JP3453559B2 - 損傷毛髪用の一浴式パーマネントウエーブ形成剤 - Google Patents

損傷毛髪用の一浴式パーマネントウエーブ形成剤

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一剤で毛髪を変形
することのできる損傷毛髪用の一浴式パーマネント剤に
関するものである。本発明の一浴式パーマネント剤を用
いれば、「還元と酸化」という二工程からなる従来のパ
ーマネントウエーブ形成工程を一工程に簡略化すること
ができること;しかも、パーマネントウエーブの形成力
は非常に高いにもかかわらず、高度の毛髪強度を維持し
たまま張りや弾性も付与されて、毛髪への損傷は何ら認
められず、パーマネント剤として極めて有用である。 【0002】 【従来の技術】毛髪にパーマネントウエーブをかける為
には、まず、チオグリコール酸等の還元剤を主成分とす
る第一剤により毛髪ケラチンのシスチン結合を2個のシ
ステイン残基に切断する「還元工程」と、次いで、臭素
酸塩等の酸化剤を主成分とする第二剤により再びシスチ
ン結合に戻す「酸化工程」を経由する方法が一般的であ
る。ところがこの方法によれば、毛髪は強アルカリ下、
高温加熱、還元・酸化といった苛酷な環境に晒される
為、毛髪の強度が低下しダメージが著しいという問題が
あった。 【0003】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的は、一の処理剤により毛髪を変形する
ことができる損傷毛髪用の一浴式パーマネント剤であっ
て、しかも、そのパーマネントウエーブのウエーブ形成
力は非常に高いにもかかわらず、毛髪への損傷は何ら認
められず、張りや弾性のある極めて理想的なウエーブを
形成することのできる損傷毛髪用の一浴式パーマネント
剤を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明に係る損傷毛髪用の一浴式パーマネント剤は、平均
分子量5,000〜50,000の加水分解ケラチンを
含有するところに要旨を有するものである。 【0005】尚、本発明における「パーマネント剤」と
は、パーマネントウエーブ形成作用は勿論のこと、縮毛
を伸ばす作用(ウエーブをとる作用)も包含するもので
ある。以下の説明では便宜上、本発明のパーマネント剤
を、パーマネントウエーブ形成剤として使用する態様に
ついて代表的に取上げて説明するが、これに限定する趣
旨では決してない。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明者らは、従来の如く還元剤
・酸化剤を用いる二浴式パーマネントウエーブ形成方法
では毛髪へのダメージが大きく、処理工程も繁雑で長時
間要する等の不利不便があるという実情に鑑み、毛髪へ
のダメージも認められず強度や張り、弾性等も付与さ
れ、しかもウエーブ形成力にも優れた一浴式パーマネン
ト剤を提供すべく鋭意検討した。その結果、平均分子量
5,000〜50,000の加水分解ケラチンを含有す
るパーマネント剤で処理すれば、所期の目的を達成し得
ることを見出し、本発明を完成した。 【0007】この様に本発明の損傷毛髪用パーマネント
剤は、特定の平均分子量(具体的には平均分子量5,0
00〜50,000)の加水分解ケラチンを用いたとこ
ろに特徴を有するものである。 【0008】尚、従来においても、加水分解ケラチンに
着目したパーマネント剤は開示されているが、以下の点
で本発明とは相違するものである。 【0009】例えば特開昭61−7211には、ケラチ
ン蛋白質の加水分解物を含有する加温式毛髪変形用処理
剤が開示されている。上記公報は、「従来のパーマネン
トウエーブ剤に使用される還元性物質を用いず、加温す
るのみで毛髪に半永久的な変形を施すことのできるパー
マネント剤の提供」を目的とするものである点で、本発
明と目的は一致する。しかしながら、上記公報によれば
所期の目的を達成する為に、特開昭57−85308に
記載の方法により製造されたケラチン加水分解物を用い
ており、当該ケラチン加水分解物として、平均分子量2
00以上5000以下のものを使用している点で、平均
分子量が5,000超と上記公報に比べて極めて大きな
加水分解物を使用する本発明とは、使用するケラチン加
水分解物の種類が相違するものである。実際のところ、
上記特開昭57−85308によれば、「ケラチン分解
物の毛髪に対する吸着性はその分子量によって決まり、
分子量1000程度のものが最も吸着しやすく、分子量
5000を超えたものはほとんど吸着しない」という理
由により、分子量5000を超える加水分解ケラチンの
使用を積極的に排除している。 【0010】また、特開平11−139941には、パ
ーマネントウエーブ処理等によって損傷を受けた毛髪の
修復、毛髪への張りや弾力付与等を目指した毛髪処理剤
組成物が開示されている。上記公報では本発明と同様、
平均分子量が10,000以上の加水分解ケラチンを使
用しているが、パーマネントウエーブ処理への適用とし
ては、「パーマネントウエーブ処理前及び/又は処理中
及び/又は処理後に使用する」ことにより毛髪への損傷
が少なくなる等の認識しかなく、従来の「還元・酸化」
という二浴式パーマネントウエーブ形成方法を踏襲する
ものに過ぎない。即ち、上記公報により開示された毛髪
処理剤組成物は、あくまでも「損傷毛髪の修復、パーマ
ネントウエーブ処理における毛髪損傷防止、軟毛に対す
る張り・コシ感の付与」を目指すものであるに過ぎず、
本発明の如く、特定の平均分子量を有する加水分解ケラ
チンが,損傷毛髪用の一浴式パーマネント剤として有用
であることまでは開示も示唆もされていない。 【0011】この様に従来においても、加水分解ケラチ
ンを用いた毛髪処理剤は開示されているものの、いずれ
も本発明で特定する範囲の平均分子量を有するものでは
ない点、及び本発明とは目的が相違し、本発明の如く損
傷毛髪用の一浴式パーマネント剤の提供を目指すもので
はない点で、本発明とは明らかに相違するものであると
言える。 【0012】以下、本発明に係る損傷毛髪用の一浴式パ
ーマネント剤を構成する成分について説明する。 【0013】まず、使用する加水分解ケラチンは平均分
子量5,000〜50,000のものを使用することが
必要である。本発明において、所望の一浴式パーマネン
ト剤を得る為には、特に平均分子量の制御は重要であ
る。平均分子量が5,000以下では所望の変形効果が
得られないからである。好ましくは10,000以上、
より好ましくは15,000以上、更により好ましくは
20,000以上、より更に好ましくは25,000以
上、最も好ましくは30,000以上である。但し、平
均分子量があまり大きなもの(例えば50,000以
上)はもはや「加水分解ケラチン」とはいえず、天然の
ケラチン蛋白質に近いものとなり、所望の毛髪変形効果
が得られなくなる。 【0014】更に本発明では、加水分解ケラチンを使用
することが必要である。ケラチンは毛髪の構成蛋白質で
あり、親水性・疎水性のバランスにも優れる等の理由に
より従来でも当該加水分解ケラチンを毛髪処理剤に適用
した例はある。しかしながら、本発明の如く、当該加水
分解ケラチンのうち特定の平均分子量を有する加水分解
ケラチンが、毛髪に何ら損傷を与えることなく,損傷毛
髪用の一浴式パーマネント剤として有用であることまで
は従来では全く開示されておらず、当該加水分解ケラチ
ンの新たな用途を開拓した点に本発明の技術的意義が存
在するものである。 【0013】上述した通り、本発明の最重要ポイント
は、特定の平均分子量を有する加水分解ケラチンを用い
たところにあり、使用する加水分解ケラチンの種類は、
平均分子量の特定を除き、特に限定するものではない。
例えば厚生省の化粧品種別配合成分規格に収載されてい
る「加水分解ケラチン末」や「加水分解ケラチン液」を
用いても良いし、或いは、市販の精製高分子量α−ケラ
トース(結晶性ケラチン)やγ−ケラトース(非結晶性
ケラチン)を用いても良い(例えば一丸ファルコス社製
天然高分子保湿剤PROTICUTE Uα、PROT
ICUTE Hγ等)。 【0016】本発明によれば、上記加水分解ケラチンを
使用することにより一剤のみで、損傷毛髪に対し、優れ
たウエーブ形成効果が得られるのみならず、毛髪強度も
低下せず張りや弾力のある毛髪が得られる点で極めて有
用であるが、更なる特性の向上を目指して、上記加水分
解ケラチンとアルカリを併用することが推奨される。使
用するアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウム、炭酸アンモニウム、アンモニア、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、アミノヒドロキシメチルプロパンジオール、2−ア
ミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2
−メチル−1,3−プロパンジオール、塩基性アミン等
が挙げられる。アルカリの併用により上記特性が更に向
上する理由は詳細には不明であるが、アルカリの添加に
より毛髪が膨潤してタンパク質の浸透性が向上すること
等が考えられる。 【0017】更に、本発明に係る損傷毛髪用の一浴式パ
ーマネント剤には、その他、パーマネント剤に通常用い
られる成分を本発明の作用を損なわない範囲で適宜選択
して使用することができる。例えば尿素等の膨潤剤;安
定化剤としてエデト酸塩等のキレート剤;上記加水分解
ケラチンの浸透・乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム
等のアニオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤[ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル等のポリオキシエチレ
ン型;モノ(およびジ)グリセリド、ソルビタン高級脂
肪酸エステル、ショ糖高級脂肪酸エステル等の多価アル
コールエステル型;エチレンオキシド・プロピレンオキ
シドブロック共重合体等];柔軟剤・帯電防止剤・殺菌
剤としてカチオン性界面活性剤(塩化アルキルトリメチ
ルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウ
ム、塩化ベンザルコニウム等);1,3−ブチレングリ
コール等の界面活性剤原料;油剤着色剤;香料;還元剤
(アセチルシステイン、システイン等)等を使用するこ
とができる。 【0018】尚、本発明のパーマネント剤に占める加水
分解ケラチンの重量比率は、用いられる他の成分の種類
や量、用途等によっても変化し得るが、概ね、0.1〜
20%(好ましくは0.5〜10%)の範囲に制御する
ことが推奨される。0.1%未満では、所望の効果が得
られず、一方、20%を超えて添加しても効果は飽和し
てしまうからである。 【0019】また、上記加水分解ケラチンと共に使用す
ることが推奨されるアルカリのpHに関しては、概ね、
pH4.0〜10.0(好ましくはpH7.0〜9.
6)の範囲のものを使用することが推奨される。 【0020】本発明のパーマネント剤は、クリーム、ロ
ーション、ジェル等の剤型に調製することができる。 【0021】次に、本発明のパーマネント剤を用い、ウ
エーブを形成する方法について説明する。前述した通
り、本発明のパーマネント剤は一剤で、損傷毛髪を変形
することができるので、損傷毛髪用の一浴式パーマネン
ト剤として使用可能である。従って、従来の如く還元剤
を主成分とする第1剤で処理した後、酸化剤を主成分と
する第2剤で処理する、といった二浴式パーマネントウ
エーブ形成方法を用いた場合に見られた問題点(毛髪の
ダメージが大きい、工程が繁雑・長時間を要する等)を
解消することができる点で極めて有用である。 【0022】具体的には、まず、毛髪に本発明のパーマ
ネント剤を施す。その後、ロッド、カーラー、ハンディ
ータイプのセット器具等に巻き付け、室温または60℃
以下で、5〜30分程度放置すれば所望のウエーブが得
られる。尚、放置後、ドライヤー等により乾燥させれば
ウエーブ形成力が一層向上する。また、緩やかなウエー
ブを希望する場合には、毛髪に直接本発明のパーマネン
ト剤を施した後、ドライヤー、ブラシ等によりブロー仕
上げすれば希望通りのウエーブが得られる。乾燥工程で
は、室温でしばらく放置するか、200℃以下に加温す
ることが推奨される。加温する温度範囲及び時間は、毛
髪の損傷程度や使用するパーマネント剤のpH等によっ
て変化し、パーマやヘアダイ、ブリーチ等を行っていな
い健常毛髪を用いる場合には高温下で処理する方が有効
である等、種々の要因によって変化し得るものである
が、加熱による毛髪の損傷等を考慮すると、加熱温度を
概ね40〜180℃、特に40〜160℃の範囲に制御
することが推奨される。同様の理由により、加熱時間は
30分以下、特に3〜10分の間に制御することが推奨
される。 【0023】また、本発明のパーマネント剤を用い、縮
毛を伸ばす場合には、本発明剤を施し、室温または60
℃以下で5〜15分程度放置した後、高温整髪用アイロ
ンやコテ等で処理する方法が推奨される。 【0024】本発明のパーマネント剤は、損傷毛髪用の
一浴式パーマネント剤として有用であり、パーマネント
ウエーブ形成剤、縮毛矯正剤、染毛料、染毛剤、ヘアブ
リーチ剤、ヘアスタイリング剤、ヘアトリートメント剤
等として使用することもできる。 【0025】以下実施例に基づいて本発明を詳述する。
但し、下記実施例は、本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術範囲に包含される。 【0026】 【実施例】実施例1 加水分解ケラチンとして、下記試料溶液1または試料溶
液2を用い、健常毛髪(未処理毛髪16cm、0.2g
を一束にしたものを使用)及び損傷毛髪(未処理毛髪1
6cm、0.2gを一束にした健常毛髪に、ブリーチ処
理及びパーマネントウエーブ処理を施したものを使用)
を、本発明の供試サンプルとして使用した。 【0027】 [試料溶液1] α−ケラトース(平均分子量25,000〜35,000) 2.0% 尿素 6.0% ラウリル硫酸ナトリウム 1.0% 1,3−ブチレングリコール 2.0% 精製水 残 部 [試料溶液2] α−ケラトース(平均分子量25,000〜35,000) 2.0% 尿素 6.0% ラウリル硫酸ナトリウム 1.0% 1,3−ブチレングリコール 2.0% モノエタノールアミン 1.5% トリエタノールアミン 2.5% 精製水 残 部 【0028】具体的には、まず、上記の各毛髪試料に試
料溶液1または2を施した後、当該毛髪をロッドに巻き
付けた。次いで、スポイドで各試料溶液を毛髪にしみ込
む程度に塗布し、40℃で15分間加温した。その後、
ロッドを取除き、毛髪試料を流水中で2分間すすいでか
ら30分間自然乾燥させた。更にこの毛髪試料を、1%
ラウリル硫酸ナトリウム溶液500mL中で50回上下
動させた後、再び流水中で2分間すすぎ、30分間自然
乾燥させた。この様にして得られた毛髪試料の写真を図
1及び図2に示す。このうち図1は健常毛髪を処理した
写真、図2は損傷毛髪を処理した写真である。図中、
「」とは試料溶液1、「」とは試料溶液2を施した
毛髪試料の写真である。 【0029】尚、比較の為に、水を用い、同様に健常毛
髪及び損傷毛髪を処理した。得られた各毛髪試料の写真
も図1及び図2に示す。 【0030】図1及び図2により明らかな通り、本発明
のパーマネント剤(試料溶液1または2)で処理した毛
髪試料はいずれもウエーブ形成力が高く、特にの場合
にと同程度若しくはそれ以上のウエーブ形成能が認め
られた。また、この様な優れたウエーブ形成能は、健常
毛髪、損傷毛髪のいずれにおいても認められた。 【0031】次に、上記毛髪試料の引張強度を測定し
た。引張強度の測定は以下の要領で行った。まず、上記
試料溶液1または2で処理した毛髪から毛髪10本を任
意に選び、引張試験測定機(「テンシロン UTM−II
−20」,オリエンテック株式会社)を用いて破断値を
測定した。水を100にしたときの各毛髪試料の変化率
を図3及び図4に示す。このうち図3は健常毛髪を処理
したときの引張強度の変化率を示すグラフ、図4は損傷
毛髪を処理したときの引張強度の変化率を示すグラフで
ある。図中、「」とは試料溶液1、「」とは試料溶
液2を施した毛髪試料の結果である。 【0032】尚、比較の為に、水または市販のパーマネ
ントウエーブ剤[PW剤;加水分解ケラチンを使用して
いないもので、その組成は、チオグリコール酸モノエタ
ノールアミン6.0%を主剤とし、モノエタノールアミ
ン及びトリエタノールアミンでpHを9.2に調整した
第1剤と、臭素酸ナトリウム8.0%を主剤とする第2
剤]を用い、同様に健常毛髪及び損傷毛髪を処理した。
得られた各毛髪試料の結果も図3及び図4に併記する。 【0033】図3及び図4より明らかな通り、市販のパ
ーマネントウエーブ剤の場合は1割強の強度低下が見ら
れたのに対し、本発明のパーマネント剤(試料溶液1ま
たは2)で処理した毛髪試料はいずれも引張強度の変化
率が極めて少なく、処理により強度低下が認められない
ことが確認された。特に、損傷毛髪の場合は強度が回復
する傾向が見られた。 【0034】実施例2 本実施例では、加水分解ケラチンの分子量差による効果
を確認すべく、種々の分子量の加水分解ケラチンを用い
て実験を行った。 【0035】供試サンプルとして、平均分子量の異なる
加水分解ケラチン(1,000、25,000、及び1
25,000)を夫々含む3種類の試料溶液を用い、健
常毛髪(未処理毛髪16cm、0.2gを一束にしたも
のを使用)及び損傷毛髪(未処理毛髪16cm、0.2
gを一束にした健常毛髪に、ブリーチ処理及びパーマネ
ントウエーブ処理を施したものを使用)を、実施例1と
同様にして処理した。 [試料溶液] 加水分解ケラチン 2.0% 尿素 6.0% ラウリル硫酸ナトリウム 1.0% 1,3−ブチレングリコール 2.0% モノエタノールアミン 1.5% トリエタノールアミン 2.5% 精製水 残 部 【0036】この様にして得られた毛髪試料の写真を図
5及び図6に示す。このうち図5は健常毛髪を処理した
写真、図6は損傷毛髪を処理した写真である。図中、
は平均分子量1,000の加水分解ケラチン、平均分
子量25,000の加水分解ケラチン、は平均分子量
125,000の加水分解ケラチンを夫々用いた毛髪試
料の写真である。 【0037】図5より、健常毛髪の場合、平均分子量2
5,000の加水分解ケラチンの試料溶液で処理したも
のはウエーブ形成力に優れ、良好なウエーブを形成する
が、他の平均分子量の加水分解ケラチンの試料溶液で処
理したものは、殆どウエーブを形成しないことが分か
る。 【0038】また、図6より、損傷毛髪の場合、いずれ
の加水分解ケラチンにおいてもウエーブを形成するが、
なかでも、平均分子量125,000及び25,000
の加水分解ケラチンの試料溶液で処理したものは、特に
強いウエーブを形成することが分かる。 【0039】次に、上記毛髪試料の引張強度を、実施例
1と同様にして測定した。これらの結果を表1及び表2
に示す。このうち表1は健常毛髪を処理したときの引張
強度の結果を示し、表2は損傷毛髪を処理したときの引
張強度の結果を夫々示す。 【0040】尚、比較の為に、加水分解ケラチンの代わ
りに水を用いたブランク溶液を用い、同様に健常毛髪及
び損傷毛髪を処理し、引張強度を測定した。また、参考
までに未処理の健常毛髪及び損傷毛髪の引張強度も測定
した。これらの結果も表1及び表2に併記する。 【0041】 【表1】 【0042】 【表2】【0043】これらの表より、平均分子量25,000
の加水分解ケラチンの試料溶液で処理したときには、健
常毛髪・損傷毛髪いずれの場合においても引張強度の低
下が少なく、毛髪への損傷が少ないことが分かった。 【0044】以上の結果を総合的に勘案すると、平均分
子量25,000の加水分解ケラチンを用いたときに
は、パーマネントウエーブのウエーブ形成力は非常に優
れ、しかも毛髪への損傷も極めて少ない良好な一浴式パ
ーマネント剤を提供することができた。 【0045】 【発明の効果】本発明のパーマネント剤は上記の様に構
成されているので、一剤のみで損傷毛髪を変形させるこ
とができ、しかも、そのパーマネントウエーブのウエー
ブ形成力は非常に高いにもかかわらず、毛髪への損傷は
何ら認められず、張りや弾性のある極めて理想的なウエ
ーブを形成することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例1において、健常毛髪を処理した写真で
ある。 【図2】実施例1において、損傷毛髪を処理した写真で
ある。 【図3】実施例1において、健常毛髪の引張強度の変化
率を示すグラフである。 【図4】実施例1において、損傷毛髪の引張強度の変化
率を示すグラフである。 【図5】実施例2において、健常毛髪を処理した写真で
ある。 【図6】実施例2において、損傷毛髪を処理した写真で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−202811(JP,A) 特開 昭57−88110(JP,A) 特開 昭57−144213(JP,A) 特開 昭59−157010(JP,A) 特開 昭59−51209(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/11

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 平均分子量25,000〜35,000
    の加水分解ケラチンを含有することを特徴とする損傷毛
    髪用の一浴式パーマネントウエーブ形成剤。
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