JP2789981B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP2789981B2 JP5002914A JP291493A JP2789981B2 JP 2789981 B2 JP2789981 B2 JP 2789981B2 JP 5002914 A JP5002914 A JP 5002914A JP 291493 A JP291493 A JP 291493A JP 2789981 B2 JP2789981 B2 JP 2789981B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、音量や音色等が自然
楽器音と同様に時間経過に従って変化する楽音を合成す
る楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の電子楽器に用いられる楽音
合成装置の構成例を示すブロック図である。この図にお
いて、励振信号発生部1は、所定波形の励振信号を出力
し、加算器2の第1の入力端に供給する。加算器2は、
その加算結果を音色制御フィルタ3に供給する。音色制
御フィルタ3は、図示せぬ制御部から供給される音色に
関する係数に基づいて、加算器2の加算結果に音色に応
じた所定の特性を付与して、その出力信号をオールパス
フィルタ(以下、APFという)4に供給する。
【0003】APF4は、細かなピッチ合わせのため
に、音色制御フィルタ3から供給される信号と、その出
力信号との位相差を信号周波数に応じて変化させてわず
かに遅延した後、ディレイ5に供給する。ディレイ5
は、多段のシフトレジスタ等から構成され、入力信号を
所定の時間遅延した後、乗算器6に供給する。乗算器6
は、ディレイ5の出力信号に正の乗算係数を乗算した
後、加算器2の第2の入力端に供給する。
【0004】これにより、加算器2の第1の入力端から
入力された励振信号は、加算器2、音色制御フィルタ
3、APF4、ディレイ5および乗算器6からなるルー
プ回路7内の循環を繰り返すので、ループ回路7の櫛形
フィルタリング特性に従った楽音信号が合成され、ルー
プ回路7のいずれかから取り出される。
【0005】以上説明した楽音合成装置は、フルートや
トランペット等のように、その基本的な構造が両端が開
口したモデルに該当する管楽器をシミュレートものであ
る。ここで、図10(a)にフルート等の管楽器の基本
的な構造と、その基本的な構造に基づく共鳴現象により
発音される音の基本波fの音圧分布を示す。このような
構造の管楽器は、図10(b)および(c)に示すよう
に、基本的には整数倍音f,2f,3f,・・・の楽音
が発音される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の楽音合成装置においては、出力される楽音信号の基
本的な倍音構成は、ループ回路7の各構成要素2〜6に
よって決定されてしまうため、倍音構成が単純な楽音信
号しか合成することができないという欠点があった。こ
の発明は、このような背景の下になされたもので、豊富
な倍音を含むとともに、倍音構成が時間とともに大きく
変化する楽音信号を合成することができる楽音合成装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による楽音合成
装置は、所定波形の励振信号を発生する励振信号発生手
段と、前記励振信号に音色に応じた特性を付与するとと
もに、所定の第1の時間遅延し、繰返し循環させる、正
のループ利得を有する第1のループ手段と、前記励振信
号に音色に応じた特性を付与するとともに、前記第1の
遅延時間と同一あるいは、略整数比関係にある第2の時
間遅延し、繰返し循環させる、負のループ利得を有する
第2のループ手段と、前記第1のループ手段の出力信号
と、前記第2のループ手段の出力信号とを混合する混合
手段とを具備することを特徴としている。
【0008】
【作用】上記構成によれば、第1のループ手段は、励振
信号を正帰還させ、ループ遅延時間を基本周期とする基
本的に整数倍音の楽音信号を合成する。また、第2のル
ープ手段は、励振信号を負帰還させ、ループ遅延時間の
2倍を基本周期とする基本的に奇数倍音の楽音信号を合
成する。そして、混合手段は、第1のループ手段の出力
信号と、第2の出力信号とを混合する。これにより、倍
音構成が複雑な楽音信号が合成される。
【0009】
【実施例】この発明の一実施例について説明する前に、
上述した課題を解決するための基本的な考え方について
説明する。図6はクラリネットやサキソフォン等のよう
に、その基本的な構造が一端が開口し、他端が閉口した
モデルに該当する管楽器をシミュレートした楽音合成装
置の構成例を示すブロック図である。この図において、
図9の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その
説明を省略する。図6に示す楽音合成装置が図9のもの
と異なる点は、ディレイ5の出力信号に正の乗算係数を
乗算する乗算器6に代えて、ディレイ5の出力信号に負
の乗算係数を乗算する乗算器8が新たに設けられたルー
プ回路9が設けられている点である。
【0010】また、図7(a)にクラリネット等の管楽
器の基本的な構造と、その基本的な構造に基づく共鳴現
象により発音される音の基本波f’の音圧分布を示す。
このような構造の管楽器は、図7(b)および(c)に
示すように、基本的には奇数倍音f’,3f’,5
f’,・・・の楽音が発音される。なお、その基本振動
は、正帰還の場合の1/2になる。
【0011】ところで、図9および図6に示す楽音合成
装置において、各ループ回路7および9の全遅延時間
は、各管楽器の管内における空気圧力波の伝送遅延をシ
ミュレートしたものであるので、その全遅延時間は各管
長に対応している。したがって、図9および図6に示す
楽音合成装置で各ループ回路7および9の全遅延時間を
同一とすることは、各管楽器の各管長を同一とすること
に相当する。
【0012】そこで、図9および図6に示す楽音合成装
置で各ループ回路の全遅延時間を同一とすると、図10
および図7からもわかるように、図9に示す楽音合成装
置では、図6に示す楽音合成装置で発音される楽音の基
本波f’の偶数倍音2f’,4f’,6f’,・・・の
楽音が発音されることになる。ここで、各楽音のスペク
トラム構造を表すと、図6に示す楽音合成装置から発音
される楽音のスペクトラム構造は図8(a)に表され、
図9に示す楽音合成装置から発音される楽音のスペクト
ラム構造は図8(b)に表される。
【0013】したがって、これら各楽音合成装置からそ
れぞれ出力される複数の楽音を適当な混合比で混合する
と、その楽音は、図8(c)に示すようなスペクトラム
構造となり、豊富な倍音を含んだ楽音を合成することが
できる。さらに、これら奇数倍音と偶数倍音とを、アフ
タタッチデータ等時間に応じて変化する係数に基づいて
混合すれば、倍音構成が時間とともに大きく変化する楽
音信号を合成することができる。
【0014】以下、図面を参照して、この発明の一実施
例について説明する。図1はこの発明の一実施例による
楽音合成装置を適用した電子楽器の構成を示すブロック
図である。この図において、演奏操作子10は、鍵盤等
から構成され、音高データKC、タッチデータTCH、
アフタタッチデータATなどを出力する。音色設定操作
部11は、演奏者が音色等に関する各種係数を設定する
ために用いる。制御部12は、演奏操作部10および音
色設定部11からそれぞれ供給される各種データに基づ
いて、装置各部を制御する。
【0015】励振信号発生部13は、制御部12からそ
れぞれ出力される、発生される信号波形を指定する波形
指定データWAVE、発生信号の発生タイミングを指示
するキーオン信号KONおよびタッチデータTCHを入
力して高調波を多く含んだ励振信号(典型的なものとし
ては、ホワイトノイズ等のノイズ信号)を出力し、乗算
器14および15にそれぞれ供給する。乗算器14およ
び15は、それぞれ励振信号に、制御部12からそれぞ
れ出力される入力利得乗算係数IG1およびIG2を乗算
した後、ループ回路16および17にそれぞれ供給す
る。
【0016】ループ回路16は、図9に示す楽音合成装
置のループ回路7と同様、加算器18、音色制御フィル
タ19、APF20、ディレイ21および乗算器22か
ら構成される。このループ回路16は、制御部12から
それぞれ出力される各係数FL1、Df1、DN1および
LG1(値はすべて正)に基づいて、乗算器14の出力
信号を励振エネルギーとしてループ回路16自身で共鳴
発振を励起し、楽音信号を合成して出力する。
【0017】いっぽう、ループ回路17は、加算器2
3、音色制御フィルタ24、APF25、ディレイ2
6、乗算器27および28から構成される。このループ
回路17は、制御部12からそれぞれ出力される各係数
FL2、Df2、DN2およびLG2(値はすべて正)に基
づいて、乗算器15の出力信号を励振エネルギーとして
ループ回路17自身で共鳴発振を励起し、楽音信号を合
成して出力する。乗算器28は、係数LG2に値”−
1”とを乗算して、負の係数”−LG2”を乗算器27
に供給する。すなわち、ループ回路17は、図6に示す
ループ回路9と同様の構成である。
【0018】また、ループ回路16の全遅延時間にほぼ
対応したディレイ21に供給される係数DN1と、ルー
プ回路17の全遅延時間にほぼ対応したディレイ26に
供給される係数DN2とは、ほぼ同一の値とする。これ
は、既に説明したように、ループ回路16においては、
ループ回路16の一周分の遅延時間を基本周期とした整
数倍音構成の楽音信号を合成し、ループ回路17におい
ては、ループ回路17の一周分の2倍の遅延時間を基本
周期とした奇数倍音構成の楽音信号を合成するので、ル
ープ回路17の基本振動をf’としたときにループ回路
16での基本振動が2f’となり、ループ回路16にお
いて、ループ回路17の基本振動f’に対する偶数倍音
構成の楽音を合成するようにするためである。
【0019】乗算器29および30は、それぞれループ
回路16および17からそれぞれ出力される楽音信号
に、制御部12からそれぞれ出力される出力利得乗算係
数OG1およびOG2(図4(b)および(c)参照)を
乗算した後、加算器31に供給する。加算器31は、乗
算器29の出力信号と乗算器30の出力信号とを加算し
て、楽音信号MSとして出力する。ここで、出力利得乗
算係数OG1およびOG2の生成の1手法について説明す
る。まず、出力利得乗算係数OG1は、図2に示すよう
に、所定波形のエンベロープ信号を発生するエンベロー
プジェネレータ(EG)32に音色データTCを供給し
て出力する波形の種類を選択し、図4(a)に示すキー
オン信号の立ち上がりで選択されたエンベロープ信号を
発生させ、加算器33において、そのエンベロープ信号
に図4(d)に示すアフタタッチデータATを加算し、
さらに、キーオフと同時に所定のキーリリースレートで
減衰させて、たとえば、図4(b)に示す波形を生成す
る。なお、出力利得乗算係数OG1のキーオン時の立ち
上がりの振幅は、タッチデータTCHの大きさに対応し
ている。
【0020】また、出力利得乗算係数OG2は、図4
(c)の例では、ループ回路17から出力される楽音信
号を主とするために、キーオンと同時に立ち上がり、キ
ーオフがあるまでは一定値で、キーオフと同時に所定の
キーリリースレートで減衰させているが、この出力利得
乗算係数OG2も、出力利得乗算係数OG1と同様、図3
に示すように、EG34からキーオン信号の立ち上がり
で音色データTCに基づいて選択された波形のエンベロ
ープ信号を発生させ、加算器35において、そのエンベ
ロープ信号にアフタタッチデータATを加算し、さら
に、キーオフと同時に所定のキーリリースレートで減衰
させて生成するようにしてもよい。
【0021】このような構成において、演奏者が演奏操
作子10の鍵盤の、たとえば、C音に対応した鍵を押鍵
操作すると、鍵盤からその鍵に対応した音高データKC
等のキーデータが出力される。また、図示しないタッチ
入力部によって鍵盤のC音に対応した鍵のイニシャルタ
ッチおよびアフタータッチが検出され、タッチの強さを
示すタッチデータTCHが生成され、アフタータッチデ
ータATとともに出力される。
【0022】これにより、制御部12は、C音に対応し
た音高データKCやタッチデータTCH等に対する係数
FL1およびFL2、係数Df1およびDf2並びに係数L
1およびLG2を出力するとともに、C音に対応する各
ループ回路16および17のそれぞれの全遅延時間から
上述したAPF20および25の遅延時間等を引いた値
をディレイ21および26の係数DN1およびDN2とし
て出力し、音色制御フィルタ19および24、APF2
0および25、乗算器22および27並びにディレイ2
1および26に供給する。
【0023】次に、制御部12は、波形指定データWA
VE、キーオン信号KONおよびタッチデータTCHを
励振信号発生部13に供給するとともに、入力利得乗算
係数IG1およびIG2をそれぞれ乗算器14および15
に供給する。これにより、励振信号発生部13は、波形
指定データWAVEによって指定された信号波形を有す
る励振信号をキーオン信号KONで指示された発生タイ
ミングおよびタッチデータTCHで指定されたタッチの
強さで発生して出力する。この励振信号は、乗算器14
および15において、それぞれ入力利得乗算係数IG1
およびIG2と乗算された後、ループ回路16および1
7にそれぞれ供給される。
【0024】次に、ループ回路16に入力された信号
は、加算器18の第1の入力端から入力された後、音色
制御フィルタ19において係数FL1に基づいて所定の
特性が付与され、APF20において係数Df1に基づ
いて細かなピッチ合わせのために自身の周波数に応じて
位相遅延特性が付与された後、ディレイ21において係
数DN1に基づいて所定時間遅延され、さらに、乗算器
22において正の係数LG1と乗算されて加算器18の
第2の入力端に帰還される。したがって、ループ回路1
6に入力された信号は、ループ回路16内の循環を繰り
返すに従い、各周波数成分間の位相差が変化するととも
に、徐々に減衰していき、所定の櫛形特性が付与され、
このループ回路16を循環する信号が、APF20か
ら、図8(b)に示すような基本振動2f’の整数倍音
構成、すなわち、ループ回路17の基本振動f’の偶数
倍音構成の楽音信号として取り出される。
【0025】いっぽう、ループ回路17に入力された信
号は、加算器23の第1の入力端から入力された後、音
色制御フィルタ24において係数FL2に基づいて所定
の特性が付与され、APF25において係数Df2に基
づいて自身の周波数に応じて位相遅延特性が付与された
後、ディレイ26において係数DN2に基づいて所定時
間遅延され、さらに、乗算器27において負の係数(−
LG2)と乗算されて加算器23の第2の入力端に帰還
される。したがって、ループ回路17に入力された信号
は、ループ回路17内の循環を繰り返すに従い、各周波
数成分間の位相差が変化するとともに、徐々に減衰して
いき、所定の櫛形特性が付与され、このループ回路17
を循環する信号が、APF25から、図8(a)に示す
ような基本振動f’の奇数倍音構成の楽音信号として取
り出される。
【0026】次に、ループ回路16の出力信号は、乗算
器29において、図4(b)に示す係数OG1と乗算さ
れた後、加算器31の第1の入力端に入力される。いっ
ぽう、ループ回路17の出力信号は、乗算器30におい
て、図4(c)に示す係数OG2と乗算された後、加算
器31の第2の入力端に入力される。これにより、加算
器31は、乗算器29の出力信号と乗算器30の出力信
号とを加算して楽音信号MSとして出力する。
【0027】ここで、図5に楽音信号MSの時間に応じ
たスペクトラム構造の一例を示す。図5(a)は図4
(b)のaの部分、すなわち、アタックリリースの部分
のスペクトラム構造であり、この部分は、奇数倍音と偶
数倍音とをともに含んでいる。図5(b)は図4(b)
のbの部分のスペクトラム構造であり、この部分は、奇
数倍音のみであり、クラリネット風のうつろな音色とな
っている。また、図5(c)は図4(b)のcの部分、
すなわち、アフタタッチをきかせている部分のスペクト
ラム構造であり、この部分は、奇数倍音と多少の偶数倍
音を含んでいる。なお、図5(a)〜(c)のそれぞれ
に示すスペクトラム構造の包絡線は、各ループ回路16
および17を構成する音色制御フィルタ19および24
の特性によって決定される。
【0028】以上説明したように、上述した一実施例に
よれば、豊富な倍音を含むとともに、倍音構成が時間と
ともに大きく変化する楽音信号を合成することができる
ので、楽音作りに自由度が広がる。また、出力利得乗算
係数OG1と出力利得乗算係数OG2との大小関係を時間
に応じて交互に切り換えることにより、アナログシンセ
サイザでポピュラーなパルス幅変調(Pulse Width Modul
ation)方式によって変調された楽音と同様な楽音を得る
ことができる。すなわち、パルスのデューティを50%
にすれば楽音は奇数倍音構成となり、デューティを10
0%にすれば楽音は整数倍音構成となるので、パルス幅
変調方式によって変調された楽音と同様に時間に応じて
変化する楽音を合成することができるのである。
【0029】なお、上述した一実施例においては、1段
のループ回路16と17とを並列に接続した例を示した
が、これに限定されない。たとえば、並列接続するルー
プ回路の数を増加させてもよい。また、複数段直列接続
したループ回路16と、複数段直列接続したループ回路
17とを並列接続してもよい。この場合には、より急峻
な倍音構成を有したピッチ感の確かな楽音を合成するこ
とができる。
【0030】また、上述した一実施例においては、励振
信号発生部13から乗算器14および15に同一の励振
信号を供給する例を示したが、乗算器14と15とにそ
れぞれ異なる励振信号発生部から出力される異なる励振
信号を供給するようにしてもよい。また、これらの励振
信号の波形は、インパルス波形、ノイズ波形、あるい
は、所定の波形でもよい。さらに、これらの励振信号
は、各ループ回路に連続的に供給してもよく、あるい
は、初期波形のみ供給するようにしてもよい。励振信号
の波形およびその供給方法により、合成される楽音の音
色を微妙に変化させることができる。
【0031】さらに、上述した一実施例においては、ル
ープ回路16および17は、加算器、音色制御フィル
タ、APF、ディレイおよび乗算器によって構成した
が、これに限定されない。ループ回路16は、音色によ
って特性が制御されるフィルタ、音高によって遅延時間
が制御されるディレイおよび正の乗算係数を乗算する乗
算器が含まれていればよく、また、ループ回路17は、
上述したフィルタおよびディレイと、負の乗算係数を乗
算する乗算器が含まれていればよい。
【0032】加えて、上述した一実施例においては、出
力利得乗算係数OG1およびOG2をアフタタッチデータ
ATに応じて制御した例を示したが、これに限定され
ず、入力利得乗算係数IG1およびIG2に対して同様の
制御を行ってもよい。この場合、励振信号は、連続的に
乗算器14および15に供給したほうが望ましく、ルー
プ回路も直列接続したほうが望ましい。また、上述した
一実施例においては、ループ回路16および17のそれ
ぞれの全遅延時間を同一の値とした例を示したが、これ
に限定されず、整数比の関係となるようにして特殊な楽
音を合成するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、豊富な倍音を含むとともに、倍音構成が時間ととも
に大きく変化する楽音信号を合成することができるとい
う効果がある。したがって、1つの楽音の音色が時間に
応じて極端に変化するので、楽音の表情付けに幅を持た
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による楽音合成装置を適
用した電子楽器の構成を示すブロック図である。
【図2】 出力利得乗算係数OG1の生成の1手法を説
明するための図である。
【図3】 出力利得乗算係数OG2の生成の1手法を説
明するための図である。
【図4】 キーオン信号KON、出力利得乗算係数OG
1およびOG2、アフタタッチデータATの波形の一例を
示す図である。
【図5】 楽音信号MSの時間に応じたスペクトラム構
造の一例を示す図である。
【図6】 従来の電子楽器に用いられる楽音合成装置の
構成例を示すブロック図である。
【図7】 クラリネット等の管楽器の基本的な構造に基
づく共鳴現象により発音される楽音の基本波f’および
奇数倍音3f’,5f’の音圧分布を示す図である。
【図8】 奇数倍音を含む楽音、偶数倍音を含む楽音お
よびそれらを混合した楽音のスペクトラム構造の一例を
示す図である。
【図9】 従来の電子楽器に用いられる楽音合成装置の
構成例を示すブロック図である。
【図10】 フルート等の管楽器の基本的な構造に基づ
く共鳴現象により発音される楽音の基本波fおよび整数
倍音2f,3fの音圧分布を示す図である。
【符号の説明】
13……励振信号発生部(励振信号発生手段)、16,
17……ループ回路(第1のループ手段、第2のループ
手段)、29,30……乗算器(混合手段)、31……
加算器(混合手段)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定波形の励振信号を発生する励振信号
    発生手段と、 前記励振信号に音色に応じた特性を付与するとともに、
    所定の第1の時間遅延し、繰返し循環させる、正のルー
    プ利得を有する第1のループ手段と、 前記励振信号に音色に応じた特性を付与するとともに、
    前記第1の遅延時間と同一あるいは、略整数比関係にあ
    る第2の時間遅延し、繰返し循環させる、負のループ利
    得を有する第2のループ手段と、 前記第1のループ手段の出力信号と、前記第2のループ
    手段の出力信号とを混合する混合手段とを具備すること
    を特徴とする楽音合成装置。
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