JP2782118B2 - 経皮吸収促進組成物及び経皮外用組成物 - Google Patents

経皮吸収促進組成物及び経皮外用組成物

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JP2782118B2
JP2782118B2 JP4504704A JP50470492A JP2782118B2 JP 2782118 B2 JP2782118 B2 JP 2782118B2 JP 4504704 A JP4504704 A JP 4504704A JP 50470492 A JP50470492 A JP 50470492A JP 2782118 B2 JP2782118 B2 JP 2782118B2
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久 山口
巌 野沢
健二 森
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は経皮吸収促進組成物及び経皮外用組成物に関
し、さらに詳細には、パラヒドロキシ安息香酸エステル
類、水及び低級アルコールを必須成分として含有する経
皮吸収促進組成物、並びに該組成物に薬物を含有してな
る経皮外用組成物に関する。
背景技術 従来より、経皮吸収させることを目的とした製剤とし
て、プラスター剤、パップ剤、軟膏、クリーム、ローシ
ョン等、種々の剤型のものが使われている。近年、かか
る経皮吸収製剤の簡便性、薬効の持続性及び副作用の回
避性等が期待され、更に経皮吸収製剤への関心は高まり
つつある。
しかし、皮膚の物質透過性は低く、目的とする薬効を
十分に得られないのが現状である。このため経皮吸収促
進剤の研究が積極的に行われてきている。
例えば、Journal of Controlled Release,12,103−11
2(1990)等においてはアルコール類に経皮吸収促進作
用があることが報告されている。また、市販されている
経皮吸収製剤にもエタノール等のアルコール類を含有さ
せることにより主薬の経皮からの吸収性を高めているも
のがある。しかしながら、アルコールによる薬物の吸収
促進作用だけでは十分な量を経皮から吸収させることが
困難な薬物が多い。また、特開昭61−249934号公報等で
は低級アルコールに脂肪酸炭化水素類等を併用し、薬物
の吸収促進効果を高める試みもなされている。しかし、
いずれの方法においても薬物の吸収促進効果は未だ十分
には得られていなかった。
ところで、本発明に使用するパラヒドロキシ安息香酸
エステル類(パラベン類)は、従来は化粧品や吸水軟
膏、親水軟膏等に保存剤として0.1%程度含有されてい
る。また、特開昭62−54759号公報にはパラヒドロキシ
安息香酸エステル、エタノール、水等を含有させた組成
物が開示されている。しかしながら、該公報においては
かかる組成物が耐水性、経時的安定性、耐微生物性及び
使用性に優れたゲル組成物であることが開示されている
のみであり、経皮からの薬物の透過を促進することに関
しては何ら示唆されていない。さらに、WPI88−368305
号公報にはパラヒドロキシ安息香酸エステル類を経粘膜
での薬物の吸収促進を目的として使用するものとして例
示されているが、パラヒドロキシ安息香酸エステル類を
低級アルコール及び水と併用することによって得られる
経皮吸収促進作用に関しては何ら開示されておらず、ま
たそれを示唆する記載も全くない。
このように、上記従来公知の方法における経皮に対す
る薬物の吸収促進作用は未だ充分とは言い難く、薬物の
種類によっても大きく影響されるなど実用性の面でも多
くの問題を有しており、いずれも不十分なものであっ
た。
本発明は、上記従来技術の有する欠点を解消し、薬物
の経皮吸収性を著しく高めることが可能な経皮吸収促進
組成物、並びに該組成物と薬物とを含有してなる経皮適
用の外用組成物を提供することを目的とする。
発明の開示 本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべくパラ
ヒドロキシ安息香酸エステル類と他の基剤との併用によ
る組成物の検討を行い、鋭意研究した結果、低級アルコ
ールと水の系に第3成分としてパラヒドロキシ安息香酸
エステル類を添加して得られる組成物が、薬物の経皮吸
収性を著しく増大させ、かつ皮膚安全性にも優れてかぶ
れが生じないことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
すなわち、本発明の経皮吸収促進組成物は、パラヒド
ロキシ安息香酸エステル類、水及び低級アルコールを必
須成分として含有することを特徴とするものである。
また、本発明の経皮外用組成物は、パラヒドロキシ安
息香酸エステル類、水、低級アルコール及び薬物を含有
することを特徴とするものである。
なお、上述したように、パラヒドロキシ安息香酸エス
テル類は従来より吸水軟膏や親水軟膏において、防腐剤
として広く用いられている。しかしながら本発明のごと
くパラヒドロキシ安息香酸エステル類、低級アルコール
及び水を全て含有する組成物を経皮吸収促進剤として用
いた例はかつてなく、これを示唆する公知文献も見当た
らない。また、従来より防腐剤として使用されている程
度の添加濃度ではパラヒドロキシ安息香酸エステル類は
薬物の吸収促進作用を発揮できない傾向にある。従っ
て、本発明のパラヒドロキシ安息香酸エステル類、低級
アルコール及び水を含有する経皮吸収促進組成物は本発
明者らが初めて見出したものにほかならない。
以下、先ず本発明の経皮吸収促進組成物についてより
具体的に説明する。
本発明に使用される低級アルコールは好ましくは炭素
数1〜5、特に好ましくは炭素数2〜3のアルコールで
ある。また、本発明にかかる低級アルコールは飽和、不
飽和のいずれのものでもよく、また直鎖状、分岐状のい
ずれのものでもよいが、通常は脂肪族1価アルコールが
好ましい。かかる好ましい低級アルコールの具体的なも
のとしてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール等が挙
げられる。
本発明にかかる低級アルコールの配合量は、得られる
組成物中、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10
〜40重量%であり、さらに皮膚刺激性等も考慮した場合
には10〜20重量%が特に好ましい。
本発明に使用される水としては精製水等が適宜使用さ
れる。上記の水の配合量は、得られる組成物中、好まく
は49〜90重量%、より好ましくは50〜85重量%、特に好
ましくは65〜85重量%である。さらに、組み合わされる
アルコールの種類に応じて水の配合割合を適宜決定する
ことが好ましい。本発明にかかる水は、電解質、緩衝剤
等を含有してもよく、電解質溶液、緩衝液等として本発
明の組成物に含有されてもよい。また、配合される薬物
の酸/塩基性に応じて使用する水のpHを適宜調整するこ
とが好ましい。
次に、本発明に使用されるパラヒドロキシ安息香酸エ
ステル類、通称パラベン類について述べる。該エステル
類のアルコール残基は、飽和または不飽和脂肪族アルコ
ールの残基のいずれでもよく、また直鎖状または分岐状
のいずれのものでもよい。本発明にかかるパラヒドロキ
シ安息香酸エステル類は、そのアルコール残基の炭素数
が1〜12のものが好ましく、具体的には下記のものが挙
げられる。
さらに、本発明にかかるパラヒドロキシ安息香酸エス
テル類は、そのアルコール残基の炭素数が3〜9のもの
がより好ましく、さらに好ましくは炭素数4〜6のブチ
ルエステル、アミルエステル、ヘキシルエステルであ
る。中でも、パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステルが
特に好ましい。
これらのパラヒドロキシ安息香酸エステル類は単独も
しくは2種以上のものを併用して使用してもよい。ま
た、パラヒドロキシ安息香酸エステル類の配合量として
は、得られる組成物中、好ましくは0.3〜20重量%、よ
り好ましくは1〜7重量%である。更に、使用するアル
コールや添加する薬物の種類や濃度によって上記エステ
ル類の配合量を適宜選択することが好ましく、該エステ
ル類の効果を最大限に引き出すためにはその活量を考慮
して、懸濁し得る濃度またはこれに近い濃度が特に好ま
しい。例えば、パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル
を20%エタノール水溶液に添加する場合、その配合量は
1〜10重量%の範囲が望ましい。
次に、本発明の経皮外用組成物についてより具体的に
説明する。
本発明の経皮外用組成物に使用されるパラヒドロキシ
安息香酸エステル類、水及び低級アルコールに関しては
それぞれ上述の通りである。
本発明の経皮外用組成物に配合されうる薬物として
は、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコ
ール、1−メントール、カンフル、ハッカ油、チモー
ル、ニコチン酸ベンジルエステル、トウガラシエキス、
カプサイシン、オキシフェンブタゾン、ペンタゾシン、
エプタゾシンフェナゾール、メピリゾール、ピロキシカ
ム、イソキシカム、ベンジダミン、チアルミド、ブフェ
キサマック、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ア
クロフェナック、アセメタシン、ケトプロフェン、フル
ルビプロフェン、ジクロフェナック、フエノプロフェ
ン、ピルプロフェン、ナプロキセン、スリンダック、ブ
ノキサプロフェン、メフェナム酸、トルメチン、メチア
ジン酸、プロチジン酸、プラノプロフェン、ジンター
ル、フェンブフェン、フェンチアザック、ジフルニザー
ル、ジメピラック、イブプロフェンピコノール、ベンダ
ザック、ミロプロフェン、フルフェナム酸ブチル、ロキ
ソプロフェン、トルフェナム酸、チアプロフェン、4−
ビフェニル酢酸、ブトルファノール、オキサプロジン、
並びにこれらのエステル誘導体等である皮膚刺激剤及び
抗炎症剤;コデイン、エスタゾラム、フルラゼパム、ト
リアゾラム、ニトラゼパム、ハロキサゾラム、フルニト
ラゼパム、フルラゼパム等の睡眠鎮静剤;スコポラミ
ン、臭化水素酸スコポラミン等の鎮痙剤;酢酸ヒドロコ
ルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、トリア
ムシノロンアセトニド、デキサメタゾンリン酸エステ
ル、メチルプレドニゾロン、酢酸ダイクロリゾン、酢酸
メチルプレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、酢
酸デキサメタゾン、デキサメタゾン、フルオロメソロ
ン、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、ベタメタゾン、吉
草酸ベタメタゾン、ピバルサンフルメタゾン、プロピオ
ンサンベキロメタゾン、フルドロキシコルチド、酪酸ヒ
ドロコルチゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、フルオ
シノニド、プロピオン酸クロベタゾール、吉草酸ジフル
コルトロン、ハルシノニド、アムシノニド、吉草酸酢酸
プレドニゾロン等の副腎皮質ホルモン剤;リドカイン、
ベンゾカインアミノ安息香酸エチル、塩酸プロカイン、
ジブカイン、プロカイン等の局所麻酔剤;塩酸モルヒ
ネ、クエン酸フェンタニル、臭化水素酸エプタゾシン、
酒石酸ブトルファノール、塩酸ブプレノルフィン、塩酸
メピリジン等の鎮痛薬;塩酸ジフェンヒドラミン、クロ
ルフェニラミン、フマル酸クレマチン、グリチルリチン
酸等の抗ヒスタミン剤;ペニシリン、テトラサイクリ
ン、オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリ
ン、クロラムフェニコール、スルホンアマイド、硫酸フ
ラジオマイシン、エリスロマイシン、塩酸テトラサイク
リン、フラジオマイシン、ロイコマイシン、セファロス
ポリン、セファレキシン、ネオマイシン硫酸塩、バシト
ラシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、ゲンタマ
イシン、グラニジンS、ミカマイシン、コリスチン等の
抗生物質;塩化ベンザルコニウム、ニトロフラゾン、マ
イスタチン、アセトフルファミン、クロトリマゾール、
ナリジクス、スルファメチゾール、トルナフテート、ペ
ンタマイシン、アムホテリシンB、ピロールニトリン、
ウンデシレン酸、ミコナゾール、トリコマイシン、バリ
オチン、ハロプロニジン、塩酸ジマゾール、チオコナゾ
ール、トルシクラート、スルコナゾール、オキシコナゾ
ール、クロコナゾール、イソコナゾール等の抗菌・抗真
菌剤;サリチル酸、モクタール、クリサロビン等の角質
軟化剤;ニトログリセリン、イソシトールヘキサニコチ
ネート、硝酸イソソルビド、ニコランジル、シンナリジ
ン、ジピリダモール、ニフェジピン、フェルナリジン等
の血管拡張剤;塩酸エペリゾン、アクロクアロン、チザ
ニジン、カルバミン酸クロフェネシン、塩酸トルリゾ
ン、ガントトレンナトリウム、クロルメザノン、バクロ
フェン、臭化パンクロニウム、臭化ベクロニウム、メシ
ル酸プロジノール、塩化スキサメトニウム等の筋弛緩
薬;アルプレノール、インデノロール、オクスプレノロ
ール、カルテオロール、ブクモール、プフェトロール、
プロプラノロール、ピンドロール等の不整脈用剤;カル
バマゼピン、クロナゼパム、テオリダジン、ジアゼパ
ム、フルニトラゼパム、クロルプロマジン等の精神安定
剤;プレオマイシン、アクラシノマイシン、アドリアマ
イシン、ペルレオマイシン、5−フルオロウラシル及び
その誘導体、マイトマイシン等の抗悪性腫瘍剤;ジギタ
リス、ジゴキシン、ジギトキシン、ユビデカレノン等の
強心剤;テトステロン、エナント酸テトステロン、トリ
エチステロン、メチルエストレノロン、メストラノー
ル、吉草酸エストラジオール、エチニルエストラジオー
ル等の性ホルモン剤;エチアジド、シクロペンチアジ
ド、ヒドロクロロチアジド、ベンジルヒドロクロロチア
ジド、ベンドロフルメチアジド、ペンフルチジド、ポリ
チアジド、メチクロチアジド、フロセミド、ブメタニ
ド、メトラゾン、メフルシド等の利尿剤;レセルピン、
クロニジン、プラゾシン、酢酸グアナベンズ、アロチノ
ロール、ナドロール、プナゾシン、ペンブトール等の血
圧降下剤;ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEまたは
その他のビタミン類及びエルゴカルシフェロール、コレ
カロシフェロール、オタトチミン、リボフラビン酪酸エ
ステル等のビタミン剤;リン酸コデイン、サルブタモー
ル、ツロブテロール、トリメトキノール、プロカテロー
ル、トラニラスト、ケトチフェン、フマル酸フオルモテ
ロール等の鎮咳去たん剤;リゾチーム及びその他の消炎
酵素剤;インスリン及びその他の糖尿病治療剤;D−ペニ
シラミン、ベスタチン、レバミゾール、ロベンザリット
ナトリウム、プラトニン等の免疫に関与する薬剤;その
他コルヒチン;抗けいれん剤;抗マラリア剤;プロスタ
グランディン類;すい臓ホルモン;生薬エキス;抗かい
よう剤等が挙げられる。
これらの薬効成分(薬物)は一種、または二種以上が
適宜配合されて用いられる。これらの薬物の配合量とし
ては、得られる組成物中0.001〜25重量%の範囲内にお
いて使用されることが好ましい。
また、本発明の組成物においては、必要に応じて紫外
線吸収剤、抗酸化剤あるいはその他の賦形剤を適宜配合
することができる。
本発明の経皮外用組成物はそのまま、あるいは種々の
剤型の外用製剤として経皮に適用される。本発明にかか
る外用製剤の剤型としては、ゲル剤、軟膏剤、クリーム
剤、ゲル状クリーム剤、ローション剤、リニメント剤、
エアゾール剤、点眼剤、坐剤、口腔剤、点鼻剤、硬膏
剤、湿布剤、リザーバー型貼付剤等が挙げられる。な
お、これらの各製剤は、本発明の経皮外用組成物を用い
て公知の方法に準じて処方することができる。
発明を実施するための最良の形態 以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定さ
れるものではない。
実施例1〜10及び比較例1〜10 [実施例1] (1)ケトプロフェン 0.3g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)水 7.85g [比較例1] (1)ケトプロフェン 0.3g (2)エチルアルコール 2.0g (3)水 8.0g (実施例1及び比較例1におけるHPLC測定条件) 検出器 UV 254 nm 移動相 液クロ用アセトニトリル/0.1%リン酸=50
/50 流速 1.0ml/min カラム ODS 4.6mm X 250cm カラム温度 40℃ [実施例2] (1)ジクロフェナックナトリウム 2.1g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)水 7.85g [比較例2] (1)ジクロフェナックナトリウム 2.1g (2)エチルアルコール 2.0g (3)水 8.0g (実施例2及び比較例2におけるHPLC測定条件) 検出器 UV 286 nm 移動相 液クロ用メタノール/0.1%リン酸=75/25 流速 1.0ml/min カラム ODS 4.6mm X 250cm カラム温度 40℃ [実施例3] (1)塩酸モルヒネ 1.4g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)水 7.85g [比較例3] (1)塩酸モルヒネ 1.4g (2)エチルアルコール 2.0g (3)水 8.0g (実施例3及び比較例3におけるHPLC測定条件) 検出器 UV 230 nm 移動相 液クロ用アセトニトリル/0.1%リン酸=35
/65+5mM SDS 流速 1.5ml/min カラム ODS 4.6mm X 150cm カラム温度 40℃ [実施例4] (1)アンチピリン 1.0g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)水 7.85g [比較例4] (1)アンチピリン 1.0g (2)エチルアルコール 2.0g (3)水 8.0g (実施例4及び比較例4におけるHPLC測定条件) 検出器 UV 245 nm 移動相 液クロ用アセトニトリル/0.1%リン酸=35
/65 流速 1.5ml/min カラム ODS 4.6mm X 150cm カラム温度 40℃ [実施例5] (1)ペンタゾシン 1.0g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)水(pH5.0リン酸緩衝液) 7.85g [比較例5] (1)ペンタゾシン 1.0g (2)エチルアルコール 2.0g (3)水(pH5.0リン酸緩衝液) 8.0g (実施例5及び比較例5におけるHPLC測定条件) 検出器 蛍光EX290nm EM310nm 移動相 液クロ用アセトニトリル/0.1%リン酸=40
/60+5mM SDS 流速 1.0ml/min カラム ODS 4.6mm X 250cm カラム温度 40℃ [実施例6] (1)塩酸エペリゾン 0.1g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)水 7.85g [比較例6] (1)ペンタゾシン 0.1g (2)エチルアルコール 2.0g (3)水 8.0g (実施例6及び比較例6におけるHPLC測定条件) 検出器 UV 257 nm 移動相 液クロ用アセトニトリル/2%酢酸=50/50
+5mM 1−ヘプタン酸スルフォン酸ナトリウム 流速 1.0ml/min カラム ODS 4.6mm X 150cm カラム温度 40℃ [実施例7] (1)エタノール 3.9g (2)水 5.6g (3)パラヒドロキシ安息香酸n−ヘキシルエステル 0.5g (4)塩酸モルヒネ 1.4g [比較例7] (1)エタノール 3.9g (2)水 6.1g (3)塩酸モルヒネ 1.4g (実施例7及び比較例7におけるHPLC測定条件) 検出器 UV 230 nm 移動相 液クロ用アセトニトリル/0.1%リン酸=35
/65+5mM SDS 流速 1.5ml/min カラム ODS 4.6mm X 150cm カラム温度 40℃ [実施例8] (1)エタノール 3.5g (2)水 6.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸n−ノニルエステル0.5g (4)塩酸モルヒネ 1.4g [比較例8] (1)エタノール 3.5g (2)水 6.5g (3)塩酸モルヒネ 1.4g (実施例8及び比較例8におけるHPLC測定条件) 検出器 UV 230 nm 移動相 液クロ用アセトニトリル/0.1%リン酸=35
/65+5mM SDS 流速 1.5ml/min カラム ODS 4.6mm X 150cm カラム温度 40℃ [実施例9] (1)エタノール 3.5g (2)水 6.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸n−ドデシルエステル 0.5g (4)塩酸モルヒネ 1.4g [比較例9] (1)エタノール 3.5g (2)水 6.5g (3)塩酸モルヒネ 1.4g (実施例9及び比較例9におけるHPLC測定条件) 検出器 UV 230 nm 移動相 液クロ用アセトニトリル/0.1%リン酸=35
/65+5mM SDS 流速 1.5ml/min カラム ODS 4.6mm X 150cm カラム温度 40℃ [実施例10] (1)エタノール 2.0g (2)水 7.85g (3)パラヒドロキシ安息香酸n−アミルエステル 0.15g (4)塩酸モルヒネ 1.4g [比較例10] (1)エタノール 2.0g (2)水 8.0g (3)塩酸モルヒネ 1.4g (実施例10及び比較例10におけるHPLC測定条件) 検出器 UV 230 nm 移動相 液クロ用アセトニトリル/0.1%リン酸=35
/65+5mM SDS 流速 1.5ml/min カラム ODS 4.6mm X 150cm カラム温度 40℃ 実施例1〜10においては、前記低級アルコールに前記
の水、パラヒドロキシ安息香酸エステル類及び薬物をそ
れぞれ加え、各実施例の試験溶液を調製した。
また比較例1〜10においては、前記低級アルコールに
前記の水及び薬物をそれぞれ加え、各比較例の試験溶液
を調製した。
それぞれの試験溶液をスクリューキャップ付き試験管
に入れ、溶媒が蒸発しないようにして37℃の恒温層にい
れて122回/分で12時間振盪した。
次に、37℃に保った横型2−チャンバー拡散セルにヘ
アレスラット腹部から摘出した皮膚を固定し、角質層側
セルに各試験溶液を2.7ml入れた。皮膚真皮側セルには
生理食塩水を入れ、経時的に真皮側溶液を1ml採取し、
その溶液にメタノールを入れて除タンパクした後、その
溶液中の薬物濃度を高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)を用いて上記諸条件で定量し、角質層側から真皮側
への薬物の透過量を求めた。
そして、実施例1〜10及び比較例1〜10において測定
された透過量から、下記式(1)に従って吸収促進率を
算出し、本発明の組成物による薬物の吸収促進効果を評
価した。
吸収促進率=A/B (1) A:各実施例における8時間目迄の薬物の最大皮膚透過量 B:各比較例(実施例に対応した比較例)における8時間
目迄の薬物の最大皮膚透過量 得られた結果を下記の第1表に示す。
第1表に示した結果から明らかなように、本発明の経
皮吸収促進組成物を含有する本発明の経皮外用組成物
(実施例1〜10)を用いると、パラヒドロキシ安息香酸
エステル類を含有しない従来の組成物(比較例1〜10)
を用いた場合と比較して、薬物の経皮吸収性が著しく向
上した。
次に、本発明の組成物を用いた種々の製剤の処方例を
示す。さらに、本発明にかかるそれら製剤の薬物の吸収
促進率を、従来の製剤(比較処方例)と比較して評価
し、その結果を示す。
処方例1〜5及び比較処方例1〜5 [処方例1](ゲル剤) (1)ケトプロフェン 0.3g (2)エチルアルコール 4.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.5g (4)カルボキシビニルポリマー 0.1g (5)ジイソプロパノールアミン 0.1g (6)水 5.3g カルボキシビニルポリマー0.1gを水3.0gに膨潤させ、
これにエタノール4.0g、ケトプロフェン0.3g、パラヒド
ロキシ安息香酸ブチルエステル0.5gを加え攪拌した。次
に、得られた混合物に、ジイソプロパノールアミン0.1g
を水2.3gに溶解したものを加え、全体が均一になるまで
充分に混合してゲル剤を調製した。
[比較処方例1] (1)ケトプロフェン 0.3g (2)エチルアルコール 4.0g (3)水 5.8g (4)カルボキシビニルポリマー 0.1g (5)ジイソプロパノールアミン 0.1g パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステルを添加しなか
った以外は処方例1の製造法に準じてゲル剤を調製し
た。
[処方例2](ゲル・クリーム剤) (1)ジクロフェナックナトリウム 2.1g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)白色ワセリン 0.5g (5)流動パラフィン 0.3g (6)カルボキシビニルポリマー 0.2g (7)ジイソプロパノールアミン 0.1g (8)水 6.75g 白色ワセリン0.5gと流動パラフィン0.3gを混合して加
熱溶解した後、予め加温した水6.75gにエチルアルコー
ル2.0g、パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル0.15
g、ジクロフェナックナトリウム2.1gを溶解させたもの
を加えた。その後、得られた混合物にカルボキシビニル
ポリマー0.2gを徐々に加えて充分分散させた後、ジイソ
プロパノールアミン0.1gを加えてpHを調製してゲル・ク
リーム剤を作った。
[比較処方例2] (1)ジクロフェナックナトリウム 2.1g (2)エチルアルコール 2.0g (3)白色ワセリン 0.5g (4)流動パラフィン 0.3g (5)カルボキシビニルポリマー 0.2g (6)ジイソプロパノールアミン 0.1g (7)水 6.9g パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステルを添加しなか
った以外は処方例2の製造法に準じてゲル・クリーム剤
を調製した。
[処方例3](リザーバー型製剤) (1)塩酸モルヒネ 1.4g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)ポリビニルピロリドン 1.0g (5)水 6.85g エチルアルコール2.0gに水6.85g、塩酸モルヒネ1.4
g、パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル0.15gを溶解
混合し、さらにポリビニルピロリドンを徐々に加えてゲ
ルを調製した。次に、ポリエステル系フィルムを支持体
とした薬物貯蔵層に調製したゲルを入れ、支持体周辺部
に粘着層を、薬物放出面に微多孔膜と粘着層を配置する
ことによりリザーバー型製剤を作成した。
[比較処方例3] (1)塩酸モルヒネ 1.4g (2)エチルアルコール 2.0g (3)ポリビニルピロリドン 1.0g (4)水 7.0g パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステルを添加しなか
った以外は処方例3の製造法に準じてリザーバー型製剤
を作成した。
[処方例4](リニメント剤) (1)アンチピリン 1.0g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)ミリスチン酸イソプロピル 0.4g (5)水 7.45g エチルアルコール2.0gにアンチピリン1.0g、パラヒド
ロキシ安息香酸ブチルエステル0.15g、ミリスチン酸イ
ソプロピル0.4g、水7.45gを混合溶解し、所定の容器に
入れてリニメント剤を調製した。
[比較処方例4] (1)アンチピリン 1.0g (2)エチルアルコール 2.0g (3)ミリスチン酸イソプロピル 0.4g (4)水 7.6g パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステルを添加しなか
った以外は処方例4の製造法に準じてリニメント剤を調
製した。
[処方例5](リザーバー型製剤) (1)ペンタゾシン 1.0g (2)エチルアルコール 2.0g (3)パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル 0.15g (4)ポリビニルアルコール 1.0g (5)水 6.85g エチルアルコール2.0gに水6.85g、ペンタゾシン1.0
g、パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル0.15gを溶解
混合し、さらに加熱しながらポリビニルアルコール1.0g
を徐々に加えてゲルを調製した。次にポリエステル系フ
ィルムを支持体とした薬物貯蔵層に調製したゲルを入
れ、支持体周辺部に粘着層を、薬物放出面にエチレン酢
酸ビニル膜を配置し、シリコン処理した剥離ライナーで
薬物放出面と粘着層を覆うことによりリザーバー型製剤
を作成した。
[比較処方例5] (1)ペンタゾシン 1.0g (2)エチルアルコール 2.0g (3)ポリビニルアルコール 1.0g (4)水 7.0g パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステルを添加しなか
った以外は処方例5の製造法に準じてリザーバー型製剤
を調製した。
以上の処方例1〜5及び比較処方例1〜5において得
られた各製剤を用いて、それぞれ前述の実施例1〜5及
び比較例1〜5と同様の方法で薬物の透過量を測定し、
吸収促進率を算出して本発明にかかる製剤における薬物
の吸収促進効果を評価した。
得られた結果を下記の第2表に示す。
第2表に示した結果から明らかなように、本発明の組
成物を用いた製剤(処方例1〜5)は、パラヒドロキシ
安息香酸エステル類を含有しない従来の製剤(比較処方
例1〜5)に比べて、薬物の経皮吸収性が非常に高いも
のであった。
産業上の利用可能性 前記のパラヒドロキシ安息香酸エステル類、水及び低
級アルコールを必須成分とする本発明の経皮吸収促進組
成物は、難吸収性である薬物に対しても顕著な経皮吸収
促進作用を有するため、経皮適用を目的とする薬物の製
剤化に大きく寄与する。
また、上記経皮吸収促進組成物にさらに薬物を含有し
てなる本発明の経皮外用組成物組成物においては、薬物
の皮膚透過性が非常に高く、また経皮投与外用製剤とし
てあらゆる剤型に応用できるので、医薬産業上大変有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 健二 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 久光製薬株式会社筑波研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−185514(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 47/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パラヒドロキシ安息香酸エステル類、水及
    び低級アルコールを必須成分として含有することを特徴
    とする経皮吸収促進組成物。
  2. 【請求項2】前記パラヒドロキシ安息香酸エステル類を
    0.3〜20重量%、前記水を49〜90重量%、前記低級アル
    コールを5〜80重量%それぞれ含有することを特徴とす
    る、請求の範囲第1項記載の経皮吸収促進組成物。
  3. 【請求項3】(補正後)パラヒドロキシ安息香酸エステ
    ル類、水及び低級アルコールを必須成分として含有する
    経皮吸収促進組成物と、薬物とを含有することを特徴と
    する経皮外用組成物。
  4. 【請求項4】(補正後)前記パラヒドロキシ安息香酸エ
    ステル類を0.3〜20重量%、前記水を49〜90重量%、前
    記低級アルコールを5〜80重量%それぞれ含有する経皮
    吸収促進組成物と、0.001〜25重量%の前記薬物とを含
    有することを特徴とする、請求の範囲第3項記載の経皮
    外用組成物。
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