JP2781215B2 - 形彫り放電加工用電極 - Google Patents

形彫り放電加工用電極

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JP2781215B2
JP2781215B2 JP1202809A JP20280989A JP2781215B2 JP 2781215 B2 JP2781215 B2 JP 2781215B2 JP 1202809 A JP1202809 A JP 1202809A JP 20280989 A JP20280989 A JP 20280989A JP 2781215 B2 JP2781215 B2 JP 2781215B2
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啓 磯崎
豊 平島
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属や導電性セラミツクス等の導電性材料
の加工に使用される形彫り放電加工用電極に関するもの
である。
形彫り放電加工とは、工作物と工具となる電極とを絶
縁液中で対向させ、パルス状の電圧を印加して放電を発
生させ、そのエネルギーで工作物に電極形状を転写する
加工法のことである。
〔従来の技術〕
従来、形彫り放電加工用電極としては、特開昭58−22
3526号公報に示されるように、銅、タングステン、カー
ボン等が用いられてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これは、性能、経済性共に形彫り放電
加工用電極材料として優れたものであるが、大気中では
高温に曝らされて酸化され易いため耐久性に問題があつ
た。すなわち、正常な放電状態で工作物を加工すること
が困難となつたり精密加工をすることができなくなると
いう欠点があつた。
そこで、本発明者らは、電極の放電面に耐酸化性に優
れた導電性セラミツクスを使用すべく、数多くのセラミ
ツクス焼結体について種々検討を重ねた結果、炭化クロ
ム質セラミックス焼結体が卓越した性能を発揮すること
を見い出し、本発明を完成したものである。
〔課題を解決するための手段〕 すなわち、本発明は、電極の放電面を炭化クロム質セ
ラミックス焼結体で構成してなることを特徴とする形彫
り放電加工用電極である。
以下、さらに詳しく本発明について説明すると、本発
明の形彫り放電加工用電極は、その電極部分の少なくと
も放電面を炭化クロム質セラミックス焼結体で構成して
なるものであり、放電面以外の部分は、放電面と同種の
セラミツクス焼結体で構成してもよく、あるいは従来材
である銅、タングステン、カーボン等で構成してもよ
い。例えば、円柱形状の場合、外側の放電面を本発明に
係るセラミツクス焼結体で、内側を銅とした一体構造の
電極として構成することができる。この場合において、
本発明に係るセラミツクス焼結体と他の部材との接合手
段としては、機械的接合法である焼嵌法や接着法である
金属ソルダー法等が適用される。焼嵌法は、各材料の熱
膨張係数の差を利用したもので、一方を加熱あるいは冷
却し、クリアランスを設けて組み込んだ後、常温に戻し
た時に適切な応力を発生させて接合するものである。金
属ソルダー法は、接着材としてIn,Al,Ti−Ni,Ti−Cuあ
るいはCuやNiペースト等を用い加熱、加圧することによ
り接合するものである。
本発明に係る炭化クロム質セラミックス焼結体は、10
-5Ω・cm程度の比抵抗を有し電圧印加時の安定性に優れ
ている。しかも、温度は、放電加工中に局部的に高温に
なるが、それでも組織の安定性が大で酸化による損耗も
少なく、また、工作物と反応することもないので、従来
材や炭化クロム質以外のセラミックス焼結体に比べて格
段に電極材料として優れているものである。
本発明に係わるセラミック焼結体は、炭化クロム粉末
を成形し焼結することによって得ることができるが、炭
化クロムは粒成長が起こりやすいので、通常は打割で1
〜20重量%好ましくは5〜15重量%程度の焼結助剤を使
用する。その焼結助剤としては、AlN、SiC、TiC、ZrB2
等が使用され、さらにはサーメットのように金属粉末を
用いることができる。
上記出発原料粉末の好ましい平均粒子径は10μm以下
であり、それらの所定量を乾式法又は湿式法により混合
する。得られた混合粉末は所望形状に成形され焼結され
る。成形法としては、金型プレス成形、CIP成形、スリ
ツプ成形、射出成形などが採用される。大型又は複雑形
状で保形が困難なときには、ポリビニルアルコール、ワ
ツクス、パラフイン等のバインダーを添加して成形する
こともある。焼結法としては、温度1400〜2100℃で0.5
〜12時間程度の常圧焼結、圧力100〜300kg/cm2、温度14
00〜2100℃で0.5〜12時間程度のホツトプレス焼結、圧
力500〜2000kg/cm2、温度1400〜2100℃で0.5〜12時間程
度のHIP焼結などが採用される。焼成雰囲気としては真
空下又は還元雰囲気下である。
以上のようにして得られた本発明に係るセラミツクス
焼結体は、研削後、必要に応じてダイヤモンド砥粒等に
より研磨して所望形状に加工して電極とする。射出成形
によりニアネツト成形したものは研削加工は不要とな
る。本発明に係るセラミツクス焼結体を電極の放電面部
分として用い他の部分を別の材料で構成する場合は、前
記した方法により双方の部材を接合すればよい。
〔実施例〕
以下、実施例と比較例をあげてさらに具体的に説明す
る。
実施例1〜2 比較例1〜2 平均粒子径が2〜3μmである炭化クロム(Cr
3C2)、ホウ化ジルコニウム(ZrB2)、窒化アルミニウ
ム(AlN)及びケイ化モリブデン(MoSi2)を用いて、炭
化クロム質、ホウ化ジルコニウム質、炭化クロム(90)
−ホウ化ジルコニウム(10)質のセラミツクス焼結体を
それぞれ製造した。
Cr3C2質セラミツクス焼結体は、AlNを10重量%内割配
合し、ボールミル混合後、CIP成形(2.7ton/cm2、3分
間)し1,600℃×3時間真空中で焼成して製造した。ZrB
2質セラミツクス焼結体は、MoSi2を10重量%内割配合し
同様にCIP成形後1,900℃×3時間真空中で焼成して製造
した。
Cr3C2(90)−ZrB2(10)質セラミツクス焼結体は、C
r3C290重量%、ZrB2 10重量%の混合原料粉末を用い同
様にCIP成形後1,600℃×3時間真空中で焼成して製造し
た。
得られたセラミツクス焼結体を、5mmφ×30mmlの円柱
状に研削加工して電極とした。
以上の電極を市販の放電加工機(三菱電機社製「C6G3
0」)に組み込み、工作物として、SK3鋼板(20×20×10
mm)を用いそれに丸穴(5mmφ−3mml)の放電加工を行
つてその性能を評価した。比較例として、銅部材を用い
た。
加工条件は、電極/極性=マイナス、Ip(A)=5、
パルス幅τon(μS)=10.4、休止時間τoff(μS)
=2とし、評価項目は、加工時間、加工表面粗さ(Ra)
及び加工可能回数とした。なお、加工時間と加工表面粗
さは、加工回数が100回目のときに測定し、また、加工
可能回数は、工作物が割れたり、加工面が変質したり、
あるいは表面粗さが非常に大きくなるなどして良好な放
電をしなくなるまでの回数とした。
以上の結果を表−1に示す。
本発明の電極(実施例1〜2)は従来の銅電極(比較
例1)と比べ、加工性、加工面共に優れ、かつ耐久性に
優れていることが示された。なお、銅電極のかわりにタ
ングステン電極又はカーボン電極を用いたが、銅電極の
場合とほぼ変わりない加工性であつた。
〔発明の効果〕
本発明の形彫り放電加工用電極は、従来材である銅、
タングステン、カーボンに比べて、加工性、加工精度及
び耐久性のいずれにも優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23H 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極の放電面を炭化クロム質セラミックス
    焼結体で構成してなることを特徴とする形彫り放電加工
    用電極。
JP1202809A 1989-08-07 1989-08-07 形彫り放電加工用電極 Expired - Lifetime JP2781215B2 (ja)

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JPS58223526A (ja) * 1982-06-22 1983-12-26 Mitsubishi Electric Corp 放電加工装置
JPS6252182A (ja) * 1985-08-30 1987-03-06 株式会社小松製作所 放電電極用材料

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