JP2787513B2 - 陰極発光ランプ - Google Patents

陰極発光ランプ

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JP2787513B2 JP3112377A JP11237791A JP2787513B2 JP 2787513 B2 JP2787513 B2 JP 2787513B2 JP 3112377 A JP3112377 A JP 3112377A JP 11237791 A JP11237791 A JP 11237791A JP 2787513 B2 JP2787513 B2 JP 2787513B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室の照明、液晶表示装
置の照明、および大画面の映像表示装置の一画素として
も使える陰極線発光を利用した新規光源に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】闇夜を照明する光源は、人々の活動時間
を昼間だけに限定せずに、夜間にも拡大するものとして
発達してきた。光源の発達の開発史は、燃え差し、たい
まつ、ローソク、灯油、ガス等のような燃料を燃やす方
法から始まった。電気の発明後、アーク灯や電球のよう
な加熱物体の放つ輻射光に変り、最近では、放電によっ
て発生する不可視光を蛍光膜によって、可視光に変える
蛍光放電灯が開発された。これらの光源の開発は、暗い
場所での人々の生活を、昼間と同じ条件に近い状態にし
て、夜間の生活環境を豊にしてきた。上記した光源の開
発史を科学的に分類すると、電球までの発達史は、物体
の異体輻射温度を高くする方法で、開発が進められてい
た。これは、昼光が高温に熱しられた太陽からの輻射で
あり、太陽光の輻射に近似した分光分布を持った光源
を、夜間にも使用したい願望指向があったからである。
使用光源の温度が、燃え差しから上がるに従って、光源
色も赤色から黄色にと変り、白色の方向に近づいてい
た。
【0003】輻射を使用した場合、最大の欠点は、物質
が燃え尽きるか、高温での物質の蒸発によって決まる照
明光源の短寿命であった。例えば、炎を利用した場合、
燃料の消費によって数時間が限度であり、タングステン
線を真空中で2000℃の高温に加熱する電球の場合、
タングステン線の金属蒸発によって、約1000時間の
寿命であった。寿命だけが欠点ではなかった。高温に加
熱されたタングステン線から放射される輻射の60%以
上は、照明には寄与しない赤外域に放出している。この
不要な赤外輻射を減少させ、可視光への変換を増加させ
る方法が考慮され、ルーメン/ワット(lm/W)が、
光源の効率の目安として使われるようになった。電球の
場合、5から15lm/Wである。
【0004】エネルギー変換効率と寿命の両方に、大き
な変革をもたらしたのが、蛍光放電灯の発明であった。
蛍光放電灯は、水銀蒸気の放電によって、入力エネルギ
ーの60%が、254nmの紫外線に変換され、1個の
紫外線の光子は、蛍光膜によって、1個の可視光の光子
に変換される。即ち、量子効率は、100%である。実
用的に評価されるのは、量子効率ではなく、入力エネル
ギーに対する出力エネルギーの絶対エネルギー変換効率
は、W/Wである。最適な条件で作られた40ワットの
蛍光放電灯のエネルギー変換効率は、20%であり、l
m/Wは80で、最終目標となっている太陽の104l
m/Wに近い値である。このように、蛍光放電灯は、黒
体輻射によらない方法で、即ち、物体の加熱によらない
方法で、太陽に近いlm/Wを実現している。これは、
ガスの放電と蛍光膜の使用によってのみ、可能である。
このように、蛍光膜の使用が、照明光源に、新しい大き
な変革をもたらした。蛍光放電灯の寿命は、陰極物質の
イオン衝突によるスパッターリングによる損失によって
決まるが、大きく改善され、現在の蛍光放電灯は、公称
5000時間の寿命を持つ。
【0005】このように優れた特性を持った蛍光放電灯
であるが、水銀蒸気の放電条件規制に原因して、一定輝
度のランプしかできない欠点を持っている。蛍光放電灯
内の蛍光膜は、光変換において飽和しておらず、紫外線
の強度を増加すれば、蛍光膜からの光出力は増加する。
しかし、蛍光放電灯内の254nm紫外線の発生量は、
水銀蒸気の温度規制から増減できず、一定量である。こ
の理由によって、一定輝度を持った蛍光放電灯しか得ら
れず、室の照明強度の変化は、蛍光放電灯数の増減によ
って行われなければならない不便があった。
【0006】蛍光放電灯は、ガラス管を使用する構造か
ら、線光源である。線光源は従来の点光源と比較すると
き、照明光源としては、大きな進歩であったが、照明光
源としては、線光源よりも面光源の方が、物体の影が無
くなるので、望まれる。蛍光放電灯で面光源を得るに
は、線光源である蛍光放電灯を多数配列していた。多数
の蛍光放電灯の配列は、設備費と維持費の高騰をもたら
した。これらを改善する面光源の出現が待ち望まれてい
た。更に、情報化社会に入った現在の生活では、公衆を
相手にした大表示装置が必要になってきた。この大表示
装置を小さな面光源の配列によって構成するメリット
が、昼夜の映像表示の面から認識されてきた。これらの
要望に、蛍光放電灯は、充分に答えることができなかっ
た。新規な明るい面光源の出現が、待たれていた。
【0007】或る種の蛍光膜を高真空中に置いて、電子
束を照射すると、蛍光膜が、非常に明るく発光すること
は、陰極線発光として良く知られていた。しかも、発光
強度は、電子束のエネルギー量によって、任意に変えら
れる。蛍光膜の電子線からのエネルギー変換効率は、2
0%前後であり、ルーメン効率も蛍光放電灯の効率に近
い80lm/Wである。従って、有効に、この発光を使
うようにできれば、陰極線発光を光源として使うことが
できると考えれたていた。だが、現在までに、陰極線ラ
ンプの試みは成功していない。その原因は、蛍光膜面
が、電子線の照射下で、急激に劣化してしまうからであ
った。劣化をせずに、高輝度の蛍光膜面を得ることに成
功した例は、陰極線管内に蛍光膜を入れ、各微小面
(0.3mm)を、鋭く集束された(例えば0.3m
m径)高密度の電子線束の走査によって、アドレシング
して、ビデオ映像を画き出す陰極線管(CRT)だけで
あった。ビデオ映画を写し出す蛍光面の輝度は、カラー
CRTの場合、100ftL(又は340nit)もあ
り、投射型CRTの場合1000ftL以上である。し
かし、これらのCRTの全てが、電子を集束するための
電子銃と、その電子銃を納めるネック管を持ち、更に、
電子の走査偏向に必要とされる大きな空間を必要とし
た。これらの条件を満たすCRTの体積は、従って、お
おきくなるだけでなく、真空圧に耐えるようにするため
のに、大重量物になっていた。それ故、CRTは、その
ままでは、照明光源として使えない。光源として、陰極
線発光を実用的に使うには、軽量で、かつ、薄形な新規
な構造から成る陰極線発光装置の開発が不可欠であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】照明の面光源としても
使え、また、大表示装置の少なくとも一画素としても使
え、線状電子銃を持ち、薄く、かつ軽量であるだけでな
く、高エネルギー変換効率を長時間にわたって保持でき
る、陰極線発光を利用した新規な薄板状陰極発光ランプ
の提供である。
【0009】
【課題を解決するための手段と実施例】本発明は、電子
線の照射下で蛍光膜が発光する陰極線発光を利用し、面
光源として使える新規な陰極発光ランプの提供である。
このように新規な光源を理解するには、蛍光膜が、電子
線照射下で発光する機構を充分に理解する必要がある。
【0010】蛍光膜は、薄膜、単結晶、粉末によって作
ることができる。これらの蛍光膜のどれもが、電子線照
射下で発光するが、同じ電子線照射下で比較した時、粉
末で作った蛍光膜の発光輝度は、他の2者に対して、約
5倍も高い。それ故、陰極発光ランプの蛍光膜は、粉末
蛍光体で作るのが得策である。
【0011】蛍光体粉末は、一般に粒径が1から10μ
m(顕微鏡法)の範囲に分布した微小粒子の集合体であ
り、粒子の数は、1グラム当り1011個(銀河系内に
含まれる全恒星数に匹敵する)もある。このように膨大
な数の蛍光体粒子によって作られた蛍光膜が、電子線の
照射下で明るく発光する。蛍光体粉末は、陽極を印加で
きる導電性基板上に、又は、絶縁基板上に塗布して使用
する。後者の蛍光膜の場合、陽極電位は、周辺壁に印加
される。いずれの場合にも、蛍光膜は発光するが、発光
強度の点では、図1に示したように、両者の間に顕著な
差がある。図1の曲線Aは、蛍光膜を導電性基板上に作
った場合、曲線Bは、絶縁基板上に蛍光膜を作った場合
について、発光強度を印加陽極電位の関数で求めた例で
ある。導電性基板上に蛍光膜を作った方が、絶縁基板上
に作った場合よりも、約50%も発光強度が多くなるこ
とが分かる。それ故、陰極発光ランプの蛍光膜は、陽極
電位の印加のできる導電性基板上に作るのが好ましい。
導電性基板が、陰極線発光に対して、光学的に透明であ
り、かつ蛍光膜が、適当な塗布膜厚(例えば、4mg/
cm)であるとき、蛍光膜で発光した光は、有効に外
部に取り出されることは、CRTの蛍光膜の場合と同じ
である。
【0012】与えられた蛍光膜の発光強度(輝度に相
当)は、電子線の照射条件と蛍光膜を作る蛍光体粒子の
表面状態によって、顕著に変るので、陰極発光ランプの
開発には、これらを充分に制御すべきである。先ず蛍光
体粒子の表面状態によって現われる作用を理解しよう。
【0013】物理的にも、化学的にも清浄な表面を持っ
た蛍光体粒子だけで蛍光膜が作られた場合、蛍光膜は、
2KeV以下のエネルギーを持った電子照射によって
も、明るく発光する。だが、蛍光体粒子の表面が、他の
無機物質(例えばSiO)によって、少しでも汚染さ
れていると、2KeV以下のエネルギーを持った電子照
射では発光しなくなる。汚染された蛍光膜は、2KeV
以上のエネルギーを持った電子線照射で発光をするよう
になり、10KeV以上になると、汚染と非汚染の差は
認め難くなる。
【0014】陰極発光ランプの製造単価は、印加する陽
極電位と密接な関係があり、製造単価は、陽極電位が低
くなるに従って、安くなる。それ故、実用的な陰極発光
ランプの蛍光膜は、表面の清浄な蛍光体粒子によって、
構成されていることが望ましい。製造単価を問題としな
い応用の場合、高陽極電位が採用でき、蛍光体の粒子表
面の清浄度は、二次因子となることは、自明である。実
用を目的とした陰極発光ランプの蛍光膜の作成において
は、製造工程中に起こるであろう蛍光体粒子表面の汚染
を防ぐだけでなく、入手する蛍光体粉末の受け入れ検査
を充分に行う必要がある。受け入れ検査の方法として
は、(1)走査電子顕微鏡による表面の観察、(2)蛍
光体粉末を、熱した脱イオン水中に懸濁させ、懸濁液の
イオン導伝度の変化を測定する方法、および、(3)実
際の蛍光膜で、発光の現われる臨界陽極電位を測定する
などがある。蛍光体粒子表面が汚染していた場合、懸濁
液のイオン導伝度は増加し、臨界陽極電位は、300V
以上となるので、これらの蛍光体粉末は使用できない。
【0015】図2に、表面を清浄にした粒子からなり、
白色に発光するテレビウム付活硫酸化イットリウム(Y
S:Tb)蛍光体の陽極電圧に依存した発光強度
を示す。臨界電圧は、150Vであり、この電圧以上で
は、発光強度は、陽極電位に対して直線性で変る。他の
蛍光体でも、大略同じ結果が得られる。このように清浄
な表面を持った蛍光体粉末の使用が、明るい陰極発光ラ
ンプを得るためには、必要である。
【0016】最適な条件で作られた蛍光膜の発光強度
は、蛍光膜に照射する電子線の条件(例えば、陽極電
圧、電子ビーム密度、電子ビームの照射時間、即ちパル
ス照射から連続照射)によって願著に変る。陰極発光ラ
ンプを得るには、これらの変化要因を理解し、最適条件
に制御する必要がある。蛍光膜からの発光光量は、発光
に関与してくる他因子を無視したならば、蛍光体粒子に
単位時間当りに与えられた電子のエネルギーEと密接に
関係している。蛍光体粒子に与えられる電子エネルギー
は、蛍光体に入射した電子数(陽極電流Iに比例する)
と、電子の加速電圧Vの積(E=kVI)によって与え
られる。従って、蛍光体の発光量は、電流を一定(I=
定数)にして、陽極電圧を変えると変化(即ち電圧特
性)するし、また、一定陽極電圧(V=一定)下で、電
子ビーム量を変えると(即ち電流特性)変化する。電圧
特性の例は、図2に示した。
【0017】陽極電圧1000ボルトに固定して得た電
流特性の2つの例を、図3に示す。曲線Aは、希土類元
素で付活した蛍光体の例で、曲線Bは、硫化亜鉛カドミ
ウム蛍光体の例である。希土類蛍光体の多くは、電子ビ
ーム量と比例関係を保持しているが、硫化物の多くは、
非直線性を示す。陰極発光ランプの場合、直線性と非直
線性は、重要因子ではない。蛍光膜の発する明るさが高
いことだけが考慮される。だが、単純に電子ビーム量を
増す訳には行かない。高電子ビームの照射下では、蛍光
体粒子は、連続した照射時間の増加によって、容易に加
熱され、加熱された蛍光体は、温度消光現象によって、
急速に発光量を減ずる。陰極発光ランプでは、従って、
電子ビームによる蛍光体粒子の加熱を避けなければなら
ない。電子ビームによる加熱は、発光に関与しなかった
電子ビームの約80%のエネルギーが、熱に変換するの
だと考えられている。このような理論思考とは別に、非
常に高い密度の電子ビームを短いパルスにして、蛍光体
粒子に照射するとき、蛍光体粒子は、加温されることな
く、強い発光を示すことが知られている。パルス照射の
場合、発光に関与しない電子ビームのエネルギーの大部
分が、熱エネルギーには変換されず、他のエネルギーと
して消費されるようだ。この理由によって、通常のCR
Tは、蛍光面に、高速で走査している高密度の電子ビー
ムを照射して(即ちラスター)明るい蛍光面を得てい
る。ラスター内の蛍光体粒子の個々は、走査電子ビーム
によって、短いパルスで照射されている。蛍光体粒子の
照射時間tは電子ビーム径を走査電子ビームの速度で割
って与えられる。
【0018】高輝度にある陰極線発光は、上記したよう
に、集束された電子束を用いて、パルス状に蛍光体粒子
に照射するとき、著しい加熱をすることもなく得られ
る。パルス状に照射された電子ビームよって引き起こさ
れた発光の強度は、時間平均して、一般に観察される。
従って、陰極発光ランプの明るさの測定は、各パルスで
発光している蛍光体粒子の発光の時間平均となって観測
されている。パルスで発光させた光の波形を、図4に示
す。観測される時間平均発光量Bpは数1で与えられ、
Bpは図形的には、図4のAとBを加えた面積の時間平
均となっている。ここにAは電子線による発光の立ち上
がりであり、Bは、電子線の照射後に続く残光の部分で
ある。この図より、照射時間を長くすると、Bpは増加
することが分かる。図5は、この増加を図解したもので
ある。図中の数字、5、13、28は、時間t
,tにて囲まれた曲線内の面積である。このよう
に、蛍光面の発光強度は、照射時間を長くして行くと
き、増加するが、ある長さ以上になると、蛍光体粒子が
加熱される結果、温度消光をしてしまう。図6に示した
曲線は、パルス幅を変えて、電子ビームを照射した場合
の温度上昇を示す。曲線Aはパルス幅の長い場合、曲線
Bはパルス幅が短い場合を示す。これらの結果により、
陰極発光ランプの蛍光膜は、高密度にある電子ビームを
短時間蛍光体に照射した方が、低密度にある電子ビーム
を長時間照射する場合よりも、明るく発光することが分
かる。
【0019】
【数1】
【0020】繰り返しのパルス発光をした場合、図7に
示したように、発光は繰り返し発生しており、単位時間
当りの発光強度Bは、1個のパルスの平均輝度Bpの単
位時間当りのパルス数n倍になる。即ち、B=knBp
で表される。このことから、決められたパルス幅の場
合、周波数の増加に従って、輝度Bは増加することが分
かる。蛍光体粒子は熱絶縁体であるので、パルス周波数
の増加は、蛍光体粒子に発生した熱がパルス間隙で逃げ
切れず、熱の蓄積が進み、蛍光体粒子の温度が、徐々に
上昇して行く。この温度上昇は、パルス幅とも密接な関
係があって、周波数だけで、一義的に決まらない。図8
に、100nsec(曲線A)と10μsec(曲線
B)のパルス幅の電子線を50Hzで照射した例を示
す。連続パルスを照射した場合の温度上昇は、蛍光体の
種類、蛍光膜の作成方法によって異なるので、個々につ
いて、最適点が求められる。
【0021】既に述べたように、蛍光膜の陰極線発光の
強度は、蛍光体粒子に与えられた電子の総エネルギーに
よって決まる。蛍光体粒子に与えられる電子のエネルギ
ーは、電子の加速電圧と、電子の数によって決まる。加
速電圧は、陰極発光ランプの外部回路電圧によって決ま
るが、電子の数の方は、陰極発光ランプ内の構造によっ
てきまる。明るく発光する陰極発光ランプを得るには、
従って、電子を供給する陰極の設計が重要となる。
【0022】CRTの場合、電子を供給する陰極の面積
は、非常に小さいが、その面から取り出した電子を集束
して、更に微小化した面に集約して、電子の密度を高く
して、蛍光面に当てている。電子を微小径に集束するに
は、長い電子銃を必要とするので、CRTの全ては、電
子銃の納まったネック管を付けている。本発明になる陰
極発光ランプでは、このような長いネック管を付けるの
は、不利となるので使えない。ネック管のない構造で、
広い範囲に、電子を均一に供給できる方法を取る。それ
には、線陰極の採用が、一方法となる。線陰極は、酸化
物陰極を表面に塗布した金属抵抗線、例えばタングステ
ン線を、ランプ内に張ると良い。
【0023】直径が、0.1から0.3mmにあるタン
グステン線を、単純に張っただけでは、問題が発生す
る。タングステン線を、陰極物質の活性温度の700℃
前後に加熱すると、線は、熱膨張によって延び、線は歪
む。この歪みを取り去るために、線の一端をバネ支柱に
付ける方法が考えられるが、長い線の使用には、強いバ
ネを使用しなければならず、強いバネの使用は、断線の
原因になる。又、加熱された金属線は、自重によって、
中心部が垂れ下がる問題があった。そればかりではな
い。細線の陰極は、単位長さ当りの陰極面積が小さく、
取り出させる電子量に、限界を持っていた。
【0024】上記した問題点の全てが、次のようにする
と、解決できた。金属抵抗の細線を、陰極の加熱温度に
おいても軟化することのないセラミック線の上に巻き付
け、巻き付けた線の上に、陰極酸化物を塗布して、陰極
構体を作る。この陰極構体を、陰極発光ランプ内に据置
すれば、熱しられた金属線は、セラミック線によって支
えられ、巻線であるので、熱変形も、垂れ下がること
も、量小限度に抑えられる。そればかりではない。巻線
を使用することによって、陰極構体の単位長さ当りの陰
極面積を著しく拡大する。それ故、単位長さ当りで取り
出せる熱電子の量は、飛躍的に増加した。第9図は、こ
のような陰極構体の基本を示す模式図で、1はセラミッ
ク線、2は金属ヒーター線、3は陰極物質を示す。
【0025】上記した陰極構体を支持するセラミック線
は、陰極の操作周期によっても変形せずに、陰極構体
を、陰極発光ランプ内に設けられる電子銃の中の決めら
れた位置に、配置できるものでなければならない。この
要求を満たすセラミック材料は、(1)軟化点が、陰極
を加熱するヒーター線の加熱温度(例えば700℃)以
上であり、(2)熱膨張係数が小さく、(3)加熱線を
巻き付けるので、高温においても絶縁体でなければなら
なく、更に(4)陰極酸化物と高温で化学反応を起こさ
ない不活性な物質でなければならない。そのような材料
として、石英、アルミナ、ジルコニヤなどを使用でき
る。これらの材料は、融点が高温であるので、均一径の
細線を作るのが困難であり、コスト高になる。このコス
ト高は、次のようにして作ったセラミック細線を使う
と、割安になる。セラミック線の中心に、高温において
も、上記したセラミック物質と化学反応を持たず、しか
も融点の高い金属線、例えば、タングステン線、モリブ
デン線、ジルコニウム線を使い、この金属線の表面に、
上記したセラミックの微小粉末を均一な厚さで塗布し、
焼結する。このようにして作られた線は、セラミック線
と等価であり、使用しても差し支えない。
【0026】セラミック心線は、陰極の加熱時でも、垂
れ下がったり、断線しない太さでなければいけない。あ
まり細くなると、陰極の加熱時に断線する。陰極発光ラ
ンプに適したセラミック心線の径は、0.1mmから3
mmの範囲にあり、好ましくは、0.3mmから2m
m、最も好ましくは、1.0±0.5mmの範囲にあ
る。
【0027】線陰極で、均一な熱電子放出を得るには、
線陰極の温度分布が、全線にわたって均一(例えば、操
作温度で±10℃)になっていることが必要である。線
陰極の均一な温度分布は、セラミック心線に、加熱線を
高密度でしかも均一に巻き付ければ得られる。このよう
に密に、かつ一層で巻かれた加熱線に、酸化物陰極の原
料(アルカリ土類の炭酸塩)を塗布する。この炭酸塩
は、真空圧が、10−torr以下である雰囲気で加
熱するとき、酸化物に変る。この酸化物から熱電子が放
出される。酸化物への変換工程は、通常の電子管の陰極
の活性化工程と変らない。このようにして作られた線陰
極の一端を固定し、他の一端は、熱膨張による変位を逃
すために、緩く止められる。図10に、そのような緩や
かな止め具の一例を示す。4−aは、陰極ホルダー、5
は止め金、6は位置決め針、7は位置決め穴である。
【0028】陰極発光用の線陰極は、図11に模式図で
示したように、他の方法によっても作ることができる。
図11の場合、ヒーター10を納めた金属鞘8の表面に
酸化物陰極9を塗布し、金属鞘8を支える複数個の支持
11によって、線陰極を陰極発光ランプ内に据置す
る。金属鞘は、酸化物陰極の最高加熱温度よりも高い融
点を持ち、かつ、酸化物陰極と高温で反応せず、陰極と
しての作用を防げない金属、例えば、ニッケル(N
i)、ニッケル合金その他の金属の薄板によって作られ
る。鞘となる薄金属管は、両端を開口のままにして使用
しても良く、また一端を閉じた管でも良い。鞘の中に入
れるヒーターは、タングステン線のようなヒーター線の
巻線によって作られる。この場合、巻線間の電気短絡を
防ぐ目的で、巻線は、アルミナ、マグネシヤ、その他の
高温での電気絶縁体の微粉末の焼結体によって、被覆す
る。酸化物陰極物質は、鞘の全面に被覆しても良く、ま
た、電子銃側の半面だけを被覆しても良い。
【0029】陰極発光ランプに据置する線陰極の長さ
は、ランプ内に作られた蛍光膜の長さ、あるいは、幅と
同じか、僅かに長くする。このように線陰極を配置し、
蛍光膜の下の導電性基板面に陽極電圧を印加するとき、
蛍光膜全体に、線陰極から放射された電子が照射され、
蛍光膜は発光する。既に述べたように、本発明になる線
陰極の幅は広いので、線陰極の単位長さ当りの電子放射
量は多く(例えばmA/cm)、かつ操作時は、陰極は
連続的に熱しられているので、電子放射は連続である。
線陰極から放射された電子は、初速で決められた方向に
向かって直進するので、線陰極から放射された電子は、
蛍光面に向かって拡散されて、蛍光膜全体が、電子によ
って連続的に照射される。このままでも陰極発光ランプ
は発光するが、明るさは高くなく、実用的ではない。陰
極発光ランプを実用準位の輝度に発光させるためには、
線陰極から発した電子を線陰極に平行に集束し、集束し
た電子線を偏向したり電子の放射を制御したりして、蛍
光膜中の各蛍光体粒子に、電子がパルス状で照射されな
ければならない。これらの働きを果す線電子銃をランプ
内に据置することを必要とする。
【0030】本発明になる線電子銃は、次の機能を持ち
合わせている。(1)線陰極からの電子の抽出制御、
(2)線状に抽出された電子の集束と非集束、および
(3)線状で集束された電子の偏向。上記機能を果す目
的で、陰極発光ランプに据置する線電子銃は、線陰極と
複数の電極から構成されるが、その組み合わせには、種
々の可能性がある。図12に、そのような組み合わせの
幾つかの例の断面図を、模式的に示す。図12−Aに、
量も単純な組み合わせを示す。即ち、線電液銃が、銃を
支える基板4、線陰極12、と線陰極からの電子の抽出
と抽出電子の集束の両役を兼務する線電極13から成
る。線電極13は、線陰極の直前に適度の開口間隙がで
きるように配置される。線電極13に、線陰極に対して
負電位(例えば−130V)を印加する時、線陰極から
電子は抽出されない。線陰極に対して、零または零に近
い負電位、および正の電位を線電極13に印加した時、
熱電子は、線陰極から抽出され、蛍光膜下の導電性基板
に印加された陽極電位によって加速され、蛍光膜に照
射される。このように、線電極13によって、線陰極か
らの電子抽出は制御されるが、蛍光膜上の電子分布は貧
弱であり、蛍光膜に輝度ムラが発生する。電子密度分布
は、正電位(例えば150V)を線電極に印加して、過
集束にすれば改善されるが、抽出電子量と電子集束度
が、線電極の電位の変化によって、大きく変るので、蛍
光面の発光に、フリッカーが視感される欠点を持つ。
【0031】上記した欠点は、図12−Bに示したよう
に、電子の抽出と集束を別電極で行うと解決する。即
ち、線電極13には、パルス状電位を加えて、電子の抽
出制御だけを行わせ、線電極14には、高い正電位を加
えて、抽出電子の過集束をさせれば良い。線電極13と
線陰極12の配位には、精密組み立て技術が必要とさ
れ、電極が長くなると組み立てを困難とする。この困難
は、板状電極15を、図12−Cに示すように、線陰極
12の直下の線電子銃基板上に作ることによって解決す
る。線陰極12からの電子抽出は、板状電極15の電位
によって制御できる。線陰極が太くて、板状電極15の
電位によって、電子抽出制御ができない場合、板状電極
を、図12−Dに示したように両端を曲げ、開口を持っ
た簡電極16で線陰極12を部分的に囲むと良い。
【0032】量も好ましい電極配位を、図12−Eに示
す。線電子銃からの電子の流れは、筒電極16によって
制御され、線陰極から抽出された電子は、線電極13と
14により形成した安定電子レンズによって、過集束す
れば、電子密度分布の揺らぎは防がれるので、蛍光膜は
均一に発光する。図12に示したいずれの電極配位も陰
極発光ランプに使えるが、得られるランプの特性と生産
原価は、選択した電極の組み合わせによって変る。図1
3は、組み立ての比較的容易な電極群(図12−BとC
の合成)からなる線電子銃の模式的断面図と平面図を示
す。図12と図13に示した電極群は、厚さが5mm以
下の線電極14を除けば、各電極は厚さが2mm以下の
金属板によってできているので、線電子銃の深度は15
mm以下に組み立てられる。従って、薄い陰極発光ラン
プが、線電子銃の使用によって組み立てられる。以下の
陰極発光ランプの説明は、説明を単純化して分り易くす
る目的で、図12−Cと図13に示した線電子銃を用い
て説明するが、陰極発光ランプに使用できる線電子銃
は、この例だけに限定されないことを明記しておく。
【0033】図13に示した線電子銃からの電子は、線
電子銃の長さ方向に対して、垂直方向に向かって非集束
状態にして、広くかつ均一な電子分布にして、蛍光膜に
照射する。蛍光膜上にて拡がる電子の拡散幅は、(1)
過集束角度と(2)線電子銃と蛍光膜間の距離によって
決まる。電子の拡散角度は、線電極13と14に印加さ
れる電圧によって変り、拡散角度は、電圧の増加に従っ
て増える。電子の拡散幅は、線電子銃と蛍光膜間の距離
が増えるとき増加する。それ故に、薄い陰極発光ランプ
(例えば3cm)を作るには、高角度の拡散電子を必要
とし、厚いランプは、低角度拡散で作られる。このこと
は、利用される目的によって、任意の厚さの陰極発光ラ
ンプを作れることを示し、また、ランプの面積は、線電
子銃の長さを変えることによって、自由に変えられる。
【0034】図14−Aは、蛍光膜と線電子銃から成る
陰極発光ランプの断面図の一例を示す。蛍光膜18は、
光学的に蛍光に対して透明な導電性基板19上に形成さ
れた導電性薄膜の上に形成され、陽極覧圧(例えば2K
V)は、導電性薄膜に印加される。陰影をつけた部分
は、電子シャワーを示す。図14−Bに側面図を示す。
このランプにて、板状電極15に図14−Cに示したパ
ルス電圧を印加するとき、蛍光膜からは、図14−Cに
示した波形の陰極発光が検出される。蛍光膜の発光強度
は、単位面積当りに照射される電子のエネルギーと電子
の数によって決まる。例えば、線陰極から抽出される電
子の量が、単位長さ当り5mA/cmの場合、200f
tLの輝度を得る。
【0035】大きな蛍光膜を持った陰極発光ランプの場
合、ランプは複数個の線電子銃を持つことができる。図
15に、4つの線電子銃を持った陰極発光ランプの例を
示す。この場合、線電極13は直列又は並列に接続さ
れ、更に板状電極15も直列又は並列に接続すれば、各
電子銃の操作は、同期するので蛍光膜からは、発光の位
相差に原因したフリッカーは発生しない。
【0036】陰極発光ランプを実用的に使用する時、ラ
ンプの出力である発光強度だけでなく、電力の消費効率
が問題となる。消費効率の高いことが望まれる。図14
と図15に示した陰極発光ランプで、電力を大量に消費
している所は、蛍光膜の発光の所ではなく、実に、陰極
の加熱電力である。従って、陰極から放出される熱電子
を最大限に利用すると、陰極発光ランプの効率は、顕著
に改善できる。図14−Dに示したように、蛍光体スク
リーンに照射される電子は、パルスであり、パルス幅は
蛍光体の加熱を予防する目的で、パルスの一周期の長さ
Tに比して、非常に短く(即ち《(T)取ってある。こ
のことは、T−tの長い間、蛍光膜に電子銃からの電子
が照射されていないことを示す。言葉を代えれば、T−
tの間は、陰極から放出された電子が利用されず、陰極
周辺に止まっていることを示す。このように、非常に大
量の熱電子が陰極から放出されているのに、利用されず
に、無駄になっている。消費電力効率を向上させるに
は、この無駄に浪費されている熱電子の発光への利用を
考えるべきである。だが、蛍光膜中の蛍光体粒子は、パ
ルス幅を長くすると、加熱されてしまい、発光効率を著
しく低下するので、パルス幅の変化による電力消費効率
を変えられない。
【0037】もし、線陰極から発した電子を、線状のま
まで集束でき、この線集束された電子を電子銃の長径方
向に対して垂直に繰り返し偏向できたとすれば、この偏
向線状電子によって蛍光膜を繰り返し照射できるので、
陰極から放射された熱電子は常時使用されるので、ラン
プの消費電力効率は著しく改善される。そればかりでは
ない。陰極から発した電子は全て利用されるので、単位
時間当りに蛍光膜全体に与えられた電子エネルギーは著
しく増加する。そして、蛍光膜の発光強度は、単位時間
当りに与えられたエネルギー量に比例するので、発光強
度も著しく増加する。
【0038】陰極発光ランプの場合、集束した電子線の
線幅は、それ程に重要ではなく、1mmでも3mmでも
良い。問題となるのは、蛍光体粒子の電子照射による加
熱である。これは線幅と、走査の繰り返し周波数に大き
く依存するが、その条件は、使用する蛍光体の種類によ
って変る。それ故、最適条件は、個々の蛍光膜で決める
のが良い。線陰極から放出された電子の集束は、図12
に示した線電極13と14に、適当な電圧を印加すると
できる。走査は、線電極14にサイン波又は適した交流
波形を印加して行う。図16に、図12−Aに示した線
電子銃を、陰極発光ランプの内部の一端の壁に据置し、
蛍光面上に集束した線電子を走査した例を模式図で示し
た。図17は、図12−Bの線電子銃を据置して、走査
によるムラをより少なくした陰極発光ランプの模式図で
ある。図16と図17の中の21、22は、ランプ内の
蛍光膜中で発光し、ランプ内に進んだ光を反射させて、
蛍光膜から取り出す目的で設置した反射膜である。反射
の材料としては、アルミニウム(Al)、銀(Ag)
の蒸着膜、又はクローム(Cr)の蒸着膜が使われる。
このようにランプ内壁面に、鏡面となる金属薄膜を設置
すると蛍光面からの光出力は増加する。更に、これらの
金属薄膜に、陽極電位を印加すると、ランプ内の電界
は、一様な陽極電界となり、電子の走査が容易になる。
この場合、線陰極の下に作られた反射膜22だけは、陰
極と同電位でなければならないのは、勿論である。
【0039】図12−Bの線電子銃を据置した図17の
陰極発光ランプで、電子の走査による問題の全てを解決
した訳でもない。最も良い線電子銃の構成は、熱電子抽
出、電子の集束、および、電子の偏向用の電極を別々に
した銃である。図18に、このように改良された模式的
断面図を示す。即ち、電子銃は、線陰極12、熱電子を
抽出する線電極13、熱電子を集束する線電極14およ
び偏向電極23から成る。陰極発光ランプは、図12と
図18に示したいずれの電極を用いても作ることができ
るが、出来上がったランプの特性と製造単価は異なる。
どの電子銃で作るかは、使用の方から要求される特性
と、製造単価に依存して決まる。
【0040】陰極発光ランプ中での線電子銃の設置場所
は、ランプ内の特定位置に限定されず、蛍光膜に電子が
照射できるどこにでも設置できる。また、一個のランプ
内に、任意の数の線電子銃を設置することができる。図
19に、幾つかの線電子銃の設置例を示す。図19−A
は、2個の線電子銃を陰極発光ランプの両端に据置した
例を示す。線電子銃を蛍光膜に対して、直角に配置せ
ず、傾けることによって電子の蛍光膜への照射効率を上
げることができる。この場合、蛍光膜18は、光学的に
蛍光に対して透明な(可視光に対して透明な導電性薄膜
を付着した)導電性基板19上に塗布されている。その
他の内壁面は、光の反射膜21と22によって覆われて
いる。この蛍光膜は、両端に据置された線電子銃からの
電子によって満遍なく繰り返し照射されて発光する。発
光した光は、蛍光膜が塗布された側から、陰極発光ラン
プの外側に取り出される。図19−Bは、蛍光膜を、陰
極発光ランプの両内壁平面に塗布し、陰極発光ランプの
両端内壁に据置した線電子銃を用いて、上記両蛍光膜に
電子を満遍なく、繰り返し照射する。蛍光体の発光面積
は、図19−Aの場合の倍になるので、陰極発光ランプ
からの発光出力は増加する。図19−Cは、蛍光膜を
射膜21上に塗布し、両端に据置した線電子銃からの電
子を満遍なく繰り返し照射する。発光した光は、蛍光体
の塗布されていないもう一つの平面から、陰極発光ラン
プ外に取り出す。この例の場合、蛍光膜を厚くできる利
点がある。図19−Dは、4個の線電子銃を、蛍光膜の
塗布された平面とは反対側の内壁面に据置した例を示
す。この場合、各電子銃からの電子の蛍光面上での重な
りによる発光強度のむらを防ぐ目的で、各電子銃の線電
極14を並列に接続すると良い。このように接続する
と、各線電子銃からの電子は、同期して同じ方向で走査
するので、走査の重なりは発生せず、従って、発光むら
は発生しない。本発明になる陰極発光ランプの線電子銃
の据置方法は、図19に例示した配置だけに限定されな
いのは、勿論である。
【0041】任意の長さの陰極発光ランプを作ることが
可能であるので、ランプの長さは、応用の方から決めら
れるか、製造設備から制約を受ける。長い陰極発光ラン
プの場合線陰極だけが、ランプ内の空間に懸けられるの
で、線陰極を電子銃内の所定の位置に、精密に懸垂する
方法が問題となる。これは、線陰極を支持腕によって適
当な間隔毎に支えることによって解決する。陰極発光ラ
ンプの幅は、ガラス板の真空耐圧によって決まってく
る。幅の広いランプには厚いガラス板が要求され、重量
が増える。重量をあまり増やさずにランプの幅を拡げる
方法として、平板ガラスを用いずに曲率をもったガラス
板を使うことができる。図20に、そのような陰極発光
ランプの断面図を模式的に示す。蛍光膜は、一方のガラ
ス板上に塗布し、他方のガラス板上には、電子銃を配置
する。この配置では、ランプの光出力は、蛍光膜の塗布
面側から取り出される。
【0042】本発明になる陰極発光ランプの特徴を、ラ
ンプの応用分野を考える上で明確化させるために、例記
すると次のようになる。(1)面光源、(2)厚さの薄
い光源、(3)太陽光に近い発光色を持った光源、
(4)蛍光体の選択によって、単色や混色も可能、
(5)高いエネルギー変換効率、(6)高出力光源、
(7)拡散面光源、(8)ランプサイズの任意性、
(9)常温での動作、(10)熱放射の少ない光源、
(11)長寿命、(12)耐振構造、(13)任意の発
光強度に変えられる、(14)ビデオ信号に応答しての
減光と点滅が可能、(15)蛍光放電灯や電球との互換
性、(16)低製造コスト、(17)無公害材料、(1
8)取り扱いの容易性。これらの特徴によって、陰極発
光ランプは照明光源として使用できるだけでなく、映像
表示装置への応用もできる。
【0043】照明光源としての利用では、陰極発光ラン
プの蛍光膜の平均輝度が問題となり、蛍光膜内での個々
の蛍光体粒子の瞬時の発光は、問題とならない。従っ
て、電子の集束は密であっても粗であっても良い。陰極
発光ランプは、2つの平面を持った薄いパネルで作られ
ており、発光した光は、蛍光膜を塗布したガラス面の方
から取り出すので、拡散光からなる平面光源となる。こ
の拡散平面光源パネルを、一般家庭の室や事務所の照明
光源として利用する場合、陰極発光ランプのパネルを壁
面又は天井に並べて使う方法が適している。本発明にな
る陰極発光パネルは、面光源としてだけでなく、既設の
照明ランプと互換しても使える。互換性を持たせるに
は、陰極発光ランプの両平面が発光する構造の方が良
く、更に、ランプは通常電球と同じソケットを具備した
方が良い。そのような互換性を持った陰極発光ランプの
一例を、図21に模式図で示す。図中の25は、通常電
球と同じソケットである。他の数字は、以前の図面の数
字に対応している。
【0044】厚さの薄い陰極発光ランプは、液晶表示装
置(LCD)の背面光源として、最適な光源である。L
CDの背面光源として使用する場合、面平均輝度より
も、蛍光面内の蛍光体粒子の瞬時発光輝度が重要な働き
をする。走査された集束電子ビームによる蛍光体粒子の
瞬時発光輝度は、面輝度の100倍以上の強度である。
それ故、LCDのアドレス点と、陰極発光ランプの蛍光
面のアドレス点を同期させた場合、LCDのアドレス点
からは高輝度の光が現われる。同期が外れた場合、通常
の拡散光となってしまい、LCDの輝度は、同期の取れ
た場合の1/100以下と低くなるから注意を要する。
図19に例示した陰極発光ランプが、LCDの背景ラン
プとして使えるだろう。
【0045】本発明になる陰極線ランプは、単色又はカ
ラーの大型表示装置を構成する一要素(ピクセル)とし
て使うことができる。表示装置は、多数の要素をx−y
マトリクスに配列し、発光する要素をx−yアドレシン
グして、映像を表示する。図22は、単色表示装置の一
要素となる陰極発光ランプの模式図である。本発明にな
る陰極ランプを用いた場合、蛍光膜は、ランプ全面に作
られているので、表示装置内での蛍光膜の発光面積は著
しく増加する。更に、ランプ内の蛍光体粒子は、鋭く集
束された高密度電子で、繰り返し照射されているので、
蛍光膜の輝度は高い。ビデオ映像を表示装置上に表示す
るには、各要素ランプ内の線陰極12の下に配置した
状電極15に、ビデオ信号を印加して行けば良い。板状
電極15は、図12−Dに示した開口を持った筒電極
よっても良い。本発明になる陰極発光ランプを使用した
時に、大型表示装置に次の利点がある。(1)各要素の
蛍光膜の輝度は高い。(2)表示装置内で占める蛍光膜
の占有率が高い。(3)長寿命、(4)低消資電力、
(5)低製造コスト、(6)低動作コスト。最終表示装
置内での蛍光膜の占有面積の増加は、(1)ランプの一
平面が蛍光膜で覆われている、(2)ランプを構成する
側面ガラスの厚みがない(2mm以下)。従って、2つ
のランプの配列によってできる蛍光膜のギャップは5m
m以下にできる。更に、蛍光膜の発光を透過光モードで
観察するので、膜の視野角が広い。
【0046】1個の陰極発光ランプ内に複数の同色又は
異色の蛍光膜を作ることができる。図23は、各蛍光膜
が、黒色炭素によって作られた黒色マトリクス24によ
って分離された蛍光膜を示す。このように、1つのラン
プ内に入れると、蛍光膜間の間隙は、1mm以下となる
ので、蛍光膜の占有率は更に増える。複数の蛍光膜を含
んだランプの場合、ランプは、蛍光膜の数と同数の線電
子銃をもち、各線電子銃は、対応を持った蛍光膜だけに
ついて働く。従って、線電極14の電位は、1個の蛍光
膜の幅だけを走査するように設定する。線電子銃の長さ
は、蛍光膜の長さと同じ(又は僅かに長く)する。この
ように配置された線電子銃の各線電極の電位を制御する
ことにより、各蛍光膜の発光が制御できるので、表示装
置の一要素として使える。更に、このランプにおいて、
蛍光膜を赤、緑、青と3色の異なった蛍光体を用いて塗
布した場合、一組のカラー要素から成る一個のランプが
得られる。これをx−y配列すると、カラー表示装置が
得られる。
【0047】一つの線電子銃に含まれている1本の線陰
極からの電子抽出を、m個の独立区分に分割し、抽出を
それぞれの区分で独立にできると、一個の線電子銃でカ
バーされる蛍光膜の発光を、m個の異なった方法で発光
させることができる。これは、線陰極12の下に置かれ
板状電極26をm個に分割し、そのm区分のそれぞれ
が、固有の外部電極を持つようにすればできる。即ち、
1本の線電子銃を用いて、m個の異なった蛍光膜を発光
させることができる。n本の線電子銃を用いれば、m×
n個の独立に発光する蛍光膜を、1個の陰極発光ランプ
内に作ることができる。図24に、m×n個の独立に発
光する蛍光膜の例を図解する。各蛍光膜の区分間は、黒
色マトリクス24によって分離してある。このようにし
てできたm×n個の独立発光する蛍光膜を持った陰極発
光ランプは、そのままでも低濃度の情報表示装置として
も使われるが、大きな表示装置の1セグメントとして使
用すると、映し出される像の解像力が向上するだけでな
く、輝度も向上するので、その特徴が発揮される。独立
に発光する蛍光膜は、単色に発光する蛍光体によって作
られても良く、またカラー蛍光体を塗布して、カラー表
示しても差し支えない。
【0048】
【発明の効果】本発明になる陰極発光ランプの詳細につ
いて、添付図面を参照しながら説明した。上述の説明に
て明らかなように、本発明になる陰極発光ランプは、照
明光源として、高いルーメン効率を持った全く新規な光
源を照明界に提供するだけでなく、大型表示装置とし
て、単色又はカラーの一要素としても使えるので、情報
産業の発達にも大きく寄与するので、産業の発達に対す
る貢献は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、電気導体基板上に作られた蛍光膜(曲
線A)と絶縁基板上に作られた蛍光膜(曲線B)にて得
られる発光強度の電圧依存特性の相違。
【図2】図2は、蛍光体粒子表面が清浄な時の発光強度
の電圧依存特性。
【図3】図3は、2種類の蛍光膜の発光強度の照射電子
流依存特性で、曲線Aは直線性蛍光体を、曲線Bは非直
接性蛍光体を示す。測定は、TV条件で走査した電子を
5×5cmの蛍光面に照射して作った。
【図4】図4は、電子の照射によって発生する陰極発光
強度の変化を示す曲線で、曲線Aの部分は、立ち上がり
を、Bの部分は減衰を示している。
【図5】図5は、電子線照射時間に依存した陰極発光輝
度の変化を説明する図で、図中の数字5、13、28
は、t、t、tまでの電子照射による輝度変化を
示す。
【図6】図6は、蛍光膜に照射する電子ビームのパルス
幅による蛍光体粒子の温度上昇を示す図で、曲線Aは、
長パルス幅で、曲線Bは短いパルス幅である。
【図7】図7は、パルス化した電子を繰り返し蛍光膜に
照射した時の陰極発光強度の変化。
【図8】図8は、2つの異なったパルス幅を持った電子
流を、連続的に照射した場合の陰極発光の変化を示す図
で、曲線Aは短パルスによって、曲線Bは長パルスで得
たもの。
【図9】図9は、線陰極の図解で、1は線陰極の中心と
なるセラミック線、2はセラミック線に巻かれた金属ヒ
ーター線、3は金属ヒーター線上に塗布した陰極物質。
【図10】図10は、陰極ホルダー4−a上に線陰極を
取り付けるための器具で、5は止め金、6は位置決め
針、7は位置決め穴。
【図11】図11は、線陰極の構成を示す模式図で、8
金属鞘であり、この鞘の上に陰極酸化物9が塗布さ
れ、ヒーター10は鞘の中に納められ、鞘は支持腕11
によって陰極支持台に据置けられる。
【図12】図12は、種々の線電子銃の断面図を示す図
で、4は線電子銃の支持台、12は線陰極、線電極13
は、図12のAからEまで共通の電極で、14は集束と
偏向の両役を果す線電極、15は線陰極の下に置かれ、
陰極からの電子の抽出を制御する板状電極、16は開口
を持った筒電極で、電子の抽出制御電極。
【図13】図13は、図12−Eに示した電子銃の断面
図と側面図。
【図14】図14は、陰極発光ランプ17の断面図と側
面図で、18は蛍光膜、19は導電性基板
【図15】図15は、4つの線電子銃を据置した陰極発
光ランプの断面図。
【図16】図16は、集束された電子ビームの偏向を示
す断面図で、陰極発光ランプの内蛍光膜の無い内壁面
は、光学的な反射膜22が塗布されている。
【図17】図17は、鋭く集束された電子ビームの偏向
によって発光する陰極発光ランプの断面図。
【図18】図18は、鋭く集束された電子ビームを、
向電極23によって偏向する電子銃の断面図。
【図19】図19は、集束された電子ビームを偏向させ
ながら、蛍光膜に照射できる線電子銃の種々の方法の模
式図。
【図20】図20は、ガラス板に加えられる真空圧によ
る歪みを減少させた陰極発光ランプの例示図。
【図21】図21は、ソケット25を付けて、電球と互
換性を持った陰極発光ランプ。
【図22】図22は、大きな表示装置の一要素として使
える陰極発光ランプの断面図。
【図23】図23は、3つの異なった蛍光膜とそれに対
応した3つの線電子銃を内蔵した陰極発光ランプの断面
図(A)と平面図(B)で、18a、18b、18cは
異なった蛍光膜、24は炭素粉で作られた黒色マトリク
ス。
【図24】図24は、m×n個の独立して発光する蛍光
膜を内蔵した陰極発光ランプの説明図。
【符号の鋭明】
1 セラミック線 2 金属ヒーター線 3 陰極物質 4 基板 4−a 陰極ホルダー 5 止め金 6 位償決め針 7 位置決め穴 8 金属鞘 9 酸化物陰極 10 ヒーター 11 支持腕 12 線陰極 13 線電極 14 線電極 15 板状電極 16 筒電極 17 陰極発光ランプ 18 蛍光膜 18a 蛍光膜 18b 蛍光膜 18c 蛍光膜 19 導電性基板 21 反射膜 22 反射膜 23 偏向電極 24 黒色マトリクス 25 ソケット 26 板状電極

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱電子を放出する線陰極と、
    熱電子を線状陰極から抽出し、抽出電子を線状に集束
    し、更に集束した電子を線陰極と直角方向に変更する線
    電極から構成される線電子銃と、光学的に透明な基板の
    上に作られた可視光を透過し、かつ導電性を持った膜上
    に、蛍光体粒子によって作られた蛍光膜と線電子銃から
    の電子を加速できる陽極電圧を印加できる蛍光膜の下に
    作られた前記導電膜からなる陽極とで構成される陰極発
    光ランプにおいて、線陰極が、セラミック線または融点
    の高い金属線の表面にセラミックの微少粉末を均一な厚
    さで塗布して焼結した線に電気抵抗線(ヒーター線)を
    巻きその上に酸化物陰極物質を塗布した線陰極であるこ
    とを特徴とする陰極発光ランプ。
  2. 【請求項2】 セラミック線または融点の高い金属線の
    表面にセラミックの微少粉末を均一な厚さで塗布して焼
    結した線は、軟化点がヒーター線の加熱温度以上の材料
    で作られ、直径が0.1mm乃至3mmであることを特
    徴とする請求項1記載の陰極発光ランプ。
JP3112377A 1991-03-06 1991-04-16 陰極発光ランプ Expired - Fee Related JP2787513B2 (ja)

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