JP2780518B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置

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JP2780518B2
JP2780518B2 JP3138004A JP13800491A JP2780518B2 JP 2780518 B2 JP2780518 B2 JP 2780518B2 JP 3138004 A JP3138004 A JP 3138004A JP 13800491 A JP13800491 A JP 13800491A JP 2780518 B2 JP2780518 B2 JP 2780518B2
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P3/00Liquid cooling
    • F01P3/02Arrangements for cooling cylinders or cylinder heads
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
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    • F02F1/14Cylinders with means for directing, guiding or distributing liquid stream

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のシリンダを冷
却する内燃機関の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より実開昭 63-168242号に記載の如
く、シリンダライナ外周に螺旋状又は環状の冷却溝を設
けて冷媒を流し、内燃機関の冷却を行う冷却装置があ
る。
【0003】図7(A)は従来の内燃機関の冷却装置の
一例の平面図、同図(B)は図7(A)中VIIb−VIIb線
に沿う断面図、同図(C)は図7(A)中VIIc−VIIc線
に沿う断面図を示す。
【0004】同図中、シリンダライナ1の外周には複数
の環状の冷却溝2が形成され、シリンダブロック3に嵌
装された状態では、シリンダブロック3のボア部内周面
3aとの間に冷媒通路4が構成されている。また、全て
の冷媒通路4は、シリンダライナ1及びシリンダブロッ
ク3の両方に跨がって軸方向に形成された連通路5,6
により連通されている。これら連通路5,6夫々は同一
断面積で形成されていいる。一方の連通路5の下端部に
は、シリンダブロック3に形成された流入管7が接続さ
れ、また他方の連通路6の上端部には流出管8が接続さ
れている。
【0005】冷媒は流入管7から流入し、連通路5を通
って各冷媒通路4に分配され、シリンダライナ1の熱を
吸収した後、連通路6に集められ、そして流出管8から
排出される。
【0006】図7に示すような構成の冷却装置では、冷
媒の流入部から流出部に至るまで一本の螺旋状の冷却溝
で形成された構成の冷却装置に比べて圧力損失が小さく
なり、冷媒の循環ポンプの出力を小さく設定することが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図8は図7に示す従来
の冷却装置における各冷媒通路4のシリンダライナ1の
軸方向の位置Zと、各冷媒通路4を流れる冷媒の流速
S、即ち冷媒のシリンダライナ壁面からの熱伝達率との
関係を表したグラフである。
【0008】同図中点線Aは、連通路5,6の径寸法を
十分に大きくした場合の各冷媒通路4の流速分布を示
し、曲線Bは、連通路5,6の径寸法を細く形成した場
合の各冷媒通路4の流速分布を示す。連通路5,6の径
寸法を十分に大きくすると、冷媒が連通路5,6を流れ
る際に圧力損失がほとんど発生せず、よって、各冷媒通
路4内の流速は、同図中点線Aで示すようにシリンダラ
イナの軸方向において一定となる。逆に連通路5,6の
径寸法を細くした場合には、連通路5,6を流れる冷媒
に圧力損失が発生するため、各冷媒通路4内の流速は、
同図中曲線Bで示すように、シリンダライナ1の上下端
部に近いほど速まり、中央部近辺では低下するという流
速分布となる。
【0009】また、図9はエンジン運転時のシリンダラ
イナの軸方向の位置Zと、燃焼室からシリンダライナへ
の入熱量Qの一般的な関係を表したグラフである。同図
中曲線Cで示すように、上記関係は一般的に燃焼室に近
いシリンダライナ上部ほど入熱量が多く、燃焼室から離
れた下部ほど入熱量が少ない滑らかな曲線の傾向を示
す。
【0010】シリンダライナの周囲に冷媒を循環させて
シリンダライナの冷却を行う場合、エンジンの小型化や
省力化の観点より、例えば熱伝達率や伝熱面積の改善を
図り、少ない冷媒流量で冷却の過不足のない効率の良い
冷却を行うことが重要である。しかしながら、図7に示
す従来の冷却装置9の場合、連通路5,6の径寸法を変
化させても図8に示す冷媒の流速分布S、即ち熱伝達率
の分布は、図9に示す入熱量Qの分布と一致せず、シリ
ンダライナ1の入熱量に対応した冷却をすることができ
ない。このため、シリンダライナ1の軸方向において、
一方では流速が遅すぎて冷却不足が生じ冷媒の沸騰が発
生したり、また他方では過冷却状態となる等の問題が発
生し、上述した効率の良い冷却を行うことができない。
【0011】そこで本発明は上記課題に鑑みなされたも
ので、冷媒の流入管が接続された第1の連通路の断面積
を冷媒の流出管が接続された第2の連通路の断面積より
も大きくすると共に、前記第2の連通路をシリンダ上端
部近傍で流出管に接続したことにより、シリンダライナ
の軸方向における入熱量の分布に対応させてシリンダラ
イナを冷却し、冷却効率を向上せしめた内燃機関の冷却
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、シリンダライナの外周に周方向に沿って環
状に形成されると共に、前記シリンダライナの軸方向に
複数段設けられた冷媒を案内する冷媒通路と、前記複数
段の冷媒通路夫々に連通すると共に、前記冷媒の流入管
が接続され、該流入管からの前記冷媒を前記複数段の冷
媒通路夫々に分配する第1の連通路と、前記複数段の冷
媒通路夫々に連通すると共に、前記冷媒の流出管が接続
され、前記複数段の冷媒通路夫々からの前記冷媒を集合
させ、前記流出管に排出する第2の連通路とを設けた内
燃機関の冷却装置において、前記第1の連通路の断面積
を前記第2の連通路の断面積よりも大きくすると共に、
前記第2の連通路をシリンダ上端部近傍で前記流出管に
接続したことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】冷媒の流入管が接続された第1の連通路の断面
積を冷媒の流出管が接続された第2の連通路の断面積よ
りも大きくしたことにより、第2の連通路では第1の連
通路に比して大きな圧力損失が生じ易い。また、第2の
連通路を、シリンダ上端部近傍で、すなわち、シリンダ
ライナの燃焼室に近い部分で流出管に接続したことによ
り、冷媒が流路を流れる際の圧力損失はシリンダライナ
の燃焼室に近い冷媒通路を有する流路であるほど小とな
り、シリンダライナの燃焼室に近い冷媒通路ほど冷媒通
路を流れる冷媒の流速が速くなる。このため、冷却装置
の冷却能力の分布は、シリンダライナの燃焼室に近い側
ほど高く、また燃焼室から離れた側ほど低くなった分布
となり、よってその分布は、燃焼室に近い側ほど入熱量
が大きく、燃焼室より離れた側ほど入熱量が小さいシリ
ンダライナの軸方向の入熱量の分布に対応する。
【0014】
【実施例】図1(A)は本発明になる内燃機関の冷却装
置の第1実施例の平面図、同図(B)は図1(A)中Ib
−Ib線に沿う断面図、同図(C)は図1(A)中Ic−Ic
線に沿う断面図を示す。
【0015】同図中、本第1実施例の冷却装置10は、
従来の冷却装置9と大略同一構成であり、シリンダライ
ナ11の外周には、複数の環状の冷却溝12が形成さ
れ、シリンダブロック13のボア部内周面13aとの間
に複数の冷媒通路14が構成されている。また、全ての
冷媒通路14は、シリンダライナ11及びシリンダブロ
ック13の両方に跨がって軸方向に形成された連通路1
5,16により連通されている。一方の連通路15の下
端部には、シリンダブロック13に形成された流入管1
7が接続され、また他方の連通路16の上端部には流出
管18が接続されている。冷媒は流入管17から流入
し、連通路15を通って各冷媒通路14に分配され、シ
リンダライナ11の熱を吸収した後、連通路16に集め
られて流出管18から排出される。
【0016】本第1実施例の冷却装置10では、入口側
の連通路15の内部での圧力損失が各冷媒通路14の圧
力損失より十分に小さくなるように、連通路15の断面
積を十分に大きくとっている。これによって、冷媒が流
入管17から連通溝15の上端まで流れる際の圧力損失
は殆ど0(ゼロ)に等しくなる。
【0017】また、出口側の連通路16の断面積は、逆
に小さく形成されており、最下部の冷媒通路14と連通
路16との接続点16aから、連通路16と流出管18
との接続点16bに至までの間を冷媒が流れる最に、後
述する適当な圧力損失が発生するように構成されてい
る。
【0018】図2は図1中、連通路16の上記接続点1
6a,16b間における配管抵抗R及び圧力損失Mを示
したグラフである。
【0019】冷媒は上記の如く各冷媒通路14から連通
路16に流入し、流出管18から排出されるため、連通
路16を流れる冷媒は流出管18に近づくにつれて流量
が増し、よって流速も速くなる。ここで、一般に直線管
の配管抵抗は流体の流速の2乗に比例するため、連通路
16の配管抵抗Rは、大略、同図に曲線Dで示すような
2乗カーブとなる。
【0020】そして、連通路16内を流れる冷媒の圧力
損失は、曲線Dの下部の面積Mで表される。このため、
例えば連通路16の中間の冷媒通路14-1から連通路1
6に流入した冷媒は、流出管18までの間に、図中、面
積M2 (格子模様で示す)でしめされる圧力損失を受け
ることになる。これに対して、最下部の冷媒通路14 -0
から連通路16に流入した冷媒は、図中、面積M1 (梨
地で示す)と、面積M 2 の両方を加えた分の圧力損失を
受けて流出管18まで流れることになる。このように、
シリンダライナ11の軸方向に複数段設けられた各冷媒
通路14の連通路16との接続点から上記接続点16b
までに冷媒が受ける圧力損失は、シリンダライナ11の
上部の冷媒通路14ほど少なくなる。
【0021】ここで、冷却装置10においては、各冷媒
通路14は全て同一形状で形成されているため、各冷媒
通路14の圧力損失は全て同一であり、また、連通路1
5においては、上記の如く圧力損失は殆ど0(ゼロ)と
することができる。このため、本実施例の冷却装置10
において、流入管17、連通路15、各冷媒通路14、
連通路16、流出管18による一連の流路を冷媒が流れ
る場合、冷媒が受ける圧力損失は、上記出口側の連通路
16内で受ける圧力損失に対応する。即ち、シリンダラ
イナ11の上部の冷媒通路14ほど冷媒は流れやすくな
り、逆に下部の冷媒通路14ほど冷媒は流れ難くなる。
従って、シリンダライナ11の軸方向における各冷媒通
路14内の流速S、即ち冷媒の熱伝達率の分布は、図3
に曲線E 1 で示すようにシリンダライナ11の上部ほど
良好となり、図9に示したシリンダライナの入熱量の分
布に対応するようになる。
【0022】このように、本第1実施例の冷却装置10
では、出口側の連通路16を細く形成して、冷媒が連通
路16内を流れる際に、冷媒に適当な圧力損失を与える
ように構成することにより、図3に曲線E1 で示すよう
に、各冷媒通路14の流速分布をシリンダライナの入熱
量の分布に対応させることができる。その結果、シリン
ダライナの過冷却、又は冷却不足による沸騰の発生を防
止して、効率の良いシリンダライナの冷却を行うことが
でき、内燃機関における冷媒の循環ポンプを最小とする
ことができる。
【0023】図4(A)は本発明になる内燃機関の冷却
装置の第2実施例の平面図、同図(B)は図4(A)中
IVb−IVb 線に沿う断面図、同図(C)は図4(A)中
IVc−IVc 線に沿う断面図を示す。
【0024】同図に示す冷却装置20は、冷媒の入口で
ある流入管22が入口側の連通路21の上端部に接続さ
れている以外は、全て上記第1実施例の冷却装置10と
同一構成である。よって、図1に示す構成部分と対応す
る部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0025】冷却装置20の入口側の連通路21は、上
記冷却装置10の連通路15と同様、その断面積は、内
部での圧力損失が各冷媒通路14の圧力損失より十分に
小さくなるように十分大きくされ、よって、冷媒が流入
管22から連通溝21の下端まで流れる際の圧力損失は
殆ど0(ゼロ)に等しくなる。
【0026】このため、本第2実施例の冷却装置20に
おいても、第1実施例の冷却装置10と同様に、流入管
22、連通路21、各冷媒通路14、連通路16、流出
管18による一連の流路を冷媒が流れる場合、冷媒が受
ける圧力損失は、第1実施例で説明した出口側の連通路
16内で受ける圧力損失に対応し、冷媒はシリンダライ
ナ11の上部の冷媒通路14ほど流れやすくなる。従っ
て、本第2実施例の冷却装置20においても、シリンダ
ライナ11の軸方向における各冷媒通路14内の流速
S、即ち冷媒の熱伝達率の分布はシリンダライナ11の
上部ほど良好となり、図9に示したシリンダライナの入
熱量の分布に対応し、第1実施例の冷却装置10同様の
効果を得ることができる。
【0027】しかしながら、冷却装置20の場合、流入
管22から最上部の冷媒通路14へ流れる冷媒は、図4
(B)に示す角部21aによる配管抵抗を受けることが
ないため、最上部の冷媒通路14への冷媒の流入は、上
記冷却装置10に比べて更に流れやすくなり、また、最
下部の冷媒通路14へ流れる冷媒は、連通路21の端部
21bの部分で曲折されるため、冷却装置10に比べて
流れ難くい構造となっている。このため、冷却装置20
では、図3に曲線E2 で示すように、シリンダライナの
上部の冷媒通路14ほど流速S、即ち熱伝達率が大きく
なるという、第1実施例の冷却装置10にて上述した本
発明による効果の傾向は、上記冷却装置10に比べて更
に強いものとなる。
【0028】図5(A)は本発明になる内燃機関の冷却
装置の第3実施例の平面図、同図(B)は図5(A)中
Vb−Vb線に沿う断面図、同図(C)は図5(A)中Vc−
Vc線に沿う断面図を示す。
【0029】同図に示す冷却装置30は、シリンダライ
ナ31とシリンダブロック32に跨がって形成された連
通路33,34の断面積以外は、全て上記第2実施例の
冷却装置20と同一構成である。よって、図4に示す構
成部分と対応する部分には同一符号を付してその説明を
省略する。
【0030】冷却装置30では、入口、及び出口側の連
通路33,34とも、同一断面積で形成されており、更
に両連通路33,34とも、連通路33,34に冷媒を
流した場合、第1実施例の出口側の連通路16と同様に
適当な圧力損失が発生するように若干細い形状とされて
いる。
【0031】このように連通路33,34を形成した場
合、冷媒が連通路33内を流れて各冷媒通路14に分配
される過程と、各冷媒通路14から集められた冷媒が連
通路34内を流れる両方の過程において冷媒は圧力損失
を受ける。従って、冷却装置30においても、上記冷却
装置20同様、冷媒が流入管22から流出管18まで流
れる上記一連の流路では、シリンダライナ31の上部の
冷媒通路14を通る流路ほど圧力損失が小さく冷媒は流
れやすくなり、シリンダライナ31の下部の冷媒通路1
4を通る流路ほど圧力損失が大きくなり冷媒は流れにく
くなる。
【0032】ここで、冷却装置30では、流入管22が
連通路33の上端部に接続されているため、第2実施例
の冷却装置20において説明したように、冷媒は図5
(B)に示す角部33aによる配管抵抗を受けることな
く最上部近傍の冷媒通路14に流れやすくなる。また、
冷媒は上記の如く、入口、出口側両方の連通路33,3
4において圧力損失を受けるため、冷媒がシリンダライ
ナ31の上部の冷媒通路14ほど流れやすくなる傾向は
上記冷却装置10よりも強くなる。従って、冷却装置3
0では、上記2つの作用が加わることにより、シリンダ
ライナ31の軸方向における冷媒の流速S、即ち熱伝達
率の分布は、図6に曲線E3 で示すように、第2実施例
の冷却装置20の分布(曲線E2 で示す)に比べて、シ
リンダライナ31の上下部間における差が大とされた傾
向となる。
【0033】このように、本第3実施例の冷却装置30
においても、シリンダライナ31の軸方向における各冷
媒通路14内の流速S、即ち冷媒の熱伝達率の分布は、
シリンダライナ31の上下部間において差が大きくなる
ものの、シリンダライナ31の上部ほど良好となる傾向
となる。よって、冷却装置30においても、図9に示し
たシリンダライナの入熱量の分布に対応し、第1実施例
の冷却装置10と同様の効果を得ることができる。
【0034】また、連通路33,34両方の断面積を従
来の如く十分に大きくすると、図6中点線Fで示すよう
に、各冷媒通路14における流速Sは一定となる。従っ
て、冷却装置30においては、連通路33,34の断面
積を大小調整することにより、上記曲線E3 から点線F
に至るまでの間の形状の冷媒の流速分布も構成すること
ができる。
【0035】以上の如く第1乃至第3実施例の冷却装置
10,20,30によれば、シリンダライナの上部の冷
媒通路14ほど流速が速くなり、冷却能力が高まる。従
って、シリンダライナの冷却能力を図9に示すシリンダ
ライナへの入熱量の分布に一致させることができる。ま
た、図3、及び図6に示された曲線E1 〜E3 、更に冷
却装置30において上述したE3 から点線Fの間に形成
される曲線のように、流入管の取付位置や連通路の断面
積を変えることにより、シリンダライナの冷却能力の分
布をいろいろな形状とすることができ、冷却装置を、入
熱量の分布の異なる多種類のエンジンに対応させること
ができる。
【0036】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、シリンダラ
イナの燃焼室に近い側の冷媒通路ほど冷媒通路を流れる
冷媒の流速、即ち冷却能力が高くなるため、燃焼室に近
い側ほど入熱量が大きく、燃焼室より離れた側ほど入熱
量が小さいシリンダライナの軸方向における入熱量の分
布に対応したシリンダライナの冷却を行うことができ
る。
【0037】その結果、最小の冷媒の循環ポンプで、シ
リンダライナの過冷却、又は冷却不足による沸騰の発生
を防止しうる効率の良いシリンダライナの冷却を行うこ
とができ、内燃機関、及び内燃機関関連設備の省力化、
小型化に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる内燃機関の冷却装置の第1実施例
の構造図である。
【図2】図1における出口側の連通路における配管抵抗
及び圧力損失を示したグラフである。
【図3】本発明の冷却装置の第1実施例及び第2実施例
における冷媒の流速分布を示すグラフである。
【図4】本発明になる内燃機関の冷却装置の第2実施例
の構造図である。
【図5】本発明になる内燃機関の冷却装置の第3実施例
の構造図である。
【図6】本発明の冷却装置の第3実施例における冷媒の
流速分布を示すグラフである。
【図7】従来の内燃機関の冷却装置の一例の構造図であ
る。
【図8】図7に示す従来の冷却装置における冷媒の流速
分布を示すグラフである。
【図9】エンジン運転時におけるシリンダライナへの入
熱量の一般的な分布を示すグラフである。
【符号の説明】
10,20,30,冷却装置 11,31 シリンダライナ 12 冷却溝 13,32 シリンダブロック 13a ボア部内周面 14,14-0,14-1 冷媒通路 15,16,21,33,34 連通路 16a,16b 接続部 17,22 流入管 18 流出管 21a,33a 角部 21b,33b 端部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダライナの外周に周方向に沿って
    環状に形成されると共に、前記シリンダライナの軸方向
    に複数段設けられた冷媒を案内する冷媒通路と、 前記複数段の冷媒通路夫々に連通すると共に、前記冷媒
    の流入管が接続され、該流入管からの前記冷媒を前記複
    数段の冷媒通路夫々に分配する第1の連通路と、 前記複数段の冷媒通路夫々に連通すると共に、前記冷媒
    の流出管が接続され、前記複数段の冷媒通路夫々からの
    前記冷媒を集合させ、前記流出管に排出する第2の連通
    路とを設けた内燃機関の冷却装置において、 前記第1の連通路の断面積を前記第2の連通路の断面積
    よりも大きくすると共に、 前記第2の連通路をシリンダ上端部近傍で前記流出管に
    接続 したことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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