JP2778152B2 - 3―(2―シクロヘキサノイル)プロピオン酸エステル類の製造法 - Google Patents

3―(2―シクロヘキサノイル)プロピオン酸エステル類の製造法

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JP2778152B2 JP1247409A JP24740989A JP2778152B2 JP 2778152 B2 JP2778152 B2 JP 2778152B2 JP 1247409 A JP1247409 A JP 1247409A JP 24740989 A JP24740989 A JP 24740989A JP 2778152 B2 JP2778152 B2 JP 2778152B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はシクロヘキサノン類とアクリル酸エステル類
からの3−(2−シクロヘキサノイル)プロピオン酸エ
ステル類の製造法の改良に関する。
3−(2−シクロヘキサノイル)プロピオン酸エステ
ル類は香料工業や染料工業において重要な化合物であ
り、更に医薬や農薬の中間体となる化合物である。
(従来技術) 従来、3−(2−シクロヘキサノイル)プロピオン酸
エステル類はシクロヘキサノン類、アクリル酸エステル
類および触媒を同一反応槽に一括仕込み、約90〜200℃
で反応させて製造していた。(特公昭56−52894号) (発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の方法ではシクロヘキサノン類、
アクリル酸エステル類および触媒の混合比や反応温度に
よる多数の副生成物を生じ、また3−(2−シクロヘキ
サノイル)プロピオン酸エステル類の収率および選択率
は、アクリル酸エステル類を基準とした場合、それぞれ
80%および89%程度であり、アクリル酸エステル類の転
化率も94%程度であり、必ずしも満足すべきものではな
かった。
本発明者は収率及び効率のよい3−(2−シクロヘキ
サノイル)プロピオン酸エステル類の製造法について鋭
意研究を重ねた結果、アクリル酸エステル類を連続的に
添加することにより収率が向上することを見出し、本発
明を完成するに至った。
(課題を解決するための手段) すなわち本発明は一般式(I)、 で示されるシクロヘキサノン類(式中、R1〜R4はそれぞ
れ水素原子、メチル基またはエチル基を表し、R1〜R4
うち少なくとも2つの基は水素原子である。)と一般式
(II)、 CH2=CHCOOR5 (II) (式中、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示
されるアクリル酸エステル類を触媒の存在下に反応させ
て一般式(III)、 で示される3−(2−シクロヘキサノイル)プロピオン
酸エステル類(式中、R1〜R5は前記した基と同一であ
る。)を製造するにあたり、触媒とシクロヘキサノン類
との混合物にアクリル酸エステル類を添加しながら反応
させることを特徴とする3−(2−シクロヘキサノイ
ル)プロピオン酸エステル類の製造法である。
一般式(I)で表されるシクロヘキサノン類として
は、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、
3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサ
ノン、2−エチルシクロヘキサノン、3−エチルシクロ
ヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,3−ジメ
チルシクロヘキサノン、2,4−ジメチルシクロヘキサノ
ン、2,5−ジメチルシクロヘキサノン、3,4−ジメチルシ
クロヘキサノン、3,5−ジメチルシクロヘキサノン、2,3
−ジエチルシクロヘキサノン、2,4−ジエチルシクロヘ
キサノン、2,5−ジエチルシクロヘキサノン、3,4−ジエ
チルシクロヘキサノン、3,5−ジエチルシクロヘキサノ
ン、2−メチル−4−エチルシクロヘキサノン、2−エ
チル−5−メチルシクロヘキサノン、3−メチル−4−
エチルシクロヘキサノン等が挙げられる。
一般式(II)で表されるアクリル酸エステル類として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル
等が挙げられる。
アクリル酸エステル類はシクロヘキサノン類1モルに
対し約0.5〜0.8モル用いられる。
本発明において用いられる触媒は、エチルアミン、プ
ロピルアミン等の一級アミン類、ジエチルアミン、ピロ
リジン、ピペリジン等の二級アミン類、トリエチルアミ
ン等の三級アミン類、ナトリウムエチラート等のアルコ
キサイド、アンモニア等が挙げられる。
触媒の使用量は少ないと反応速度が遅く、逆に多いと
反応速度は速いが、副生成物が多くなり目的物の収率が
低下することから、アクリル酸エステル類1モルに対し
約0.005〜0.2モル、好ましくは約0.02〜0.08モル用いら
れる。
反応は約80〜200℃、好ましくは約110〜150℃の温度
で行われる。反応温度が低いと反応活性がなく、約250
℃をこえる温度で反応を行うと副生成物を多く生じ、か
つ原料の分解等が促進されるので好ましくない。
反応は触媒を含むシクロヘキサノン類を撹拌しながら
所定の温度に加熱し、アクリル酸エステル類を添加しな
が反応させる。アクリル酸の添加速度は1kgのシクロヘ
キサノン類に対して約2〜6ml/minである。早すぎると
副生物が多くなり好ましくない。アクリル酸エステル類
の添加は連続して、または間歇的に行われる。
反応は触媒を用いて行うこともでき、溶媒としては、
フェニルエーテル、ベンジルエーテル、エチルナフタリ
ン、メチル−α−ナフチルエーテル、ジメチルビフェニ
ル、ドデカン、テトラデカン、テトラリン、アセトフェ
ノン、フェニルプロピルケトン、安息香酸メチル、グル
タミン酸メチルが挙げられる。
通常、反応終了後、蒸留により未反応のシクロヘキサ
ノン類および場合により用いた溶媒を回収し、さらに3
−(2−シクロヘキサノイル)プロピオン酸エステル類
が分離される。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、3−(2−シクロヘキサノイ
ル)プロピオン酸エステル類の収率および選択率が、ま
たアクリル酸エステルの転化率も従来に比べて非常に向
上する。
(実施例) 以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げ
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 シクロヘキサノン430g、ピロリジン8.7gとを混合し、
撹拌しながら温度を110℃まで上昇させた。その後アク
リル酸メチル250gを1.7ml/minの割合で滴下し、温度を1
50℃に保ちながら7.5時間反応させた。
反応終了後、未反応のシクロヘキサノンを蒸留により
回収した。その後、反応混合物をガスクロマトグラフィ
ーにより分析した結果、アクリル酸メチル類の転化率は
97.6%であり、3−(2−シクロヘキサノイル)プロピ
オン酸メチルの収率および選択率はアクリル酸エステル
を基準としてそれぞれ95.2%および97.5%であった。
比較例1 シクロヘキサノン430g、ピロリジン8.7gおよびアクリ
ル酸メチル250gを混合し、撹拌しながら温度を上昇させ
た。初めのの3時間は90℃で、その後は温度を150℃に
保ちながら7.5時間反応させた。
反応終了後、未反応のシクロヘキサノンを蒸留により
回収した。その後、反応混合物をガスクロマトグラフィ
ーにより分析した結果、アクリル酸メチルの転化率は9
3.8であり、3−(2−シクロヘキサノイル)プロピオ
ン酸メチルの収率および選択率はアクリル酸エステルを
基準としてそれぞれ80.6%および85.9%であった。
実施例2 シクロヘキサノン270g、ピロリジン6.3gを混合し、撹
拌しながら温度を110℃まで上昇させた。その後アクリ
ル酸メチル240gを1.7ml/minの割合で滴下し、温度を150
℃に保ちながら7.5時間反応させた。
反応終了後、未反応のシクロヘキサノンを蒸留により
回収した。その後、反応混合物をガスクロマトグラフィ
ーにより分析した結果、アクリル酸メチルの転化率は9
9.1%であり、3−(2−シクロヘキサノイル)プロピ
オン酸メチルの収率および選択率はアクリル酸エステル
を基準としてそれぞれ93.4%および94.2%であった。
実施例3 シクロヘキサノン430g、ピロリジン8.7gとを混合し撹
拌しながら温度を110℃まで上昇させた。その後アクリ
ル酸メチル250gを1.7ml/minの割合で滴下し、温度を150
℃に保つようにし4.5時間反応させた。反応終了後、未
反応のシクロヘキサノンは蒸留により回収した。その
後、反応混合物は、ガスクロマトグラフィーにより分析
し、その結果アクリル酸メチルの転化率は96.5%であ
り、3−(2−シクロヘキサノイル)プロピオン酸メチ
ルの収率及び選択率は、アクリル酸エステルを基準とし
た場合それぞれ94.4%および97.9%であった。
フロントページの続き (72)発明者 藤岡 進 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 河田 格 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−28983(JP,A) 特開 昭58−79956(JP,A) 特開 昭62−258341(JP,A) 特開 昭62−93257(JP,A) 特開 昭49−133324(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/716 C07C 67/347

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)、 で示されるシクロヘキサノン類(式中、R1〜R4はそれぞ
    れ水素原子、メチル基またはエチル基を表し、R1〜R4
    うち少なくとも2つの基は水素原子である。)と一般式
    (II)、 CH2=CHCOOR5 (II) (式中、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示
    されるアクリル酸エステル類を触媒の存在下に反応させ
    て一般式(III)、 で示される3−(2−シクロヘキサノイル)プロピオン
    酸エステル類(式中、R1〜R5は前記した基と同一であ
    る。)を製造するにあたり、触媒とシクロヘキサノン類
    との混合物にアクリル酸エステル類を添加しながら反応
    させることを特徴とする3−(2−シクロヘキサノイ
    ル)プロピオン酸エステル類の製造法。
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