JP2786241B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2786241B2
JP2786241B2 JP9510989A JP9510989A JP2786241B2 JP 2786241 B2 JP2786241 B2 JP 2786241B2 JP 9510989 A JP9510989 A JP 9510989A JP 9510989 A JP9510989 A JP 9510989A JP 2786241 B2 JP2786241 B2 JP 2786241B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、時分割駆動ドットマトリスク型液晶表示装
置で、特にSTN液晶表示素子を用いた場合に好適な、使
用開始に際して各種電源投入順序いわゆる電源シーケン
スの順守に煩わされずに済むようにした液晶表示装置に
関する。
[従来の技術] 時分割駆動ドットマトリスク型液晶表示装置では、走
査電極や表示電極にそれぞれ適時適切に電圧印加の制御
を行う論理回路や、論理回路の動作周期を規定するクロ
ックパルスとか液晶品質の劣化を防止するために液晶に
印加される電界の方向を所定周期で反転させるための交
流化パルスなどを発生させるパルス回路や、直接液晶表
示素子電極に印加される電圧を発生する駆動用電源回路
などが用いられているが(「日経エレクトロニクス」19
80年8月18日号、150〜174頁)、これらの回路の構成は
それぞれかなり異なっており、電源を投入してから夫々
の回路が正常に動作し始めるまでに必要な時間が、絶対
値的には僅かであるが、かなり相違している場合が多
い。一般に、回路構成の簡単な駆動用電源回路が立上り
が早い。論理回路やパルス回路が未だ正常に動作してい
ないときに、駆動用電源回路だけが動作を始めて液晶表
示素子の電源に電圧が印加されると、例えば交流化パル
スが来ない期間は直流が印加されることになる。液晶に
直流成分が印加されると、液晶が電気化学的分野作用を
蒙って、表示性能の劣化や寿命の短縮などの原因となる
ほか、場合によって下記のような問題が生ずる。
近年、時分割駆動ドットマトリスク型液晶表示装置、
特に大形なものでは、高いデューティ比で使用しても良
好なコントラストが得られるために、液晶分子のツイス
ト角を、従来広く用いられていた90度よりも遥かに大き
く、200〜300度も捩じるSTN方式が好んで用いられてい
る。しかし、このSTN方式の場合は、上記のような電源
投入時の短期間の直流印加によって、STN方式液晶表示
素子の液晶の或る部分で、部分的に液晶分子の捩じれ角
が、本来設定されている大きな角度にならずに中間のあ
る角度で準安定状態に入ってしまった、いわゆるドメイ
ンが生じ易く、しかも、使用を継続するとドメインは漸
次広がって行く傾向がある。ドメインでは表示しようと
したパターンとはかけ離れたものが表示される。
従来は上記のような問題が生じないように、液晶表示
装置の使用を開始する際、液晶に直流電圧が印加されな
いように、液晶表示素子の製作者、供給者は、液晶表示
素子駆動用の各種電源の投入順序いわゆる電源シーケン
スを厳しく規定して、液晶表示素子の使用者に其の電源
シーケンスを正しく守ることを要求していた。
[発明が解決しようとする課題] しかし、電源シーケンスを厳密に守ることは、液晶表
示素子の使用者にとっては極めて煩わしいことであっ
た。
本発明は、時分割駆動ドットマトリスク型液晶表示素
子に僅かな必須駆動回路を付加した液晶表示装置で、そ
の使用者は上記のような電源シーケンスに煩わされるこ
となく、使用開始にあたっては単に電源を供給しさえす
れば良いようにしたものを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために本発明においては、時分割
駆動ドットマトリスク型液晶表示装置において、論理素
子用電源の電圧が確立したことを検出する電源検出回路
と、液晶表示素子の走査電極毎の走査開始時期を示す走
査パルスと液晶表示素子電極に印加される電圧の極性を
所定周期で反転させるための交流化パルスとが共に供給
されていることを検出するパルス検出回路と、液晶表示
素子電極に直接印加される電圧を発生する液晶駆動用電
源を開閉するスイッチ回路とを備え、電源検出回路とパ
ルス検出回路の双方が共に夫々の検出対象状態の成立を
検出している時に限って、其の時直ちに、又は其の時か
ら所定時間経過後に、上記スイッチ回路を閉じて液晶表
示素子電極に電圧が印加されるようにした。
[作用] 上記のような構成になっていれば、この液晶表示装置
の使用に際しては、ただ単に電源を投入するだけで、そ
の液晶表示素子に対して厳密に電源シーケンスが守られ
ていることになることは明らかである。
[実施例] 第1図は本発明一実施例のブロック図である。電源検
出回路1は、液晶駆動回路5に含まれる論理回路用の電
源7が確立したか否かを検出する。確立していない状態
で液晶駆動用電源10が液晶駆動回路5に印加されると、
上記論理回路が正常に動作せず、液晶表示素子6に直流
が印加され、表示特性の劣化や寿命の短縮などの原因と
なる。更に液晶駆動回路5に供給されるべき走査パルス
8や交流化パルス9等が供給されない場合にも液晶表示
素子6に直流電圧が印加される。これを避けるために、
パルス検出回路2により走査パルス8と交流化パルス9
が供給されている事を検出し、これらのパルスを論理回
路用電源7が共に供給されていることを検出するため
に、アンド回路3で両検出回路のアンドをとる。このア
ンド回路3の出力で液晶駆動用電源10のスイッチ回路4
をオン、オフする。論理回路用電源7と走査パルス8及
び交流化パルス9が供給されているときだけ、スイッチ
回路4をオン状態にし、液晶駆動回路5に液晶駆動用電
源10を供給する。
従って従来必要とされた論理回路用の電源7と液晶駆
動用電源10の間および走査パルス8と交流化パルス9な
どの投入順序の制御が不要となり大変便利な液晶表示装
置を実現することが出来る。
第2図は本発明実施例の電源検出回路やパルス検出回
路の一例の回路図である。図中、11、12はトリガ型単安
定マルチバイブレータで、外付けC,Rにより出力パルス
幅を入力クロックの繰返し周期以上に設定しておくと、
クロックが連続して入力されている間は“H"レベルをQ
出力に出す。入力端子13には走査パルス、入力端子14に
は交流化パルスを印加することにすれば、両パルスが連
続して印加されている間は、単安定マルチバイブレータ
11,12の出力は“H"レベルである。両出力はアンド素子1
5でアンドをとり、両パルスが同時に印加された時点で
アンド素子15の出力が“H"レベルになる。アンド素子15
の出力は単安定マルチバイブレータ16の入力とオープン
コレクタ出力を持つアンド素子17の一方の入力となる。
アンド素子17の他方の入力は単安定マルチバイブレータ
16の出力に接続される。アンド素子15の出力が“L"か
ら“H"に変化した時点から単安定マルチバイブレータ16
の出力パルス幅の時間だけ遅れてアンド素子17の出力が
“L"から“H"に変化する。
論理回路用電源が立上り液晶駆動回路に供給されて次
に走査パルスが供給された場合、通常、走査回路はシフ
トレジスタで構成されているため、全レジスタにリセッ
トがかかっていない場合には、立上り時点では各レジス
タの出力が不定となり一走査が行われる迄の間は最終段
のレジスタ出力は常に走査状態を示し、液晶素子に過大
な実行値電圧を印加することになる。これを防ぐため一
走査期間以上の遅延時間を単安定マルチバイブレータ16
で作っている。アンド素子17の出力はトランジスタ18,1
9とツェナーダイオード20、ダイオード21、22及びその
他の抵抗で構成される電源検出回路の出力とワイヤード
アンドがとられる。
次に電源検出回路の働きを説明する。論理回路用電源
VCCがツェナーダイオード20のツェナー電圧とトランジ
スタ18のベースエミッタ間電圧の和より小さい間はトラ
ンジスタ18はオフ状態となる。論理回路用電源VCCが+5
Vの場合、この論理回路用電源の電圧が約4V以上になっ
た時にトランジスタ18がオンするようにツェナー電圧を
設定する。トランジスタ18がオフで、且つ論理回路用電
源VCCがダイオード21の順方向電圧とトランジスタ19の
ベースエミッタ間電圧の和(両方がシリコン素子の場合
は約1.4V)以下の間はトランジスタ19もオフ状態であ
る。即ち、VCCが0Vから約1.4Vまでの間は出力23にはVCC
と同じ電圧が出力されている。出力23は図示していない
スイッチ回路の制御入力となるが、この値が1.4V以下で
はスイッチをオンにしない。VCCが1.4V以上で4V以下の
間はトランジスタ19がオン状態となり出力23の電圧はダ
イオード22の順方向電圧とトランジスタ19のコレクタエ
ミッタ間飽和電圧の和となる。双方ともシリコン素子の
場合は、約1.0V以下になる。従ってスイッチ回路のスイ
ッチはオフの儘である。VCCが論理回路が正常に動作す
る4V以上になるとトランジスタ18がオンになり、トラン
ジスタ19をオフにする。従って出力23は4V以上となり、
アンド素子17の出力がオフ状態である場合はスイッチ回
路がオンになり液晶駆動用電源が液晶駆動回路に供給さ
れる。それ以外はオフであるため液晶表示素子に直流電
圧が印加される恐れはない。
ダイオード22は単安定マルチバイブレータ11、12、16
の出力が電源立上り時に不必要なパルスを出力しないよ
うに電源検出回路の出力でリセット端子を押さえている
が、アンド素子17の出力が“L"の時にもリセット端子が
“L"になるのを防止しているのである。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、従来の液晶表示
装置では必要であった電源投入時の論理回路用電源と液
晶駆動用電源および走査パルスと交流化パルスなどの投
入の順序の制御が不要となり、非常に使い易い液晶表示
装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明一実施例のブロック図、第2図は本発明
装置で使用する電源検出回路とパルス検出回路の一例を
示す回路図である。 7……論理回路用電源、8……走査パルス、9……交流
化パルス、10……液晶駆動用電源、13……走査パルス入
力端子、14……交流化パルス入力端子、11、12、16……
単安定マルチバイブレータ、17……オープンコレクタ出
力アンド素子、20……ツェナーダイオード、VCC……論
理回路用電源。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】時分割駆動ドットマトリスク型液晶表示装
    置において、論理素子用電源の電圧が確立したことを検
    出する電源検出回路と、液晶表示素子の走査電極毎の走
    査開始時期を示す走査パルスと液晶表示素子電極に印加
    される電圧の極性を所定周期で反転させるための交流化
    パルスとが共に供給されていることを検出するパルス検
    出回路と、液晶表示素子電極に直接印加される電圧を発
    生する液晶駆動用電源を開閉するスイッチ回路とを備
    え、電源検出回路とパルス検出回路の双方が共に夫々の
    検出対象状態の成立を検出している時に限って、其の時
    直ちに、又は其の時から所定時間経過後に、上記スイッ
    チ回路を閉じて液晶表示素子電極に電圧が印加されるよ
    うにしたことを特徴とする液晶表示装置。
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