JP2777103B2 - 水容器 - Google Patents

水容器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水容器、特に、長期
間、一定の水位を維持でき、花瓶等に使用できる水容器
に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、水
容器としては、例えば、生け花を生けるための花瓶があ
る。通常、花瓶には生け花に水を供給するために水が入
れらる。
【0003】しかしながら、時間の経過につれて水が生
け花に吸い上げられ、あるいは、蒸発して水量が減少す
ると、水位が低下し、生け花に水を十分に供給できな
い。このため、花瓶に水を定期的に補給する必要があ
り、水位の維持に手間がかかった。特に、真夏の墓参り
に供える供花用花瓶の場合、花瓶の水は極めて蒸発しや
すい。このため、水を頻繁に補給しないと、供花がすぐ
に枯れてしまうという問題点がある。
【0004】本発明は、前記問題点に鑑み、所望の水位
を長期間維持できる水容器を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる水容器
は、前記目的を達成するため、上方に開口する外容器
と、この外容器の底面に固定した筒状体からなり、一端
が、前記筒状体の中間部で前記筒状体の内部空間に連通
し、かつ、他端が、前記筒状体の上端部近傍で前記外容
器の内部空間に連通する連通路を有するとともに、前記
筒状体の内部空間と前記外容器の内部空間とを連通する
貫通孔を前記連通路の一端よりも下方側に設けた中容器
と、前記外容器と前記中容器との間に形成された貯水用
空間の上方開口部を密閉する蓋体とからなる構成とした
ものである。
【0006】また、前記外容器は、フレキシブルなシー
ト材からなるものであってもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる実施形態を
図1ないし図4の添付図面に従って説明する。第1実施
形態は、図1ないし図3に示すように、外容器10と、
中容器20と、蓋体30とから構成されている。
【0008】外容器10は、有底の円筒形状であり、硬
質プラスチック等の変形しにくい素材からなり、その外
周面の開口縁部近傍に雌ネジ部11を設けてある。
【0009】中容器20は、前記外容器10の底面に立
設,固定した筒状体21からなり、その側壁の中間部に
通気孔22を設けてある。そして、この筒状体21は、
その外側面に2分割した小径の有底筒体23を固定する
ことにより、一端を、前記通気孔22に連通し、かつ、
他端を、筒状体21の上端部近傍で開口する開口部24
とした連通路25を有している。さらに、前記筒状体2
1は、その下端縁部を切り欠いて前記外容器10の内部
空間に連通する貫通孔26を設けてある。
【0010】蓋体30は、前記外容器10と前記中容器
20との間に形成された貯水用空間12の上方開口部を
密閉するものであり、前記外容器10の雌ネジ部11に
螺合することにより、着脱可能に取り付けられる。な
お、蓋体30は、図2に示すように、前記貯水用空間1
2内の空気を抜くための空気孔31に止栓32を螺合し
て密閉してある。
【0011】したがって、止栓31を取り外し、貯水用
空間12から溢れ出るまで中容器20に水13を注水し
た後、止栓32で空気孔31を密閉する。このとき、中
容器20内の水位、連通路25内の水位、および、貯水
用空間12内の水位はほぼ等しい。
【0012】そして、中容器20内の水が蒸発等で減少
し、水位が低下しても、貯水用空間12内の水圧と、中
容器20内の水圧および大気圧とが釣り合い、貯水用空
間12内の水が中容器20内に流出しないので、中容器
20内の水位だけが低下する。
【0013】ついで、中容器20内の水位が更に低下
し、通気孔22が露出すると、この通気孔22から空気
が連通路25内に侵入し、開口部24から貯水用空間1
2内に流入する。このため、貯水用空間12内の水が押
し出され、貫通孔26を介して中容器20内に流入す
る。この結果、中容器20内の水位が上昇し、通気孔2
2を水が塞ぐ。
【0014】さらに、水が蒸発等で減少し、水位が低下
すると、前述と同様な過程を経て中容器20内に貯水用
空間12内の水が流入する。このため、中容器20内の
水位は常に一定に保たれる。
【0015】本実施形態によれば、例えば、真夏の暑い
日中の墓前に供える供花の花瓶に利用しても、貯水用空
間12内の水が断熱材として機能するので、中容器20
内の水が蒸発しにくい。このため、水を頻繁に補給する
必要がなくなり、手間がかからないという利点がある。
【0016】なお、第1実施形態では、図3(a)に示
すように、外容器10に中容器20を同心円状に配置す
る場合について説明したが、必ずしもこれに限らず、図
3(b)に示すように、一方側に偏心させて固定しても
よい。
【0017】第2実施形態は、図4に示すように、第1
実施形態の外容器10が硬質プラスチック等の変形しに
くい素材で形成したものであるのに対し、外容器10が
フレキシブルな塩化ビニール,ポリエチレン等のシート
材からなるものである。ただし、前記外容器10は、蓋
体30を取り付ける開口縁部を肉厚とし、蓋体30を螺
合可能としてある。
【0018】本実施形態にかかる水容器は、例えば、図
4に示すように、広口の花瓶40内に収納して使用でき
る。他の構成は前述の第1実施形態とほぼ同様であるの
で、同一部分には同一番号を付して説明を省略する。
【0019】本実施形態によれば、大型の花瓶40を利
用することにより、多量の水を貯水できるだけでなく、
不使用時には外容器10を小さく畳めるので、嵩張らな
い。また、大型の花瓶40の内部を洗浄し、水を換える
必要がなくなるので、重く、かつ、壊れやすい大型の花
瓶40を運ぶ必要がなくなり、作業が楽になる。さら
に、前記外容器10はフレキシブルなシート材であるの
で、適用する容器は図4に示す花瓶40に限らず、例え
ば、断面方形の容器であってもよい。
【0020】なお、前述の実施形態では、円筒形の筒状
体を中容器に使用する場合について説明したが、必ずし
もこれに限らず、断面方形の筒状体を使用してもよい。
また、連通路は必ずしも中容器の外側面に設ける必要は
なく、必要に応じて中容器の内側面に設けてもよい。こ
の場合、連通路は、例えば、その上端を、中容器の側壁
の上端部近傍に設けた貫通孔に連通し、その下端を、中
容器の内部空間に連通しておけばよい。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる水容器によれば、中容器の水位が低下して通気
孔が露出すると、この通気孔から侵入した空気が連通路
を介して貯水用空間内に流入する。このため、貯水用空
間内の水が中容器に設けた貫通孔を介して中容器内に流
入し、中容器内の水位が上昇して前記通気孔を塞ぐ。以
後、同様な過程を経ることにより、中容器内の水位は常
に一定に保持される。この結果、水の補給を頻繁に行う
必要がなくなり、水位の維持に手間がかからない。ま
た、貯水用空間が中容器の周囲に形成されるので、その
断熱構造によって中容器内の水が蒸発しにくくなり、水
の補給期間がより一層長くなる。請求項2によれば、外
容器がフレキシブルなシート材からなるものであるの
で、嵩張らず、小さく畳めて便利である。また、さまざ
まな外形を有する容器に収納して利用できるので、使い
勝手が良いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかる第1実施形態の斜視部分断
面図である。
【図2】 図1で示した第1実施形態の縦断面図であ
る。
【図3】 図1で示した第1実施形態を示し、図(a)
は横断面図であり、図(b)は図(a)の変形例を示す
横断面図である。
【図4】 本願発明にかかる第2実施形態の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
10…外容器、11…雌ネジ部、12…貯水用空間、1
3…水、20…中容器、21…筒状体、22…通気孔、
24…開口部、25…連通路、26…貫通孔、30…蓋
体。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に開口する外容器と、 この外容器の底面に固定した筒状体からなり、一端が、
    前記筒状体の中間部で前記筒状体の内部空間に連通し、
    かつ、他端が、前記筒状体の上端部近傍で前記外容器の
    内部空間に連通する連通路を有するとともに、前記筒状
    体の内部空間と前記外容器の内部空間とを連通する貫通
    孔を前記連通路の一端よりも下方側に設けた中容器と、 前記外容器と前記中容器との間に形成された貯水用空間
    の上方開口部を密閉する蓋体とからなることを特徴とす
    る水容器。
  2. 【請求項2】 前記外容器がフレキシブルなシート材か
    らなることを特徴とする請求項1に記載の水容器。
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