JP2786693B2 - マスクの製造方法 - Google Patents

マスクの製造方法

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JP2786693B2
JP2786693B2 JP25722689A JP25722689A JP2786693B2 JP 2786693 B2 JP2786693 B2 JP 2786693B2 JP 25722689 A JP25722689 A JP 25722689A JP 25722689 A JP25722689 A JP 25722689A JP 2786693 B2 JP2786693 B2 JP 2786693B2
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    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/26Phase shift masks [PSM]; PSM blanks; Preparation thereof
    • G03F1/29Rim PSM or outrigger PSM; Preparation thereof

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フォトリソグラフィで用いるマスクおよび
その製造技術に関し、特に、半導体集積回路装置の製造
に用いるマスクに適用して有効な技術に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年、半導体集積回路装置においては、回路を構成す
る素子や配線の微細化、並びに素子間隔や配線間隔の狭
小化が進められている。
しかし、素子や配線の微小化、並びに素子間隔や配線
間隔の狭小化に伴って、コヒーレント光によってウエハ
上に集積回路パターンを転写するマスクのパターン転写
精度の低下が問題となりつつある。
これを第24図(a)〜(d)により説明すると以下の
とおりである。
すなわち、第24図(a)に示すマスク50に形成された
所定の集積回路パターンを投影露光法等によりウエハ
(図示せず)上に転写する際、遮光領域Nを挟む一対の
透過領域P1,P2の各々を透過した光の位相は、第24図
(b)に示すように同相であるため、これらの干渉光が
第24図(c)に示すように、上記した一対の透過領域
P1,P2に挟まれた遮光領域Nにおいて強め合ってしま
う。この結果、第24図(d)に示すように、ウエハ上に
おける投影像のコントラストが低下する上、焦点深度が
浅くなり、マスクのパターン転写精度が大幅に低下して
しまう。
このような問題を改善する手段として、マスクを透過
する光の位相を操作することによって投影像の分解能お
よびコントラストを向上させる位相シフト・リソグラフ
ィ技術が開発されている。位相シフト・リソグラフィ技
術については、例えば特公昭62−59296号公報および特
開昭62−67514号公報に記載がある。
上記特公昭62−59296号公報には、遮光領域と透過領
域とを備えたマスクにおいて、遮光領域を挟む一対の透
過領域の少なくとも一方に透明材料を設け、露光の際に
各々の透過領域を透過した光の間に位相差を生じさせ
て、これらの光がウエハ上の本来遮光領域となる領域に
おいて干渉して弱め合うようにしたマスク構造について
説明されている。
このようなマスクにおける透過光の作用を第25図
(a)〜(d)により説明すると以下のとおりである。
すなわち、第25図(a)に示すマスク51に形成された
所定の集積回路パターンを投影露光法等によりウエハ
(図示せず)上に転写する際、遮光領域Nを挟む一対の
透過領域P1,P2のうち、透明材料52の設けられた透過領
域P2を透過した光の位相と、通常の透過領域P1を透過し
た光の位相との間には、第25図(b),(c)に示すよ
うに180度の位相差が生じている。したがって、一対の
透過領域P1,P2を透過した光が、これら透過領域P1,P2
挟まれた遮光領域Nにおいて干渉して打ち消し合うた
め、第25図(d)に示すように、ウエハ上における投影
像のコントラストが改善され、解像度および焦点深度が
向上し、マスク51のパターン転写精度が良好となる。
また、上記特開昭62−67514号公報には、遮光膜によ
って形成された遮光領域と遮光膜が除去されて形成され
た透過領域とを備えたマスクにおいて、遮光膜にその一
部を除去して微細な開口パターンを形成するとともに、
透過領域か、あるいは開口パターンのどちらか一方に位
相シフト層を設け、透過領域を透過した光と開口パター
ンを透過した光との間に位相差を生じさせて透過領域を
透過した光の振幅分布が横方向に広がらないようにした
マスク構造について説明されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記特公昭62−59296号公報に記載された
従来技術には、以下の問題があることを本発明者は見出
した。
すなわち、一対の透過領域を透過した光の間に位相差
を生じさせる上記従来技術においては、パターンが一次
元的に単純に繰り返し配置されている場合には、透明材
料の配置に問題はないが、パターンが実際の集積回路パ
ターンのように複雑な場合、透明材料の配置が不可能と
なる場合が生じ、部分的に充分な解像度が得られない箇
所が発生するという問題がある。
例えば第26図に示すような集積回路パターン53がある
場合、透過領域P2に透明材料を設ければ、確かに、遮光
領域N1,N2の解像度は向上する。しかし、遮光領域N3
解像度を向上させるために透過領域P1に透明材料を配置
すると、透過領域P1,P2を透過した光が同相となってし
まい、遮光領域N2の解像度が低下してしまう。また、遮
光領域N3の解像度を向上させるため、透過領域P3のよう
な透過パターンに透明材料を配置するには、透明材料を
透過領域P3の一部分に配置すればよいが、そのようにす
ると同一の透過領域P3内を透過した光において位相の反
転が生じ、ウエハ上に不要なパターンが形成されてしま
う。したがって、遮光領域N3の解像度を向上させること
が不可能となる。
また、パターンが実際の集積回路パターンのように複
雑な場合、上記したように透明材料の配置に制約が生じ
るため、透明材料のパターンデータを自動的に作成する
ことは困難である。したがって、従来は、光の位相シフ
ト手段を備えるマスクの製造に際して、透明材料のパタ
ーンを上記した配置の制約を考慮しながら特別に作成し
なければならず、マスクの製造に多大な時間と労力とを
要してしまう問題がある。
一方、遮光領域に開口パターンを形成し、開口パター
ンを透過した光と透過領域を透過した光との間に位相差
を生じさせる特開昭62−67514号公報の技術においては
上記公報と同様、パターンが集積回路パターンのように
複雑で、かつ微細な場合、開口パターンの配置が困難と
なる。例えば遮光領域パターン幅が細くなると、開口パ
ターンの配置が困難となってしまう問題がある。
また、この従来技術においては、透過領域の微細化に
伴い透過領域の隅部の光強度が低下することについて充
分な考慮がなされておらず、投影されたパターン像の隅
部が丸みを帯びてしまう問題がある。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、そ
の目的は、マスクに形成されたパターンの転写精度を向
上させることのできる技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、光の位相をシフトさせる手段を
備えるマスクの製造時間を短縮させることのできる技術
を提供することにある。
本発明の他の目的は、投影像の各辺のみならず、隅部
の解像度も向上させることのできる技術を提供すること
にある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、
明細書の記述および添付図面から明らかになるであろ
う。
〔課題を解決するための手段〕
本願において開示される発明のうち、代表的なものの
概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明のマスクの製造方法は、光が透過する透過領域
と、前記透過領域の内周部に形成された位相シフト部
と、前記透過領域を囲むように形成された遮光領域とを
備え、 前記透過領域のうち、前記位相シフト部を透過した光
と、前記位相シフト部が形成されていない透過領域を透
過した光との間に位相差を生じさせ、その光の干渉光が
前記透過領域と前記遮光領域との境界部において弱め合
う構造を有するマスクの製造方法であって、 前記位相シフト部のパターンデータを、前記透過領域
のパターンデータと、前記遮光領域のパターンを拡大し
て得られたパターンデータとの論理積によって自動的に
作成する工程を有するものである。
また、本発明のマスクの製造方法は、光が透過する透
過領域と、前記透過領域の中央部に形成された位相シフ
ト部と、前記透過領域を囲むように形成された遮光領域
とを備え、 前記透過領域のうち、前記位相シフト部を透過した光
と、前記位相シフト部が形成されていない透過領域を透
過した光との間に位相差を生じさせ、その光の干渉光が
前記透過領域と前記遮光領域との境界部において弱め合
う構造を有するマスクの製造方法であって、 前記位相シフト部のパターンデータを、前記透過領域
のパターンデータを縮小することによって自動的に作成
する工程を有するものである。
〔作用〕
上記した本発明のマスクの製造方法によれば、位相シ
フト部のパターンデータを、マスク上の遮光領域および
透過領域のパターンデータとは全く別に作成するのでは
なく、その遮光領域および透過領域のパターンデータに
基づいて自動的に作成することができるので、位相シフ
ト部のパターンデータを容易に作成することができ、か
つ、その作成時間を大幅に短縮することが可能となる。
したがって、位相シフト部を有するマスクの製造時間を
大幅に短縮することが可能となる。
〔実施例1〕 第1図は本発明の一実施例であるマスクの要部断面
図、第2図(a)〜(c)はこのマスクの製造工程を示
すマスクの要部断面図、第3図(a)は第1図に示した
マスクの露光状態を示す断面図、第3図(b)〜(d)
はこのマスクの透過領域を透過した光の振幅および強度
を示す説明図である。
第1図に示す本実施例1のマスク1aは、例えば半導体
集積回路装置の所定の製造工程で用いられるレチクルで
ある。なお、本実施例1のマスク1aには、例えば実寸の
5倍の集積回路パターンの原画が形成されている。
マスク1aを構成する透明なマスク基板(以下、単に基
板という)2は、例えば屈折率1.47の合成石英ガラス等
からなる。基板2の主面上には、例えば厚さ500〜3000
Å程の金属層3が所定の形状にパターン形成されてい
る。
金属層3は、例えばCr膜から構成されており、露光に
際しては遮光領域Aとなる。なお、金属層3は、Cr層の
上層に酸化クロムを積層した積層構造としても良い。
また、金属層3が除去されている部分は、露光に際し
て透過領域Bとなる。そして、マスク1a上に形成された
集積回路パターンの原画は、遮光領域Aと透過領域Bと
によって構成されている。
本実施例1のマスク1aにおいては、上記した金属層3
のパターン幅よりも僅かに幅広にパターン形成された透
明膜4aが、その一部を金属層3の輪郭部から透過領域B
にはみ出させた状態でマスク1a上に配置されている。し
たがって、一つの透過領域Bは、透明膜4aに被覆された
領域と透明膜4aに被覆されていない領域とから構成され
ている。
透明膜4aは、例えば酸化インジウム(InOx)からな
る。透明膜4aの材料には、透過率が基板2に対して充分
高く(少なくとも90%以上必要)、かつ基板2との接着
性の高い材料が選択されている。透明膜4aのはみ出した
部分の幅は、例えば透過率領域Bのパターン幅を2μm
程とすると、0.5μm程である。透明膜4aは、透明膜4a
の基板2の主面からの厚さをX1、透明膜4aの屈折率を
n1、露光の際に照射される光の波長をλとすると、X1
λ/〔2(n1−1)〕の関係を満たすように形成されて
いる。これは露光の際、一つの透過領域Bを透過した光
のうち、透明膜4aを透過した光と、通常の透過領域Bを
透過した光との間に180度の位相差を生じさせるためで
ある。例えば露光の際に照射される光の波長λを0.365
μm(i線)、透明膜4aの屈折率nを1.5とした場合に
は、透明膜4aの基板2の主面からの厚さX1は、0.37μm
程にすれば良い。なお、図示はしないが、マスク1aに
は、例えば透明膜4aを形成する際、金属層3との位置合
わせをするための位置合わせマークが形成されている。
次に、本実施例1のマスク1aの製造方法を第2図
(a)〜(c)により説明する。
まず、合成石英ガラス等からなる透明な基板2の表面
を研磨、洗浄した後、第2図(a)に示すように、その
主面上に、例えば厚さ500〜3000Å程のCr等からなる金
属層3をスパッタリング法等により形成する。次いで、
この金属層3の上面に、例えば0.4〜0.8μmのフォトレ
ジスト(以下、レジストという)5aを塗布する。続い
て、レジスト5aをプリベークした後、図示しない磁気テ
ープ等に予めコード化された半導体集積回路装置の集積
回路パターンデータに基づいて電子線露光方式等により
レジスト5aの所定部分に電子線Eを照射する。なお、集
積回路パターンデータには、パターンの位置座標や形状
等が記録されている。
次いで、第2図(b)に示すように、例えばレジスト
5aの露光部分を所定の現像液により除去した後、露光し
た金属層3をドライエッチング法等によりエッチング除
去して所定の形状にパターン形成する。
続いて、レジスト5aをレジスト剥離液により除去し、
基板2を洗浄、検査した後、第2図(c)に示すよう
に、基板2の主面上に酸化インジウム(InOx)等からな
る透明膜4aをスパッタリング法等により被着する。この
際、透明膜4aの基板2の主面からの厚さX1は、例えば0.
37μm程である。
その後、透明膜4aの上面に、例えば0.4〜0.8μmのレ
ジスト5bを塗布し、さらにその上面に、例えば厚さ0.05
μmのアルミニウム(Al)からなる帯電防止層6をスパ
ッタリング法等により形成する。
次いで、透明膜4aのパターンデータに基づいて電子線
露光方式等によりレジスト5bに透明膜4aのパターンを転
写する。
透明膜4aのパターンデータは、上記した集積回路パタ
ーンデータの遮光領域Aまたは透過領域Bのパターン幅
を拡大または縮小して自動的に作成する。例えば本実施
例1においては、遮光領域Aのパターン幅を、例えば0.
5〜2.0μm程太らせることにより、透明膜4aのパターン
データを自動的に作成するようになっている。
その後、現像、透明膜4aの所定部分のエッチング、レ
ジスト5bの除去、さらに洗浄、検査等の工程を経て、第
1図に示したマスク1aが製造される。
このようにして製造されたマスク1aを用いてレジスト
が塗布されたウエハ上にマスク1a上の集積回路パターン
を転写するには、例えば以下のようにする。
すなわち、図示しない縮小投影露光装置にマスク1aお
よびウエハを配置して、マスク1a上の集積回路パターン
の原画を光学的に1/5に縮小してウエハ上に配置すると
ともに、ウエハを順次ステップ状に移動させるたびに、
投影露光を繰り返すことによって、マスク1a上の集積回
路パターンをウエハ全面に転写する。
次に、本実施例1の作用を第3図(a)〜(d)によ
り説明する。
第3図(a)に示す本実施例1のマスク1aにおいて
は、マスク1a上に形成された所定の集積回路パターンの
原画を縮小投影露光法等によりウエハ上に転写する際、
マスク1aの各々の透過領域Bにおいて、透明膜4aを透過
した光と、通常の透過領域Bを透過した光との間に180
度の位相差が生じる(第3図(b),(c))。
ここで、同一の透過領域Bを透過した互いに逆位相の
透過光は、透明膜4aが透過領域Bの周辺に配置されてい
るため、透過領域Bと遮光領域Aとの境界部において弱
め合う。したがって、ウエハ上に投影される像の輪郭部
分のぼけが低減し、投影像のコントラストが大幅に改善
され、解像度および焦点深度が大幅に向上する(第3図
(d))。なお、光強度は、光の振幅の2乗となるた
め、ウエハ上における光振幅の負側の波形は、第3図
(d)に示すように正側に反転される。
このように本実施例1によれば、以下の効果を得るこ
とが可能となる。
(1).露光に際して、各々の透過領域Bを透過した光
のうち、透明膜4aを透過した光と、透明膜4aのない領域
を透過した光との間に180度の位相差が生じ、これらの
光が遮光領域Aと透過領域Bとの境界部において弱め合
うようにしたことにより、ウエハ上に投影される像の輪
郭部分のぼけを低減させることが可能となる。この結
果、投影像のコントラストを大幅に改善することがで
き、解像度および焦点深度を大幅に向上させることが可
能となる。
(2).上記(1)により、露光余裕を広くすることが
可能となる。
(3).一つの透過領域Bの内部で位相差を生じさせる
ため、マスク1a上のパターンが複雑であっても、透明膜
4aの配置に制約が生じることがない。また、遮光領域A
のパターン幅が細くても透明膜4aの配置が困難となるこ
ともない。この結果、マスク1a上に形成されたパターン
が、集積回路パターンのように複雑であり、かつ微細で
あっても、部分的にパターン転写精度が低下することが
なく、マスク1a上に形成されたパターン全体の転写精度
を大幅に向上させることが可能となる。
(4).透明膜4aのパターンデータを遮光領域Aまたは
透過領域Bのパターンデータに基づいて自動的に作成す
ることにより、透明膜4aのパターンデータを短時間で、
かつ容易に作成することができるため、位相シフト・マ
スクの製造時間を大幅に短縮させることが可能となる。
〔実施例2〕 第4図は本発明の他の実施例であるマスクの要部断面
図、第5図(a)は第4図に示したマスクの露光状態を
示す断面図、第5図(b)〜(d)は第4図に示したマ
スクの透過領域を透過した光の振幅および強度を示す説
明図である。
第4図に示す本実施例2のマスク1bにおいては、透明
膜4bが透過領域Bの中央付近に配置されている。
この場合においても、透明膜4bを、その厚さX1が、X1
=λ/〔2(n1−1)〕の関係を満たすように、基板2
上に形成することにより、第5図(a)〜(d)で示す
ように、マスク1bの各々の透過領域B,Bにおいて、透明
膜4bを透過した光と、通常の透過領域Bを透過した光と
の間に180度の位相差が生じ(第5図(b),
(c))、これらの光が透過領域Bとそれに隣接する遮
光領域A,Aとの境界部分において弱め合うことにより、
ウエハ上に投影される像の輪郭部分のぼけを低減するこ
とが可能となる。この結果、投影像のコントラストを大
幅に改善することができ、解像度および焦点深度を大幅
に向上させることが可能となる(第5図(d))。
また、この場合、透明膜4bのパターンデータは、例え
ば集積回路パターンのパターンデータをポジネガ反転さ
せて得られた透過領域Bのパターンを所定寸法幅だけ細
らせることにより自動的に作成すれば良い。
したがって、本実施例2によれば、前記実施例1と同
様の効果を得ることが可能となる。
〔実施例3〕 第6図は本発明の他の実施例であるマスクの要部断面
図、第7図は第6図に示したマスクの要部平面図、第8
図はこのマスクの製造に用いられる集束イオンビーム装
置の構成図、第9図(a),(b)はこのマスクの製造
工程を示すマスクの要部断面図、第10図は位相シフト溝
のパターンデータの作成手順を示すフロー図、第11図
(a)は第6図に示したマスクの露光状態を示す断面
図、第11図(b)〜(d)は第6図に示したマスクの透
過領域を透過した光の振幅および強度を示す説明図であ
る。
以下、本実施例3のマスクを第6図および第7図によ
り説明する。なお、第7図の斜線は遮光領域Aを示して
いる。
本実施例3のマスク1cにおいては、露光の際に透過領
域Bに透過した光に位相差を生じさせる手段として、前
記実施例1の透明膜4aに代えて位相シフト溝7aが基板2
に形成されている。
位相シフト溝7aは、透過領域Bの周辺に配置されてい
る。すなわち、位相シフト溝7aは、金属層3の輪郭部に
沿って配置されている。位相シフト溝7aの幅は、例えば
透過領域Bのパターン幅を2.0μmとすると、0.5μm程
である。そして、位相シフト溝7aは、その深さをd、基
板2の屈折率をn2、露光の際に照射される光の波長をλ
とすると、d=λ/〔2(n2−1〕)の関係を満たすよ
うに形成されている。これは露光の際、各々の透過領域
Bを透過した光のうち、位相シフト溝7aを透過した光の
位相と、通常の透過領域Bを透過した光の位相との間に
180度の位相差を生じるためである。例えば露光の際に
照射される光の波長λを0.365μm(i線)とした場合
には、位相シフト溝7aの深さdは、0.39μm程にすれば
良い。なお、図示はしないがマスク1cには、例えば位相
シフト溝7aを形成する際に金属層3とを位置合わせする
ための位置合わせマークが形成されている。
次に、このマスク1cの製造に用いられる集束イオンビ
ーム装置8を第8図により説明する。
装置本体の上部に設けられらイオン源9の内部には、
図示はしないが、例えばガリウム(Ga)等の溶融液体金
属などが収容されている。イオン源9の下方には、引き
出し電極10が設置されており、その下方には、静電レン
ズにより構成された第1レンズ電極11aおよび第1アパ
ーチャ電極12aが設置されている。アパーチャ電極12aの
下方には、第2レンズ電極11b、第2アパーチャ電極12
b、ビーム照射のON、OFFを制御するブランキング電極1
3、さらに第3アパーチャ電極12cおよび偏向電極14が設
置されている。
このような各電極の構成によって、イオン源9から放
出されたイオンビームは、上記ブランキング電極13およ
び偏向電極14によって制御され、保持器15に保持される
パターン形成前のマスク1cに照射されるようになってい
る。そして、イオンビームは、その走査の際に、例えば
0.02×0.02μmのピクセル単位毎に、ビーム照射時間お
よび走査回数を予め設定することによって、金属層3ま
たは基板2をエッチング加工できる。
保持器15は、X,Y方向に移動可能な試料台16上に設置
されており、試料台16は、傍部に設けられたレーザーミ
ラー17を介してレーザー干渉側長器18によってその位置
認識が行われ、試料台駆動モータ19によってその位置合
わせが行われるようになっている。なお、保持器15の上
方には、二次イオン・二次電子検出器20が設置されてお
り、被加工物からの二次イオンおよび二次電子の発生を
検出できるようになっている。
また、上記した二次イオン・二次電子検出器20の上方
には、電子シャワー放射部21が設置されており、被加工
物の帯電を防止できるようになっている。
以上に説明した処理系内部は、図中、上記した試料台
16の下方に示された真空ポンプ22によって真空状態が維
持される構造となってる。また、上記した各処理系は、
装置本体の外部に設けられた各制御部23〜27によってそ
の作業が制御されており、各制御部23〜27は、さらに各
インターフェイス部28〜32を介して制御コンピュータ33
によって制御される構造となっている。制御コンピュー
タ33は、ターミナル34、データを記録する磁気ディスク
装置35およびMTデッキ36を備えている。
次に、本実施例3のマスク1cの製造方法を第8図、第
9図(a),(b)および第10図により説明する。
まず、第9図(a)に示すように、研磨、洗浄した基
板2の主面に、例えば500〜3000Åの金属層3をスパッ
タリング法等により形成した後、マスク1cを集束イオン
ビーム装置8の保持器15に保持する。
次いで、イオン源9からイオンビームを放出し、この
イオンビームを上記各電極により、例えば0.5μmのビ
ーム径に集束する。この際、1.5μA程度のイオンビー
ム電流が得られる。そして、この集束したイオンビーム
を予めMTデッキ36の磁気テープに記録された集積回路パ
ターンのパターンデータに基づいて金属層3の所定部分
に照射し、金属層3をエッチングする。この際、ピクセ
ル当たりの照射時間は、例えば3×10-6秒、ビームの走
査回数は、30回程度である。このようにして、第9図
(b)に示すように、金属層3をパターン形成する。な
お、金属層3のパターン形成は、前記実施例1のように
電子線露光法等によっても良い。
その後、マスク1cに形成された図示しない位置合わせ
マークに所定量のイオンビームを照射し、発生した二次
電子を二次イオン・二次電子検出器20により検出して、
その検出データにより位置合わせマークの位置座標を算
出する。
そして、算出された位置合わせマークの位置座標をも
とに、イオンビームが位相シフト溝7aを形成する位置に
照射されるように、試料台16を移動する。
次いで、位相シフト溝7aのパターンデータに基づい
て、金属層3の輪郭部に沿って、金属層3のパターン形
成により露光した基板2にイオンビームを照射し、位相
シフト溝7a(第6図)を形成する。この際、集束イオン
ビームによれば、位相シフト溝7aの深さ、幅等を容易
に、かつ精度良く設定することができる。
位相シフト溝7aのパターンデータは、遮光領域A(ま
たは透過領域B)のパターンデータと、遮領域A(また
は透過領域B)のパターンを拡大または縮小して得られ
たパターンデータとを論理演算することによって作成す
る。
例えば第10図に示すように、まず、LSI回路設計工程
(ステップ101a)、CADデザインデータ工程(101b)、
ブーリアンオア工程(101c)によって集積回路パターン
データを作成した後、サイジング工程(102)で、遮光
領域Aのパターン幅を所定寸法だけ太らせたパターンの
データを作成する。同時に、リバーストーン工程(10
3)で、集積回路パターンのパターンデータをポジネガ
反転しても透過領域Bのパターンのデータを作成する。
そして、これらのパターンデータの論理積(AND)をと
る(104)ことによって位相シフト溝7aのパターンデー
タを自動的に作成する(105)。
次に、位相シフト溝7aを形成した後、マスク1cに形成
された位相シフト溝7aの底面を、例えばフレオン(C
F4)系のガスプラズマにより、ドライエッチングして平
坦化する。このように位相シフト溝7aの底面を平坦化す
ることによって、この溝を透過する光の位相の操作性を
向上させることが可能となる。なお、ドライエッチング
処理に際しては、フレオン系のガスを、例えば0.1Torr
に減圧されたプラズマドライエッチング処理室内に20sc
c/min供給する。
このようにして第6図および第7図に示したマスク1c
が製造される。
次に、本実施例3のマスク1cの作用を第11図(a)〜
(d)により説明する。
第11図(a)に示すマスク1c上の所定の集積回路パタ
ーンの原画を縮小投影露光法等により転写する際、マス
ク1cの各々の透過領域Bにおいて、位相シフト溝7aを透
過した光と、通常の透過領域Bを透過した光との間に
は、180度の位相差が生じる(第11図(b),
(c))。
ここで、同一の透過領域Bを透過した互いに逆位相の
透過光は、位相シフト溝7aがマスク1c上の透過領域Bの
周辺に配置されているため、透過領域Bと遮光領域Aと
の境界部において弱め合う。したがって、ウエハ上に投
影される像の輪郭部分のぼけが低減し、投影像のコント
ラストが大幅に改善され、解像度および焦点深度が大幅
に向上する(第11図(d))。なお、光強度は、光の振
幅の2乗となるため、ウエハ上における光振幅の負側の
波形は、第11図(d)に示すように正側に反転される。
このように本実施例3によれば、以下の効果を得るこ
とができる。
(1).露光に際して、各々の透過領域Bを透過した光
のうち、位相シフト溝7aを透過した光と、通常の透過領
域Bを透過した光との間に180度の位相差が生じ、これ
ら光が遮光領域Aと透過領域Bとの境界部分において弱
め合うようにしたことにより、ウエハ上に投影される像
の輪郭部分のぼけを低減させることが可能となる。この
結果、投影像のコントラストを大幅に改善することがで
き、解像度および焦点深度を大幅に向上させることが可
能となる。
(2).上記(1)により、露光余裕を広くすることが
可能となる。
(3).一つの透過領域Bの内部で位相差を生じさせる
ため、マスク1a上のパターンが複雑であっても、位相シ
フト7aの配置に制約が生じない。また、遮光領域Aのパ
ターン幅が細くても位相シフト7aの配置が困難となるこ
ともない。この結果、マスク1c上に形成されたパターン
が、集積回路パターンのように、複雑であり、かつ微細
であっても、部分的にパターン転写精度が低下すること
がなく、マスク1a上に形成されたパターン全体の転写精
度を大幅に向上させることが可能となる。
(4).位相シフト溝7aのパターンデータを遮光領域A
または透過領域Bのパターンデータに基づいて自動的に
作成することにより、位相シフト溝7aのパターンデータ
を容易に作成することができ、かつその作成時間を大幅
に短縮させることが可能となる。
(5).光の位相シフト手段を前記実施例1、2の透明
膜に代えて位相シフト溝7aとしたことにより、マスク1c
の製造に際して透明膜の形成工程を必要としない。
(6).上記(4)および(5)に加えて、金属層3を
集束イオンビームによってパターンニングする際、位相
シフト溝7aを併せて形成することにより、光の位相シフ
ト手段として透明膜を用いたマスクよりもマスクの製造
プロセスを容易にすることができ、かつその製造時間を
大幅に短縮させることが可能となる。
(7).位相シフトマスクの製造プロセスを容易にする
ことが可能となるため、光の位相シフト手段として透明
膜を用いたマスクよりも外観欠陥や異物の付着あるいは
傷等を大幅に低減することが可能となる。
(8).位相シフト溝7aの場合、位相シフト用の透明膜
のようにマスク製造後の照射光や露光光により、例えば
膜質が劣化したり、透過率が劣化したり、あるいは基板
2との接着性が劣化したりすることがない。
(9).上記(8)により、光の位相シフト手段として
透明膜を用いたマスクよりもマスク寿命を向上させるこ
とが可能となる。
(10).上記(8)により、光の位相シフト手段として
透明膜を用いたマスクよりも光の位相操作精度を長期に
わたって保持することも可能となる。
(11).位相シフト溝7aの場合、光の位相シフト手段と
して透明膜を用いた場合のような膜質や透過率あるいは
接着性の劣化、並びに膜の剥離等を考慮する必要がない
ため、マスク1cに対して高温中におけるオゾン硫酸洗浄
や高圧水スクラブ洗浄等の処理を施すことが可能とな
る。
(12).上記(11)により、光の位相シフト手段として
透明膜を用いたマスクよりも異物の除去処理を良好に行
うことが可能となる。
〔実施例4〕 第12図は本発明の他の実施例であるマスクの要部断面
図、第13図(a)は第12図に示したマスクの露光状態を
示す断面図、第13図(b)〜(d)は第12図に示したマ
スクの透過領域を透過した光の振幅および強度を示す説
明図である。
第12図に示す本実施例4のマスク1dにおいては、位相
シフト溝7aが透過領域Bの中央付近に配置されている。
この場合においても、位相シフト溝7bを、その深さd
が、d=λ/〔2(n2−1)〕の関係を満たすように基
板2に形成することにより、第13図(a)〜(d)で示
すように、マスク1dの各々の透過領域B,Bにおいて、位
相シフト溝7bを透過した光と通常の透過領域Bを透過し
た光との間に180度の位相差が生じ(第13図(b),
(c))、これらの光が透過領域Bとそれに隣接する遮
光領域A,Aとの境界部分において弱め合うことにより、
ウエハ上に投影される像の輪郭部分のぼけを低減するこ
とが可能となる。この結果、投影像のコントラストを大
幅に改善することができ、解像度および焦点深度を大幅
に向上させることが可能となる(第13図(d))。
また、この場合、位相シフト溝7bのパターンデータ
は、例えば集積回路パターンのパターンデータをポジネ
ガ反転させて得られた透過領域Bのパターンを所定寸法
幅だけ細らせることにより自動的に作成すれば良い。
したがって、本実施例4によれば、前記実施例3と同
様の効果を得ることが可能となる。
〔実施例5〕 第14図は本発明のさらに他の実施例であるマスクの要
部断面図、第15図は第14図に示したマスクの要部平面
図、第16図は溝およびサブ透過領域のパターンデータ作
成例を説明するためのマスクの要部平面図、第17図は第
16図に示した溝およびサブ透過領域のパターンデータの
作成手順を示すフロー図、第18図(a)〜(i)は第16
図に示した溝およびサブ透過領域のパターンの作成工程
におけるパターン形状を示す説明図、第19図(a)は第
14図および第15図のマスクの露光状態を示す断面図、第
19図(b)〜(d)は第14図および第15図に示したマス
クの透過領域を透過した光の振幅および強度を示す説明
図である。
以下、本実施例5のマスクleを第14図および第15図に
より説明する。
本実施例5のマスクleにおいては、遮光領域Aを構成
する金属層3に、その上面から基板2の主面に達する溝
37が複数箇所設けられている。
溝37は、第15図に示すように、矩形状の透過領域B,B
を囲むように、透過領域Bの各辺に沿って平行に配置さ
れている。溝37の幅は、例えば0.5μm程である。
溝37の上部には、例えば屈折率が1.5の酸化インジウ
ム(InOx)等からなる透明膜4cが設けられている。
マスクleは、透明膜4cによって、露光に際して透明膜
4cおよび溝37を透過した光と、透過領域Bを透過した光
との間に位相差が生じる構造となっている。
透明膜4cは、透明膜4cの基板2の主面からの厚さをX2
とすると、前記実施例1と同様、X2=λ/〔2(n1
1)〕の関係を満たすように形成されている。これは、
露光の際、マスク1cに照射された光のうち、透明膜4cお
よび溝37を透過した光の位相と、透過領域Bを透過した
光の位相との間に180度の位相差を生じさせるためであ
る。例えば露光の際に照射される光の波長λを0.365μ
m(i線)とした場合には、透明膜4cの基板2の主面か
らの厚さX2は、0.37μm程とすれば良い。
さらに、本実施例5においては、第15図に示すよう
に、矩形状の透過領域Bの四隅に、例えば0.5×0.5μm
程の寸法を有する矩形状のサブ透過領域Cが設けられて
いる。これは、現像後にウエハ上に形成されるパターン
の四隅が、集積回路パターンの微細化につれて、マスク
le上の集積回路パターンと異なり直角にならず丸みを帯
びてしまう不具合を防止するためである。すなわち、集
積回路パターンにおいて、光強度が最も低下し易く、歪
みが大きくなってしまう四隅に、サブ透過領域Cを設け
ることによって、四隅付近の光強度を増加させて投影像
を補正している。なお、図示はしないが、マスク1cに
は、例えば溝37や透明膜4cを形成する際、それらと金属
層3との位置合わせをするための位置合わせマークが形
成されている。
このようなマスクleを製造するには、例えば次のよう
にする。
すなわち、まず、研磨、洗浄した基板2の主面に、例
えば500〜3000Å程の金属層3をスパッタリング法等に
より形成した後、これを前記実施例3で説明した集束イ
オンビーム装置8の保持器15に保持する。
次いで、予めMTデッキ36の磁気テープに記録されてい
る集積回路パターンデータに基づいて、基板2の主面上
の金属層3を集束イオンビームによりパターン形成す
る。
その後、同じくMTデッキ36に磁気テープに予め記録さ
れている溝37およびサブ透過領域Cのパターンデータに
基づいて、基板2の主面上の金属層3に集束イオンビー
ムを照射し、金属層3に溝37を形成する。
溝37およびサブ透過領域Cのパターンデータは、後述
するように、矩形状の透過領域Bに対する配置規則を設
定しておくことによって、自動的に作成されるようにな
っている。
そして、集積回路パターンのパターンデータと溝37お
よびサブ透過領域Cのパターンデータとに基づいて透明
膜4cのパターンデータを作成し、これに基づいて透明膜
4cをマスク1c上に前記実施例1と同様にして形成する。
ここで、第16図に示すような集積回路パターンを例と
して、それに形成された溝37およびサブ透過領域Cのパ
ターンデータの作成方法を第17図のフロー図に沿って、
第18図(a)〜(i)を用いて説明する。なお、第16図
には、図面を見易くするため、透明膜4cは図示しない。
また、第18図(a)〜(i)の斜線は各工程で作成され
たパターンを示している。
まず、LSI回路設計工程、CADデサインデータ工程、ブ
ーリアンオア工程によって、第18図(a)に示すように
透過領域Bのパターン38のデータを作成する(ステップ
101a〜101c)。
続いて、サイジング1の工程により、第18図(b)に
示すように、透過領域Bのパターン幅を、例えば、2.0
μm程太らせたパターン39を作成する(102a)。
同時に、サイジング2の工程により、第18図(c))
に示すように、透過領域Bのパターン幅を、例えば1.0
μm程太らせたパターン40を作成する(102b)。
次いで、コーナクリッピング工程により、第18図
(d)に示すように、パターン39の隅部のみを抽出した
パターン41のデータを作成した後(103a)、作成された
パターン41のデータをリバーストーン工程によりポジネ
ガ反転させて、第18図(e)に示すパターン42のデータ
を作成する(104a)。
また、一方では、上記サイジング2の工程で作成され
たパターン40をリバーストーン工程によりポジネガ反転
させて、第18図(f)に示すパターン43のデータを作成
する(103b)。
そして、第18図(b),(e),(f)に示したパタ
ーン39,42,43のデータの論理積をとることにより、第18
図(g)に示すように溝37パターン44のデータを作成す
る(105a,106a)。
一方、第18図(c)で示したパターン40のデータと第
18図(d)で示したパターン41のデータとの論理積をと
ることによって、第18図(h)に示すパターン45のデー
タを作成する(104b)。
続いて、作成されたパターン45の面積bが、パターン
41の面積aの1/2よりも小さいか否かを判定する(105
b)。この結果、面積bが面積aの1/2よりも小さいパタ
ーンのみを選択し、第18図(i)に示すサブ透過領域C
のパターン46のデータを作成する(106b)。パターン45
の面積を所定値と比較した理由は透過領域Bのパターン
38の凸状の隅部のみにサブ透過領域Cを付加するためで
ある。
次に、本実施例5の作用を第19図(a)〜(d)によ
り説明する。
第19図(a)に示すマスク1c上の所定の集積回路パタ
ーンの原画を縮小露光法等によりウエハ上に転写する
際、マスク1cの各々の透過領域Bにおいて、透明膜4cお
よび溝37を透過した光と、透過領域Bを透過した光との
間には、180度の位相差が生じる(第19図(b),
(c))。
ここで、透明膜4cおよび溝37を透過した光と、透過領
域Bを透過した光とが、透過領域Bに隣接する遮光領域
A,Aの端部において弱め合う。したがって、ウエハ上に
投影される像の輪郭部分のぼけが低減し、投影像のコン
トラストが大幅に改善され、解像度および焦点深度が大
幅に向上する。なお、光強度は、光の振幅の2乗となる
ため、ウエハ上における光振幅の負側の波形は、第19図
(d)に示すように、正側に反転される。
このように本実施例5によれば、以下の効果を得るこ
とが可能となる。
(1).露光に際して、マスクleに照射された光のう
ち、透明膜4cおよび溝37を透過した光と、透過領域Bを
透過した光との間に180度の位相差が生じ、これら光が
遮光領域Aの端部において弱め合うようにしたことによ
り、ウエハ上に投影される像の輪郭部分のぼけを低減さ
せることが可能となる。この結果、投影像のコントラス
トを大幅に改善することができ、解像度および焦点深度
を大幅に向上させることが可能となる。
(2).上記(1)により、露光余裕を広くすることが
可能となる。
(3).上記(1)により、パターン転写精度を向上さ
せることが可能となる。
(4).透過領域Bの四隅にサブ透過領域Cを設けたこ
とにより、投影像の四隅の光強度が増加するため、その
解像度を向上させることが可能となり、パターン転写精
度をさらに向上させることが可能となる。
(5).溝37および透明膜4cのパターンを自動的に作成
することにより、位相シフトマスクの製造時間を従来よ
りも大幅に短縮させることが可能となる。
〔実施例6〕 第20図は本発明のさらに他の実施例を示すマスクの要
部断面図、第21図はこのマスクの要部平面図、第22図
(a)は第20図および第21図のマスクの露光状態を示す
断面図、第22図(b)〜(d)は透過領域を透過した光
の振幅および強度を示す説明図である。
以下、本実施例6のマスクlfを第20図および第21図に
より説明する。
本実施例6のマスクlfにおいては、露光に際して37を
透過した光と透過領域Bを透過した光との間に位相差を
生じさせる手段として、前記実施例5の透明膜4cに代え
て位相シフト溝7cが溝37の下部の基板2に形成されてい
る。
位相シフト溝7cは、その深さをd、基板2の屈折率を
n2、露光光の波長をλとすると、前記実施例3と同様、
d=λ/〔2(n2−1)〕の関係を満たすように形成さ
れている。
例えば光の波長λを、0.365μm(i線)とした場
合、位相シフト溝7bの深さdは0.39μm程とすれば良
い。
位相シフト溝7cの底面は、そこを透過する光の操作性
を向上させるため、前記実施例3と同様にプラズマドラ
イエッチング処理が施され略平坦化されている。位相シ
フト溝7cは、例えば溝37を形成する際、集束イオンビー
ムの走査回数を増やして基板2を深さdだけエッチング
することにより形成する。
また、本実施例6においても前記実施例5と同様、第
21図に示すように、矩形状の透過領域Bの四隅に、例え
ば0.5×0.5μm程の矩形状のサブ透過領域Cが設けられ
ている。なお、図示はしないが、マスクlfには、例えば
溝37やサブ透過領域Cを形成する際、それらと金属層3
との位置合わせをするための位置合わせマークが形成さ
れている。
溝37およびサブ透過領域Cのパターンデータは、例え
ば前記実施例5と同様にして作成する。また、この場
合、位相シフト溝7cのパターンデータは、溝37のパター
ンデータと同一である。
次に、本実施例6の作用を第22図(a)〜(d)によ
り説明する。
第22図(a)に示すマスクlf上の所定の集積回路パタ
ーンの原画を縮小露光法等によりウエハ上に転写する
際、溝37および位相シフト溝7cを透過した光と、透過領
域Bを透過した光との間には180度の位相差が生じる
(第22図(b),(c))。
ここで、マスクlfに照射された光のうち、溝37および
位相シフト溝7cを透過した光と、透過領域Bを透過した
光とが、透過領域Bに隣接する遮光領域A,Aの端部にお
いて弱め合う。したがって、ウエハ上に投影される像の
輪郭部分のぼけが低減し、投影像のコントラストが大幅
に改善され、解像度および焦点深度が大幅に向上する
(第22図(d))。なお、光強度は、光の振幅の2乗と
なるため、ウエハ上における光振幅の負側の波形は、第
22図(d)に示すように正側に反転される。
以上、本実施例6においては、前記実施例5の(1)
〜(5)の効果の他に、以下の効果を得ることが可能と
なる。
(1).光の位相シフト手段を透明膜4cに代えて位相シ
フト溝7cとしたことにより、マスクlfの製造に際して位
相シフト用の透明膜の形成工程を必要としない。
(2).上記(1)に加えて、集束イオンビームによっ
て金属層3に溝37を形成する際、位相シフト溝7cを併せ
て形成することにより、前記実施例5のマスクleよりも
位相シフトマスクの製造プロセスを容易にすることがで
き、かつその製造時間を大幅に短縮させることが可能と
なる。
(3).位相シフトマスクの製造プロセスを容易にする
ことが可能となるため、前記実施例5のマスクleよりも
外観欠陥や異物の付着、傷等を大幅に低減することが可
能となる。
(4).位相シフト溝7cの場合、位相シフト用の透明膜
のようにマスク製造後の照射光や露光光により、例えば
膜質が劣化したり、透過率が劣化したり、あるいは基板
2との接着性が劣化したりすることがない。
(5).上記(4)により、光の位相シフト手段として
透明膜を用いたマスクよりも寿命を向上させることが可
能となる。
(6).上記(4)により、光の位相シフト手段として
透明膜を用いたマスクよりも光の位相操作精度を長期に
わたって保持することが可能となる。
(7).位相シフト溝7cの場合、光の位相シフト手段と
して透明膜を用いた場合のような膜質や透過率あるいは
接着性の劣化、並びに膜の剥離等を考慮する必要がない
ため、マスクlfに対して高温でのオゾン硫酸洗浄や高圧
水スクラブ洗浄の処理を施すことが可能となる。
(8).上記(7)により、光の位相シフト手段として
透明膜を用いたマスクよりも異物の除去処理を良好に行
うことが可能となる。
〔実施例7〕 第23図は本発明のさらに他の実施例を示すマスクの要
部断面図である。
第23図に示す本実施例7のマスクlgにおいては、遮光
領域Aを挟む一対の透過領域B,Bの少なくとも一方に位
相シフト溝7dが形成されている。
位相シフト溝7dの底面は、そこを透過する光の位相の
操作性を向上させるため、前記実施例3と同様にプラズ
マドライエッチング処理が施され略平坦化されている。
本実施例7は、光の位相をシフトさせる意味におい
て、一対の透過領域の一方に透明膜を設ける従来の技術
と同様であり、例えばメモリセルのように集積回路パタ
ーンが単純に配置されるような部分において適用するこ
とが可能である。
位相シフト溝7dは、例えば前記実施例6と同様、金属
層3を集束イオンビームによりエッチングして透過領域
Bを形成する際、ビームの走査回数を増やして基板2を
深さdだけエッチングして形成する。
以上、本実施例7によれば、以下の効果を得ることが
可能となる。
(1).露光に際して、遮光領域Aを挟む一対の透過領
域B,Bの各々の透過領域Bを透過した光の間に180度の位
相差を生じさせたことにより、遮光領域Aを挟む各々の
透過領域Bを透過した光が、遮光領域Aにおいて弱め合
うため、一対の透過領域Bに挟まれた遮光領域Aの像の
解像度が向上し、パターン転写精度を向上させることが
可能となる。
(2).光の位相シフト手段を従来の透明膜に代えて位
相シフト溝7dとしたことにより、マスクlgの製造に際し
て透明膜の形成工程を必要としない。
(3).上記(2)に加えて、金属層3を集束イオンビ
ームによってパターンニングする際、位相シフト溝7dを
併せて形成することにより、従来よりも位相シフトマス
クの製造プロセスを容易にすることができ、かつその製
造時間を大幅に短縮させることが可能となる。
(4).位相シフトマスクの製造プロセスを容易にする
ことが可能となるため、従来よりも外観欠陥や異物の付
着、傷等を大幅に低減することが可能となる。
(5).位相シフト溝7dの場合、従来の位相シフト用の
透明膜のようにマスク製造後の照射光や露光光により、
例えば膜質や透過率あるいは接着性が劣化することがな
い。
(6).上記(5)により、光の位相シフト手段を備え
るマスクの寿命を従来よりも向上させることが可能とな
る。
(7).上記(5)により、光の位相操作精度を従来よ
りも長期にわたって保持することができる。
(8).位相シフト溝7dは、位相シフト用の透明膜のよ
うな膜質や透過率あるいは接着性の劣化、並びに膜の剥
離等を考慮する必要がないため、マスクlgに対して高温
でのオゾン硫酸洗浄や高圧水スクラブ洗浄等の処理を施
すことが可能となる。
(9).上記(8)により、透明膜を用いたマスクより
も異物の除去処理を良好に行うことが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づ
き具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更
可能であることはいうまでもない。
例えば前記実施例3においては、位相シフト溝のパタ
ーンデータを遮光領域のパターンを拡大して作成された
パターンデータと透過領域のパターンデータとの論理積
をとることによって作成した場合について説明したが、
これに限定されるものではなく種々変更可能であり、例
えば遮光領域のパターンを拡大して作成されたパターン
から元の遮光領域のパターンの差をとって作成しても良
い。
また、前記実施例1,2,5において、透明膜を酸化イン
ジウムとした場合について説明したが、これに限定され
るものではなく、例えば二酸化ケイ素、窒化シリコン、
フッ化マグネシウムあるいはポリメチルメタクリレート
等でも良い。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発
明をその背景となった利用分野である半導体集積回路装
置の製造工程に用いられるマスクに適用した場合につい
て説明したが、これに限定されず種々適用可能であり、
フォトリソグラフィ技術により、所定の基板上に所定の
パターンを転写することを必要とする技術分野に適用可
能である。
〔発明の効果〕
本願において開示される発明のうち、代表的なものに
よって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおり
である。
すなわち、本発明のマスクの製造方法によれば、位相
シフト部のパターンデータを、マスク上の遮光領域およ
び透過領域のパターンデータとは全く別に作成するので
はなく、その遮光領域および透過領域のパターンデータ
に基づいて自動的に作成することができるので、位相シ
フト部のパターンデータを容易に作成することができ、
かつ、その作成時間を大幅に短縮することが可能とな
る。したがって、位相シフト部を有するマスクの製造時
間を大幅に短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるマスクの要部断面図、 第2図(a)〜(c)はこのマスクの製造工程を示すマ
スクの要部断面図、 第3図(a)は第1図のマスクの露光状態を示す断面
図、 第3図(b)〜(d)はこのマスクの透過領域を透過し
た光の振幅および強度を示す説明図、 第4図は本発明の他の実施例であるマスクの要部断面
図、 第5図(a)は第4図に示したマスクの露光状態を示す
断面図、 第5図(b)〜(d)は第4図に示したマスクの透過領
域を透過した光の振幅および強度を示す説明図、 第6図は本発明の他の実施例であるマスクの要部断面
図、 第7図は第6図に示したマスクの要部平面図、 第8図はこのマスクの製造に用いられる集束イオンビー
ム装置の構成図、 第9図(a)、(b)はこのマスクの製造工程を示すマ
スクの要部断面図、 第10図は位相シフト溝のパターンデータの作成手順を示
すフロー図、 第11図(a)は第6図に示したマスクの露光状態を示す
断面図、 第11図(b)〜(d)は第6図に示したマスクの透過領
域を透過した光の振幅および強度を示す説明図、 第12図は本発明の他の実施例であるマスクの要部断面
図、 第13図(a)は第12図に示したマスクの露光状態を示す
断面図、 第13図(b)〜(d)は第12図に示したマスクの透過領
域を透過した光の振幅および強度を示す説明図、 第14図は本発明のさらに他の実施例であるマスクの要部
断面図、 第15図は第14図に示したマスクの要部平面図、 第16図は溝およびサブ透過領域のパターンデータ作成例
を説明するためのマスクの要部平面図、 第17図は第16図に示した溝およびサブ透過領域のパター
ンデータの作成手順を示すフロー図、 第18図(a)〜(i)は第16図に示した溝およびサブ透
過領域のパターンの作成工程におけるパターン形状を示
す説明図、 第19図(a)は第14図および第15図のマスクの露光状態
を示す断面図、 第19図(b)〜(d)は第14図および第15図に示したマ
スクの透過領域を透過した光の振幅および強度を示す説
明図、 第20図は本発明のさらに他の実施例を示すマスクの要部
断面図、 第21図はこのマスクの要部断面図、 第22図(a)は第20図および第21図のマスクの露光状態
を示す断面図、 第22図(b)〜(d)は透過領域を透過した光の振幅お
よび強度を示す説明図、 第23図は本発明のさらに他の実施例を示すマスクの要部
断面図、 第24図(a)は従来のマスクの露光状態を示す断面図、 第24図(b)〜(d)は従来のマスクの透過領域を透過
した光の振幅および強度を示す説明図、 第25図(a)は従来のマスクの露光状態を示す断面図、 第25図(b)〜(d)は従来のマスクの透過領域を透過
した光の振幅および強度を示す説明図、 第26図は従来のマスクを示す部分平面図である。 1a〜1g……マスク、2……マスク基板、3……金属層、
4a〜4c……透明膜、5a,5b……レジスト、6……帯電防
止層、7a〜7d……位相シフト溝、8……集束イオンビー
ム装置、9……イオン源、10……引き出し電極、11a,11
b……第1、第2レンズ電極、12a〜12c……第1〜第3
アパーチャ電極、13……ブランキング電極、14……偏向
電極、15……保持器、16……試料台、17……レーザーミ
ラー、18……レーザー干渉側長器、19……試料台駆動モ
ータ、20……二次イオン・二次電子検出器、21……電子
シャワー放射部、22……真空ポンプ、23〜27……制御
部、28〜32……インターフェイス部、33……制御コンピ
ュータ、34……ターミナル、35……磁気ディスク装置、
36……MTデッキ、37……溝、38〜46……パターン、A…
…遮光領域、B……透過領域、C……サブ透過領域、E
……電子線、50,51……従来のマスク、52……透明材
料、53……集積回路パターン、P〜P3……従来のマスク
における透過領域、N〜N3……従来のマスクにおける遮
光領域。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光が透過する透過領域と、前記透過領域の
    内周部に形成された位相シフト部と、前記透過領域を囲
    むように形成された遮光領域とを備え、 前記透過領域のうち、前記位相シフト部を透過した光
    と、前記位相シフト部が形成されていない透過領域を透
    過した光との間に位相差を生じさせ、その光の干渉光が
    前記透過領域と前記遮光領域との境界部において弱め合
    う構造を有するマスクの製造方法であって、 前記位相シフト部のパターンデータを、前記透過領域の
    パターンデータと、前記遮光領域のパターンを拡大して
    得られたパターンデータとの論理積によって自動的に作
    成する工程を有することを特徴とするマスクの製造方
    法。
  2. 【請求項2】光が透過する透過領域と、前記透過領域の
    中央部に形成された位相シフト部と、前記透過領域を囲
    むように形成された遮光領域とを備え、 前記透過領域のうち、前記位相シフト部を透過した光
    と、前記位相シフト部が形成されていない透過領域を透
    過した光との間に位相差を生じさせ、その光の干渉光が
    前記透過領域と前記遮光領域との境界部において弱め合
    う構造を有するマスクの製造方法であって、 前記位相シフト部のパターンデータを、前記透過領域の
    パターンデータを縮小することによって自動的に作成す
    る工程を有することを特徴とするマスクの製造方法。
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