JP2781072B2 - 地盤改良装置 - Google Patents

地盤改良装置

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JP2781072B2
JP2781072B2 JP2619091A JP2619091A JP2781072B2 JP 2781072 B2 JP2781072 B2 JP 2781072B2 JP 2619091 A JP2619091 A JP 2619091A JP 2619091 A JP2619091 A JP 2619091A JP 2781072 B2 JP2781072 B2 JP 2781072B2
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土中で改良剤を噴射し
て撹拌することにより改良柱体を形成する地盤改良装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地盤の特定領域の改良を行う装置
としては、例えば特公昭57−58493号公報に示さ
れるように、セメントや生石灰等の粉粒状の改良剤を圧
縮ガスとともに土中内に供給し、現位置の土と撹拌混合
することにより改良柱体を形成するようにしたものが良
く知られている。
【0003】図8は上記撹拌を行う部分の構造の一例を
示したものである。図において90は撹拌軸、91は撹
拌翼であり、これらが一体に回転することにより、土中
への貫入、および引抜きが行われる。そして、例えば土
中からの引抜き時に上記撹拌軸90内からその下端部の
ノズル(改良剤噴射口)92を通じて改良剤および圧縮
空気が噴射され、かつこの位置で回転する撹拌翼91に
よって上記改良剤が土と撹拌・混合されることにより、
上記撹拌翼91の下方に改良柱体93が形成される。
【0004】また、上記改良剤とともに噴射された圧縮
空気は、改良剤から分離した後に撹拌軸90の周囲を通
って地上へ開放されるが、この時の空気の流れによって
撹拌軸90と土との間に図に示されるような隙間94が
形成され、この隙間94により、撹拌軸90が回転の際
に土から受ける抵抗が削減されている。
【0005】なお、図において95は、上記空気ととも
に土中のゴミ等が噴出して拡散するのを防ぐカバーであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような地盤改良
装置では、その作業中に改良剤供給通路内で詰まりが発
生することがある。このような詰まりは、撹拌軸90の
下端部のノズル92や、屈曲の度合いが激しい改良剤供
給ホース等に生じやすいが、いずれの場合においても、
上記詰まりを除去する清掃作業が必要となる。
【0007】ここで、例えば上記ノズル92等のような
土中箇所で詰まりが発生した場合には、上記清掃作業を
行うのに必ず撹拌軸90および撹拌翼91を土中から引
き抜く必要があるが、地上に配された改良剤供給ホース
等に詰まりが発生した場合には、同ホースを解体するこ
とにより、上記撹拌軸90および撹拌翼91を引き抜か
なくても清掃を行うことが可能となることがある。
【0008】しかしながら従来の装置では、現に詰まり
が発生した個所がどこであるかを確認するのは困難であ
り、従って、実際の詰まり個所にかかわらず、上記撹拌
軸90および撹拌翼91を引き抜いてから清掃作業を行
っているのが実状である。従って、その清掃作業時間は
長大なものとなり、施工効率の低下の大きな要因となっ
ている。
【0009】また、詰まり箇所が上記改良剤ホース内で
あると偶然に判明し、仮に撹拌軸90および撹拌翼91
を引き抜かずに清掃作業を行うことができたとしても、
上記従来の装置では、詰まりが発生した後は改良剤だけ
でなく圧縮空気もノズル92から噴射されなくなるの
で、上記清掃作業を行っている間に前記図8に示したよ
うな隙間94がなくなり、撹拌軸90に土がまとわりつ
くために、その後の撹拌動作において撹拌軸90が土か
ら受ける回転抵抗が増大し、その機械負荷が大幅に上が
ることによって機械停止等の不都合が発生するおそれが
ある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、改良剤
詰まりが発生した際の処理作業を効率良く行うことがで
き、しかも、処理作業後に地盤改良作業を円滑に再開す
ることができる装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、改良剤を圧縮
ガスとともに送り出す改良剤供給手段と、下端部に改良
剤噴出口を有し、土中で回転しながら、上記改良剤供給
手段から供給された改良剤を改良剤噴射口から噴射して
撹拌する撹拌手段と、上記改良剤供給手段と改良剤噴射
口とをつなぐ改良剤供給通路とを備えた地盤改良装置に
おいて、上記改良剤供給通路内で上記撹拌手段を土中か
ら引き抜かずに改良剤詰まりを除去することが可能な特
定の領域における流れ状態を検出する詰まり検出手段
と、上記改良剤供給通路において上記詰まり検出手段に
よる検出領域よりも改良剤噴射口に近い部分から改良剤
噴射口に向けてガスを送り出すガス継続手段とを備えた
ものである(請求項1)。
【0012】さらに、上記改良剤供給通路における上記
詰まり検出手段の検出領域に対して改良剤供給手段に近
い側から改良剤噴射口に向けて清掃確認用ガスを送り出
す清掃確認手段を備え(請求項2)、また、上記改良剤
供給通路における上記詰まり検出手段による検出領域の
端部であって上記改良剤噴射口に近い側の端部の近傍
に、この部分の通路を開閉する開閉手段を設けるととも
に、この開閉手段よりも上記改良剤供給手段に近い側の
部分から同改良剤供給手段に向けて清掃用ガスを送り出
す清掃手段を備えることにより(請求項2)、より好ま
しい効果を得ることができる。
【0013】
【作用】まず、請求項1記載の装置によれば、詰まりが
発生した状態での詰まり検出手段の検出結果により、詰
まり発生箇所がどの領域にあるかが判別され、この結果
は、清掃作業を行うにあたって撹拌手段を土中から引き
抜く必要があるか否かの判断材料となる。そして、上記
詰まり検出手段による検出領域内で詰まりが発生したと
検出された場合には、ガス継続手段により改良剤噴射口
からガスを噴射させることにより、撹拌手段と土との間
の隙間を確保しながら、改良剤形成手段の引抜きを行わ
ずに上記詰まりの除去作業(清掃作業)を行うことがで
きる。従って清掃後は、清掃前と同様に、土から大きな
抵抗を受けることなく撹拌手段を再始動させることがで
きる。
【0014】さらに、請求項2記載の装置によれば、清
掃作業を終えた後、清掃確認手段から清掃確認用ガスを
送り出すことにより、この時の詰まり検出手段の検出結
果、すなわち特定領域における上記清掃確認用ガスの流
れ状態から、清掃が確実に行われたか否かを確認するこ
とができる。
【0015】また。請求項3記載の装置によれば、改良
剤供給手段による改良剤供給をやめ、かつ、開閉手段に
よりその箇所の通路を閉じた状態で清掃手段から清掃用
ガスを送り出すことにより、このガスによって詰まり改
良剤が改良剤供給手段側に飛ばされ、これにより清掃作
業がなされる。この時、詰まり改良剤に上記ガスが吹き
付けられる側の圧力(すなわち改良剤噴射口に近い側の
圧力)は大気圧よりも高いのに対し、その反対側の圧力
(すなわち改良剤供給手段に近い側の圧力)はほぼ大気
圧であるので、両圧の差の分だけ清掃力は増強される。
【0016】
【実施例】本発明の第1実施例を図1から図4に基づい
て説明する。
【0017】図2は、本実施例における地盤改良装置の
全体構成を示したものである。
【0018】この装置は、走行可能なベースマシン10
および改良剤タンク(改良剤供給手段を構成)12を備
え、上記ベースマシン10には撹拌装置本体14が据え
付けられている。この撹拌装置本体14には、スイベル
ジョイント16を介して、上下に延びる撹拌軸(撹拌手
段)18が自軸周りに回転可能に支持されている。この
撹拌軸18は上下に昇降可能であり、その下端部には撹
拌翼20が設けられている。
【0019】図1は、この装置における改良剤およびエ
アに関するフロー図である。なお、本発明における「ガ
ス」は、エアのほか、有害でない種々のものが使用可能
である。
【0020】上記撹拌軸18には、スイベルジョイント
16および改良剤供給ホース(改良剤供給通路を構成)
22を介して改良剤供給用コンプレッサ(改良剤供給手
段を構成)24が接続されており、上記改良剤供給ホー
ス22の途中に上記改良剤タンク12の下部が介設され
ている。そして、上記改良剤供給用コンプレッサ24の
作動により、改良剤供給タンク12内の改良剤が、圧縮
空気とともに上記改良剤供給ホース22および撹拌軸1
8内の通路を通り、上記撹拌軸18の下端部に設けられ
たノズル(改良剤噴射口)25へ圧送され、このノズル
25から装置外へ噴射されるようになっている。
【0021】上記改良剤供給ホース22において、上記
改良剤供給用コンプレッサ24と改良剤タンク12との
間の位置、上記改良剤タンク12のすぐ下流側(すなわ
ち撹拌軸18に近い側)の位置、および撹拌軸18に近
い位置には、それぞれバルブ26、バルブ28、および
バルブ(開閉手段)30が設けられている。そして、上
記バルブ28のすぐ下流側の位置、およびバルブ30の
すぐ下流側の位置には、各位置における通路内圧力を検
出する圧力検出器(詰まり検出手段)32,33が設け
られている。これらの圧力検出器32,33は、改良剤
供給ホース22において改良剤詰まりが発生しやすい部
分、すなわち屈曲の激しい図1のA部分を挾む位置に設
けられている。
【0022】上記改良剤供給ホース22において、圧力
検出器33と撹拌軸18との間の部分には、エア継続用
通路34を介してエア継続用コンプレッサ(エア継続手
段)36が接続されており、上記エア継続用通路34に
はバルブ38および逆止弁40が設けられている。さら
に、上記改良剤供給ホース22において、上記圧力検出
器32のすぐ下流側の部分には、清掃確認用通路42を
介して清掃確認用コンプレッサ(清掃確認手段)44が
接続されており、上記清掃確認用通路42にはバルブ4
6および逆止弁48が設けられている。
【0023】また、上記改良剤供給ホース22におい
て、上記バルブ30のすぐ上流側の部分には、清掃用通
路50を介して清掃用コンプレッサ(清掃手段)52が
接続されており、上記清掃用通路50にはバルブ54お
よび逆止弁56が設けられている。一方、上記改良剤タ
ンク12の上部は排気通路58を通じて大気に連通され
ており、この排気通路58にはバルブ60および粉塵フ
ィルタ62が設けられている。
【0024】次に、この装置の作用を図3,4および表
1も併せて参照しながら説明する。ここで図4は、地盤
改良作業中における上記圧力検出器32,33の検出圧
力をそれぞれ線L1,L2で示したものであり、表1
は、各工程におけるバルブの開閉動作を示したものであ
る。
【0025】
【表1】
【0026】まず、ベースマシン10を動かして所望の
位置に位置決めし(図3のプロセスP1)、この状態か
ら撹拌軸18および撹拌翼20を回転駆動するとともに
撹拌軸18を下降させて地中への貫入を開始する(プロ
セスP2)。この時、バルブ26,28,38,54を
閉じるとともにバルブ30,46を開いておき、改良剤
は噴射させずに、エアのみをコンプレッサ44から改良
剤供給ホース22およびノズル25を通じて土中へ噴射
させる。この噴射されたエアは、撹拌軸18の周囲を通
って地上に排気される。このエアにより、撹拌軸18と
土との間に前記図8で説明したような隙間が形成され、
回転中に撹拌軸18が土から受ける抵抗が大幅に削減さ
れる。
【0027】なお、この貫入時は土圧が漸次上昇するの
に伴い、圧力検出器32,33により検出される圧力も
漸増する(図4の線L1,L2参照)。
【0028】貫入が完了した後(図3のプロセスP3;
図4の時刻t1)、今度は撹拌軸18および撹拌翼20
を逆回転させてこれらの引抜き作業を行いながら、土中
への改良剤供給作業を開始する(プロセスP4)。具体
的には、バルブ38,54,46,60を閉じた状態で
バルブ26,28,30を開き、改良剤タンク12内の
改良剤を、改良剤供給用コンプレッサ24から送り出さ
れた圧縮エアとともにノズル25から噴射する。この噴
射された混合物のうち、改良剤は撹拌翼20によって土
と撹拌・混合されて改良柱体64(図3)を形成するの
に対し、圧縮エアは上記貫入時と同様に撹拌軸18の周
囲を通り、この部分に隙間を形成する。
【0029】一方、この引抜き時には、土圧が漸次減少
するのに伴って圧力検出器32,33の検出圧力がとも
に漸減する(図4参照)。
【0030】ところが、この引抜き作業中に両圧力検出
器32,33で挾まれた領域、例えば図1のA部分にお
ける箇所で改良剤の詰まりが発生した場合には(図4の
時刻t1´)、この箇所で流体の流れが止まるためにそ
れよりも手前の圧力検出器32の検出圧力のみが上昇す
る(図4の線L1参照)。これに対し、上記圧力検出器
33による検出位置よりもノズル25に近い側の部分で
詰まりが発生した場合には、圧力検出器33の圧力も急
上昇するはずなので、両圧力検出器33の検出結果か
ら、詰まりが発生した事実およびその具体的な箇所を知
ることができる。
【0031】ここで、図4のように圧力検出器32の検
出圧力のみが上昇した場合には、改良剤供給ホース22
内の清掃作業、すなわち詰まり改良剤の除去作業を開始
する(図4の時刻t2)。具体的には、バルブ26,3
0を閉じた状態でバルブ54,28,60を開くことに
より、清掃用コンプレッサ52から改良剤タンク12に
向けて清掃用エアを流し、粉塵用フィルタ62を通じて
装置外へ排出させる。この時、詰まり改良剤に対して上
記清掃用エアが吹き付けられる側(すなわち撹拌軸18
に近い側)の圧力は、その反対側(すなわち改良剤タン
ク12に近い側)の圧力すなわち大気圧よりも高いの
で、両圧力の差分だけ清掃力は増強されることとなり、
詰まり改良剤は改良剤タンク12側へ吹き飛ばされる。
この作業中、圧力検出器32の検出圧力は大気圧近くま
で急激に減少する。なお、図4のグラフは略直線状に圧
力が降下するように描かれているが、実際には圧力が段
階的に開放されるので、厳密には上記グラフは階段状に
なる。
【0032】一方、この清掃中にバルブ38をも開いて
おくことにより、エア継続用コンプレッサ36からノズ
ル25を通じて土中にエアのみを噴射させておく。この
エアにより、清掃作業中も撹拌軸18と土との隙間が確
保され、撹拌軸18に土がまとわりつくことが防がれ
る。
【0033】清掃作業が一応終了した後は(図4の時刻
3)、清掃が確実に行われたか否かの確認を行う。具
体的には、上記状態からバルブ28,54を閉じるとと
もに、バルブ30,46を開き、清掃確認用コンプレッ
サ44からノズル25に向けてエアを送り出す。ここ
で、清掃が完全に行われている場合には圧力検出器32
の検出圧力が正常値に安定する(図4の線L1参照)の
に対し、清掃が完全に行われていない場合には清掃前と
同様に上記検出圧力が異常に上昇するので、この時の検
出圧力によって清掃の確認を行うことができる。
【0034】このようにして清掃の確認が完了した時点
(時刻t4)から、各バルブの開閉状態を清掃作業前の
状態に戻し、改良剤供給及び引抜き作業を再開する。こ
の時点においても、上記清掃作業開始時点から噴射され
ている継続エアによって撹拌軸18と土との間の隙間が
確保されているので、土から大きな抵抗を受けることな
く撹拌装置を再始動させることができる。
【0035】なお、詰まり箇所が上記検出領域から外れ
ているような場合、例えばノズル25で詰まりが発生し
ている場合には、改良剤の供給を止めて撹拌軸18及び
撹拌翼20を土中から完全に引抜き、清掃作業を行うよ
うにする。
【0036】以上のようにこの装置では、圧力検出器3
2,33の検出結果に基づき、撹拌軸18を引抜かずに
清掃できるか否かを事前に判別することができるので、
従来のように盲目的に撹拌軸18の引抜きを行う場合に
比べ、清掃効率は大幅に向上することとなる。しかも、
清掃中は継続エアの噴射により撹拌軸18と土との隙間
が確保され続けるので、清掃後の再始動も円滑に行うこ
とができる。
【0037】さらに、この実施例に示されるように、詰
まり改良剤に対してノズル25に近い側からエアを吹き
付ける手段を備えることにより、改良剤供給ホース22
の解体を行わずして、しかも強い清掃力で詰まり改良剤
の除去を行うことができる。また清掃後は、コンプレッ
サ44からのエア供給と、この時の圧力検出器32,3
3の検出結果に基づき、清掃確認を容易に行うことがで
きる。
【0038】なお、本願請求項1の発明では、上記のよ
うな清掃手段は必ずしも要せず、例えば改良剤供給ホー
ス22の解体によって清掃を行うものにおいても、その
清掃が撹拌軸18の引抜きを行わずに可能か否かを判別
することにより、清掃効率の大幅な向上を果たすことが
できる。また、清掃手段を設けない場合には、上記バル
ブ30は必ずしも要しないが、このバルブ30を設け、
かつ継続エア噴射時には同バルブ30を閉じることによ
り、継続用エアをより確実にノズル25側へ送りだすこ
とができる利点がある。
【0039】次に、第2実施例を図5,図6に基づいて
説明する。
【0040】前記第1実施例装置では、図1のA部分を
挾む領域が詰まり検出領域として設定されているが、こ
の実施例装置では、主として撹拌軸18内に設けられた
改良剤供給管65が上記詰まり検出領域に設定されてい
る。
【0041】具体的に、圧力検出器33は前記実施例と
同様の位置に設けられているが、前記圧力検出器32の
代わりに、改良剤供給管65においてノズル25の近傍
の位置に圧力検出器(詰まり検出手段)66が設けられ
ている。そして、この圧力検出器66のすぐ上流側の位
置(図6では上側の位置)にバルブ(開閉手段)68が
設けられるとともに、このバルブ68のすぐ上流側の部
分に、清掃用通路70を介してコンプレッサ72が接続
され、この清掃用通路70にバルブ74及び逆止弁76
が設けられている。また、前記実施例と同様のエア継続
用コンプレッサ36は上記圧力検出器66よりも下流側
の部分に接続されている。従って、この実施例における
スイベルジョイント16は3重管スイベルジョイントと
なっている。
【0042】このような装置によれば、例えば上記改良
剤供給管65の継ぎ目で改良剤の詰まりが発生した場合
には圧力検出器33の検出圧力のみが上昇し、ノズル2
5で詰まりが発生した場合には両圧力検出器33,66
の検出圧力が上昇するので、両者の判別を行うことがで
きる。前者の場合には、バルブ68を閉じてバルブ74
を開き、清掃用エアを改良剤供給管65内に導入するこ
とにより、前記実施例と同様に、撹拌軸18の引抜きを
行わずして清掃を実現することができる。これに対し後
者の場合には、撹拌軸18を土中から引き抜いてノズル
25の清掃作業を行う。
【0043】さらに、第3実施例として図7に示すよう
に、前記第1実施例と第2実施例の構造を組み合わせる
ことにより、より優れた装置を得ることが可能になる。
すなわち、この装置では、前述の3箇所に全て圧力検出
器32,33,64が各々配され、かつ、前述の2つの
清掃用コンプレッサ52,72が併用されている。ま
た、圧力検出器33のすぐ上流側の位置にも、清掃確認
用通路42´を介して清掃確認用コンプレッサ44´が
接続され、上記清掃確認用通路42´にバルブ46´及
び逆止弁48´が設けられている。
【0044】このような装置によれば、圧力検出器32
の検出圧力のみが急上昇した場合には、圧力検出器3
2,33間で詰まりが発生したことを、圧力検出器3
2,33の検出圧力のみが急上昇した場合には、圧力検
出器33,66間で詰まりが発生したことを、圧力検出
器32,33,66の全ての検出圧力が急上昇した場合
には、圧力検出器66よりもノズル25よりの部分で詰
まりが発生したことを、それぞれ知ることができる。こ
こで、圧力検出器32,33間で詰まりが発生した場合
には、清掃用コンプレッサ52を用いて清掃を行い、圧
力検出器33,66間で詰まりが発生した場合には、清
掃用コンプレッサ72を用いて清掃を行い、圧力検出器
66よりもノズル25側の部分で詰まりが発生した場合
には、撹拌軸18を引き抜いて清掃を行うようにすれば
よい。
【0045】なお、前記各実施例では、排気通路58、
バルブ60、及び粉塵フィルタ62が改良剤タンク12
の上部に設けられたものを示したが、これら排気通路5
8等は、例えば清掃用コンプレッサ44と圧力検出器3
2との間に設けられていてもよい。
【0046】また、前記実施例では撹拌軸18の引抜き
時に改良剤を噴射する工法を示したが、本発明装置は、
撹拌軸18の貫入時に改良剤を噴射する工法を実行して
もその効果を得ることができる。
【0047】また、本発明における詰まり検出手段は、
特定領域における流体(改良剤+ガス)の流れ状態を検
出できるものであればよく、例えば上記圧力検出器に代
えて流量計を用いるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次のよう
な効果を得ることができる。
【0049】まず、請求項1記載の装置は、改良剤供給
通路内で撹拌手段を土中から引き抜かずに改良剤詰まり
を除去することが可能な特定の領域における流れ状態を
検出するとともに、上記改良剤供給通路において上記詰
まり検出手段による検出領域よりも改良剤噴射口に近い
部分から改良剤噴射口に向けてガスを送り出すガス継続
手段を備えたものであるので、撹拌手段の引抜きを行わ
ずに清掃できるか否かを事前に判別することができ、こ
のため、従来のように盲目的に撹拌手段の引抜きを行う
場合に比べ、清掃効率を大幅に向上させることができ
る。しかも、撹拌手段を引き抜かずに清掃を行う際に
は、その清掃中、継続用エアの噴射により撹拌手段と土
との隙間を確保しておくことができるので、清掃後の再
始動も円滑に行うことができる効果がある。
【0050】さらに、請求項2記載の装置は、上記改良
剤供給通路における上記詰まり検出手段による検出領域
に対して改良剤供給手段に近い側から清掃確認用ガスを
送り出す清掃確認手段を備えたものであるので、この清
掃確認用ガスを導入しているときの詰まり検出手段の検
出結果に基づき、清掃が確実に行われたか否か、すなわ
ち、まだ詰まりが残っていないか否かを容易に確認する
ことができる。
【0051】また、請求項3記載の装置は、上記検出領
域の端部でかつ上記改良剤噴射口に近い側の端部の近傍
に開閉手段を設けるとともに、この開閉手段よりも上記
改良剤供給手段に近い側の部分から同改良剤供給手段に
向けて清掃用ガスを送り出すことにより、清掃を行うよ
うにしたものであるので、装置の解体などを行うことな
く容易に清掃を行うことができ、しかも、詰まり箇所の
両側の圧力差を利用して清掃力を増強させることができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における地盤改良装置を示
すフロー図である。
【図2】上記地盤改良装置の外観図である。
【図3】上記地盤改良装置により実行される各工程を示
す工程図である。
【図4】上記各工程中での圧力検出器による検出圧力の
時間変動を示すグラフである。
【図5】第2実施例における地盤改良装置の要部を示す
フロー図である。
【図6】上記地盤改良装置における撹拌軸の下端部につ
いてのフロー図である。
【図7】第3実施例における地盤改良装置を示すフロー
図である。
【図8】従来の地盤改良装置の要部を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
12 改良剤タンク(改良剤供給手段を構成) 18 撹拌軸(撹拌手段) 20 撹拌翼(撹拌手段) 22 改良剤供給ホース(改良剤供給通路を構成) 24 改良剤供給用コンプレッサ(改良剤供給手段を構
成) 25 ノズル(改良剤噴射口) 30,68 バルブ(開閉手段) 32,33,66 圧力検出器(詰まり検出手段) 36 エア継続用コンプレッサ(エア継続手段) 44,44´ 清掃確認用コンプレッサ(清掃確認手
段) 52,72 清掃用コンプレッサ(清掃手段) 65 改良剤供給管(改良剤供給通路を構成)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改良剤を圧縮ガスとともに送り出す改良
    剤供給手段と、下端部に改良剤噴出口を有し、土中で回
    転しながら、上記改良剤供給手段から供給された改良剤
    を改良剤噴射口から噴射して撹拌する撹拌手段と、上記
    改良剤供給手段と改良剤噴射口とをつなぐ改良剤供給通
    路とを備えた地盤改良装置において、上記改良剤供給通
    路内で上記撹拌手段を土中から引き抜かずに改良剤詰ま
    りを除去することが可能な特定の領域における流れ状態
    を検出する詰まり検出手段と、上記改良剤供給通路にお
    いて上記詰まり検出手段による検出領域よりも改良剤噴
    射口に近い部分から改良剤噴射口に向けてガスを送り出
    すガス継続手段とを備えたことを特徴とする地盤改良装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の地盤改良装置において、
    上記改良剤供給通路における上記詰まり検出手段の検出
    領域に対して改良剤供給手段に近い側から改良剤噴射口
    に向けて清掃確認用ガスを送り出す清掃確認手段を備え
    たことを特徴とする地盤改良装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の地盤改良装置に
    おいて、上記改良剤供給通路における上記詰まり検出手
    段による検出領域の端部であって上記改良剤噴射口に近
    い側の端部の近傍に、この部分の通路を開閉する開閉手
    段を設けるとともに、この開閉手段よりも上記改良剤供
    給手段に近い側の部分から同改良剤供給手段に向けて清
    掃用ガスを送り出す清掃手段を備えたことを特徴とする
    地盤改良装置。
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