JP2779987B2 - シートサスペンション装置 - Google Patents

シートサスペンション装置

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JP2779987B2 JP3301096A JP30109691A JP2779987B2 JP 2779987 B2 JP2779987 B2 JP 2779987B2 JP 3301096 A JP3301096 A JP 3301096A JP 30109691 A JP30109691 A JP 30109691A JP 2779987 B2 JP2779987 B2 JP 2779987B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、偏倚手段からのサス
ペンション力のもとでシートを懸架、支持するシートサ
スペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、上方への偏倚力(サスペンシ
ョン力)のもとで、シートの載置される上枠を下枠に対
して懸架、支持し、床面に伝達された衝撃、振動等を減
衰させるシートサスペンション装置が、車両等のシート
に装着されている。
【0003】このようなシートサスペンション装置にお
いては、通常、略X形状に組立てられた一対の内方リン
クアーム、外方リンクアームからなる伸縮自在のリンク
が、上枠、下枠間に介在されている。そして、各リンク
アームを立上げ方向に偏倚する偏倚手段からの偏倚力
が、下枠に対する上枠へのサスペンション力として作用
し、サスペンション力によって、上枠、つまりはシート
が懸架、支持されている。
【0004】たとえば、シートサスペンション装置の上
枠、下枠は、通常、予め別部品として成形された前壁、
後壁、左右の側壁等を溶接等によって固定して、所定の
矩形状にそれぞれ組立てられている。そして、上枠、下
枠の左右の側壁を利用して、リンクの基端が回動可能に
取付けられるとともに、リンクの可動端が前後方向に移
動可能に取付けられている。
【0005】また、衝撃、振動等を減衰するためのショ
ックアブソーバが上枠、下枠間に架設、枢着されるとと
もに、偏倚手段からのサスペンション力を調整する体重
調整機構等が上枠に取付けられるため、これらのための
ブラケット等の別部品が、溶接等によって上枠、下枠の
所定箇所にそれぞれ固着されている。
【0006】更に、リンクの内方リンクアーム、外方リ
ンクアームは、左右に離反してそれぞれ配設され、各リ
ンクアームの前端、後端は、コネクティングロッド、コ
ネクティングシャフト等の連結部材に、溶接等によって
それぞれ固定され、対応する連結部材を介して、リンク
アームごとに連動可能に連結されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、公知の構成
においては、予め別部品として形成された多数の部品を
所定形状に組立て、対応する部品間を溶接で固定するこ
とによって、上枠、下枠、リンク等のシートサスペンシ
ョン装置の構成部材がそれぞれ形成されている。
【0008】一般に、公知の構成において、上枠は、1
7点程度の部品の組立て、溶接によって形成されるとと
もに、下枠は、8点程度の部品から形成されている。ま
た、リンクの内方リンクアームは14点程度の部品か
ら、外方リンクアームは8点程度の部品からそれぞれ形
成されている。つまり、公知の構成においては、上枠、
下枠、リンクを形成するための部品がそれぞれ多数必要
となるため、部品点数の増加および構成の複雑化は避け
られない。
【0009】そして、上枠、下枠、リンクが、多数の部
品の溶着によって形成されるため、作業工程が多くな
り、シートサスペンション装置の作業工程の煩雑化によ
り、作業性が低下する。
【0010】更に、このような構成においては、多数の
部品のための金型が、部品の数に対応するだけ必要とな
るため、金型点数も多くなり、部品コスト、金型費の増
大は避けられない。
【0011】また、上枠、下枠、リンクは、いずれも、
対応する各部品間の溶着によって形成されるため、溶接
箇所および溶接対象部材自体に、いわゆる溶接ひずみを
発生する虞れがある。
【0012】たとえば、リンクに溶接ひずみが生じる
と、リンクの組立精度、つまりは組立て後におけるリン
クの部品精度が損なわれ、内方、外方のリンクアームの
相互の揺動や上枠、下枠に対するリンク基端の回動、お
よび、リンク基端に対するリンク可動端の前後移動等が
妨げられる。つまり、溶接ひずみに起因する精度の低下
がリンクに生じると、リンクの円滑な伸縮が十分に確保
できず、着座者に不快感、不安感を与え、着座者の快適
性を低下させる虞れがある。
【0013】また、上枠、下枠の溶接ひずみは、左右の
側壁に距離的、位置的なずれを生じさせる虞れがある。
このような上枠、下枠の側壁のずれは、リンク基端の円
滑な回動、リンク可動端の円滑な移動を妨げるため、こ
の点からも、着座者の快適性が低下し、好ましくない。
【0014】この発明は、部品点数を削減するととも
に、溶接ひずみに起因する部品精度の低下を防止するシ
ートサスペンション装置の提供を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明によれば、上枠および下枠が、少なくとも
前壁、後壁、左右の側壁の一体成形によって所定の形状
にそれぞれ形成されている。また、内方リンクアーム、
外方リンクアームが、前端、後端の連結片とともにリン
クアームごとにそれぞれ一体成形され、連結ピンによる
内方リンクアーム、外方リンクアームの連結、枢着によ
って、略X形状のリンクが形成されている。そして、上
枠とリンクとの間、下枠とリンクとの間、および、上
枠、下枠、リンクに取付けられる各種の別部材が、それ
ぞれ直接的かつ着脱可能に取付けられている。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例
について詳細に説明する。
【0017】図1、図2に示すように、この発明に係る
シートサスペンション装置10は、一対の内方リンクアー
ム12、外方リンクアーム14からなる伸縮自在のリンク16
を備えている。そして、シートを載置する上枠(アッパ
ーフレーム)18が、車床等に固定される下枠(ロアフレ
ーム)20に、リンク16を介して、昇降可能に取付けられ
て、サスペンション力のもとでシートを懸架、支持する
シートサスペンション装置10が構成されている。
【0018】図1に加えて図4を見るとわかるように、
上枠18は、前壁18a 、後壁18b 、左右の側壁18c,18d を
持つ略矩形状とされ、たとえば、下壁からなる段部18e
を前端に有して形成されている。また、図1、図7を見
るとわかるように、下枠20は、上枠18と同様に、前壁20
a 、後壁20b 、左右の側壁20c,20dを持つ略矩形状に形
成されている。
【0019】ここで、この発明によれば、前壁18a 、後
壁18b 、左右の側壁18c,18d 、下壁(段部)18e を一体
成形した1部品として、上枠18が形成されるとともに、
前壁20a 、後壁20b 、左右の側壁20c,20d を一体成形し
た1部品として、下枠20が形成されている。このような
上枠18、下枠20は、たとえば、ダイカストによって、ア
ルミニウム合金、亜鉛合金等のダイカスト用合金から所
定形状にそれぞれ一体的に鋳造されている。
【0020】このような構成では、上枠18、下枠20が、
溶接作業を伴うことなく、鋳造作業のみによってそれぞ
れ形成できる。そのため、上枠18、下枠20の組立工程が
不要となり、作業性が向上するとともに、上枠、下枠に
溶接ひずみを生じることもなく、上枠、下枠の部品精度
が向上する。
【0021】図1、図2に加えて図5、図6を見るとわ
かるように、リンク16は、内方リンクアーム12と外方リ
ンクアーム14とを備えて構成されている。
【0022】ここで、この発明においては、内方リンク
アーム12、外方リンクアーム14が、前端、後端の対応す
る連結片22〜25とともにリンクアームごとにそれぞれ一
体成形されている。このような内方リンクアーム12、外
方リンクアーム14は、たとえば、上枠18、下枠20と同様
に、ダイカストによって、アルミニウム合金、亜鉛合金
等のダイカスト用合金から所定形状にそれぞれ一体的に
鋳造されている。
【0023】図5、図6に示すように、内方リンクアー
ム12、外方リンクアーム14は、たとえば、対応する挿通
孔28,29 をほぼ中央にそれぞれ有して形成され、ブッシ
ュ32,33 が、挿通孔にそれぞれ圧入される。そして、連
結ピンとなる段付ボルト36をブッシュ32,33 に連続して
挿通するとともに、段付ボルトへのナット38の螺着によ
って、内方リンクアーム12、外方リンクアーム14が、図
1、図2に示すような略X形状のリンク16として組立て
られている。
【0024】このような構成では、段付ボルト(連結ピ
ン)36を中心とする内方リンクアーム12、外方リンクア
ーム14の相互の揺動により、リンク16が上下方向に伸縮
する。
【0025】そして、このように組立てられたリンク16
は、図1に示すように、上枠18、下枠20間に介在され、
内方リンクアーム12の前端、後端が上枠の前端部、下枠
の後端部に、また、外方リンクアーム14の前端、後端が
下枠の前端部、上枠の後端部にそれぞれ取付けられる。
【0026】図2、図6に示すように、たとえば、内方
リンクアーム12の後端の連結片23は、外方に延出した中
空の延出端23a を左右サイドにそれぞれ有して形成さ
れ、延出端の各端末に、ブッシュ40がそれぞれ圧入され
ている。また、図6に加えて図7を見るとわかるよう
に、延出端23a の中空部、つまり、ブッシュ40に整列す
る挿通孔42が、下枠20の左右の側壁20c,20d のブロック
部44を貫通して形成されている。
【0027】そして、たとえば、連結片の延出端23a の
ブッシュ40、下枠の挿通孔42にロッド46を連続的に挿通
し、ねじ孔48への止めねじ50の螺着、および、ロッドの
切溝46a への止めねじの当接に伴う、下枠左右サイドで
のロッドの固定によって、連結片23、つまりは内方リン
クアーム12の後端が、下枠後端部の左右サイド間に着脱
可能に架設、軸支される。
【0028】また、図2および図4、図5を見るとわか
るように、外方リンクアーム14の後端、上枠18の側壁後
端部に、互に整列する挿通孔52,54 がそれぞれ形成さ
れ、外方リンクアーム後端の挿通孔52に、ブッシュ56が
圧入される。そして、枢支ピンとなる段付ボルト58をブ
ッシュ56および上枠側壁の挿通孔54に連続的に挿通し、
段付ボルトへのナット60の螺着によって、外方リンクア
ーム14の後端が上枠18の後端部に、着脱可能に枢着され
る。
【0029】ここで、図5、図6を見るとよくわかるよ
うに、たとえば、内方リンクアーム12、外方リンクアー
ム14の前端の連結片22,24 の各端末は、それぞれ中空に
形成され、別部材としてのローラシャフト62がそれぞれ
の端末に挿入されるとともに、スプリングピン等の固定
ピン64によって、ローラシャフトが端末を延出した状態
で固定される。そして、図5、図6に加えて図2を見る
とわかるように、連結片22,24 の各端末のローラシャフ
ト62に、転動子としてのローラ66,67 が、それぞれ回転
可能に取付けられている。
【0030】たとえば、図1、図4を見るとわかるよう
に、内方リンクアーム前端のローラ66の転動可能な断面
略コ字形状のローラガイド70が、上枠18の前端部の左右
にそれぞれ配設され、取付けボルト72によって、上枠前
端部の下面に、着脱可能に取付けられている。そして、
図1に示すように、内方リンクアーム前端のローラ66
が、ローラガイド70の内部に転動可能に配設されてい
る。
【0031】また、図1、図7を見るとわかるように、
外方リンクアーム前端のローラ67のローラガイド74は、
下枠20の左右サイドに形成された転動面76の上方を覆う
形状に形成され、取付けボルト78によって、下枠20に着
脱可能に取付けられている。そして、図1に示すよう
に、外方リンクアーム前端のローラ67が、ローラガイド
74、下枠の転動面76間に転動可能に配設されている。
【0032】このような構成では、内方リンクアーム12
の前端、外方リンクアーム14の前端、つまりはリンク16
の前端16F が、リンクの基端(後端)16R に対して前後
方向に移動するリンクの可動端として形成されている。
そして、リンクの基端16R に対する可動端(前端)16F
の前後移動によって、上枠サイドでの内方リンクアーム
前端、外方リンクアーム後端間の間隔の変化、および、
下枠サイドでの内方リンクアーム後端、外方リンクアー
ム前端間の間隔の変化がそれぞれ保障されて、上下方向
でのリンク16の伸縮が確保される。
【0033】ところで、このようなシートサスペンショ
ン装置10においては、上枠18、下枠20に作用する衝撃、
振動等を吸収、減衰可能なショックアブソーバ80が、上
枠、下枠間に介在されている。図1、図4に示すよう
に、ショックアブソーバ80の一端80a は、たとえば、上
枠18に一体成形されたブラケット82に、段付ボルト等か
らなる枢支ピン84とナット86との螺着によって、回動可
能に取付けられている。
【0034】他方、ショックアブソーバ80の他端80b
は、図1、図6に示すように、たとえば、外方リンクア
ーム後端の連結片23のほぼ中央に一体成形されたブラケ
ット88に、段付ボルト等からなる枢支ピン90とナット92
との螺着によって、回動可能に取付けられている。
【0035】このような構成では、下枠20に対する上枠
18の昇降の度合いに合せて、ショックアブソーバ80が揺
動しながら伸縮し、上枠、下枠に作用する衝撃、振動等
を吸収、減衰して、着座者への衝撃等の伝達を十分に抑
制する。
【0036】なお、ショックアブソーバ80は、公知の構
成とされ、その構成はこの発明の趣旨でないため、詳細
に説明しない。
【0037】また、図1、図3および図4を見るとわか
るように、このようなシートサスペンション装置10は、
偏倚手段94を備えて構成されている。偏倚手段94とし
て、たとえば、引張コイルばねが利用でき、引張コイル
ばねは、リンク16の連結片25と体重調整機構96の係止片
98との間に架設されている。
【0038】体重調整機構96は、通常、上枠18に別部材
として設けられている。そして、体重調整機構96は、た
とえば、外周にねじ部100 を有する調整軸102 と、調整
軸のねじ部の螺合可能なナット104 とを備えて構成さ
れ、係止片98が、ナットに一体的に形成されている。
【0039】図1、図3および図4を見るとわかるよう
に、調整軸102 は、たとえば、上枠18の前壁18a と、下
壁18e に設けられた取付片106 との間に架設、軸支され
る。上枠前壁18a 、取付片106 は、前後方向に整列する
挿通孔108,110 をそれぞれ持ち、各挿通孔にブッシュ11
2,113 がそれぞれ圧入される。そして、調整軸102 が、
上枠前壁の挿通孔108 、取付片の挿通孔110 を連続的に
挿通して上枠前壁18a、取付片106 間に架設されるとと
もに、調整軸の挿通孔116 へのスプリングピン118 の嵌
入によって、離脱不能に軸支される。なお、調整軸102
は、一体的に回転可能なギヤ120 を前端部に有して形成
されている。
【0040】また、図1、図3に示すように、たとえ
ば、調整軸102 から分割して形成されたダイヤル軸122
が、調整軸に隣接して設けられている。ダイヤル軸122
は、たとえば、調整軸のギヤ120 に噛合するピニオンギ
ヤ124 を一体的に有して形成され、図1、図3に加えて
図4を見るとわかるように、調整軸102 と同様に、上枠
前壁18a と、下壁18e に一体的に設けられた取付片126
との間に架設、軸支されている。
【0041】図3、図4を見るとわかるように、上枠前
壁18a 、取付片126 は、前後方向に整列する挿通孔128,
130 をそれぞれ持ち、上枠前壁の挿通孔128 にブッシュ
132が圧入されている。そして、ダイヤル軸122 が、上
枠前壁の挿通孔128 、取付片の挿通孔130 を連続的に挿
通して上枠前壁18a 、取付片126 間に架設されるととも
に、ダイヤル軸の切溝134 へのEリング136 の嵌着によ
って、ダイヤル軸が離脱不能に軸支されている(図1参
照)。
【0042】また、図1、図3に示すように、たとえ
ば、コネクティングシャフト138 が、ダイヤル軸122 の
前端に冠着され、互に整列したそれぞれの挿通孔140,14
2 へのスプリングピン144 の連続的な嵌入によって、コ
ネクティングシャフトがダイヤル軸に固定されている。
そして、コネクティングシャフト138 の前端に、操作ダ
イヤル146 が挿着され、互に整列した操作ダイヤルの挿
通孔148 、コネクティングシャフトの挿通孔150 へのス
プリングピン152 の連続的な嵌入によって、操作ダイヤ
ルが、コネクティングシャフトを介して、ダイヤル軸12
2 に一体的に回転可能に固定されている。
【0043】このような構成では、操作ダイヤル146 の
回転操作力が、ピニオンギヤ124 、ギヤ120 を介して調
整軸102 に伝達され、ピニオンギヤ、ギヤのギヤ比に応
じた回転数のもとで、調整軸が対応する方向に回転され
る。ピニオンギヤ124 、ギヤ120 は、通常、操作ダイヤ
ル146 からの回転を調整軸102 に減速して伝達するよう
に構成されている。
【0044】また、図1、図3を見るとよくわかるよう
に、ナット104 は、左右サイドに延出した係止片98を一
体的に有して形成され、調整軸のねじ部100 に螺合して
配設されている。
【0045】ここで、調整軸102 の回転に伴うナット10
4 の回転を阻止して、調整軸の軸線方向へのナットの移
動を保障するガイド手段154 が、たとえば、ナット、上
枠の下壁18e 間に設けられている。図3、図4に示すよ
うに、ガイド手段154 は、たとえば、ナット104の下面
に突設されたガイドピン156 と、ガイドピンの遊挿可能
な長孔状のガイド孔158 とを備えて構成され、ガイド孔
は、調整軸102 に沿って、前後方向にのびた状態で上枠
の下壁18e に形成されている。
【0046】このような構成では、調整軸102 の回転に
伴うナット104 の回転が、ガイド手段のガイドピン156
、ガイド孔158 間の係合によって十分に阻止され、調
整軸のねじ部100 に対する、調整軸の軸線方向へのナッ
トの螺進、螺退が確保される。
【0047】このような構成において、たとえば、操作
ダイヤル146 を任意の方向に回転操作すると、調整軸10
2 がねじ部100 を伴って対応する方向に回転する。そし
て、ねじ部100 の回転に伴うナット104 の螺進、螺退に
よって、係止片98が前後方向に移動し、リンクの連結片
25との間隔が変動する。すると、係止片98とリンク連結
片25との間隔の変化に伴って、係止片、連結片間に張設
された引張コイルばね(偏倚手段)94の初期張力が加減
されて、サスペンション力が調整される。
【0048】なお、体重調整機構自体の構成は、この発
明の趣旨でないため、この構成に限定されない。
【0049】また、図1、図7に示すように、たとえ
ば、下方への上枠18の過剰な下降を阻止する一対のスト
ッパ160 が、下枠後壁20b の一対の取付片162 に別部材
として取付けられている。ストッパ160 は、たとえば、
一体的なねじ部164 を下端に有して、硬質ゴム等の弾性
材から成形され、取付片162 へのねじ部の螺着によっ
て、下枠20の後端に取付けられている。
【0050】上記のように、この発明のシートサスペン
ション装置10によれば、上枠18、下枠20が、一体成形さ
れた1部品としてそれぞれ形成されるとともに、前端、
後端の連結片22〜25とともにリンクアームごとに一体成
形された内方リンクアーム12、外方リンクアーム14の組
合せによって、リンク16が形成されている。つまり、公
知の構成のもとでは17点程度の部品数からなる上枠、
8点程度の部品数からなる下枠、および、8点程度の部
品数からなる内方リンクアーム、14点程度の部品数か
らなる外方リンクアームが、それぞれ1部品として成形
されるため、シートサスペンション装置10の全体的な部
品点数が大幅に削減できる。
【0051】また、リンク16、上枠18、下枠20、つまり
は構成部材別の組立工程が省略できるため、シートサス
ペンション装置10の全体的な構成の簡素化、作業工程の
簡単化が十分にはかられ、作業性が確実に向上する。
【0052】そして、溶接による組立作業を行なうこと
なく、リンク16、上枠18、下枠20がそれぞれ形成できる
ため、各構成部材に溶接ひずみが発生せず、溶接ひずみ
に起因する部品精度、組立精度の低下が確実に防止でき
る。
【0053】そのため、リンク16の円滑な伸縮やショッ
クアブソーバ80の円滑な揺動が確実に得られ、着座者に
不快感、不安感を与えることもなく、着座者の快適性が
十分に確保できる。
【0054】更に、この実施例のように、リンク16、上
枠18、下枠20を、たとえば、ダイカスト用合金から所定
形状に、それぞれ一体的に鋳造すれば、鋼材等では得ら
れない断面形状が容易に得られる。つまり、鋼材に比較
したダイカスト用合金自体の低重量に加えて、リンク1
6、上枠18、下枠20の剛性に影響のない部分における部
分的な肉薄化、孔、切欠き等による肉抜きを施すことに
よって、鋼材等を溶接で固定する公知の構成に比較し
て、約20%の減量が可能となる。そのため、シートサ
スペンション装置10の軽量化が十分にはかられる。
【0055】そして、リンク16、上枠18、下枠20のため
の金型が、それぞれ1組づつで足りる。そのため、金型
費が大幅に削減できるとともに、部品コストが十分に低
減される。
【0056】また、この発明においては、上枠18とリン
ク16との間、下枠20とリンクとの間、および、ショック
アブソーバ80やローラシャフト62、ローラガイド70,74
、ストッパ160 等のような上枠、下枠、リンクに取付
けられる各種の別部材が、それぞれ直接的かつ着脱可能
に取付けられている。そのため、リンク16、上枠18、下
枠20の構成部材やローラガイド70,74 、ショックアブソ
ーバ80等に変形、破損および故障等が生じても、対象部
品のみの取外し、交換が行なえ、シートサスペンション
装置10のメンテナンスが容易に行なえる。
【0057】実施例においては、リンク16の前端16F が
可動端、後端16R が基端として具体化されているが、こ
れに限定されず、これとは逆に、リンクの前端を基端、
リンクの後端を可動端とする構成としてもよい。
【0058】また、着座者の体重、好み等に応じてサス
ペンション力を調整可能とする体重調整機構96を備えた
構成として、シートサスペンション装置が具体化されて
いる。しかし、伸縮自在なリンク16を備えた構成であれ
ば足りるため、これに限定されず、体重調整機構を持た
ない構成のシートサスペンション装置にも、この発明が
応用できる。
【0059】更に、実施例においては、引張コイルばね
を偏倚手段94とする構成として、シートサスペンション
装置10が具体化されている。しかし、これに限定され
ず、たとえば、コンプレッサに接続された空気ばねを偏
倚手段とし、空気ばねからの偏倚力をサスペンション力
として利用する構成の、いわゆるシートのエアサスペン
ション装置に、この発明を応用してもよい。
【0060】なお、この発明のシートサスペンション装
置は、自動車等のシートに適するとはいえ、これに限定
されず、たとえば、電車、飛行機、船舶等のシートに応
用してもよい。
【0061】上述した実施例は、この発明を説明するた
めのものであり、この発明を何等限定するものでなく、
この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも
全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0062】
【発明の効果】上記のように、この発明に係るシートサ
スペンション装置によれば、上枠、下枠が、一体成形さ
れた1部品としてそれぞれ形成されるとともに、前端、
後端の連結片とともにリンクアームごとに一体成形され
た内方リンクアーム、外方リンクアームの組合せによっ
て、リンクが形成されている。そのため、シートサスペ
ンション装置の全体的な部品点数が大幅に削減できると
ともに、リンク、上枠、下枠ごとの組立工程が省略で
き、シートサスペンション装置の全体的な構成の簡素
化、作業工程の簡単化が十分にはかられ、作業性が確実
に向上する。
【0063】そして、溶接による組立作業を行なうこと
なく、リンク、上枠、下枠がそれぞれ形成できるため、
各構成部材に溶接ひずみが発生せず、溶接ひずみに起因
する部品精度、組立精度の低下が確実に防止できる。そ
のため、リンクの円滑な伸縮やショックアブソーバの円
滑な揺動が確実に得られ、着座者に不快感、不安感を与
えることもなく、着座者の快適性が十分に確保できる。
【0064】また、リンク、上枠、下枠をそれぞれダイ
カスト用合金から所定形状に一体的に鋳造すれば、各構
成部材が十分に減量できるため、シートサスペンション
装置が全体的に軽量化される。
【0065】更に、リンク、上枠、下枠のための金型
が、それぞれ1組づつで足りる。そのため、金型費が大
幅に削減できるとともに、部品コストが十分に低減され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るシートサスペンション装置の概
略縦断面図である。
【図2】組立てられたリンクの概略斜視図である。
【図3】体重調整機構を中心とした、シートサスペンシ
ョン装置の概略分解斜視図である。
【図4】上枠を中心とした、シートサスペンション装置
の概略分解斜視図である。
【図5】外方リンクアームを中心とした、シートサスペ
ンション装置の概略分解斜視図である。
【図6】内方リンクアームを中心とした、シートサスペ
ンション装置の概略分解斜視図である。
【図7】下枠を中心とした、シートサスペンション装置
の概略分解斜視図である。
【符号の説明】
10 シートサスペンション装置 12 内方リンクアーム 14 外方リンクアーム 16 リンク 18 上枠 18a 上枠の前壁 18b 上枠の後壁 18c,18d 上枠の側壁 20 下枠 20a 下枠の前壁 20b 下枠の後壁 20c,20d 下枠の側壁 22〜25 リンクアームの連結片 36 連結ピン(段付ボルト) 62 ローラシャフト(別部材) 80 ショックアブソーバ(別部材) 94 偏倚手段(引張コイルばね) 96 体重調整機構(別部材) 160 ストッパ(別部材)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の内方リンクアーム、外方リンクア
    ームからなる伸縮自在の略X形状のリンクを介して、シ
    ートの載置された上枠を下枠に対して昇降可能に取付
    け、偏倚力をサスペンション力として付与する偏倚手段
    によって、シートを懸架、支持するシートサスペンショ
    ン装置において、 上枠および下枠が、少なくとも前壁、後壁、左右の側壁
    の一体成形によって所定の形状にそれぞれ形成されると
    ともに、 リンクの内方リンクアーム、外方リンクアームが、前
    端、後端の連結片とともにリンクアームごとにそれぞれ
    一体成形されて、連結ピンによる内方リンクアーム、外
    方リンクアームの連結、枢着によって、略X形状のリン
    クが形成され、 上枠とリンクとの間、下枠とリンクとの間、および、上
    枠、下枠、リンクに取付けられる各種の別部材が、それ
    ぞれ直接的かつ着脱可能に取付けられたことを特徴とす
    るシートサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 上枠、下枠、および、リンクの内方リン
    クアーム、外方リンクアームが、ダイカストによってそ
    れぞれ一体的に鋳造された請求項1記載のシートサスペ
    ンション装置。
  3. 【請求項3】 一対の内方リンクアーム、外方リンクア
    ームからなる伸縮自在の略X形状のリンクを介して、シ
    ートの載置された上枠を下枠に対して昇降可能に取付
    け、偏倚力をサスペンション力として付与する偏倚手段
    によって、シートを懸架、支持するシートサスペンショ
    ン装置において、 リンクの内方リンクアーム、外方リンクアームが、前
    端、後端の連結片とともにリンクアームごとにそれぞれ
    一体成形されて、連結ピンによる内方リンクアーム、外
    方リンクアームの連結、枢着によって、略X形状のリン
    クが形成され、リンクの前端、後端が、上枠、下枠にそ
    れぞれ着脱可能に取付けられたことを特徴とするシート
    サスペンション装置。
  4. 【請求項4】 少なくともリンクの内方リンクアーム、
    外方リンクアームが、ダイカストによってそれぞれ一体
    的に鋳造された請求項3記載のシートサスペンション装
    置。
  5. 【請求項5】 上枠、下枠間に介在されるショックアブ
    ソーバのための一方のブラケットが、上枠、下枠のいず
    れかの一部分として一体的に成形されるとともに、 他方のブラケットが、リンクの内方リンクアーム、外方
    リンクアームのいずれかの一部分として一体的に成形さ
    れた請求項1ないし4のいずれか記載のシートサスペン
    ション装置。
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