JP2777429B2 - ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子およびその製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子およびその製造方法

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JP2777429B2 JP1292137A JP29213789A JP2777429B2 JP 2777429 B2 JP2777429 B2 JP 2777429B2 JP 1292137 A JP1292137 A JP 1292137A JP 29213789 A JP29213789 A JP 29213789A JP 2777429 B2 JP2777429 B2 JP 2777429B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、容器、バンパー芯材、椅子のクッション
材、ヘルメット芯材、盛土工法用埋立ブロック材を型内
ビーズ成形法で製造するのに用いる予備発泡粒子に関す
る。
本発明の予備発泡粒子は、その体積が、型内に充填さ
れたときに生じる粒子間隙の約30〜40%を埋めるのに十
分な程加熱により体積が膨脹するので、予備発泡粒子に
無機気体や有機揮発剤を浸透(加圧熟成)させて粒子内
圧を高めさせたり、型内ビーズ成形時に圧縮する必要は
なく、優れた二次発泡能力を有するものである。
〔従来技術〕
型内ビーズ成形用ポリプロピレン系樹脂発泡粒子また
は予備発泡粒子をドカン法(オートクレーブ法)で製造
することは知られている(特公昭49−2183号、同56−13
44号、特開昭60−49040号、同58−25334号、同62−1287
09号、同63−256634号、同63−258939号、同63−107516
号、同63−183832号)。
即ち、これら型内ビーズ成形用粒子は、密閉容器内
で、分散剤を含む水中にポリプロピレン系樹脂粒子を分
散させ、ついで無機ガス(空気、チッソガス、炭酸ガ
ス)または揮発性膨脹剤を密閉容器内に導き、その後、
分散液をポリプロピレン系樹脂の融点(DSC曲線のピー
クの高温側の裾野の温度Tmプラスチック材料講座7、
「ポリプロピレン樹脂」、第50〜51頁;日刊工業新聞社
刊、高木謙行、佐々木平三編著、昭和44年11月30日発
行)よりも35℃低い温度からTmより10℃高い温度までの
温度で加熱し、同温度で30分〜1時間保持した後、密閉
容器下部に設けた排出パイプの弁を開放して水と共にポ
リプロピレン系樹脂粒子を大気圧中に放出することによ
り粒子を発泡させて得ている。
このドカン法により得られる発泡した粒子は、融点
(Tm)より低く、軟化点開始温度よりは高い温度、即
ち、結晶性ポリプロピレン系樹脂粒子の結晶が促進され
る温度で15分〜1時間保持される場合は、ポリプロピレ
ン系樹脂の結晶化が進み(特公昭49−2183号、特開昭60
−49040号、同60−235849号)、ポリプロピレン系樹脂
粒子がもっていたα結晶の他にβ結晶やγ結晶が形成さ
れ、発泡した粒子のDSC曲線をとるとポリプロピレン系
樹脂粒子のα結晶に基く固有ピークの他に、この固有ピ
ークよりは高温側にβ結晶やγ結晶によるピークが表わ
れる(特公昭63−24617号、特開昭60−49040号、同60−
123540号、同60−82333号、同62−128709号、同63−256
634号、同63−258939号、同63−107516号、同63−18383
2号)。
このようなドカン法で製造されたビーズにおいて、同
一のポリプロピレン系樹脂を用いても得られるビーズに
は、ビーズ自身、二次発泡能力のない発泡粒子(特公
昭63−24617号、特開昭60−49040号)と、ビーズ自
身、二次発泡能力を有する予備発泡粒子(特開昭62−12
8709号、同63−256634号、同63−107516号、同63−2566
34号、同63−258939号、同63−183832号)とに分別され
る。
後者のの、ビーズ自身、二次発泡能力を有する予備
発泡粒子を、前者の発泡粒子と区別するために、例え
ば特開昭62−128709号公報では、予備発泡粒子のDSC曲
線の高温側のピークの融解エネルギーが嵩密度0.04g/cm
3以上においては、1.9〜2.9cal/g(8〜12J/g)、嵩密
度0.04g/cm3未満においては、1.9cal/g以上(8J/g以
上)、また、特開昭63−107516号では、同様に融解エネ
ルギーが0.5〜2.3cal/g(2.09〜9.63J/g)と記載してい
るが、ビーズ自身、二次発泡能力のないの発泡粒子に
おいても、特公昭63−44779号(特開昭60−49040号公
報)の第1表に高温ピークの融解エネルギーが0.9〜5.3
cal/g(3.78〜22.26J/g)と記載されるように特開昭62
−128709号、同63−107516号公報記載の予備発泡粒子の
高温ピークの融解エネルギーと同一の値を示しており、
高温ピークの融解エネルギーの値のみではビーズ自身の
二次発泡能力の有無を判別できない。ポリプロピレン系
樹脂の予備発泡粒子が二次発泡能力を示す要因としてDS
C曲線の高温ピークの融解エネルギーの値以外の別の要
因を考慮する必要がある。
更に、二次発泡能力のある予備発泡粒子においても、
スチーム加熱によりビーズが膨脹する程度に差があり、
金型にビーズを充填したときに生ずるビーズ間隙を埋め
る(理想球状粒子では粒子間隙は約33%)のに十分な二
次発泡能力を有さないものもある。その為、型内ビーズ
発泡形成時に、型内を減圧する必要(特開昭62−128709
号、同62−271892号、同63−256634号、同63−258939
号、同63−308044号)があったり、ビーズを型内に圧縮
して充填し、型内ビーズ発泡成形する(特開昭63−1838
32号)必要である。
更にまた、特開昭62−128709号、同62−183832号、同
62−256634号、同62−258939号公報に開示される二次発
泡能力のあるポリプロピレン系予備発泡粒子の製造方法
では、ポリプロピレン系樹脂粒子のDSC曲線のピーク温
度(Tp)で、ある時間、分散液を保持し、ポリプロピレ
ン系樹脂の結晶化を促進したのち、分散液の温度をポリ
プロピレン系樹脂のTm近傍の温度に更に昇温し、結晶化
促進により生じたDSCの高温ピークが消滅しない程度の
時間、同温度で分散液を保持し、容器外に水と粒子を放
出して発泡を行うという二段に温度コントロールすると
いうかなり特殊な製造手法を必要としていた。
かかる二段に保持温度をかえる理由は、結晶化促進温
度と、発泡温度がポリプロピレン系樹脂粒子のDSCピー
ク温度Tpより低い温度であると、例えばTmより25℃低い
温度である場合、得られた発泡粒子の気泡壁には、結晶
配向が大きく残り、この結晶配向故に、第1図aおよび
第2図aに示すようにスチーム加熱すると発泡粒子が収
縮するからである(このようなポリプロピレン系樹脂発
泡粒子は、特公昭63−24617号公報な記載されるように
高圧無機ガスを6〜24時間発泡粒子内に圧入して粒子セ
ル内圧を1.18kg/cm2G以上高めて二次発泡能力を粒子に
付与する(いわゆる加圧熟成)か、特開昭63−178029号
公報に開示されるように発泡粒子を40〜70%圧縮して型
内に充填し、その復元力を利用して粒子間隙を満たし加
熱融着する成形法がとめられている。)。
特開昭63−256634号公報の実施例では発泡剤としてブ
タンよりも細い気泡(セル)を与えるフレオンを用い、
発泡温度がポリプロピレン系樹脂の融点より低い温度で
発泡を行なって二次発泡能力のあるビーズを得ている
(第1図のbおよび第2図のb)。しかし、この場合で
も得られる予備発泡粒子はセル径が2.0mmと粗く、これ
から得られる型内発泡成形体は外観が悪くなるという欠
点を有している。
本発明者等は、二次発泡能力を有する予備発泡粒子の
中においてもスチーム加熱時の膨脹挙動が種々異なるこ
と、および発泡粒子の中においても加熱によりその体積
収縮率が種々異なることを見い出し、ドカン法によるビ
ーズ製造時の分散液の保持温度、保持時間、発泡温度の
影響を検討したところ、二次発泡能力を有する予備発泡
粒子を得るのに、分散液の保持温度、放出温度をポリプ
ロピレン系樹脂の融点(Tm)に近いTm以下の温度に設定
するのがビーズの二次発泡能力の高さの面で好ましい
が、高次結晶の割合(DSCの高温ピークの融解エネルギ
ー)が小さくなるので、該ビーズを用いて型内ビーズ発
泡成形して得た発泡成形体の圧縮強度が低下する欠点を
見い出した。さらに、該ビーズを用いて型内ビーズ発泡
形成した得た発泡成形体は成形直後に成形品収縮が大き
くなり、高温下ですら長時間の養生を必要とする欠点も
見い出した。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、型内ビーズ発泡成形時に、圧縮充填や、金
型のキャビティ内を減圧しなくても粒子間隙を埋めるに
十分な加熱膨脹率を有し、かつ成形性の良好な成形品を
与えるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供するこ
とを第1の目的とする。
本発明の第2の目的は、圧縮強度の高い発泡成形体を
与えるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法の
提供にある。
〔課題を解決するための具体的手段〕
本発明者等は、ポリプロピレン系樹脂の分子量分布や
バラス効果(BE)が、得られる予備発泡粒子や発泡粒子
のスチーム加熱による体積膨脹力(二次発泡能力)や収
縮応力にいかなる影響を及ぼすか検討したところ、樹脂
のQ値が6よりも小さく、BE値が1.5以下であると、ビ
ーズ製造時の分散液の保持温度(樹脂粒子の結晶化促進
温度)と分数液の放出温度とも樹脂のDSC曲線ピーク温
度(Tp)より2〜8℃低くても、ビーズはスチーム加熱
による体積膨脹率が約33%を越える二次発泡能力を有
し、かつ、このビーズを用いて製造された型内発泡成形
体は従前のものよりも高い圧縮強度を有することを見い
出し、本発明を完成した。
しかも、このポリプロピレン系樹脂のQ値、BE値を特
定の域に選択すれば、特開昭62−128709号、同62−2566
34号等に記載されるようなビーズ製造時に分散液の保持
温度と放出(発泡)温度を二段に切り替るというわずら
わしい工程を経ることなく、保持温度と放出温度を同一
温度ですることが可能となることも見い出した。
即ち、本発明の第1は、重量平均分子(▲▼)と
数平均分子量(▲▼)との比の値(▲▼/▲
▼)が6以下であって、JIS K−7210記載のMFR測定器
を用い、オリフィス径(lo)2.0959±0.005mmφ、オリ
フィス長8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条
件下でポリプロピレン系樹脂のMFRを測定する際、オリ
フィスから押出された樹脂の直径lと、オリフィス径
(lo)との比(l/lo)が1.15以下であるポリプロピレン
系樹脂を基材とする予備発泡粒子を提供するものであ
る。
本発明の第2は、密閉容器内に、重量平均分子量(▲
▼)と数平均分子量(▲▼)との比の値(▲
▼/▲▼)が6以下であって、JIS K−7210記載
のMFR測定器を用い、オリフィス径(lo)2.0959±0.005
mmφ、オリフィス長8.000±0.025mm、荷重2160g、230±
0.2℃の条件下でポリプロピレン系樹脂のMFRを測定する
際、オリフィスから押出された樹脂の直径lと、オリフ
ィス径(lo)との比(l/lo)が1.15以下であるポリプロ
ピレン系樹脂のペレットと、水と炭素数が3〜8の脂肪
族炭化水素よりなる揮発性発泡剤を配合し、これを該ポ
リプロピレン系樹脂のDSC曲線のピーク温度(Tp)より
も2〜8℃低い温度まで昇温した後、該密閉容器の一端
を開放してペレットと水とを密閉容器内より低圧の雰囲
気下に放出し、ペレットを発泡せしめて予備発泡粒子を
製造する方法を提供するものである。
(ポリプロピレン系樹脂) ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重
合体、プロピレン・エチレン(0.5〜8重量%)ランダ
ム共重合体、プロピレン・エチレン(3〜18重量%)ブ
ロック共重合体、プロピレン・ブテン−1(2〜15重量
%)ランダム共重合体、プロピレン・エチレン(0.3〜
5重量%)・ブテン−1(2〜12重量%)ランダム共重
合体、プロピレン・ヘキセン−1(2〜6重量%)ラン
ダム共重合体、プロピレン・4−メチルペンテン−1
(1〜8重量%)ランダム共重合体等のQ値が6.0以
下、好ましくは3.5〜5.8の結晶性ポリプロピレン系樹脂
で、バラス効果(BE)が1.15以下、MFRが5〜25g/10分
のものが使用される。これらの中でも、特に圧縮強度の
優れた型内発泡成形体を与えるプロピレン・ブテン−1
ランダム共重合体が好ましい。
ここでQ値は、分子量分布の指標となるもので、重量
平均分子量(▲▼)を数平均分子量(▲▼)で
除した商(▲▼/▲▼)であり、Q値が小さい
程分子量分布が狭いことを意味する。
Q値が6.0以下のポリプロピレン系樹脂粒子を得るに
は高活性触媒をもちいて重合して得ることもできるが、
一般的にはQ値が6.0を越えるポリプロピレン系樹脂100
重量部に、有機パーオキサイドを0.05〜0.1重量部の割
合で配合し、これを溶融混練し、ダイよりストランド状
に押し出し、これをペレタイズすることにより容易に得
ることができる。有機パーオキサイドとしては、1、1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシ
クロヘキサン〔90℃〕、t−ブチルパーオキシラウレー
ト〔96℃〕、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン〔100℃〕、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート〔104℃〕、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド〔109℃〕、ジクミルパーオキサイド〔117℃〕等の有
機過酸化物(括弧内は10時間の半減期を得る分解温度)
等が使用される。
この▲▼/▲▼比であるQ値は、分子量分布
の目安を示すものでQ値が大きい程、分子量分布は広い
傾向を示す。Q値が小さい方が発泡時にビーズ気泡壁に
かかる延伸配向の度合が小さいので、型内ビーズ発泡成
形時のスチーム加熱によるビーズの熱収縮の度合が小さ
く、高い二次発泡能力のある予備発泡粒子が得られる。
このQ値は、6以下、好ましくは5.5以下である。市販
のホモのポリプロピレンのQ値は一般に5.5〜8、プロ
ピレン・エチレン(0.5〜8wt%)ランダム共重合体のQ
値は一般に5.0〜7.5である。
Q値が6を越えても二次発泡能力のある予備発泡粒子
が得られるが、DSC曲線の高温ピークを小さく(融解エ
ヘルギーを小さく)するように予備発泡粒子製造時に温
度を多段に変化させる必要があり、また、この予備発泡
粒子を用いて型内発泡ビーズ成形するとき、型中を減圧
する操作が必要である。更に得られる成形体の圧縮強度
も低い。
ポリプロピレン系樹脂のQ値の選定のみでは、気泡径
が50〜250ミクロンの微細な予備発泡粒子が得られると
は限らないことは前記特開昭63−256634号公報の実施例
に記載されるようにセル径の粗い予備発泡粒子しか得ら
れない。また、セル径を細かくするために使用してる揮
発性発泡剤としてのフレオンの使用がオゾン層破壊の理
由で禁止される動向にある現状では、ブタン、ペプタン
等の炭化水素か、炭酸ガス、窒素ガス等の無機ガスの使
用に頼らざるを得ず、より気泡径の粗い予備発泡粒子し
か得られない。
本発明等は、炭化水素を発泡剤を用いても100〜300ミ
クロンと比較的細い気泡径の予備発泡粒子を得る条件を
検討したところ、Q値と共にポリプロピレン系樹脂のバ
ランス効果(BE)も予備発泡粒子の二次発泡能力、気泡
径に重大な影響を及ぼすことを見いだし、BE値が1.15以
下のときは、発泡剤が脂肪族炭化水素であっても二次発
泡能力が33容量%以上で、気泡径が100〜300ミクロンの
予備発泡粒子が得られることが判った。しかも、ポリプ
ロピレン系樹脂の中でも、ホモのポリプロピレンやプロ
ピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチ
レンブロック共重合体よりも、ブテン−1(2〜10重量
%)・プロピレンランダム共重合体の方がより気泡径の
調整が容易である。
BE値は、用いるポリプロピレン系樹脂の種類、分子
量、分子量分布、分岐度等によって決まる。BE値が1.15
以下のポリピロピレン系樹脂を得るには、Q値が6.0以
下のポリプロピレン系樹脂を得るときと同様の方法によ
り得ることができる。用いるポリプロピレン系樹脂の種
類によりQ値が本特許請求の範囲であってもBE値が本特
許請求の範囲外であることがあり、またその逆のケース
もあるので、Q値およびBE値両方が本特許請求の範囲内
になるように有機パーオキサイドの量、溶融混練温度を
調整する。
ここでバラス効果(BE)の測定では第3図に示される
JIS K−7210記載のMFR測定器を用い、オリフィス径
(lo)2.0959±0.005mmφ、オリフィス長8.000±0.025m
m、荷重2160g、230±0.2℃の条件下でポリプロピレン系
樹脂のMFRを測定する際、オリフィスから押出された樹
脂の直径lと、オリフィス径(lo)との比(l/lo)の値
であり、ME値が小さい程、得られる予備発泡粒子の気泡
は細かい傾向を示す。
具体例な測定は、次の(1)、(2)の手順で行われ
る。
(1) メルトインデクサー1およびオリフィス2、荷
重用ピストンを、230±0.2℃に昇温しシリンダー3内へ
樹脂を充填する。荷重用ピストンを挿入して手で押しこ
み、予備荷重(325g)をセットし、上記温度にて4分30
秒放置後、2160gに荷重変更し6分後よりオリフィスか
ら流出する樹脂をエチルアルコール(99.5%)中5へ流
下させ約7cmの長さで採取する。
注意 1.サンプリング樹脂は、曲がってはならない。
2.サンプリング樹脂中に、気泡が入らない様にす
る。
(2) 樹脂ごとに3点づつサンプリングし、4cmの長
さに切断する。それぞれのサンプルの長さと重量を正確
に、1/100mm、1/10mg単位まで測定する。
両者の値を下式に代入し、押出物の径lを求めオリフ
ィス径loとの比(l/lo)を算出する。
ME=l/オリフィス径(2.095mm) l:樹脂径(mm) W:サンプル重量(mg) H:サンプルの長さ(mm) D:樹脂密度 ポリプロピレン系樹脂のBE値が1.15を越えては、気泡
径が大きくなり易く、得られる型内発泡形体の外観が悪
い。
(発泡剤) トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロ
メタン、トリクロロトリフルオロメタン、ジクロロテト
ラフルオロエタン等のフレオン類は、微細な気泡を形成
させるのに良好な発泡剤であるが、オゾン層破壊の原因
として使用が好ましくない。
本発明においては、プロパン、ブタン、ヘプタン、ペ
ンタンの炭化水素が使用される。発泡剤の使用量は、得
られる予備発泡粒子の嵩密度により異なるが、嵩密度が
0.010〜0.07g/cm3の予備発泡粒子を得るのに、ポリプロ
ピレン系樹脂100重量部に対し、発泡剤は8〜80重量部
の割合で用いられる。
(予備発泡粒子の製造方法) 予備発泡粒子は、密閉容器内に、Q値が6以下で、BE
値が1.15以下のポリプロピレン系樹脂100重量部、水150
〜500重量部、炭化水素8〜80重量部、分散剤、0.3〜5
重量部、分散助剤0.05〜1重量部を配合し、この分散液
をポリプロピレン系樹脂のDSC曲線のピーク温度(Tp
よりも2〜8℃低い温度に昇温し、同温度で5〜60分維
持した後、密閉容器内よりも低い圧力域に水と共にポリ
プロピレン系粒子を放出することにより予備発泡粒子が
得られる。
懸濁剤としては、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸
マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム等
が、懸濁助剤としてはドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、ノニルフェノールのエチレンオキサイド付加物等が
使用される。ポリプロピレン系樹脂の結晶化促進のため
の分散液の維持温度、放出温度が高い程二次発泡能力の
高い予備発泡粒子を得ることができるが、気泡は粗くな
り、得られる型内ビーズ発泡成形体の成形性は悪くな
り、また、圧縮強度も低下する傾向(第4図)にあり、
Tpを越えると、DSCの高温ピークの融解エネルギーが小
さくなりすぎる。結晶化温度、発泡温度が低い程、圧縮
強度の高い型内ビーズ発泡成形体が得られる(第4図)
が、二次発泡能力は低下する傾向にある(第5図)。従
って、炭化水素系発泡剤を用い、ポリプロピレン系樹脂
のTpより2〜8℃低い温度で結晶化促進と、同時に発泡
を行うことを可能とならしめた本発明は、高剛性で外観
の良好な成形体を与える二次発泡能力が33%以上の予備
発泡粒子を得ることを可能ならしめた点で画期的なもの
である。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。
ポリプロピレン系樹脂の調整 例 1 ブテン−1(8.5重量%)・プロピレンランダム共重
合体(MFR3.7g/10分、DSCビーク温度(Tp)149℃、DSC
融解終了温度Tm163℃、Q値6.55、▲▼:3.76×1
05、▲▼:5.74×104、BE値1.36)100重量部に、ジ
クミルパーオキサイド0.05重量部を加え、これを押出機
を用いて220℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、
ペレタイズしてQ値5.33(▲▼:2.88×105、▲
▼:5.40×104)、Tp150℃、Tm162℃、BE値1.14のペレッ
ト(重量約1.5/個)を得た。
例2〜例9 樹脂の種類、ジクミルパーオキサイドの量と混練温度
を変えて例1と同様にして表1に示すポリプロピレン系
樹脂ペレットを得た。
実施例1 密閉容器内に、例1で得たQ値が5.33、BE値1.14、Tp
150℃、Tm162℃のブテン−1(8.5wt%)・プロピレン
ランダム共重合体粒子100重量部、水300重量部、第三リ
ン酸カルシウム3.2重量部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.5重量部および発泡剤としてイソブタン
4.5重量%とn−ブタン5.5重量%の混合物10重量部を加
え、撹拌して分散液となし、撹拌しながら145℃に昇温
し、同温度で10分間保持した後、密閉容器に窒素ガスを
導入し、背圧25kg/cm2Gをかけながら密閉容器の下端の
バルブを開き、ノズルより分散液を大気圧下の受槽に放
出し、予備発泡粒子を得た。
この予備発泡粒子の嵩密度は32g/、独立気泡率は87
%、3.5kg/cm2Gのスチームで粒子加熱時の最大体積増加
率は42容量%であった。
この予備発泡粒子を、スチーム孔を多数穿った金型の
キャビディ内にすりきれ状態で充填し(空隙率は約36
%)、ついで3.5kg/cm2Gのスチームをキャビディ内に15
秒導入して加熱を行い、その後、チャンバー内に冷却水
を導き、型開きし、成形体を得た。
このものの密度は33g/、気泡径220〜250μm、粒子
間間隙は1%、寸法収縮は2.2%、静的圧縮強度は2.8kg
/cm2であった。
実施例2〜7、比較例1〜8 実施例1において、樹脂ペレットとして表2に示すペ
レットを用い、保持温度、発泡温度を同表に示す条件で
行ない、予備発泡粒子または発泡粒子を得た。
これら予備発泡粒子または発泡粒子を金型のキャビテ
ィにすりきれ状態に充填し、3.0〜3.5kg/cm2Gのスチー
ムで10〜15秒間加熱し、ついで冷却し、離型して表2に
示す物性の成形体を得た。
実施例8 実施例1において、発泡剤の使用量を変化させる他は
同様にして表3に示す型内ビーズ発泡成形体を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、プロピレン・エチレンランダム共重合体の発
泡粒子(a)または予備発泡粒子(b)の、ある温度に
おける10秒間スチーム加熱した時の体積増加率または体
積収縮率、第2図は前記発泡粒子(a)または予備発泡
粒子(b)を、3.5kg/cm2G(約148℃)のスチームで加
熱したときの粒子の体積増加率または体積収縮率の経時
変化を示すものである。 第3図はポリプロピレン系樹脂粒子のバラス効果(BE
値)を測定する装置の平面図、第4図は、実施例1の樹
脂を用いて、発泡温度と発泡剤量以外の条件を同一とし
て得た予備発泡粒子を成形品密度が33g/となる様成形
し、該成形体をJIS Z0234に準じ50%圧縮した時の圧縮
応力を測定したものである。 第5図はドカン法における発泡温度と、得られたブテン
−1・プロピレンランダム共重合体の予備発泡粒子を3.
5kg/cm2Gのスチーム(約148℃)で5秒間加熱したとき
の粒子の体積変化率を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量(▲▼)と数平均分子
    量(▲▼)との比の値(▲▼/▲▼)が6
    以下であって、JIS K−7210記載のMFR測定器を用い、オ
    リフィス径(lo)2.0959±0.005mmφ、オリフィス長8.0
    00±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下でポリプ
    ロピレン系樹脂のMFRを測定する際、オリフィスから押
    出された樹脂の直径lと、オリフィス径(lo)との比
    (l/lo)が1.15以下であるポリプロピレン系樹脂を基材
    とする予備発泡粒子。
  2. 【請求項2】密閉容器内に重量平均分子量(▲▼)
    と数平均分子量(▲▼)との比の値(▲▼/▲
    ▼)が6以下であって、JIS K−7210記載のMFR測定
    器を用い、オリフィス径(lo)2.0959±0.005mmφ、オ
    リフィス長8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の
    条件下でポリプロピレン系樹脂のMFRを測定する際、オ
    リフィスから押出された樹脂の直径lと、オリフィス径
    (lo)との比(l/lo)が1.15以下であるポリプロピレン
    系樹脂のペレットと、水と、炭素数が3〜8の脂肪族炭
    化水素よりなる揮発性発泡剤を配合し、これを該ポリプ
    ロピレン系樹脂のDSC曲線のピーク温度Tpよりも2〜8
    ℃低い温度まで昇温した後、該密閉容器の一端を解放し
    てペレットと水とを密閉容器内より低圧の雰囲気下に放
    出し、ペレットを発泡せしめて予備発泡粒子を製造する
    方法。
  3. 【請求項3】ポリプロピレン系樹脂が、ブテン−1 2
    〜15重量%と、プロピレン98〜85重量%とのランダム共
    重合体を、有機パーオキサイドを用いて分子切断して得
    られたものであり、MFRが5〜25g/10分であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の予備発泡粒子。
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