JP2779758B2 - 熱安定性アミン塩を熱再生性アミン塩に転化する方法 - Google Patents

熱安定性アミン塩を熱再生性アミン塩に転化する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体流から熱安定性ア
ミン塩を除くことに関する。特に本発明は、アミンに会
合する熱安定性陰イオンを持つ塩の状態のアミンを、改
良した電気透析域を使用して、アミンに会合する熱再生
性陰イオンを持つ塩の状態のアミンに転化する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】広範な吸収法が酸性ガス、例えば二酸化
炭素、硫化水素、二酸化硫黄、三酸化硫黄、二硫化炭
素、シアン化水素、および硫化カルボニルをプロセスガ
ス流から除く為にアミン類を含む吸収剤を使用すること
を提案している。
【0003】かゝる吸収法は、一般には、1種類以上の
酸性ガスを含有するプロセスガス流を吸収域に通し、そ
こでアミン吸収剤を含有するリーン溶剤(lean solvent)
と接触させる技術を包含している。プロセスガス流に比
較して酸性ガスが減少した生成物ガス流が生成物として
吸収領域から引き出される。アミン吸収剤および吸収さ
れた酸性ガスを含む富化溶剤(リッチソルベント)流も
吸収域から取り出しそして再生域、例えば水蒸気ストリ
ッピング塔に通し、そこで吸収された酸性ガスを溶剤か
ら脱着して、酸性ガスを含むテールガス流(tail gas s
tream)および上述のリーン溶剤流をもたらす。
【0004】かゝる酸性ガス吸収プロセスでの共通の問
題は、吸収−および再生段階の一方または両方の間に副
生成物としてアミンの熱安定性塩がしばしば生じる点で
ある。熱安定性塩は例えば、塩酸または硫酸の様な強酸
がプロセスガス中に存在する場合に生じ得る。熱安定性
塩は、亜硫酸塩陰イオンを硫酸塩陰イオンに酸化する時
にも生じ得る。熱安定性塩を形成する代表的なイオン、
即ち熱安定性陰イオンには例えば硫酸塩陰イオン、チオ
硫酸塩陰イオン、ポリチオナート陰イオン、チオシアナ
ート塩イオン、酢酸塩イオン、蟻酸塩イオンおよび蓚酸
塩イオンが含まれる。
【0005】熱安定性塩は一般に酸性ガスに対する吸収
能力を有しておらず且つプロセスの条件のもとで再生で
きない。それ故に熱安定性塩の濃度を、酸性ガスに対す
る吸収能力を充分な程度に保持する為に制御する必要が
ある。
【0006】電気透析がアミン含有流から熱安定性塩を
除く為の一つの方法として提案されている。代表的な電
気透析法では、熱安定性塩から熱安定性陰イオンを解離
しそして遊離塩基の形のアミンおよび簡単な熱安定性
塩、例えば硫酸ナトリウム塩を提供する為に、苛性アル
カリ、例えば水酸化ナトリウムを熱安定性アミン塩を含
有する流れに添加する。次にこの簡単な塩を、荷電イオ
ンが陰イオン−および陽イオン選択膜を透過する電気透
析によって分離する。非イオンであるアミンはこれらの
膜を透過せず、生成物として電気透析域から排出する。
しばしば、慣用の電気透析法は、所望の量の熱安定性塩
が除かれるまでプロセス流が循環されるバッチ型で運転
する。
【0007】ある種の問題は上述の如き電気透析法を用
いることで生じ得る。例えば、電気透析域からのアミン
生成物が遊離塩基の状態でもたらされるので、吸収の際
に溶剤の減損せしめる過度の揮発が有り得る。更にこの
方法がバッチ法であるので、電解域の各部屋内のpHお
よびイオン強度が不連続的操作で変化する。結果として
電気透析域の膜はしばしば収縮および膨脹を経験しそし
て最終的には機械的損傷を被る。更にアミンが苛性アル
カリ処理段階で遊離塩基の状態に転化されない限度ま
で、アミンが電気透析域の膜を透過する為にアミンの本
質的な損失があり得る。加えて慣用の電気透析は苛性ア
ルカリ源を必要とする。
【0008】
【発明の構成】本発明により、アミンが再生可能な陰イ
オンと会合した塩の状態にある熱再生性塩に熱安定性塩
を転化する為に改善された電気透析域を利用する方法を
提供する。本発明の方法は電気透析域でアミンの高回収
率をもたらし、苛性アルカリの添加を必要とせずそし
て、熱安定性塩とのイオン交換の為にプロセス流を使用
することができる様に、酸性ガスの吸収工程と有効に結
び付けることができる。
【0009】特に本発明は、熱安定性アミン塩を熱再生
性アミン塩に転化する方法において、 (a)陰極室(i)、陽極室(ii)および、陰極室と
陽極室との間において還流室、生成物室、供給室および
酸室の順序で陰極室から陽極室に亘って隣接して成る少
なくとも一つの繰り返し単位を持つ電気透析域(ii
i)に、アミンと会合する熱安定性陰イオンを持つ塩の
状態のアミンを含有する供給流を通し; (b)熱再生性陰イオンの塩または酸を含む還流の流を
還流室に通し; (c)直流電流を各室を横切って流し、この場合該電流
は (1)アミン陽イオンを供給室において熱安定性アミン
塩から解離し、そして生成物室に通し; (2)熱再生性陰イオンを還流室において塩または酸か
ら解離し、そして生成物室に通し;そして (3)熱安定性アミン陰イオンを供給室中で熱安定性ア
ミン塩から解離し、そして酸室に通す;ことを効果的に
行い;そして (d)生成物室からアミンと会合する熱再生性陰イオン
を持つ塩の状態のアミンを含む生成物流を排出すること
を特徴とする、上記方法に関する。
【0010】図1は、熱安定性アミン塩をアミン亜硫酸
塩に転化する本発明に従うプロセス−フローシートを図
示している。
【0011】本発明に従って使用するのに適する供給流
は一般に、アミンと会合する熱安定性陰イオンを持つ塩
の状態のアミンを含有するあらゆる液状流を包含する。
代表的には、供給流は水性でありそして遊離塩基の状態
のアミンも含有していてもよい。熱安定性アミン塩の濃
度は供給流全体を基準として一般に約0.1〜25重量
%である。硫化水素および二酸化炭素の酸性ガスを吸収
するプロセスでは、例えば熱安定性アミン塩の濃度はし
ばしば約1〜5重量%である。二酸化硫黄の酸性ガスを
吸収するプロセスでは、例えば熱安定性アミン塩の濃度
はしばしば約4〜15重量%である。遊離塩基の状態の
アミンが存在する場合には、それの濃度は一般に供給流
全体を基準として好ましくは約5〜60重量%、特に好
ましくは約20〜50重量%、そしてしばしば約25〜
45重量%である。水が存在する場合には、水の濃度は
一般に供給流の残量であり、供給流全体を基準として好
ましくは約30〜95重量%、特に好ましくは約40〜
70重量%である。供給流は少量の、例えば約2重量%
より少ない他の成分、例えば消泡剤または酸化防止剤を
含有していてもよい。
【0012】供給流源は一般に酸性ガス吸収法のループ
型溶剤循環系である。しばしば供給流は上述の如き酸性
ガス吸収法の再生域からの、例えば水蒸気ストリッピン
グ塔からのリーン溶剤流のスリップ流、即ち再生溶剤よ
り成る。しかしながら供給流源は本発明の重大な特徴で
はない。更に酸性ガス吸収プロセスで吸収される個々の
酸性ガスも本発明の重大な特徴ではない。代表的な酸性
ガスには硫化水素、および二酸化炭素が含まれる。硫化
水素がプロセスガス流中に存在する場合には、その濃度
は一般に1,000,000容量当たり(“ppmv”)約
10〜50,000部にまたは約30容量%までまたはそ
れ以上に亘っている。二酸化炭素がプロセスガス流中に
存在する場合には、二酸化炭素の濃度は約90容量%ま
たはそれ以上もあっても異常ではないが、一般に約2〜
30容量%である。硫黄酸化物、即ち二酸化硫黄および
/または三酸化硫黄がプロセスガス流中に存在する場合
には、それらの総濃度は一般に約500〜200,00p
pmvである。プロセスガス流は一般に他の成分、例え
ば窒素、水、酸素、炭素原子数1〜4の範囲の低級炭化
水素および低級炭化水素の硫黄誘導体、例えば炭素原子
数1〜4のメルカプタン類を含んでいる。
【0013】本発明の方法は、アミンと会合する熱安定
性陰イオンを持つ塩の状態で存在し得る実質的にあらゆ
るアミンを含有する供給流を処理するのに使用すること
ができる。適するアミンには例えば第一−、第二−また
は第三−配置の状態の脂肪族−、芳香族−およびヘテロ
環式アミン類が包含される。本発明に従って使用するの
に適する代表的なアルカノールアミン類には例えばモノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ジイソプロパノールアミンおよびメチルジエ
タノールアミンが含まれる。代表的なアルキレンアミン
類には例えばエチレンジアミンおよびそれのアルキル誘
導体がある。代表的な芳香族アミンには例えばアニリン
およびキシリジンが包含される。代表的なヘテロ環式ア
ミン類には例えばピペラジンおよびそれの誘導体が包含
される。
【0014】硫化水素および二酸化炭素を吸収する為に
本発明に従って使用される有利なアミン類にはモノアミ
ン類がある。適するモノアミン類の例には例えばモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノー
ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパ
ノールアミンおよびジグリコールアミンがある。
【0015】二酸化硫黄を吸収する為に本発明に従って
使用される有利なアミンはジアミン類である。遊離アミ
ンの状態のジアミンは下記構造式によって表すことがで
きる:
【0016】
【化1】
【0017】式中、R1 は炭素原子数2または3のアル
キレンであり、R2 、R3 、R4 およびR5 は互いに同
じか異なり、水素原子、アルキル(例えば、脂環式アル
キルを含めた炭素原子数1〜約8の低級アルキル)、ヒ
ドロキシアルキル(例えば炭素原子数2〜約8のヒドロ
キシ低級アルキル)、アルアルキル(例えば、炭素原子
数7〜約20)、アリール(しばしば単環式または二環
式)、アルキルアリール(例えば炭素原子数7〜約2
0)、およびR2 、R3 、R4 およびR5 が互いに環構
造を形成してもよい。有利なジアミン類はその安定性の
点から第三ジアミン類である。しかしながら一つまたは
二つ窒素が第一または第二である他のジアミン類も、吸
収剤の化学的反応を最小限にする為に穏やかな酸化また
は熱的条件が存在するという条件のもとで、使用しても
よい。しばしば有利なジアミン類はアミン基の上の置換
基としてヒドロキシアルキル基を有している。ここでは
ジアミン類を詳細に説明しているが、ポリアミン類、即
ち二つより多いアミン基を持つものも本発明の範囲に包
含されていることを当業者は理解するものとする。
【0018】アミンを二酸化硫黄を吸収する為の酸性ガ
ス吸収プロセスで使用する場合には、約300より多く
ない分子量、好ましくは約250より多くない分子量の
遊離アミンの状態のジアミンが有利である。しばしば第
三ジアミン類は下記式で表される:
【0019】
【化2】
【0020】式中、R1 はアルキレン基、好ましくは直
鎖または枝分かれ鎖としての炭素原子数2〜3のアルキ
レンでありそして各R2 は互いに同じか異なり、アルキ
ル基、好ましくはメチルまたはエチル、またはヒドロキ
シアルキル基、好ましくは2−ヒドロキシエチルであ
る。
【0021】好ましくはジアミンの第一のアミン基──
即ち比較的強いアミン──のpKa値は約8.0〜10.6
である。好ましくは第二のアミン基──即ち比較的弱い
窒素──のpKa値は約4.5〜7.3である。アミンのp
Kaは温度で変化するので、均一化の目的でここで触れ
る全てのpKa値は25℃で測定したものである。遊離
塩基の状態の有利なジアミン類の例には以下のものが含
まれる:N,N’,N’−(トリメチル)−N−(2−
ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−エチレンジアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチル−ジアミノメタン、N,
N,N’,N’−テトラキス−(2−ヒドロキシエチ
ル)−エチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジ
ン、N,N,N’,N’−テトラキス−(2−ヒドロキ
シエチル)−1,3−ジアミノプロパン、N’,N’−
ジメチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−エ
チレンジアミン、N’−メチル−N’−(2−ヒドロキ
シエチル)−ピペラジン、N−メチル−N’−(2−ヒ
ドロキシエチル)−ピペラジン、N,N’−ビス(2−
ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−メチル−ピペラ
ジンおよびピペラジン。かゝるアミン類の混合物も有利
である。特に有利なアミン類にはN,N’,N’−(ト
リメチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレン
ジアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチ
ル)−ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピ
ペラジンおよびN,N’−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−ピペラジンがある。
【0022】上記の通り、熱安定性塩はしばしば酸性ガ
ス吸収プロセスの吸収または再生の間に生じる。ここで
用いる通り、“熱安定性塩”という言葉はプロセスの再
生条件のもとで再生されないあらゆるアミン塩を意味す
る。例えばアミンを再生する為の代表的な条件には15
0〜300°Fの温度および約0.3〜2気圧の圧力での
蒸留塔においての水蒸気ストリッピング処理が含まれ
る。熱安定性塩も当業者に、それの陰イオンが非揮発性
の酸またはアミンの強度に比較して強い酸に相当する塩
としても知られている。当業者は、如何なる陰イオンが
特有のアミンおよび酸性ガスに依存して熱安定性塩を形
成し得るかを決めることができる。熱安定性塩を形成す
る代表的イオン、即ち熱安定性陰イオンには例えば硫酸
塩陰イオン、チオ硫酸塩陰イオン、チオシアナート陰イ
オン、ハロゲン化物陰イオン、硝酸塩陰イオン、亜硝酸
塩陰イオン、ポリチオナート陰イオン、酢酸塩陰イオ
ン、蟻酸塩陰イオン、蓚酸塩陰イオンおよびそれらの混
合物がある。以下に定義した、しばしば熱再生性陰イオ
ンである亜硫酸塩陰イオンも、例えばモノアミンを使用
する硫化水素−または二酸化炭素−吸収法において存在
する場合に、熱安定性があり得る。なお、°Fは 9/5×
℃+32℃によって換算する。以下の記載においても同様
である。
【0023】ここで使用する「熱再生性アミン塩」とい
う言葉は、上記プロセスの再生条件のもとで再生される
任意のアミン塩を意味する。本発明によれば、改善され
た電気透析域は、アミンに会合する(上述の如き)熱安
定性陰イオンを持つ塩の状態のアミンを、アミンに会合
する熱再生性陰イオンを持つ塩の状態のアミン、すなわ
ち、熱再生性アミン塩に転化するのに利用する。熱再生
性アミン塩を形成する代表的なイオン、即ち熱再生性陰
イオンには、例えば亜硫酸陰イオン類、硫化物陰イオン
類、水硫化物陰イオン類および炭酸塩陰イオン類が包含
される。
【0024】ここで使用されている通り、“亜硫酸塩陰
イオン類”という言葉はSO3 -2の如き亜硫酸塩陰イオ
ン、HSO2 - の如き亜硫酸水素塩陰イオンまたはS2
5 -2の如きジ亜硫酸塩陰イオン(ピロ亜硫酸水素陰イ
オンとしても知られている)を意味しそして“炭酸塩陰
イオン類”という言葉はCO3 -2の如き炭酸塩陰イオン
およびHCO3 - の如き炭酸水素塩イオンを意味する。
熱安定性陰イオンの転化は、アミン陽イオンが再生性陰
イオンを含む部屋を通ることができる様に、電気透析域
の部屋の配置を改良することによて達成される。
【0025】電気透析域は陽イオンを引きつける陰極
室、陰イオンを引きつける陽極室および、還流室、生成
物室、供給室および酸室を含む少なくとも一つの繰り返
し単位で構成されている。還流室は陰極室と陽極室との
間に位置している。生成物室は還流室と陽極室との間に
位置している。供給室は生成物室と陽極室との間に位置
している。酸室は供給室と陽極室との間に位置する。
【0026】繰り返し単位中の各部屋は膜によって分離
されている。還流室および生成物室は陰イオン選択性膜
で分離されている。生成物室と供給室とは陽イオン選択
性膜で分離されている。供給室と酸室は陰イオン選択性
膜で分離されている。酸室と隣接する繰り返し単位の還
流室とは陰イオン選択性膜で分離されている。ここで使
用している通り、“陽イオン選択性膜”という言葉は陰
イオンより多く陽イオンを選択的に透過する膜を意味す
る。ここで使用している通り、“陰イオン選択性膜”と
いう言葉は陽イオンより多く陰イオンを選択的に透過す
る膜を意味する。一般にかゝる膜に関する詳細は当業者
の周知のところである。しかしながら特に有利な膜には
ポリビニルクロライドを基礎とするものが含まれる。有
利な陽イン選択性膜の例には徳山ソーダ株式会社、東
京、日本から入手できるネオセプタ(Neosept
a)CM2およびCMX膜が含まれる。有利な陰イオン
選択性膜の例には徳山ソーダ株式会社から入手できるネ
オセプタ(Neosepta)AM3およびAMX膜が
含まれる。
【0027】一般に電気透析域には約10〜500の繰
り返し単位、好ましくは約40〜200の繰り返し単位
が含まれている。プロセス流は一般に各部屋を互いに並
流方向に通過する。要するに共通の部屋の入口および出
口、例えば生成物室は一般に一つの共通のマニホールド
−システムによって連結されている。電気透析域の操作
条件およびデザインに関する更なる詳細は当業者に知ら
れている。
【0028】電気透析域の操作では、供給流を供給室に
通し、そこでアミン陽イオンが熱安定性陰イオンから解
離する。アミン陽イオンは陽イオン選択性膜を透過して
生成物室に入る。熱安定性陰イオンは陰イオン選択性膜
を透過して酸室に入る。減少した濃度の熱安定性塩を別
として実質的に同じ組成を持つ供給排出流を供給室から
排出する。
【0029】熱再生性陰イオンの塩または酸を含む還流
流を還流室に導入し、そこで塩または酸の陽イオンを熱
再生性陰イオンから解離しそして陽イオン選択性膜を透
過して隣接する酸室にその陽イオンが到る。熱再生性陰
イオンは陰イオン選択性膜を透過しそして生成物室に通
る。熱再生性陰イオンの代表的な塩には、アルカリ金属
亜硫酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカル土類金属亜硫
酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩およびそれらの混合物が
包含される。熱再生性陰イオンの特に有利な塩には、炭
酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫化
ナトリウム、水硫化ナトリウム、炭酸マグネシウム、亜
硫酸マグネシウムおよび亜硫酸カリウムがある。熱再生
性陰イオンの代表的な酸には硫酸、カルボン酸および硫
化水素が含まれる。熱再生性陰イオンの酸の為の有利な
源は、酸性ガス吸収プロセスの再生域の蒸留塔のヘッド
にある。かゝる流れはしばしば1種以上の上記の酸を含
有している。低下した酸濃度を除いて、還流流と実質的
に同じ組成の還流排出液流を還流室から排出する。
【0030】アミンと会合した熱再生性陰イオンを持つ
塩の状態のアミンを含む生成物流を生成物室から排出す
る。一般にキャリヤー流、好ましくは水性キャリヤー
は、流速および生成物流中の熱再生性塩の濃度を制御す
る為に、生成物室に導入する。本発明によれば、生成物
流中に含まれるアミンは、塩の状態で存在しているので
実質的に非揮発性であり、このことが特に有利である。
アミンが塩の状態であっても、熱再生性陰イオンが酸性
ガス吸収プロセスで吸収される陰イオンよりも弱い陰イ
オンである場合には、そのアミンが吸収剤として役立ち
得る。例えば二酸化硫黄の吸収いおいては、亜硫酸塩−
および炭酸塩陰イオンの両方が熱再生性陰イオンとして
使用するのに適している。亜硫酸塩アミンは亜硫酸塩/
亜硫酸水素塩−吸収サイクルを経て二酸化硫黄を吸収す
る能力を示す。炭酸塩陰イオンを使用する場合には、そ
れらは吸収域において、二酸化硫黄がプロセスガス流か
ら吸収される時に生じる亜硫酸塩陰イオンに容易に交換
される。亜硫酸塩陰イオンは炭酸塩陰イオンより強い陰
イオンである。次に追加的な二酸化硫黄の吸収が亜硫酸
塩/亜硫酸水素塩−吸収サイクルを経て進行し得る。硫
化水素吸収プロセスでは硫化物陰イオン、水硫化物陰イ
オンおよび炭酸塩陰イオンは熱再生性陰イオンとして使
用するのに適している。
【0031】熱安定性陰イオンの塩または酸を含む酸流
を、酸室から排出する。熱安定性陰イオンの代表的塩に
は例えばアルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属ハロゲン化
物、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ土類金属ハロゲ
ン化物、アルカリ金属硝酸塩および−亜硝酸塩、アルカ
リ土類金属硝酸塩および−亜硝酸塩、アルカリ金属酢酸
塩、アルカリ土類金属酢酸塩、アルカリ金属チオシアナ
ート、アルカリ土類金属チオシアナート、アルカリ金属
チオ硫酸塩およびアルカリ土類金属チオ硫酸塩およびそ
れらの混合物が含まれる。有利な熱安定性陰イオンの塩
には硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、ナトリウム−チオシアナートおよびナトリウム−チ
オスルファートがある。好ましくは塩は上記流れに溶解
しそして溶液から析出沈澱しない。かゝる沈澱は電気透
析域の操作に逆の影響を及ぼす。熱安定性陰イオンの代
表的な酸には例えば硫酸、塩酸、弗化水素酸、硝酸、亜
硝酸および酢酸がある。キャリヤー流、好ましくは水性
キャリヤーは、酸流の流速および酸流中の酸の濃度を制
御する為に、酸室に導入する。酸流は生成物としてプロ
セスから除いてもよいしまたは場合によっては酸性ガス
吸収プロセスで例えば予備洗浄液として使用して微粒子
および重金属を除く。
【0032】供給流および還流流は一回流過的にまたは
循環的に電気透析域に導入してもよい。電気透析域を循
環的に運転する場合には、供給排出液流および還流排出
液流の一部をそれぞれ供給室および還流室に戻す。かゝ
る流を循環する為の方法は当業者に一般に知られてい
る。しかしながら一般には保持タンク(holding tanks)
を使用し、それによって供給流および還流流を個々の保
持タンクに導入する。次に供給室および還流室に現実に
導入される各流れを保持タンクから得る。同様に供給排
出液流および還流排出液流はそれぞれの保持タンクに導
入される。このやり方で運転する場合には、保持タンク
への供給流および還流流の現実の流速が実質的に比較的
低くても、電気透析域の各部屋内で実質的にあらゆる所
望の流速を維持することができる。次に排出液流は、一
定の状態の濃度に維持する為に、供給流および還流流の
流速に等しい流速で保持タンクから引き出される。
【0033】本発明によれば、酸性ガスの吸収の邪魔を
実質的にしない充分に低い濃度に、酸性ガス吸収プロセ
スの吸収域に供給されるリーン溶剤中の熱安定性塩の水
準を維持することが可能である。
【0034】吸収剤が例えば硫化水素および二酸化炭素
を吸収する為にモノアミンを含有する場合には、再生し
た吸収剤中の熱安定性塩の濃度は1モルのアミン当たり
好ましくは約0.25当量より少ない、特に好ましくは
1モルのアミン当たり約0.10当量より少ない。
【0035】吸収剤が例えば二酸化硫黄を吸収する為に
ジアミンを含有する場合には、再生した吸収剤中の熱安
定性塩の濃度は、塩の状態の第一のアミン基に吸収能力
を提供する為に、ジアミン1モル当たり一般に約1当量
より少なく、好ましくは0.8当量より少なくそして特に
好ましくは0.1〜0.6当量である。更に、平均して少な
くとも約20%の塩の状態の第一アミン基、特に平均し
て少なくとも約50%の塩の状態の第一アミン基が熱再
生性陰イオン、例えば亜硫酸陰イオンと会合しているの
が有利である。
【0036】本発明の方法におけるアミンの回収率は全
く驚くべきことに非常に高い。一般にアミンの回収率は
少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、更に
好ましくは少なくとも95%でありそして特に好ましく
は少なくとも99%である。この回収率は、供給室に導
入されるアミンの全体量(遊離塩基および塩の状態の両
方)から酸室からの排出液中のあらゆるアミンの損失量
を減じて、供給室に導入されるアミンの量で割ることに
よって容易に算出できる。如何なる特別な理論に結び付
けることなしに、高い回収率が電気透析域内の各部屋の
配置によると思われる。本発明において、アミン陽イオ
ンは供給−および生成物室の間の陽イオン選択性膜だけ
を実質的に透過し得る。還流室が生成物室から陰イオン
選択性膜によって分離されているので、非常に僅かのア
ミン陽イオン、例えば一般に約2%より少ないアミン陽
イオンが透過して還流室に入ることができる。反対に、
代表的な電気透析法では、不完全な苛性アルカリ処理の
結果として残るあらゆるアミン陽イオンが簡単な塩の陽
イオンと同様に同じ陽イオン選択性膜を容易に透過しそ
して副生成物と一緒に失われる。加えて天然のアミン類
は浸透圧差の為に両方の方向に透過しそして簡単な塩イ
オンを運搬する水を用いて物理的に実施することができ
る。それ故に、本発明に従うアミンの回収率は慣用の電
気透析法でのアミンの回収率よりも実質的に高い。
【0037】図1に本発明に従うプロセス−フローシー
トを図示する。このプロセス−フローシートは、最初に
記載した特許請求の範囲を制限するものではない。当業
者は、このプロセス−フローシートに種々の一般的な方
法装置、例えば熱交換器、ポンプ、コンプレッサー、蒸
留塔、加熱器、方法制御システム等は図示していないこ
とは当業者には判ることである。
【0038】図1 図1は熱安定性アミン塩、即ち塩化物を熱再生性アミン
塩、即ち炭酸塩に電気透析域で転化することを図示して
いる。
【0039】約500ppmvの硫化水素、10モル%
の二酸化炭素、5モル%の水、1モル%の塩酸を含有し
そして残量がメタンおよび窒素であるプロセスガス流
を、導管10を通してプロセスに導入しそして吸収域1
00に通す。吸収域100では供給プロセス流を導管1
1を通してリーン溶剤流と接触させる。後で定義する、
供給プロセス流の源は約30重量%のメチルジエタノー
ルアミンを含有しており、残りは殆ど水である。リーン
溶剤流は消泡剤および腐食防止剤も含有している。液/
気−供給比(“L/G”)は標準状態で1000立法フ
ィートのプロセスガス当たり少なくとも1.5ガロンのリ
ーン溶剤である。吸収域100は約100〜160°F
の温度および約2 00psiaの圧力に維持しそして充
填式洗浄塔で構成されており、それの詳細は当業者に知
られている。この特別な吸収装置は本発明を制限しな
い。硫化水素を吸収する間に、アミンの熱安定性塩、即
ちアミンに会合する塩化物陰イオンを持つものが生じ
る。なお、フィートは30.5cmとして大略換算し、ま
たpsiは0.07kg/cm2 として大略換算する。以
下の記載においても同様である。
【0040】供給ガス流に比較して硫化水素中で消耗さ
れる生成物ガス流の少なくとも一部分は、導管12を通
って吸収域100から排出される。
【0041】吸収した硫化水素およびアミンを含むリッ
チソルベント流は導管13を通って吸収域100から排
出され、導管14の処理された溶剤流──後で規定する
源泉──と一緒に成りそして導管15を通って再生域1
10に通される。再生の間に硫化水素および二酸化炭素
は吸収剤から開放される。再生域110は、約150〜
300°Fの温度および約25psiaの圧力での水蒸
気ストリッピング条件のもとで運転されそして当業者に
よって決められ得る適当な数の蒸留段数を持つ蒸留塔で
ある。再生の為の特別の方法または装置は本発明を制限
しない。再生域並びに吸収域で熱安定性塩が生じること
は異常ではない。
【0042】二酸化炭素、硫化水素および水を含む再生
器頭頂流は導管16を通って再生域110から排出され
そして冷却器120に通しそして次に導管17を通って
容器130に到る。硫化水素および二酸化炭素を含むテ
ールガス流は導管18を通って容器130から排出され
る。硫化水素および炭酸の水性凝縮液を含む還流流は導
管19を通って容器130から排出される。還流流の一
部──通常10%より少なく、好ましくは約5%より少
なくそして特に好ましくは約2%より少ない──は導管
20を通って、後で説明する電気透析域140に到る。
還流流は一般に、再生域における運転条件次第で、全部
で二酸化炭素および硫化水素の約0.1〜0.5重量%を含
有している。一般に還流流のpHは約3〜6である。
【0043】リーン溶剤流と実質的に同じ組成を有しそ
して熱安定性塩を追加的に含む再生溶剤流が、導管21
を通って再生域110から排出される。再生溶剤流中の
熱安定性塩の濃度は一般に約0.1〜20重量%であり、
しばしば約1〜12重量%である。再生溶剤流の一部─
─通常約10%より少ない、好ましくは約5%より少な
いそして特に好ましくは約2%より少ない──は導管2
2を通って供給流として電気透析域140に案内され
る。再生溶剤流の残りは上述の通り、導管11を通り吸
収域100に再循環される。再生溶剤流のpHは一般に
約5〜10である。
【0044】電気透析域140は陰極室、陽極室および
約50の繰り返し単位より成り、その各繰り返し単位は
還流室(“R”)、生成物室(“P”)、供給室
(“F”)および酸室(“A”)を含有している。隣接
する繰り返し単位の酸室(“A’”)および還流室
(“R''”)も電気透析域140に図示してある。電気
透析域140にはそれぞれの部屋の間に陽イオン選択性
膜(“C”)および陰イオン選択性膜(“A”)があ
る。電気透析域140中の温度は約90〜130°F
に、しばしば約110°Fに維持する。電流に曝される
膜面積1平方フィート当たり約15〜50アンペアー、
しばしば1平方フィート当たり約30アンペアーの電流
密度の直流電流を電気透析域140の各室を横切って流
す。
【0045】供給室Fではアミン陽イオンが塩化物陰イ
オンから解離する。アミン陽イオンは陽イオン選択性膜
を透過して生成物室Pに到る。塩化物陰イオンは陰イオ
ン選択性膜を透過して酸室Aに到る。還流室Rでは、炭
酸塩陰イオンおよび水硫化物陰イオンが水素陽イオンか
ら解離される。炭酸塩陰イオンは陰イオン選択性膜を透
過して生成物室Pに到る。水素陽イオンは陽イオン選択
性膜を通って隣接する酸室A’に到る。隣接還流室R”
に存在する水素陽イオンは陽イオン選択性膜を透過して
酸室Aに到る。水含有流は導管23および24をそれぞ
れ通って酸室Aおよび生成物室Pに、それらの室に透過
侵入するイオンの為のキャリヤー流として導入される。
【0046】アミンと会合した炭酸塩陰イオンおよび水
硫化物陰イオンを持つ塩の状態のアミンを含有する生成
物流は、導管14を通して生成物室Pから排出される。
生成物流14はリッチソルベント流13と一緒になりそ
して上述の通り供給物として再生域110に導入され
る。場合によっては、生成物流は吸収域100に直接的
に添加してもよく、例えばリーン溶剤流11と一緒にす
ることによって添加してもよい。
【0047】塩酸を含有する酸生成物流は導管26を通
して酸室Aから排出される。一般に流れ26中の塩酸の
濃度は約1〜10重量%である。
【0048】熱安定性塩および熱再生性塩の濃度が減少
していることを除いて供給流22と実質的に同じ組成を
持つ供給排出液流は、導管27を通して供給室Fから排
出される。供給排出液流27は例えば導管11と一緒に
し、吸収域100に導くかまたは熱安定性塩を更に除く
為に供給室に再循環してもよい。
【0049】低い炭酸−および硫化水素含有量であるこ
とを除いて還流流20と実質的に同じ組成の還流排出液
流は、導管28を通して還流室Rから排出される。還流
排出液流28は例えば導管14と一緒にしそして再生域
110に通すかまたは更にイオン運搬の為に還流室に再
循環するかまたは導管25を通して再生域110に戻し
てもよい。還流流20の流速は、生成物室Pにおいて硫
化物−、水硫化物−または炭酸塩陰イオンがアミン陽イ
オンと充分に会合しそして還流室R中に存在するあらゆ
るアミン陽イオン(少量のアミン陽イオンは生成物室P
から陰イオン選択性膜を透過して還流室Rに到る)が酸
室A’に透過するのを充分に抑制する程であるのが有利
である。
【0050】本発明を特別な特徴に関して詳細に説明し
たが、当業者ならば、以下の他の変法も特許請求の範囲
内で可能であることを理解する。例えば、イオン運搬を
増進する為に、イオン交換樹脂を本発明の電気透析に関
連付けて利用することが予期できる。特に熱安定性塩が
アミン炭酸塩または水硫化物に転化される本発明の思想
において、これは有利である。更に電気透析の当業者
は、電導率の為に陰イオンおよび陽イオンを供給する為
に電極洗浄用溶液がしばしば陽極−および陰極室に通さ
れることを知っている。しかしながら本発明の方法にお
いては再生域からの──例えば硫酸を含有する──還流
流の一部をこの目的に使用するのが有利であり得る。更
に、電気透析域は一般に再生性アミン塩を提供するが、
ジアミンの場合には、電気透析域は、第一アミン基が塩
の状態でありそして第二アミン基が遊離塩基の状態であ
るアミン塩の他に、第一のアミン基または第一および第
二のアミン基の両方が該アミンと会合して熱再生性陰イ
オンを持つ塩の状態のアミンを提供し得る。
【0051】更に、酸性ガス吸収プロセス、例えば二酸
化硫黄吸収プロセスで使用する場合には、水蒸気ストリ
ッピングの替わりに第一再生手段として本発明の電気透
析域を使用することができる。かゝる操作方法では、リ
ッチソルベント流を電気透析域に通しそして還流流、特
に炭酸含有のものを還流室に通す。従って両方の熱安定
性陰イオン、例えば硫酸塩陰イオン、および熱再生性陰
イオン、例えば亜硫酸陰イオンを弱い熱再生性陰イオ
ン、例えば炭酸塩陰イオンに交換して、リーン溶剤とし
て吸収域に戻すことのできる処理溶剤流を形成してもよ
い。またジアミンの場合には、陰イオンの相応する酸が
吸収される酸性ガスよりも弱い酸である様なその陰イオ
ンと会合して第一のアミン基が塩の状態であるジアミン
を含有する生成物流を提供する為に電気透析域を運転す
る場合には、生成物流を研磨または後洗浄の為に使用す
ることができ、吸収法からの排出ガス流は更に酸性ガス
を除去する為に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に従う方法のフローシート図であ
る。図中の記号は以下を意味する:
【符号の説明】
100 吸収域 110 再生域 120 冷却域 130 容器 140 電気透析域 R 還流室 P 生成物室 F 供給室 A 酸室 A’ 隣接する繰り返し単位の酸室 R'' 隣接する繰り返し単位の還流室 A 陰イオン選択性膜 C 陽イオン選択性膜
フロントページの続き (72)発明者 ベロニク、ロイ カナダ国、エイチ7イー 3エイ8、ケ ベック州、ラバル、ビンセント−デ−ポ ール・ストリート、ミビル−デセンス 924番 (72)発明者 レオ、アーネスト、ハッカ カナダ国、エイチ9ジー 2ケイ4、ケ ベック州、ダラード・デス・オーモー、 ブラウニング・ドライブ 48番 (72)発明者 ジーン、アイオアニス、サーリス カナダ国、エイチ7ジー 3イー1、ケ ベック州、ラバル、ポント−バイウ、ジ ュービンビル 94番 (56)参考文献 特開 昭63−267747(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 61/44

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱安定性アミン塩を熱再生性アミン塩に
    転化する方法において、 (a)陰極室(i)、陽極室(ii)および、陰極室と
    陽極室との間において還流室、生成物室、供給室および
    酸室の順序で陰極室から陽極室に亘って隣接して成る少
    なくとも一つの繰り返し単位を持つ電気透析域(ii
    i)に、アミンと会合する熱安定性陰イオンを持つ塩の
    状態のアミンを含有する供給流を通し; (b)熱再生性陰イオンの塩または酸を含む還流の流を
    還流室に通し; (c)直流電流を各室を横切って流し、この場合該電流
    は (1)アミン陽イオンを供給室において熱安定性アミン
    塩から解離し、そして生成物室に通し; (2)熱再生性陰イオンを還流室において塩または酸か
    ら解離し、そして生成物室に通し;そして (3)熱安定性アミン陰イオンを供給室中で熱安定性ア
    ミン塩から解離し、そして酸室に通す; ことを効果的に行い;そして (d)生成物室からアミンと会合する熱再生性陰イオン
    を持つ塩の状態のアミンを含む生成物流を排出すること
    を特徴とする、上記方法。
  2. 【請求項2】 上記電流通過の間に、酸室に隣接する他
    の繰り返し単位の還流室の熱再生性陰イオンの塩または
    酸からの陽イオンを上記酸室に通す請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 熱安定性陰イオンの塩または酸を含む酸
    流を酸室から排出する請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 熱安定性陰イオンを硫酸塩陰イオン、チ
    オ硫酸塩陰イオン、ポリチオナート陰イオン、チオシア
    ナート陰イオン、蟻酸塩陰イオン、ハロゲン化物陰イオ
    ン、硝酸塩陰イオン、亜硝酸塩陰イオン、酢酸塩陰イオ
    ン、蓚酸塩陰イオンおよびそれらの混合物から成る群か
    ら選択する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 熱再生性陰イオンを亜硫酸陰イオン、硫
    化物陰イオン、炭酸塩陰イオン、水硫化物陰イオンおよ
    びそれらの混合物より成る群から選択される請求項1に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 供給流が、アミンと会合する熱安定性陰
    イオンを持つ塩の状態のアミン0.1〜25重量%、遊
    離塩基の状態のアミン5〜60重量%および水30〜9
    5重量%を含む請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 熱再生性陰イオンの塩をアルカリ金属亜
    硫酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属亜硫酸
    塩、アルカリ土類金属炭酸塩およびアルカリ金属硫化物
    および水硫化物より成る群から選択する請求項1に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 熱再生性陰イオンの酸を亜硫酸、炭酸お
    よび硫化水素より成る群から選択する請求項1に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 熱安定性陰イオンの塩をアルカリ金属硫
    酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属硫
    酸塩、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカル金属硝
    酸塩および亜硝酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩および亜
    硝酸塩、およびそれらの混合物より成る群から選択する
    請求項3に記載の方法。
  10. 【請求項10】 熱安定性陰イオンの酸を硫酸、塩酸、
    弗化水素酸、硝酸、亜硝酸、酢酸およびそれらの混合物
    から選択する請求項3に記載の方法。
JP5343325A 1992-12-18 1993-12-17 熱安定性アミン塩を熱再生性アミン塩に転化する方法 Expired - Lifetime JP2779758B2 (ja)

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