JP2783559B2 - 酸化物系複合焼結体とその製造方法およびそれを用いた抵抗体 - Google Patents

酸化物系複合焼結体とその製造方法およびそれを用いた抵抗体

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、Bi−Sr−Ca−Cu−O系の超電導酸化物の
特性を生かし、かつ機械的強度などを向上させた酸化物
系複合焼結体とその製造方法、および酸化物系複合焼結
体を用いた抵抗体に関する。
(従来の技術) 1986年に40K以上の高い臨界温度を有するLa−Ba−Cu
−O系の層状ペロブスカイト型の酸化物系超電導体が発
表されて以来、酸化物系の超電導材料が注目を集めた。
また、1987年にはY−Ba−Cu−O系で代表される酸素欠
陥を有する欠陥ペロブスカイト型の酸化物超電導体の臨
界温度が液体窒素温度(=77K)より高い、約90Kである
ことが確認された。この発見により冷媒として高価な液
体ヘリウムに代えて、より安価な液体窒素を用いた超電
導体の応用が可能となり、各所で盛んに研究が行われて
いる。
また、1988年には臨界温度が、105K近辺と高いBi−Sr
−Ca−Cu−O系の超電導酸化物が発見されるに至った。
このBi−Sr−Ca−Cu−O系の超電導酸化物は、Y−Ba−
Cu−O系の超電導酸化物に比べて臨界温度が高く、たと
えば液体窒素によって冷却を行う際に実用上充分な熱的
マージンがとれるばかりでなく、高価な希土類元素が不
要であること、水分に対する化学的安定性が高いこと、
酸素が抜けにくいことなどの利点があり、より優れた超
電導体として注目を集めている。
このBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物は、Y−Ba−
Cu−O系の超電導酸化物などと同様に結晶性の酸化物で
あるため、次のような方法によって製造することが試み
られている。すなわち、原料粉末としてたとえば,Bi
2O3、SrCO3、CaCO3、CuOなどの粉末を用い、これらを所
定の組成となるように混合した後に所要形状の成形体を
作製し、この成形体を適当な温度で焼成することによっ
て焼結体として得る。
しかし、このBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物は、
上述したような通常の焼成法によって焼結体を作製する
と、焼結体密度の著しく低い超電導酸化物焼結体しか得
られず、焼結体の機械的強度に難点があった。このよう
に超電導酸化物の焼結体密度が低いと、焼成時や使用時
に亀裂などが発生しやすいという機械的な欠点の他に、
臨界電流密度も低いものしか得られず、各種超電導部材
として実用化する際の大きな問題点となっている。
また、このBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物の焼結
に要する温度は、その融点直下の極めて狭い温度範囲、
たとえば870℃〜880℃というような狭い温度範囲にある
ため、焼結時の温度制御が非常に難しく、さらに焼結体
に反りなどの変形が発生しやすいという問題もあった。
一方、このBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物の焼結
体は、超電導転移温度以上で正の抵抗温度係数を有して
おり、このことから電力用などの比較的大きな電流を流
す用途に用いる抵抗体としての可能性も有している。た
とえば、このような正の抵抗温度係数を有する抵抗体の
代表的なものとしては、従来、Al2O3−C系セラミック
ス抵抗体が用いられてきた。しかし、このAl2O3−C系
セラミックス抵抗体は、炭素を均一に分散させることが
難しく、また焼成時に還元性雰囲気を用いなければなら
ないため、製造コストが高いなどの難点があり、さらに
性能面においては、導電性を担う炭素粒子が大きなエネ
ルギーの印加により破壊されやすく、不安定であるとい
うような問題もあった。
そこで、上述したようにBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導
酸化物の焼結体を、たとえば常温域において抵抗体とし
て用いることが考えられるが、現状の焼成法によって得
られる焼結体では、上述したように焼結体密度が低く、
機械的強度が低いため、高電力の印加を行った際に割れ
てしまう危険性が高いなど、実用化は難しい。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物
は、通常の焼成法では焼結体密度の低いものしか得られ
ず、超電導体として使用する際にも、あるいは抵抗体と
して使用する際にも、機械的強度が低いということや変
形しやすいということなど、種々の問題があり、実用化
に向けてこれらの改善が強く望まれている。
この発明は、このような従来技術の課題に対処するた
めになされたもので、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化
物を超電導部材として実用化する際に重要な機械的強度
を向上させた酸化物系複合焼結体とその製造方法を提供
することを目的としており、さらにBi−Sr−Ca−Cu−O
系超電導酸化物の超電導転移温度以上での正の抵抗温度
係数を有効に利用することを可能にした抵抗体を提供す
ることを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明の酸化物系複合焼結体は、酸化亜鉛を主骨格
とする焼結体であって、前記酸化亜鉛の結晶粒界に粒界
構成相としてBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物が連続
的に存在していることを特徴としている。
また、この発明の酸化物系複合焼結体の製造方法は、
酸化亜鉛粉末と、予め結晶化させたBi−Sr−Ca−Cu−O
系超電導酸化物粉末とを少なくとも含有する混合原料を
所定の形状に成形する工程と、この成形体を1050℃〜12
00℃の範囲の温度で焼成する工程とを有することを特徴
としている。
この発明の酸化物系複合焼結体に用いられるBi−Sr−
Ca−Cu−O系超電導酸化物は、基本的に 化学式:Bi1Sr1Ca1Cu2Ox …(I) で表されるものであるが、厳密にこの成分である必要は
なく、Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物単体で超電導特性が
得られる範囲内であれば使用可能であり、さらにたとえ
ばBiの一部をPbで置換するなど、超電導特性が得られる
範囲内で他のに元素によって一部置換されたものでもよ
い。なお、この際の置換元素は、酸化亜鉛の結晶内に完
全固溶するものでないものが好ましい。なお、上記
(I)式におけるxの値は、通常6〜9とされている。
この発明に用いられる超電導酸化物粉末は、たとえば
以下のようにして作製される。
まず、Bi、Sr、Ca、CuなどのBi−Sr−Ca−Cu系酸化物
超電導体の構成元素の単体または化合物を充分に混合す
る。この構成元素の化合物としては、Bi2O3、SrCO3、Ca
CO3、CuOなどの炭酸塩や酸化物を用いることができるほ
か、炭酸塩以外の焼成後に酸化物に転化する硝酸塩、水
酸化物などの化合物や、さらには共沈法などによって得
たシュウ酸塩、金属アルコキシド、有機金属塩などを用
いてもよい。
このBi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超電導体を構成する
元素は、基本的に上記(I)式の原子比を満足する組成
となるように混合するが、多少ずれていてもよい。
次いで、この混合粉末を800℃程度の温度で仮焼して
予め反応させて結晶化し、この仮焼物をボールミル、サ
ンドグラインダ、その他公知の手段によって粉砕してBi
−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物の粉末を作製する。
このようにして予め結晶化させた超電導酸化物粉末と
酸化亜鉛粉末とを用い、以下のようにしてこの発明の酸
化物系複合焼結体を作製する。
まず、超電導酸化物粉末と酸化亜鉛粉末とを充分に混
合する。この混合割合は、酸化亜鉛を30〜99モル%の範
囲とし、残部をBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物とす
ることが好ましい。酸化亜鉛の配合比が30モル%未満で
あると、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物単独の性質
が強くなり、酸化亜鉛焼結体による機械的強度補強効果
が充分に得られない。また、酸化亜鉛の配合比が99モル
%超えると、酸化亜鉛焼結体の結晶粒界に粒界構成相と
して連続的なBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物が形成
されにくくなり、充分な超電導特性が得られない。
次に、この混合原料を用いて、プレス成形法、射出成
形法、スリップキャスティング法、ドクターブレード法
などの各種成形手段によって、ブロック状、線状、管状
等の目的に応じた形状の成形体を作製する。
そして、この酸化亜鉛とBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導
酸化物との混合成形体を、空気中などで1050℃〜1200℃
程度の温度で焼成することにより、酸化物系複合焼結体
を作製する。焼成温度が1050℃未満であると酸化亜鉛の
焼結が不十分となり、1200℃を超えると逆に緻密化が阻
害されたり、酸化亜鉛の熱分解が発生する。
このようにして得られた酸化物系複合焼結体は、通
常、焼結体密度が90%以上の高密度の焼結体となり、そ
の構成は酸化亜鉛焼結体の結晶粒界にBi−Sr−Ca−Cu−
O系超電導酸化物が粒界構成相として存在する。このBi
−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物相は、前述したよう
に、混合比を適正な範囲とすることによって連続的に存
在するため、この酸化物系複合焼結体を超電導転移温度
以下に冷却することによって超電導体として利用するこ
とが可能となる。また、この酸化物系複合焼結体は、Bi
−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物相の働きによって、超
電導転移温度以上においては正の抵抗温度係数を有して
おり、この性質を利用することにより、たとえば電力用
などの比較的大きな電流を流す用途に適した抵抗体とし
て利用することが可能となる。
(作 用) 酸化亜鉛とBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物との混
合物を酸化亜鉛の焼結温度である1050℃〜1200℃の温度
で焼成すると、まず主骨格となる酸化亜鉛の焼結体が形
成され、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物は融点以上
に加熱されるため液相化する。この際に、Bi−Sr−Ca−
Cu−O系超電導酸化物を構成する各金属原子は、亜鉛の
イオン半径に比べて充分に大きいイオン半径を有してい
るため、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物を構成する
各金属原子は酸化亜鉛中には侵入せず、酸化亜鉛の結晶
粒界に液相として存在する。そして、酸化亜鉛を充分に
焼結させた後、冷却することによってBi−Sr−Ca−Cu−
O系超電導酸化物相が酸化亜鉛の結晶粒界に析出し、酸
化亜鉛とBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物とがそれぞ
れ独立して存在する緻密な複合焼結体が得られる。
この酸化物系複合焼結体は、酸化亜鉛焼結体によって
主骨格が形成されているため、充分な機械的強度が得ら
れるとともに、比較的大型のものを作製することも可能
となる。また、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物相が
均一かつ連続的に存在しているため、超電導体として使
用する際も、あるいは抵抗体として使用する際にも充分
な特性が得られる。さらに、酸化亜鉛の焼結温度での焼
成によって焼結体を作製することができるため、従来法
のような焼成時の温度制御を必要としない。
(実施例) 次に、この発明の実施例について説明する。
まず、この発明の酸化物系複合焼結体の製造例につい
て説明する。
実施例1 Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物粉末の出発原料と
してBiO2O3、SrCO3、CaCO3、CuOの各粉末をモル比で0.
5:1:1:2となるように所定量評量し、これを充分に混合
した後、この混合粉末を空気中において800℃×12時間
の条件で焼成して結晶化させ、この焼成物をボールミル
で粉砕して、平均粒径2μmのBi−Sr−Ca−Cu−O系酸
化物超電導体粉末を作製した。
次に、このBi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超電導体粉末
と平均粒径0.5μmの酸化亜鉛粉末とを酸化亜鉛が60モ
ル%となるよう混合し、この混合原料に有機系バインダ
を添加し、造粒した後、プレス成形法によって直径60mm
×厚さ2mmの成形体と30mm×7mm×2mmの成形体をそれぞ
れ作製した。
この後、これら成形体を空気中において1100℃×12時
間の条件で焼成し、次いで炉冷して、酸化亜鉛とBi−Sr
−Ca−Cu−O系超電導酸化物との複合焼結体を得た。
このようにして得た複合焼結体は、亀裂などの発生も
なく健全な焼結体であった。また、この複合焼結体の構
成相をX線回析によって同定したところ、第1図に示す
結果が得られた。第1図からも明らかなように、酸化亜
鉛のピークとBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物のピー
クとがそれぞれきれいに出現しており、この実施例の複
合焼結体は酸化亜鉛からなる主骨格相と、この酸化亜鉛
の結晶粒界に存在するBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化
物相とによって構成されていることを確認した。
また、この実施例の酸化物系複合焼結体の電気的特性
を矩形の焼結体を用いて、4端子法によって測定したと
ころ、室温での比抵抗ρは1.5×10-1Ω・cmであり、超
電導転移温度Tcは75Kで、150K〜430Kにおける抵抗温度
係数は7.5×10-4(K-1)であった。
一方、円板状の焼結体を用いて、焼結体密度および変
形量を求めたところ、焼結体密度は90%であり、変形量
は3.6%であった。なお、変形量は次式によって求めた
ものである。
実施例2〜6 実施例1で使用したBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化
物粉末と酸化亜鉛粉末とを用い、これらの混合比を第1
表に示す割合とする以外は実施例1と同一条件でそれぞ
れ矩形状と円板状の複合焼結体を作製した。
このようにして作製した矩形状と円板状の焼結体も実
施例1と同様に、X線回析の結果から酸化亜鉛の結晶粒
界にBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物相が存在して構
成された複合焼結体であることを確認した。また、これ
ら複合焼結体を用いて、それぞれ電気的特性および機械
的特性を測定した。その結果を第1表に示す。
また、本発明との比較のために、まず比較例1として
Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物粉末のみを用いて、
実施例1と同形状の焼結体を作製した(焼成条件=空気
中、870℃×8時間)。また、実施例1におけるBi−Sr
−Ca−Cu−O系超電導酸化物粉末に代えて、実施例1に
おいて使用した超電導酸化物の出発原料を用い、同一の
混合比となるように混合原料を作製し、実施例1と同一
条件で焼結体を作製した。これら比較例の焼結体につい
ても実施例1と同様にして各特性を測定した。その結果
も合せて第1表に示す。
第1表の結果からも明らかなように、この実施例にお
ける酸化亜鉛とBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物との
各複合焼結体は、亀裂の発生などもなく、また反りなど
の変形量も少ない健全な焼結体であり、さらに機械的強
度にも優れている。これらのことから、超電導体として
も良好に使用でき、かつ抵抗体としても正の抵抗温度係
数を有していることから良好に使用できる。
次に、上記実施例3と同一組成および同一焼成条件で
作製した300mm×1.5mm×0.9mmの複合焼結体を電力用の
抵抗体として用いた実施例について説明する。
第2図は、この抵抗体の使用状況を概略的に示す図で
あり、上記実施例3と同一組成および同一焼成条件で作
製した酸化亜鉛とBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物と
の複合焼結体からなる抵抗体1がケース2内に収容され
て抵抗器3が構成されている。そして、電力系統ライン
の所要の位置に設置し、その主電路となる導体4に接続
されて使用される。
一般に、抵抗体に電流を流すことによりジュール熱に
よる温度上昇が発生するが、抵抗体の断面構造における
温度分布は必ずしも均一ではない。このとき、抵抗体が
負の抵抗温度係数を有していると、温度分布の不均一さ
に起因する電流集中部分の抵抗値はますます低下し、同
時に発熱が増加することになり、発熱と放熱のバランス
が崩れた時点で熱暴走に至ることになる。
これに対して、この実施例における抵抗体は、正の抵
抗温度係数を有しているため、温度分布の不均一が発生
しても、電流集中部分では温度上昇によって抵抗が増加
することになり、電流集中を緩和する方向に作用し、熱
暴走が極めて発生しにくいという利点を有している。
そして、この抵抗体は酸化亜鉛焼結体によって主骨格
が形成されており、この酸化亜鉛の結晶粒界に導電性を
担うBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導酸化物が均一に存在し
ており、また酸化亜鉛焼結体によって機械的強度が向上
されているため、たとえば高電力印加時のような大きな
エネルギーが印加された場合においても、安定して抵抗
体として働き、さらに割れるなどの危険性も非常に少な
く、安定して使用することができる。
また、上述の実施例では、抵抗体としてこの発明の酸
化物系複合焼結体を用いた例について説明したが、たと
えばこの酸化物系複合焼結体をその超電導転移温度以下
に保持することが可能なケース内に収容すれば、過大電
流による超電導状態から常電導状態への転移を利用した
限流抵抗器として使用することも可能である。
このように、この発明の酸化物系複合焼結体を限流抵
抗器として使用すれば、常温状態における比抵抗が大き
いことから常電導抵抗を充分に大きく設定することが可
能となり、電流抑制機能を充分に発揮させることが可能
となる。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明の酸化物系複合焼結体
は、緻密質でかつ酸化亜鉛によって機械的強度が補強さ
れているため、超電導転移温度以下に冷却すれば各種超
電導部材としてBi−Sr−Ca−Cu−O系超電導体の特性を
充分に発揮させることができる。また、超電導転移温度
以上で使用すれば、正の抵抗温度係数を有する抵抗体と
して安定して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の酸化物系複合焼結体の構
成成分のX線回析結果を示す図、第2図はこの発明の酸
化物系複合焼結体の一使用例である電力用抵抗器を概略
的に示す図である。 1……酸化物系複合焼結体からなる抵抗体、2……ケー
ス、3……抵抗器、4……主電路となる導体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 13/00 565 C04B 35/00 ZAAP (56)参考文献 特開 平2−55227(JP,A) 特開 平2−38357(JP,A) 特開 平1−308803(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 1/00 ZAA C04B 35/45 ZAA C04B 101:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛を主骨格とする焼結体であって、
    前記酸化亜鉛の結晶粒界に粒界構成相としてBi−Sr−Ca
    −Cu−O系超電導酸化物が連続的に存在していることを
    特徴とする酸化物系複合焼結体。
  2. 【請求項2】酸化亜鉛粉末と、予め結晶化させたBi−Sr
    −Ca−Cu−O系超電導酸化物粉末とを少なくとも含有す
    る混合原料を所定の形状に成形する工程と、この成形体
    を1050℃〜1200℃の範囲の温度で焼成する工程とを有す
    ることを特徴とする酸化物系複合焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の酸化物系複合焼結体からな
    る抵抗体。
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