JP2788544B2 - 融雪舗装シート及びその施工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、融雪舗装シート及びその施工方法に関す
る。

（従来の技術） 従来、積雪の多い地方にあっては、道路の雪を溶かす
手段が色々と工夫されており、例えば、舗装路内に埋め
込まれたヒートケーブル等の発熱体の熱で雪を溶かす手
段もその一つである。

この手段は、ヒートケーブルを舗装路内に埋め込むも
のであるが、その施工手順の概要は、例えば第３図に示
す如く舗装基面101を仕上げた後、その上面にヒートケ
ーブル103を所定の間隔で配置セットする。次にアスフ
ァルト等の表層材105を均等に均し、タイヤローラで転
圧し平らに仕上げる手段をとっている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、従来の施工方法にあっては次のような
問題を招く。

（ａ）施工に手間がかかる。

（ｂ）施工時にヒートケーブルが断線しないよう注意が
必要となるため作業能率の面で望ましくない。

（ｃ）表面までの熱伝導率が悪いためヒートケーブルの
発熱量を高めに設定しなくてはならず、電力の消費量が
多くなる。

また、ヒートケーブルから発せられる高めの熱により
四周のアスファルト舗装材の劣化を促進し、舗装のいた
みが早くなる。

そこで、この発明にあっては前記した問題点を一気に
解消した融雪舗装シートとその施工方法を提供すること
を目的としている。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 前記目的を達成するために、この発明にあっては、道
路表面に接着剤を塗布した後、ロール状に巻束した融雪
舗装シートを、運搬車から順次繰出しながら道路表面に
敷設していき舗装道路を構築することを特徴とする。ま
た融雪舗装シートは、骨材及び合成樹脂材とで構成され
表面層となるシート本体と、シート本体の裏面側に設け
られた合成樹脂製のフィルムと、前記シート本体とフィ
ルムとの間にサンドイッチ状に配置された基布状の発熱
体とから成っている。

（作 用） かかる施工方法によれば、巻束されたロール状のシー
トを順次繰出すことで作業が完了するため作業時間の大
巾な短縮が図れるようになる。またアスファルト舗装に
比べて熱伝導率がよいため、発熱体の発熱温度は低くて
よく、電力消費量は少なくて済むようになる。

（実施例） 以下、第１図と第２図の図面を参照しながらこの発明
の一実施を詳細に説明する。

第１図において、１は道路表面３にエポキシ樹脂系の
接着剤を散布する散布車、５は融雪舗装シート７を道路
表面３に敷設する運搬車をそれぞれ示している。

散布車１は、接着剤の入ったタンク９と、車巾方向に
沿って複数配列された散布ノズル11とを有し、散布ノズ
ル11は、コック（図示していない）により開閉が可能と
なっていて、使用できる散布ノズル11を選択することで
舗装巾に対応した散布巾の調節ができるようになってい
る。

運搬車５はロール状に巻束された融雪舗装シート７の
ロール軸13を回転自在に両端支持する支持装置15を有
し、融雪舗装シート７を順次繰出すことが可能な敷設作
業車を兼ねている。

第２図は、融雪舗装シート７の一実施例を示した図で
ある。融雪舗装シート７は粒径が約2.5mmの骨材17とエ
ポキシ樹脂製の合成樹脂材19とによって一体成形された
耐熱性のシート本体21と、合成樹脂の材質で、かつ、耐
熱性のフィルム23と、シート本体21とフィルム23との間
にサンドイッチ状に配置された基布状の発熱体25とから
成っている。発熱体25は、第１図に示す如く所定のブロ
ック単位ごとに配置され、断線した際に、そのブロック
の領域を交換することで対応が図れるようになってい
る。

なお、発熱体25の発熱温度は、例えば冬期の外気湿に
比べて＋15℃前後あれば十分であり、シート本体21、フ
ィルム25に悪影響と与えることはない。

融雪舗装シート７は、長手方向に連続する型枠内に長
手方向に連続するフィルム23と、その上から所定のブロ
ック単位に形成された基布状の発熱体23の順に敷設した
後、ペースト状に溶かした合成樹脂材19を所定の厚さと
なるまで流し込み、次に、固まらない内に約2.5mm前後
の小石等を骨材17をほぼ均等に投下し養生することで耐
摩耗性を備えた表面層が得られる。なお、養生後に型枠
からとりはずし巻束することでロール状の融雪舗装シー
ト７となる。

フィルム23及び合成樹脂材19は、具体的にはカオーマ
ットSK（商品名）を採用した。

次に、施工方法について説明すると、舗装する道路表
面３に散布車１によって接着剤を散布し、次に、運搬車
５からロール状の融雪舗装シート７を順次繰出しながら
敷設していく。敷設完了後、ブロック単位の発熱体25
に、電力供給用の給電線を接続することで融雪用の舗装
路が得られる。

したがって、施工時の作業時間は大巾に短縮される。
また熱伝導率がよいため、発熱体25の温度を、冬期の外
気温にプラス15℃前後に設定することで雪を溶かすこと
ができると共にシート本体21及びフィルム25に悪影響を
与えることがない。また、電力消費量も少なくて済むよ
うになる。なお、第３図に示す如く前方に接着剤の入っ
たタンク９を、後方に融雪舗装シート７をそれぞれ配置
し、運搬車と散布車とを組合せた敷設作業車とすること
も可能である。これにより、散布ノズル11からの接着剤
の散布と同時に融雪舗装シート７の敷設作業が連続して
行なえるようになる。

［発明の効果］ 以上、説明したようにこの発明によれば、次のように
効果を奏する。

（１）運搬が便利となり、しかも施工が容易となる。

（２）ロール状の融雪舗装シートを順次繰出せばよいの
で作業能率の大巾な短縮が図れる。

（３）従来のアスファルト舗装に比べて熱伝導率が良い
ため電力の消費量が少なくて済み、ランニングコストの
面で大変好ましいものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の施工方法を示した概要斜視図、第２
図は融雪舗装シートの切断斜視図、第３図は運搬車と散
布車とを組合せた敷設作業車の斜視図、第４図は従来例
を示した説明図である。 ３……道路表面 ５……運搬車 ７……融雪舗装シート 21……シート本体 23……フィルム 25……基布状の発熱体

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】骨材及び合成樹脂材とで構成され表面積と
   なるシート本体と、シート本体の裏面側に設けられた合
   成樹脂製のフィルムと、前記シート本体とフィルムとの
   間にサンドイッチ状に配置された基布状の発熱体とから
   成る融雪舗装シート。
2. 【請求項２】道路表面に接着剤を塗布した後、ロール状
   に巻束した融雪舗装シートを、運搬車から順次繰出しな
   がら道路表面に敷設していき舗装路を構築することを特
   徴とする融雪舗装シートの施工方法。