JP2781708B2 - 穴加工方法およびその装置 - Google Patents

穴加工方法およびその装置

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JP2781708B2
JP2781708B2 JP2584393A JP2584393A JP2781708B2 JP 2781708 B2 JP2781708 B2 JP 2781708B2 JP 2584393 A JP2584393 A JP 2584393A JP 2584393 A JP2584393 A JP 2584393A JP 2781708 B2 JP2781708 B2 JP 2781708B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として細径穴をドリ
ルによって形成する穴加工方法およびその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、細径穴を形成するドリルは弾性
変形しやすい(曲がりやすい)ものであるから、ドリル
の先端がワークの表面に対して傾いた状態で接触する
と、ドリルの先端がワークの表面で滑り、加工すべき穴
の位置がずれるという問題が生じる。また、細径のドリ
ルは弾性限界が小さく折損しやすいという問題もある。
【0003】この問題を解決する方法として、特開昭6
1−244404号公報には、ワークWに加工すべき穴
Haの深さがドリル1の直径の6倍以上である場合に、
図24(a)に示すように、加工すべき穴Haの深さよ
りも短い予備加工用のドリル1aで下穴Hを形成し、そ
の後、図24(b)に示すように、穴Haの深さ以上の
長さを有した加工用のドリル1を用いて下穴Hに合うよ
うに所望の穴Haを形成する方法が開示されている。こ
のような下穴Hを形成するドリル1aは弾性変形が少な
いから、穴Haの位置精度が向上するのである。また、
下穴Hを形成したことによって、ドリル1に無理な力が
作用せず弾性変形が少なくなるから、折損の機会も減少
するのである。
【0004】一方、細径のドリルの折損を防止する装置
としては、特開昭61−30310号公報に開示された
ものがある。これは、図25に示すように、ドリル1を
回転させるスピンドルモータ2の軸方向の微小変位を非
接触で検出する変位センサ7をハウジング12に固定
し、変位センサ7の出力に基づいてドリル1に作用して
いる軸方向の力を推定し、この力が所定値を越えないよ
うにスピンドルモータ2の軸方向の位置を制御するもの
である。すなわち、図26に示すように、変位センサ7
の出力は増幅変換回路25を通りスピンドルモータ2の
軸方向の変位量に対応した電圧が比較回路26に入力さ
れる。比較回路26には、スピンドルモータ2の変位量
の上限値を設定するための基準電圧を発生する基準電圧
発生回路27が接続される。比較回路26の出力はハウ
ジング12をドリル1の軸方向に移動させる送りモータ
28の制御に用いられ、図27に示すように、スピンド
ルモータ2の変位量が比較的小さく、変位量に対応する
電圧が基準値より低い間は送りモータ28を進めてドリ
ル1による穴加工を行い、スピンドルモータ2の変位量
が大きくなって変位量に対応する電圧が基準値以上にな
ると、変位量が0になるように送りモータ28を戻し、
再び送りモータ28を進めて切削するという動作を繰り
返すようにしてある。要するに、ドリル1のスラスト方
向の荷重が所定値を越えないようにしてドリル1の折損
を防止するのである。
【0005】さらに、細径のドリルの折損を防止する方
法としては、特開昭62−162405号公報に開示さ
れたものもある。これは、ドリルの切削トルクを検出
し、切削トルクが所定値以上になるとスピンドルモータ
を軸方向に移動させる送りモータを戻してドリルを加工
中の穴から抜き、切屑を除去した後に、送りモータを進
めて切削を継続することによって、ドリルの折損を防止
しているものである。この構成では、スピンドルモータ
とドリルとを磁気継手を介して結合し、磁気継手におけ
るスピンドルモータ側とドリル側との回転位相の差が、
切削トルクが大きくなるほど大きくなることを利用して
切削トルクを検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例のう
ち、特開昭61−244404号公報に開示されている
ものは、下穴を形成した後に実際の穴加工を施すから、
ドリルの交換作業が必要であって、穴の位置精度を高め
るには、交換後のドリルの位置を正確に一致させること
が必要である。すなわち、ワークの位置決めをするXY
テーブルに位置精度の高いものを用いる必要があり、装
置が非常に高価になるという問題がある。
【0007】また、特開昭61−30310号公報や特
開昭62−162405号公報に開示されているもので
は、ドリルに作用するスラスト方向の力やドリルの切削
トルクに基づいてスピンドルモータを送りモータによっ
てドリルの軸方向に移動させるだけであるから、穴の位
置精度を向上させる点については考慮されていないもの
であった。
【0008】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、ワークに対して細径の穴を比較的安価な装置
で位置精度よく形成することができ、しかも、ドリルに
大きな荷重や切削トルクが作用しないようにしてドリル
の折損を防止することができる穴加工方法およびその装
置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記目的を達成するために、ドリルを回転させる回転装置
をワークとの距離を小さくする一定方向に移動するハウ
ジングに対して復原要素および減衰要素を介して支持
し、ワークの表面へのドリルの接触時にドリルのワーク
への接触圧の反力で回転装置が変位してドリルの内部応
力が緩和されるように、回転装置に対する支持力を復原
要素について設定するのである。
【0010】請求項2の発明では、ドリルがワークの表
面に接触したときに生じる回転装置の変位に振動が生じ
ない程度の制動を加えるように、回転装置に対する支持
力を減衰要素について設定する。請求項3の発明では、
ドリルがワークの表面に接触して切削が開始される程度
に接触圧が増大すると、ドリルによるワークの切削中に
回転装置に変位が生じない程度に支持力を強化して回転
装置をハウジングに対して定位置に保持する。
【0011】請求項4の発明では、ハウジングの移動方
向を基準方向とし、基準方向に対して直交する面内での
変位のみを許すように回転装置の変位の方向を規制し、
かつ変位が許された方向について復原要素および減衰要
素による支持力を作用させる。請求項5の発明では、ハ
ウジングの移動方向を基準方向とし、基準方向に対して
回転軸を傾斜させる変位のみを許すように回転装置の変
位の方向を規制し、かつ変位が許された方向について復
原要素および減衰要素による支持力を作用させる。
【0012】請求項6の発明では、ハウジングの移動方
向を基準方向とし、基準方向の変位のみを許すように回
転装置の変位の方向を規制し、かつ変位が許された方向
について復原要素および減衰要素による支持力を作用さ
せる。請求項7の発明では、ハウジングの移動方向を基
準方向とし、基準方向を1つの軸方向とする3次元直交
座標系の各軸について、各軸方向の平行移動および各軸
回りの回転移動による変位を許し、かつすべての平行移
動および回転移動の方向について復原要素および減衰要
素による支持力を作用させる。
【0013】請求項8の発明では、ハウジングの移動方
向を基準方向とし、基準方向に対して回転軸を傾斜させ
る変位および基準方向に直交する面内で移動する変位の
みを許すように回転装置の変位の方向を規制し、かつ変
位が許された方向について復原要素および減衰要素によ
る支持力を作用させる。請求項9の発明では、ハウジン
グの移動方向を基準方向とし、基準方向を1つの軸方向
とする3次元直交座標系の各軸について、各軸方向に移
動する変位のみを許すように変位の方向を規制し、かつ
変位が許された方向について復原要素および減衰要素に
よる支持力を作用させる。
【0014】請求項10の発明では、ハウジングの移動
方向を基準方向とし、基準方向に対して回転軸を傾斜さ
せる変位および基準方向に移動する変位のみを許すよう
に変位の方向を規制し、かつ変位が許された方向につい
て復原要素および減衰要素による支持力を作用させる。
請求項11の発明では、請求項3の方法について、ハウ
ジングの移動方向を基準方向とし、基準方向に直交する
面内での支持力を強化する。
【0015】請求項12の発明では、請求項3の方法に
ついて、ハウジングの移動方向を基準方向とし、基準方
向に対して回転装置の回転軸の傾斜を減少させる向きの
支持力を強化する。請求項13の発明では、請求項3の
方法について、ハウジングの移動方向を基準方向とし、
基準方向に対して直交する面内での支持力および基準方
向に対して回転装置の回転軸の傾斜を減少させる向きの
支持力を強化する。
【0016】請求項14の発明では、ワークとの距離を
小さくする向きに移動するハウジングと、ドリルと平行
な回転軸を有しドリルを回転駆動するスピンドルモータ
と、ハウジングの移動方向に直交する一つの面内で互い
に異なる方向であってスピンドルモータの回転中心に向
かう向きの支持力を作用させるようにスピンドルモータ
をハウジングに対して機械的に結合する復原要素および
減衰要素よりなる3個以上の支持機構とを備え、支持機
構はドリルのワークへの接触時に接触圧の反力を受けて
スピンドルモータが回転軸に直交する面内で平行移動す
る変位を許し、かつ変位に振動が生じない程度に設定さ
れているのである。
【0017】請求項15の発明では、ワークとの距離を
小さくする向きに移動するハウジングと、ドリルと平行
な回転軸を有しドリルを回転駆動するスピンドルモータ
と、ハウジングの移動方向である基準方向に対してスピ
ンドルモータの回転軸が傾斜可能となるようにスピンド
ルモータおよびハウジングに対して各端部がボールジョ
イントを介して機械的に結合された3本以上の支軸と、
ハウジングの移動方向に直交する一つの面内で互いに異
なる方向であってスピンドルモータの回転中心に向かう
向きの支持力を作用させるようにスピンドルモータをハ
ウジングに対して機械的に結合する復原要素および減衰
要素よりなる3個以上の支持機構とを備え、支持機構に
よる支持力はワークへのドリルの接触時に接触圧の反力
を受けてスピンドルモータの回転軸が基準方向に対して
傾斜する変位を許し、かつ変位に振動が生じない程度に
設定されているのである。
【0018】請求項16の発明では、ワークとの距離を
小さくする向きに移動するハウジングと、ドリルと平行
な回転軸を有しドリルを回転駆動するスピンドルモータ
と、ハウジングの移動方向である基準方向に支持力を作
用させるようにスピンドルモータに機械的に結合された
復原要素および減衰要素よりなる支持機構とを備え、支
持機構による支持力はワークへのドリルの接触時に接触
圧の反力を受けてスピンドルモータが基準方向に平行移
動する変位を許し、かつ変位に振動が生じない程度に設
定されている。
【0019】請求項17の発明では、ワークとの距離を
小さくする向きに移動するハウジングと、ドリルと平行
な回転軸を有しドリルを回転駆動するスピンドルモータ
と、ハウジングの移動方向である基準方向に対してスピ
ンドルモータが傾斜可能となるように基準方向に直交す
る面内でスピンドルモータに吸引力を作用させるように
スピンドルモータの回転軸の周方向に離間して配設され
た3個以上の電磁石と、基準方向に対するスピンドルモ
ータの回転軸の傾斜を検出する変位センサと、変位セン
サの出力に基づいてスピンドルモータを所定位置に保持
するように電磁石によるスピンドルモータの移動量をフ
ィードバック制御する制御手段とを備え、制御手段は、
電磁石への通電電流の変化に基づいて基準方向に直交す
る面内でドリルに作用する外力の分力の変化を検出し、
この分力が小さくなる向きに電磁石への通電電流を制御
してスピンドルモータの位置を調節するのである。
【0020】
【作用】請求項1の方法によれば、ドリルを回転させる
回転装置を復原要素および減衰要素を介してハウジング
に対して支持し、ドリルがワークに接触したときにドリ
ルとワークとの接触圧が緩和される方向の変位が回転装
置に生じるように回転装置に対する支持力を設定してい
るので、回転するドリルがワークに接触したときにドリ
ルに荷重がかかって変形しようとすると、回転装置がド
リルの変形を防止するように変位してドリルへの荷重を
緩和することによってドリルの折損を防止することがで
きるのである。また、ドリルがワークに接触したときの
接触力を受けて回転装置が変位するから、回転装置はド
リルの先端を中心として変位し、ドリルの先端がワーク
の表面を滑ることがなく、下穴を設けていないにもかか
わらずドリルの位置ずれが防止できるのである。すなわ
ち、穴の位置精度の向上につながるのである。
【0021】請求項2の方法によれば、ドリルがワーク
の表面に接触したときに生じる回転装置の変位に振動が
生じない程度の制動を加えるように、回転装置に対する
支持力を減衰要素について設定していることによって、
回転装置の変位が短時間で減衰し、ドリルの軸振れを抑
制してドリルが振動したままでワークが切削されるのを
防止することができる。その結果、穴の位置精度および
穴の径の精度の向上につながるのである。また、ドリル
の内部応力を短時間で緩和できるから、ドリルの折損が
防止される。
【0022】請求項3の方法によれば、ドリルがワーク
の表面に接触して切削が開始される程度に接触圧が増大
すると、ドリルによるワークの切削中に回転装置に変位
が生じない程度に支持力を強化して回転装置をハウジン
グに対して定位置に保持するのであり、回転装置の回転
軸が変位した状態でワークが切削されるのを防止するこ
とができ、ワークに対してドリルを直進させることがで
きて穴の位置精度が一層向上する。
【0023】請求項4ないし請求項10の方法は、望ま
しい実施態様であって、いずれの場合も穴の位置精度が
高くなり、かつドリルの折損が防止される。とくに、請
求項6の方法では、ドリルのスラスト方向の荷重を緩和
する能力が高く、ドリルの折損を防止する効果が高い。
また、請求項7の方法では、ドリルの回転方向について
も変位を許しているので、切削抵抗によるドリルへの荷
重も緩和でき、ドリルの折損防止の効果が一層高くな
る。
【0024】請求項11ないし請求項13の方法は、ド
リルによるワークの切削時の支持力についての望ましい
実施態様であって、いずれの場合もドリルの軸振れを防
止して、ワークに対してドリルを直進させることがで
き、穴の位置精度を向上させる効果がある。請求項14
の装置は、復原要素と減衰要素とを備えた3個以上の支
持機構によってスピンドルモータをハウジングに対して
支持するのであって、ハウジングの移動方向である基準
方向に直交する面内での平行移動による変位に対して支
持機構の支持力が作用する。支持力は、ドリルのワーク
への接触圧の反力によるスピンドルモータの変位を許
し、かつ変位に振動が生じないように設定されるから、
ドリルの先端がワークに接触したときに、ドリルの先端
が滑ることなく、位置精度のよい穴を形成することがで
きる。
【0025】請求項15の装置では、両端にボールジョ
イントを備えた3本以上の支軸の一端をスピンドルモー
タに結合し、他端をハウジングに対して結合しているか
ら、スピンドルモータはドリルの移動方向である基準方
向に対して傾斜可能となる。しかも、支持力は、ドリル
のワークへの接触圧の反力によるスピンドルモータの変
位を許し、かつ変位に振動が生じないように設定される
から、ドリルの先端がワークに接触したときに、ドリル
がワークに対して傾くことになり、ドリルの弾性変形に
よる位置ずれを防止する効果が高いのである。
【0026】請求項16の装置は、ハウジングの移動方
向である基準方向に支持力を作用させ、しかも、支持力
はドリルのワークへの接触圧の反力によるスピンドルモ
ータの変位を許し、かつ変位に振動が生じないように設
定されるから、ドリルに作用するスラスト方向の荷重を
緩和する効果が高く、ドリルの折損を防止することがで
きる。
【0027】請求項17の装置は、ハウジングの移動方
向である基準方向に対してスピンドルモータが傾斜可能
となるようにしているので、ドリルの弾性変形による位
置ずれを防止する効果があり、しかも、スピンドルモー
タの位置を、スピンドルモータの回転軸の周方向に離間
して配設された3個以上の電磁石と、基準方向に対する
スピンドルモータの回転軸の傾斜を検出する変位センサ
と、変位センサの出力に基づいてスピンドルモータを所
定位置に保持するように電磁石によるスピンドルモータ
の移動量をフードバック制御する制御手段とにより制御
し、制御手段は、電磁石への通電電流の変化に基づいて
基準方向に直交する面内でドリルに作用する外力の分力
の変化を検出し、この分力が小さくなる向きに電磁石へ
の通電電流を制御してスピンドルモータの位置を調節す
るので、ドリルがワークに接触したときのスピンドルモ
ータの変位を検出すると、変位を小さくしてドリルを立
てることができ、ドリルをワークに対して略垂直にして
直進させることが可能になり、結果的に穴位置の精度が
一層向上することになる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)穴加工装置は、図6に示すように、基本的
には、ワークが載置されるXYテーブル11と、XYテ
ーブル11の上面に対して直交する方向にハウジング1
2を移動させるZテーブル13とを装置本体10に備え
ている。
【0029】ハウジング12の中には、図5に示すよう
に、ドリル1を回転させる回転装置としてのスピンドル
モータ2などが収納される。ここにおいて、ハウジング
12が装置本体10に対して移動する方向(スピンドル
モータ2の軸方向にほぼ一致する)をZ軸方向、Z軸方
向に直交する一つの面をXY平面として直交座標系を定
める。スピンドルモータ2の外周面には、スピンドルモ
ータ2の軸方向に直交する円板状の支持板3aがモータ
ホルダ4を介して固着される。支持板3aの厚み方向の
両側には、Z軸方向の一直線上に配列されて対になって
いる電磁石(3A,3D),(3B,3E),(3C,
3F)の組がスピンドルモータ2の周方向に離間して3
組設けられる。各電磁石3A,3B,3C,3D,3
E,3Fは、支持板3aに対してZ軸方向の吸引力を作
用させるのであり、対になる電磁石(3A,3D),
(3B,3E),(3C,3F)の間の拮抗作用によっ
て、支持板3aを所定の位置に保持する。すなわち、電
磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fの吸引力を調
節すれば、支持板3aのZ軸方向の位置およびZ軸に対
する傾き(すなわち、X軸およびY軸の回りでの回転
量)を調節することができるのである。また、スピンド
ルモータ2を他の部材に接触させることなく保持できる
から、スピンドルモータ2は摩擦力をほとんど受けるこ
となく移動できることになる。
【0030】支持板3aの厚み方向の一面(図5の下
面)には、周方向に離間した3箇所にそれぞれリニア直
流アクチュエータ5A,5B,5Cの可動コイル5aが
取付片5cを介して結合される。各アクチュエータ5
A,5B,5Cは、いわゆるボイスコイルモータと称す
るものであって、図7および図8に示すように、スピン
ドルモータ2の回転軸に直交する断面が日字状であって
固定子となるヨーク5bと、ヨーク5bの中央片に対し
てスライド自在に挿着された筒状の可動コイル5aとを
備える。可動コイル5aは、合成樹脂等よりなる角筒状
のコイルボビンにコイル巻線を巻装して形成され、ヨー
ク5bは、両脚片の内側面と中央片とが異極になるよう
に適宜箇所に永久磁石(図示せず)が配置される。たと
えば、永久磁石を両脚片の内側面に設ければよい。した
がって、可動コイル5aに通電すれば、通電電流に比例
したローレンツ力が生じて可動コイル5aが電流の向き
に応じた方向に移動する。ここにおいて、ヨーク5bの
中央片は、スピンドルモータ2におけるアクチュエータ
5A,5B,5Cとの結合位置の接線方向にほぼ沿うよ
うに配置される。スピンドルモータ2の回転軸の径方向
については、可動コイル5aの内側空間の幅がヨーク5
bの中央片の幅よりも大きく設定されており、可動コイ
ル5aは、スピンドルモータ2の回転軸の径方向につい
てもヨーク5bに対して移動できるようになっている。
したがって、各アクチュエータ5A,5B,5Cのコイ
ルへの通電電流を制御することによって、スピンドルモ
ータ2の位置を、スピンドルモータ2の回転軸に直交す
る面内で調整できることになる。すなわち、アクチュエ
ータ5A,5B,5Cによって、スピンドルモータ2の
X方向およびY方向への平行移動とZ軸回りの回転移動
とを行うことができるのである。
【0031】ところで、スピンドルモータ2のXY平面
に平行な面内での変位量は、支持板3aに各アクチュエ
ータ5A,5B,5Cに対応する位置で固着した検出片
6A,6B,6Cとの相対距離を検出する変位センサ7
A,7B,7Cによって検出される。すなわち、変位セ
ンサ7A,7B,7Cは、検出片6A,6B,6Cとの
距離を光学的に測定するものや、金属で形成した検出片
6A,6B,6Cに対して変位センサ7A,7B,7C
から高周波電界を作用させることにより渦電流損の大き
さに基づいて距離を検出するものなどを用いることがで
きる。一方、スピンドルモータ2のZ軸方向の変位量
は、支持板3aの周方向の3箇所との相対距離をそれぞ
れ検出する変位センサ7D,7E,7Fによって検出さ
れる。電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3F、ア
クチュエータ5A,5B,5Cのヨーク5b、変位セン
サ7A,7B,7C,7D,7E,7Fはハウジング1
2に対して固定される。
【0032】以上の構成によれば、電磁石3A,3B,
3C,3D,3E,3Fのコイルへの通電量の制御によ
って、Z軸方向の平行移動とX軸およびY軸の回りでの
回転移動ができ、また、アクチュエータ5A,5B,5
Cの可動コイル5aへの通電量の制御によって、XY平
面内での平行移動とZ軸の回りでの回転移動ができるこ
とになる。このような位置の制御は、図9に示すよう
に、変位センサ7A,7B,7C,7D,7E,7Fに
より検出された変位量に基づいて、制御回路20におい
て、電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fおよび
アクチュエータ5A,5B,5Cへの通電量をフィード
バック制御すればよい。制御回路20には、変位センサ
7A,7B,7C,7D,7E,7Fの出力を取り込
み、また、電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3F
およびアクチュエータ5A,5B,5Cへの制御量を出
力するインタフェース20a、電磁石3A,3B,3
C,3D,3E,3Fおよびアクチュエータ5A,5
B,5Cへの制御量を増幅する増幅回路20b、変位セ
ンサ7A,7B,7C,7D,7E,7Fの出力値に基
づいて制御量を発生させる演算制御部20c、制御量の
目標値などを設定する入力部20d、各部への給電を行
う電源20e、ハウジング12をZ軸方向に移動させる
(ハウジング12の進退の指示および送り速度を制御す
る)ために装置本体10に設けた送りモータ28を制御
量に応じて駆動するドライバ回路20fなどが設けられ
る。また、スピンドルモータ2の回転制御も制御回路2
0によって行われる。ここに、電磁石3A,3B,3
C,3D,3E,3Fおよびアクチュエータ5A,5
B,5Cへの制御量は、相互の影響を考慮して設定する
必要があるから、制御量を求めるには多変数の行列演算
が必要であって、この要求を満たすために、演算制御部
20cとしては高速演算が可能なマイクロコンピュータ
が用いられる。また、上述したように、スピンドルモー
タ2は、電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fに
よって非接触で支持されているから、移動時に雑音成分
がほとんど発生しないのであり、変位センサ7A,7
B,7C,7D,7E,7Fの出力に雑音成分が混入せ
ず、このことによっても位置制御が正確に行えるのであ
る。
【0033】ところで、アクチュエータ5A,5B,5
Cの可動コイル5aの駆動力Fは、可動コイル5aの巻
数をn、可動コイル5aに流れる電流をI、永久磁石に
よる磁束密度をB、磁界中の可動コイル5aの長さをL
とすれば、 F=n・I・B・L となるのであって、可動コイル5aの駆動力は可動コイ
ル5aに流れる電流の大きさに比例するから、各アクチ
ュエータ5A,5B,5Cの可動コイル5aへの通電電
流の大きさを調節すれば、コンプライアンスも調節する
ことが可能である。また,各可動コイル5aへの通電電
流と発生する力とが比例するから、フィードバック制御
によって位置を保持しているときの通電電流の大きさは
外力に比例することになり、外力の変化を通電電流の変
化として容易に検出することができるのである。
【0034】一方、各電磁石3A,3B,3C,3D,
3E,3Fが支持板3aに作用させる吸引力Fは、電磁
石3A,3B,3C,3D,3E,3Fのコイルに通電
される電流をI、電磁石3A,3B,3C,3D,3
E,3Fと支持板3aとの距離をD、電磁石3A,3
B,3C,3D,3E,3Fと支持板3aとの間の空間
に固有な定数をQとすれば、 F=QI2 /D2 になるのであって、距離Dを小さくすれば、非常に大き
な吸引力が得られるものである。スピンドルモータ2が
高速回転すると、コリオリの力が発生してスピンドルモ
ータ2が歳差運動をしようとするが、電磁石3A,3
B,3C,3D,3E,3Fの吸引力を大きくすればス
ピンドルモータ2を強固に固定することができるから、
歳差運動をかなり小さくすることができる。電磁石3
A,3B,3C,3D,3E,3Fについても、通電電
流と発生する力とに対応関係があるから、フィードバッ
ク制御によってスピンドルモータ2の位置を保持してい
るときの通電電流の大きさは外力に対応することにな
り、外力の変化を通電電流の変化として容易に検出でき
るのである。
【0035】要するに上記装置では、スピンドルモータ
2の位置を各座標軸の方向に平行移動させるとともに、
各座標軸の回りに回転移動させることができるのであ
る。しかも、電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3
Fおよびアクチュエータ5A,5B,5Cによってスピ
ンドルモータ2を支持していることになるから、スピン
ドルモータ2は復原要素および減衰要素を介して支持さ
れていることになり、電磁石3A,3B,3C,3D,
3E,3Fおよびアクチュエータ5A,5B,5Cへの
通電電流を制御することによって、スティフネスや減衰
係数を任意に設定できるのである。
【0036】上記構成の装置を用いてプリント基板等の
ワークWに対して穴加工を施すには、図1に示すような
手順で動作させる。まず、穴加工の開始前に、スピンド
ルモータ2が高速回転によってハウジング12に対して
振動しない範囲で、スピンドルモータ2を支持する復原
要素のスティフネスを比較的小さく設定する。また、ス
ピンドルモータ2が復原要素により支持されていること
によって、ドリル1がワークWに接触したときに反力を
受けてスピンドルモータ2が変位すると、その変位に対
応した復帰力が作用することによってスピンドルモータ
2が振動するから、このような振動が生じないように、
すなわち変位が短時間で減衰するように、スピンドルモ
ータ2を支持している減衰要素の減衰係数を設定してお
く。要するに、復原要素についてはスティフネスを小さ
く設定し、減衰要素についてはスティフネスに応じて減
衰係数を設定することによって、上記反力を受けたとき
にドリル1に作用する接触圧を緩和できる程度にスピン
ドルモータ2が変位するように、スピンドルモータ2を
ハウジング12に対して支持する支持力を比較的小さく
設定するのである(S1)。スティフネスおよび減衰係
数は、上述したように、電磁石3A,3B,3C,3
D,3E,3Fおよびアクチュエータ5A,5B,5C
への通電電流を調節することによって調節することがで
きる。また、後述するスティフネスおよび減衰係数の変
更タイミングを決定するための、Z軸方向およびZ軸回
りでの力に対する閾値を設定する(S2)。
【0037】このような設定状態で、スピンドルモータ
2によってドリル1を高速回転させるとともに、ハウジ
ング12をZテーブル13によって一定速度でZ軸方向
の下向きに移動させる(S3、図2(a))。このと
き、ワークWには下穴を形成する必要はない。また、電
磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fおよびアクチ
ュエータ5A,5B,5Cの通電電流の変化に基づいて
スピンドルモータ2に作用する外力を検出し、スピンド
ルモータ2に作用する外力が最小になるように、電磁石
3A,3B,3C,3D,3E,3Fおよびアクチュエ
ータ5A,5B,5Cの通電電流を制御し、スピンドル
モータ2の位置を制御してスピンドルモータ2の姿勢を
一定に保つ。
【0038】図2(b)のように、ドリル1の先端がワ
ークWの表面に接触すると、ドリル1の先端には接触圧
としての反力Fが作用する。スピンドルモータ2の支持
力は比較的小さいから、スピンドルモータ2にはドリル
1の先端を中心としてドリル1に作用する反力Fを緩和
する方向の変位が生じ、図2(c)に示すように、Z軸
に対してドリル1およびスピンドルモータ2が傾いた
り、スピンドルモータ2がZ軸方向に移動したりする。
スピンドルモータ2がハウジング12に対して変位すれ
ば、ドリル1の内部応力が緩和されることになり、ドリ
ル1の折損が防止される。すなわち、スティフネスを比
較的小さく設定したことによって、スティフネスが大き
い場合に比較すると(図3に破線で示す)、図3に実線
で示すように、ドリル1の先端にZ軸方向に作用する反
力(接触圧)の立ち上がりが遅くなるとともに、反力の
最大値が小さくなるのである。その結果、ドリル1の内
部応力が小さくなって折損が防止されることになる。
【0039】また、スピンドルモータ2は復原要素およ
び減衰要素を介して支持されているから、図4に破線で
示すように減衰振動し、整定時間が経過すると、スピン
ドルモータ2は、復原力および減衰力がドリル1に作用
する接触圧と釣り合う位置に落ちつく。ここで、上述の
ように減衰要素の減衰係数を比較的大きく設定している
から、図4に実線で示すように、整定時間を短くするこ
とができるのであって、振動によるドリル1の内部応力
が短時間で緩和されることになり、このことによっても
ドリル1の折損防止につながるのである。さらに、図4
の破線のように変位が減衰するまでの整定時間が長い
と、スピンドルモータ2の振動によるドリル1の軸振れ
によって、ドリル1の先端の位置がずれたり切削する穴
の径が大きくなるなどの問題が生じる。これに対して、
減衰係数を大きくして整定時間を短縮したことによっ
て、ドリル1の先端の位置がずれたり穴の径が大きくな
るのを防止できることになる。ところで、上述したよう
に、ドリル1の先端がワークWに接触した段階では、ス
ピンドルモータ2の支持力が小さいことによってドリル
1の折損が防止されるのであるが、支持力をそのままに
してドリル1によるワークWの切削を行うと、ドリル1
の切削抵抗に対する反力でスピンドルモータ2に軸振れ
が生じるなどの問題が発生する。そこで、ドリル1がワ
ークWに接触したときに生じる反力を緩和する方向にス
ピンドルモータ2が変位し、その後、ドリル1によるワ
ークWの切削が可能な程度に接触圧が増加すると、図2
(d)に示すようにスピンドルモータ2の回転軸をZ軸
に平行とするように、電磁石3A,3B,3C,3D,
3E,3Fおよびアクチュエータ5A,5B,5Cへの
通電電流を瞬時に変化させる。すなわち、ドリル1のワ
ークWに対する接触圧が大きくなれば、Z軸回りのトル
クが増加したりZ軸方向の押圧力が増加したりするか
ら、スピンドルモータ2の負荷電流や、電磁石3A,3
B,3C,3D,3E,3Fおよびアクチュエータ5
A,5B,5Cの負荷電流の変化によってこれを検出し
(S4)、スピンドルモータ2に作用するZ軸方向の力
Fz およびZ軸回りの力Fθz がステップS2で設定し
た閾値以上に増加したことが検出されると(S5)、そ
の直後にスピンドルモータ2の支持力を瞬時のうちに強
化する(S6)。要するに、スピンドルモータ2を支持
する復原要素のスティフネスおよび減衰要素の減衰係数
を大きくするように、電磁石3A,3B,3C,3D,
3E,3Fおよびアクチュエータ5A,5B,5Cへの
通電電流を制御するのである。ここに、スティフネスお
よび減衰係数の変更前の値をそれぞれK1(=(kx1,ky1,k
z1,kθx1,kθy1,kθz1) ) ,D1((dx1,dy1,dz1,dθx1,d
θy1,dθz1) ) 、変更後の値をそれぞれK2(=(kx2,k
y2,kz2,kx2,kθy2,kθz2) ),D2(=(dx2,dy2,dz2,dθ
x2,dθy2,dθz2))として、K1 <K2 、D1 <D2
なるように設定する。ただし、Z軸方向の成分について
は、 kz1=kz2 、 dz1=dz2 でもよい。また、スピンド
ルモータ2とハウジング12との相対位置は、ドリル1
のワークWへの接触前に (0,0,0,0,0,0)であって、接触
時に (x1,y1,z1, θx1, θy1, θz1) になっても、ステ
ィフネスおよび減衰係数の変更によって支持力を強化し
た後には (0,0,z2, 0,0,θz2) となる。すなわち、スピ
ンドルモータ2とハウジング12との相対位置をドリル
1がワークWに接触する前の位置に保持するような支持
力を強化することによって、ドリル1が受ける反力に抗
してスピンドルモータ2とハウジング12との中心線が
一致し、Z軸方向にはドリル1からワークWに対する押
圧力の反力に相当する変位z2 が生じ、Z軸の回りには
切削抵抗の反力に相当する変位θz2が生じるのである。
さらに、ドリル1がワークWに挿入されるに従って押圧
力および切削抵抗に対する反力が変化し、Z軸方向およ
びZ軸回りの変位がz3 ,θz3になる。このとき、X軸
方向、Y軸方向、X軸回り、Y軸回りについては変位が
生じないように保持されている。なお、図2において○
印はハウジング12の中心位置、×印はスピンドルモー
タ2の中心位置を示す。
【0040】上述したような手順で電磁石3A,3B,
3C,3D,3E,3Fおよびアクチュエータ5A,5
B,5Cへの通電電流を制御することによって、ワーク
Wの切削が可能となる程度にドリル1のワークWへの接
触圧が増加すると、その直後に、ワークWの表面に対し
てドリル1を垂直に当接させることが可能となる。しか
も、スピンドルモータ2がほぼ定位置に固定され、ドリ
ル1が変形したままの状態でワークWが切削されるのを
防止することができるから、ワークWに対してドリル1
を直進させて穴の位置精度を一層高めることができるの
である。また、ドリル1によるワークWの切削中に生じ
る反力によってスピンドルモータ2が振動するのを防止
できるのであって、ドリル1の軸振れを抑制して穴の径
が拡大するのを防止できるのである。このようにしてド
リル1の位置決めが完了すると、図2(e)のようにド
リル1によってワークWが切削される。図1、図2と復
原要素および減衰要素の制御との関係を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】(実施例2)本実施例は、実施例1と同じ
構成の穴加工装置を用いて、図1のステップS1におけ
る電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fおよびア
クチュエータ5A,5B,5Cへの通電電流の制御方法
を変えたものである。すなわち、本実施例では、Z軸に
直交する面内での平行移動(すなわち、X軸方向、Y軸
方向の平行移動)、およびX軸回り、Y軸回りの回転移
動については、ドリル1のワークWへの接触時の反力で
スピンドルモータ2の移動を許すように設定し、Z軸方
向の平行移動およびZ軸回りの回転移動については、ス
ピンドルモータ2の移動が困難となるように支持力を大
きく設定している。
【0043】スピンドルモータ2の支持力を上記設定と
すれば、図10(a)のように、ドリル1を高速回転さ
せてスピンドルモータ2をZ軸方向の下向きに移動さ
せ、図10(b)のようにドリル1の先端がワークWに
接触すると、ドリル1は接触圧による反力Fを受け、ス
ピンドルモータ2はドリル1の先端を中心にして、図1
0(c)のようにZ軸に対して傾斜することになる(X
軸回り、Y軸回りに回転移動する)。この時点で、Z軸
回りのトルクおよびZ軸方向の押圧力が閾値以上になる
と、スピンドルモータ2の移動が禁止される程度に支持
力を強化し、ドリル1の先端をワークWに対して直立さ
せるのである。他の構成および動作は実施例1と同様で
ある。
【0044】(実施例3)本実施例は、実施例1と同じ
構成の穴加工装置を用いて、図1のステップS1におけ
る電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fおよびア
クチュエータ5A,5B,5Cへの通電電流の制御方法
を変更したものである。すなわち、スピンドルモータ2
について、3次元直交座標系における各軸方向への平行
移動を許すように支持力を比較的小さく設定し、各軸回
りの回転移動を困難とするように支持力を比較的大きく
設定している。
【0045】スピンドルモータ2の支持力を上記設定と
すれば、スピンドルモータ2の傾きが禁止されるから、
図11(a)に示すようにドリル1を高速回転させてハ
ウジング12をZ軸方向の下向きに移動させたとき、図
11(b)に示すようにドリル1の先端がワークWに接
触すると、ドリル1は接触圧による反力を受け、このと
き、スピンドルモータ2は、図11(c)に示すように
ドリル1の先端位置をずらすことなくハウジング12に
対してZ軸方向およびZ軸に直交する面内で変位するこ
とになる。このとき、Z軸回りのトルクおよびZ軸方向
の押圧力が閾値以上になると、支持力が強化されてドリ
ル1の先端とワークWとの接触位置でドリル1が直立す
る。他の構成および動作は実施例1と同様である。
【0046】(実施例4)本実施例は、実施例1と同じ
構成の穴加工装置を用いて、図1のステップS1におけ
る電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fおよびア
クチュエータ5A,5B,5Cへの通電電流の制御方法
を変更したものである。本実施例では、ドリル1のワー
クWへの接触時に受ける反力によって、スピンドルモー
タ2のZ軸方向への平行移動、およびX軸回り、Y軸回
りでの回転移動が可能となり、かつZ軸に直交する面内
の平行移動(すなわち、X軸方向、Y軸方向の平行移
動)およびZ軸回りの回転移動が困難となるように支持
力を設定する。
【0047】スピンドルモータ2の支持力を上記設定と
すれば、図10(a)のように、ドリル1を高速回転し
てスピンドルモータ2をZ軸方向の下向きに移動させ、
図10(b)のようにドリル1の先端がワークWに接触
すると、ドリル1は接触圧による反力Fを受け、スピン
ドルモータ2はドリル1の先端を中心にして、図10
(c)のようにZ軸に対して傾斜することになる(X軸
回り、Y軸回りに回転移動する)。そこで、Z軸回りの
トルクおよびZ軸方向の押圧力が閾値以上になると、支
持力が強化されてドリル1がワークWに対して直立する
のである。他の構成および動作は実施例1と同様であ
る。
【0048】(実施例5)本実施例は、実施例1と同じ
構成の穴加工装置を用いて、図1のステップS6におけ
る電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fおよびア
クチュエータ5A,5B,5Cへの通電電流の制御方法
を変更したものである。本実施例では、図12に示すよ
うに、Z軸回りのトルクおよびZ軸方向の押圧力が閾値
以上になったことが検出された時点で(S5)、復原要
素のスティフネスおよび減衰要素の減衰係数を大きくす
る制御をXY平面内でのみ行う。すなわち、XY平面内
での平行移動(X軸方向およびY軸方向の平行移動)と
回転移動(Z軸回りの回転移動)とを抑制するのであ
る。
【0049】上述のような制御を行えば、図13(a)
のように、ドリル1を高速回転してスピンドルモータ2
をZ軸方向の下向きに移動させ、図13(b)のように
ドリル1の先端がワークWに接触すると、ドリル1は接
触圧による反力Fを受け、図13(c)のように、ドリ
ル1の先端を中心として反力Fを緩和する方向にスピン
ドルモータ2が変位する。このとき、減衰要素の作用に
よりほとんど振動することなく短時間で反力Fと釣り合
う位置に落ち付こうとする。その後に、Z軸回りのトル
クおよびZ軸方向の押圧力が閾値以上になったことがス
ピンドルモータ2の負荷電流や、アクチュエータ5A,
5B,5Cの負荷電流の変化によって検出されると(S
5)、アクチュエータ5A,5B,5Cへの通電電流を
大きくして、スピンドルモータ2がZ軸に直交する面内
での平行移動および回転移動を抑制するように、支持力
を強化するのである(S6)。このようにして、図13
(d)のようにドリル1の先端を中心にしてスピンドル
モータ2を立てることができ、図13(e)のようにド
リル1を直立させて切削することができるのである。他
の構成は実施例1と同様である。
【0050】(実施例6)本実施例は、実施例1と同じ
構成の穴加工装置を用いて、図1のステップS6におけ
る電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fおよびア
クチュエータ5A,5B,5Cへの通電電流の制御方法
を変更したものである。本実施例では、図14に示すよ
うに、Z軸回りのトルクおよびZ軸方向の押圧力が閾値
以上になったことが検出された時点で(S5)、復原要
素のスティフネスおよび減衰要素の減衰係数を大きくす
る制御をX軸回りおよびY軸回りの回転移動について抑
制するのである(S6)。このようにすべての軸回りの
回転移動を抑制するから、スピンドルモータ2は実施例
1と同様に(すなわち、図2、図15に示すように)振
る舞うことになり、ドリル1をワークWに対して直立さ
せて切削することが可能になるのである。他の構成は実
施例1と同様である。
【0051】(実施例7)本実施例は、実施例1と同じ
構成の穴加工装置を用いて、図1のステップS6におけ
る電磁石3A,3B,3C,3D,3E,3Fおよびア
クチュエータ5A,5B,5Cへの通電電流の制御方法
を変更したものである。本実施例では、図15に示すよ
うに、Z軸回りのトルクおよびZ軸方向の押圧力が閾値
以上になったことが検出された時点で(S5)、Z軸方
向の平行移動以外の平行移動および回転移動を抑制する
ように支持力を強化するのである(S6)。すなわち、
X軸方向、Y軸方向の平行移動とX軸回り、Y軸回り、
Z軸回りの回転移動とを抑制する。この場合、スピンド
ルモータ2は実施例1と同様に(すなわち、図2、図1
5に示すように)振る舞う。他の構成は実施例1と同様
である。
【0052】なお、上述した実施例1〜7においては、
Z軸回りのトルクFθz およびZ軸方向の押圧力Fz が
閾値以上になった時点で支持力を変更しているが、トル
クFθz と押圧力Fz とのいずれか一方のみが閾値以上
になった時点で支持力を変更するようにしてもよい。ま
た、ワークWがXY平面に平行ではない場合には、Z軸
回りのトルクFθz やZ軸方向の押圧力Fz に代えて他
の軸回りの力Fθx,Fθy や他の軸方向の力Fx,Fy と
閾値との比較によって支持力を変更するタイミングを決
定してもよい。
【0053】(実施例8)本実施例では、ハウジング1
2の中に、図17のような機構を収納している。すなわ
ち、実施例1では、スピンドルモータ2をX軸方向、Y
軸方向、Z軸方向の平行移動およびX軸、Y軸、Z軸の
回りでの回転移動が可能な6自由度系として扱うことが
できるように構成していたが、本実施例では、スピンド
ルモータ2をXY平面内での平行移動のみの2自由度系
として扱うように構成している。また、本実施例では、
復原要素のスティフネスおよび減衰要素の減衰係数は固
定的に設定されている。
【0054】すなわち、スピンドルモータ2がZ軸に直
交する面内で移動可能なように、復原要素Rおよび減衰
要素Dを備えた3個の支持機構21A,21B,21C
によってスピンドルモータ2を支持している。復原要素
Rはばねであって、減衰要素Dはダンパよりなる。した
がって、スティフネスおよび減衰係数は一定であって、
実施例1のように調整可能とはなっていない。各支持機
構21A,21B,21Cは、Z軸に直交する面内でス
ピンドルモータ2の回転中心に向かう向きの支持力を作
用させるのであって、スピンドルモータ2の外周面の3
箇所にそれぞれ一端が結合され、他端がハウジング12
に結合されている。また、スピンドルモータ2は、回転
軸に直交する方向にほとんど摩擦の影響を受けることな
く移動できるように空気軸受22を用いて支持される。
すなわち、空気軸受22は、スピンドルモータ2の外周
面に固着された軸方向に直交する円板状の支持板22a
と、支持板3aの厚み方向の両側に配設され内部に圧縮
空気が流通する一対の通気管22bとにより構成され
る。通気管22bにおいて支持板22aとの対向面には
吹出口22cが形成され、吹出口22cから圧縮空気が
吐出されることにより、支持板22aが両通気管22b
から離間した状態で支持される。
【0055】復原要素Rはドリル1がワークWに接触し
たときに生じる反力を緩和するような変位がスピンドル
モータ2に生じるように設定され、減衰要素はスピンド
ルモータ2の変位に伴う振動が短時間で減衰するように
設定される。ワークWを切削するときには、図11
(a)に示すように、ドリル1を高速回転させてZ軸方
向の下向きに移動させると、図11(b)に示すよう
に、ドリル1がワークWに接触して反力Fを受ける。こ
のとき、スピンドルモータ2は、図11(c)のよう
に、ドリル1の先端位置をずらすことなくZ軸に直交す
る面内で変位する。ここで、減衰要素の作用によって変
位に伴う振動は短時間で減衰し、ドリル1の先端とワー
クWとの接触位置でドリル1が直立するのである。
【0056】(実施例9)本実施例では、ハウジング1
2の中に、図18および図19に示すような機構を収納
している。すなわち、本実施例では、スピンドルモータ
2をX軸およびY軸の回りでの回転移動のみの2自由度
系として扱うように構成している。また、実施例8と同
様に、復原要素のスティフネスと減衰要素の減衰係数と
は固定的に設定される。
【0057】すなわち、スピンドルモータ2の外周面に
は、Z軸に直交する円板状の支持板23が固着され、ハ
ウジング12の定位置には支持板23に対向するように
固定板24が固定される。支持板23と固定板24との
対向面は、3本以上の支軸25A〜25Cを介して結合
される。各支軸25A〜25Cは、両端部に設けたボー
ルジョイント26a,26bを介して支持板23および
固定板24に結合されている。また、各支軸25A〜2
5Cの延長線はスピンドルモータ2の回転軸上の1点に
交点を有するように配置される。このような構成とすれ
ば、この交点を中心として支持板23(すなわち、スピ
ンドルモータ2)が傾斜できることになる。したがっ
て、交点の位置はドリル1の先端に設定するのが望まし
い。
【0058】支持機構21A,21B,21Cは、実施
例2と同様に復原要素であるばねと減衰要素であるダン
パとを用いて構成され、支持板23の外周面に一端が結
合され、Z軸に直交する面内でスピンドルモータ2の回
転中心に向かう方向に支持力を作用させるように構成さ
れている。したがって、ドリル1によるワークWの切削
時には、スピンドルモータ2は実施例2と同様に(すな
わち、図10に示すように)振る舞うことになる。他の
構成は実施例8と同様である。
【0059】(実施例10)本実施例は、図20および
図21に示すように、実施例9のばねおよびダンパを用
いた支持機構21A,21B,21Cに代えて、3個の
電磁石3G,3H,3Iを用いたものである。各電磁石
3G,3H,3Iは、支持板23の周囲に等間隔に配置
され、磁極面の法線がスピンドルモータ2の回転中心に
向かうように配置される。また、支持板23の周囲には
スピンドルモータ2の回転軸に対する傾斜を検出する2
個の変位センサ17G,17Hが配設される。変位セン
サ17G,17Hは、Z軸方向に直交する面内での支持
板23の平行移動を検出することができる。各電磁石3
G,3H,3Iへの通電電流は、変位センサ17G、1
7Hで検出された支持板23の位置に基づいて、実施例
1と同様にフィードバック制御される。すなわち、各電
磁石3G,3H,3Iへの通電電流の出力に基づいてZ
軸方向に直交する面内でドリル1に作用する外力の分力
の変化を検出し、この分力が小さくなる向きに各電磁石
3G,3H,3Iへの通電電流を制御してスピンドルモ
ータ2の位置を調節する。他の構成および電磁石3G,
3H,3Iの制御手順は実施例1と同様である。すなわ
ち、ドリル1によるワークWの切削が開始される前後
で、実施例1と同様に復原要素と減衰要素とによる支持
力を調節するのである。したがって、ドリル1がワーク
Wに接触するまでは、実施例9と同様に動作するが、そ
の後に支持力を強化することによって、歳差運動による
スピンドルモータ2の軸振れを防止することができるの
である。
【0060】(実施例11)本実施例では、Z軸方向の
平行移動のみを許すようにスピンドルモータ2を1自由
度系として扱うように構成している。すなわち、図22
に示すように、スピンドルモータ2がZ軸方向に平行移
動できるように、復原要素Rおよび減衰要素Dを備えた
1個の支持機構21によってスピンドルモータ2を支持
している。復原要素Rはばねであって、減衰要素Dはダ
ンパよりなる。支持機構21は、Z軸方向においてスピ
ンドルモータ2に支持力を作用させるのであって、スピ
ンドルモータ2の軸方向の一端面に一端が結合され、他
端がハウジング12に結合されている。また、スピンド
ルモータ2は、軸方向に摩擦の影響をほとんど受けずに
移動できるように空気軸受27を用いて支持される。す
なわち、空気軸受27は、スピンドルモータ2の外周面
を全周に亙って囲む円環状の通気管27aを備え、通気
管27aにおいてスピンドルモータ2の外周面との対向
面には多数の吹出口27bが形成され、吹出口27bか
ら圧縮空気が吐出されることにより、スピンドルモータ
2が通気管27aから離間した状態で支持される。
【0061】復原要素Rはドリル1がワークWに接触し
たときに生じる反力を緩和するようにスピンドルモータ
2がハウジング12に対して相対的にZ軸方向に変位す
るように設定され、減衰要素はスピンドルモータ2の変
位が短時間で減衰するように設定される。切削を開始す
るときには、図23(a)のようにドリル1を高速回転
させてZ軸方向の下向きに移動させる。図23(b)に
示すようにドリル1がワークWに接触すれば、ドリル1
に対してZ軸方向の反力Fが作用する。このとき、スピ
ンドルモータ2は、図23(c)のように、ドリル1の
先端位置をずらすことなくハウジング12に対して相対
的にZ軸方向に変位する。すなわち、スピンドルモータ
2はハウジング12に対してZ軸方向の下向きに一定速
度で移動しようとするが、反力Fを受けて復原要素Rの
支持力に抗して定位置に止まることになる。その後、減
衰要素の作用によって変位による振動は短時間で減衰す
る。ここにおいて、復原要素Rと減衰要素Dとは、実施
例1のような電磁石による浮動機構を用いて構成しても
よい。
【0062】
【発明の効果】本発明は上述のように、ドリルを回転さ
せる回転装置を復原要素および減衰要素を介して支持
し、ドリルがワークに接触したときにドリルとワークと
の接触圧が緩和される方向の変位が回転装置に生じるよ
うに回転装置に対する支持力を設定しているので、回転
するドリルがワークに接触したときにドリルに荷重がか
かって変形しようとすると、回転装置がドリルの変形を
防止するように変位してドリルへの荷重を緩和すること
によってドリルの折損を防止することができるという効
果がある。また、ドリルがワークに接触したときの接触
力を受けて回転装置が変位するから、回転装置はドリル
の先端を中心として変位し、ドリルの先端がワークの表
面を滑ることがなく、下穴を設けていないにもかかわら
ずドリルの位置ずれが防止できるという効果がある。す
なわち、穴の位置精度が向上するという利点を有するの
である。
【0063】また、ドリルがワークの表面に接触したと
きに生じる回転装置の変位に振動が生じない程度の制動
を加えるように、回転装置に対する支持力を減衰要素に
ついて設定することによって、回転装置の変位に伴う振
動が短時間で減衰し、ドリルの軸振れを抑制してドリル
の振動による位置ずれ等を防止することができる結果、
穴の位置精度が一層向上するという利点がある。また、
ドリルの内部応力を短時間で緩和できるから、ドリルの
内部応力の増大を防止してドリルの折損を防止すること
ができるという利点もある。
【0064】さらに、ドリルがワークの表面に接触して
切削が開始される程度に接触圧が増大すると、ドリルに
よるワークの切削中に回転装置に変位が生じない程度に
支持力を強化して回転装置をハウジングに対して定位置
に保持することにより、回転装置がほぼ定位置に固定さ
れることになって、回転装置の回転軸が変位した状態で
ワークが切削されるのを防止することができ、ワークに
対してドリルを直進させることができて穴の位置精度が
一層向上するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示す動作説明図である。
【図2】実施例1の穴の形成過程を示す工程図である。
【図3】実施例1での接触圧の時間変化を示す動作説明
図である。
【図4】実施例1でのスピンドルモータの変位の時間変
化を示す動作説明図である。
【図5】実施例1を示す一部切欠斜視図である。
【図6】実施例1を示す全体構成の斜視図である。
【図7】実施例1に用いるアクチュエータの平面図であ
る。
【図8】実施例1に用いるアクチュエータの断面図であ
る。
【図9】実施例1を示す制御回路のブロック図である。
【図10】実施例2、実施例4、実施例9の穴の形成過
程を示す工程図である。
【図11】実施例3、実施例8の穴の形成過程を示す工
程図である。
【図12】実施例5を示す動作説明図である。
【図13】実施例5の穴の形成過程を示す工程図であ
る。
【図14】実施例6を示す動作説明図である。
【図15】実施例6、実施例7の穴の形成過程を示す工
程図である。
【図16】実施例7を示す動作説明図である。
【図17】実施例8を示す一部切欠斜視図ある。
【図18】実施例9を示す一部切欠斜視図である。
【図19】実施例9を示す断面図である。
【図20】実施例10を示す一部切欠斜視図である。
【図21】実施例10を示す断面図である。
【図22】実施例11を示す一部切欠斜視図である。
【図23】実施例11の穴の形成過程を示す工程図であ
る。
【図24】従来の穴加工方法を示す工程図である。
【図25】従来の穴加工装置を示す断面図である。
【図26】従来の穴加工装置を示す概略構成図である。
【図27】図24に対応する穴加工装置の動作説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ドリル 2 スピンドルモータ 3A 電磁石 3B 電磁石 3C 電磁石 3D 電磁石 3E 電磁石 3F 電磁石 3G 電磁石 3H 電磁石 3I 電磁石 5A アクチュエータ 5B アクチュエータ 5C アクチュエータ 7A 変位センサ 7B 変位センサ 7C 変位センサ 7D 変位センサ 7E 変位センサ 7F 変位センサ 20 制御回路 21A 支持機構 21B 支持機構 21C 支持機構 24 固定板 25 支軸 26a ボールジョイント 26b ボールジョイント D 減衰要素 R 復原要素
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23B 35/00 B23B 41/00 B23B 41/14 B23B 47/00 B23B 47/18

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドリルを回転させる回転装置をワークと
    の距離を小さくする一定方向に移動するハウジングに対
    して復原要素および減衰要素を介して支持し、ワークの
    表面へのドリルの接触時にドリルのワークへの接触圧の
    反力で回転装置が変位してドリルの内部応力が緩和され
    るように、回転装置に対する支持力を復原要素について
    設定したことを特徴とする穴加工方法。
  2. 【請求項2】 ドリルがワークの表面に接触したときに
    生じる回転装置の変位に振動が生じない程度の制動を加
    えるように、回転装置に対する支持力を減衰要素につい
    て設定したことを特徴とする請求項1記載の穴加工方
    法。
  3. 【請求項3】 ドリルがワークの表面に接触して切削が
    開始される程度に接触圧が増大すると、ドリルによるワ
    ークの切削中に回転装置に変位が生じない程度に支持力
    を強化して回転装置をハウジングに対して定位置に保持
    することを特徴とする請求項1または請求項2記載の穴
    加工方法。
  4. 【請求項4】 ハウジングの移動方向を基準方向とし、
    基準方向に対して直交する面内での変位のみを許すよう
    に回転装置の変位の方向を規制し、かつ変位が許された
    方向について復原要素および減衰要素による支持力を作
    用させることを特徴とする請求項2記載の穴加工方法。
  5. 【請求項5】 ハウジングの移動方向を基準方向とし、
    基準方向に対して回転軸を傾斜させる変位のみを許すよ
    うに回転装置の変位の方向を規制し、かつ変位が許され
    た方向について復原要素および減衰要素による支持力を
    作用させることを特徴とする請求項2記載の穴加工方
    法。
  6. 【請求項6】 ハウジングの移動方向を基準方向とし、
    基準方向の変位のみを許すように回転装置の変位の方向
    を規制し、かつ変位が許された方向について復原要素お
    よび減衰要素による支持力を作用させることを特徴とす
    る請求項2記載の穴加工方法。
  7. 【請求項7】 ハウジングの移動方向を基準方向とし、
    基準方向を1つの軸方向とする3次元直交座標系の各軸
    について、各軸方向の平行移動および各軸回りの回転移
    動による変位を許し、かつすべての平行移動および回転
    移動の方向について復原要素および減衰要素による支持
    力を作用させることを特徴とする請求項2記載の穴加工
    方法。
  8. 【請求項8】 ハウジングの移動方向を基準方向とし、
    基準方向に対して回転軸を傾斜させる変位および基準方
    向に直交する面内で移動する変位のみを許すように回転
    装置の変位の方向を規制し、かつ変位が許された方向に
    ついて復原要素および減衰要素による支持力を作用させ
    ることを特徴とする請求項2記載の穴加工方法。
  9. 【請求項9】 ハウジングの移動方向を基準方向とし、
    基準方向を1つの軸方向とする3次元直交座標系の各軸
    について、各軸方向に移動する変位のみを許すように変
    位の方向を規制し、かつ変位が許された方向について復
    原要素および減衰要素による支持力を作用させることを
    特徴とする請求項2記載の穴加工方法。
  10. 【請求項10】 ハウジングの移動方向を基準方向と
    し、基準方向に対して回転軸を傾斜させる変位および基
    準方向に移動する変位のみを許すように変位の方向を規
    制し、かつ変位が許された方向について復原要素および
    減衰要素による支持力を作用させることを特徴とする請
    求項2記載の穴加工方法。
  11. 【請求項11】 ハウジングの移動方向を基準方向と
    し、基準方向に直交する面内での支持力を強化すること
    を特徴とする請求項3記載の穴加工方法。
  12. 【請求項12】 ハウジングの移動方向を基準方向と
    し、基準方向に対して回転装置の回転軸の傾斜を減少さ
    せる向きの支持力を強化することを特徴とする請求項3
    記載の穴加工方法。
  13. 【請求項13】 ハウジングの移動方向を基準方向と
    し、基準方向に対して直交する面内での支持力および基
    準方向に対して回転装置の回転軸の傾斜を減少させる向
    きの支持力を強化することを特徴とする請求項3記載の
    穴加工方法。
  14. 【請求項14】 ワークとの距離を小さくする向きに移
    動するハウジングと、ドリルと平行な回転軸を有しドリ
    ルを回転駆動するスピンドルモータと、ハウジングの移
    動方向に直交する一つの面内で互いに異なる方向であっ
    てスピンドルモータの回転中心に向かう向きの支持力を
    作用させるようにスピンドルモータをハウジングに対し
    て機械的に結合する復原要素および減衰要素よりなる3
    個以上の支持機構とを備え、支持機構はドリルのワーク
    への接触時に接触圧の反力を受けてスピンドルモータが
    回転軸に直交する面内で平行移動する変位を許し、かつ
    変位に振動が生じない程度に設定されて成ることを特徴
    とする穴加工装置。
  15. 【請求項15】 ワークとの距離を小さくする向きに移
    動するハウジングと、ドリルと平行な回転軸を有しドリ
    ルを回転駆動するスピンドルモータと、ハウジングの移
    動方向である基準方向に対してスピンドルモータの回転
    軸が傾斜可能となるようにスピンドルモータおよびハウ
    ジングに対して各端部がボールジョイントを介して機械
    的に結合された3本以上の支軸と、ハウジングの移動方
    向に直交する一つの面内で互いに異なる方向であってス
    ピンドルモータの回転中心に向かう向きの支持力を作用
    させるようにスピンドルモータをハウジングに対して機
    械的に結合する復原要素および減衰要素よりなる3個以
    上の支持機構とを備え、支持機構による支持力はワーク
    へのドリルの接触時に接触圧の反力を受けてスピンドル
    モータの回転軸が基準方向に対して傾斜する変位を許
    し、かつ変位に振動が生じない程度に設定されて成るこ
    とを特徴とする穴加工装置。
  16. 【請求項16】 ワークとの距離を小さくする向きに移
    動するハウジングと、ドリルと平行な回転軸を有しドリ
    ルを回転駆動するスピンドルモータと、ハウジングの移
    動方向である基準方向に支持力を作用させるようにスピ
    ンドルモータに機械的に結合された復原要素および減衰
    要素よりなる支持機構とを備え、支持機構による支持力
    はワークへのドリルの接触時に接触圧の反力を受けてス
    ピンドルモータが基準方向に平行移動する変位を許し、
    かつ変位に振動が生じない程度に設定されて成ることを
    特徴とする穴加工装置。
  17. 【請求項17】 ワークとの距離を小さくする向きに移
    動するハウジングと、ドリルと平行な回転軸を有しドリ
    ルを回転駆動するスピンドルモータと、ハウジングの移
    動方向である基準方向に対してスピンドルモータが傾斜
    可能となるように基準方向に直交する面内でスピンドル
    モータに吸引力を作用させるようにスピンドルモータの
    回転軸の周方向に離間して配設された3個以上の電磁石
    と、基準方向に対するスピンドルモータの回転軸の傾斜
    を検出する変位センサと、変位センサの出力に基づいて
    スピンドルモータを所定位置に保持するように電磁石に
    よるスピンドルモータの移動量をフィードバック制御す
    る制御手段とを備え、制御手段は、電磁石への通電電流
    の変化に基づいて基準方向に直交する面内でドリルに作
    用する外力の分力の変化を検出し、この分力が小さくな
    る向きに電磁石への通電電流を制御してスピンドルモー
    タの位置を調節することを特徴とする穴加工装置。
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