JP2788110B2 - 温度異常停止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電子機器の高温異常時に、電子機器の主電源
を遮断する温度異常停止装置に関するものである。

従来の技術 近年、電子機器は多機能化および小型化が進んでお
り、それに伴い電子機器自身の発熱によるトラブルが多
くなつている。

これに対する対策としてテレビジヨン受像機などの電
子機器にあつては、この内部の発熱が予想される特定の
箇所に、温度を検出して異常温度で接点が開閉するサー
モプロテクタのような温度スイツチを設けている。この
温度スイツチの開閉によつて、使用される電子機器に電
力を供給しているAC電源を自動的に遮断し、電子機器内
部の異常温度上昇によつて発生する各種のトラブルを防
止していた。

以下、電子機器が異常温度まで上昇した際、その電力
を供給している主電源の回路を自動的に遮断する従来の
温度異常停止装置について説明する。

第２図は従来の温度異常停止装置の回路図であり、AC
100Vなどの主電源１を、リレー２に通して電子機器電気
回路３へ供給している。このリレー２はリレーコイル2c
の励磁によつて閉じる接点2aを有しており、トランジス
タ４により駆動される。トランジスタ４は、マイクロコ
ンピユータ５からリレー２の開閉を指示する制御信号６
をそのベース4bに受け、コレクタ4cに供給される直流電
源９によつて、リレーコイル2cを励磁する。

また、前記トランジスタ４のコレクタ4cは直接に直流
電源９につながるのではなく、電子機器本体の特定箇所
の周辺温度を検知して開閉する温度スイツチとしてのサ
ーモプロテクタ７と、抵抗８を直列に接続した回路を経
由して直流電源９につながつている。

このような構成のもとで、電子機器内の特定箇所の周
辺温度は異常がなく平常の温度であれば、サーモプロテ
クタ７の接点が閉となつたままであり、マイクロコンピ
ユータ５からリレー２の開閉を指示する制御信号６がＨ
レベルになるとトランジスタ４が導通し、リレーコイル
2cに励磁電流が流れてリレー接点2aが閉となり、主電源
１の電源電圧が前記電子機器本体の電気回路３に印加さ
れる。

マイクロコンピユータ５からの制御信号６が、Ｌレベ
ル信号に変化すると、トランジスタ４がカツトオフされ
てリレーコイル2cに励磁電流が流れなくなり、リレー接
点2aが開状態となつて主電源１から電気回路３への電源
電圧の印加がオフされる。またサーモプロテクタ７が、
周辺温度が異常な高温であることを検出した際には、そ
の接点7aが開となり、トランジスタ４のベース4bにリレ
ー２の閉を指示するＨレベル信号がマイクロコンピユー
タ５から入力されていても、トランジスタ４のコレクタ
4cに直流電源９が供給されなくなり、リレーコイル2cに
励磁電流が流れずリレー接点2aが開となつて、同様に主
電源１から電気回路３への電圧の印加がオフされる。

発明が解決しようとする課題 しかしながら上記従来の構成では、電子機器の内部が
異常温度になつた原因でサーモプロテクタ７が動作して
電気回路３における主電源１がオフとなつた場合と、そ
れ以外の原因、例えば、マイクロコンピユータ５の故障
などで主電源１がオフされている場合との区別がつか
ず、両者とも同じ故障と判断されてしまう問題点を有し
ていた。

本発明は上記従来の問題点を解決するもので、電子機
器の内部が異常な高温になつた原因で主電源１がオフし
たのか、それ以外の故障等の原因で主電源１がオフした
のかを区別できる温度異常停止装置を提供することを目
的とする。

課題を解決するための手段 請求項１に記載の温度異常停止装置は、制御信号から
の指示または温度スイツチが異常温度を検出したときに
主電源をオフするよう構成するとともに、前記温度スイ
ツチによる主電源のオフ動作を表示する表示回路を設け
たことを特徴とする。

請求項２に記載の温度異常停止装置は、制御信号から
の指示または温度スイツチが異常温度を検出したときに
主電源をオフするよう構成するとともに、異常温度も検
出に伴う前記温度スイツチの端子電圧の変化を検出して
主電源のオフ動作を表示する表示回路を設けたことを特
徴とする。

作用 請求項１および請求項２の構成によると、温度スイツ
チによつて主電源がオフされた状態を検出して、この状
態を表示回路で表示する。したがつて、表示回路の表示
内容を確認することによつて、異常温度になつたことに
よるものか、またはそれ以外の原因によるものかを判断
できる。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図に基づいて説明す
る。なお、従来例を示す第２図と同様の作用をなすもの
には同一の符号を付けて説明する。

AC100Vなどの主電源１は、リレー２を通してテレビジ
ヨン受像機の電気回路３へ印加されており、リレー２
は、トランジスタ４によつて制御されている。リレー２
はリレーコイル2cが励磁されている状態でリレー接点2a
が閉じるタイプのもので、トランジスタ４のコレクタ4c
に直流電源９が抵抗８を通して印加され、ベース4bには
マイクロコンピユータ５から制御信号６が供給される。

トランジスタ４のコレクタ4cと直流電源９との間に
は、温度スイツチとしてのサーモプロテクタ７が介装さ
れている。このサーモプロテクタ７はテレビジヨン受像
機の電源レギユレータの放熱器に固定されており、放熱
器の温度が決められた異常温度に上昇するとオン状態か
らオフ状態に変化するように構成されている。

さらにこの実施例では、サーモプロテクタ７の端子電
圧の変化からこのサーモプロテクタ７が動作したことを
表示する表示回路11が設けられている。

なお、直流電源９は電気回路３とは別系統で作られて
おり、リレー接点2aがオフして電気回路３に主電源１の
電圧が印加されなくなつてから少なくともしばらくの間
は電圧が発生していることが必要である。

表示回路11は次のように構成されている。テレビジヨ
ン受像機の外部から確認できる位置に取り付けられた発
光ダイオード10は、抵抗13とPNP型のトランジスタ12を
介して直流電源９に接続されており、トランジスタ12の
ベース12bは抵抗14とサーモプロテクタ７を介して直流
電源９に接続されている。また、サーモプロテクタ７と
抵抗14との接続点は抵抗15を介してトランジスタ12のコ
レクタと同じ基準電位16に接続されている。

このように構成したため、電源レギユレータの放熱器
の温度が正常温度範囲にあつてサーモプロテクタ７の接
点がオン状態にある場合には、抵抗８を介してトランジ
スタ４に直流電圧９が印加されており、マイクロコンピ
ユータ５からの制御信号６がＨレベルに反転したりＬレ
ベルに反転したりすることにより、トランジスタ４がオ
ン／オフされ、リレー２を開／閉して電気回路３に印加
する主電源１をオン／オフする。この時トランジスタ12
のベース12bにはサーモプロテクタ７を介して直流電源
９が印加されており、このトランジスタ12はカツトオフ
状態で発光ダイオード10は消灯状態にある。

テレビジヨン受像機の使用中に電源レギユレータの放
熱器の温度が異常に上昇する事態が発生した場合には、
サーモプロテクタ７が動作してその接点が開となり、マ
イクロコンピユータ５の制御信号６がＨレベルにあつて
もトランジスタ４をオフしてリレー２の接点2aをオフし
て、主電源１をオフする。この時、表示回路11内のトラ
ンジスタ12のベースは、サーモプロテクタ７のオフに伴
つて、抵抗15の作用によつてエミツタ12eよりも確実に
電位が低下し、これによつてトランジスタ12のエミツタ
12eから抵抗14,15を流れるベース電流が発生し、トラン
ジスタ12が導通して発光ダイオード10が点灯して、サー
モプロテクタ７が作動したことを報知する。

発明の効果 以上のように本発明によれば、制御信号からの指示ま
たは温度スイツチが異常温度を検出したときに主電源を
オフするよう構成するとともに、前記温度スイツチによ
る主電源のオフ動作を表示する表示回路を設けたことに
より、電子機器が途中で動作しなくなつた時に前記表示
回路を見ることによつて、異常温度が原因で主電源が切
れたのか、他の原因で主電源が切れたのかその原因の区
別をすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における温度異常停止装置の
回路図、第２図は従来の温度異常停止装置の回路図であ
る。 １……主電源、２……リレー、６……制御信号、７……
サーモプロテクタ〔温度スイツチ〕、11……表示回路。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子機器の電気回路の電源供給部に配設さ
   れた主電源スイッチと、前記電子機器の制御手段より出
   力される制御信号の指示に応じて前記主電源スイッチを
   開閉制御する開閉制御手段と、前記電子機器内に配設さ
   れ直流電源と前記開閉制御手段との間に挿入接続された
   温度スイッチと、前記温度スイッチの開成状態を表示す
   る表示手段とを備え、前記温度スイッチが前記電子機器
   内の温度の異常上昇により開成状態になった時、前記制
   御手段からの制御信号の指示に関係なく前記主電源スイ
   ッチを開成状態にするとともに前記表示手段の表示によ
   り前記電子機器の動作停止が温度の異常上昇によるもの
   であることを明示するようにしたことを特徴とする温度
   異常停止装置。
2. 【請求項２】電子機器の電気回路に電源を供給する主電
   源と、前記電気回路への電源供給路を開閉する主電源ス
   イッチと、制御信号により導通状態が制御され導通状態
   に応じて前記主電源スイッチの開閉を制御する開閉制御
   手段と、前記開閉制御手段を制御する制御信号を出力す
   るマイクロコンピュータと、前記開閉制御手段と前記マ
   イクロコンピュータに直流電圧を供給する直流電源手段
   と、前記電子機器内に配設され前記直流電源手段と前記
   開閉制御手段との間に挿入接続され所定の温度以上の周
   囲温度において開成する温度スイッチと、前記温度スイ
   ッチの端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検
   出手段により検出された端子電圧の変化に応じて点燈制
   御され前記直流電源手段からの直流電圧により動作する
   表示手段とを備え、前記マイクロコンピュータからの制
   御信号の指示に関係なく前記温度スイッチの開成状態に
   対応して、前記主電源スイッチを開成させるとともに、
   前記直流電源手段の直流電圧を前記主電源スイッチの開
   成後も所定時間保持して前記表示手段を作動させるよう
   にしたことを特徴とする温度異常停止装置。