JP2784407B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP2784407B2
JP2784407B2 JP3029395A JP2939591A JP2784407B2 JP 2784407 B2 JP2784407 B2 JP 2784407B2 JP 3029395 A JP3029395 A JP 3029395A JP 2939591 A JP2939591 A JP 2939591A JP 2784407 B2 JP2784407 B2 JP 2784407B2
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誠太郎 松尾
幹保 木内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料に対し、電子サイ
クロトロン共鳴によってプラズマ化されたガスの照射に
よる処理を施すためのプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図8を伴って次に述べるプラズマ
処理装置が提案されている。
【0003】すなわち、プラズマ生成用室1を有する。
このプラズマ生成用室1は、円形の筒部2と、その一方
の端面を閉塞し且つガス導入口4と円形のマイクロ波導
入窓5とを設けている端板3とを用いて構成され、従っ
て、ガス導入口4とマイクロ波導入窓5とを有してい
る。この場合、マイクロ波導入窓5は、円形であり、筒
部2従ってプラズマ生成用室1と同心的に設けられ、そ
して、そのマイクロ波導入窓5が、端板3上にプラズマ
生成用室1内側とは反対側において配されている平行平
板でなる誘電体板6によって閉塞されている。
【0004】また、プラズマ照射用室11を有する。こ
のプラズマ照射用室11は、プラズマ生成用室1を構成
している筒部2に比し大きな筒部12と、その一方の端
面を閉塞し且つ筒部2の内径とほぼ等しい径を有する開
口14を設けている端板13と、筒部12の他方の端面
を閉塞し且つ排気口16を設けている端板部15とを用
いて構成され、そして、端板13が、プラズマ生成用室
1の筒部2を、端板3側とは反対側において受けている
態様で、プラズマ生成用室1と連接して配されている。
また、プラズマ照射用室11を構成している端板13上
に、プラズマ照射用室11内側において、端板13に設
けている開口14を閉塞し且つプラズマ取出用開口22
を設けている隔板21が設けられている。さらに、プラ
ズマ照射用室11を構成している端板部15上に、プラ
ズマ照射用室11内側において、環状板体18とそれに
植立されている多数の支柱19とを有する支持体17
が、環状板体18を端板部15に受けさせ且つ排気口1
6を閉塞しないように配され、そして、その支持体17
上に、試料30を載置する試料載置台31が、複数の支
柱19の遊端面に受けさせている態様で、配されてい
る。従って、プラズマ照射用室11は、プラズマ生成用
室1とマイクロ波導入窓5側とは反対側においてプラズ
マ取出用開口22を介して連接し、且つ試料30を載置
する試料載置台31を配しているとともに、排気口16
を有する。この場合、プラズマ取出用開口22は、円形
を有し且つプラズマ生成用室1と同心的に設けられてい
る。
【0005】さらに、上述したプラズマ生成用室1を冷
却する冷却手段40を有する。この冷却手段40は、プ
ラズマ生成用室1を構成している上述した筒部2及び端
板3と、プラズマ照射用室11を構成している上述した
端板13と、その端板13上に、プラズマ生成用室1側
において、筒部2を内装するようにその筒部2と同心的
に配され、且つ筒部2よりも一周り大きいが筒部2と同
じ長さを有するとともに端板13側とは反対側の端面が
端板3によって閉塞されている筒体41とで構成された
冷媒用室42と、その冷媒用室42内に外部から端板3
を横切って延長している、冷媒Wを導入させるための冷
媒導入管43と、冷媒用室42内から外部に端面3を横
切って延長している、冷媒Wを導出させるための冷媒導
出管44とを有する。
【0006】また、プラズマ生成用室1とプラズマ照射
用室11とをマイクロ波導入窓5の中心を通って結ぶ軸
50のまわりに、プラズマ生成用室1を冷媒用室42を
介して取囲むように配され、且つ磁界(図示しないが、
これをH1とする)をプラズマ生成用室1及びプラズマ
照射用室11内に発生させる磁界発生用コイル51を有
する。この磁界発生用コイル51は、実際上、プラズマ
照射用室11を構成している端板13上に環板55を介
して配され、そして、その状態で、プラズマ照射用室1
1側とは反対側の端面がプラズマ生成用室1のマイクロ
波導入窓5に対応している位置よりもプラズマ照射用室
11側に位置する、という巻幅を有している。
【0007】さらに、上述した軸50のまわりに、磁界
発生用コイル51のプラズマ照射用室11側とは反対側
において磁界発生用コイル51と同心的に配され、且つ
他の磁界(図示しないが、これをH2とする)をプラズ
マ生成用室1及びプラズマ照射用室11内に発生させる
他の磁界発生用コイル52を有する。この磁界発生用コ
イル52は、磁界発生用コイル52と同じ内径を有し、
実際上、磁界発生用コイル51上に環板56を介して配
されている。
【0008】また、上述したプラズマ生成用室1内に、
外部から、上述したガス導入口4を通じて、プラズマ化
されるべきガスG1を供給するガス供給手段61を有す
る。このガス供給手段61は、プラズマ生成用室1内か
らガス導入口4を介して外部のガス源(図示せず)に延
長しているガス供給管62を有する。
【0009】さらに、上述したプラズマ照射用室11内
に、外部から、活性化乃至気相分解されるべきガスG2
を供給する他のガス供給手段63を有する。このガス供
給手段63は、プラズマ照射用室11内に、上述したプ
ラズマ取出用開口22側において、配され、且つ多数の
ガスの噴出孔65を設けているとともに、プラズマ取出
用開口22に比し大きな内径を有する環状のガス噴出用
管64と、そのガス噴出用管64内からプラズマ照射用
室11を構成している筒部12を貫通して外部の他のガ
ス源(図示せず)に延長しているガス供給管66とを有
する。
【0010】また、上述したプラズマ生成用室1内に、
外部から、上述した誘電体板6及びマイクロ波導入窓5
を通じて、マイクロ波Mを供給するマイクロ波供給手段
71を有する。このマイクロ波供給手段71は、マイク
ロ波源72から誘電体板6との間に延長している導波管
73と、その導波管73の延長途上に介挿されているイ
ンピ―ダンス整合器74とを有する。
【0011】さらに、上述した磁界発生用コイル51及
び52に、磁界発生用電流I1 及びI2 をそれぞれ供給
する磁界発生用電流供給手段81及び82を有する。そ
れら磁界発生用電流供給手段81及び82は、磁界発生
用電流源(図示せず)から延長して磁界発生用コイル5
1及び52にそれぞれ接続している配線85及び86を
有している。この場合、磁界発生用電流源は、磁界発生
用電流供給手段81及び82、従って磁界発生用コイル
51及び52に対して共通であっても、また、各別であ
ってもよく、また、共通である場合において、磁界発生
用電流供給手段81及び82が磁界発生用コイル51及
び52を、配線85及び86を含んで直列に接続してい
る構成を有していても、また並列に接続している構成を
有していてもよい。
【0012】また、プラズマ生成用室1内及びプラズマ
照射用室11内を、上述したプラズマ照射用室11が有
する排気口16を介して排気する排気手段90を有す
る。この排気手段90は、プラズマ照射用室11内から
排気口16を介して外部の排気用ポンプ(図示せず)に
延長している排気管91を有する。
【0013】以上が、従来提案されているプラズマ処理
装置の構成である。
【0014】このような構成を有するプラズマ処理装置
によれば、排気手段90によってプラズマ生成用室1内
及びプラズマ照射用室11内を排気させることができ、
また、ガス供給手段61によって、プラズマ化されるべ
きガスG1を、プラズマ生成用室1内に、ガス導入口4
を介して導入させることもでき、さらに、他のガス供給
手段63によって、活性化乃至気相分解させるべきガス
G2を、プラズマ照射用室11内に、ガス噴出孔65を
介して導入させることができ、そして、それらのことに
よって、プラズマ生成用室1内及びプラズマ照射用室1
1内を、ガスG1及びG2による10-4〜10-3Torrの
ような低い圧力に維持させた状態にさせることができ
る。
【0015】また、磁界発生用電流供給手段81及び8
2によって、磁界発生用コイル51及び52に、磁界発
生用電流I1 及びI2 をともに同じ値でまたは互に異な
る値でそれぞれ供給させることができ、また、それによ
って、プラズマ生成用室1及びプラズマ照射用室11
に、プラズマ生成用室1の磁界発生用コイル51及び5
2に対応している位置からプラズマ照射用室11側に到
るに従って磁界強度が低下している磁界強度勾配を有す
る磁界H1 及びH2 (図示せず)をそれぞれ発生させる
ことができ、そして、それらのことによって、プラズマ
生成用室1及びプラズマ照射用室11内に、磁界H1 及
びH2 の相加された合成磁界H(図示せず)を発生させ
ることができる。この場合、合成磁界Hは、磁界発生用
コイル51及び52による磁界H1 及びH2 が、上述し
たように、ともにプラズマ生成用室1内の磁界発生用コ
イル51及び52に対応する位置からプラズマ照射用室
11側に到るに従って磁界強度が低下している磁界強度
勾配を有するので、プラズマ生成用室1、プラズマ照射
用室11、及び磁界発生用コイル51及び52を模式的
に示している図9中に、等磁界強度面(これを一般にQ
とする)を点線で示しているように、プラズマ生成用室
1及びプラズマ照射用室11内でみて、プラズマ生成用
室1の上端部からプラズマ照射用室11のプラズマ生成
用室1側とは反対側に到るに従って磁界強度が低下して
いる磁界強度勾配を有している。
【0016】さらに、プラズマ生成用室1内にマイクロ
波供給手段71によって、マイクロ波Mを、プラズマ生
成用室1内に、誘電体板6及びマイクロ波導入窓5を介
して導入させることができる。
【0017】以上のことから、図8に示す従来のプラズ
マ処理装置によれば、磁界発生用電流供給手段81及び
82によって磁界発生用コイル51及び52にそれぞれ
供給する電流I1 及びI2 の値、従って磁界発生用コイ
ル51及び52がプラズマ生成用室1及びプラズマ照射
用室11内にそれぞれ発生する磁界H1 及びH2 の強度
と、マイクロ波供給手段71によってプラズマ生成用室
1内に誘電体板6及びマイクロ波導入窓5を介して導入
させるマイクロ波Mの強度とを、予め適当に選んでおく
ことによって、プラズマ生成用室1内において、ガスG
1を、符号G1′で一般的に示すように、電子サイクロ
トロン共鳴によってプラズマ化させることができる。
【0018】また、そのようにプラズマ生成用室1内に
おいてプラズマ化されたガスG1′は、磁界発生用コイ
ル51及び52によってプラズマ生成用室1及びプラズ
マ照射用室11内にそれぞれ発生する磁界H1 及びH2
による合成磁界Hが、上述した磁気強度勾配を有してい
るので、プラズマ取出用開口22を通って、プラズマ照
射用室11内に取出され、次で、試料30側に向い、そ
の試料30の上面上に到達する。このため、試料30に
対し、電子サイクロトロン共鳴によってプラズマ化され
たガスG1′を照射させることができる。
【0019】さらに、プラズマ照射用室11内にガス供
給手段63によって供給されるガスG2は、上述したよ
うにプラズマ照射用室11に取出されたプラズマ化され
たガスG1′によって、符号G2′に示すように、活性
化されまたは気相分解され、次で、その活性化されたガ
スまたは気相分解したガスG2′が、上述した合成磁界
Hの磁気強度分布のために、試料30の上面上に到達す
る。このため、試料30に対し、電子サイクロトロン共
鳴によってプラズマ化されたガスG1′によって活性化
されまたは気相分解されたガスG2′も、照射させるこ
とができる。
【0020】以上のことから、図8に示す従来のプラズ
マ処理装置の場合、試料30に対し、電子サイクロトロ
ン共鳴によってプラズマ化されたガスG1′をそのプラ
ズマ化されたガスG1′によって活性化されたまたは気
相分解された他のガスG2′とともに照射する処理を、
試料30を加熱することなしに且つ試料30に高い損傷
を与えることなしに施すことができる。従って、詳細説
明は省略するが、試料30上に、薄膜を、高品質に堆積
形成させたり、試料30に対し、エッチングを、高精度
に施したりすることができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】図8に示す従来のプラ
ズマ処理装置の場合、上述においてはとくには触れなか
ったが、磁界発生用電流供給手段81及び82によって
磁界発生用コイル51及び52にそれぞれ供給する磁界
発生用電流I1 及びI2 と、磁界発生用コイル51及び
52のそれぞれの巻回数、形状及び位置とが、プラズマ
生成用室1及びプラズマ照射用室11をプラズマ取出用
開口22を通って結ぶ軸50上における合成磁界Hの強
度が、図9に示すように、プラズマ生成用室1のマイク
ロ波導入窓5内の位置pまたはその近傍において最大値
をとるように、設定されていた。
【0022】その理由は、次のとおりである。すなわ
ち、プラズマ生成用室1内において、上述した電子サイ
クロトロン共鳴によるプラズマ化されたガスG1′を生
成させるとき、その電子サイクロトロン共鳴は、プラズ
マ生成用室1内に導入されるマイクロ波Mの周波数(例
えば、2.45GHz)と、プラズマ生成用室1内にお
ける合成磁界Hの強度(例えば875ガウス)によって
決まる、多数の等磁界強度面Q中の1つの等磁界強度面
(これをQrとする)を電子サイクロトロン共鳴面(こ
れをECRとする)として生ずることから、磁界発生用
電流I1 及びI2 と、磁界発生用コイル51及び52の
それぞれの巻回数、形状及び位置とを、合成磁界Hの強
度がマイクロ波導入窓5の位置またはその近傍において
最大値をとるように設定した場合、電子サイクロトロン
共鳴面ECRを形成するのに、磁界発生用コイル51及
び52にそれぞれ供給する磁界発生用電流I1 及びI2
を最小値またはその近傍にすることができ、従って、こ
の場合、電子サイクロトロン共鳴面ECRが、マイクロ
波導入窓5の位置Pまたはその近傍に形成され、そし
て、その電子サイクロトロン共鳴面ECR上で、電子サ
イクロトロン共鳴によるプラズマ化されたガスG1′が
生成されるが、そのプラズマ化されたガスG1′を、少
ない電力で効率よく生成させることができる。
【0023】以上が、図8に示す従来のプラズマ処理装
置の場合において、磁界発生用電流I1 及びI2 と、磁
界発生用コイル51及び52のそれぞれの巻回数、形状
及び位置とが、合成磁界Hの強度がマイクロ波導入窓5
内の位置pまたはその近傍において最大値をとるように
設定されている理由である。
【0024】しかしながら、磁界発生用電流供給手段8
1及び82によって磁界発生用コイル51及び52にそ
れぞれ供給する磁界発生用電流I1 及びI2 と、磁界発
生用コイル51及び52のそれぞれの巻回数、形状及び
位置とが、上述したように、プラズマ生成用室1及びプ
ラズマ照射用室11をプラズマ取出用開口22を通って
結ぶ軸50上における合成磁界Hの強度が、プラズマ生
成用室1のマイクロ波導入窓5内の位置pまたはその近
傍において最大値をとるように設定されている場合、合
成磁界Hにおけるプラズマ生成用室1内での等磁界強度
面Qが、図9に示すように、プラズマ生成用室1のマイ
クロ波導入窓5の位置においてもまたその近傍において
も、プラズマ取出用開口22側とは反対側に凸な面にな
っている。
【0025】以上のことから、図8に示す従来のプラズ
マ処理装置の場合、磁界発生用電流供給手段81及び8
2による磁界発生用コイル51及び52にそれぞれ供給
する磁界発生用電流I1 及びI2 と、磁界発生用コイル
51及び52のそれぞれの巻回数、形状及び位置とが、
磁界発生用コイル51及び52からそれぞれ発生される
磁界H1 及びH2 の合成磁界Hにおける等磁界強度面Q
が、図9に示すような、プラズマ生成用室1内における
マイクロ波導入窓5内の位置pにおいてもまたその近傍
においても、プラズマ取出用開口22側とは反対側に凸
な面となるように設定されていた。
【0026】一方、プラズマ化されたガスG1′を生成
しているプラズマ生成用室1内における、そのプラズマ
生成用室1内に導入されるマイクロ波Mに対する屈折率
は、プラズマ生成用室1内で電子サイクロトロン共鳴に
よってプラズマ化されたガスG1′が生成されるときの
電子サイクロトロン共鳴面ECRを形成している等磁界
強度面Qr よりも高い磁界強度を有する等磁界強度面
(これをQh とする)から、電子サイクロトロン共鳴面
ECRを形成している等磁界強度面Qr に到るに従って
高くなっている。
【0027】このため、すなわち、磁界発生用コイル5
1及び52によってそれぞれ発生する磁界H1 及びH2
の合成磁界Hにおける等磁界強度面Qが、プラズマ生成
用室1のマイクロ波導入窓5内の位置pにおいてもまた
その近傍においてもプラズマ取出用開口22側とは反対
側に凸な面になっていることと、プラズマ生成用室1内
に導入されたマイクロ波Mに対する屈折率が、電子サイ
クロトロン共鳴によってプラズマ化されたガスG1′が
生成されるときの電子サイクロトロン共鳴面ECRを形
成している等磁界強度面Qr よりも高い磁界強度を有す
る等磁界強度面Qh から、電子サイクロトロン共鳴面E
CRを形成している等磁界強度面Qr に到るに従って高
くなっていることとのため、プラズマ生成用室1内にマ
イクロ波導入窓22を通じて導入したマイクロ波Mが、
プラズマ照射用室11側に伝播するのに従って上述した
軸50に近づいて行くように収斂する。
【0028】従って、プラズマ生成用室1内に供給され
たガスG1が、電子サイクロトロン共鳴面ECRになっ
ている等磁界強度面Qr 上において、軸50を中心とす
る中央部から周辺部に到るに従って濃度が低くなってい
る濃度分布を有しているようにしか、プラズマ化され
ず、よって、プラズマ生成用室1内においてプラズマ化
されたガスG1′が、プラズマ取出用開口20内の位置
においてもまた試料30の上面上においても、軸50を
中心とする中央部から周辺部に到るに従って濃度が低く
なっている濃度分布しか有していない。
【0029】以上のことから、図8に示す従来のプラズ
マ処理装置の場合、試料30に対する電子サイクロトロ
ン共鳴によってプラズマ化されたガスG1′の照射によ
る処理を、試料30の全域に亘って各部一様に行わせる
ことができない、という欠点を有していた。また、これ
に応じて、試料30に対するプラズマ化されたガスG
1′によって活性化乃至気相分解したガスG2′の照射
による処理も、試料30の全域に亘って各部一様に行わ
せることができない、という欠点を有していた。
【0030】また、図8に示す従来のプラズマ処理装置
の場合、上述した欠点を有しているために、試料30と
して、大きな面積を有するものを用いることに制限があ
る、という欠点を有していた。
【0031】よって、本発明は、上述した欠点を有効に
回避し得る、新規なプラズマ処理装置を提案せんとする
ものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】本願第1番目の発明によ
るプラズマ処理装置は、図8で前述した従来のプラズマ
処理装置の場合と同様に、(i) ガス導入口とマイクロ波
導入窓とを有するプラズマ生成用室と、(ii)上記プラズ
マ生成用室と上記マイクロ波導入窓側とは反対側におい
てプラズマ取出用開口を介して連接し、且つ試料を載置
する試料載置台を配しているとともに、排気口を有する
プラズマ照射用室と、(iii) 上記プラズマ生成用室と上
記プラズマ照射用室とを上記マイクロ波導入窓を通って
結ぶ軸のまわりに、上記プラズマ生成用室を取囲むよう
に配され、且つ第1の磁界を上記プラズマ生成用室及び
上記プラズマ照射用室内に発生させる第1の磁界発生用
コイルと、(iv)上記軸のまわりに、上記第1の磁界発生
用コイルの上記プラズマ照射用室側とは反対側におい
て、上記第1の磁界発生用コイルと同心的に配され且つ
第2の磁界を上記プラズマ生成用室及び上記プラズマ照
射用室内に発生させる第2の磁界発生用コイルと、(v)
上記プラズマ生成用室内に外部から上記ガス導入口を通
じてプラズマ化されるべきガスを供給するガス供給手段
と、(vi)上記プラズマ生成用室内に外部から上記マイク
ロ波導入窓を通じてマイクロ波を供給するマイクロ波供
給手段と、(vii) 上記第1及び第2の磁界発生用コイル
に第1及び第2の磁界発生用電流をそれぞれ供給する第
1及び第2の磁界発生用電流供給手段と、(viii)上記プ
ラズマ生成用室及びプラズマ照射用室内を上記排気口を
通じて排気する排気手段とを有する。
【0033】しかしながら、本願第1番目の発明による
プラズマ処理装置は、このような構成を有するプラズマ
処理装置において、(ix)上記磁界発生用電流供給手段に
よる上記第1及び第2の磁界発生用コイルにそれぞれ供
給する第1及び第2の磁界発生用電流と、上記第1及び
第2の磁界発生用コイルのそれぞれの巻回数と、形状及
び位置とが、上記第1及び第2の磁界発生用コイルによ
ってそれぞれ発生する上記第1及び第2の磁界の合成磁
界における等磁界強度面が上記プラズマ生成用室内の上
記マイクロ波導入窓の位置またはその近傍において上記
マイクロ波導入窓に沿うほぼ平坦な面または上記プラズ
マ取出用開口側に凸な面となるように、設定されてい
る。
【0034】また、本願第2番目の発明によるプラズマ
処理装置は、上述した本願第1番目の発明によるプラズ
マ処理装置において、上記マイクロ波導入窓に、それを
通って上記プラズマ生成用室に上記マイクロ波供給手段
から供給される上記マイクロ波を上記プラズマ照射室側
に到るに従い発散させるマイクロ波発散用レンズが設け
られている。
【0035】さらに、本願第3番目の発明によるプラズ
マ処理装置は、上述した本願第1番目の発明によるプラ
ズマ処理装置において、上記軸のまわりに、上記プラズ
マ照射用室内において、上記第1及び第2の磁界発生用
コイルによってそれぞれ発生する上記第1及び第2の磁
界の合成磁界における磁力線を上記試料の上面上におい
てその上面と垂直な向きになるようにさせるための第3
の磁界を発生させる第3の磁界発生用コイルが配されて
いる。また、本願第4番目の発明によるプラズマ処理装
置は、上述した本願第1番目の発明によるプラズマ処理
装置において、上記第1の磁界発生用コイルが、その上
記プラズマ照射用室側とは反対側の端面を上記マイクロ
波導入室に対応している位置にしているような巻幅を有
し、また、上記第2の磁界発生用コイルが、上記第1の
磁界発生用コイルに比し小さな内径を有する
【0036】
【作用・効果】本願第1番目の発明によるプラズマ処理
装置は、磁界発生用電流供給手段による第1及び第2の
磁界発生用コイルにそれぞれ供給する第1及び第2の磁
界発生用電流と、第1及び第2の磁界発生用コイルのそ
れぞれの巻回数と、形状及び位置とが、第1及び第2の
磁界発生用コイルによってそれぞれ発生する第1及び第
2の磁界の合成磁界における等磁界強度面がプラズマ生
成用室室内の上記マイクロ波導入窓の位置またはその近
傍においてマイクロ波導入窓に沿うほぼ平坦な面または
上記プラズマ取出用開口側に凸な面となるように、設定
されている、ということを除いて、図8で前述した従来
のプラズマ処理装置の場合と同様の構成を有する。
【0037】このため、詳細説明は省略するが、図8で
前述した従来のプラズマ処理装置の場合と同様に、試料
に対し、電子サイクロトロン共鳴によってプラズマ化さ
れたガスを照射する処理を、試料を加熱することなしに
且つ試料に高い損傷を与えることなしに施すことができ
る。従って、図8で前述した従来のプラズマ処理装置の
場合と同様に、試料上に薄膜を高品質に堆積形成させた
り、試料に対しエッチングを高精度に施したりすること
ができる。
【0038】しかしながら、本願第1番目の発明による
プラズマ処理装置の場合、磁界発生用電流供給手段によ
る第1及び第2の磁界発生用コイルにそれぞれ供給する
第1及び第2の磁界発生用電流と、第1及び第2の磁界
発生用コイルのそれぞれの巻回数と、形状及び位置と
が、第1及び第2の磁界発生用コイルによってそれぞれ
発生する第1及び第2の磁界の合成磁界における等磁界
強度面がプラズマ生成用室室内の上記マイクロ波導入窓
の位置またはその近傍においてマイクロ波導入窓に沿う
ほぼ平坦な面または上記プラズマ取出用開口側に凸な面
となるように、設定されている。
【0039】一方、プラズマ化されたガスを生成してい
るプラズマ生成用室内におけるマイクロ波に対する屈折
率は、図8で前述した従来のプラズマ処理装置の場合で
述べたように、プラズマ生成用室内で電子サイクロトロ
ン共鳴によってプラズマ化されたガスが生成されるとき
の電子サイクロトロン共鳴面を形成している等磁界強度
面よりも高い磁界強度を有する等磁界強度面から、電子
サイクロトロン共鳴面を形成している等磁界強度面に到
るに従って高くなっている。
【0040】このため、すなわち、第1及び第2の磁界
発生用コイルによってそれぞれ発生する第1及び第2の
磁界の合成磁界における等磁界強度面が、プラズマ生成
用室のマイクロ波導入窓の位置またはその近傍において
マイクロ波導入窓に沿うほぼ平坦な面またはプラズマ取
出用開口側に凸な面になっていることと、プラズマ生成
用室内に導入されたマイクロ波の屈折率が、電子サイク
ロトロン共鳴によってプラズマ化されたガスが生成され
るときの電子サイクロトロン共鳴面を形成している等磁
界強度面よりも高い磁界強度を有する等磁界強度面か
ら、電子サイクロトロン共鳴面を形成している等磁界強
度面に到るに従って高くなっていることとのため、プラ
ズマ生成用室内にマイクロ波導入窓を通じて導入したマ
イクロ波が、プラズマ照射用室側に伝播するのに従って
上述した軸に近づいて行くように収斂するようにさせな
くすることができる。
【0041】従って、プラズマ生成用室内に供給された
ガスを、電子サイクロトロン共鳴面になっている等磁界
強度面上において、濃度が各部一様であるまたはそれに
近い、従って濃度が少なくとも図8で前述した従来のプ
ラズマ処理装置の場合に比し高い一様性を有している濃
度分布を有するように、プラズマ化させることができ、
よって、プラズマ生成用室内においてプラズマ化された
ガスを、試料の上面上において、濃度が各部一様である
またはそれに近い、従って濃度が少なくとも図8で前述
した従来のプラズマ処理装置の場合に比し高い一様性を
有している濃度分布にさせることができる。
【0042】以上のことから、本願第1番目の発明によ
るプラズマ処理装置によれば、試料に対する電子サイク
ロトロン共鳴によってプラズマ化されたガスの照射によ
る処理を、試料の全域に亘って各部一様に行なわせるこ
とができる。
【0043】また、このため、試料として、大きな面積
を有するものを用いる制限を、図8で前述した従来のプ
ラズマ処理装置の場合から大幅に緩和させることができ
る。
【0044】また、本願第2番目の発明によるプラズマ
処理装置によれば、マイクロ波導入窓に設けられている
マイクロ波発散用レンズが、プラズマ生成用室内にマイ
クロ波供給手段から供給されるマイクロ波を、プラズマ
照射用室側に到るに従って上述した軸から離れて行くよ
うに発散させることができる。
【0045】このため、本願第2番目の発明によるプラ
ズマ処理装置によれば、第1及び第2の磁界発生用コイ
ルにそれぞれ供給する第1及び第2の磁界発生電流、第
1及び第2の磁界発生用コイルの巻回数、形状及び位置
の設定条件に、さほど厳密性を有せしめなくても、本願
第1番目の発明によるプラズマ処理装置の場合と同様の
作用効果を得ることができる。
【0046】さらに、本願第3番目の発明によるプラズ
マ処理装置によれば、第3の磁界発生用コイルの巻幅、
位置、その第3の磁界発生用コイルに供給する磁界発生
用電流などを予め適当に選定しておけば、その第3の磁
界発生用コイルから発生する第3の磁界における磁力線
によって、第1及び第2の磁界発生用コイルによってそ
れぞれ発生する第1及び第2の磁界の合成磁界における
磁力線を、試料の上面において、その上面と垂直な向き
またはそれに近い向きにさせることができる。
【0047】このため、本願第3番目の発明によるプラ
ズマ処理装置によれば、本願第1番目の発明によるプラ
ズマ処理装置の場合と同様の作用効果を伴っているプラ
ズマ化されたガスの試料への照射による処理を、より効
果的に得ることができる。また、本願第4番目の発明に
よるプラズマ処理装置によれば、上記第1及び第2の磁
界発生用コイルによってそれぞれ発生する第1及び第2
の磁界の合成磁界における等磁界強度面を、上記プラズ
マ生成用室内の上記マイクロ波導入窓の位置またはその
近傍において上記プラズマ取出用開口側に凸な面に設定
させることができるので、上記プラズマ生成用室内に上
記マイクロ波導入窓を通じて供給されるマイクロ波を、
本願第1番目の発明によるプラズマ処理装置の場合にお
いて、上記第1及び第2の磁界発生用コイルによってそ
れぞれ発生する第1及び第2の磁界の合成磁界における
等磁界強度面が上記プラズマ生成用室内の上記マイクロ
波導入窓の位置またはその近傍において上記マイクロ波
導入窓に沿うほぼ平坦な面に設定されている場合に比
し、大きく発散させることができ、よって、大きな面積
の試料に対しても、本願第1番目の発明によるプラズマ
処理装置の場合と同様の作用・効果を得ることができ
る。
【0048】
【実施例1】次に、図1を伴って、本発明によるプラズ
マ処理装置の第1の実施例を述べよう。図1において、
図8との対応部分には同一符号を付し詳細説明を省略す
る。
【0049】図1に示す本発明によるプラズマ処理装置
は、次に述べる事項を除いて、図8で前述した従来のプ
ラズマ処理装置の場合と同様の構成を有する。
【0050】すなわち、磁界発生用コイル51及び52
が、図8で上述した従来のプラズマ処理装置の場合と同
様の巻回数、形状及び位置でありながら、磁界発生用コ
イル51及び52に磁界発生電流供給手段81及び82
によってそれぞれ供給する磁界発生用電流I1 及びI2
の値及びそれらの値の比を適当に選定することによっ
て、磁界発生用コイル51及び52によってそれぞれ発
生する磁界H1 及びH2の合成磁界Hにおける等磁界強
度面Qが、前述した図9に対応している図2に示すよう
に、プラズマ生成用室1のマイクロ波導入窓5内の位置
pまたはその近傍においてマイクロ波導入窓5に沿うほ
ぼ平坦な面になるように設定されている。
【0051】また、マイクロ波供給手段71が、導波管
73の延長端と誘電体板6との間に、図8で前述した従
来のプラズマ処理装置の場合には有していないマイクロ
波モ―ド変換器75が介挿されている。
【0052】さらに、軸50のまわりに、プラズマ照射
用室11内において、配線87を含む磁界発生用電流供
給手段83から磁界発生用電流I3 が供給されることに
よって磁界(これをH3 とする)を発生させる他の磁界
発生用コイル53が、試料載置台31を取囲むように、
磁界発生用コイル51及び52と同心的に、試料載置台
31に支持されて配されている。
【0053】以上が、本発明によるプラズマ処理装置の
第1の実施例の構成である。
【0054】このような構成を有する本発明によるプラ
ズマ処理装置によれば、上述した事項を除いて、図8で
前述した従来のプラズマ処理装置の場合と同様の構成を
有する。
【0055】このため、詳細説明は省略するが、図8で
前述した従来のプラズマ処理装置の場合と同様に、試料
30に対し、電子サイクロトロン共鳴によってプラズマ
化されたガスG1′を、そのプラズマ化されたガスG
1′によって活性化されたまたは気相分解された他のガ
スG2′とともに照射する処理を、試料30を加熱する
ことなしに且つ試料30に高い損傷を与えることなしに
施すことができる。従って、図8で前述した従来のプラ
ズマ処理装置の場合と同様に、試料30上に薄膜を高品
質に堆積形成させたり、試料30に対しエッチングを高
精度に施したりすることができる。
【0056】しかしながら、図1に示す本発明によるプ
ラズマ処理装置の場合、上述したように、磁界発生用電
流供給手段81及び82による磁界発生用コイル51及
び52にそれぞれ供給する磁界発生用電流I1 及びI2
と、磁界発生用コイル51及び52のそれぞれの巻回
数、形状及び位置とが、磁界発生用コイル51及び52
によってそれぞれ発生する磁界H1 及びH2 の合成磁界
Hにおける等磁界強度面Qがプラズマ生成用室室1内の
マイクロ波導入窓5内の位置pまたはその近傍において
マイクロ波導入窓5に沿うほぼ平坦な面になるように、
設定されているので、このことと、図8で前述した従来
のプラズマ処理装置の場合で述べたように、プラズマ化
されたガスG1′を生成しているプラズマ生成用室1内
におけるマイクロ波Mに対する屈折率が、プラズマ生成
用室1内で電子サイクロトロン共鳴によってプラズマ化
されたガスG1′が得られるときの電子サイクロトロン
共鳴面ECRを形成している等磁界強度面Qrよりも高
い磁界強度を有する等磁界強度面Qhから、電子サイク
ロトロン共鳴面ECRを形成している等磁界強度面Qr
に到るに従い高くなっていることとのために、プラズマ
生成用室1内にマイクロ波導入窓5を通じて導入したマ
イクロ波Mが、少なくとも、図8で前述した従来のプラ
ズマ処理装置の場合のようにプラズマ照射用室11側に
伝播するのに従って上述した軸50に近ずいて行くよう
に収斂する、というようにさせなくすることができる。
【0057】従って、プラズマ生成用室1内に供給され
たガスG1を、電子サイクロトロン共鳴面ECRになっ
ている等磁界強度面Qr上において、濃度が各部一様で
あるまたはそれに近い、従って濃度が少なくとも図8で
前述した従来のプラズマ処理装置の場合に比し高い一様
性を有している濃度分布を有するように、プラズマ化さ
せることができ、よって、プラズマ生成用室1内におい
てプラズマ化されたガスG1′を、試料30の上面上に
おいて、濃度が各部一様であるかまたはそれに近い、従
って濃度が少なくとも図8で前述した従来のプラズマ処
理装置の場合に比し高い一様性を有している濃度分布に
させることができる。
【0058】以上のことから、図1に示す本発明による
プラズマ処理装置の場合、試料30に対する電子サイク
ロトロン共鳴によってプラズマ化されたガスG1′をそ
のプラズマ化されたガスG1′によって活性化されたま
たは気相分解された他のガスG2′とともに照射する処
理を、試料30の全域に亘って各部一様にまたはそれに
近い状態に行わせることができる。
【0059】また、このため、試料30として、大きな
面積を有するものを用いる制限を、図8で前述した従来
のプラズマ処理装置の場合から大幅に緩和させることが
できる。
【0060】さらに、図1に示す本発明によるプラズマ
処理装置によれば、磁界発生用コイル53の巻幅、磁界
発生用コイル53に磁界発生用電流供給手段83から供
給する磁界発生用電流I3 の値などを予め適当に選定し
ておけば、その磁界発生用コイル53から発生する磁界
3 によって、プラズマ照射用室11内において、磁界
発生用コイル51及び52によってそれぞれ発生する磁
界H1 及びH2 の合成磁界Hにおける磁力線を、試料3
0の上面においてその上面と垂直な向きまたはそれに近
い向きにさせることができる。
【0061】このため、試料30の全域に亘って各部一
様にまたはそれに近い状態で行わせることができる、プ
ラズマ化されたガスG1′とそれにより活性化されたま
たは気相分解したガスG2′との試料30への照射によ
る処理を、より効果的に行わせることができる。このこ
とは、図3に、図1に示す本発明によるプラズマ処理装
置を用いて、試料30上にSiO2 膜を堆積形成した場
合の、試料30の中心からの距離(cm)に対するSi
2 膜の形成速度の測定結果を、磁界発生用コイル53
を設けない場合と対比して示しているところからも明ら
かであろう。
【0062】さらに、図1に示す本発明によるプラズマ
処理装置によれば、マイクロ波モ―ド変換器75によっ
て、マイクロ波供給手段71からのマイクロ波Mを、プ
ラズマ生成用室1内に効果的に供給させることができる
ので、試料30の全域に亘って各部一様にまたはそれに
近い状態で行わせることができる、プラズマ化されたガ
スG1′とそれにより活性化されたまたは気相分解した
ガスG2′との試料30への照射による処理を、より効
果的に行わせることができる。
【0063】
【実施例2】次に、図4を伴って、本発明によるプラズ
マ処理装置の第2の実施例を述べよう。
【0064】図4において、図1との対応部分には同一
符号を付し、詳細説明を省略する。
【0065】図4に示す本発明によるプラズマ処理装置
は、次の事項を除いて、図1に示す本発明によるプラズ
マ処理装置の場合と同様の構成を有する。
【0066】すなわち、図1に示す本発明によるプラズ
マ処理装置におけるマイクロ波導入窓5に、それを閉塞
するように配されている平行平板でなる誘電体板6が、
それと同じようにマイクロ波導入窓5に、それを閉塞す
るように配されているが、レンズ状に形成されている誘
電体でなるマイクロ波発散用レンズ7に置換されてい
る。
【0067】以上が、本発明によるプラズマ処理装置の
第2の実施例の構成である。
【0068】このような構成を有する本発明によるプラ
ズマ処理装置の第2の実施例によれば、上述した事項を
除いて、図1に示す本発明によるプラズマ処理装置と同
様の構成を有する。
【0069】そして、マイクロ波導入窓5に、それを閉
塞するように配されているマイクロ波発展用レンズ7
が、その形状を適当に選定しておくことによって、プラ
ズマ生成用室1内にマイクロ波供給手段71から供給さ
れるマイクロ波Mを、プラズマ照射用室11側に到るに
従って軸50から離れて行くように発散させることがで
きる。
【0070】このため、図4に示す本発明によるプラズ
マ処理装置によれば、磁界発生用コイル51及び52に
供給する磁界発生用電流I1 及びI2 の値、磁界発生用
コイル51及び52の巻回数、形状及び位置などの設定
条件にさほどの厳密性を有せしめなくても、図1に示す
本発明によるプラズマ処理装置の場合と同様の作用効果
を得ることができる。
【0071】
【実施例3】次に、図5を伴って、本発明によるプラズ
マ処理装置の第3の実施例を述べよう。図5において、
図1との対応部分には同一符号を付し、詳細説明を省略
する。
【0072】図5に示す本発明によるプラズマ処理装置
は、次の事項を除いて、図1に示す本発明によるプラズ
マ処理装置の場合と同様の構成を有する。
【0073】すなわち、磁界発生用コイル51が、その
プラズマ照射用室11側とは反対側の端面をプラズマ生
成用室1のマイクロ波導入窓5に対応している位置より
もプラズマ照射用室11側にしているような巻幅を有し
ている図1に示す本発明によるプラズマ処理装置の場合
に代え、同じ端面をマイクロ波導入窓5に対応している
位置にしているような巻幅を有し、また、磁界発生用コ
イル52が、磁界発生用コイル51とほぼ等しい内径を
有している図1に示す本発明によるプラズマ処理装置の
場合に代え、磁界発生用コイル51に比し小さな内径を
有する。
【0074】以上が、本発明によるプラズマ処理装置の
第3の実施例の構成である。このような構成を有する本
発明によるプラズマ処理装置の第3の実施例によれば、
上述した事項を除いて、図1に示す本発明によるプラズ
マ処理装置と同様の構成を有する。
【0075】そして、磁界発生用コイル51及び52に
関する上述した事項のため、磁界発生用コイル51及び
52によってそれぞれ発生する磁界H1 及びH2 の合成
磁界Hにおける等磁界強度面Qを、図2に対応している
図6に示すように、プラズマ生成用室1のマイクロ波導
入窓5内の位置pまたはその近傍において、プラズマ取
出用開口22側に凸な面になるように設定させることが
できる。
【0076】このため、図5に示す本発明によるプラズ
マ処理装置によれば、プラズマ生成用室1内にマイクロ
波供給手段71から導入したマイクロ波Mが、プラズマ
照射用室11側に伝播するに従って軸50から離れて行
くように発散すると、図1に示す本発明によるプラズマ
処理装置の場合で述べた、そのマイクロ波Mの発散を、
図1に示す本発明によるプラズマ処理装置の場合に比し
大きくさせることができるので、図1に示す本発明によ
るプラズマ処理装置の場合に比しより大きな面積を有す
る試料30に対しても、図1に示す本発明によるプラズ
マ処理装置の場合と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0077】
【実施例4】次に、図7を伴って、本発明によるプラズ
マ処理装置の第4の実施例を述べよう。図7において、
図5との対応部分には同一符号を付し、詳細説明を省略
する。
【0078】図7に示す本発明によるプラズマ処理装置
は、次の事項を除いて、図5に示す本発明によるプラズ
マ処理装置の場合と同様の構成を有する。すなわち、誘
電体板6が、図4で上述した本発明によるプラズマ処理
装置の場合と同様に、同様のマイクロ波発散用レンズ7
に置換されている。
【0079】以上が、本発明によるプラズマ処理装置の
第4の実施例の構成である。このような構成を有する本
発明によるプラズマ処理装置の第4の実施例によれば、
上述した事項を除いて、図5に示す本発明によるプラズ
マ処理装置と同様の構成を有するので、詳細説明は省略
するが、図5で上述した本発明によるプラズマ処理装置
の場合と同様の作用効果と、図4で上述した本発明によ
るプラズマ処理装置の場合と同様の作用効果とを合せ有
することは明らかであろう。
【0080】なお、上述においては、本発明のわずかな
実施例を示したに留まり、本発明の精神を脱することな
しに、種々の変型、変更をなし得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマ処理装置の第1の実施例
を示す略線的断面図である。
【図2】図1に示す本発明の説明に供する、プラズマ生
成用室及びプラズマ照射用室内での合成磁界における等
磁界強度面を示す図である。
【図3】図1に示す本発明によるプラズマ処理装置の説
明に供する、それを用いた処理によって試料上にSiO
膜の形成したときの、そのSiO膜の成長速度の分
布を示す図である。
【図4】本発明によるプラズマ処理装置の第2の実施例
を示す略線的断面図である。
【図5】本発明によるプラズマ処理装置の第3の実施例
を示す略線的断面図である。
【図6】図5に示す本発明によるプラズマ処理装置の説
明に供する、プラズマ生成用室及びプラズマ照射用室内
での合成磁界における等磁界強度面を示す図である。
【図7】本発明によるプラズマ処理装置の第4の実施例
を示す略線的断面図である。
【図8】従来のプラズマ処理装置を示す略線的断面図で
ある。
【図9】図8に示す従来の説明に供する、プラズマ生成
用室及びプラズマ照射用室内での合成磁界における等磁
界強度面を示す図である。
【符号の説明】 1 プラズマ生成用室 4 ガス導入口 5 マイクロ波導入窓 6 誘電体板 7 マイクロ波発散用レンズ 11 ブラズマ照射用室 16 排気口 22 プラズマ取出用開口 30 試料 31 試料載置台 40 冷却手段 42 冷媒用室 43 冷媒導入管 44 冷媒導出管 50 軸 51、52 磁界発生用コイル 61 ガス供給手段 62 ガス供給管 63 ガス供給手段 64 ガス噴出用管 71 マイクロ波供給手段 72 マイクロ波源 73 導波管 75 マイクロ波モード変換器 81、82、83 磁界発生用電流供給手段 90 排気手段 91 排気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/31 H05H 1/46 C H05H 1/46 H01L 21/302 B (56)参考文献 特開 平1−307225(JP,A) 特開 平2−22486(JP,A) 特開 平2−137223(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 16/50 C23F 4/00 H01L 21/205 H01L 21/3065 H01L 21/31 H05H 1/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス導入口とマイクロ波導入窓とを有す
    るプラズマ生成用室と、 上記プラズマ生成用室と上記マイクロ波導入窓側とは反
    対側においてプラズマ取出用開口を介して連接し、且つ
    試料を載置する試料載置台を配しているとともに、排気
    口を有するプラズマ照射用室と、 上記プラズマ生成用室と上記プラズマ照射用室とを上記
    マイクロ波導入窓を通って結ぶ軸のまわりに、上記プラ
    ズマ生成用室を取囲むように配され、且つ第1の磁界を
    上記プラズマ生成用室及び上記プラズマ照射用室内に発
    生させる第1の磁界発生用コイルと、 上記軸のまわりに、上記第1の磁界発生用コイルの上記
    プラズマ照射用室側とは反対側において、上記第1の磁
    界発生用コイルと同心的に配され且つ第2の磁界を上記
    プラズマ生成用室及び上記プラズマ照射用室内に発生さ
    せる第2の磁界発生用コイルと、 上記プラズマ生成用室内に外部から上記ガス導入口を通
    じてプラズマ化されるべきガスを供給するガス供給手段
    と、 上記プラズマ生成用室内に外部から上記マイクロ波導入
    窓を通じてマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段
    と、 上記第1及び第2の磁界発生用コイルに上記第1及び第
    2の磁界をそれぞれ発生させるための第1及び第2の磁
    界発生用電流をそれぞれ供給する第1及び第2の磁界発
    生用電流供給手段と、 上記プラズマ生成用室及びプラズマ照射用室内を上記排
    気口を通じて排気する排気手段とを有するプラズマ処理
    装置において、 上記第1及び第2の磁界発生用電流供給手段によって上
    記第1及び第2の磁界発生用コイルにそれぞれ供給する
    第1及び第2の磁界発生用電流と、上記第1及び第2の
    磁界発生用コイルのそれぞれの巻回数、形状及び位置と
    が、上記第1及び第2の磁界発生用コイルによってそれ
    ぞれ発生する上記第1及び第2の磁界の合成磁界におけ
    る等磁界強度面が上記プラズマ生成用室内の上記マイク
    ロ波導入窓の位置またはその近傍において上記マイクロ
    波導入窓に沿うほぼ平坦な面または上記プラズマ取出用
    開口側に凸な面になるように、設定されていることを特
    徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ処理装置におい
    て、 上記マイクロ波導入窓に、それを通って上記プラズマ生
    成用室に上記マイクロ波供給手段から供給される上記マ
    イクロ波を上記プラズマ照射室側に到るに従い発散させ
    るマイクロ波発散用レンズが設けられていることを特徴
    とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプラズマ処理装置におい
    て、 上記軸のまわりに、上記プラズマ照射用室内において、
    上記第1及び第2の磁界発生用コイルによってそれぞれ
    発生する上記第1及び第2の磁界の合成磁界における磁
    力線を上記試料の上面上においてその上面と垂直な向き
    になるようにさせるための第3の磁界を発生させる第3
    の磁界発生用コイルが配されていることを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、上記第1の磁界発生
    用コイルが、その上記プラズマ照射用室側とは反対側の
    端面を上記マイクロ波導入室に対応している位置にして
    いるような巻幅を有し、 上記第2の磁界発生用コイルが、上記第1の磁界発生用
    コイルに比し小さな内径を有することを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
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