JP2781156B2 - ケラチン物質のパーマネント形成の処理方法 - Google Patents

ケラチン物質のパーマネント形成の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にパーマネントウェ
ーブがかかった髪の形態で、ケラチン繊維のパーマネン
ト形成を得るための、髪等のケラチン物質を処理する新
規の方法に関するもので、この方法は、専門的なヘアー
サロン、ビューティーサロン、コスメティックサロン等
の分野で特に用いられる。
【0002】髪のパーマネント形成を得る最も一般的な
技術は、第一段階として、ケラチンの-S-S-ジスルフ
ィド(シスチン)結合を還元剤を含有する組成物を用い
て開裂し(還元段階)、好ましくはこのように処理され
た髪の頭部をすすいだ後に、第二段階として、最終的に
髪に所望の形を与えるために、酸化組成物を、(ローラ
ー等により)予め張力がかけられた髪に適用する(酸化
段階、または固定段階として知られる)ことにより、前
記ジスルフィド結合を再構成することからなることが知
られている。この技術により、同じ程度に、髪のウェー
ブを形成したり、ストレートにしたり、縮れを除去した
りすることができる。上述のような化学的処理によって
髪に新しい形を付与することは、顕著に長持ちするとと
もに、特に水やシャンプーで洗う作用に対して耐性があ
り、ヘアーセッティングのような一時的な形成の単純な
標準的技術に対比されるものである。
【0003】パーマネントウェーブ施術の第一段階を行
うために用いられる還元組成物は、還元剤として、一般
的に亜硫酸塩、重亜硫酸塩(bisulphites)もしくはチオ
ールを含有する。チオールの中では、シスチンおよびそ
の種々の誘導体、システアミンおよびその誘導体、チオ
乳酸、チオグリコール酸およびグリセリルモノチオグリ
コラート等のエステル、並びにチオグリセロールを挙げ
ることができる。
【0004】固定段階を行うのに必要とされる酸化組成
物に関しては、実際には、過酸化水素水溶液もしくはア
ルカリ金属の臭素酸塩を主成分とする組成物が用いられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】今日知られるパーマネ
ントウェーブ技術の問題点は、髪に繰り返し施すことに
より、つや等の髪質に経時的、段階的な損傷をきたすこ
とである。
【0006】他の問題点は、種々の理由から、例えば、
炭酸または二酸化炭素、アンモニウムまたはアルカリ金
属の炭酸塩もしくは重炭酸塩、第一級、第二級または第
三級アミンの炭酸塩もしくは重炭酸塩、あるいはグアニ
ジンの炭酸塩等の有機炭酸塩のような、特に炭酸塩を主
成分とする製品等の添加剤を添加することによって、チ
オールを主成分とする還元組成物のpHを緩和する必要
があることである。しかしながら、炭酸塩を主成分とす
る還元組成物を用いるパーマネント形成作業を繰り返し
行うことにより、特に、荒れがちな繊維の柔軟性、およ
び髪のもつれをほどくことが困難となることに関して、
経時的な髪の化粧品特性の段階的かつ顕著な損傷を引き
起こしてしまう。さらに、この損傷は、パーマネント形
成作業の固定段階が臭素酸塩を用いて行われる際に、特
に顕著である。
【0007】本発明の目的は、特に上記課題を解決する
ことである。
【0008】より詳しくは、本発明の目的は、ケラチン
物質のパーマネント形成に適切であり、かつパーマネン
トウェービング処理を繰り返すことによる繊維の退化を
制限もしくは防ぐことができる新規の処理方法を提供す
ることである。
【0009】また、本発明の目的は、特に臭素酸塩を用
いた固定段階と組み合わせて、炭酸塩を主成分とする還
元組成物を用いたパーマネント形成処理を施した際の、
繊維の柔軟性およびもつれをほどく容易性等の化粧品特
性を改良することができる上述の方法を提供することで
もある。
【0010】しかして、この事項について鋭意研究を行
った結果、出願人は、還元組成物を適用する前に、ある
酸性組成物を髪に適用することにより、特に炭酸塩を主
成分とする還元組成物等の還元組成物の、パーマネント
ウェービング作業を髪に繰り返し施すことに本来関する
種々の欠点を首尾良く克服することができるという知見
を得た。
【0011】この発見が、本発明の根幹をなす。
【0012】
【課題を解決するための手段】出願人は、現在、還元組
成物を適用する前に、髪に酸性組成物を適用することに
よって上記目的を首尾良く達成できるという知見を得
た。この発見が、本発明の基盤をなしている。
【0013】しかして、本発明は、パーマネントの手法
によって髪等のケラチン物質を形成および/またはセッ
トするに適切な新規の処理方法をここに提供するもので
あり、この方法は、以下の段階を含むことに特徴を有す
る。 (i)少なくとも一つのカルボン酸および/または少な
くとも一つのそれに関連する塩を含有するいわゆる“酸
性組成物”を、処理されるケラチン物質に適用する。前
記組成物のpHは、2.5〜7の間とされる。 (ii)このようにして得られたケラチン物質をすすぐ。 (iii)少なくとも一つのチオールを含有する還元組成
物を、処理されたケラチン物質に適用し、前記還元組成
物の適用の際またはその前後、もしくは前記酸性組成物
の適用の前に、ケラチン物質に機械的張力をかけるのに
必要な手段を実施する。 (iv)処理されたケラチン物質をすすぐ。 (v)酸化組成物を、すすがれたケラチン物質に適用す
る。 (vi)最後に、処理されたケラチン物質を再びすすぎ、
段階(vi)のすすぎ作業の直前もしくは直後で、段階
(iii)で張力をかけた手段からケラチン物質を分離さ
せる。
【0014】本発明の他の特徴、態様および利点につい
ては、以下の詳細な説明で明確にする。また、本発明を
例証するための種々の実施例を示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0015】以下の説明は、特に髪の処理の場合を基本
的に中心としたものであるが、本発明に係る方法は、一
般的に睫毛、口髭、体毛、ウール等のあらゆるケラチン
物質に適用することができると言える。
【0016】カルボン酸という用語は、特に単なるカル
ボン酸類、ポリカルボン酸類および(ポリ)ヒドロキシ
(ポリ)カルボン酸類の、当然ながら単独または混合物
であるものを意味すると解される。
【0017】本発明に係る組成物中に用いられるカルボ
ン酸として、乳酸、酒石酸、酢酸、グリコール酸および
クエン酸を挙げることができる。
【0018】本発明の方法の特に好ましい実施態様で
は、用いられる酸は、クエン酸とされる。
【0019】上述のように、本発明で用いられるカルボ
ン酸は、酸性組成物中に、部分的もしくは全体的に、そ
の酸に関連する塩類の一つの形態で存在してもよく、こ
の存在およびその量は、前記組成物に与えられた最終p
Hに依存することに注意すべきである。
【0020】前記酸性組成物のpHは、好ましくは4〜
5.5の間とされ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア水溶液および第一級、第二級もしくは第
三級(ポリ)アミン類から単独または混合物として選択
された塩基を用いて調整することができる。
【0021】(ポリ)アミン類は、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソ
プロパノールアミンおよび1,3-プロパンジアミンか
ら、あるいは以下の式に対応するポリアミン類
【化2】 (式中、Rは、必要に応じてヒドロキシル基もしくはC
1−C4アルキル基で置換されたプロピレン基であり、R
1、R2、R3およびR4は、同時にまたは互いに独立し
て、水素原子またはC1−C4アルキルもしくはヒドロキ
シアルキル基を示す)から単独または混合物として選択
することができる。
【0022】アンモニア水溶液を用いることが好まし
い。
【0023】前記酸性組成物の適用後、および必要に応
じて放置した後に、ケラチン物質をすすぎ、還元組成物
を適用する。
【0024】カルボン酸および/またはその塩類の濃度
は、一般的に0.15〜3N、好ましくは0.3〜1.
5Nとされる。
【0025】酸性組成物は、濃いか否かに関わらずロー
ションの形態、クリーム、ゲル、シャンプー、コンディ
ショナーもしくは他の適切なあらゆる形態をとることが
できる。髪用のものとして、特に知られている化粧品ア
ジュバントを含有することもできる。
【0026】本発明に係る方法の第一段階(段階
(i))では、好ましくは予め湿らせた処理される髪に
酸性組成物を適用する。この適用は、最終的な所望の髪
形に対応する形(例えばカール)に髪に張力をかける通
常の段階の後に行うことができ、この段階は、例えばロ
ーラーおよびカーラー等の髪に張力をかけ続けることの
できる適切かつそれ自身知られた機械的手段等のあらゆ
る手段を用いて行うことができる。
【0027】酸性組成物が適用された髪を、30秒〜3
0分の間、好ましくは30秒〜10分の間放置すること
が好ましい。
【0028】次いで、酸性組成物をしみ込ませた髪をす
すぐ。すすぎ作業は、一般的に水で行う。
【0029】本発明に係る方法の第三の必須の段階で、
還元組成物を髪に適用する。この還元組成物は、少なく
とも一つのチオールを含有する。
【0030】還元剤のチオールは、還元剤として知られ
るチオール類 例えば、チオグリコール酸、グリセリルモノチオグリコ
ラートまたはグリコールモノチオグリコラート、システ
アミンおよびN-アセチルシステアミンまたはN-プロピ
オニルシステアミン等のシステアミンのC1−C4アシル
誘導体、シスチン、N-アセチルシスチン、N-(2-メ
ルカプトエチル)グルコナミド(gluconamide)等の糖N-
メルカプトアルキルアミド、2-メルカプトプロピオン
酸およびその誘導体、チオ乳酸およびグリセリルモノチ
オラクタート等のチオ乳酸のエステル、チオリンゴ酸、
パンテチン、チオグリセロール、アルカリ金属もしくは
アルカリ土類金属の亜硫酸塩または重亜硫酸塩、欧州特
許公開第354835号公報に記載されたN-(メルカ
プトアルキル)-ω-ヒドロキシアルキルアミドおよび欧
州特許公開第368763号公報に記載されたN-モノ-
もしくはN,N-ジアルキルメルカプト-4-ブチルアミ
ド、欧州特許公開第432000号公報に記載されたア
ミノメルカプトアルキルアミド、欧州特許公開第465
342号公報に記載されたN-(メルカプトアルキル)
スクシナミック(succinamiques)酸誘導体もしくはN-
(メルカプトアルキル)スクシンイミド誘導体、欧州特
許公開第514282号公報に記載されたアミノアルキ
ルメルカプトアルキルアミド、および仏国特許公開第2
679448号公報に記載された2-ヒドロキシプロピ
ルチオグリコラートと2-ヒドロキシ-1-メチルエチル
チオグリコラートの混合物から選択される。
【0031】チオグリコール酸、チオ乳酸および2-メ
ルカプトプロピオン酸を用いることが好ましい。
【0032】上述の還元剤は、通常、還元組成物の全重
量に対して1〜20重量%の濃度で存在する。
【0033】還元組成物のpHは、一般に7〜9.5の
間、好ましくは7.5〜9の間とされる。
【0034】還元組成物のpHは、例えばアンモニア水
溶液、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、イソプロパノールアミン、1,3-
プロパンジアミン、炭酸または二酸化炭素、アンモニウ
ムまたはアルカリ金属の炭酸塩もしくは重炭酸塩、第一
級、第二級または第三級アミンの炭酸塩もしくは重炭酸
塩、またはグアニジンの炭酸塩等の有機炭酸塩等の塩基
性化剤を添加することによって慣例的に調整することが
でき、これら全ての化合物は、当然ながら単独または混
合物の形態をとることができる。上述したように、本発
明に係る方法の優れた利点の一つは、炭酸塩を主成分と
する還元組成物の場合に完全に適合していることであ
る。還元組成物中の炭酸イオンCO3 2-の濃度は、一般
的に0.1〜1.6Mであるとされる。
【0035】還元組成物は、濃いか否かに関わらずロー
ションの形態、クリーム、ゲルまたは他の適切な形態を
とり、髪のパーマネント形成用の還元剤に用いることが
知られている添加剤を含有することができる。
【0036】還元組成物は発熱型のものでもよく、この
ことはすなわち髪に適用する間にいくらか加熱を生じさ
せ、パーマネントウェーブまたは髪のストレート化が行
われる人に快適感を与える。
【0037】また、還元組成物は、例えばエタノール、
プロパノールまたはイソプロパノール、あるいはグリセ
ロールを、組成物の全重量に対して最高で20%の濃度
で含有することができる。
【0038】組成物がストレート化または髪から縮れを
除去する作業を意図したものである場合には、還元組成
物は、できるだけ髪に付着するように濃いクリームの形
態をとることが好ましい。これらのクリームは、例えば
グリセリルステアラート、グリコールステアラート、自
己乳化ろう、脂肪アルコール等を含有する“重い”エマ
ルションの形態で調製される。
【0039】髪に付着し、組成物にさらす間髪を滑らか
な状態に保つ、カルボキシビニルポリマーまたはコーポ
リマー等の増粘剤を含有する液体またはゲルを用いるこ
ともできる。
【0040】最後に、組成物が、いわゆる“自己中和”
もしくは“自己制御”形態であってもよく、この場合、
本発明に使用される還元剤は、自己中和パーマネントウ
ェービング用の還元組成物に用いることが知られている
少なくとも一つのジスルフィドと組み合わされる。
【0041】このような既知のジスルフィドの中では、
特にジチオグリコール酸、ジチオグリセロール、シスタ
ミン、N,N'-ジアセチルシスタミン、シスチン、パン
テチン、欧州特許公開第354835号公報に記載のN
-(メルカプトアルキル)-ω-ヒドロキシアルキルアミ
ドジスルフィド、欧州特許公開第368763号公報に
記載のN-モノ-もしくはN,N-ジアルキルメルカプト-
4-ブチルアミドジスルフィド、欧州特許公開第432
000号公報に記載されたアミノメルカプトアルキルア
ミドジスルフィド、欧州特許公開第465342号公報
に記載されたN-(メルカプトアルキル)スクシナミッ
ク(succinamiques)酸誘導体もしくはN-(メルカプトア
ルキル)スクシンイミド誘導体、欧州特許公開第514
282号公報に記載されたアルキルアミノメルカプトア
ルキルアミドジスルフィドを挙げることができる。上記
のジスルフィドは、還元剤に対して一般的に0.5〜
2.5、好ましくは1〜2のモル比で存在する(米国特
許3768490号参照)。
【0042】この方法の第三段階(段階(iii))で、
上述の還元剤を含有する組成物を、予め酸性組成物で処
理された髪に適用する。この適用は、髪に張力をかける
通常の段階の際または前後に行うことができる。
【0043】以下のすすぎの段階を行う前に、還元組成
物が適用された髪は、通常の方法で、還元剤が髪に適切
に作用するための適当な時間放置するために、数分間、
一般的には2〜40分、好ましくは5〜30分間放置す
べきである。この待ち段階は、通常、処理された髪を外
気(室温)にさらすように放置して行う。この待ち段階
の間、次の段階が行われるまで髪が完全に乾燥すること
なく、かつ湿気を保持するように注意する(このため
に、例えばボンネットもしくは保護ゲルを用いることが
できる。)。
【0044】この方法の第四段階(段階(iv))で、還
元組成物がしみこんだ髪を、一般的には水を用いて徹底
的にすすぐ。
【0045】次いで、第五段階(段階(v))で、髪に
付与された新規の形状を固定するために、すすぎの済ん
だ髪に酸化組成物を適用する。
【0046】酸化組成物は、過酸化水素水溶液、アルカ
リ金属の臭素酸塩、過塩(persalt)もしくはポリチオナ
ートから選択することのできる酸化剤を含有する。上述
したように、本発明に係る方法の優れた利点の一つは、
臭素酸塩を含有する酸化組成物の場合に完全に適合する
ことである。酸化組成物における臭素酸塩の濃度は、一
般に0.1〜2Mとされる。
【0047】酸化組成物のpHは、一般的に2〜10の
間とされる。
【0048】酸化組成物は、この種の組成物に良く知ら
れた化粧品添加剤を含有しても良い。
【0049】還元組成物の適用の場合のように、酸化組
成物が適用された髪は、通常の方法で、数分間、一般的
には3〜30分間、好ましくは5〜15分間、待ち段階
で放置する。
【0050】本発明に使用される組成物(酸性組成物、
還元組成物および酸化組成物)のビヒクルは、水もしく
はエタノール、イソプロパノールまたはブタノール等の
低級アルコールの水性−アルコール性溶液が好ましい。
【0051】最後に、本発明に係る方法の最終段階(段
階(vi))で、酸化組成物が浸透した髪を、通常は水で
徹底的にすすぐ。このすすぎ作業の直前もしくは直後
に、段階(iii)で張力をかけた手段からケラチン物質
を分離させる。
【0052】最終的に、良好な化粧品特性を有する髪の
頭部が得られる。すなわち、髪はより光沢があり、柔軟
性があり、かつより容易にもつれをほどくことができ
る。
【0053】本発明を例証する具体例を以下に記す。
【0054】
【実施例】実施例1 8gの日本人の髪を含有する束を用いた。これを敏感に
するために、2%の純粋なアンモニアを含有する同じ重
量のアルカリ性ローションが添加された20体積の過酸
化水素水溶液を含有する組成物を用いて脱色した。組成
物を放置し、30分間作用させた。以下の試験に用いら
れる脱色された束が得られた。
【0055】4種のパーマネントウェービング方法を行
った。すなわち3つの方法(No.1、2および3)
は、方法の種々の段階で酸性ローションを適用し、一つ
の方法(No.4)は酸性ローションを加えなかった。
【0056】これらの方法に以下の組成物を用いた。酸性ローションNo.1 : − クエン酸 10g − 20%アンモニア水溶液 pH4.5とする量 − オレオセチルジメチル-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド 0.4g 活性物質(AM) − 脱イオン水 全体を100gとする量還元組成物No.1 : − チオグリコール酸 8g − 炭酸アンモニウム 6g − 20%のアンモニア水溶液 pH8.1とする量 − 脱イオン水 全体を100gとする量酸化組成物No.1 : − 臭素酸ナトリウム 7g − リン酸 pH8とする量 − 脱イオン水 全体を100gとする量
【0057】以下のパーマネントウェービング方法を行
った。方法No.1 (本発明):酸性ローションNo.1を濡
れた髪の束に適用して、5分間さらし、髪をすすいだ。
このように処理された髪の束を直径9mmのローラーに
巻き付け、還元組成物No.1を巻き付けられた髪に適
用し、放置して15分間作用させた後にすすいだ。次い
で酸化組成物No.1を適用し、放置して15分間作用
させてからすすいだ。最後に、髪をローラーからはず
し、乾燥させた。方法No.2 (比較例) 酸性ローションNo.1の適用が、還元組成物No.1
の適用の後に行う点のみが異なる、方法No.1と類似
した方法を行った。方法No.3 (比較例) 酸性ローションNo.1の適用が、酸化組成物No.1
の適用の後に行う点のみが異なる、方法No.1と類似
した方法を行った。方法No.4 (比較例) 酸性ローションを適用しない点以外は、方法No.1と
類似した方法を行った。
【0058】種々の方法で処理された髪の束の柔軟性お
よびもつれのほどきやすさを、12人の判定員が評価し
た。
【0059】柔軟性を、0〜5までの等級に分けた。 0 非常に荒れた髪 1 荒れた髪 2 やや荒れた髪 3 やや柔軟性のある髪 4 柔軟性のある髪 5 非常に柔軟性のある髪
【0060】もつれのほどきやすさを、0〜5までの等
級に分けた。 0 不可(くしが通らない) 1 非常に困難(8gの髪のもつれをほどくのに約20
回くしを通す必要がある) 2 困難(8gの髪のもつれをほどくのに約10回くし
を通す必要がある) 3 やや容易(8gの髪のもつれをほどくのに4〜5回
くしを通す必要がある) 4 容易(1回くしを通す必要がある) 5 非常に容易(1回目のくし通しから、髪が互いにか
らみ合わない)
【0061】得られた等級の平均は、以下の通りであ
る。
【表1】
【0062】酸性ローションを還元段階の前に適用する
ことにより、最高の柔軟性およびもつれのほどきやすさ
が得られることが分かった。
【0063】実施例2 実施例1の方法No.1で処理された髪を6回シャンプ
ー(洗浄、すすぎ、乾燥)し、実施例1の方法No.1
による処理を再度行った。
【0064】同様に、実施例1の方法No.2で処理さ
れた髪を6回シャンプー(洗浄、すすぎ、乾燥)し、実
施例1の処理方法No.2を再度行った。
【0065】実施例1のように、処理された髪の柔軟性
およびもつれのほどきやすさを評価し、以下の結果をえ
た。
【表2】
【0066】柔軟性ともつれのほどきやすさの等級づけ
から、本発明によって処理された髪の方が優れているこ
とが分かった。
【0067】実施例3:酸性ローションのpHの比較 方法No.1を二つの異なる酸性ローションを用いて行
った。酸性ローションNo.1(方法No.1)および
以下の特徴を有する酸性ローションNo.2(方法N
o.1')を用いた。
【0068】酸性ローションNo.2 : − クエン酸 10g − 20%アンモニア水溶液 pH9とする量 − オレオセチルジメチル-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド 0.4g 活性物質(AM) − 脱イオン水 全体を100gとする量
【0069】方法No.1およびNo.1'を、3人の
日本人女性の髪に対して行った。方法No.1を左側、
方法No.1'を右側に適用した。
【0070】実施例1のように、処理された髪の柔軟性
を湿った状態で評価した。また乾燥後の髪の柔軟性とつ
やも評価した。以下の結果が得られた。
【表3】
【0071】本発明に係る酸性ローション(pH4.
5)を用いて処理した髪が、異なるpH(pH9)を有
する酸性ローション(No.1')で処理された髪と較
べて優れた柔軟性とつやとを有することがわかった。
【0072】実施例4 8gのヨーロッパ人の髪を含む束を使用した。これらを
敏感にするために、2%の純粋なアンモニアを含有する
アルカリ性ローションが、同じ重量で添加された20容
量の過酸化水素水溶液を含有する組成物を二度使用して
脱色した。この組成物を作用させるために30分間放置
した。脱色した束を得、以下の製品例のために用いた。
【0073】以下の特徴を有する酸化組成物を用いるこ
と以外は、方法No.1を行った。 酸化組成物No.2 : − 過酸化水素水溶液 8容量 − リン酸 pH3とする量 − 脱イオン水 全体を100gとする量
【0074】乾燥する前の髪は柔軟で容易にもつれをほ
どくことができることが分かった。乾燥させると髪は柔
軟でかつ光沢があった。

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケラチン物質のパーマネント形成の処理
    方法において、(i)少なくとも一つのカルボン酸およ
    び/または少なくとも一つのその塩類を含有し、pHが
    2.5〜7の間とされた組成物(酸性組成物)をケラチ
    ン物質に適用する段階、(ii)処理されたケラチン物質
    をすすぐ段階、(iii)組成物の上記適用の際または前
    後、もしくは酸性組成物の上記適用の前にケラチン物質
    に機械的張力をかけるのに必要とされる手段を行い、少
    なくとも一つのチオールを含有する還元組成物を前記ケ
    ラチン物質に適用する段階、(iv)処理されたケラチン
    物質をすすぐ段階、(v)酸化組成物を前記ケラチン物
    質に適用する段階、かつ(vi)最後に、処理されたケラ
    チン物質を再びすすぐ段階とからなり、段階(vi)のす
    すぎ作業の直前もしくは直後で、段階(iii)で張力を
    かけた手段からケラチン物質を分離させることを特徴と
    する処理方法。
  2. 【請求項2】 段階(i)で適用される組成物の酸が、
    単なるカルボン酸、ポリカルボン酸および(ポリ)ヒド
    ロキシ(ポリ)カルボン酸からなる群から単独または混
    合物の形態で選択されることを特徴とする請求項1記載
    の処理方法。
  3. 【請求項3】 カルボン酸が、乳酸、酒石酸、酢酸、グ
    リコール酸およびクエン酸からなる群から単独または混
    合物の形態で選択されることを特徴とする請求項2記載
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 カルボン酸が、クエン酸であることを特
    徴とする請求項3記載の処理方法。
  5. 【請求項5】 酸性組成物のpHが、水酸化ナトリウ
    ム、水酸化カリウム、アンモニア水溶液および第一級、
    第二級もしくは第三級(ポリ)アミン類からなる群から
    単独または混合物の形態で選択された塩基を用いて調整
    されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1
    項に記載の処理方法。
  6. 【請求項6】 ポリアミン類が、以下の式 【化1】 (式中、Rは、ヒドロキシル基もしくはC1−C4アルキ
    ル基で任意に置換されたプロピレン基であり、R1
    2、R3およびR4は、同時にまたは互いに独立して、
    水素原子またはC1−C4アルキルもしくはヒドロキシア
    ルキル基を示す)に対応することを特徴とする請求項5
    記載の処理方法。
  7. 【請求項7】 (ポリ)アミン類が、モノエタノールア
    ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イ
    ソプロパノールアミンおよび1,3-プロパンジアミンか
    らなる群から単独または混合物の形態で選択されること
    を特徴とする請求項5および6のいずれか1項に記載の
    処理方法。
  8. 【請求項8】 塩基が、アンモニア水溶液であることを
    特徴とする請求項5記載の処理方法。
  9. 【請求項9】 カルボン酸および/またはその塩類の濃
    度が、0.15N〜3Nの間であることを特徴とする請
    求項1ないし8のいずれか1項に記載の処理方法。
  10. 【請求項10】 カルボン酸および/またはその塩類の
    濃度が、0.3N〜1.5Nの間であることを特徴とす
    る請求項9記載の処理方法。
  11. 【請求項11】 酸性組成物のpHが、4〜5.5の間
    であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか
    1項に記載の処理方法。
  12. 【請求項12】 すすぎ作業(段階(ii))を行う前
    に、段階(i)を経たケラチン物質を放置することを特
    徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の処
    理方法。
  13. 【請求項13】 放置段階が、30秒〜30分の間とさ
    れたことを特徴とする請求項12記載の処理方法。
  14. 【請求項14】 放置段階が、30秒〜10分の間とさ
    れたことを特徴とする請求項13記載の処理方法。
  15. 【請求項15】 還元組成物のチオールが、チオグリコ
    ール酸、チオ乳酸および2-メルカプトプロピオン酸か
    らなる群から選択されたことを特徴とする請求項1ない
    し14のいずれか1項に記載の処理方法。
  16. 【請求項16】 チオールが、還元組成物の全重量に対
    して1〜20重量%の間の濃度で存在することを特徴と
    する請求項1ないし15のいずれか1項に記載の処理方
    法。
  17. 【請求項17】 還元組成物のpHが7〜9.5の間で
    あることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1
    項に記載の処理方法。
  18. 【請求項18】 還元組成物のpHが7.5〜8.6の
    間であることを特徴とする請求項17記載の処理方法。
  19. 【請求項19】 還元組成物が、炭酸塩を主成分とする
    還元組成物であることを特徴とする請求項1ないし18
    のいずれか1項に記載の処理方法。
  20. 【請求項20】 還元組成物が、炭酸または二酸化炭
    素、アンモニウムまたはアルカリ金属の炭酸塩類もしく
    は重炭酸塩類、第一級、第二級または第三級アミンの炭
    酸塩類もしくは重炭酸塩類、および炭酸グアニジン等の
    有機炭酸塩類からなる群から選択された添加剤を用いて
    炭酸塩とされたことを特徴とする請求項19記載の処理
    方法。
  21. 【請求項21】 還元組成物中の炭酸イオンCO3 2-
    濃度が、0.1〜1.6Mの間とされたことを特徴とす
    る請求項19または20に記載の処理方法。
  22. 【請求項22】 還元組成物が自己中和型であって、少
    なくとも一つのジスルフィドをさらに含有することを特
    徴とする請求項1ないし21のいずれか1項に記載の処
    理方法。
  23. 【請求項23】 酸化組成物が、過酸化水素水溶液、ア
    ルカリ金属の臭素酸塩、過酸およびポリチオナートから
    なる群から選択される酸化剤を含有することを特徴とす
    る請求項1ないし22のいずれか1項に記載の処理方
    法。
  24. 【請求項24】 酸化剤が、アルカリ金属の臭素酸塩で
    あることを特徴とする請求項23記載の処理方法。
  25. 【請求項25】 ケラチン物質が、髪からなることを特
    徴とする請求項1ないし24のいずれか1項に記載の処
    理方法。
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