JP2777529B2 - カセットローディング機構 - Google Patents

カセットローディング機構

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JP2777529B2 JP5188015A JP18801593A JP2777529B2 JP 2777529 B2 JP2777529 B2 JP 2777529B2 JP 5188015 A JP5188015 A JP 5188015A JP 18801593 A JP18801593 A JP 18801593A JP 2777529 B2 JP2777529 B2 JP 2777529B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カセットを、シャーシ
に対し着脱させるカセットローディング機構に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来にあっては、カセットローディング
機構は、図8乃至図10に示すように、構成されてい
た。尚、以下の説明では、回転シリンダ(800)が設けら
れている方を後方、カセット(600)装着位置を前方とす
る。図8及び図9に示すように、シャーシ(100)には、
カセット(600)をシャーシ(100)に着脱するフロントメカ
(760)が、取り付けられている。フロントメカ(760)の左
側板(762)と右側板(763)には、カセット(600)が載置さ
れるトレイ(765)が架設され、トレイ(765)の両端から突
出した突起(765a)は、両側板(762)、(763)に開設された
略L字形のガイド溝(764)の前端部に嵌合している。右
側板(763)のガイド溝(764)の下方には、ピニオンギア(7
67)が軸支され、ピニオンギア(767)の前方には、中間ギ
ア(768)を介して、回動ギア(766)が設けられている。回
動ギア(766)には、トーションバネ(761)が同軸に嵌め込
まれ、回動ギア(766)から突出したアーム(766b)に開設
された長溝(766d)には、トレイ(765)の突起(765a)が嵌
合している。トーションバネ(761)の一端部は、回動ギ
ア(766)の回転中心の近傍に設けられたストッパ(766c)
に当接され、他端部は、突起(765a)を後方に押すべく突
起(765a)に当接している。かかる状態で、突起(765a)に
は、トーションバネ(761)による荷重はかかっていな
い。ピニオンギア(767)の下方には、駆動ラック(817)が
前後に摺動自在となるべく設けられ、駆動ラック(817)
はピニオンギア(767)に噛合している。
【0003】シャーシ(100)裏側の後方右側に、軸(814)
が突設され、軸(814)には確動カム(810)が回動自在に嵌
められている。確動カム(810)の下面には、外周から軸
(814)に向かうように、2つのカム溝(810a)、(810b)が
形成されている。確動カム(810)の側方には、軸(815)を
中心に、レバー(816)が回動自在に嵌められ、レバー(81
6)の一端部は一方のカム溝(810a)に嵌められている。レ
バー(816)の他端部は、駆動ラック(817)に係合してい
る。他方のカム溝(810b)には、シャーシ(100)の裏面に
対向して設けられたコントロール板(811)の突起(812)が
嵌合している。コントロール板(811)は走行モードに応
じて、テープ走行系の部品動作を制御する。カセット(6
00)をシャーシ(100)に装填する場合には、確動カム(81
0)を反時計方向に回転させる。レバー(816)は時計方向
に回転して、駆動ラック(817)は前方に移動して、ピニ
オンギア(767)は、時計方向に回動する。回動ギア(766)
も時計方向に回動し、トレイ(765)を、右側板(763)のカ
ム溝(764)に沿って摺動させる。カセット(600)がシャー
シ(100)のカセット受け(604)に接触した状態で、回動ギ
ア(766)を回転させると、図10(b)に示すように、トー
ションバネ(761)が閉じ、弾性復帰力によって、トーシ
ョンバネ(761)の一端部が、トレイ(765)の突起(765a)を
下方に押圧する。従って、トレイ(765)に嵌められたカ
セット(600)は、カセット受け(604)に圧着される。カセ
ットローディング中には、コントロール板(811)の突起
(812)は、カム溝(810b)に沿って摺動するが、コントロ
ール板(811)はスライドしない。カセットローディング
完了後に、確動カム(810)をさらに、反時計方向に回転
させると、レバー(816)は静止状態を保ち、コントロー
ル板(811)は、前方に摺動し、テープ走行系の部品を作
動させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】カセットローディング
完了後にコントロール板(811)を作動させる場合にも、
カム溝(810a)には、レバー(816)及び駆動ラック(817)を
介して、トレイ(765)をカセット受け(604)に圧着させる
力が加わっている。従って、テープ走行系部品を作動さ
せる場合にも、カセット(600)をシャーシ(100)に圧着さ
せる負荷が、確動カム(810)に加わっており、確動カム
(810)のスムーズな回動が困難であった。また、駆動ラ
ック(817)とピニオンギア(767)は、ともに全周に亘って
同一モジュールの歯が形成されているため、駆動ラック
(817)とピニオンギア(767)の相対位置がずれた状態で、
フロントメカ(760)をシャーシ(100)に取り付ける虞れが
あった。本発明は、カセットローディング完了後に、テ
ープ走行系部品を作動させるカムをスムーズに回動さ
せ、かつフロントメカ(760)をシャーシ(100)に取り付け
る際に、トレイ(765)を駆動させるギアと該ギアを駆動
させる機構との相対位置を、確実に定めることを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】シャーシ(100)には、駆動
カム(740)が回動自在に設けられ、駆動カム(740)には側
面に切欠き(740c)を設けた円筒部(740b)が一体に形成
されている。シャーシ(100)にはまた、駆動カム(740)
に係合したホルダ(561)が取り付けられ、ホルダ(561)に
はカセット(600)のシャーシ(100)への圧着時に、切欠き
(740c)と係合すべき突起歯(569)及びフロントメカ(76
0)側部のピニオンギア(767)に噛合可能な突歯(572)が設
けられている。フロントメカ(760)の側部には、トレイ
(765)に連結された回動ギア(766)と回動ギア(766)に噛
合し、かつホルダ(561)と連繋した中間ギア(768)が設け
られている。中間ギア(768)の側部には、滑らかな曲面
を有する凸部(768a)が形成され、回動ギア(766)の側面
には、カセットローディング完了状態で、凸部(768a)と
嵌合してゼネバストップを構成する凹部(766a)が設けら
れている。ホルダ(561)を具えた駆動機構(560)に形成さ
れたラックの一部には、他の歯よりもモジュールの大き
な切欠き歯(361a)が設けられている。フロントメカ(76
0)の側部に設けられたピニオンギア(767)の外周歯面に
は、切欠き歯(361a)と嵌合する大歯(767a)が設けられて
いる。
【0006】
【作用】フロントメカ(760)をシャーシ(100)に取り付け
る場合には、トレイ(765)をカセット(600)挿入可能位
置に引き出す。この状態で、フロントメカ(760)の側面
に取り付けられたギアの大歯(767a)と、駆動機構(560)
の切欠き歯(361a)が嵌合する。トレイ(765)にカセット
(600)を投入すると、駆動カム(740)が回動し、ホルダ(5
61)が摺動する。ホルダ(561)に連繋したピニオンギア(7
67)、中間ギア(768)及び回動ギア(766)が回動し、トレ
イ(765)が移動して、カセットローディングが開始され
る。カセットローディング完了時には、中間ギア(768)
の凸部(768a)と回動ギア(766)の凹部(766a)が嵌合して
ゼネバストップを構成し、カセット(600)はシャーシ(10
0)に圧着された状態を保つ。更に、駆動カム(740)が回
動すると、ホルダ(561)の突起歯(569)と駆動カム(740)
の切欠き(740c)の係合が外れ、突起歯(569)の先端が円
筒部(740b)の側面を摺動しながら、駆動カム(740)は回
動する。
【0007】
【発明の効果】フロントメカ(760)を駆動機構(560)に取
り付ける場合には、他の歯よりもモジュールの大きな切
欠き歯(361a)と大歯(767a)を嵌合させるため、トレイ(7
65)を駆動させるギアと駆動機構(560)との相対位置がず
れることがない。従って、フロントメカ(760)をシャー
シ(100)に取り付ける際の作業性が向上する。また、回
動ギア(766)の凹部(766a)と中間ギア(768)の凸部(768a)
が嵌合した状態で、カセット(600)のシャーシ(100)への
圧着状態を保ち、かつカセットローディング完了後は駆
動カム(740)とホルダ(561)の係合が外れるので、カセッ
トローディング完了後に、駆動カム(740)にカセット(60
0)をシャーシ(100)に圧着させる負荷が加わることがな
い。従って、カセットローディング完了後は、駆動カム
(740)はスムーズに回転する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図面に沿っ
て詳述する。図1に示すように、シャーシ(100)の右端
部は下方に折曲されて、当接板(161)を形成している。
当接板(161)からは、外向きに鍔付きガイド(164)及び支
持ガイド(460)が突出し、鍔付きガイド(164)は、支持ガ
イド(460)の前方に配置されている。シャーシ(100)に
は、フロントメカ(760)が取り付けられ、フロントメカ
(760)の右側板(763)には、従来と同様に、ピニオンギア
(767)、中間ギア(768)及び回動ギア(766)が回動自在に
取り付けられている。ピニオンギア(767)は、中間ギア
(768)よりも外側に突出し、外端部において、外周歯面
の一部には、他の歯よりも大きなモジュールを有する大
歯(767a)が設けられている。大歯(767a)の隣には、台形
状の切欠き(767b)が設けられている。回動ギア(766)の
外周側面の一部には、滑らかな円弧を有する凹部(766a)
が形成されている。中間ギア(768)には、カセットロー
ディング完了時に、凹部(766a)と嵌合すべき凸部(768a)
が外周側面の一部に形成され、凹部(766a)と凸部(768a)
とで、いわゆるゼネバ機構を構成している。ピニオンギ
ア(767)の下方には、駆動機構(560)が当接板(161)に沿
って前後に摺動自在に設けられている。駆動機構(560)
は、前方上端縁に歯面(361)を形成し、中央部に屈曲当
り部(360a)を有しているスライド板(360)と、スライド
板(360)を摺動可能に保持するホルダ(561)を具える。図
4に拡大して示すように、スライド板(360)の歯面(361)
の前端側には、前記大歯(767a)と同一モジュールを有
し、大歯(767a)と噛合すべき切欠き歯(361a)が設けら
れ、切欠き歯(361a)の隣には、前記切欠き(767b)と嵌合
すべき台形歯(361b)が設けられている。
【0009】図1に示すように、ホルダ(561)の前部外
面には、スライド板(360)の前半部が摺接し、スライド
板(360)の後半部は、ホルダ(561)の後部収容空間に前後
に余裕のある状態に納まり、後方に付勢されているとと
もに、スライド板(360)の前端の突片(367)が、ホルダ(5
61)の端面に接することによって、後方への摺動を規制
されている。図3に示すように、ホルダ(561)には前部
と後部に、長手方向に2つの長孔(564)、(565)が並んで
開設され、前部の長孔(564)の中央下方に、1つの突起
歯(569)が左側に突設されている。更にホルダ(561)に
は、突起歯(569)より下方で前後方向に、ラック歯(571)
が突出し、突起歯(569)はラック歯(571)の後端部に対応
して設けられている。ラック歯(571)は、突起歯(569)よ
りも小さく形成されている。ホルダ(561)の長手方向の
略中央部には、上面にラック歯(572)が形成され、図1
に示すように、スライド板(360)の突片(367)が、ホルダ
(561)の前端に当たった状態にて、前記ラック歯(572)は
スライド板(360)に形成された歯面(361)と位相が揃って
いる。スライド板(360)には、ホルダ(561)の長孔(56
4)、(565)と夫々同一形状の長孔(362)、(363)が開設さ
れ、引張バネ(562)により突片(367)がホルダ(561)の端
面に接した状態で、長孔(564)と長孔(362)及び長孔(56
5)と長孔(363)は合わさっている。
【0010】駆動機構(560)及びフロントメカ(760)をシ
ャーシ(100)に取り付ける場合には、まず駆動機構(560)
をシャーシ(100)に取り付ける。支持ガイド(460)に長孔
(565)と長孔(363)、鍔付きガイド(164)に長孔(564)、長
孔(362)を夫々嵌め込むことで、駆動機構(560)は、前後
に摺動自在となるべく取り付けられる。駆動機構(560)
の取付け完了状態で、スライド板(360)の切欠き歯(361
a)を、ピニオンギア(767)の大歯(767a)に嵌合させなが
ら、フロントメカ(760)をシャーシ(100)に取り付ける。
かかる状態で、ホルダ(561)のラック歯(572)は、ピニオ
ンギア(767)の後方に位置して、ピニオンギア(767)から
離間する。また、ホルダ(561)の突起歯(569)とラック歯
(571)は、当接板(161)の下端より下方に位置している。
フロントメカ(760)をシャーシ(100)に取り付ける場合
に、突起(765a)が、ガイド溝(764)の前端に当接してい
ない場合には、大歯(767a)及び切欠き歯(361a)は、スラ
イド板(360)と嵌合すべき位置からずれることになる。
大歯(767a)及び切欠き(767b)は、夫々切欠き歯(361a)及
び台形歯(361b)とのみ嵌合するので、突起(765a)がガイ
ド溝(764)の前端に当接していない場合には、フロント
メカ(760)を駆動機構(560)に取り付けることができな
い。従って、トレイ(765)が、フロントメカ(760)の前方
に引き出されていない状態で、シャーシ(100)に取り付
けられることを、確実に防止できる。
【0011】図7に示すように、左側板(762)の内側に
は、軸(913)を中心に回動自在に従動レバー(769)が設け
られ、該従動レバー(769)は、トレイ(765)の突起(765a)
に係合している。シャーシ(100)の前方左端部には、ス
イッチ操作レバー(911)が枢支され、シャーシ(100)との
間に張架された引張バネ(912)によって、時計方向に付
勢されている。シャーシ(100)上にて、スイッチ操作レ
バー(911)の自由端の近傍には、カセット検出スイッチ
(910)が設けられている。スイッチ操作レバー(911)の先
端部から突出した突起(911a)は、引張バネ(912)によっ
て、前記従動レバー(769)に圧接され、スイッチ操作レ
バー(911)は回動を規制されている。かかる状態でスイ
ッチ操作レバー(911)の自由端部は、カセット検出スイ
ッチ(910)から離間し、カセット検出スイッチ(910)はO
FFの状態になっている。
【0012】図1及び図2に示すように、シャーシ(10
0)の裏側右方から下方に突出した軸(744)には、外周に
歯面(740a)を形成した駆動カム(740)が支持されてい
る。駆動カム(740)の厚み方向の上部は、外周歯面(740
a)のピッチ円と同一の直径を有する円筒部(740b)が、外
周歯面(740a)と同心に形成され、円筒部(740b)には、前
記突起歯(569)が係合可能な切欠き(740c)が形成されて
いる。駆動カム(740)の外周歯面(740a)には、ホルダ(56
1)のラック歯(571)の前端部が噛合し、駆動カム(740)
は、第1中間ギア(742)、第2中間ギア(743)及びウォー
ム(516)を介してモータ(515)に連結されている。駆動カ
ム(740)の上面には、カム溝(741)が形成されている。カ
ム溝(741)は、軸(744)を半径中心とした円弧溝部(741a)
と円弧溝部(741a)の反時計方向側の端から、軸(744)に
向かうように設けられた駆動溝部(741b)が連続して形成
されている。円弧溝部(741a)の時計方向側の端部には、
シャーシ(100)裏面に沿って摺動する制御スライド(430)
の突起(471)が嵌合している。制御スライド(430)は円弧
状で、テープ走行系の部品の動作を制御すべく、半径中
心点Pを中心として回動自在に設けられている。
【0013】(カセットローディング) 図5(a)に示すように、引き出したトレイ(765)に、カセ
ット(600)を挿入すると、カセット(600)に押されて、ト
レイ(765)が後方にスライドするので、回動ギア(766)及
びピニオンギア(767)が時計方向に回動する。しかし
て、モータ(515)が未だ回転していないので、駆動カム
(740)が回転せず、駆動カム(740)に噛合したホルダ(56
1)も摺動しない。従って、ピニオンギア(767)に噛合し
たスライド板(360)が、引張バネ(562)に抗して前方に摺
動し、突片(367)がホルダ(561)の前端面から離間する。
図7に示すように、トレイ(765)の前方への摺動によっ
て、従動レバー(769)が後方に向かって、軸(913)を中心
として回動する。従動レバー(769)とスイッチ操作レバ
ー(911)の突起(911a)との当接が解除され、スイッチ操
作レバー(911)は、引張バネ(912)によって、シャーシ(1
00)との枢支部を中心として時計方向に回動し、スイッ
チ操作レバー(911)の自由端部は、カセット検出スイッ
チ(910)を押込む。カセット検出スイッチ(910)はONに
なり、該スイッチ(910)からの信号を受けてモータ(515)
が回転する。図2に示すモータ(515)の回転により、駆
動カム(740)が時計方向に回動し、制御スライド(430)の
突起(471)がカム溝(741)を摺動するとともに、ホルダ(5
61)が前方に摺動する。即ち、図5(a)に示す状態から、
駆動カム(740)とラック歯(571)の噛合によって、ホルダ
(561)のラック歯(572)がピニオンギア(767)に向かうよ
うに、ホルダ(561)が前方に摺動する。ホルダ(561)はス
ライド板(360)の突片(367)に当接し、ホルダ(561)とス
ライド板(360)は一体に摺動する。スライド板(360)に噛
合したピニオンギア(767)及び回動ギア(766)は時計方向
に回動し、トレイ(765)はガイド溝(764)に沿って摺動す
る。前述の如く、ピニオンギア(767)の大歯(767a)はピ
ニオンギア(767)の外周歯面の先端部に設けられている
ので、ピニオンギア(767)の回動時に大歯(767a)が、中
間ギア(768)に当たることなく、中間ギア(768)はスムー
ズに回動することができる。
【0014】(カセット圧着) カセット(600)がカセット受け(604)に接近した状態で
は、ピニオンギア(767)は、スライド板(360)の歯面(36
1)の後端部及びホルダ(561)のラック歯(572)に、噛合す
る。同時に、図6(a)に示すように、駆動カム(740)の外
周歯面(740a)は、ラック歯(571)の後端部に噛合し、ホ
ルダ(561)の突起歯(569)は、駆動カム(740)の切欠き(74
0c)の近傍に位置する。更に、駆動カム(740)が時計方向
に回動すると、図5(b)に示すように、従来と同様に、
回動ギア(766)に嵌められたトーションバネ(761)によっ
て、トレイ(765)の突起(765a)が下方に押圧され、トレ
イ(765)に挿入されたカセット(600)は、カセット受け(6
04)に圧接される。そして、駆動機構(560)を更に前方に
摺動させる。このとき、図5(b)に示すように、中間ギ
ア(768)の凸部(768a)と回動ギア(766)の凹部(766a)は、
互いに喰い込みながら嵌合する。凹部(766a)と凸部(768
a)が嵌合完了した状態では、いわゆるゼネバストップを
構成するので、回動ギア(766)と中間ギア(768)は、嵌合
した状態で停止している。即ち、トレイ(765)に嵌めら
れたカセット(600)を、カセット受け(604)に圧着させた
状態を保つ。上記のように、カセット(600)をカセット
受け(604)に圧着させる場合には、フロントメカ(760)の
ピニオンギア(767)は、スライド板(360)の歯面(361)及
びホルダ(561)のラック歯(572)に係合する。従って、歯
面(361)のみがピニオンギア(767)に噛合して、駆動機構
(560)が摺動する場合に比べ、駆動機構(560)はカセット
(600)を圧着させる大きな力に耐え得ることができる。
【0015】更に、駆動カム(740)を時計方向に回動さ
せると、図6(c)に示すように、駆動機構(560)は、更に
前方に摺動して、ホルダ(561)の突起歯(569)と駆動カム
(740)の切欠き(740c)の係合が外れ、突起歯(569)の先端
は、円筒部(747)の側面に当接しながら摺動する。即
ち、ホルダ(561)は前方への摺動を制止される。このと
き、制御スライド(430)の突起(471)は、円弧溝部(741a)
の時計方向の端部に位置している。カセットローディン
グ中は、制御スライド(430)の突起(471)は、カム溝(74
1)の円弧溝部(741a)を摺動するので、制御スライド(43
0)は摺動しないが、カセットローディング完了後は、突
起(471)は、カム溝(741)の駆動溝部(741b)を摺動するの
で、図2に示すように、制御スライド(430)は回転中心
点Pを中心として、反時計方向に摺動する。制御スライ
ド(430)は、テープ走行系部品、例えばカセット(600)か
ら磁気テープを引き出す先導ガイドブロック(804)等を
作動させる。上記の如く、回動ギア(766)と中間ギア(76
8)の嵌合によって、カセット(600)をカセット受け(604)
に圧着した状態を保ち、かつカセットローディング完了
後に、駆動機構(560)と駆動カム(740)の噛合を解除する
ので、カセット(600)圧着完了後に、カセット(600)を圧
着し続けるべく、駆動カム(740)に負荷がかかることは
ない。従って、駆動カム(740)の回動がスムーズに行な
われ、磁気記録再生装置全体の負荷が軽減される。尚、
カセット(600)を磁気記録再生装置から取り出す場合に
は、上記と逆の経路の動作を行なわしめることによっ
て、フロントメカ(760)からカセット(600)を取り出すこ
とができる。即ち、駆動カム(740)の反時計方向の回動
により、ホルダ(561)の突起歯(569)と駆動カム(740)の
切欠き(740c)が係合し、ホルダ(561)が後方に摺動す
る。ピニオンギア(767)と中間ギア(768)が互いに反対方
向に回転して、凸部(768a)と凹部(766a)の係合が解除さ
れ、ピニオンギア(767)と回動ギア(766)が、反時計方向
に回動することで、トレイ(765)がカセット(600)排出方
向に摺動する。
【0016】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロントメカと駆動機構の斜視図である。
【図2】シャーシと駆動機構の一部を破断した平面図で
ある。
【図3】ホルダとスライド板の斜視図である。
【図4】ピニオンギアとスライド板の一部拡大図であ
る。
【図5】駆動機構が摺動し、トレイが移動する状態の側
面図である。
【図6】駆動機構が摺動し、駆動カムが回転する状態の
平面図である。
【図7】シャーシとフロントメカの前端部を一部破断し
た斜視図である。
【図8】従来のシャーシとフロントメカの平面図であ
る。
【図9】同上の側面図である。
【図10】従来のフロントメカの移動状態を示す側面図
である。
【図11】同上の側面図である。
【符号の説明】
(100) シャーシ (360) スライド板 (561) ホルダ (760) フロントメカ (766) 回動ギア (768) 中間ギア

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カセット(600)が載置されたトレイ(765)
    を摺動させて、カセット(600)をシャーシ(100)に対し着
    脱せしめるフロントメカ(760)を具えたカセットローデ
    ィング機構に於いて、 シャーシ(100)上に回動自在に設けられ、側面に切欠き
    (740c)を設けた円筒部(740b)が一体に形成された駆動カ
    ム(740)と、 駆動カム(740)に係合して摺動し、カセット(600)のシャ
    ーシ(100)への圧着時に、上記切欠き(740c)と係合可能
    な突起歯(569)及びフロントメカ(760)に取り付けられた
    ピニオンギア(767)に噛合可能なラック歯(572)が設けら
    れているホルダ(561)と、 フロントメカ(760)の側部に取り付けられ、トレイ(765)
    に連結された回動ギア(766)と、 回動ギア(766)とピニオンギア(767)に噛合した中間ギア
    (768)を具え、中間ギア(768)と回動ギア(766)のいずれ
    か一方の側面に滑らかな曲面を有する凸部(768a)を設
    け、他方の側面には、カセットローディング完了状態
    で、該凸部(768a)と嵌合してゼネバストップを構成する
    凹部(766a)が設けられていることを特徴とするカセット
    ローディング機構。
  2. 【請求項2】 ホルダ(561)が設けられた駆動機構(560)
    に形成されたラックの一部に、他の歯よりもモジュール
    の大きな切欠き歯(361a)を設けるとともに、フロントメ
    カ(760)の側部に設けられ、トレイ(765)に連繋したピニ
    オンギア(767)の外周歯面の一部には、トレイ(765)がカ
    セット(600)挿入可能となるべく引き戻された状態で、
    切欠き歯(361a)と嵌合する大歯(767a)が設けられたこと
    を、特徴とする請求項1に記載のカセットローディング
    機構。
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