JP2783565B2 - 燐酸カルシウム化合物顆粒体およびその製造方法 - Google Patents

燐酸カルシウム化合物顆粒体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は骨欠損あるいは空隙部充填用材料として好適
な性能を有する燐酸カルシウム化合物顆粒体およびその
製造方法に関するものである。
[従来の技術] 事故や疾病あるいは抜歯等により骨損傷を来した場
合、骨欠損部あるいは空隙部の充填が必要となる。
生体の硬組織代替物としてはSUS316等のステンレス
鋼,Ti及びTi合金,バイタリウム,プラスチック等各種
の金属ならびに有機物が用いられているが、これらは生
体に対する親和性が良好でなく、また骨との結合性も全
くなく、しかも使用中溶解や劣化等を伴ない溶解物が毒
性を有するものなどもあった。
そこで、生体組織に対して無害であることはいうまで
もなく親和性や結合性に優れた材料が要求されるに至
り、これらを満足するものとしてセラミックス系材料が
注目されている。中でも燐酸カルシウム系セラミックス
は、骨と同じ成分であること、骨と高い親和性を示すこ
と、しかも骨との間に化学的結合を形成すること等から
注目されるようになってきた。
燐酸カルシウム系セラミックスとしては、アパタイト
特にヒドロキシアパタイト[Ca6(PO410(OH)]や
β−TCP[β−Ca3(PO4]が近年特に注目されてい
る。しかしこれらは他の材料に比べて親和性が良好では
あるものの、実際の臨床適用においては初期の骨形成性
が必ずしも良好でなく、場合によっては組織細胞がこれ
らの表面を取り巻いて、骨との結合を阻害する状況が認
められ、この欠点を改善する必要がある。
この点の解決策の一つとして、骨芽細胞の侵入をはか
り、結合力を高めるために孔径が10〜30μmの連続気孔
を設けた成形体が提案されている。例えば特開昭60−21
763号,特開昭62−158175号公報にはヒドロキシアパタ
イト原料粉に有機物を混合し、焼成時に有機物を焼失せ
しめて多孔体となす方法、あるいは特開昭62−12860号
公報には成形体をいったん粉砕して表面粗度の高い顆粒
状物を作製し、これを再混合焼成して多孔体とする方法
が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] ところが前者のヒドロキシアパタイト原料粉と有機物
を単に混合して焼成し多孔体とする方法においては、混
合を十分に行なわないと気孔分布がかたより、所期の目
的である骨芽細胞の侵入に”むら”が生じることと、期
待されるほどの機械的強度が得られないということ等の
欠点がある。また粉砕により粗表面顆粒状物を作製し、
これを混合焼成して多孔体とする方法では製造工程が複
雑となるだけでなく粉砕時の粒度分布制御の困難性を伴
なうため気孔率を制御することが難しく、また気孔分布
にばらつきを生じ易いという問題があった。
このような状況に鑑み本発明者等は骨芽細胞の侵入性
が良好で、且つ溶解吸収により新生骨との置換がすみや
かにおこなわれ、しかも機械的強度の高い骨欠損部充填
材料を得ることのできる燐酸カルシウム化合物顆粒体お
よびその製造方法について検討した。
[課題を解決するための手段] 上記問題点を解決することのできた本発明の燐酸カル
シウム化合物顆粒体とは、30〜500μmの連続した開気
孔および理論表面積の10倍以上の表面積を有するととも
に、連続した開気孔を除いた基質部における気孔率が30
%以下であること、を構成要旨とするものである。中で
も37℃の生理食塩水100mlに対するCa溶出量Yが式
(1)で示され、 0.09T0.3≦(ppm) …(1) [但し、Tは溶出時間(分)で0≦T≦43200] 且つCa溶出液のpHが6.0〜8.5であるものは生体に対する
親和性が特に良いものである。
このような燐酸カルシウム化合物顆粒体は、粒径5μ
m以下の燐酸カルシウム化合物粉末およびバインダ液か
ら平均粒径30〜200μmの1次粒子を造粒し、次いで該
1次粒子,バインダ液および燐酸カルシウム化合粉末か
ら2次粒子を造粒した後、乾燥・焼成することによって
得られる。またバインダ液として粘度が1000cps(室
温)以下で、Ca化合物とP化合物との反応生成物である
燐酸カルシウムゾルを主成分とする液状物を用いると高
温で長時間焼成する必要がなく、またCaの溶出性が良い
ものを得ることができる。
[作用] 骨欠損部に充填される充填材は自家骨と接触し、その
接触面において速やかに且つ強固な結合を形成するもの
であることが望まれる。即ち新生骨の形成・成長を促進
し且つ新生骨が充填材の内部に広く・深く浸入して両者
の一体性を高めるものでなければならない。その為充填
材は新生骨の生成にとって有用なCaを溶出(特に新生骨
の形成が進む間持続的に溶出)し得る材料が必要とな
り、前述した様なアパタイト、特にヒドロキシアパタイ
ト(以下HAPという)やβ−TCP等の燐酸カルシウムが使
用される。そしてこれらの材料は適度なCa溶出速度を有
するものであると共に、新生骨の成長先端が侵入するの
を許して一体性を高め得るものでなくてはならないとい
う観点から検討を進めた。
以下これらの点について説明していく。
まず適度のCa溶出速度を有しなければならない点であ
るが、Caの溶出速度を高める手段としては、大きく分け
て次の2つが挙げられる。
第1は燐酸カルシウム化合物におけるCa/P比を高める
か、あるいはアパタイト相以外の可溶塩相を増やす手段
である。これらは可溶塩相を予め多く配合するか、ある
いは組成内で可溶塩相が多く生成する様なCa/P比に制御
して顆粒体を作るものであるが、Caの溶出を制御するの
が難しいこと、可溶塩相の溶脱後の組織強度が低下する
こと,可溶塩相の毒性の有無等多くの難点を抱えてい
る。
第2図は燐酸カルシウム化合物組成はそのままとして
おき、顆粒体の表面積を増加させる手段である。ここで
単位重量当たりの表面積を増やす方法としては、単純に
は顆粒体サイズを細かくすることが考えられ、それでも
多少は改善されるが、細粒化による表面積増大の度合い
はわずかなものであり、むしろ細かくすれば粒子が取扱
いにくくなり、かつ充填時の空隙も非常に小さくなり、
充填後の空隙を確保しずらくなる。また縫合時に粉体の
はみ出しや肉芽組織への混入等といった欠点を生じ本来
の目的を達することができなくなる。
この様に顆粒体自体を小さくするのには限度があるの
で、該顆粒体内に連続開気孔を設けて表面積を上げるこ
ととした。連続開気孔の形成はCaの持続的溶出という作
用効果を発揮するので、新生骨の成長期間中を通じてCa
を供給できることとなり、骨誘導機能が向上して新生骨
の成長を更に促進するという効果がある。そこで種々検
討した結果、下記のような条件を定めた。
連続した開気孔の長さ:30〜500μm 表面積:顆粒体としての理論表面積の10倍以上 連続した開気孔を除いた基質部における気孔率:30
%以下 気孔率の測定に当たっては水銀圧入法を採用し、顆粒
体中の連続した開気孔の体積を除いた残部(本明細書で
は基質部といい、閉気孔を内包する)の体積を求め、 として計算した。
顆粒体の表面積が理論表面積の10倍未満では溶出速度
が小さくて骨誘導性がかんばしくないので10倍以上とす
る。さらに顆粒体の理論表面積を10倍以上とするために
設ける連続開気孔サイズは表面積と顆粒体サイズから30
〜500μmとする。30〜500μmの連続し合った開気孔を
設けることは、上記Ca溶出効果の他、骨芽細胞の侵入を
促し非常に有効である。しかしこの様な連続開気孔を儲
けると強度を低下させるという不都合な面もあるので、
強度低下を防ぐために顆粒体の連続した開気孔を除いた
基質部における気孔率を30%以下と定めた。
上記した構造の顆粒体は骨欠損部充填材として使用し
た場合生体内でのCa溶出性に優れたものであったが、特
に37℃の生理食塩水100mlに対するCa溶出量Yが式
(1)で示され、 0.09T0.3≦Y(ppm) …(1) [但し、Tは溶出時間(分)で0≦T≦43200]且つC
a溶出液のpHが6.0〜8.5であるものは生体埋入試験にお
いて優れた結果を示した。即ち0.09T0.3未満では溶出量
が不十分である。またpHに関しては6.0〜8.5の範囲外で
は生体に対して有害となるので上記範囲のものとする。
尚Yについては特に上限を設定しないが本発明の所期の
目的は0.5T0.5以下程度で十分達成される。
本発明者らが作成した顆粒体を用いて溶出テストを行
なった所、Caについては第1図、pHについては第2図に
示す結果が得られ、1カ月経過後でもまだ溶出が進むこ
とが明らかになった。しかも一部を除いて溶出液のpHは
ほとんど変化せず一定の値で推移している。尚でき上っ
た顆粒体の大きさについては特に制限されるものではな
いが、500〜1000μm程度のものは扱い性の点から好ま
しい。
本発明の顆粒体は次のようにして製造することができ
る。まず粒径5μm以下のカルシウム粉末およびバイン
ダから30〜200μmの1次粒子を造粒する。造粒に際し
ては粒径分布を狭くすることが望ましく、転動造粒法は
緻密顆粒の製造に適した方法であるのでこの方法を用い
ることが望ましい。また密度90%以上を達成すれば高強
度の1次粒子が得られる。この1次粒子に原料粉末を追
加して更にバインダとともに造粒すると1次粒子同士が
互いに接合しあうとともに各1次粒子が核となって粒子
が大きく成長し、複数個の1次粒子を核とした多核粒子
即ち2次粒子を形成する2次造粒も前述の理由により転
動造粒法を採用することが望ましい。さらにこの2次粒
子を乾燥・焼成すると水分や加熱分解成分が除去されて
この除去された部分が30〜500μmの連続開気孔を構成
し、第3図に示すような形状および発発明で規制したよ
うな顆粒体となる。
顆粒体の製造時に用いるバインダとしてはポリビニル
アルコール(PVA)溶液、ヒドロキシプロピルセルロー
ス(HPC)溶液およびその他焼成時に消散してしまい有
害成分を残留させない様な有機バインダを使用すること
ができる。また粘度が1000cps(室温)以下でCa化合物
とP化合物との反応生成物である燐酸カルシウムゾルを
主成分とする液状物をバインダとして用いると、有機バ
インダ使用時の様に有機バインダを熱分解して除去する
ための脱バインダ工程を考慮せずにすむので焼成時間も
短時間で良く、高温にする必要がない。しかも不純物含
有量が少なく、Caの溶出性が優れたものとなる。
前記燐酸カルシウムゾルを主成分とする粘度1000cps
(室温)以下の液状物は例えばカルシウムアルコキシド
および燐の酸素酸のアルキルエステル類を非水溶媒中で
反応して得られる。そしてカルシウムアルコキシドとし
てはカルシウムジメトキシド,カルシウムジエトキシ
ド,カルシウムジプロポキシド等が挙げられ、燐の酸素
酸のアルキルエステルとしてはメタ燐酸,ピロ燐酸,オ
ルト燐酸,三燐酸および四燐酸等のアルキルエステルが
示され、例えば燐酸トリメトキシド,燐酸トリエトキシ
ド,燐酸トリプロポキシド,亜燐酸トリメトキシド,亜
燐酸トリエトキシド,亜燐酸トリプロポキシド等が挙げ
られる。非水溶媒としてはエチレングリコール,プロピ
レングリコール,トリメチレングリコール,メタノー
ル,エタノール,プロパノールなどの低級の一価あるい
は多価アルコールで代表される親水性有機溶媒の単独あ
るいはこれらの混合液が用いられる。また互いに相溶性
の良い溶媒の一方にカルシウムアルコキシドを溶解し、
他方に燐の酸素酸のアルキルエステルを溶解して両者を
混合してもよい。また粘度を1000cps以下にするのは100
0cpsを超えると粉体に対する濡れ性が低くなりすぎてし
まうからである。
さらに未焼成の2次粒子や焼成後の2次粒子(顆粒
体)をバインダと共に成形した後、焼成して成形体を得
ることもできる。
[実施例] 実施例1 直径360mmのパン型転動造粒機にHAP粉末500gを装入
し、5%ポリビニルアルコール(PVA)液480mlを20分間
にわたってスプレー圧1kg/cm2以下で噴霧しながら粒径5
0〜100μmになるように造粒し、ついでこれに90gのHAP
粉末を加えて調湿し1次粒子とした。さらにこの1次粒
子に10%PVA液300mlを前記と同条件で20分間にわたって
噴霧しながらHAP粉末120gを徐々に加え2次粒子を造粒
した。該2次粒子を乾燥後1200℃で焼成して粒径600〜1
000μm(平均700μm)、理論表面積0.003m2/gに対し
実表面積0.04m2/gの多孔質顆粒体を得た。
該顆粒体の溶出試験の結果、 YCa(ppm)=0.351T0.311(相関係数γ=0.993) で示される溶出速度式が得られ、動物試験の結果2週間
で非常な良好な骨誘導能を示していた。
実施例2 実施例1と同様にしてHAP粉末から粒径50〜100μmの
1次粒子を造粒し、該1次粒子500gに8%ヒドロキシプ
ロピルセルロース(HPC)溶液200mlを8分間同条件で噴
霧しながら0.1μmのHAP粉末60gを添加して2次粒子を
得た。該2次粒子を乾燥後1200℃で焼成し、粒径600〜1
000μm(平均760μm)、理論表面積0.003m2/gに対し
て実表面積0.05m2/gの顆粒体を得た。
該顆粒体の溶出試験の結果 YCa(ppm)=0.1T0.378(相関係数γ=0.997) で示される溶出速度式が得られ、動物試験による結果で
は、実施例1で得られた顆粒体とほとんど同じ骨誘導能
を示した。
実施例3 実施例1と同様にしてHAP粉末500gに対し、450mlの10
%PVA液を25分間スプレーしながら添加して調湿し、さ
らにHAP粉末を200g添加して造粒し粒径30〜200μmの1
次粒子を得た。
つづいて1次粒子500gを分取し、これに150mlの10%P
VA液を10分間スプレーしながらHAP粉末280gを徐々に添
加して造粒し、得られた粒子を500g分取し40mlの10%PV
A液を2分間スプレーしながら造粒し、この粒子300g
に、1次粒子300gを添加しながら3分間転造して2次粒
子を製造した。乾燥後1200℃で焼成して得られた顆粒体
は粒径600〜1000μm(平均900μm)、理論表面積0.00
2m2/gに対し実表面積0・03m2/gであり、 溶出試験の結果 YCa(ppm)=0.149T0.345(相関係数γ=0.987) で示される溶出速度式が得られ、実施例1と比べて遜色
のない動物試験結果が得られた。
実施例4 実施例1と同様にしてHAP粉末500gに、560mlの10%PV
A液を加えて造粒した後、HAP粉末200gを徐々に添加しな
がら調湿粒子とした。つづいてこの調湿粒子500gを転造
させながら残りの調湿粒子を徐々に添加し、50mlの10%
PVA液を5分間添加し、仕上げにHAP粉末30gを添加し粒
径50〜200μmの1次粒子を造粒した。該1次粒子500g
を核にしてPVA液100mlを7分間にわたりスプレーしなが
らHAP粉末120gを添加して2次粒子を製造した。乾燥後1
200℃で焼成して得られた顆粒体は粒径600〜1000μm
(平均890μm)、理論表面積0.002m2/gに対し実表面積
0.02m2/gの顆粒体で溶出速度式は、 YCa(ppm)=0.126T0.325(相関係数γ=0.994) であった。動物試験では実施例3で得られた顆粒体に劣
らぬ結果が得られた。
実施例5 まずカルシウムジエトキシド260g,亜燐酸トリエチル2
00gを、エチレングリコール1.3とエチルアルコール2
の混合液に溶解した後純水10mlを注意深く加えアパタ
イトゾルを得た。
一方直径360mmのパン型転動造粒機にHAP粉末500gを装
入し、前記の様にして得たアパタイトゾル500mlを20分
間にわたってスプレー圧1kg/cm2以下で噴霧しながら粒
径50〜100μmになるように造粒し、ついでこれに90gの
HAP粉末を加えて調湿し1次粒子とした。さらにこの1
次粒子に上記アパタイトゾルを300ml、前記条件と同条
件で20分間噴霧しながら、HAP粉末120gを徐々に加え2
次粒子を造粒した。該2次粒子を乾燥後1200℃で焼成し
て粒径600〜1000μm(平均700μm)の多孔質顆粒体を
得た。理論表面積0.03m2/gに対し0.04m2/gの実表面積を
有していた。
溶出試験の結果 YCa(ppm)=0.351T0.311(相関係数γ=0.993) で示される溶出速度式が得られ動物試験の結果、2週間
で非常に良好な骨誘導能を示していた。
比較例1 HAP粉末500gに10%PVA液300mlを5分間で加え調湿し
た。つづいて10%PVA液150mlを4分間スプレーしながら
造粒し、得られた粒子400gにHAP粉末200gを添加しなが
ら5分間造粒した。この結果得られた顆粒体の形状は第
4図に示すようにほぼ円形であり、多核粒子とはならな
かった。表面積も理論値0.004m2/gに対し、実際値0.03m
2/gで、溶出速度式は YCa(ppm)=0.1T0.28(相関係数γ=0.976)と最も
低く、動物試験結果でも他の実施例1〜5までの試料に
比べ劣っていた。
比較例2 Ca/P比1.69のHAP粒子を原料粉として実施例4と同じ
方法で造粒し、実施例4とほぼ同等の顆粒体を得た。
溶出試験では YCa(ppm)=7.35T0.068(相関係数γ=0.920) であったが、溶出液のpHは9以上を超えることが多く、
骨芽細胞の発達が思わしくなかった。
比較例3 HAP粉末500gに実施例5と同じアパタイトゾルをバイ
ンダとして300mlを5分間で加えて調湿した。つづいて3
00mlを4分間スプレーしながら造粒し、得られた粒子40
0gにHAP粉末200gを添加しながら造粒した。この結果得
られた顆粒体の形状は第4図に示すようにほぼ円形であ
った。表面積も理論値0.004m2/gに対し0.03m2/gで、 YCa(ppm)=0.1T0.29(相関係数γ=0.98)と最も低
く、動物試験において実施例1〜5のものに比べて骨の
形成が劣っていた。
[発明の効果] 本発明は以上のように構成されているので、本発明の
顆粒体より骨欠損部充填材は骨芽細胞の侵入性が良く、
適度のCaの溶出により新生骨の形成がすみやかに行なわ
れると共に充填材と自家骨は強固な結合によって一体化
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は生理食塩水に対するCaの溶出速度変化を示す
図、第2図は生理食塩水に対する溶出液のpH変化を示す
図、第3図は本発明の顆粒体の表面状態を示す図、第4
図は従来方法により得た粒体の表面状態を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 25/32 C04B 38/00 A61L 27/00 A61F 2/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】30〜500μmの連続した開気孔および理論
    表面積の10倍以上の表面積を有するとともに、連続した
    開気孔を除いた基質部における気孔率30%以下であるこ
    とを特徴とする燐酸カルシウム化合物顆粒体。
  2. 【請求項2】37℃の生理食塩水100mlに対するCa溶出量
    Yが式(1)で示され、 0.09T0.3≦Y(ppm) …(1) [但し、Tは溶出時間(分)で0≦T≦43200] 且つCa溶出液のpHが6.0〜8.5である請求項(1)に記載
    の燐酸カルシウム化合物顆粒体。
  3. 【請求項3】粒径5μm以下の燐酸カルシウム化合物粉
    末およびバインダ液から平均粒径30〜200μmの1次粒
    子を造粒し、次いで該1次粒子,ハインダ液および燐酸
    カルシウム化合物粉末から2次粒子を造粒した後、乾燥
    ・焼成して請求項(1)または(2)に記載の燐酸カル
    シウム化合物顆粒体を製造する方法。
  4. 【請求項4】粘度が1000cps(室温)以下で、Ca化合物
    とP化合物との反応生成物である燐酸カルシウムゾルを
    主成分とする液状物をバインダ液として用いる請求項
    (3)に記載の燐酸カルシウム化合物顆粒体の製造方
    法。
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CN108689394B (zh) * 2017-09-15 2021-06-18 天水师范学院 一种纳米磷酸氢钙的制备方法

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JPH01230412A (ja) 1989-09-13

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