14を置き、そ
の上に接着剤を塗布した内側フエルト体用部材を置いた
状態で、木製伸長ヘッド12を配置する。なお、前記キヤ
ビティ73は、第1図に示すピアノ打弦ハンマーの外側フ
エルト体のノーズ域15のピアノ弦に接触する部分を成型
する型を有している。このようにしたところで木製ヘッ
ド12に対してA方向の軸方向力を加えて前記2つのフエ
ルト体用部材16及び14を型キヤビティ73中に圧入する。
ついで2つの型側方ジョー76及び78をそれぞれ内方向
(P方向)に作動させて前記内側フエルト体用部材16を
その接着剤を塗布した部分を前記木製ヘッド12のノーズ
域24の表面に圧接して固着し、同時に前記外側フエルト
体用部材14(即ち、アクリル共重合体を含有する溶液で
処理したフェルトストリップ)をその接着剤を塗布した
部分を前記木製ヘッド12のノーズ域24の上部の側表面に
圧接して固着させる。
以上の説明では端一の木製伸長ヘッド12と単一のフェ
ルトストリップを使用した場合として説明したが、実際
には、最低音用から最高音用のピアノ打弦ハンマー用の
所定数の木製伸長ヘッドと、それに対応する一枚の内側
フェルト体用部材と、更に上記シングルピアノ用の88の
ハンマーのところで述べた外側フェルト体用部材に上述
したようにして溶液処理したものを用意してそれらを上
述の手法で同時に成形加工する。得られたものを各ヘッ
ド単位に縦断して所定個数の第1図に示す構成のピアノ
打弦ハンマー10を得る。
以上のようにして作成されるピアノ打弦ハンマーは、
いずれも内側フエルト体及び外側フエルト体が接着剤の
接着力により望ましい状態で木製伸長ヘッドに固着され
ていて堅固なものである。長期使用での型くずれを防止
するために、先に述べたワイヤーステイプルを使用し、
これを第1図に示すように外側フエルト体のアクリル共
重合体を含有せしめた部分を介して該フエルト体を貫通
して木製伸長ヘッドに固定させる。こうすることによ
り、得られるピアノ打弦ハンマーは長期使用にあっても
型くずれすることなく当初の形態が安定して維持され、
安定して所定の動作特性を発揮するものとなる。
〔発明の効果の概要〕
以上説明したように構成された本発明のピアノ打弦ハ
ンマーは、最低音から最高音に亘っての個々のピアノ打
弦ハンマーに要求される形態を設計どおりに有し、長期
使用にあってもその形態が安定して維持され、個々に要
求されるピアノ打弦について要求される所定の動作特性
を発揮し、所望の音を与えるものである。また、本発明
のピアノ打弦ハンマーは、公害問題の全くないアクリル
共重合体を使用して該ハンマーのフエルト体のテイル域
を剛化していることから、取り扱い時又使用時に公害問
題の生ずることは全くない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のピアノ打弦ハンマーの透視略図であ
る。第2図は、第1図に示したピアノ打弦ハンマーの分
解略図である。第3A図は、本発明の方法による外フエル
トストリップの処理用トラフ(trough)の端部の略断面
図である。第3B図は、第3A図に示したトラフの略横断面
図である。第4A図乃至第4D図は本発明のピアノ打弦ハン
マーの外フエルトストリップの処理工程説明図である。
第5図は、第3A図に示したトラフで本発明の方法により
処理した後の外フエルトストリップの透視略図である。
第6図は、本発明のピアノ打弦ハンマーを形成するため
の型の説明図である。 第1図、第2図、第5図、第6図において、 10……ピアノ打弦ハンマー、12……木製伸長ヘッド、14
……外側フエルト体、15……ノーズ域、16……内側フエ
ルト体、18……ステープル、20,22……テイル域、24…
…ノーズ域 第2図において、 26……側表面、70,72……表面 第3図、第4図において、 60……処理用溶液、62……スロット、64……トラフ、65
……底、114……フエルトストリップ、115,117……フエ
ルトストリップ端 第6図において、 73……型キヤビティ、74……型、76、78……型側方ジヨ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−25514(JP,A) 特開 昭63−137293(JP,A) 実開 昭58−149786(JP,U) 実開 昭58−149787(JP,U) 実開 昭60−122984(JP,U) 特公 昭49−8093(JP,B1) 特公 昭53−9086(JP,B2)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側表面の輪郭を備えたノーズ部を有するピ
    アノ打弦ハンマー用の伸長ヘッドと、該ノーズ部の周り
    を覆って設けられたフエルト本体とからなり、前記フエ
    ルト体は、ピアノ弦への接触に寄与するノーズ域と前記
    伸長ヘッドの側表面に面接して装着させた部分を有する
    第1及び第2のテイル域とからなり、前記第1及び第2
    のテイル域には所定量のアクリル共重合体を含有させ、
    前記フエルト体の前記ノーズ域には本質的に前記アクリ
    ル共重合体を含有しないようにしたことを特徴とするピ
    アノ打弦ハンマー。
  2. 【請求項2】側表面の輪郭を備えたノーズ部を有するピ
    アノ打弦ハンマー用の伸長ヘッドと、該ノーズ部の周り
    を覆って設けられたフエルト体とからなり、前記フエル
    ト体は、ピアノ弦への接触に寄与するノーズ域と前記伸
    長ヘッドの側表面に面接して装着させた部分を有する第
    1及び第2のテイル域とからなり、前記第1及び第2の
    テイル域には所定量のアクリル共重合体を含有させ、前
    記フエルト体の前記ノーズ域には本質的に前記アクリル
    共重合体を含有しないようにしたピアノ打弦ハンマーで
    あって、前記第1及び第2のテイル域中へのアクリル共
    重合体の導入を、それらテイル域を前記伸長ヘッドのノ
    ーズ部の周りに装着するに先立って行い、前記第1のテ
    イル域中へのアクリル共重合体の導入を、所定量のアク
    リル共重合体を含有する水溶液の所定量をスロット中に
    用意し、該スロット中に前記第1のテイル域を置き、前
    記フエルト体が自然の吸上作用により前記スロット中の
    前記水溶液の全量を吸引して該水溶液が該第1のテイル
    域中のみに導入されるようにして行い、前記第2のテイ
    ル域中へのアクリル共重合体の導入を、所定量のアクリ
    ル共重合体を含有する水溶液の所定量をスロット中に用
    意し、該スロット中に前記第2のテイル域を置き、前記
    フエルト体が自然の吸上作用により前記スロット中の前
    記水溶液の全量を吸引して該水溶液が該第2のテイル域
    中のみに導入されるようにして行い、前記フエルト体の
    前記ノーズ域が前記アクリル共重合体を本質的に含有し
    ないようにしたことを特徴とするピアノ打弦ハンマー。
  3. 【請求項3】前記水溶液が界面活性剤を含有するもので
    ある、請求項(2)に記載のピアノ打弦ハンマー。
  4. 【請求項4】前記水溶液が顔料を含有するものである、
    請求項(2)に記載のピアノ打弦ハンマー。
  5. 【請求項5】顔料を含有せしめることにより前記第1及
    び第2のテイル域を重クロム酸カリウムで処理した従来
    のピアノ打弦ハンマーのテイル域を卓越したものにし
    た、請求項(4)に記載のピアノ打弦ハンマー。
  6. 【請求項6】下記の工程からなることを特徴とするピア
    ノ打弦ハンマーの製造方法: 側表面を備えたノーズ部を有するピアノ打弦ハンマー用
    の伸長ヘッドを用意する工程、ピアノ弦への接触に寄与
    するノーズ域と第1と第2のテイル域とを有するフエル
    ト体を用意する工程、 スロット中に所定量のアクリル共重合体を含有する水溶
    液の所定量を用意する工程、 前記フエルト体の第1のテイル域を前記スロット中の前
    記水溶液中に置く工程、 前記フエルト体が自然の吸上作用により前記スロット中
    の前記水溶液の全量を吸引して該水溶液が該第1のテイ
    ル域中のみに導入されるようにする工程、 スロット中に所定量のアクリル共重合体を含有する水溶
    液の所定量を用意する工程、 前記フエルト体の第2のテイル域を前記スロット中の前
    記水溶液中に置く工程、 前記フエルト体が自然の吸引作用により前記スロット中
    の前記水溶液の全量を吸引して該水溶液が該第2のテイ
    ル域中のみに導入されるようにし、前記フエルト体の前
    記ノーズ域が前記アクリル共重合体を本質的に含有しな
    いようにする工程、 前記フエルト体を前記伸長ヘッドの前記ノーズ部の周り
    に圧力下で配置する工程、及び 前記フエルト体のアクリル共重合体を含有せしめた前記
    第1及び第2のテイル域の面を前記伸長ヘッドの前記側
    表面に面接して装着せしめる工程。
  7. 【請求項7】前記水溶液が界面活性剤を含有する、請求
    項(6)に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記水溶液が顔料を含有する、請求項
    (6)に記載の方法。
  9. 【請求項9】顔料を含有せしめることにより前記第1及
    び第2のテイル域を重クロム酸カリウムで処理した従来
    のピアノ打弦ハンマーのテイル域を卓越したものにす
    る、請求項(8)に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記伸長ヘッドがヘッドストリップのセ
    グメントからなり、前記スロット中の前記水溶液中に置
    かれた前記フエルト体がフエルトのストリップのセグメ
    ントからなり、前記方法が前記ヘッドストリップに装着
    した前記フエルトストリップと前記ヘッドストリップを
    複数のピアノ打弦ハンマーに分離する工程を更に含む、
    請求項(6)に記載の方法。
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